>>679
ありがとう。それはまた夜に決めようね。

副社長さんですね。それなら、やりやすいようにするので、翔真くんも好きなようにしてね。命令には逆らわないです。


(普段は一つにきっちりとまとめている黒髪を下ろして、スーツ姿でそわそわと辺りを確認しながら歩きを進める)
(やっと見つけた風俗用のテナントだらけのビルはいかにもな雰囲気で)
(身構えながらも、面接の希望を入れている6階の店名を確認してビルの中へと入る)

はぁ………大丈夫。
(緊張と不安からつい大きく息を漏らし、気持ちを切り替えるために少しだけ拳を作って奮い立たせ)
(エレベーターのスイッチを押し、ランプが動くのを眺めていると突然手を取られて振り返る)
副、社長……っ。

いえ、その……これは。
(街中で配られていた募集のチラシ付きのティッシュを握りしめると、口ごもる)

(少し悩んでから諦めたように顔を上げると、平静を装って)
……面接を受けるんです。
副業は禁止では無かったですよね?父が友人の保証人になってた借金があって……。
とにかく、お金が必要なんです。
理由も説明しましたし、失礼してもよろしいでしょうか?