分かりました。紗友さんが寝ているときは、合鍵こっそり作って堂々と玄関から入って行きます
ね。
そんなことないですよ。クマさんだって、紗友さんを見ていたいはずです。
それなのに拒否するなんて、やっぱり酷い話じゃないですか。
そうなんですか?これは意外でしたけど、それでも僕は大好きなクマを虐める人を許せません。
だから、クマさんに代わって僕が紗友さんを徹底的に懲らしめますね。
(腕を滑っていく指先に肌がゾクゾクと騒ぎ始め)
わっ、分からないですけど…。
あの…そういうつもりで言ったわけでは…。
(思わず紗友さんから逃げるように横を向いて)
そうなのですか…。自分には見えないので分かりませんけど。
(顔が熱が溢れているのは分かっていても、それを指摘されるのはとても恥ずかしくて)
そっ、そんなことあるのでしょうか。
(目を閉じると、まるで紗友さんの声だけが頼りに支配されているような気分になり)
ぜ、全然です。さっきよりもドキドキしてきて、頭の中がどんどん混乱してきて…。
(指先を舐められると、一瞬だけ気持ち良さが伝わるが、それ以上に頭の中がパニックになっていって)
せ、先生…、やめてください。
(紗友さんとマッサージの先生の区別がつかなくなり、的外れのことを口ずさむ)
【紗友さん、すみません。ここからなのですが、そろそろ明日のことを考えてここまでにしましょう。
まるで生殺しのままで、すぐ寝付けるか心配ですけど。】