しょくいくして! ―あなたを美味しくいただきます!― 作者:まちかり

7・覚醒者とグラタン

 翌週の月曜日。
 土曜日からずっと龍崎さんの事を考え続けていて、寝不足だ。生あくびがたて続けに出てくる。そういえば今日はスズメちゃんが飛びついてこなかったな……なにかあったのか?
 そんな事をぼんやり考えていたら、削生が偵察部隊のように、各クラスの動向を知らせに僕の席に来た。
「おい大地! お前、あの@エ崎由樹と夜一緒に歩いてたんだって!?」
 世の中は広い様で狭い、狭すぎる!
「な、何で知っているんだ!?」
「学年中で噂になっているぞ! あの『雪龍』が男と二人で歩いていた、ってな!」
 ボケていた僕は、クラスの中の妙な雰囲気にようやく気付いた。クラスの女子の何人かが僕をちらちら見ながらクスクス笑っていたり、男子の何人かが怪訝な表情でこちらを見ている。
「お前、結構有名人なんだぞ? そんなお前が龍崎さんと一緒に歩いてたなんて噂が広まれば、今頃彼女のファンの男子達はお前に対する嫉妬と羨望に身を焦がしているだろうし、彼女を神聖視する女子達には大いなる疑問を提供しているぞ」
 神様、僕に罪はありません。