>>23
其の三

痛い…
そんなに抑えなくてもいいのに。
カチャカチャとベルトの金属音を響かせながら、冬司くんの顔が近づく
からかってない。
からかったことなんかない。
でも今度は言葉にしようと思わなかった
教えて
ぜんぶ冬司くんがわたしに教えて
まだ全然受け入れ体勢になんかなってないけど、こわい気持ちも強いけど
でもたぶん、、ここまで追い込まなきゃ、冬司くんはわたしに触れることはなかった
わたしの身体の、まだわたしの詳しく知らない部分に(ほんとは先にどんなか見たかったけど)冬司くんがあたる
痛いかな?痛いかな?どうかな?
身体に力が入っちゃうけど覚悟を決めたその時


思ったより強い力がわたしから出た
大の大人のオトコの冬司くんを追いやって、クローゼットの扉に音を立ててぶつけられるくらい。
「いやだ」
酷い…酷いのは舞衣、お前だ
お前がその口で、身代わりでいいって言ったんだ
冷静なわたしはそう言うのに
「結子じゃ…ないもん」
口はそう言わずにはいられなくて、目も堪えきれずに涙をこぼす
最悪だ
最悪すぎて、最悪なのに…わたしの目は
クローゼットの扉にもたれ、こちらを見る冬司くんの、
その股間を見つめていた
あれが…