アルゼンチンは、わずか600万人ほどの民間部門の労働者が、2000万人にのぼる公務員や年金生活者を支えるという経済構造にある。

「きょう、アルゼンチンの再建が始まる」。ミレイ新大統領はそう宣言した。
経済学者出身のミレイは「小さな政府、私的私有権と自由貿易の尊重」を確約した。

ミレイ氏は自身を「アナルコ・キャピタリスト(無政府資本主義者)」と呼ぶが、その発想の中心は、国家による管理や統制などない方が社会はうまく機能する、というリバタリアン(自由至上主義)だ。

例えば、アルゼンチンに18ある省庁のうち、10を廃止すべきと主張する。
世界のポピュリストに共通するのは、既存のシステムや官僚、専門家を「エリート」として敵視する姿勢だ。
数年前まで無名の政治的アウトサイダーだったミレイ氏が急速に人気を集めた理由は、既存システムを「ぶっ壊す」破壊的改革者のイメージがあるからだ。