【ありがと。一気に最後までやりたかったのにごめん】
(偶然とはいえ宿泊先で訪れた教会での仙奈との再会)
(この道を志したときから仙奈のことは忘れるようにしていたが)
(扉をノックされると、少し胸がドキッとして)
あっ、はい
中に入りなさい
(扉が開くのがまるでスローモーションのように感じながら)
久しぶりだね、仙奈
(扉の奥から見えた仙奈の顔を見た瞬間、心は子供の頃に戻っていって)
いや、特に用というわけではないんだけど…
久しぶりに会ったことだし、私はこれから異国に行かないといけないから、
もしかしたらこれが最後の別れになるかもしれないと思って少し話したいと思ったんだ
(簡素な机と椅子に簡素なベッドだけの室内、仙奈に椅子を勧めてからこちらはベッドに腰をかける)