(耕司さんには絶対聞かれたくないと思っていたのに。わたしはあのとき相槌も打たなかったけれど、否定もしなかった。同罪と変わりない。傷つけてしまった。怒らせてしまった。後悔してももう遅い。それでも必死に、彼が発する悲しい言葉を打ち消そうとする)
そっ、そんなことないです!
私たちはずっと……明日にでも終わってしまうなんて、そんなこと言わないで
あんな人、どうでもいいって言ってるじゃないですか!
今夜だけなんて…これが最後みたいな言い方しないで
お願い、お願い耕司さん……
(涙声の私の言葉も届いていない様子で詰め寄ってくるあなたの迫力に後退りしてしまう。私はもうそれ以上下がれなくなって、ドアと室内に響くその音に身体が跳ねる)
(それから間髪入れずに唇を奪われた。いつもの優しい、溶けてしまうような口づけではなく貪るような激しいものだった。乳房を揉みしだくその手も、強引で力が強くて、ドレスに極端に皺が寄るほどだ)
あっ…ちゅ、ん、耕司さんっ、や、やめ…っ…こんなの……んちゅっ……っ
耕司さ、私のすべてはあなたの、もの…なのに……っ
(頬に涙が一筋。少し怖くて身体が反射的に震える。でも拒めない。それはやはりこの人のことを心から愛しているから。それでも見たこともない狂ったようなあなたに、衝撃を隠し切れないのは事実だった)
(いつもであればこちらからも応えて、求める気持ちも隠さない。今夜は身体が動かなかった)