置きでレスする人のためのスレinスレHエロ会話板
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置きでレスする人のためのスレinスレHエロ会話板
https://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/sureh/1290070518/ >>31
>先程のおじさんの身体が思い出される
身体じゃなくて言葉です
じゃないと次の台詞が失礼過ぎる…すみません A序章の序章
初めて冬司くんに会ったのがいつかは覚えてない
でもいつからすきになったかは覚えている
幼稚園さくら組の春
すきになったその日その瞬間にプロポーズして快諾してくれた
くれたのに…
酔客はかけらもそんなことを覚えちゃいなくて
数年後、冬司くんは結婚した
まだ小学生だったわたしはただ泣くしかできなかった
が、しかし
やっぱりだいすきと思ったその日
泥酔客に再告白
泥酔客は次は舞衣と結婚すると言った
指切りまでした
けど
もちろん泥酔客は覚えていない
学習したわたしは泣かなかったしもう中学生になっていた
そして…次、ってやっぱり来世のことかしら
と諦めかけた高2の夏
冬司くんが別居中と知る
…もしかして、今生でわたしの番?
もちろん…冬司くんがまったく覚えてないことはわかってる。それでも
階下から、お母さんと冬司くんの声が聞こえる
見送りを断る声が聞こえ、わたしは玄関に急ぐ
…酔客の歩みは遅い
余裕で間に合って、呼吸を整え、出来る限り軽くなんでもないような顔で
「ねー…」
>>14のCに続く 舞衣ちゃんを見れば目をキラキラとさせてこちらを見つめている。だがただでさえ寝起きの頭に舞衣ちゃんの言葉は半分も入ってこない。
『ええっと…ちょっと、ちょっと待ってね?』
寝癖が付いたままの酒で重い頭に手をやり舞衣ちゃんの言葉を一つ一つ整理していく。
一、デートをする事
ニ、舞衣ちゃんをどこかに連れて行く事
三、それが僕の行きたい所である事
四、欲しい物を何でも買ってやるという事
デートをしようと口約束した事はどうにか思い出したが、それ以外の事は全く記憶にない。
あの日はかなり酒が回っていたし、凡そその場しのぎで口を合わせたのだろう。
舞衣ちゃんの事は生まれた時から知っている。彼女の性格は人懐っこく素直で、くったくがない。
舞衣ちゃんが小さな頃、ままごと遊びでプロポーズをされた時があった。その時ばかりは子供相手でも嬉しいもので、こちらも恋人に成り切り返答したものだ。
舞衣ちゃんからすれば、このデートもままごと遊びの延長線で、それに彼女も年頃の女の子だ。恐らく何か欲しい物でもあるんだろう。
それにしても、これだけめかし込んで来ているんだ。今日の事を忘れていたとは口が裂けても言えない。
『も、もちろん覚えてるよ。ただ来週の土曜日と勘違いしてた。ごめんね舞衣ちゃん。
少し散らかってるけど入って。すぐに用意するから』
舞衣ちゃんを部屋の中に入れリビングへと案内する。
『舞衣ちゃん家に来るのは初めてだよね。そこに座って。今飲み物を入れるからね』
ダイニングテーブルに座るよう促し台所に立つ。
来客、ましてや若い子が来るなど初めてての事でしばし慌ただしくあたりを見渡し
『ええっと…冷蔵庫にお茶しか…あ、そうだ』
台所の上の棚に紅茶の茶葉が入っている事を思い出す。
コーヒーよりも紅茶派の嫁さんは、茶葉からティーカップから何から何まで揃えていた。
この戸棚を開けるのは嫁さん、結子が家を飛び出していった以来だった。
家の中には結子の物で溢れているが、紅茶の香りは特に結子を思い出す。
戸棚を前に思いに耽りそうになるのを振り払い
『紅茶でいいかな』
結子の席に座る舞衣ちゃんに訪ねた。 「うん。何時間でも待ってる」
考え事してる顔もいいなあ…なんて思いながら見つめていると
…すっごく白々しいその場凌ぎを言い出した
でも構わないの
「やったあ、じゃあ来週も空いてるってことだよね?2週続けてデートできるー」
大仰に喜んで見せて
「では、お邪魔します。なんの用意?今日はこのままおうちデートでも舞衣構わないよ」
招き入れられたリビングはわたしが思っていたより整然と片付き、初めて見るその部屋はわたしが思っていた以上に結子さんの存在が
所々にあった
「う…ん。初めて」
何度かお邪魔してるお父さんに誘われた事もあったが、仲が良いふたりの空間になんか入りたくなくて
この部屋までは辿り着けなかった
もういないのに、結子さんの圧が強いこの部屋
維持したままひとりで暮らしてる冬司くん
その気持ちを思うと、なんか少し目が熱くなった
わたしなら、わたしなら、ぜったいそんな寂しい思いさせない。させないのに
促されたのが使われなくなった結子さんの席なのはすぐに察しられ
なんとなく座りたくないような座りたいような微妙な気持ちになって
「あっ…別に飲み物とかいらないけど」けど
冬司くんが、わたしの『ため』にしてくれることなら
いろいろ不慣れでもたついてるとこも可愛い
素直に席に座ると
「ありがとう、紅茶が、いいです。冬司くんのいれてくれる紅茶が」
程なくして趣味の良さそうなティーカップ&ソーサーで「すっごくいい香り…」
の紅茶がわたしの目の前に
これぜったい冬司くんが選んでなさそうだなあと思いつつ
「美味しくいただきます」って、本当に「美味しい…」
冬司くんがわたしの前の椅子に座ってちょっと安心した顔をする
ああ…目の前にだいすきな人がいるしあわせ
を噛み締めながら
その人がいなくなった冬司くんに心を寄せる
「今日…連れていってくれる場所、決まった?」 『来週も?もちろん構わないけど、僕に時間を使ってちゃ勿体ないよ。
舞衣ちゃん可愛いし学校でもモテるんじゃない?
そろそろ夏休みだけど、彼氏とどこかへ出掛ける予定はないの?』
これまでも舞衣ちゃんと二人きりになる事はあったが、舞衣ちゃんが今よりももっと若い時の事で、こんな風に舞衣ちゃのプライベートについて語りかける事ははじめてのような気がする。
そう口を付いたのも、舞衣ちゃんに大人を感じたからだろう。
17歳とはまだ未成年だが人に寄っては随分と大人にも見える。
舞衣ちゃんは身長が高いせいもあり、より大人を感じたのかもしれない。
向かい合わせに座り、舞衣ちゃんが紅茶のカップに口を付け、美味しそうに飲む姿を嬉しそうに見て
『おいしい?良かった。
…結子が好きだった紅茶だ。』
結子と別居している事は、慎二か恭子伝に舞衣ちゃんにも伝わっているだろう。
だが気を使ってくれているのか、舞衣ちゃんから結子の話が出た事は一度も無い。
ただあまりにも話題に上がらないのも少々気不味くはある。
嫁さんに逃げられた男を17歳の少女はどのように見ているのだろうか、あまり良くは見ていないのだろう。もしかすると、同情心から僕をデートに誘ってくれたのだろうか。
真意は分からないが、だがだとすれば、それは嬉しいような、情けないような、気まずさから苦い笑いを小さく浮かべた。
『…ありがとね、舞衣ちゃん』
『そうだなあ…。それよりも、欲しい物があるんじゃないの?
買い物に行こうか?』
『とにかく、まずは顔を洗って着替えないとだ。
すぐに準備するから少し待っていて。
冷たいものが欲しければ冷蔵庫に入ってるから、好きに使っていいからね。』
飲みかけの紅茶をテーブルに残したまま席を立つ。
立ち上がってから、舞衣ちゃんの姿をゆっくり見て
『今日は随分おめかししてるね。その服よく似合ってるよ。』 其の一
思いがけず来週の約束ももらい心の中でわたし大歓喜
言ってみるもんだなあ
さすがに(なんか少し昨夜?のお酒が残ってる気配がしないでもないが)シラフでする約束ならもう少し記憶に残る筈
と喜んだのもほんの束の間
…わたしの時間なんてぜんぶぜーんぶ冬司くんにあげたいくらいなのに
でも
可愛いって言った。可愛いって言ったよ
もうそこだけ切り取ってリピートしとく
「うん。『彼氏』とどっか行きたい」
から今ここにいる。
「でも」まだ「彼氏」になって「いないから」
とりあえずいないアピールをしておこう
可愛いくてモテると思ってるって事は冬司くんの好みからかけ離れてるわけじゃない筈
自分とは全くタイプの違う結子さんが脳裏の片隅に浮くのは、モグラ叩きのように引っ込ませる
のに
冬司くんの口がその名を発する
そんなこと、言わなくたってわかってる
わかってたのに
なんで…なんて、優しい口調でその名前を口にするんだろう
『夫婦のことは、その夫婦にしかわからないから』
身贔屓過ぎるお父さんがついつい結子さんを悪く言ったら、お母さんがそう止めた
それ以上の話は
『子どもが聞く話ではない』
と、わたしが階下にいることに気づいたふたりはもう話そうとしなかった
だから、わたしが知ってるのは
『結子さんが出て行った』『冬司くんは一人でマンションに』『毎晩飲み歩いてるらしい』と
『身体壊さなきゃいいけど』のお母さんの言葉だけで
だけど、その状況の冬司くんをうちに呼んで先に酔い潰れるお父さんてやつは…
ちょっと八つ当たり的に怒りがわく 其のニ
しばらくの空白が流れたあと、冬司くんがふと笑ってお礼を言う
「ありがとうは…紅茶いただいた舞衣の言う台詞だと思うけど。ありがとう、ご馳走さまでした」
片付けようかと立ち上がりかけるけど、まだ冬司くんは飲んでるので、あらためて座る
おうちデートでもいいとは言ったものの、ここまで結子さん色が強いとなんだか無駄にアウェー感がして落ち着かない
って
「え?」
それは言ってないって言った約束が何故か計上されていた
欲しいものはあります。但しいくら出せば買えるんだろう
冬司くん本人だから、原価で売ってくれるかな
切り売りされたら困るな
なんてくだらない妄想していたら、冬司くんが立ち上がって
「…ありがとう」
おめかしって言葉に、なんかすごく小さいこ扱いされた気分でがっくりなったけど、似合ってるという言葉に笑顔が溢れる
なんて単純なわたし
「あのね。冬司くん、どういうのがすきかなって舞衣、すごく悩んでこれにしたから」
立ち上がって冬司くんのとなりにまわり込むと
「冬司くんに似合うって言われてすごくうれしい、からもう一回言って」
いいこと思いついた
「それから、もっと冬司くんのこのみ知りたいから服買ってもらうっていうのもいいかなあ」
冬司くんの腕を引いて身体を寄せるとその耳元で
「服買ってあげるとね、その服を脱がす権利もいっしょに買えるんだって」
腕を放して、もう一度まっすぐ見つめてにっこり微笑む 顔を洗おうと洗面台へ向かおうとした時、テーブルに座っていた舞衣ちゃんも立ち上がり、今度は隣合わせで目線が合う。
舞衣ちゃんは昔から人懐っこい子で、
腕を引かれることや、抱きつかれる事は度々あった。だが、今日は少し様子が違って見える。
『…うん?な、悩んだの?そう…え?もう一回?』
舞衣ちゃんの言葉と、普段とは少し違って感じる言葉遣いに戸惑いながら
『う、うん。よく似合ってるよ。青色は好きな色だ。舞衣ちゃんの肌の色にもよく似合ってる。』
これはただ懐っこいだけなのだろうか。
ただ欲しい物がの為に、こうして甘えているような態度を取っているのだろうか。
『洋服ね。もちろんいいよ。
だけど僕の好みに合わせる必要は無いよ。舞衣ちゃんが欲しい物を選べば…え?』
分からないまま話を合わせていると、耳元へ向けられた舞衣ちゃんの言葉に耳を疑う。
『服を脱がす権利』だなんて、いったいどこで…そうはいっても舞衣ちゃんも17歳だ。10代とはいえど経験の早い子もいる。今時の子だ、僕の世代とは違うんだ。
だが、唐突にそんな事を言われても反応に困るだけで
『ま、舞衣ちゃん。大人をからかっちゃいけないよ。』
真っ直ぐにこちらを見つめる舞衣ちゃんんをどこか交わすように、洗面台へ向かい顔を洗い、
『き、着替えてくるから、少し待っいてね。』
寝室に入り扉を閉めた。
今日の舞衣ちゃんはやはり様子が変だ。
別居中の僕を気遣っているのか、欲しい物があるのか、舞衣ちゃんの態度に少々困惑していた。
ついさきほど真っ直ぐに見つめられた瞳を思い返し、…まさか…僕に気がある?
瞬間そのように思うがすぐに頭から振り払い
…馬鹿馬鹿しい。
歳だって10以上離れてるし有り得ない話だ。
気を取り直すように大きく息を付きクローゼットを開ける。
クローゼットの中には自分の服と、その隣には結子の服が並んでいた。
結子がいつもお洒落に気を使っていて洋服が大好きで、僕も服のほとんども結子が選んだものだ。
何となく、本当に無意識に、結子が選んだ服ではない服を手に取り着替えた。 其の一
「からかってるつもりはないのだけど」
昔、お父さんがお菓子を買ってくれると言われてもついていってはいけない
の、ついでに教えてくれた
お母さんに馬鹿なことまで言わないでって怒られていたけど
とりあえず、いつまでも子ども扱いしてはぐらかすことしかしない冬司くんに戦線布告(?)
のつもりだったけど
そそくさと洗面所に向かいそのまま、着替えに行ってしまった
しまった…
ちょっと大胆すぎたかもしれない
ものには順序があって…でも最初にプロポーズしてるわたしなので今更でもある 其のニ
とりあえず、
「冬司くんのすきな色は青」
大事なことだから、口にして呟いてから、あらためて部屋の中を見渡す
やわらかな色合いで統一された部屋
所々に花柄が散りばめられている結子さん色満載の部屋
何だか息苦しくなって、先刻の冬司くんの言葉を思い出し
冷たいものを求めて冷蔵庫の扉を開ける
「…飲み物しかない」
と言っても過言ではない。ミネラルウォーターの瓶を取り出すとお言葉に甘えていただくことにした
ホントはカルピスとかで割りたいけど無かった
「ふぅ…」
喉を潤し、ひと心地ついたけど
「?」
まだ部屋から出てこない冬司くん
舞衣のために、舞衣みたいに何着てこうか悩んでくれてるのかなあ
ちょっと退屈してきたし、ここにひとりでいるのいやだ
冬司くんの入った部屋をノックする
冬司くんの返事が聞こえたのでドアを開けるとそこは
クローゼットのある寝室だった
奥に大きなベッドがあって、冬司くんが慌てるように閉めたクローゼットにはまだ当たり前のように結子さんの服がかかっていた
…当たり前なの?どの部屋にも冬司くんと結子さんの
結子さんの影ばかり
「なんで…」
わたしはうっかり言ってしまう
そして、言うだけならまだしも、、すっかり着替えおわってる冬司くんに抱きついた
「なんで?」
言いながら、冬司くんを見上げる
何が、なんで?なんだorこっちがなんで?だ
冬司くんがそう言いたげな戸惑った表情を向けるけど、
何が、なんで?
なのか、まだわたしはその答えを持ってない 其の三(おまけ)
生まれる前に流行った歌が脳裏で流れる(なんでだろう)
なんでだろうなんでだろう
こんなにすきなのに、ちっともあいてにされない
なんでだろう(なんでだろう) 僕は何もやましい事をしていない。だが、開いた扉の前に立つ舞衣ちゃんの表情にひどく胸が騒いだ。
『…舞衣ちゃん…?』
悲しそうな、もどかしそうな、これまで見た事の無い表情だ。その表情の視線の先には結子の面影があった。
慌ててクローゼットの扉を閉めた次の瞬間には、舞衣ちゃんは腕の中にいた。
僕と結子の寝室で腕の中に飛び込んできた舞衣ちゃんはいつになく柔らかく、力無かった。
『なんで?』『…なんで』
その答えは舞衣ちゃんの今日の様子や、視線の動きでどことなく分かりはじめていた。
小さい子供に『誰と結婚したい?』と聞いたとき、7割の子供が『パパ』と答えるという。舞衣ちゃんの僕への懐っこさもその延長線だと思っていたが…。
いずれにしても、舞衣ちゃんはまだ未成年で別居中とはいえど僕は既婚者だ。
仮に『抱きしめ返したい』と思ってしまったとしても、それは許されない事だ。
『…うん。何でだろうね…。』
あやすように舞衣ちゃんの背中を撫で摩りながら曖昧な言葉を口にした。しばらくして、ゆっくりと体を離し、いつもと変わらない笑顔を向け着替えた姿に視線を促し
『見て、舞衣ちゃんと同じ青色の服にしたよ。』
敢えて子供扱いするように膝を屈めて目線を合わせた。
『よし。それじゃ出掛けよう。
買い物、それとも、天気も良いし遊園地にしようか。舞衣ちゃん○○ランド好きだったろ?』 わたしの手は冬司くんの背中にまわり、しっかり抱きついていたのだけど
冬司くんの腕がわたしを包むことはなかった
その手はただあやすように撫でられるだけ
わたしの脳内に響くメロディを知る由もない冬司くんはもちろん歌い出すこともなく静かに言葉を繋げ
それからゆっくりわたしを引っぺがした
見た
結子さんの服たちといっしょに並んだ中から選び出された今日の服
空々しく聞こえるのはその色のせいなのか
それでも
「うん。」同じ青でも海と空ほどにその距離は遠く感じる。それでも「同じ青だね。」何処かの水平線では近いかもしれない「うれしい」
あくまでも子ども扱いするようなその態度に軽く失望しながらも、わたしも笑ってみせる。
だって、それでも…そんなでも
いっしょにいられるこの時間がうれしいことに変わりはない
さっさとこの空間から出ようとする冬司くんの服の裾を掴んで止めた
「どうして?」
○○ランドを提案した理由を追加されても困るのでわたしは言葉を追加する
「どうして
@舞衣じゃダメなの?
A結子さんはいないの?
B結子さんのもの全てそのままなの?
【Cその他はさすがに作りませんので三択からお選びいただけたらと】 引き止める舞衣ちゃんの手に力が入っている。舞衣ちゃんの顔を見れば今にも泣き出しそうに心もとなく胸が傷んだ。
もっと早くに気付かなければいけなかった事を口にさせてしまったのだ…。
『……』
思考が固まってしまい、口を閉ざしたまま視線を床に落とす。
「何故結子は居ないのか。どうして結子のものをそのままにしているのか。」
答えは簡単だ。僕はまだ結子を愛している。
結子の名前が書かれた離婚届を送りつけられようとも、結子の隣に新しい男が居ようとも、未だ未練を断ち切れずにいた。
だが、舞衣ちゃんを目の前に、結子について口を開く事はしなかった。
ゆっくりと床から視線をあげ、この時はじめて親友の子供ではなう、一人の女性として舞衣ちゃんの姿を見やる。
美容院でカットされた子供らしくない髪型に落ち着いた青色のワンピースは少女と呼ぶにはいささか色っぽく、しばし彼女に大人を見せていた。
子供の頃から知っているため気付く事が出来なかったが、舞衣ちゃんも随分と女性らしく成長していた。 其二
この国において成人男と女性の性行が認められるのは女性が18歳になってからだ。だが保護者の同意と両者共に結婚が前提の付き合いであれば、女性は16歳から婚姻が可能だ。
未成年という歳が問題になってくるのは、あくまで加害者が被害を訴えた時で、もしも僕が舞衣ちゃんを愛しているならば、彼女が未成年という事は大きな問題ではなくなる。
「どうして舞衣じゃダメなの?」
…閉ざしていた口をようやく開く。
『…舞衣ちゃんは、とても可愛いし、明るいし、舞衣ちゃんのような女性といたら毎日が楽しいだろうね。
だけど舞衣ちゃんはまだ未成年だ。』
これは国で決められている事だから僕にはどうしようも出来ないんだ。分かるよね?』
シャツを掴む手を引き離させ、その手を両手で握り
『舞衣ちゃんはまだ若く、ぼくは見ての通りこの年だ。…ね?』
念を押すようにゆっくりと伝えた。
今にも泣き出してしまいそうな舞衣ちゃんを本当は抱きしめたかった。だがそれは間違った行為だ。
抱きしめたとしても舞衣ちゃんの為にはならない。
『ほら、ここに居ても時間が勿体ない。出掛けよう。ね?』
舞衣ちゃんの手を引き寝室の扉を開ける。 其の一
その名前を口にしたくなかった
したら、意識してるのバレバレだし、何よりその名を口にした瞬間冬司くんの脳内に彼女が浮かぶのが嫌で
わたしの事だけ見てほしいのに、わたしの事だけ考えてほしいのに
まるで敵に塩を送るようで、それでも聞かずにはいられなくて
そして聞いたことに…ただ激しく後悔する
いつまで待ってもその問いに冬司くんが答える様子はない
でもその表情を見ればわかる
ううん。聞かなくてもわかっていた答え
彼女がいなくなった理由はそりゃ明確にはわからないけどでも
いつまでも彼女に囲まれて冬司くんが暮らしている理由はただひとつ
ひとつ…わかりきってたことなのに聞いて
わかりきってたことに勝手に傷ついて勝手に涙がこぼれそうになる
かないっこない
でも認めたくなくて、悔しくて
わたしは冬司くんも傷つけることにした
勝手にすきになって勝手に絶望して勝手に
こんな女、すきになってもらおうと思うのが間違いかもしれない。最初から 其のニ
でも
未練がましいわたしはしつこく縋るように呟いてしまった
「どうして舞衣じゃダメなの?」
それに対する答えはすぐに返ってきた
それだけ気持ちが軽い証拠のようでさらに辛くなりながら冬司くんを見つめる
冬司くん…覚えてるわけないか。
舞衣ね。来月18歳になるよ
ただ諦めさせるためだけにつらつらと重なる言葉にどう返していいかわからず、ただ縋るように捕まえたシャツからも手を剥がされて
剥がすだけにすればいいのに中途半端な優しさでその手は冬司くんの両手に包まれる
年齢なんか関係ない
年齢を見て人をすきになったりきらいになったりするわけじゃない
見てのとおりの冬司くんを、ただ、ただすきなのに
なんて言えばいいの?
思ったことぜんぶ伝えたらどうにかなるものなの?
重なった手に涙が落ちそうになった時
、その手は引かれ、扉は開かれた
その手を引き戻し、部屋に留めると引き寄せたままに唇を当てる
「もったいないなんなんて言わないで」
歯止めの効かない涙はぽろぽろ溢れる
「舞衣といる時間が無駄みたいに言わないで」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています