(女性の写真と周辺に出入りしていた目撃情報を頼りに、街中を探し回っていた所で裏で情報屋さんをしているという喫茶店の噂を聞く)
(店名を頼りに見つけた店の前で緊張から深呼吸をすると、お嬢様時代は自分で開けることがほとんどなかったドアを押し開ける)
(閉店間際を狙って来たこともあり、店内には既に人がおらず片付けをしている様子のマスターと目が合う)
(声を掛けられれば、少し身構えそうになるけれど、それは見せないように会釈を返し)
あ……そうなのですね。
それでは、コーヒーを頂戴したいです。
(注文を通した後、少しの間入り口で棒立ちになると、ハッとして)
こういうお店では席への案内等はないのですね。すごいです。
好きな席に座っていいということね?
(嬉しそうにマスターの居場所に近いカウンター席へ向かうと、スカート裾を気にしながら腰掛けて)
(両手を膝に置き、背筋を伸ばすとマスターの動きを凝視して、本題を切り出すタイミングを探す)
(やっと目が合った瞬間にゆっくりと女性の写真を取り出して)
……あ、あの。私、最近…探している人がいるのです。
もしかして、こちらのお店に来ていたりしないでしょうか?
貴方みたいな方なら、こういう情報に詳しかったりされるのではないかと、思いまして。