ひ…っ、や、やだ…っ
誰か、たすけ…
(恐怖で掠れて声が出ない)
(逃げなくちゃ、にげなくちゃ…そう焦るばかりで身体は思うように動かない)
(少しでも男から離れようとしても、ずる、と滑るようにほんの少し後ろにずれるだけ)

(壁に叩きつけられる瓶の音に思わず目を瞑る)
きゃぅっ…!
(すぐ間近で割られるビール瓶の破片が素足に当たり、小さな傷口が赤い筋を作る)
あ、あ…っ
(男の暴力的な姿に顔は蒼白になりまともに声も出せない)

(まだ処女の澪は男のそれをまともに目にしたこともない)
ひっ…あ…、やめ…やめてくださいっ
(震える声でそれだけ呟く)
(でもこれから何をされるか予想もつく)
(けれど、逃げようとする姿勢を見せれば殺されるかもしれない、隣で割られた瓶の破片を目にして蒸し暑い倉庫の中なのに肌が総毛立つ)