ちょっと、時間もないんで、すみません、隣でラインさせてください、すみません

(ラインを開き)

あーすごい雨だな、
くそーなんでこんな日に傘を
(雨足強まる夜の畦道。
靴の中までズブ濡れになりながら家路を急いでいると、同じように雨にさらされた一人の女が目の先に飛び込んで来る)
あれ?……し

怪我をしているのかな、随分と歩きにくそうだ

(自転車を押すのを手伝おうと声を掛けようとした瞬間、
おーい!しお、っり!!
(水溜まりの中に隠れていた石に足を引っ掛け豪快にズッコけてしまう)

……っ、痛う……

(両手、両膝をついたまますぐさま顔を上げるが、そこに……もう姿はない)

(ラインを閉じる)