>>292
【分かりました。それじゃ、どこまで進めるかは紗友さんに任せますね】

(スマホの写真をよく見るため、立ち上がってカウンター越しに体を乗り出してから)
そうなんだ。事情は知らないけど、この女性ならば、この前、常連客が言っていたのとそっくりだなあ。
うん。この顎にある特徴的な黒子は全く一緒だ。

(確かめるようにじっとスマホを見つめてから、また椅子に座り直して)
この街には、いろんな店があるからね。女の子の探せる場所なんて限られてるわけさ。
だから、俺のとこに来たのは正解だけど…。

(含みを込めた言い方で席から立ち、カウンターからフロアに出ると)
君のことも、よく知ってるよ。金持ちのお嬢様で、家出してきて、遊び半分で探偵事務所を出したはいいが、
客は来ない、家賃は払えないで火の車ってこともな。
同業者みたいなもんだから、それくらいは調べてあるさ。
そして、残念だが、俺の仕事のルールとして、情報料は一律100万で一切値引きしない。
金も前金で必ず払うってことなんだ。この街では、情報だけもらって逃げる輩があとをたたないからね。

(ドアにかかっているOPENの札をCLOSEDに裏返し、ドアカーテンを閉め)
いくら後から払うって言っても無駄なんだ。そこは分かってくれるかい?
この街なら、何か他で方法もあるけどね、君のようなお嬢ちゃんには無理だろうから。
(ゆっくりと店の中へと戻っていく)