【獣人】亜人の少年少女の絡み12【獣化】

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0001名無しさん@ピンキー2013/06/29(土) 02:38:54.10ID:4L4KOfRA
このスレッドは、
   『"獣人"や"亜人"の雄と雌が絡み合う小説』
                    が主のスレッドです。

・ママーリand常時sage推奨。とりあえず獣のごとくのほほんと、Hはハゲシク。
・荒らし・煽り・板違い・基地外は完全スルーしましょう。
・特殊なシチュ(やおい・百合など)の場合は注意書きをつけて投下。好みじゃない場合はスルー。
・書きながら投下しない。
 (連載は可。キリのいいところまで纏めて。
  「ブラウザで1レスずつ直書き」や「反応を見つつ文節を小出し」等が駄目という意味)
メモ帳などに書き溜めてから投下しましょう。
・『投下します』『投下終ります』『続きます』など、宣言をしましょう。
・すぐに投下できる見通しがないのに「○○は有りですか?」と聞くのは禁止です。
・作品投下以外のコテ雑談、誘いうけ・馴れ合いは嫌われます。

・過去作品はエロパロ保管庫へ。
http://sslibrary.gozaru.jp/

+前スレ+
【獣人】亜人の少年少女の絡み11【獣化】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1344329266/

0107名無しさん@ピンキー2014/08/07(木) 21:57:28.52ID:O3qr7yj9
GJ
大変すばらしいシチュエーションだ・・・
続きも期待させてもらいます

0108名無しさん@ピンキー2014/08/20(水) 23:53:11.07ID:iQdxZoM2
保守

0109名無しさん@ピンキー2014/09/12(金) 05:46:02.70ID:1w4LnBrd
保守

0110名無しさん@ピンキー2014/09/25(木) 10:01:59.54ID:Q88Y1GCc
この一ヶ月、保守しか見てない

0111名無しさん@ピンキー2014/09/28(日) 17:20:06.06ID:qSKDEkp8
保守

0112名無しさん@ピンキー2014/10/20(月) 03:03:22.29ID:zmPdUTAY
保守

0113名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 00:38:26.73ID:ijzGtblX
そろそろ何か書くかな。何がいい?

0114名無しさん@ピンキー2014/11/04(火) 08:47:17.84ID:GTLnWMhX
秋だから運動会とか文化祭に絡めたものが見たいな
発情の季節だしネタはあるけど上手く書けないみたいな

0115一応季節ネタ(虫・産卵注意)2014/11/09(日) 19:46:43.75ID:Zw+GO6EM
ということで投下します。

発情の秋ということで
バッタの交尾をおねショタ風に変換して書きなぐってみた
(文中の注釈に昆虫の画像を使用してますので、不快と思う方はNGを入れてください)

0116一応季節ネタ(虫・産卵注意)2014/11/09(日) 19:48:27.29ID:Zw+GO6EM
ある秋の日、ある草むらで発情したバッタ人間の♀が
草の葉の上で通りすがった同種族の♂を誘っていた。

バッタ♀「そこのボク、気持ちいいことしたいなら私の背中におんぶしてもいいのよ…」
バッタ♂「お姉ちゃん、ほんとにいいの?」
バッタ♀「いいのよ…」

バッタ♀の背中に飛びつき、その手でバッタ♀の胸を揉むように掴むバッタ♂。

バッタ♂「お姉ちゃんの背中気持ちいい…そしておっぱいも…」
    「なんかおちんちんがはち切れそうな程に勃っちゃった…」
バッタ♀「気に入ってくれてよかった…じゃ、もっと気持いい事しようか?」
    「私のマンコにあなたのオチンチンをぶち込んで…」

バッタ♀に誘われるがままにバッタ♂はいきり勃った性器を
彼女の性器に挿入し、そして射精した。

バッタ♂「あぁ…お姉ちゃんの中も気持ちいい…」
    「はち切れそうだったオチンチンから熱いものが出ちゃう…」
バッタ♀「あぁ…ボクの熱いものが私のマンコに響くわ…」

二人は何時間も互いの性器を接合しながらおんぶしていた…(*1)



そして数時間後…

バッタ♂「ハァハァ…お姉ちゃん、もうオチンチンから何も出ないよ…」
バッタ♀「ボク、いっぱい出したのね…おちんちん抜いていいわよ」
    「けど、まだおんぶしたままでいてね…」
バッタ♂「うん、その分お姉ちゃんをもっと気持ちよくしてあげるよ」

バッタ♂の腕はバッタ♀の胸を愛撫し、精を出しきったバッタ♂の性器も
バッタ♀の性器から離れても尚、名残惜しむかの様にその先端で愛撫していた。

しばらくして、バッタ♀の腹がはちきれんばかりに膨らんた。

バッタ♀「これから一緒に降りて卵産むところを…うっ、こんな時に!」
バッタ♂「大丈夫、お姉ちゃん?」

地上へ降りようとした矢先、バッタ♀が産気づいてしまった。
彼女の止めようとする意思とに逆らうように性器が大きく口を開けた。
その直後、彼女の性器から泡の塊がぼつぼつと、次第に勢い良くひり出され、
とぐろを巻く様に塊を形成した。(*2)

バッタ♀「まだ…出ないで…私の可愛い…た…卵が…も…漏れちゃう〜!!!!」
『ブリブリブリブリ!!!!!』

そう、彼女がひり出してたのはバッタ♂との子である卵であった。

バッタ♀「き、気持ちいぃィィィ…けど…と…止めないと…」
『ブリブリブリブリ…』

ようやくバッタ♀が性器を御した時には、大量の卵がひり出された後だった。

0117一応季節ネタ(虫・産卵注意)2014/11/09(日) 19:49:43.91ID:Zw+GO6EM
「もう孵ることもないし、他の虫達のごちそうになるしか無いのね…」
バッタ♂「けど、まだお腹が膨らんだままだよ…」

バッタ♀の胎内にまだ受精卵が残っていた。

バッタ♂「だけど、ボクが気持ちよくしてあげたせいで、お姉ちゃんの卵をこんなにダメにしちゃった…」
バッタ♀「いいのよ、私が我慢できなかっただけだから…」

気を取り直して二人は(おんぶしたまま)地上に降り立った。
二人の遺伝子入りの「排泄物」を後にして…

バッタ♀「(アスファルトに性器を擦りつけて)ハァハァ…ここは硬すぎてダメね…」
「(硬い土に(ry)ここもダメね…」「(乾いた砂にry)ここもダメね…」

いつ催すかわからない中、バッタ♂を背負いながら産卵場所を探すバッタ♀。

バッタ♀「適度に湿ってる上に柔らかい…ここでいいわ…」
『ブリブリブリブリ!!!!!』

ようやく産卵場所を見つけ、性器を地表に更に擦り付けるバッタ♀。
その直後、胎内に残っていた卵をその地下に産み落とす。
(地下では彼女の性器から伸びた産卵管が深部まで掘り当てた後、
先程の泡に包まれた卵を穴を埋め尽くさんばかりに産み落としていた)(*3)

バッタ♂もそんな彼女を励ますように背中から愛撫する。

バッタ♀「ハァ…私達の赤ちゃん、いっぱいいっぱいひり出してあげる〜!!」
バッタ♂「いまのお姉ちゃん、これまでに無い程気持ちよさそう…」

そんな調子で数カ所で同じ行為を繰り返していた。

数時間後、あれほどまでに膨らんでいたバッタ♀の腹も目立たなくなっていた。
卵が尽きたのだ。それでも、二人は何かに突き動かされるように産んでいた。
明らかに泡の中に卵が入ってないにも関わらず…

しかし、そんな二人に異変が起きた。
バッタ♂「お姉ちゃん…ボク…眠くなってきちゃった…」
バッタ♀「そういえば私も…体にもマンコにも力が入らなくなっちゃった…」
バッタ♂「お姉…ちゃ…ん…おや…す…みな…さい…」
バッタ♀「ボク…もう…寝ちゃっ…たの…そろ…そろ…私も…」

以後、二人は二度と起きることはなかった…
しかし、その顔は安らかなものであった…

二人のバッタ人間は結ばれてから片時も離れること無く行動を共にしていたが、
終末の時を迎えても尚、離れることはなかった。
(ちなみに、その後に及んで尚バッタ♂の腕はバッタ♀の胸を揉みしだき、
互いの性器も役目を終えたにも関わらず結合されていた)

0118一応季節ネタ(虫・産卵注意)2014/11/09(日) 19:50:14.29ID:Zw+GO6EM
イメージ用画像&動画
(昆虫の画像を使用してますので、不快と思う方はNGを入れてください)


(*1)のイメージ用画像
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5406466.jpg

(*2)のイメージ用動画
ttps://www.youtube.com/watch?v=lqwBwb40fWE
ttps://www.youtube.com/watch?v=p89or5dfmdg

(*3)のイメージ用画像
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5406700.jpg

0119名無しさん@ピンキー2014/11/09(日) 19:52:34.57ID:Zw+GO6EM
以上、投下終了

ネトゲやりながら書きなぐったので
至らないところがありますが…

0120名無しさん@ピンキー2014/12/01(月) 01:30:31.50ID:BBS6vtM4
すごくいい……なんか俺も書きたくなってきたな

0121名無しさん@ピンキー2014/12/01(月) 08:08:42.90ID:Mb2wmxlu
>>120
是非書いてください

0122Januar 18. @ ◆DC//ihYmPg 2014/12/16(火) 03:58:18.01ID:UaFpdUIs
「あーぼっちゃま! おかえりなさーい!」
 けだるい学び舎の授業から解放されて廊下をぶらぶらと歩くテオドール。その白い耳を底抜けに明るい声が打った。彼が足を止めると横の窓から長い鼻面がにゅっと突き出してくる。
「マルガ、静かにね」
「はいなー」
 ふんふんと毎回わかったように頷きながらも一向に改善する様子のないメイドの鼻先をテオドールはつんとつついてやった。

 テオドール。そう名づけられた少年はこの都市を統べる山羊人の名門一族の嫡子である。思慮深い両親の性情を受け継ぎ、やや引っ込み思案なところがありながらも優しい少年に育っている。
 彼に窘められた彼女は狼人だ。道で行き倒れているところを捕らえられ、もろもろの事情によりこの屋敷でメイドとして働いている。マルガレットという名を与えられて。

 そんな主従は歳が近いこともあって仲が良い。テオドールとしては自分のことを仔供扱いしない数少ない威張れる相手。マルガレットとしては――
「ぼっちゃま、今日はなに持ってるの?」
 窓から顔だけ出したマルガレットの視線はテオドールのポケットにぴたりと固定されている。黒い鼻がふんふんと忙しなく動いていた。
「クッキーだよ、クッキー。アーモンドが入ったやつ」
「やったあ、大好き!」
 大好きなのはクッキーだよな僕じゃないよな、と言いたい気持ちを抑えてテオドールはポケットからクッキーを取り出した。
「まだあげるって言ってないだろ」
「ちょーだいよー」
 窓枠に手をついてマルガレットはぴょんぴょん跳ねた。そんな真似をしているとお仕着せのメイド服に身を包んだ小柄な彼女はかわいらしいぬいぐるみのようだ。
いやしいんだからもう、とテオドールは溜息をついて包み紙を解いた。
 良家の子息が通う学び舎といっても、テオドールが通うそこはまだ角も生えていないような幼い少年しかいない。
往々にしてそのような年齢の子供というものは我侭で気まぐれなものである。何不自由ない生活をしていれば、なおさら。
そんな彼らを釣るためにお菓子が配られているのだが、困ったことにテオドールは甘いものが苦手なのだ。
級友にやるのも癪なので毎日持ち帰っていたそれを目ざとく見つけたのがこのマルガレットである。
両者の利害は一致したというか、あんまりしつこいのでテオドールが根負けしたというか。
 遂に姿を現したクッキーを前にして、灰の瞳がきらきらと輝いている。はやくはやく、と近づいてくる鼻先を押し返して、テオドールは説教してやることにした。
「マルガ……お前、メイドの仕事がなんなのかわかってる?」
「うん。ご飯食べて、お洗濯して、穴掘って、寝ること。です!」
「……うんじゃなくて、はいだろ……」
「うん」
 こっくりと頷く狼人にテオドールはがっくりした。これで自分より年上というのだから。
庶民だからなのか、それとも狼人とは皆こんなものなのだろうか。
テオドールにはそのどちらよりもまず、マルガレットであるから、というように思われた。
 なにしろマルガレットときたら台所接近禁止令が出されているのだ。
彼女がいったいぜんたい何をやらかしたのか。テオドールは知らないがだいたい想像がつく。
このくいしんぼおおかみを食べ物に近づけておいて何もない方がおかしいのだ。加えて田舎者だから屋敷での常識もない。
大方ちょっとくらいやらかしてもどうにかなる庭師の手伝いばかり任されているのだろう。

0123Januar 18. A ◆DC//ihYmPg 2014/12/16(火) 04:01:27.70ID:UaFpdUIs
「ねーえーぼっちゃまー」
「ああもう……わかったよマルガ。ほら、手出して」
「うん、あっ」
 差し出された手はどちらも土で汚れていた。両方の手を引っ込めて、マルガレットはむむむと鼻に皺を寄せて考え込んでいる。
「なにか植えてたの?」
「ううん、耕してた……どうしようかなー」
 いつもはぴんと立っている形の良い三角耳がへにゃんと垂れている。テオドールがなんとはなしにそれを眺めていると、ぴょこっと立った。
二人の目が合うとマルガレットはにっと笑った。
「ぼっちゃま、あーん、てして」
「あーんって、お、お前、ええと……はしたないぞ!」
「なんで? クッキーが汚れなくていいじゃない」
「それはそうかもしれないけどさ……」
 主人に給仕させるメイドなど前代未聞ではないだろうか。とはいえマルガレットにメイドとはなんなのかを説けるほどテオドールは大人ではなかった。
餌をやると思えばいいのかもしれない。そうしよう。うんうんと頷いてテオドールはマルガレットの思いつきに乗ってやることにした。
手ずから誰かになにかを食べさせる。盗み見ることしかできないような大人の戯れのまねごとの誘惑は強かった。
「まあ、いいけどさ。お前ね、こういうのは、はしたないことなんだぞ。やっちゃいけないんだぞ」
「わかってるよー。でも、やってくれるんでしょ?」
「今回だけだからな。ほら、口あけて」
 彼の言葉に従って曝け出されたマルガレットの口内にはずらりと白い牙が生え揃い、それはテオドールの本能的な恐怖を呼び覚ました。
捕食者の象徴が被捕食者の心臓に囁きかける。クイタイクイタイオマエヲクイタイ。
「ヒッ」
 情けない悲鳴をあげてテオドールはあとずさる。その途端に口は閉じられ、恐ろしい捕食者は見慣れたメイドに早変わりした。
「ぼっちゃま、どうしたの?」
「え、あ、ああ、いや」
 きょとんと首を傾げるマルガレットの顔が見られなくて、テオドールは暴れる心臓のあたりを押さえたまま下を向いた。
落ち着いてみればわかることだ。マルガレットは他の狼人とは違う。あの残虐で人を生きたまま喰らうという狼人とは。
「なんでもない。噛むなよ」
「咬んだりしないよーもー」
「いやちょっと待て、約束しろ。噛むなよ。絶対に噛むなよ。噛んだらもう二度とお菓子あげないからな」
「うんっ! わかったっ! 咬まないっ!」
 きりっとしてそんなことを言うマルガレットにもう一度念押しをして、テオドールはようやくクッキーを手に取った。
白い牙は相変わらず恐ろしいものの、後ろでぶんぶん振られている尻尾を見れば恐怖も萎える。
長方形のクッキーを桃色の舌の上に置くと、なまあたたかな吐息が指先に触れた。不愉快であるべきそれが、ひどく、心地よい。生々しい肉の温度。自分ではない誰かの体温。
おあずけを食わされた口の端からつうっと透明な涎が一筋垂れて窓枠に落ちて、そうしてテオドールは慌てて手を引っ込めた。
すぐさま開きっぱなしだった口はぱくんと閉じられてむぐむぐと動く。
「おいしー! ぼっちゃま、ありがとね」
「あ……ああ、うん。そうか。よかったな」
 よこしまな気持ちを抱いていたのはテオドールだけのようで、マルガレットはわふーんと幸せな微笑みを浮かべて両手を頬に当てている。
その拍子に灰色の毛皮が土で汚れたが彼女は気にもしていないようだった。

0124Januar 18. B ◆DC//ihYmPg 2014/12/16(火) 04:04:29.49ID:UaFpdUIs
「そういえばマルガレット」
 とりあえず、説教。恐怖と官能に揺らぐ幼い自尊心はそうすることを選択した。テオドールがわざといかめしい声を作って腰に手を当てるとマルガレットも慣れたものでぴしっと姿勢を正す。
「なあに?」
「聞いたぞ。お前、初めての給金をその日のうちに全部使っちゃったそうじゃないか」
「うん」
 マルガレットは悪びれた様子もなく頷いた。小耳に挟んだ使用人の噂から鎌をかけてみただけなのだが、本当に使い切っていたらしい。
あまりといえばあまりのことにテオドールは言葉を失った。
「おいしいものがいっぱい食べられたよ。次はいつもらえるんだろ。ぼっちゃま知ってる?」
「……お前……」
 けいかくせいってなあに? たべてもいい? 無邪気な瞳がそう言っている。
テオドールとて実際にお金を使ったことはほとんどないし、もし今お金を持っていてそれを計画的に使えるかと問われたら自信がない。
自信がないが、いくらなんでも、ここまでひどくはない。テオドールが呆れ果てているとマルガレットはぷいと横を向いた。そのくせ耳だけが彼の方を向いている。
「私、お金を使うの、初めてだったから……みんなして同じこと言うんだもん。お金って欲しいものと交換するために使うんでしょ? 私、食べ物が欲しかったから、食べ物と交換したんだもん」
「マルガ、財産ていうのは、貯蓄と、運用が大事なんだぞ」
「なにそれ」
「えっと……なんだっけ……とにかく、大事なんだ」
 教師の言葉をそのまま受け売りしたものだから、テオドールはそれ以上の説明ができなかった。ここぞとばかりにマルガはふふんと胸をそらす。
「ほーら。ぼっちゃまだって、お給金もらったら、食べ物買っちゃうよ!」
「それはない」
「そう?」
「そうだよ」
「そーかーもねー」
 攻勢に入ったマルガレットはにやにやと牙を剥き出して笑っていた。バカにバカにされると腹が立つ。
テオドールは頭を捻り、どうにかこうにか、年頃の女性によく使われている一撃を引っ張り出してきた。
「そんなんじゃ嫁の貰い手がなくなるぞ!」
「結婚なんてしないよ」
 それをさらりと返されて、彼は一瞬で飽和してしまった。彼女は意地になって言い返したのではない。ただ単に、そうである、という事実を述べただけの、ひどく静かな言葉だった。
「しないの? 結婚」
 うん、とマルガレットは頷いた。
「誰か……好きになったり、しないの?」
「しない」
「で、でも……」
「愛がなくても結婚はできるよ。でも、私は、しない。誰かを好きになったりしないし、愛したりなんてできない」
 じっと覗き込まれて、その瞳の灰色が、真に燃え尽きた灰の色そのものであるとテオドールは知る。
「縁を結んでまぐわえばいずれ情もわくだろうけど」
 少し掠れた甘い声が耳に触れる。
「そういう気持ちに私はもう耐えられない」
 ざらりとやわらかな舌がテオドールの指先を舐めた。
 それで満足したのか、マルガレットはくるりと踵を返して窓から離れた。とことこ去っていく灰色の尻尾を見つめながら、テオドールはぼんやりと廊下に立ち尽くしていた。
マルガレットが、自分の知っている狼人でくいしんぼで田舎者でちっちゃなかわいいメイドとして最初からぽんと生まれてきたのではなく――ひとりの人間として生まれてきて、
自分が知らない人生を生きてきて、そうしてここにいるのだと――まだ幼い山羊人の少年は了解したのだった。
 テオドールはのろのろとクッキーを包んでいた包み紙をポケットに突っ込んで、それから、舐められた指を口に含んだ。甘いはずのその指はなぜだか仄かに苦かった。

0125 ◆DC//ihYmPg 2014/12/16(火) 04:18:56.86ID:UaFpdUIs
おしまい。

田舎っ娘くいしんぼオオカミおねえさんメイドで暗い過去餅とかもうゾクセイマシマシです。ぼっちゃんでは手に負えません。

あとタイトルは間違えたんじゃなくてハンガリー語が名前欄に入力できなかったのに気づかずコピペしてただけです。
いちおうハンガリー王女マルガリタが元ネタなんだぜ、ということでここはひとつ。

0126名無しさん@ピンキー2014/12/17(水) 19:58:41.21ID:E6euMXyO
>>125
乙でする!いいですなぁ・・・

0127DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2014/12/31(水) 07:51:30.04ID:nwpBkp02
だら長いので途中で止まったら規制で死んだものと思ってください
できるだけ今年中に出し切りたいです


本文中で説明し忘れたのですが、犬人と猫人が番ったら犬人と猫人のどちらかが産まれる、
そんなおおらかな生殖システムという設定でお願いします




 墓土のにおいがする。
 そんなことを考えながら私は旦那様の濡れた肩をタオルで拭いました。
 朝方からの雨はまださらさらと降り続けています。先代の大旦那様が亡くなられたのもこんな雨の日でした。幸か不幸か、私は大旦那様が身罷られるまさにそのときに居合わせたのです。
旦那様はベッドに伏せる大旦那様の手を握り、耳元で何事か囁いておいででした。あのときの私は、部屋の隅でじっと自分の手を握り締めたまま、大旦那様が息を引き取られるのをじっと見つめていました。
退出する機会を逃したせいで、最期の瞬間に父と息子を二人きりにしてさしあげられなかったのが、今でも心残りです。
「エリシャ、エリシャ」
 私がそのようにぼんやりと物思いに耽っていると、旦那様にがぶりと手を甘噛みされました。
「にゃっ、なんです、もう」
「それはこちらの台詞だよ。さっさと拭いてくれ」
「あっ……もうしわけございません」
 私は慌てて旦那様の濡れた体をタオルで拭きます。主人の体に手を触れるのですから雑にならないよう気を使わねばなりません。とりわけ、尻尾を拭くときなどには。
「尻尾、失礼します」
「うん」
 旦那様の貫禄のあるふっさりとした尻尾。尻尾の美しさなどは種族それぞれですが、旦那様の尻尾は犬人の中でもひときわ素晴らしいものです。
これを毎日お世話していると、自分の斑でひょろながい尻尾がなにやら恥ずかしく思えてしまいます。
 どれだけの水を含んでいたのか、尻尾をタオルで包むとじわっと湿りました。新しいのと取り替えた方がいいかしらん、と私が考えていると、いたずらな手が私の尻尾をひょいと捕まえました。
「にゃあ! おやめください、旦那様!」
「いやなに、豹の斑尾は実に美しいと思ってね」
「ありがとうございます、お放しください、どうか、後生ですから」
「エリシャも僕の尻尾を握っているじゃないか、おあいこだよ」
「にゃう」
 こういうお方ですから口では叶いません。私が力づくで尻尾を取り返すと、旦那様はくつくつと笑って暖炉の傍に行ってしまいました。
「着替えるからもういい。風呂は沸いているか?」
「はい。ご夕食はどうなされますか?」
「今日はピウニー卿の晩餐に与ってきたからいらない。夜食もだ」
「かしこまりました」
 タオルを片付けた私を旦那様は手招きします。尻尾を掴まれないよう背中に引っ込めてから、私は旦那様の横に並びました。
「なんでしょう」
「火に当たりなよ」
「いけません、そんなこと。仕事がまだございます」
「夜食もいらないし風呂も沸いている、僕付きの君に他に仕事があるのか?」
「まあ、ないといえばないような……わかりました、当たらせていただきます」
 ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う、そういう人です。諦めた私が暖炉に手をかざすと、旦那様は満足げに笑いました。その顔があまりにも仔犬の頃そのままなので呆れるやらおかしいやら。
つい私もくすりと笑ってしまいました。

0128DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2014/12/31(水) 07:55:12.41ID:nwpBkp02
 旦那様は私より一つ年下です。出稼ぎのために故郷を離れ、この屋敷に斡旋された私は、旦那様の遊び相手をよく務めさせられました。当時の旦那様はお母上を亡くされてまもなく、それはそれは大変な暴れん坊でした。
毛虫、泥水、ガム……されたことを思い出すと今でも首の毛が逆立ちます。私が一等ひどい目にあっていたのは間違いありませんが、家庭教師に執事に庭師にメイド長、挙句の果てには大旦那様すらも暴君の脅威を被っていました。
もし旦那様が主人ではなく私の弟だったら全身の毛を剃りあげていたところです。とはいえ人は成長するもの、歳を重ねる内にその情熱は正しい方向に生かされるようになり、私の苦労も減りました。
四六時中つき合わされていたせいで教養の真似事くらいは身についたのですから、それでよしと思うようにしています。
 あのときのどうにもならない子犬が、今では立派な大人になり、こうして父の跡を継いで貴族の務めを果たしている。不思議だなあと思いながら、私は火に照らされる旦那様の横顔をしみじみと眺めていました。
「どうした?」
「いえ……」
 私の視線に気づきながらも、旦那様はじっと暖炉の中で燃え踊る炎を眺めています。
「……君も、父上の墓に参りたかったか?」
「そんな恐れ多いことはできません」
「ふうん……」
 旦那様は不機嫌そうに鼻を鳴らして、暖炉にくるりと背を向けました。
「今日で父上が死んでちょうど一年。これで僕も自由になるというものだ」
「自由、ですか」
「そう、自由。この家が僕の思い通りになる、ということだ」
「ハレムでもお作りになりますか?」
 少々はしたなかったでしょうか。旦那様は目をぱちくりさせながら私を見て、それからにやりと笑いました。
「なるほど、何人囲ったものかな? エリシャ、君はどう思う」
「相手になさる女性はお一人だけにしておくのがよろしいかと存じますが」
「先に言い出したのは君だろうに。言いだしっぺだから君も入れてやろう」
「結構です」
「遠慮するな」
「率直に申し上げますけど、嫌です」
「なんだ、妬いたか?」
「旦那様、たとえ冗談でも女性にそのようなことを言うものではありません!」
 本気で言っているわけはないと思いますが、よりにもよって命日にそんなことを言っているようでは先が思いやられます。大旦那様も天国で呆れていらっしゃるに違いありません。にやにやしている旦那様の肩を引っ叩いて私は風呂に追いやります。
「そのふしだらな考えを洗い流してくださいまし」
「君ね、メイドが主人に手を上げるなよ」
 だというのに我儘な旦那様は暖炉の前から動こうともしませんでした。諦めて暖炉の火に当たりながら、私は心の中だけで溜息をつきます。
内心をあまり表に出す方ではありませんが、旦那様がこんな風に面倒を言って絡んでくるのはかなり機嫌が悪いときです。要するに八つ当たりです。
こういうときは私に無理難題をふっかけてくるのですが、困ったことに、大人になって知識と権力を得た分、子犬の頃より性質が悪いのです。尻尾を引き抜いてやりたいと思ったことは一度や二度では済みません。
幼馴染としてそれだけ気を許してくださっているのだ、と自分に言い聞かせることで耐えることにしています。
 旦那様はぷいと暖炉を離れるとベッドサイドテーブルの上に用意されていたワインボトルを片手に戻ってきました。メイドの私が飲むわけがありませんからグラスはひとつきりです。
「旦那様、私がやりますから」
「エリシャ」
 差し伸べた手はすげなく撥ね退けられました。もはや不機嫌なのを隠そうともしなくなった旦那様は立ちすくむ私の前をうろうろと歩きます。
「君は僕のメイドだな?」
「はい、旦那様」
「つまり、僕の命令に従う義務があるということだ」
「……はい」
 まさか飲めとおっしゃるのでしょうか。私はとにかく弱いたちなのでお酒を口にしたことはそれこそ数えるくらいしかありません。
それにいくら旦那様のお言いつけとはいえ、仕事中に酒を飲んだことがメイド長にばれたらクビにされることも十分考えられます。
どうしよう、どうやって断ろう、でも飲んですぐ帰って、口をよく漱いで寝てしまえばばれないかもしれない。そんな愚かなことをつらつらと考えていた私に旦那様が突きつけたのは、もっと惨い要求でした。

0129DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2014/12/31(水) 07:57:31.53ID:nwpBkp02
「乳を出せ」
 耳を疑いました。疑いましたが、現実は一向に変わりませんでした。旦那様の寝室で、私と旦那様の二人きり。暗闇の中で彼の青い瞳がきらりと光りました。
「だ、だんなさま、それって」
「二度は言わない、エリシャ」
 私の前に立っているのは、身分の差こそあれど気安い幼馴染ではなく、従僕に絶対的な命令を下す主人でした。でも、だからこそ、私は彼に詰め寄っていました。
「なんで、なんで私にそんなことを言うんです! わ、私は、あなただってっ!」
「エリシャ」
 さっさとやれ。彼の態度がそう告げています。私は……なにかを言おうとして、そのどれひとつとして言葉にすることもできず……シャツのボタンを、ひとつ、外しました。さらさらと降る雨の音がそこから身の内にするりと染みこんできました。
 珍しいことではありません。咎められるべきことですが、主人がメイドに手をつけることくらいよくある話です。もちろん私は旦那様にそんなことを求められたら断るつもりでいました。
私たちは主人とメイド。その範を破ってはいけないことぐらいわかっています。ああ、でも、けれど――もし。求められたら。そういう気持ちを示されたら。そんなことを考えていた私もいたのです。
男性の卑しい欲望をぶつけるためでもよかったのです。はっきりと言葉にしたわけではありませんが、旦那様も私のそういう気持ちを察していて、同じような気持ちを抱いてくれていると。そう信じていたのに。現実は残酷でした。
旦那様はただ八つ当たりのためだけに私を辱めようというのです。私になんの興味もないままに。
 暖炉の炎に照らされて影絵が不恰好な踊りを続ける中、もっと不恰好な私はシャツのボタンを全て外し、肌着を捲り上げました。乳を出せというからには、ブラも取らなくてはならないのでしょう。
豹斑によく似合う白だと気に入っていたそれが、ひどく安っぽくてみっともないもののように感じられて。それを目にした旦那様はなにも感じていないようで。気づけば私の目からはぽろりとひとつぶの涙がこぼれていました。
それでも手は勝手に動いて、私は求められた通り旦那様に乳を差し出したのです。
「着やせしているとは思っていたが、なかなか豊かな乳じゃないか、エリシャ」
「ありがとう……ございます……」
 彫刻でも語るような物言いで旦那様は私の胸を褒めました。そして何を考えたのか、ワイングラスを胸の合間に挟みました。冷たい異物の感触に毛が逆立ちます。
「旦那様……?」
「エリシャ。グラスが落ちないように自分の手で乳を押さえろ。できるだろう? これだけ大きいんだから」
「……ッ!」
 旦那様の口元は笑っていますが、目はまったく笑っていません。どこまでも冷たく私を観察しています。おそらくはこの胸に巣食う卑しい想いまで。だから旦那様はこんなことを命じられたのに違いありません。
主人を欲しがるメイドなぞ商売女と同じなのだと、こうやって玩具のように弄ばれるのがお似合いなのだと、そう思い知らせるために。言われたとおりに手で押さえると、ワイングラスは私の胸の谷間にぴたりと収まりました。
堪えなければいけないと思うのに、ほとほとと透明な雫がグラスの中に落ちてゆきます。それは私の中のなにかが溶けてなくなっていくようでした。
 旦那様はワインの封を切って中身をグラスに注ぎいれました。たちまちに冷たく赤いものが胸を満たします。身じろぎした私を手で制し、旦那様はぐいとこちらに顔を近づけてきました。
「だ、旦那様」
「動くなよエリシャ。動かないように、ちゃんと抑えていろ」
 冷たい声で旦那様はそう命令すると……あろうことか、その長い舌を伸ばして、ワインをぴちゃりと飲んだのです。私が胸に挟んでいるグラスの中に注がれたワインを。
舌が動くたびに胸に伝わって、直に乳を舐められているようです。旦那様の鼻息が毛皮をくすぐります。雨音の中ではぴちゃぴちゃという音がやけに際立って聞こえます。
そしてなにより、旦那様が私の血を口にしているようで。それを、うれしい、と感じてしまったのは、女の業でありましょう。

0130DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2014/12/31(水) 07:58:58.59ID:nwpBkp02
 ふしだらな戯れとワインの香りに当てられて、私はいつしか陶然としていました。だから忘れていたのです。これが罰であることを。
「エリシャ……エリシャ」
「はい……」
 名を何度も呼ぶ旦那様に私は夢うつつで返事をしました。と、私の胸からぐいとグラスが抜き取られました。いつのまにか半分ほどになっていたそのグラスを揺らし、旦那様は私を睨んでいます。
不意に与えられた喪失感をどうしていいものやらわからないまま私がその瞳を見つめ返すと、旦那様は、く、と笑いました。
「乳首が立っているぞ」
「にゃっ……やっ、やあっ」
 慌てて胸を隠すと言われたとおりに自分の乳首が硬くしこっているのがはっきりとわかってしまい、私は恥ずかしさで全身の毛が抜け落ちる思いでした。
そして自分にしかわからないことですが股をぬるりと伝うものがあります。もう死んでしまいたい。
「飲め、エリシャ」
 口元に押し付けられたグラスを突き放すことなどとてもできなくて。私は傾けられるままに、グラスの中身を一息に干しました。口の中に葡萄の甘い香りがどっと広がって喉へ滑り落ちていきます。
旦那様が飲んでいたワインを同じグラスで飲むのは、そう、まるで、口付けのようで――私はふわっと落ちていきました。






「じゃじゃーん!」
「エ、エリシャ!?」
「あ、旦那様ちゃんとお風呂に入ってるね。いい仔いい仔」
「エリシャ、君、潰れて寝たんじゃなかったのか」
「えー? なにがー? 旦那様もお風呂で寝るの? いいよ、起こしたげるから」
「君、酔ってるな……?」
「酔ってなんかないもんにゃーだ」
「いや、酔っている」
「って、あー! やだー旦那様裸じゃん!」
「服を着て風呂に入るバカがどこにいる」
「そっかー、そーだよねー。じゃー私も脱ぐ!」
「えっ、ウォッ、こらっ! 脱ぐな! 入ってくるなああああ!」
「じゃぼーん!」
「うぶっ……」
「えへへへ……ねえ旦那様、そんなに私の胸好きだったの? 私のことは?」
「えっいやっその、これには、わけが、あー、おい」
「私ねたまに旦那様が私の胸見てるの気づいてたからね。そういうのってわかるんだよ」
「それは君が気づいたからであって、見られているのに気づかなかったときだってあるだろうに」
「じゃあ私が気がつかないときに見てたの?」
「……」
「そうやって都合悪いと耳伏せちゃうの治ってないね、ギル。ねえ、名前呼んでいい? ギル、ギル、ギルバート」
「こら、メイド」
「私メイドだからね、だからしっかりやろうって思ってたの」
「何の話だ」
「だってねえ、旦那様立派になったから、私も立派なメイドにならないといけないかなって思って」
「……そうか……」
「旦那様どう? 私のおっぱい好き? ほら、実はけっこう自信あったんだよね」
「こらっ押し付けてくるなっああっくっついてもくるなっガルルルルルルルッ!」
「やだなーそんな牙剥いちゃって。ほら、ぎゅーってくっつくとね、ほら……」
「……エリシャ?」
「すー」
「なぜここで寝る……」

0131名無しさん@ピンキー2015/01/17(土) 00:19:56.82ID:62nU4JEq
いいですなあ
そしてラストの豹変っぷりにワロタ
豹だけに

0132DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2015/01/19(月) 01:19:02.74ID:HK1kx2gO
私がふっと目を覚ますと、そこは見慣れた天井でした。柔らかな感触からするとベッドに寝かされているようです。薪がぱちぱちと燃える音が耳に届きます。
窓の外は静かで、雨はすっかりやんだようでした。なんだか寒いなあ、と思った私は体をきゅっと縮めて……それから、慌てて起き上がりました。
 旦那様はベッドに腰掛けて私を見ながらワイングラスを傾けていました。その顔は心なしかげっそりしています。
「エリシャ、起きたか」
「もっ、申し訳ございません旦那様、こんな!」
 主人から寝床を奪うなどメイドにあってはならないことです。私は慌ててベッドを出ようとして、そこでぴたりと止まりました。今の私は、下着の一枚すらも身に着けていません。
そんな私が主人のベッドの中にいるとは、つまり、そういうことなのでしょうか。そう気づくと胸がとくとくと早鐘を打ち始めました。
「いや、いいから……覚えていないのか?」
「ええと、あの、ワインを口にして……それから記憶がなくって」
 そうか……と深い深い溜息をついてから、旦那様はグラスを置いてシーツに滑りこんできました。
それがあまりにも自然な動きだったものですから、私は逃げることもできず旦那様と同じベッドの上にいることになってしまいました。もうどうしたらよいやらわかりません。
私は膝を抱えて座り込み、シーツを体にぎゅっと巻きつけました。
「君は物凄く酒癖が悪いぞ」
 旦那様はそんなことを言って俯く私の頭を撫でます。温かく大きな手に旦那様の男性を意識してしまい、私はいっそうどうしようもなくなってしまいました。
「そ、そんなにですか……?」
「ああ……あの暴れぶりじゃ僕の手に負えない」
 そんなことを言って笑う旦那様はいつもの優しい旦那様のようで、でもどこかあの冷たい気配が漂っていて。
どうしていいのかわからなくなった私はシーツに顔を埋めると最も大事な質問をすることにしました。
「それで、あのですね……旦那様」
「うん」
「その……やって、しまったん、でしょうか」
「何をだ?」
「なにって……だから、その……男と女の……すること……を……」
「自分でわからないのか?」
「わかりません! 経験が、ないので!」
 私が思わず顔を上げて吼えると旦那様は舌で何度も鼻を舐めながら手をもじもじと擦り合わせました。
「いや、してない。大丈夫だ。君が裸なのは自分で脱いだからだ」
「ぎにゃあ……ぜんぜん大丈夫じゃない……」
 私が膝を抱えてシーツを濡らしていると、旦那様は背中をよしよしと撫でてくれました。その手が嬉しくて、またシーツが濡れました。

0133DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2015/01/19(月) 01:33:54.81ID:HK1kx2gO
「エリシャ、こんな場でなんだが、聞かなければいけないことがある」
 私がひとしきり泣いたところで旦那様は真面目な顔をして言いました。もちろん主人の言うことですから私もはいと頷きます。
「君は……自分の父親を知っているか?」
「いいえ。母からはなにも。聞くとひどく叱られたので、よく知らないんです。母は外へ働きに出て、私を孕んで帰ってきたと、村の人からはそう聞きました」
「……そうか……」
 彼と私の仲ですから、これくらいのことは話したことがあったように思います。父なし仔ではありますが、私の村はあたたかなところだったので、私は特にひどい扱いを受けることもなく、母の下で育つことができました。
仕送りばかりでなかなか手紙を出す暇もありませんが、母も元気に暮らしていると聞きます。
 旦那様はふうと頭を抱えて、もう一つ、と指を突き出してきました。
「君がこの屋敷に勤めることになったのは?」
「はい。うちの村は貧しいものですから、村の人に紹介してもらった口利き屋に頼んで、お屋敷で働くことになりました。旦那様も何度かお会いになったことがあるはずですよ。ほらあの、右耳がちぎれた猪のグレゴリーさんです」
「まあ、そうだな……」
 旦那様はなぜだか更に困った様子で頭をぐしゃぐしゃとかきまぜています。
「旦那様は、私の父が誰なのかご存知なのですね? その私の父が、なにか旦那様によくない人なのですね?」
 ここまで言われてしまえば私でもわかります。私の言葉に旦那様は頭をかき回すのをやめてベッドに突っ伏しました。ふうう、と息を吐くたびにその大きな背中がゆるやかに上下します。
その呼吸に目を取られていると、旦那様はぽつぽつと語りはじめました。
「そのグレゴリーだが、どうも悪い仲間と付き合いがあったらしくてね……今は牢に入っている。生きて出ることはないだろう」
「えっ!」
 私にとってのグレゴリーさんは、なにくれとなく面倒をみてくれる気のいいおじさまでした。都会に出たばかりで右も左もわからない私が、太鼓腹を揺らして笑うあの猪人にどんなに助けられたことか。
そんなグレゴリーさんが犯罪者、それも二度と牢から出られない程の悪人だったなんて。あまりのことに何も言えないでいる私の頭を優しく撫でながら旦那様は言葉を繋ぎます。
「それで奴はどうしても話さなければいけないことがあると僕を呼んでね。最初は放っておこうと思ったんだが、あまりに必死なものだから、まあ、僕の方にも伝手があって……話してきた。そこで、君の父の事を聞いたんだ」
 旦那様の声にはひどく苦いものが含まれていました。この様子では種族も知らない私の父はさぞや非道い人間だったに違いありません。そして、そんな卑しい人間の血が自分の中に流れている。
そう考えるだけでざあっと血の気が引く思いでした。私を撫でる手を止めて、旦那様はふう、と息を吐きます。
「エリシャ。君が、君の父親が誰なのかを知っていると、いろいろと面倒なことになる……そういうことだ」

0134DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2015/01/19(月) 01:46:33.58ID:HK1kx2gO
 そして、そっと体を寄せて、私を見つめます。旦那様の瞳はほんとうに綺麗な青の瞳なのです。そんな瞳に覗きこまれて、私は空を覗きこむようでした。
 エリシャ、と旦那様は私を呼びます。
「正直に答えてくれ。君は自分の父親が誰なのか、知っているか?」
 息を吸って、吐いて。私は答えます。
「いいえ。私は私の父親が誰なのか知りません。それにもし、私が自分の父親を……知っていたとしても、旦那様を苦しめるようなことは、しません。神に誓います。私、私は……」
 その先を告げることができなくて、私は言葉を切ります。しばらくの、沈黙がありました。それから旦那様は、そうか、と言って、私の肩に触れました。
「そうだろうとは思っていたんだ。信じてもらえないかもしれないが、信じていたんだよ、エリシャ」
 旦那様の茶色い手が白いシーツの上を滑って私の体の輪郭を顕わにしてゆきます。肩を離れ、腕を握り、膝を掴み、胸を弾き、喉を這う。旦那様の触れたところに炎で炙られたような疼きが私の体に刻まれます。
私はうっとりと喉を鳴らして彼の愛玩に甘んじていました。
「でも……信じているからこそ……もし、と思うと。確かめずにはいられなかったんだ。もし君が、知っていて、僕の傍にいたのなら、と思うと……」
 旦那様の目には光るものがありました。そのいくつかがほろっとこぼれてシーツに染みを作ります。
「すまないエリシャ、本当に、すまなかった」
 ついにたまらなくなって、私は旦那様をぎゅっと抱きしめました。震える広い背中に手を回して、精一杯、心をこめて。
「いいんです、旦那様。今、私を信じてくださるのだから、それだけでいいんです。それだけで……」
 旦那様は疑わなければならないほど私のことを信じてくれていた。それを知って私は自分の中に流れる卑しい血に感謝すらしました。
私の父親が誰だろうが、それが問題になろうが、そんなことはどうだっていいのです。今、ここに、この腕の中に、旦那様の血の滲んだ内心が私に捧げられているのだから。
 旦那様の逞しい腕が私の背中に回されて、ぐっと引き寄せます。彼の大きな肉体に包まれて私はにゃあと鳴きました。このベッドの上で、私と彼はなにものに邪魔されることもなく、ふたりきり。
触れたところから互いの体温が混ざり合い、ひとつになっていきます。そうして、いつまでもいつまでも、私たちは抱き合っていました。

0135DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2015/01/19(月) 02:05:41.24ID:HK1kx2gO
 ……あれ。おかしいぞ。
 普通、こう、若い男女が二人きりで、ほとんど裸のような格好で抱き合ったなら、その、次があると思うのですが。
 私がそおっと旦那様の顔を伺うと、私を見ていたらしい旦那様はばばっと目を逸らしました。なにやら大変やましいことがあるご様子です。
「あの、旦那様」
「なんだいエリシャ」
「その、私、生娘なので、なにかと面倒をかけるかと思いますが……」
「……」
「よろしく、お願いします……」
「……」
 旦那様、無視。視線を虚空に固定したまま、うー、とかぐるる、とか唸っています。あまりに腹が立ったので鎖骨にがぶっと噛み付いてやりました。
「いてっ! ちょっ、エリシャ!」
「なんですか旦那様、ここまでしておいて!」
「え、いや、あの、そのう、ええと」
「なんですか、何がいけないんですか? また胸でグラスを挟んだほうがいいですか?」
「あれは君を辱めた上に酒で酔わせて素直に喋らせようと思ってやっただけで、別に好きなわけでは……まあ……」
「じゃあどうして!」
「あの、エリシャさんや、これには事情がありましてですね」
「知りません!」
 こうなっては恥じらいもへったくれもありません。私は旦那様の両腕を掴んで封じると一気にベッドの上に押し倒しました。
「旦那様、いくら卑しい使用人とはいえ、女の意地というものがございます。抱いてくださるまで放しませんからね!」
「ええっとだな、エリシャ、いったん落ち着くんだ、落ち着こう、な、エリシャ、話を」
「いいえっ、落ち着いてなんていられるものですか! 不遜は承知の上です、お覚悟を!」
 旦那様が困り果てているのをいいことに私は彼の寝巻きを引き裂きます。本当なら破いた時点で首切りになるような代物が私の爪で布切れに変わりました。
やってはいけないことをやる、その愉しみに背筋が震えますが、これからのことに比べたらこんなものは前菜に過ぎません。初めて目にする旦那様のありのままの姿は本当に尊いものでした。
艶やかな茶の毛が、形の良い指先が、厚い胸板が、内より出ずる気品がこの薄闇で光を放つようです。
それを今から私が汚すのです。この卑しく盛った雌猫が。荒くなる息をもう抑えることもせず、私は旦那様に馬乗りになりました。
子犬のように無防備な旦那様に微笑みかけ……微笑みかけて……これからどうしようか考えます。
棒を穴に入れるということは知っていますし、穴は自前の物だからわかるのですが、棒は……この、先程から腰のあたりを押し上げてくるこれで、いいのでしょうか。
とりあえず手で掴んでみると、先端がぬるりと濡れています。指でそのあたりを摘むと旦那様はぐうとかうっとか鳴きました。
「うふふ……」
 とりあえず笑ってはみましたが、これからどうしたらいいやら、私はすっかり困り果てていました。棒は私の手の中でどくどくと脈打っています。しかしまあ、こんな馬鹿げた太さのものが本当に入るのでしょうか。
なにやらもうひとつふたつ手順があるような気がします。こんなことなら仲間内で交わされる猥雑な雑談をもっとしっかり聞いておくべきだったかもしれません。

0136名無しさん@ピンキー2015/01/23(金) 22:24:33.16ID:+eT570oX
保守

0137DOG ONLY KNOWS ◆DC//ihYmPg 2015/01/26(月) 00:54:04.48ID:cLZjbdnH
http://novel18.syosetu.com/n4847cl/

規制がどうにもならないので、よくないような気はしますが外部のアドレスを貼ります。
毎回毎回エロに入ると規制されるのはどういう理屈なのやら。

>>131
そのネタ使おうと思ってたのですがいれる場所がなかったです

0138名無しさん@ピンキー2015/02/08(日) 11:30:07.14ID:8gN6ximU
保守

01391 ◆rK2yM3sIGxCU 2015/02/10(火) 01:05:17.94ID:JPy08Non
>>137
というかお呼びじゃねぇんだよw
反応みて察しろ

0140名無しさん@ピンキー2015/02/15(日) 11:04:38.18ID:aSv/WtHw

0141maledict ◆k/fFCPdV8. 2015/03/19(木) 02:34:54.67ID:ZBanDXKI
ご無沙汰しています。
『山賊の娘ローニャ』の鳥女に悩殺されてしまい、
こんな話を書きました。元ネタがどのくらいの認知度なのか
もうひとつわからないのですが、よろしければどうぞ。

「鳥娘ローニャ」
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5060443

鳥女のビジュアルは、「鳥女 ローニャ」で画像検索すれば
いっぱい出てくると思います。

0142名無しさん@ピンキー2015/03/21(土) 10:55:45.99ID:FJJ+QjlK
保守

0143名無しさん@ピンキー2015/04/07(火) 02:19:14.25ID:xF7VLJFm
獣人同士がイチャこらモフモフしてるのって良いよね

0144名無しさん@ピンキー2015/04/29(水) 09:45:52.50ID:c/FBLoTr
保守

0145名無しさん@ピンキー2015/07/06(月) 10:47:47.68ID:gCdglGq0
過疎ったなぁ
獣人・獣化小説から興味が失われたのか
それともpixivとノクターンのせいでここに投下する意味が無くなっちゃったのか

0146maledict ◆k/fFCPdV8. 2015/07/08(水) 12:21:17.42ID:lXSzHe13
ここへの投下でなくて誠に申し訳ありませんが、
「機上のキツネ人間」なる作品をちょうど今しがたpixivに投下しました。
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5525124
獣人化のR18作品です。

0147名無しさん@ピンキー2015/07/08(水) 20:37:35.59ID:/i0spjGT
乙です!
そして既に閲覧数200超えというpixivの強さも身に染みた

0148maledict ◆k/fFCPdV8. 2015/07/09(木) 11:57:42.18ID:UOeP3L7p
>>147
ありがとうございます。
おかげさまで閲覧数がまる一日で577まで伸びました。
(昨日の「R18男子に人気ランキング25位」だとか)
ランキングのページの上の方など見ると、人の数が本当にすごい場所だと思います。

作品は、感想などコメント欄でも、ここでも、いただけると幸甚です。

0149名無しさん@ピンキー2015/08/11(火) 01:08:40.07ID:qqjuAiXA
それにしても前スレといい本当に過疎っちゃってるなぁ
飽きてしまったか目につかないかPixivに本当に全部流れちゃったか、まぁPixivは感想書こうにも名前出るし書けないんだけども、悲しいなぁ

0150名無しさん@ピンキー2017/11/20(月) 11:35:16.15ID:KJV8p+k6

0151名無しさん@ピンキー2017/11/20(月) 15:05:01.84ID:Ke/Et+WX


プププッwwwwwww

またまたパチ負け常習平塚無職貧乏キモヲタ真性童貞ブッサメンおっさんスロダニクオリティwwwww

見る価値ねえヨウツベゴミ糞動画アフィ乞食wwwwwww

http://d.hatena.ne.jp/ikezyuu/touch/searchdiary?word=%C2%E7%C3%AB

噂のid:toney0407さんの情報見っけたんでコピペっとくか。

421 :「名無しわざとか?」とかイヤミを言われた:2007/06/03(日) 14:55:34 ID:JgSt/ eiR

大谷 伸幸(27) 1980年4月7日生まれ
最終学歴は慶応大学卒業、職歴なし
HNたにぃ♪、他に鼻毛大神、スロッ ターニー、ハーン、谷井啓一(仮名)などを 使い分ける
高校時代の友人に俳優の脇 知弘がいる
東京大学合格を掲げながら二浪の末、慶応大学に受かるだけの学を身につけ同校に無事入学

大学二年次に藤本美貴に目覚め全国各地のイベントに出向きキセルや無賃乗車のテクニッ クを磨く
藤本美貴がモーニング娘。に加入すると資金難から活動が困難となり番組観覧に活動をシフト

オタク時代のトレードマークは黄色いハチマ キにブラジル代表のユニフォーム
司法試験を目指すべく大学を自主退学すると 宣言するが挫折、前言撤回し二度の留年を経て卒業

大学卒業後は無職となり親の金とヤフオクで の資金を頼りにオタク活動に向けて再出発

しかし間もなくスロットに出会い生涯スロプ ロとして生きる事を決意、風俗にもハマる

よく出来てますわw

0152名無しさん@ピンキー2018/09/11(火) 18:07:44.36ID:0qQOInJA
ここって獣人(亜人)×ヒトってアリなん?

0153名無しさん@ピンキー2020/07/03(金) 20:34:22.61ID:E7fIAscR
過疎ってるなあ

0154名無しさん@ピンキー2020/07/11(土) 06:18:37.06ID:/XHK5C/v
おお、落ちてはいなかったのか

0155名無しさん@ピンキー2020/07/11(土) 06:22:10.80ID:XRsRfde9
ああ、だいたい色々な意味でこいつのせい↓

(ю:】ニセコイでエロパロ part140 [無断転載禁止]・bbspink.com
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1593827001/341

35: 名無しさん@ピンキー [sage] 2020/06/26(金) 19:46:25 ID:z/xVYFpJ

話題Switchを語ろうpart1
http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/gal/1592644557/54


http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1538985581/35
一人でキャンプに行く人100夜目(ワッチョイ有り)
http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/out/1589331550/213

0156名無しさん@ピンキー2020/07/15(水) 06:13:19.50ID:HIju/cV1
>>152
タイトルの正確な名前は今ちょっと忘れてしまったが、確か
「もしも異世界にSNSがあったら」
みたいのに、魔王様(ひきこもり美女)の配下の四天王最強の獣人・ミーコとかいたな…
マンガ版を見る限り、いい素材な美女(スポーツ系な)だったかな

0157名無しさん@ピンキー2021/08/25(水) 16:34:21.85ID:BSDYUzSY
ヨツケモ小説って需要ないのかな

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