…やはり断るべきだ。
だが、モスグリーンのシャツ一枚だけを着た舞衣ちゃんをそのまま家に返すわけにもいかない。何より舞衣ちゃんのワンピースを破ったのは自分だ。
責任にしては随分甘すぎる上に不道徳な義務に思えて仕方がない。だが、つい一昨日着ていたモスグリーンの僕のシャツを丁寧に着ている舞衣ちゃんに、少し大袈裟かもしれないが、久しぶりに人の心に触れた気がした。
『……そうだね…。買いに行こう。』
気まずいながらも舞衣ちゃんに笑顔を向ける。
『○○ショッピングモールへ行こう。あそこなら舞衣ちゃんの好みにあった服があるはずだから。』