(なんか、人通りが多いみたい。着替え室に行きたいのに、人の波で前に進むこともできなくて)
あの、ごめんなさい。通して・・・、
(サークル巡りで人混みは慣れてるつもりだけど、これは異常。汗臭い男性に揉まれて、着替え室とは
全く違う方向に流されてて)
きゃあっ!
(吐き出されるように、何もない空間に追いやられる。周囲が段ボール箱の壁になってて、どこかの
ブースっぽいことだけは分かって)
・・・誰?
(そこでやっと、空間の隅に男性がいることに気づきます。カメラを持ってるからさっきの撮影会にいた
カメ子の一人かもしれないけど、撮影者の顔なんていちいち覚えてない。というより)
はぁ? 交際?
(呆れたような声を上げてしまいます。今日初めて会った人と、交際宣言?)
・・・ひょっとして、ストーカーってやつ?
(思い当たるフシが無い以上、それが一番妥当な気がする。とにかく逃げようと思った瞬間、手首を捻り上げられ、
手首を縛られ、吊り上げられるようなカッコに・・・)
っ、こらぁ・・・っ! 止めなさいよ・・・ヘンタイ・・・!
(縛られた手首をなんとか解こうと暴れ始めます。でも、強固に結ばれたネクタイは解けることなく、
身をよじるたびにコスチュームの胸元がいやらしく男性を誘う結果になっていて)