(看護師たちはすでに帰ったのか、すっかり静まりかえった院内に響く必死な紗友の声に少し心が動かされて)
分かったよ。君のその姿を見ていたらこのまま帰してしまうのもかわいそうだからね。
今回は特別だ。そのサンプルの中から何か購入することにしよう。
ただし、そうやって泣き威しをすれば、何でも言うことを聞いてくれると勘違いされても困るからね。
そうだな。役に立つと言ったからにはそれなりの覚悟はできているんだろうね?
(懇願する弱々しい姿に悪戯心が湧き上がったのか、外したネクタイを片手に立ち上がると)
君も新人ではないんだから、この業界にはこういう話は珍しくないって知っているだろう?
(ネクタイで紗友の目の上を覆うようにグルっと巻いてから頭の後ろで結び目を作ると)
君はそのままただ黙って私のされるがままにしていればいいからね。
(紗友の頭を優しく撫でてから、その手を下げ、次は背中全体をゆっくりと撫で、そのまま手を二の腕の上から前に持ってくると左の胸をギュッと握って)
なかなかいい胸をしているじゃないか。どうだい?こうやって掴まれるのは?
女性の患者を診察していて無防備な胸が目の前にあると、こうやって無造作に掴みたくなるときがあるんだけどね、
いつも我慢してるからたまにはこうしてみたくなったんだ。
もちろん普通なら嫌がるだろうけど、中には喜ぶ人もいるかと思って。
もしかしたら君がそうじゃないかと思ってやってみたんだけど、違うかな?
君からMっ気のオーラを感じるんだよね?
こういうことをされると喜びそうな…。
(五本の指を食い込ませるように力任せに掴んでいく)