>>632
(コーヒーを出しながら、同時に差し出された写真を受け取り)
ああ。この人か。確証はないけど、噂は聞いたことあるぜ。
特徴も似ているし、おそらく本人で間違いないだろう。

(軽く眺めてから、その写真をコーヒーカップの隣に置くと)
ところで君の噂も聞いているぜ。
こんな界隈で探偵なんて同業者みたいなもんだからな。
俺も君のことは調べさせてもらったし、どういう人間かは知ってる。
どこまで俺のことを知ってるは知らないが、こういう仕事を始めたからには、大事な情報は安くは買えないのは分かってるよな?
残念だが、君の経済事情じゃ、この情報は譲ってやれないだろう。

(背を向けて蛇口を捻り、使用済みのカップを洗い始め)
おそらく依頼料と報酬を合わせても足りないはずだ。
長年ここで情報屋をやってきた俺にはそれだけの信頼と価値があるからな。
だから、悪いけど自分の足で探すんだな。
すぐには見つからなくても毎日探してりゃ、その女がこの街にいる限り、いつかは見つかるだろう。

(それを終えると、探偵と向かい合うに丸椅子に座り)
もっとも君があの事務所から追い出される前に見つけられるとは思わないけどな。
でも、恵まれた家があるし、これを機に帰るのも悪くないんじゃないか?
見る限り、君はこの街にはふさわしくない人間だ。
ちょっとの社会勉強ができただけでも十分だろう。
(タバコを手に取ると、火を付けて煙を燻らせながら、諦めさせようと探偵をじっと見つめる)