もう一つ……。
(お金以外でと言われて、思いつくのは確かに一つしかなかった)
(この街に住み始めてから、何度となくスカウトをされたり、客引きをしている人たちも見てきたから)
っ……馬鹿にしないで。
私はもう一人で生活するって決めたの。パパやママの援助は受けないわ。
(煽るような言葉にムキになって言い返すと、ベルトを外すマスターの体を見つめて)
こんなもので、お金の代わりになるなんて…確かに安いのかもしれないわね。
(恥ずかしさをごまかすように強気な口調で近付くと、マスターに抱き着いて耳元に口を寄せ)
……ここでする?
それとも、ちゃんとベッドがいい?
(箱入りとはいえ友人からの知識や、ネットの情報で知らないわけではない行為を自ら誘うのは屈辱的で)
(初めてではないものの、いつも受け身だった側としてはリードの仕方に戸惑いながら)
(聞きかじりの知識でそっと太ももをマスターの股間に擦り付けて)
貴方が満足するまで、一晩付き合うわ。
そうしたら、情報をちょうだい?ね、これならこの街らしいでしょう?