百合カップルスレ@18禁創作板10

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0001名無しさん@ピンキー2014/02/12(水) 23:18:32.09ID:RFJLnYiF
とにかく百合ならいけいけOK!というスレッドです。
創作パロディなんでもあり。

前スレ
百合カップルスレ@18禁創作板9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1356251746/

0398早百合と遥 4 信じて、信じさせて2016/08/20(土) 16:24:41.23ID:1/lWP6DW
熱に浮かされたような声で愛を囁き、激しい愛撫を続ける早百合。

「やあああっ!も、だめ、おか、おかしく、なっちゃ、う…っ、ぅああっ!また…っ…きゃぅあああああひぃぃぃっっっ!!」

何度目とも知れぬ絶頂、息つく間もなく押し寄せる快感。激し過ぎる未知の悦楽に遥はなす術もない。

「ああああきもちい、きもち、よすぎ、て…っ!あああっ!くる、ちゃう…ぅぅぅああっっっっ!!」

がくがくと、まるで制御を失った操り人形のように、出鱈目に首を、手足を振り回す。

「遥、遥、遥、遥……!」
「せん…っ!せんせっ…!あ、ああ…せんせえええっ!」

何度目とも知れぬ絶頂。遥と呼ばれる毎に、先生と呼ぶ毎に、膨れ上がる快感。
ひときわ大きな絶頂が襲いかかり、遥の意識を現世から遠ざける。

「せんせ…えっ!好き…好きぃぃぃいいっっ!」

その絶叫と共に、遥は大きな大きな絶頂に飲み込まれ、この上ない幸福感と共に意識を手放した。

※※※


そうよ。

私だって、きっと。
初めて貴女と出逢った時から。

貴女の事が、好きだったんだから。

だから…
信じさせて。

お願い、先生…


※※※

0399早百合と遥 4 信じて、信じさせて2016/08/20(土) 16:25:05.16ID:1/lWP6DW
学校からの帰り道。遥の前に早百合が立ち塞がり、告げた。

「…くび?」

呆然とした表情を浮かべる遥。
ご丁寧に眼鏡がずり落ちて傾く。

…やだ、可愛い。

状況とは場違いに、そんな感慨を抱く早百合。

「ど、どうしてですか!?ま、まさか私の、その私との、あの、あれが…?」

屋上での行為が、誰かの目に留まっただろうか。
だが、早百合は晴れやかとも言える快活な笑みを浮かべる。

「違う違う。辞めさせられたんじゃなくて、辞めてきたの」
「ど、どうして…ですか」
「私なりにこれまでの行いを反省して、でも前に進むために」

遥は怪訝な表情を浮かべる。

「だから、どういう…!?」
「だから、生徒に手を出すような最低教師なんて、ダメでしょ?」
「…!わ、私のせい、ですか」
「あああっ!そうじゃない!そうじゃなくて!教師と生徒って関係じゃダメだから!」
「やっぱり私のせいじゃないですか!」
「ち、違うよぉ!自分のためだってばあ!遥と一緒にいたいんだもん!」
「せん…!?」

まるで我儘を通そうとする子供のような口調に、遥は絶句する。

「遥といたいの。ずっと一緒に。だから…」
「せんせ…」
「信じて、くれる?信じて欲しい。私は貴女が好き。ずっと、これからずっと」
「せんせ…せんせ…」

遥の目元から涙が溢れ、眼鏡を曇らせる。

「…もう先生じゃないんだけどな」
「いいえ」

きっぱりとそう言うと、遥は早百合に飛び付き、抱き締めた。

「貴女は私に大切な事を教えてくれた、思い出させてくれた、私の、私だけの、大切な先生…です」
「遥…っ」

そして2人の唇が近づき、重なって…

下校途中の生徒たちが好奇の視線を向けていた。
だが、幸福感に包まれた2人は意に介さない。
いまの2人にはお互いしか見えていないのだから。



fin

0400早百合と遥 4 信じて、信じさせて2016/08/20(土) 16:25:38.71ID:1/lWP6DW
finとありますがあと一回だけ、後日談を投下予定です。

0401名無しさん@ピンキー2016/08/23(火) 17:00:12.16ID:8zh9bqTe
いいね
さすがにけじめは付けたか
放置された薫がちと気になる

0402早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:46:31.85ID:G3xPvWnP
公城遥は放課後になるやいなや、教室を飛び出した。

「公城さん!廊下を走ってはいけません!!」

教室から泡を食った教師の叱責が飛ぶが、遥は「ごめんなさいっ!」とだけ返して、そのまま走り去る。
普段はまじめな生徒である。教師もそれ以上は何も言わず、やれやれと肩をすくめる。

公城遥、17歳。
抜群のプロポーションと整った顔立ち、誰もが認める美少女だった。
くるりとした大きな眼は好奇心に溢れ、くるくるとよく動く。
人生を、青春を謳歌するもの特有の喜びに上気した頬。
清らかな花弁を思わせる唇には常に柔らかな微笑が浮かぶ。
肩口まで伸びた黒い濡れ髪が肩で踊る様も、すべてが溌剌とした輝きを放っていた。
朗らかで誰にでも優しい性格は、学内外を問わず人気も高い。

そんな彼女が息せき切って走る、その訳は。
もちろん、今日が愛しい恋人と逢える日だからだ。

彼女にはかつて、鬱屈した時期もあった。だがそれを乗り越え、快活な性格を取り戻し、青春を謳歌出来ているのも、その恋人のおかげといってよかった。

※※※

待ち合わせはいつもの喫茶店。そわそわと落ち着かない様子の遥、だがその表情がぱぁっと明るくなる。

「せんせ!こっちこっち!」

待ち人来たれり。ぶんぶんと手を振る遥に、同様に大きく手を振りながら、遥の愛しい恋人がやってきた。

それまで店内の男たちの視線をその一身に集めていたのは、手折ることも憚られる路傍の花のような可憐な美少女…遥だった。
だが、遥の待ち人が現れた途端、遥に向けられていた視線の過半数が、遥の恋人たる女性に向けられた。

…そう、遥の恋人は、女性である。しかも並大抵の女性ではない。類まれなる美女、であった。

ゆるくウェーブのかかった栗色の髪、蠱惑的な光を湛えた切れ長の眼。
すっと通った高い鼻筋、紅いルージュを引いた艶やかな色気を放つ唇。

鬼束早百合…25歳。
遥が可憐な路傍の花であるならば、早百合は大輪の薔薇であろうか。
店内のあちこちから向けられる男たちの惚けた視線を意にも介さず、早百合は一直線に遥のもとへ。

「お待たせっ、遥。今日も可愛いねえ」
「もう、先生ってば…!」

0403早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:46:52.80ID:G3xPvWnP
かつて早百合は遥の通う高校の教師だった。
故あって今は退職、学習塾の講師を務めている。

遥が早百合を先生と呼ぶのは、単にかつて彼女の教師だったから、というだけではない。
そこには遥の、強い想いが込められている。大切な事を教えてくれた、私だけの、先生。
握った拳を振りあげつつ、頬を赤らめる遥の前の椅子に腰を下ろした早百合は、ふと違和感を覚える。

「事実、事実…ん?あれ?」
「…気が付きました?」
「そりゃあ…眼鏡、どしたの?」
「コンタクトにしてみたんですけど…」
「うん、可愛い。でも、なんで今更?」
「だって、眼鏡とった方が、か、可愛いって…」

…と、照れくさそうに遥が口ごもる。
ちらと上目づかいに早百合を見上げると、期待していた反応はそこにはなかった。

「…誰に言われたのよぉ」
「え?」

早百合が泣き出しそうな表情を浮かべる。せっかくの美貌がくしゃくしゃだ。

「え?え?え?」
「ねえ!誰?誰が言ったの!?」

遥に眼鏡ない方が可愛いよなんて言った男?女?一体誰なの!?
そう言われて遥が眼鏡やめた?遥はそいつが、そいつの事が…!?

「ちょ、先生!?先生が言ってくれたんじゃないですか!」
「私そんなこと言わないもん!遥は眼鏡あってもなくても可愛いもん!」
「だから!先生ですってば!!」
「言ってない!!いつ言った?ねえ、いつ!?」
「この前、えっちの時、言ってくれましたっ!だからっ!」
「え?」
「…あ」

大声で失言。
遥の顔が見る見るうちに茹蛸のように赤くなっていく。
頭のてっぺんから湯気を噴き上げそうだ。

「は、はるか!で、出よう!ね?」
「は、はひっ!!」

好奇の視線が集中する中、2人はそそくさと店を飛び出していく。

※※※

0404早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:47:15.91ID:G3xPvWnP
…人気のない公園。池のほとりのベンチに二人はへたり込む。

「さ、さすがに焦ったあ!」
「ご、ごめんなさい…でも先生があんなこと…」

眼鏡無い方が可愛いって、言ってくれたのは先生なのに。
だから、先生が喜んでくれるかなって思ったのに。

「…忘れるなんて、ひどいです」

冷ややかな目で早百合を睨み、ぷくっと膨れる遥。

(お、怒った顔も可愛い…いや、待て、落ち着こう

早百合は記憶を辿る。

(この前、えっちの時って…2日前か。うーむ…

ほぼ一日置き、ともすれば毎日のように逢瀬を重ねている2人である。
それほど遠い記憶ではない。思い出すのはさほど難しくなかった。

※※※

あの時は遥が、すっごく恥ずかしがってて…ああ、そうだ。それはそれはすっごい恥ずかしいことさせたんだっけ。

恥ずかしがって真っ赤になってる遥がかーいくってかーいくて。
そんで、私が言ったんだ。

「遥、可愛い…ほら、眼鏡とって、感じてる顔、もっとよく見せて…」

でぇ、遥が…

「眼鏡…無い方がいいですか?」

くぅっ!あの時の遥、すっごい可愛かったあ!萌え死にそう!!
って、んで私がこう答えた…

「うん、よく顔見せて…遥、可愛い…」

※※※

「おおっ!」

思わずぽん!と手を叩く早百合。

0405早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:47:36.67ID:G3xPvWnP
「なんだぁ私かぁ!」
「ほらぁ!ひどいです、忘れ…」
「ちゃうちゃう!そういう意味じゃなかったから!」
「…知りません」
「あうううう、私は眼鏡の遥も素顔の遥もどっちも好きなのぉ」

その声と表情があまりに情けなく見えたのか、遥がぷっと吹き出す。

「あ、やっと笑ってくれた」
「…先生のバカ」
「うん。あ、そうだ。さっき食べそびれたからさ、ケーキ食べに行こう?奢っちゃうから」
「…わかりました。それで手を打ちます」

公園を歩く2人は、一見、姉妹に見えるだろうか。
だが、しっかりと手を握り寄り添う姿は、恋人同士以外の何者でもなかった。

※※※

学習塾の人気教師(自称)は、それなりに稼げる仕事らしい。
遥は早百合の1人暮らしのマンションの部屋を訪れる度に思う。

…先生一人には広すぎないかしら?

「ひとりじゃないもーん、遥がしょっちゅうお泊まりに来てくれるもーん」
「ごめんなさい、今日は泊まれません」
「えええええ?」

ぺこりと頭を下げた遥、あからさまに落胆する早百合。

「だって明日はまだ学校ありますよ。平日はお泊まり禁止って、先生が決めたんじゃないですか」
「う…それは、そうなんだけどぉ」
「私だって、本当は…でも、先生の心遣いが嬉しかったから…」

照れくさそうに頬を赤らめて遥にそう言われると、早百合もそれ以上の我儘を言う訳にもいかない。

「えいっ!」

ひとり寝には広すぎるダブルのベッドにぼふん!と身を投げる早百合。

「子供みたい」

早百合の行動をくすくすと笑いながら、遥は早百合の側に腰を下ろす。

「早く遥と一緒に暮らしたいなあ。ねえ!高校出たらどうするの?そろそろ進路とか考えてるんでしょ?」
「あ、その…はい」

その質問に、遥がピクリと硬直する。

0406早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:47:56.27ID:G3xPvWnP
「はい、鬼束先生の夜の進路相談!ほらほら、どうしたいのか言ってご覧?ん?」

冗談めかして早百合が問う。冗談めかしてはいる。だが、本気の質問だ。
遥の今後を案じて、2人の将来を考えての。

だがそれ故に、いま、遥は即答する事が出来ないでいた。

「色々…考えてはいるんです…その…」
「うんうん」

言い淀み、早百合の視線から、ふと顔を逸らす遥。
早百合は遥をじっと見据え、答えを…

(…素顔もやっぱり可愛いなあ

…答えを、待ってはいなかった。

(眼鏡の遥も可愛いけど、そりゃ、素顔はもっと可愛いわよね当然。
(あ、なんかうるうるしてる。やだ、可愛いったら可愛い…!

「先生…私、私は…」

言い淀み、それでも何か伝えなければならない事がある。
切羽詰まった様子の遥。逡巡、躊躇い。
言わなければならない、でも…!

(あー…可愛い。ずっと見てたい。あ、でも今日は帰っちゃうんだあ…

「…遥」
「…ん」

早百合の指先が遥の顎にかかり、顔を自分の方に向けさせ、そして、唇が重なる。

「迷ってる?なにか、大変な決断をしようとしてるの?」
「…お見通し、なんですね」
「愛する遥の事だから、ね」

その小百合の真っ直ぐな言葉に、遥が赤面する。

先生はいつも、そう。
真っ直ぐで迷いがなくて…
でも、私は。

「私は貴女が決めたことならなんだって応援するから、ね?」
「せんせ…」

再び口付け。今度はさっきより、強く深く、大胆な。
遥の、うるうると潤む瞳を正面から見据え、早百合は囁く。

「私を喜ばせようと思ってコンタクトにしたんだ?」
「…でも、先生は…眼鏡、かけてた方がいいんでしょう?」
「どっちがいいとか、無いよ。私は遥の全部が好き。それに…」

早百合は遥の額、目尻、頬に唇にと、キスの雨を降らせる。

0407早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:48:12.80ID:G3xPvWnP
「やん…先生ってば」
「私を喜ばせようとした遥の、気持ちが嬉しい。可愛くって、大好き」
「せんせ…ん…やぁ、くすぐったいです…」

キスの雨はやまない。逃れようとする遥、だがバランスを崩しベッドに倒れ込む。

「きゃっ!あんっ…せ、せんせ?ちょ…」
「遥…遥、遥、遥…」

学校から待ち合わせ場所に直行した遥は制服のまま。

「せ、制服、しわになっちゃいます」
「大変、じゃあ…はやく脱がなきゃ」

ブラウスのボタンに早百合の指がかかる。あっという間に前をはだけられ、次いでブラのホックも外され、遥の乳房がまろびでる。

「や…んっ…!」

羞恥に頬を染める遥。部屋の明かりつけられたまま、煌々と遥の乳房を、その先端の蕾を照らす。

この2年で、遥のもっと成長した部分。
仰向けでもその釣鐘形の崩れない張りのある肌に包まれた、豊満だが大きすぎないバランスの良い乳房。
ツンと尖った先端、桜の蕾の如き愛らしく慎ましやかな、でも敏感な乳首。
早百合はその芸術的な乳房をうっとりと視線で愛でてから、そっと指を這わせる。

「んんっ!せ、せんせ…だめ。待って…」
「やだ、待てない」

指先で、遥の先端をそっと摘む。

「んんっ!だって、せめて、シャワー…!」
「だめ。遥の香りが、消えちゃう」
「うう?バカァ!先生の変態!」
「うん。ごめんね、遥。でも…」
「きゃぅんっ!あ、や、だめ…っ!」
「もう、我慢出来ない」
「ひぃやぅあっ!あ、あああああっ!」

早百合の唇が遥の蕾のような乳首にしゃぶりつく。

「あっくふっ…っん!きゃうっ!んんっ!や、せんせ…それ、ダメ…っんっ!」

唇を小刻みに震わせる。唾液を塗した舌先で丹念に嬲りあげる。
それだけで、遥は軽い絶頂へと何度も達してしまう。
遥の身体は、そういう風になってしまっているのだ。

「はくっ…ううんっ!あ!また…きゃぅううんんっ!!」

一方を唇で、舌で存分に味わいながら、早百合は遥のもう一方の乳房を左手で弄ぶ。
たわわに育った乳房をたゆたゆと揺すり、たわませながら、先端を指先で転がす。

0408早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:48:27.40ID:G3xPvWnP
「やぁぁぁ!は!あ!んんっ!あぅんっ!んあっ!あ!あ!あ!ああああっ!」

ひくんひくんと身体を震わせ、何度も何度も軽い頂に登る遥。
じりじりと身体を焼き焦がしていくような焦燥感にも似た感覚が、遥の下腹部にじわじわと広がり、溢れ、零れそうになる。

「せん、せ…っ!いやぁ!もう…私、わた、し…っ!んくふっ!!くぅんっ!!」

遥が耐えきれぬ様子でじたばたと手足をばたつかせる。

「うん…ここ、ね?」
「ひゃうっ!ああっ!」

捲れ上がった制服のスカート、露わになったショーツの真ん中に、小百合の指先がそっと触れた。
そこは既に充分に潤って、その時を今か今かと待ちわびていた。

「んくっ…っはぁ!せん、せ…!」
「脱がすよ…お尻、あげて?」
「は、はい…」

羞恥に頬を染めながら、言われた通り遥は腰を浮かせる。小百合が遥のショーツをするりと脱がせると、蜜を溢れさせた遥の蜜壺から芳しい芳香が立ち上がる。
その香りが、小百合を狂わせる。

「…!や!せんせ、それ、だめ!!」

小百合の顔が遥の下腹部を経由し、両の脚の間に達した。

「やだ…っんはぁぁぁああっ!!」

そして、密に誘われる蜜蜂のように吸い付き、貪る。

「はぅっ…あっ!あ!ぁああぃやぁあっ!やです、せんせ、それ…っだめぇ!」
「だって…!遥のえっちなお汁…美味し…んちゅ…」
「だっ…シャワーも…浴びてな…いっ!んあっ!やぁ!はず、恥ずかしいっ、ですっ!」
「でも…んく…すごく、気持ち良さそう、だよ…遥…」
「いやあ!せ、せんせの、ばかぁっ!あ!んあっ!わ、たし…もぉ…っ!ふあぁあっ!!」

小百合は溢れる蜜を遥の敏感な部分に塗しては吸い付き、舐め上げ、貪る。
遥は激しく悶え、喘ぎ、羞恥と悦楽に赤く染まる。

「美味し…遥…もっと、味あわせて…」
「はくっ…!あ…っ!あはぁああああああっ!」

くちゅり…っ!という音と共に、小百合の指が遥の蜜壺に呑み込まれていく。

「あっ…かはっ!はぅ…あ、あ!あ…ひぃあああっぅぅああああっ!」

遥が仰け反り、痙攣する。陰核と膣穴の同時責めに、快感が沸点を越え、全身を震わせている。

「や…はぐっ!せん、せ…!いや…いやいやいや…っ!だめぇぇえっ!」

0409早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:48:42.81ID:G3xPvWnP
目尻に涙を溜め、激しくも甘美な悦楽に全身を震わせる遥。
限界が近いと見て取った小百合は、さらに激しく舌と指を使う。

「せんっ…い、いっちゃ…わたし!もお!い、いく!いっちゃいます…!」

ぢゃぶぢゅぶぢゅぢゅぶっ!と淫靡な音と遥の嬌声が部屋に満ちていく。

「せんせ…せんせ、せんせ…いく…っ!いくいくいくいく…っ!んくっ…っっっああーーーーっ!!!」

びくん!と一際大きく身体が跳ね上がり、激しい痙攣と共に遥の蜜壺からシャワーのように潮が飛び散る。

「いやあああっ!出てる…っ!出ちゃって…あ、あ、ああぁぅうああああああーーーーっ!!」

ぶしゅぶしゅと音を立てて潮を吹きながら、遥は長く甘く、狂おしい絶頂快感の波に翻弄される。

「だめ、はずかし、あ!ああ!また、来る、来ちゃ…っうあああっ!いゃああーーーーっ!」

小百合の愛撫は止まない、絶頂の頂から遥は降りてくる事が出来ない。

「いくぅぅうあああっっ!また、いくいくいくいくいっちゃうっっっんああああああーーーーっ………っ!」

愛しい少女が激しい連続絶頂の中で悶え喘ぐ様を、小百合は陶酔の表情で見ていた。

「いくぅぅうああーーーーっ!だめ、せん、せ…いくの、止まん、ない…すごい…っ…すごいのっ!あ、あ、あああっ!!んはぁぁぁあああっ!」

そしてあまりの快感に遥の意識と身体が限界を越え、意識が遠のいていく。


今日もまた、言えなかったな。


意識を手放す刹那、その悔恨が、遥の脳裏をよぎった。

0410早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:49:00.05ID:G3xPvWnP
※※※

また、言えなかったな


…私は貴女が決めたことならなんだって応援するから、ね?


先生、ホントに?それで私たちが

お別れする事になったとしても…?

※※※

寝息を立てる愛しい少女の髪をそっと撫でながら、小百合は呟く。

「あまり、眠れてないのかな…」

あまりに激しい絶頂快感の末、失神してしまった遥は、そのまま寝入ってしまったようだ。
遥が何かを思い詰めている事はわかっている。
元学校教師であり、遥と2年の付き合いである。恋人の様子がいつもと違う事に気付かないわけがない。

(やっぱり進路の事なんだろうけど…
(眠れない程悩んでるなら…聞かせて欲しいな

そっと髪を撫でながら、小百合は思う。

今は、寝かせておいてあげようと。そして目覚めたら…

※※※

「あれ…?」

遥がふと気付くと、すでに2時間程経過していた。

もう帰らねばならない時間だ。

「せ、先生!ごめんなさい!わ、私、眠っちゃって…!?」

2人きりの大切な時間。それを眠って無駄にしてしまった。
まだ遥の方から小百合を愛していないのに…

それに、あの事も、また言えないまま。

後ろ髪を引かれる思いで、それでも帰り支度を始めようとする遥に、小百合が声をかけた。

「で、遥。何悩んでるの?」
「え?」
「さっきの話の、続き」

早百合に搦め手は使えない。彼女は常に直球である。

0411早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:49:15.74ID:G3xPvWnP
「悩んでる事、わかってるよ。遥の事だもん、分かる」
「先生…」
「一人で悩まないで。私も一緒に悩ませてよ」
「先生…」

正面から切り込まれて、ようやく遥は自身の決めた道を告げる決心をする。

「私…留学したいんです」
「留学…!?」

自分の勉強したい事、進みたい道、目標としたい夢。
その最も近道となるであろう大学はアメリカにある。

だから、行きたい。

遥は真剣に、その想いを語った。

「うん、いいわね!頑張れ、遥!及ばすながら応援する!」

輝くような笑顔で早百合が言う。
対して、遥の顔色は晴れない。

「応援、してくれるんですか?」
「え?当たり前じゃなあい!」

明るく言い切る早百合。

「私が応援出来る事って、まずは英会話かな。必要でしょ?後は…」
「…どうして!!」
「え?…は、遥!?」

滂沱の、涙。遥は泣いていた。早百合には訳が解らない。

「どうして!?なんでそんなに簡単に…!」
「ちょっと待って、遥。なにか誤解があるわよ、また」
「だって…!私、アメリカに行くって言ってるんですよ!?私たち、離れ、離れに…ひっく、なっちゃうんですよ!なのに、なんで…っ!」
「ならないわよ」
「私、先生と離れるの辛くて…!でも夢も諦められないって…!だから、辛いけど、先生とは……え?」

早百合は優しい笑みを浮かべている。

「そんなに思い詰めてたんだ…ごめんね。早く言ってくれれば…ううん、もっとちゃんと言ってあげられてれば…
「せん、せ…?」
「離れ離れになんてならない」
「だって、そんなの、ムリ…」
「ついていくから」
「…へ」

呆然とする遥。

0412早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/08/30(火) 10:49:32.00ID:G3xPvWnP
「私、ついて行くもん。アメリカだろうが、どこだろうが」
「だ、だって。え。先生、あの、仕事、とか」
「大丈夫大丈夫、日本語教師とかね、なんとでもなるなる」
「いえ、じゃなくて、あの、先生の生活とか、人生、とか…」
「私の人生?遥と共に生きること」
「だ、だって…!」
「何よ、来て欲しくないの?」
「そんな訳ありませんっ!」

思わず激昂してしまい、慌てて口を押さえる遥を、早百合はやはり優しい笑みを浮かべたまま、告げる。

「ねえ、遥。最初から言ってるでしょ。そもそも私が学校の教師辞めたのだって、貴女とずっと一緒にいたいから、なんだから」

その想いは、変わっていない。その事をもっときちんと、折に触れ言ってあげておくべきだったと、小百合は後悔する。

「な、なんだか…私、バカみたい、ですね。独り相撲もいいとこ…」

遥は手の甲で涙を拭って微笑むと、小百合に飛びつくように抱き着いた。

「…遥!」
「先生、お願い…」
「なに?」
「私、今日、帰らなくていい、ですか…?」

小百合は遥を抱きしめ返して、その耳元に囁く。

「じゃあ私の事…いっぱい愛してくれる?」
「…はい。愛したい、先生を…」

※※※

「せんせ…はふぅ…ん…」
「はるか…んんっ…ん…」

生まれたままの姿で抱き締めあい、口付けを交わす。
一人では広すぎる小百合のベッドも2人でならちょうどいい。

遥は冷ややかな笑みで見やり、囁く。

「どうしました?せんせ…」
「い、いじわる…!遥のいじ、わるぅ…っ!」
「こんなに可愛がってあげてるのに…乳首、いやなんですか?」
「うううぅぅ…!いじわるぅ!わ、わかってる、くせにぃ!」
「ごめんなさい。せんせ、教えてください。ちゃんと言って?」

言わせたい、のだ。小百合が瞳を潤ませて、おねだりする様を、見たい。

「いじわるぅ!遥の、いじ、わるっ、も、きらいぃいぃいい!」
「やだ、せんせ。そんな悲しい事言われたら…もう続けられなくなっちゃいます…」

すっと小百合の乳房、乳首を嬲っていた指先が離れようとする、と。

0413早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/09/01(木) 12:51:11.55ID:cGHjsNvh
「いやああ!やめちゃ、やああっ!し、してっ!はる、か!してぇ!!」

ぶんぶんと首を左右に振り、小百合がわめく。
下腹部にじわりじわりと広がる焦燥感、より強い快楽への欲求が小百合を急き立てる。

「どこを?どうしてほしいんですか?ねえ、せんせ」
「お、おお、おまんこ…っ!おまんこ、してぇ!」

顔を真っ赤にしながら、それでもはっきりと小百合が告げる。
そうしなければ、いつまでもお預けされるのはわかっている。
恥ずかしくて恥ずかしくて、身体中が燃えるように熱い。
だがその熱が、さらに小百合の情欲を刺激し燃え上がらせてもいた。

「恥ずかしいおねだり、ちゃんとできましたね、せ、ん、せ」
「いやああ!も、ゆる、して、はる…かぁっ!!」
「恥ずかしがって真っ赤になって、でも感じちゃうせんせ、すっごく可愛い」
「もう、だめぇ!おね、がい…してよぉ!はるかぁっ!」
「どこ、でしたっけ?」
「おまんこぉ!おまんこおまんこおまんこ、してぇぇっ!!」

遥は待機させていた指を、小百合の求めるままに突き立てた。

「ひぐぅ…っ!んはあああああああああああああああっっっ!!!!」

びくびくびくっ!と全身を震わせて、一突きで絶頂へと駆け上がる。

「ひぅ…っ!んあっ…あっ、あ、あ、あ…あああああああっっぅああ!」

しかも絶頂快感は寄せては返す波のように繰り返し繰り返し小百合を襲う。遥の指が、小百合の膣内を縦横無尽に掻き回し、蹂躙しているのだ。

「あぐぅっ!あがっ!かはっ!は!は!あ………ぅっっっっ!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっっ!!」

顔をむちゃくちゃに振り立て、涙を溢れさせ、涎を振りまく。
襲い来る絶頂快感のあまりの強さ、大きさになす術もなく翻弄される小百合。
さらに。

「やっ!?それ、だ………んひぃああああああああああああああっっっ!!」

遥が唇と舌で小百合の陰核を責め始めたのだ。

すでに充血し、硬く尖った陰核は包皮をめくりあげ、刺激を求めて震えていた。
準備の整った、もっとも敏感な器官を突然激しく責め立てられ、小百合は悶絶する。

「せんせの匂い、じゅる…いい匂い。せんせの味、ちゅぶちゅぶ…ん、おいしい…」
「やだ、はずか、し…っんはあああああっ!あ!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!!」

だが、その羞恥を快感がはるかに凌駕していく。

0414早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/09/01(木) 12:51:27.79ID:cGHjsNvh
「せんせ…もっと感じて、いっていっていって…っ!」
「あ゙あ゙あ゙!いく、のっ、とま、ない…っ!は、はるか!はるかぁ!!」
「せんせ、感じて、いって、気持ちよくなって…!」
「い、く…!ああああ!き、きもちい…のぉ!きもちいいいいのぉおおおっ!!」

獣のように絶叫しながら、小百合は幾度となく絶頂を迎える。

「はる、かぁっ!すきぃっ!すきすきすきぃいいいいっっっ!!」

最後、遥への愛情を吐露しながら、絶頂快感に溺れる小百合は、幸福感に包まれていた。

「私も…好き…先生、愛してます」

※※※

「そういえばさ、住むトコってどうなるの?」
「学生寮みたいのもあるみたいです。他の方法としては、いわゆるホームステイ…」
「ストップ!ストップ!要するに好きにしていいのね?じゃあ一緒に住もう!」
「あ…」

そうか、そんな事が出来るのか。
虚をつかれた表情から満面の笑みに。

「すごい!せんせ…ウソ、夢、みたい…!」
「でもまずは合格しなきゃね?」
「絶対!合格!しますっ!」

夢のためだけじゃない。
先生、そして自分自身の…愛の、ため。

「あ、遥…ここって確か州法で同性婚が認められてるよ?」
「え…」
「いっそ結婚して、永住、しちゃう?」
「け、け、けけけ、けっこん!?せ、せんせと!?」
「あら、いや?」
「そそそ、そんな訳ないでしょっ!?」
顔を真っ赤にして、遥は絶叫、即座に否定。
「じゃあ…遥、私と結婚、してくれますか?」
「あぅあぅ…そ、それって、あの、プププププ、プロ、プロポー…」

頬を赤らめつつ、真剣な表情でこくりと頷く早百合。
遥は頭から湯気を立てんばかりに真っ赤になって、だらだらと汗すら流している。
早百合はそんな遥を愛おしげに見やり、優しい笑みを浮かべ、甘い声で囁く。

「…ずっと、一緒にいたい。遥。愛してる」
「…はい。ずっと傍に、いて下さい。愛してます。先生」



fin

0415早百合と遥 5 ?あれから2年…?2016/09/01(木) 12:51:48.63ID:cGHjsNvh
おいこらされて間があいてしまいました。失礼しました。

0416名無しさん@ピンキー2016/09/01(木) 13:30:12.95ID:18Nlyqfc
ありがとう…それしか言葉が見つからない…

0417名無しさん@ピンキー2016/09/01(木) 13:42:06.02ID:+BM1q0OA
ありがとう……ありがとう……。
あまあまな良い百合で感謝という言葉しかない

0418名無しさん@ピンキー2016/09/09(金) 18:43:09.46ID:jQeiH1UU
うんうんいいねえ

0419名無しさん@ピンキー2016/10/05(水) 23:29:04.55ID:/aRwnR/s
お久しぶりです、撫子寮の人です。
今回は過去に登場させたキャラクターでザッピングまがいの事をやってみようと思います。
月一投稿くらいの連作で、多分エロはなし。
それでも、賑やかしくらいにはなればいいかと……

0420撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:34:00.63ID:/aRwnR/s
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 /1.香坂雪深


 その日、私が見つけたもの。
 恋人の白い肌。差し出しかけた手。喧噪に掻き消されそうな細い声。
 ――貴方の、はにかむような笑顔。


 1月16日、午前9時……その、少し前。
 本日は全国的に晴れ渡り、テレビが言うには絶好の行楽日和らしい。
 行楽日和、ということは。絶好のデート日和でもある、ということだろう。そんなことを思いながら、空を見上げた。
「……晴れて、良かったわ」
 呟いて、私――香坂雪深は胸を撫で下ろす。待ち合わせは撫子女学園の正門前。いつもは鉄の校門と学校銘板が無愛想に迎えるここも、今日と明日だけは訳が違う。
「撫子祭へようこそー!」
「1年C組、化学室でお化け屋敷やってまーす! そこのボクも、良かったら来てねー!」
「映研は視聴覚室でZ級映画祭を開催中! B級に飽きちゃったあなたに、本物のクソ映画を!」
「焼きそば売ってまーす! 2パック買ったらもう1パックついてくるオマケ付き!」
 各団体が校門まで出張って自分たちのブースに呼び込もうと、サンドイッチマンにビラ撒きにひっきりなしだ。
 遠くからはこのお祭りの開催を告げる花火が鳴り、校門の両脇には――オブジェ? 彫像? 4mほどのウェルカムポールが置かれていて。明らかに慣れ親しんだ学び舎とは違う雰囲気が醸し出されている。
 いつもと違う雰囲気――それはまるでテーマパークに来たような、ワクワクとドキドキが入り混じった高揚感。
 そう、今日は何といったって撫子祭。
 普通の学校でいう所の文化祭であるこのお祭りは、それでいて普通の学校とは少し違った意味合いを持つ。
 通常の文化祭が2学期に開催されることが多いのに対し、撫子祭が開催されるのは3学期。あと2か月もすれば3年生は卒業、1年生や2年生は進級してクラス替えになる時期で。私たちはそれを、どうしたって意識する。
 だからこそ、この撫子祭は私たち撫女生にとって『この一年の総決算』という意味が強くなるのだ。
 ただでさえ普段は慎み深く淑女たれと教えられている彼女たちのことだから、その反動もあって撫子祭2日間の爆発力ったらない。青春という名のよく分からないエネルギーに突き動かされて、馬鹿騒ぎともいえる騒乱を巻き起こす。
 ……その良い例が、このウェルカムポールだろう。私は少し頑張って首を傾け、名状しがたいそれを見上げる。そうしないと見れないのだ。
 きっと、最初のモチーフは東京タワーだったのだろう。しかしそれからの迷走ぶりを表すように脇からスカイツリーが生え、そこに考える人が座っている。
 かと思えば東京タワーの上にはキングコングが登っていて足元では地底怪獣バラゴンを踏みつぶしており、その頭の上ではとにかく高さが稼げればいいやとばかりにキリンがY字バランスをしていた。
 何が何だか分からないが、とにかくよく分からないエネルギーを感じる。もしかしたら芸術とはそういったものなのかもしれない――どこのクラスが作ったかは知らないが、これを真っ先に訪問客に見せるあたり、『撫子祭』がお見舞いする先制パンチとしては上々だろう。
 そんなことを考えて一人頷いていると。
「あっ、お姉さまっ」
 待ち合わせ時間より3分ほど早く、待ち人が現れた。
 鈴が鳴るような声に胸が躍り、振り返る。この瞬間だけは、きっと何度経験しても慣れることはない。
 そこには、ボブカットの小柄な女の子が立っていた。息を切らせて走ってきたのだろう、その髪はわずかに乱れて、小ぶりな胸は控えめに上下している。それでも申し訳なさそうに――まだ待ち合わせ時間まで余裕があるのに、何なら少しくらい遅れて来たってかまわないのに。
 けれども、そんな謙虚な所が、私のかわいい恋人――秋月志乃の良い所だ。
「すみません、家の者がうるさくって……あの、お待ちになりましたか?」
「ううん、今来たところ――」
 そう言い終わるかどうかの所で、どちらからともなく顔を見合わせて吹き出してしまう。まるで少女漫画かメロドラマのような、テンプレートなやり取りが面白くって。
 でも――うん。初めてのデートという感じのそれが、何だかこそばゆくて心地いい。

0421撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:36:15.19ID:/aRwnR/s
「そのオブジェ、見てたんですか?」
「えぇ、……何というか、すごい物だなぁと思って」
「ふふ、そうですよね」
 私の呆れと感嘆が半々くらい入り混じったものを、どうやら志乃ちゃんは称賛だと思ったらしい。口に手を当てて上品に笑うと、驚くべきことを口にした。
「これ、私たちのクラスが作ったんです」
「……へぇ」
 何というか、まぁ。
 私の恋人が、この奇怪建造物の生みの親の一人だったとは。本当に撫子祭は淑女を狂わせる。
「東屋さんが……あの、私のクラスメイトで撫子祭実行委員なんですけど。私たちで校門脇のオブジェを担当することになったから、とにかく大きくて目を引くものにしようって」
 東屋、という珍しい苗字に聞き覚えがあった。東屋夏帆――私の学友である紫藤あやめの、ルームメイト兼恋人だっただろうか。
 確かポニーテールのとにかく元気な子で、所属している陸上部では1年にしてエースとして活躍していたはずだ。
 1度遠くから見たことがあるだけの印象だけど、こういう大雑把さが好きそうなのは、何となく、分かる。
「――それで、黒板に書き出した候補を全部合体させようって事になっちゃって。もう大変だったんです。……お姉さまは、模擬店でしたっけ?」
「えぇ、メイド喫茶よ。私は午前中は非番だけど。良かったら、冷やかしていく?」
「はい、是非。私、メイド喫茶って初めてなんです」
 これは――期待の目、だろう。企画の段階では特におかしなことにはなっていなかったと思うけど、私がいない間にそうなっていないことを祈る。
 具体的には、我がクラスが誇る問題児、篠宮愛莉がおとなしくしていてくれればいいのだけど――
 ――まぁ、そんなことは今気にしたって仕方のないことだ。
「それじゃ、行きましょうか。……えっと」
 手を差し出しかけて、少し。
 言葉に詰まる。今の彼女にそうしても大丈夫だろうかと、不安がよぎって。
「手……繋いでも、平気かしら」
 平気、というのは、志乃ちゃんの体調のことだ。発情体質――月に一度ほど猛烈に快楽を求めてしまい、酷い時には他人に触れられただけで絶頂してしまう代物。
 実を言えば、冬のあの日……私を求めて寮にまで押しかけた日から、発情は起こっていない。いない――のだと思う。少なくとも彼女の方から私を求めてきたりはしない。それが嬉しくもあり、不安でもある。
 ……比率でいえば、不安の方が大きい。あれからもう、二ヶ月は経っている。本当なら、そろそろ来なければおかしいのだ。
 だから志乃ちゃんは、小さな声で「ごめんなさい、お姉さま」とだけ言った。私は苦笑して首を振る。仕方ないことだ――こんなに人が多い所で発情するリスクは冒せないだろう。
「いいのよ。それじゃ、はぐれないように注意してね」
「はいっ」
 まるで子供に言い聞かせるような物言いになってしまったけれども、志乃ちゃんは気にした様子もなくそう言った。私たちは頷き合って校門をくぐっていく。私が前、志乃ちゃんは少し斜め後ろに。
 手を伸ばせば触れ合えそうな距離。だけどこの空間は絶対だ。私が志乃ちゃんの恋人であるために、彼女のことを想っていると胸を張るために。
 ――そんな、もどかしい距離で。私たちの撫子祭は始まった。

0422撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:38:22.30ID:/aRwnR/s
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「ジャズ部は毎年恒例のジャズ喫茶やってます! そこのお二人さんもどう? 良い雰囲気にならなかったらお代はいらないから!」
「1年A組はスリル満点のバンジージャンプ! オールハンドメイド、風紀の査察が入るまでの期間限定!」
「賭けレースやってるよー! 陸上部との100m対決、勝ったら学食の食券10枚あげちゃう!」
 撫子祭期間中の廊下は、とにもかくにも姦しい。
 校門を抜けて呼び込みが少しは大人しくなるかと思いきや、ここからが本番とばかりに攻勢をかけてくる。
 放っておいたらそれにふらふらと連れていかれそうな志乃ちゃんをしっかりとガードする私は、姫を守るナイトというよりは重要人物を守るSPといった感じだ。
「すみません、お姉さま。……撫子祭ってこんなに活気のあるお祭りなんですね……」
 申し訳なさそうに言う志乃ちゃん。――の両手には、クレープと綿あめがしっかりと握らされている。それでも撫子祭初参加の1年生としては被害も少ない方だろう。
「これでも、2日目に比べたらまだまだ序の口よ。気を抜いたらオカルト研のよく分からない壺を大枚はたいて買わされてたってことにもなりかねないから、気をつけてね」
 さもありなん、といった様子で志乃ちゃんは神妙に頷いた。
 もっともこれは去年に実際にあった話で、資金難に喘ぐオカルト研を詐欺師然とした新入生が唆して起こした事件だったりする。件の実行犯は今回の撫子祭で我らがメイド喫茶を仕切っているわけだけど、果たして今年は大人しくしてくれているだろうか。
「……あ、お姉さま、このクレープ美味しいですよ。一口いかがです?」
 志乃ちゃんはその体質のせいか、接触だけに限らず様々な反応に敏感だ。渋面になりかける私の心の機微を察知したのか、絶妙なタイミングでクレープを差し出してくれる。
 私は年下にそんな気遣いをさせてしまったことを若干申し訳なく思いながら、そうなると無下にしてしまう訳にもいかずに。
「あ、うん。それじゃ、頂こうかしら」
 差し出されたそれに、ぱくりと噛り付いた。
 うん、美味しい。クリームの甘さをイチゴの酸味がうまく中和していて、濃厚なのにしつこくない口当たりだ。やはり撫女のお嬢様方は舌が肥えているせいか、フードのクォリティも全体的に高い気がする。
 けれどそれより、なにより。
 ――これ、間接キスかしら。
 直接でないものも含めていいのならば、キスはあの冬の日から数えて2か月ぶりになる。こんな些細なことでも心はトクンと高鳴って、あぁやっぱり私はこの子に恋をしてるいるんだと改めて実感する。
 でも――
 ううん。だから、だろうか。
 ――直接。
 唇を意識する。見えない指でつぅっと撫でるように。そうしていつかの感触をトレースする。あの冬の日、彼女の唇と合わせた感触。
 ――直接、したい。
 志乃ちゃんに触れなくなって、もう2か月。そんなに長い間、互いに触れ合わない恋人なんているのだろうか。遠距離恋愛でもなんでもない、隣に並んでいる距離でも、キスどころか手を握る事すらできないなんて。
 彼女の小さな唇がクレープを小鳥のように啄ばむ。その唇を、幸せそうな横顔を注視する。流れる黒髪を、柔らかい頬を、少しだけ赤くなった耳を。
 ――触れたい。抱きしめたい。キスしたい。
 そんな衝動を、思わず口に出しそうになって――私は頭をかいた。何だか、私の方が参ってしまっている。
 発情体質。
 付き合い始めて数か月は、それをどう解消するか――つまりはいかに肉体関係を持つかに気を揉んだものだけど。まさか今となって、『そうしないこと』に腐心しなければならないなんて――
「……あれ」
 そんなことを、つらつらと考えていたものだから。
 横に並ぶ志乃ちゃんのほんの小さな呟きに気付くのが遅れた。彼女がその歩みを止めて初めて、私もあわてて立ち止まる。
「志乃ちゃん、どうしたの?」
「いえ、お姉さま……その」
 クレープを持っていない方の手で、前を指差す。

0423撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:41:56.52ID:/aRwnR/s
 自分と志乃ちゃんだけの世界に入っていた私は、勿論前方だって見えていなかった。その指に導かれるように前を見れば、何やら黒山の人だかりができている。
 進行方向、5mほど先。調理実習室の前だろうか。
 何か人気の出し物でもやっているのかと一瞬だけ思ったけれど、記憶によれば調理実習室はめいめいのクラスが調理に使う場所として解放されており、あまり行列や人だかりができるような場所ではない。
「……うーん?」
 訝しみながら人だかりに近づき、前に何があるのか確かめようとする。その途中、周り囲むお喋り好きな女生徒の話し声が、否応なしに耳に飛び込んできた。
「心中ですって!」
「痴情のもつれって話よ!」
「何それ、昼ドラ? え、死人が出たの?」
「未遂よ未遂、っていうか……今まさに、って感じで」
「流石は撫子祭ね! スリルには事欠かないわ!」
 ……何やら淑女の学び舎らしからぬ物騒な単語が、そこかしこで飛び交っている。
「お姉さま? どうしたんですか?」
 後ろから志乃ちゃんが疑問を投げかけるが、そんなこと私だって分からない。
 ただ一つ言えるのは、この先で起きているのはきっと碌でもない事件だということだ。撫子祭にはこういったトラブルがよく起こるのだ。
 ハイになりすぎた撫女生が起こす、決して首を突っ込んではならない類のトラブル。過去に一度撫子祭を経験している記憶が、ひっきりなしに警鐘を鳴らしていた。
「志乃ちゃん――」
 けれど。
 『志乃ちゃん、ここは危ないから別の道に行きましょう』と言うよりも早く。トラブルは、向こうからこちらに首を突っ込んできたのだった。

「――あああなたを殺して私も死ぬわぁ!」

 トラブルは、金切り声を上げていた。
 ぎょっとして、思わず背筋が伸びる。一般的な女生徒より背が高い私は、そうすれば人ごみの先を見ることができた。そうして、その先で何が起きているのかを一目で理解した。
 包丁だった。
 トラブルは、出刃包丁の形をしていた。
 調理実習で使われる、魚などを捌く為の出刃包丁。それをぎゅっと両手で握り締めた女生徒が、一人の女生徒を壁際に追い詰めている。
 包丁を握り締めた少女はこちらに背を向けており顔は見えなかったが、追い詰められている方の顔はよく見えた。 
「お、落ち着いて美影ちゃん……ほら、その物騒なものをそこに置いて? ね? 話せば分かるから……」
「ももも問答無用だわ! あの泥棒猫に取られるくらいなら、いっそ私だけのものに――」
 長くて、少しウェーブがかった栗色の髪。
 切れ長の目はひっきりなしに動いているが、これは混乱しているわけではなく、修羅場を乗り切るために考えを巡らせているのだ。私には分かる。
 というか。
 私はその人物を知っていた。曰く、撫子女学園創設以来の問題児。曰く、最悪のトラブルメーカー。私が先ほどから、頼むから大人しくしていてくれと祈っていた人物が、何の因果かこんな所で包丁を突きつけられているなんて。
「どうしてこんな所にいるのよ、愛莉――!」
 そう、篠宮愛理だ。
 立てば爆薬、座ればドカン、歩く姿は焼け野原と彼女を知る者は称する。その呼び名の通り全身に爆弾でも仕込んでいるかのように、行く先々で騒動を巻き起こす様は、まさにナチュラルテロリストだ。

0424撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:44:43.68ID:/aRwnR/s
 けれど彼女は愉快犯的に迷惑を起こす側の人間であり、こうやって迷惑を被っている、有体に言えばピンチになっているところを見るのは初めてだった。
 心中。痴情のもつれ。そんなことを言っていたかしら。
 けれど目の前の包丁少女と愛莉には、そんなドロドロになるほどの繋がりがあるとは思えない。
 というか愛莉は同室の後輩と恋仲になっていたはずで、包丁少女と心中するいわれはないはずなのだ。
 そんな疑問から、思わず愛莉を注視してしまう。――うわ、あちらに視線を察知された。目が合った。
 やめて、そんな『助かった』みたいな目をしないで。助ける気なんてないから。私はテロに巻き込まれる前に、この場から速やかに立ち去りたいだけなの。
 そう必死に目でアピールする。けれど。
「雪深ちゃーん! 助けて私のマイスィート!!」
 愛莉は躊躇なく私を巻き込んだ――知っている。そういう女なのだ。
「――何?」
 包丁少女が、ぐりんと――ありえないような角度で首を回してこちらを睨みつける。顕わになった顔は長い長いぼさぼさの黒髪に半分隠され、有名な和製ホラーのクリーチャーのよう。
 その迫力に気圧され、群衆がどよめきながら後ずさる。自然、私が一歩前に出る形になった。
 ――私だってよっぽどそうしたいけど、私まで後ろに下がるわけにはいかない。何故なら、後ろには。
「お姉さま? どうなってるんですか?」
 背が低くて事情を把握できず、不安そうに声を投げかける志乃ちゃんがいる。それを後ろ手にかばって、私は冷や汗を流しながら腹をくくった。
「あああなたも私とお姉さまの邪魔をするの? 無駄、無駄よ。だって私とお姉さまは前世で世界を救った仲なんだから」
 ゆらり、ゆらりと左右に揺れながら近づく包丁少女。
 邪魔する気なんてない。何なら愛莉なんて好きにしてくれて構わない。どうせ殺したって死なないのだ。
 けれどもそんな事は言えず、私はただただ固唾を飲むばかりで。
「ずっと探してたの。でもやっと巡り合えた。今はまだ前世の記憶がはっきりしていないようだけど、もう2、3回転生を繰り返したらきっと思い出すわ。
 だって私とお姉さまは運命の糸で結ばれてるんだから――!」
 彼女が何を言っているのか私にはさっぱり分からない。きっと考えるだけ無駄だろう。
 問題は、包丁少女がこちらに近づいてきているその一点。その矛先は完全に私へと向かっている。これはまずい。考えなくてもまずい状況がはっきりと分かる。
 口の中がカラカラに乾いていく。なのに冷や汗はどんどん流れ出していた。どうする、どうすればいい?
 考えがまとまらない。次の一手が決まらない。えぇい、愛莉は何をしてるんだ。こんな状況に巻き込んで、一人だけ逃げようとしているんだったらただじゃおかない――
 そんな事を思いながら一瞬だけ――それこそ長い間視線を外してたらざっくりと刺されそうだ――目線を包丁少女の後ろに移す。
 愛莉はこちらに背を向け、何かをいじっているようだった。何だろう――棒? 筒? 円柱状の何か赤いもの。先っぽからホースの伸びた……
「うっ」
 瞬間、私は彼女が何をしようとしているのか理解した。思わずうめき声が漏れる――彼女が選んだ方法は、この場を収めるという観点ではある意味で最善であり、そしてある意味においては最悪だった。
「あ、あのね。今すぐソレ置いて大人しくした方が良いわよ。ほら、後ろ――」
「ふ、ふん。そんな古典的な手段に今更誰が騙されるっていうの?」
 私の申し出を彼女は鼻で笑う。それが彼女の運命の分岐点となった。
 その背後で音もなくホースを構えた愛莉は、曲がりなりにも自分への愛を語った少女に、躊躇なくノズルを引いた。

0425撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:46:11.24ID:/aRwnR/s
「――ごめんねっ!」
 業務用蓄圧式消火器。
 高圧で消火剤を噴出するそれはすさまじい勢いで包丁少女の背中を強打し、彼女を地面へと押し倒した。
「おねっ、お姉さま!? お姉さまぁぁぁぁ!」
 事態を把握できず、じたばたともがく包丁少女。
 凶器を取り落とし、もはや無害となった彼女になおも愛莉は消火剤を噴射する。それは再起不能にするためというよりも、むしろ――
「うわっやばっ、これどうやって止めるの!?」
 不吉な言葉と共に、噴射の反動で暴れ狂うホースがついに愛莉の手を離れた。まるで大蛇か火を噴く竜か、のたうちながらホースはそこかしこに消火剤を撒き散らす。
 視界は、瞬く間に白煙で埋め尽くされ――
「うわっ、何これ!?」
「煙たい! 何、何が起こったの!?」
「爆発!? 爆弾!?」
「テロよーーーーー!!」
 不安は伝染し、混乱となり、瞬く間に狂騒へと変わっていく。
 白煙の中逃げ惑う群衆/のたうつ包丁少女/どさくさ紛れに逃げようとする愛莉。
 けれどそれは、今はどうだっていい。私が見つけなきゃいけないのは、一人だけ。
「志乃ちゃんっ!!」
 後ろを振り返り、必死で目を凝らす。群衆に紛れて、その小さな背中は明後日の方向に押し流されようとしていた。
「お姉さま、お姉さまっ!」
 志乃ちゃんは、まだこちらを見つけられていない。好き勝手に動く群衆をかき分け、私は少しでも彼女へと近づこうとする。
「志乃ちゃん――っ!!」
 手を伸ばす。もう少しで彼女の手がつかめそうな距離――けれど。
 ――ごめんなさい、お姉さま。
 その瞬間、申し訳なさそうに微笑む志乃ちゃんの顔が脳裏をよぎって、私はその距離を――ずっと感じていた距離を飛び越えることが出来ずに。
 私の手は空を切り、志乃ちゃんの姿は群衆に紛れ込んでしまってそれきり、見えなくなってしまった。

0426撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:48:01.85ID:/aRwnR/s
 */*/*


 それからはもう、てんてこまいで。
 消火剤の煙幕が晴れた頃には、その場をいいように引っ掻き回した愛莉はいなくなっていた。
 危険な場所に長くいるのは得策ではないことを彼女は知っている。特に、風紀委員の初動が早い撫子祭においては。
 かくして、野良ネコじみた嗅覚で彼女が動きを察知したであろう風紀委員の到着で、件の包丁少女はあえなくお縄になった。
「絶対に諦めないわ……ここで私が朽ち果てようと、第二第三の運命が」
 彼女は魔王じみた口調でそんな捨て台詞を吐いていった。――それは愛莉と二人で何とでもしてくれればいい。
 さて、当事者たちがいなくなってしまったその場で、私はそんなことしている場合じゃないっていうのに風紀や新聞部にあれこれと事情を聴かれて。
「やってくれましたね篠宮愛莉――地獄の底まで追い詰めますから覚悟なさい」
 青筋の浮いた風紀委員がそんな物騒なことを言いながらようやく私を解放してくれたのは、それから30分後のことだった。
「……参ったわね」
 心の底から絞り出すような、ため息交じりの声が一つ。
 撫子祭の参加者は生徒と来客含めて1000人とも1500人とも言われている。
 その上志乃ちゃんは、律儀にも校則を守って携帯電話を持ってきていない。そんな中で彼女をどうやって見つけたらいいのか、今の私には見当もつかないのだった。
 せめて待ち合わせ場所くらい決めておけば良かった――そんな今更ながらの後悔を吐き出しながら、私は廊下の壁にもたれかかる。
 目の前に行きかう人、人、人。その多さに眩暈すら覚えながら、闇雲に歩き回るのとこの場に留まるのはどちらが利口だろうか――そう、考えを巡らせていると。
「……ん」
 視線が、前を行く一人の女生徒に止まった。
「賭けレースやってまーす! 挑戦者求ーむ! 午後からは食券、さらに上乗せですよー!」
 その少女は自分の背丈ほどもある大きなプラカードを担いでいた。そのプラカードに見え隠れして、長い髪をまとめたポニーテールが歩く度に左右に揺れる。
 活発そうな雰囲気に体操服とブルマが似合っていて。上からひっかけたジャージも、いかにも着慣れているといった風情だ。その腕の部分には一本のライン。
 ということは、彼女は一年生だ。で、賭けレースを毎年やっているのは確か陸上部だったはず。
 そんな断片的な情報で、おぼろげな記憶を補強している。うん、確かに私は彼女を見たことがあったのだ。
 あれはそう、私のクラスメイト、紫藤あやめと並んで歩いている時。あやめの恋人で、かつルームメイトでもあるというその名前は――
「……あなた、もしかして東屋さん?」
「はい?」
 やはり、というべきか。
 その名前に反応し、彼女はプラカードごと振り返る。きょとん、とした顔。彼女は私のこと、知らないみたいだ。
「私、二年生の香坂雪深。あなたのクラスメイトの秋月志乃の……えぇと、知り合いみたいなもので」
 恋人、とはさすがに言えない。撫女が知る人ぞ知る女性同士の愛の園だからって、そうでない生徒も大勢いるのだ。廊下の往来で口に出すのは、憚られた。
 ……のだけど。
「あーっ、お志乃ちゃんのお姉さま! お話はかねがね!」
 彼女に、そんな思惑が届いたのかどうか。何人かがこちらを振り向いたのは、東屋さんの声が大きかったからだと思いたい。

0427撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:49:29.66ID:/aRwnR/s
 とはいえ、志乃ちゃんから私の話は聞いているようだった。……どういう話がいっているのかは気になるところだけど、そうなれば話は早い。
「ぶしつけで悪いのだけど、志乃ちゃん見てないかしら。さっきまで一緒にいたのだけど、はぐれてしまって……」
「お志乃ちゃんですか? 確かさっき、空き教室でクレープ食べてるのを見ましたけど……」
 それだ。
 なんて幸運。こんな早く、志乃ちゃんの情報が舞い込んで来るなんて。
「それってどこの教室? 何分前だった? 1人? どんな様子だったの?」
「ちょ、ちょっとお姉さま近い近い、顔近いですよぅっ」
 その言葉に、思わずにじり寄っていた自分に気づく。東屋さんからしたらちょっとしたホラーだろう。
 ごめんなさい、と謝りつつ距離を取り、そこであれ、と気づいた。
「……東屋さん、お姉さまって私のこと?」
「あ、はい。先輩はそういうの、呼ばせてくれなくって。お志乃ちゃんが読んでるのを聞いてつい、羨ましくなっちゃって」
 東屋さんは恥ずかしそうに頬をかく。先輩、というのは、恋人であるあやめのことだろうか。
 それにしても、志乃ちゃんが私のことを話しているときでも『お姉さま』と呼んでいるというのは、少しむず痒い。
「そんなに志乃ちゃん、話をするの? ……その、私のこと」
「はい、いつもお姉さまのことばかり話してますよ。大人びてて、包容力があって、素敵だって」
 大人びていて、包容力があって、素敵。
 そんな言葉の一つ一つが、小さな棘になって胸に刺さる。本心から言っていることが分かるだけに、この痛みは無視できなくて。
 ……それは。
「買いかぶりすぎよ。大人びてるとか、包容力があるとか……志乃ちゃんの前だから、無理してそう振舞ってるだけで」
「そうなんですか?」
「そうよ」
 話が変な方向に向かっているな、とは思った。私が今東屋さんにするべきことは、志乃ちゃんの目撃場所を聞くことなのに。
 けれどそうするには私は思ったより鬱憤を溜め込んでいて、それを誰かに聞いてほしくって、ついでに言えば東屋さんはそういう事を聞いてくれそうな子のように見えた。
「志乃ちゃんが思うほど大人じゃないのよ、私。我侭だし。……繕ってるのは、嫌われたくないからってだけ」
 志乃ちゃんが私に、『頼れる大人のお姉さま』を求めていることは知っている。だからそうあるように、そうありたいと私は自分を律してきた。
 冷静に、理想を守れるように、適切な『距離』を保って。
 だけど本当は、そんな距離なんか飛び越えてしまいたいのだ。発情する体質も難しい家のことも、そんなの全部知ったことかと投げ捨てて、彼女の手を握って思う存分愛したいのだ。
 でも――そうしてしまうと、志乃ちゃんとの関係も彼女の気持ちも、全部壊れてしまう気がして。それが、怖くて。私は結局、安全な距離から足を踏み出せないでいる。
 手を握った。掴み損ねた何かを確かめるように。
 だから私はさっきも手を握れなかった。――そして、ずっと握れないままで過ごしていくんじゃないだろうか。
 そこまで考えて、なんだか笑えてしまった。こんなに格好悪くて、しかもそんな格好悪いことをそれほど親しくもない後輩に話していることも含めて。
「なんだか……ダメね、私」
 微苦笑する。やっぱりこれは自分の心に留めておくべき問題だったのだろう。早いところ話題を変えて、志乃ちゃんの場所を聞こうと、そう思った。
「――ダメじゃ、ないです」
 東屋さんは、真剣な顔でそう言った。
「……東屋さん?」
 その語調に気圧されて、私は少し戸惑う。彼女の瞳は真剣そのもので、ネガティブが入った先輩を励ますとかフォローに入るとか、そう言った感じではなかった。
 なんというか、まっすぐ、だった。
 まるで自分の大切にしているものをバカにされたような、それに対して精一杯反駁するような、そんな声だった。

0428撫子寮にて。〜撫子祭オーバードーズ〜2016/10/05(水) 23:52:27.79ID:/aRwnR/s
「お志乃ちゃん――私が何でお志乃ちゃんって呼んでいるかって言うと、時代劇に出てくるお姫様みたいに物静かで上品だからなんです。
 でもそれって、あまり主張しなくて、輪に入ってこなくて……『そうできなくっても仕方ない』って感じで」
 発情体質だ。彼女にとって人と触れ合うことは、それ相応のリスクが伴う。
 輪に入りたくなかった訳じゃない。あの子は本当は、お喋りで寂しがりやだから。
「だけど! 最近のお志乃ちゃん、すっごく楽しそうなんです! みんなとお喋りして、それができるようになって……
 友達もすっごく増えました。みんな、お志乃ちゃんが明るくなったねって、そう言ってます」
 今朝、校門前で待ち合わせたときのことを思い出す。彼女はあんな風に、学校のイベントに参加できる子だっただろうか。それを楽しそうに語る子だっただろうか。
 きっと違う。私と付き合い始めたころは、もっとうつむきがちで、引っ込み思案で、はにかむ程度にしか笑わない子だった。
 なら、それを変えたのは……
「お志乃ちゃんを変えたのは、きっとお姉さまなんです」
 呟く東屋さんを見て、私はぎょっとした。
 その顔は赤く、目頭には光るものが潤み始めて、なんだか今にも泣き出しそうだったのだ。
「だから……ダメだなんて、言わないでください」
 私は頬を掻いた。照れくささと申し訳なさが入り混じったような、不思議な感情。
 どうして会ったこともない私のことを東屋さんがここまで断言するのか、それは分からない。
 ここまで言ってもらってなお、私には疑問が残る。私はちゃんと、志乃ちゃんの思っている私だろうか。そう偽っているだけなんじゃないか、と。
 それが怖いのは、やっぱり――
『――私、お姉さまのことが好きですよねぇっ……!』
 あの雪の日の志乃ちゃんの叫びがリフレインし、私はようやく納得した。
 私は――ううん、私たちは確かめたいのだ。ちゃんと自分が相手を愛し、愛されていることを。
 私たちは付き合っていて、お互いを想い合っていて。それでも時々不安になる。
 それは手を繋げなかったり、逆に肉体関係だけになってしまったり。相手に自分をよく見せようと繕って、少し後ろめたい時なんかに。
 こんな私は。
 ちゃんと彼女を愛しているのだろうか/愛されているのだろうか、ということを。
 あの冬の日、私は志乃ちゃんに愛していると伝えた。志乃ちゃんが変わったとするなら、きっとその時からだろう。
 なら――私も逆に、今、愛しているといってほしいのかもしれない――
「難しいわね」
 苦笑する。求められるのには慣れているつもりだけど、求めるのは不慣れだ。本当の自分を曝け出すことも。
「志乃ちゃんは本当の私を知って、幻滅したりしないかしら」
「しませんよ」
 東屋さんは、やけにはっきりと断言する。出会ったばかりの人に対しても、感性のままに物事を言えるのが彼女の美徳なのだろう。
「そういう子じゃないって、お姉さまが一番よく知っているでしょう?」
 なるほど確かに。これは一本とられた。
 抱えていたわだかまりが氷解した気分だった。東屋さんに礼を言おうとして、しかしそれは少し違う気がする。
 ならば愚痴を聞かせたことを謝ろうかとも思ったけれど、彼女はそういう事を求めていない気がした。
 なら、なんと言うべきだろうか。
 少し悩んで、結局、わたしはこう口を開いた。
「……あやめが」
「はい?」
「あやめがあなたを好きになった理由、分かった気がするわ」
 言って、私は微笑む。うん、これで正解だったと、東屋さんの表情を見て確信した。
「……はいっ!」
 少し頬を高潮させ、けれどどこか誇らしそうに満面の笑みを浮かべて。
 なるほど。
 私の言葉は、彼女にとっては最大の賛辞らしかった。 


<【2/. 秋月志乃】に続く――>

0429名無しさん@ピンキー2016/10/06(木) 00:01:22.05ID:z1eFcx67
今回は以上です。お目汚し失礼しました。

一応、各キャラクターが登場する話は以下の通りです。理解の助けになれば。

>>164 「撫子寮にて。〜ふたりの温度〜」 香坂雪深 秋月志乃
>>316 「撫子寮にて。〜私と先輩のバーリ・トゥード〜」 篠宮愛莉
百合カップルスレ6 >>380 「撫子寮にて。」 東屋夏帆

0430名無しさん@ピンキー2016/10/06(木) 22:19:32.79ID:EEzNggRw
待ってましたっっっ!!!!

0431名無しさん@ピンキー2016/10/06(木) 22:36:06.66ID:MyYzE9c6
ひゃっほう!乙!

0432名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:41:57.90ID:0zvO0ASM
久しぶりにきました。
懐かしくて何か書きたくなったので、暇つぶしにどうぞ。
既に付き合ってる百合カップルの話です。今回はエロなし。

0433名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:44:09.34ID:0zvO0ASM
ゆっきぃと付き合いだして、もう5年経つ。

高校を卒業したあたしは、進学せず、就職した。
家は貧乏だし、親との関係もずっとうまくいってなかったから、さっさと自立した生活を送りたかった。
一方、ゆっきぃは大学に進学した。
あたしの職場と大学が近かったこともあって、同棲するようになった。

それが2年前。

最近、工場勤務から本社勤務へと変わって、労働環境もがらりと変わった。
工場の人たちと比べ、本社の人たちは冷たかった。職務内容も変わって戸惑うあたしに、上司はきつい言葉をぶつけてくる。
毎日のように残業が続いて、土日も出勤する日が増えたし、貴重な休日には寝ていることが多くなった。

精神的に余裕がなくなると、身近な人間にそのイライラをぶつけてしまう。ってのは、よく聞く話だけど。
好きで、大好きでたまらないゆっきぃに、まさかあたしがそうする立場になるとは思ってなかった。

0434名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:48:50.50ID:0zvO0ASM
「こんちゃん、今日何時くらいに帰れるん?」
「…今日?あ〜、いつも通り、夜中の12時くらいじゃん?」

仕事に行く準備をするあたしに、どこか遠慮気味に聞いてくる。
あたしが不機嫌になることが多くなってから、ゆっきぃはずっとこんな感じであたしに接してる。
罪悪感や自己嫌悪がないわけじゃないけど、それ以上に余裕が無い。

どうしてゆっきぃがあたしが帰ってくる時間を聞いてきたのか、その理由はわかってるのに。

「もうちょっと早く帰れん?」
「…帰れるもんなら帰ってるよ」
「こんちゃんが忙しいんはわかってる…めっちゃ頑張ってるのも。でも、今日はこんちゃんの誕生日やし、お祝いしたいから。」

そう。今日はあたしの誕生日。
朝一でゆっきぃからおめでとうの言葉とプレゼントをもらったけど、正直大して興味が無かった。
一つ年を取りました。…で?それが?って感じ。わざわざ毎年毎年お祝いする必要あるの?

あからさまにめんどくさそうにため息を吐く。
ゆっきぃが悲しそうに顔を歪めたのに、それさえめんどくさく感じる。最低だ。

「別にいいよ。」
「よくないよ…。」
「家帰ったらすぐ寝たいし。じゃ、行ってくるから」
「ちょっと、こ…」

バタン。
聞きたくないとばかりに強く扉を閉める。
湿気の多いぬるい空気が余計にあたしの心を気だるい気持ちにさせる。

0435名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:52:40.02ID:0zvO0ASM
真夜中。
静まり返った道にはあたしのヒールの音だけが聞こえる。

毎回毎回、ゆっきぃにあたり散らしては後悔してばかり。
午前0時をわずかに過ぎて、あたしの誕生日は終わってしまった。
ゆっきぃはもう寝てるだろうな。明日1コマから講義あるらしいし。

あたしが帰ったとき寂しくないように、いつも玄関の明かりが点けてある。
あまり音を立てないように、そっとドアを閉めて、鍵をとチェーンをかける。
静かな部屋に、ゆっきぃが既に寝ていることを確信した。

上着を脱いでリビングへ向かうと、机に突っ伏して寝ているゆっきぃがいた。
テーブルの上には空のお皿とコップと、それからローソクとライターが置いてある。
これを見たら誰だってわかる。ケーキ、買って来てくれたんだろうって。
確認しようと冷蔵庫を開けると、近所の人気のケーキ屋さんの箱が置いてあった。やっぱり。


あたしだって、ゆっきぃの誕生日にケーキを買って持っていったことは何度もある。
そのとき、あたしはたまらなくウキウキしてて、ゆっきぃの好きなケーキはどれかなぁ?とか、これとこれとどっちにしようか?とか、
メッセージカードには何を書こうか?とか、ゆっきぃの喜ぶ顔を想像しながら、たまらなく幸せで楽しい気持ちになっていた。
ゆっきぃの笑顔で頭がいっぱいで、とにかく最高の気持ち。


そうだ、あの時、あたしは、
大切な人の特別な日に、ただただ感謝した。傍にいられることに、あたしを選んでくれたことに。一緒にいられることは当たり前なんかじゃない。その時間は無限じゃない。あっという間に時は過ぎて行く。限りある時間を一つ一つ大切にしなければ。

きっとゆっきぃはそんな気持ちにはなれなかっただろう。あたしがいらないって言ったから。
あたしの帰りをどんな気持ちで待ってたんだろう。
あたしの喜ぶ顔を想像するどころか、買ってきたケーキを邪険に扱われないだろうかって、不安な気持ちになってたんじゃないのかな。
全部あたしのせいだ。
長いこと乾いていた心が、目頭が、じんわりと熱く湿っていく。

「…ごめんね」

眠っているゆっきぃには聞こえない。

そっと頭を撫でる。
ふわふわの柔らかい髪。あたしの大好きな、ゆっきぃの髪。
しゃがんで顔をのぞきこむと、相変わらず寝てるけど、疲れてるようにも見えた。
こうしてじっくりゆっきぃの顔を見たのは久しぶりかもしれない。寝顔だけど。
息を深く吸うと、ゆっきぃの柔らかな香りが染み渡る。
胸の奥に湧き上がるのは、やっぱり、好きって気持ち。

0436名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:54:48.04ID:0zvO0ASM
「ん…」

ゆっくりと、ゆっきぃの瞼が持ち上がる。
透き通った綺麗な瞳がぼんやりとあたしを捉える。
二、三度瞬きして、あたしの姿を確認してるようにも見えた。

「…ただいま」
「こんちゃん…おかえり」

珍しくただいまを言ったあたしに、ゆっきぃは嬉しそうに笑った。
そうだ。あたしの些細な言動に一喜一憂してくれるのは、この人しかいないんだ。

「あ、あのさ…こんちゃんいらんって言っとったけど、ケーキ、買ってきたから、一緒に…食べん?」

遠慮ぎみに、でもどうしても言いたそうに、ゆっきぃは言葉を選ぶ。
もうあたしの言うべき言葉は決まっている。

「うん、ありがとう…今朝はゴメン。ケーキ、すごい嬉しい」
「……よかった」

さっきよりもっと嬉しそうな顔。
ゆっきぃの笑顔は堪らなくキュートなんだ。

「あ…でも、こんちゃんの誕生日、おわっちゃった…」

時計を確認して、悲しそうな顔。
誕生日のその日にお祝いすることよりも、誕生日をお祝いする気持ちの方がよっぽど大事なのに。
イベント好きなゆっきぃには許せないみたい。

0437名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 12:58:01.11ID:0zvO0ASM
「終わってないよ。延長えんちょー」
「延長?」
「そうそう。あたしが生まれたの、夜中の23時くらいらしいから、まだまだ生まれたばっかだし」
「なんなんそれ。変な理屈」
「あたしがいいんだから、いいの」
「ふふ…そっか、」

久しぶりの優しい時間。
やっぱりこうして笑い合えるほうがずっといいよね。

「ゆっきぃ」
「?」
「今まで、ヤなことばっか言って、ごめん」
「こんちゃん…、」
「仕事のストレスとか、全部ゆっきぃにぶつけてた。ほんとにごめんなさい。」
「ううん…こんちゃん、めっちゃ忙しそうやったから。…まぁ、寂しくなかったわけやないけど」

仕事をすることは、生きるために必要だけど。
それで大切なものを蔑ろにするようじゃ、生活が荒むようじゃ、意味がない。
もちろん、仕事が楽しくて、それが生きがいになっている人だってもちろんいるから、そこは理解してるけど。

「職場変えるかもしれない。すぐじゃないけど」
「そっか…」
「それまでにヤなことあったら、愚痴とか聞いてくれる?」
「聞く聞く!むしろ、こんちゃん全然何にも言わんから、心配しとったんよ?」
「そうなんだ…」

向かい合って話さないとわからないこと、いっぱいあるよね。
誰だって愚痴なんて聞きたくないと思って、何も言わなかったんだけど。
でも当たり散らすほうがよっぽど悪いよね。

「ケーキ食べよ!取ってくるね」
「うん!ケーキ久しぶりだなぁ」
「こんちゃん甘いもの大好きやもんね」
「まぁね。でもゆっきぃの方が大好きだよ」
「…あほ」
「つれないなぁ〜」

いつものあたしたち。
あたしの軽口にゆっきぃがつれないのも、いつものことだった。
久しぶりで、なんだかくすぐったい。

小さなホールケーキにローソクをさして、ライターで火を灯す。
部屋の照明を落とすと、暗闇にその光が眩しく輝く。
ゆっきぃの瞳に、ローソクの火が写りんで、余計に眩しい。

「はっぴばーすで〜、こんちゃん〜、はっぴばーすで〜こんちゃん〜」
「わ〜歌ってくれんの?」
「はっぴば〜すで〜、でぃあこんちゃん〜、はっぴば〜すで〜とぅーゆー」
「うはー、ありがとぉ」
「おめでとー!さ、火ぃ消して!一息ね」
「ふー!」
「一本しか消えてないやん」
「あれー?」

今度の連休は休み取れそうだから、一緒にどこかに旅行に行きたいなぁ。

0438名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 13:03:42.84ID:0zvO0ASM
「…さて、ゆっきぃ。ケーキも食べたことだし、ここからが本番だよ」
「プレゼントなら朝渡したやん。」
「あたしまだシャワー浴びてないから、一緒に浴びようか!」
「…うちとっくにお風呂入ったんですけど。」
「最高のプレゼントもう一個ください!!」
「ちょ、ちょっと待っ…!」

強引にゆっきぃの細い手首をつかんで、脱衣所兼洗面所へと連れ込む。
あ、そういや明日ゆっきぃ1コマから講義あるんだっけ。ごめんだけど、明日は寝不足で頑張ってね。


エロパートに続けたいです

0439名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 23:04:43.44ID:eeuj4DtC
懐かしい、こんちゃんとゆっきぃは前スレだったかもっと前だったか……。
良い百合でした、なごみました

0440名無しさん@ピンキー2016/11/13(日) 23:11:36.89ID:ek9vLccy
まさかまたこの二人を拝めるとはありがたや…

0441名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:03:55.17ID:kPE0ej0j
>>439 >440
ずいぶん昔の話なのに、覚えててくれてる人がいるとは…。
感激です。

>>438 の続き投下します。

0442名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:08:35.19ID:kPE0ej0j
「んむっ…」

我慢できずにぷるぷるの唇に吸い付く。
さっきまで食べてたケーキの、生クリームの味がする。おいしいケーキを食べたゆっきぃの舌はそれよりもっとおいしい。
抱き合って、舌を絡めあいながら、既に寝るときのカッコになっているゆっきぃの服に背中側から手を差し入れる。あたしの手が冷たかったのか、ゆっきぃがびくって震えた気がした。
滑らかで温かな肌を堪能しつつ、ブラのホックを外す。

ゆっきぃは、普段、寝る直前にはブラを外してるから、まだ寝るつもりじゃなかったってことになる。あたしの帰りを待とうとしていた証拠だ。
普段ツンデレなゆっきぃは、本当はこんなにもいじらしい。

「、は…」
「ん、」

名残惜しく唇を離す。
お互い息が乱れている。キスで呼吸がしにくかったから?それとも興奮してるから?
あたしはそのどっちもだけど、ゆっきぃはどう?

「ゆっきぃばんざいして」
「…自分で脱ぎたいんやけど。」
「恥ずかしがり屋は相変わらずだね〜。はい、ばんざーい」
「もー、」

両腕をそれぞれ掴んで上にあげさせると、ゆっきぃはそれ以上の抵抗はしなかった。
ゆっきぃの上半身が露わになる。ぷるん。と音がするかのように、豊かな胸があたしの目の前に晒された。
その素敵な光景が隠されないように、今度はゆっきぃの両手首を掴んで、『気を付け』の姿勢をとらせる。
まじまじと見つめると思わずため息が漏れる。ああなんて、きれいで、えろいんだろう。
最近ご無沙汰だったから、ゆっきぃの裸をみるのも久しぶりだぁ。なんか胸大きくなってない?大歓迎です。神さまありがとう。

「こんちゃん鼻息荒い」
「ごめん、あまりにもゆっきぃのおっぱいがえろくて」
「真顔でいわんとってよ…」
「えー、じゃあ…、はぁはぁ…おじさん、ゆきちゃんのおっぱいがえろくて…はぁはぁ…興奮しちゃうyあいたぁっ!!」
「きもちわるい!」

耳まで真っ赤なゆっきぃに拳骨を食らった。ゆっきぃのツッコミは容赦ない。
なんか、『きもい』じゃなくて『きもちわるい』の方が傷付くね。

「うぅ、…これでもくらえ!」
「ひゃっ、!」

傷付いたから、目の前にある豊満なそれをぎゅ、って鷲掴みにしてやった。
どこまでも沈んでいくような乳房の柔らかさと、手のひらに感じる乳首のかたさが何とも言えない。
そのままかたくなった乳首も刺激するようにしながら、やわやわと揉む。

「ちょ…あ、…ぅ、こんちゃん…」

ゆっきぃがぎくりと身体を強張らせた。みるみるうちに顔が赤くなっていく。
少し前に知ったんだけど、ゆっきぃは胸をぎゅって掴まれるのが好きだ。両手で両胸を少し乱暴に握りこむようにすると、あっという間にいやらしい顔になる。
そんな顔、他の人に見せたらだめだよ。

ゆっきぃの心臓がドクドクいってるのがわかる。あたしのも多分そうなってる。
下から顔を覗き込むと、いい感じに蕩けた表情がうかがえた。あーえろかわいい。
おっぱい星人なあたしと、おっぱいをいじめられるのが好きなゆっきぃ。ねぇ、あたしたち最高のカップルだね。

0443名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:09:40.70ID:kPE0ej0j
―あんまり裸でいるとここにいると寒いし、シャワー浴びよっか。

そう声をかけて、困った顔でこくりと頷いたゆっきぃを確認すると、下も手早く脱がせて先に浴室に押し込む。敢えて下を触らなかったのは、それがこの後のお楽しみだから。
自分の服もさっさと脱いで、乱暴に洗濯カゴに放り込む。
いそいそと浴室の扉をあけると、ゆっきぃが待つそこへ飛び込んだ。

0444名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:13:01.44ID:kPE0ej0j
シャワーの温度を調整してこんちゃんを待ってたら、すごい勢いで浴室の扉が開いた。
…久しぶりにこんちゃんの裸見たかも。
ほどよくきゅっと引き締まった腹筋。相変わらずスリムやね。
油断するとあっという間に身体にお肉がついてしまううちとは違って、こんちゃんはよく食べる癖に全然太らない。
前に、なんで太らんの?って聞いたら、『なんでだろ?あたし燃費悪いんだよね〜。』やって。むかつくからほっぺた抓ってやったわ。

「背中流したげよっか」
「え!いいの?胸で?胸で?」
「…あのさぁ……。」
「スミマセン」

こんちゃんは照れくさい空気になるとすぐふざける。
すっぽんぽんで隠すものが何にもないから、やっぱり恥ずかしいみたい。
うちも今、相当恥ずかしいんやけど、実はこんちゃんの方が恥ずかしがってる自分を出すのがヘタなんよね。
そういうとこ、なんかかわいいね。
…まぁ、こんちゃんには言わんけど。

「仕事で疲れてるやろうから、いたわってあげようと思ったのに。ちょっと余裕ができるとすぐそーやってふざけるんやから。」

こんちゃんの照れ隠しに付き合ってあげることにして、泡立てたボディスポンジでこんちゃんの背中を擦る。
見るだけですべすべやとわかるその背中に、直接手のひらで触りたい衝動に駆られたけど、そんなことしたら、『ゆっきぃあたしに触りたかったの?えっち〜』ってニヤケ顔でからかわれるから触れん。…ちょっともどかしい。
こんちゃんの素直さの1%でもうちの中にあったら、もうちょっといろいろするんやけど。
だって、好きな人の身体に興奮するのは、なにもこんちゃんだけじゃない

0445名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:18:16.62ID:kPE0ej0j
こんちゃんの頭を洗ってあげるころには、鏡の中の眠そうにとろんとしたこんちゃんと目が合った。

…実は、ちょっと期待しとったんやけど。…え、えっちするんかなぁって。
でも、こんちゃんすごい疲れてるやろうし、こうやって背中流したり頭洗ったりしてあげて、こんちゃんがちょっとでも癒されるならそれでいいって思わんとだめやんね。

「…ゆっきぃ」
「んー?」

ちょうど頭のシャンプーを流し終わったところで、こんちゃんがずいぶん真剣な声を出した。

「すごいねむい」
「うん。…疲れてるんよ。お風呂あがったらすぐ寝なだめよ。」
「でもすごいむらむらしてる」
「え」
「ゆっきぃ」

くるりとこんちゃんが振り向いた。ぽたぽた髪の毛から水滴が落ちていく。
濡れて髪がぺたんこになったこんちゃんは、長めの前髪を邪魔そうに横に流すと、じっとうちを見つめてきた。
さっきまでの眠そうな顔はどこいったん?
こんちゃんのおっきな目は、邪魔な髪がどかされたおかげで、はっきりと確認できる。いつもはきらきらしてて、えっちのときはすごく優しくなるその目が、今日はなんだか熱を帯びてギラギラしてみえた。
あれかな、極限まで身体がくたびれると、命の危険を感じて、自分の子孫を残そうとして性欲が増すってやつ。…あれ、でも男の人の話じゃなかったっけ?

「ごめん。ちょっと、だめかも」

顎を掴まれて、むりやり顔をあげさせられる。そのままそっとキスされた。唇に触れ合うだけのキスを何度も受けとめる。
こんちゃんは優しい。えっちのときは、もっと優しい。…いつもは。
でも今は、こんちゃんのキスから、いつもみたいに優しくしようとして、でも、どうにもならないとまどいと興奮が伝わってくる。
ねぇ、だめって、どういうこと?
聞く暇もなく、こんちゃんが舌を絡めてくる。ぬるりとした感覚に思わず身体がぶるって震える。こんちゃんがそれに気付いて、逃げないように、うちの腰を抱き寄せた。
こんちゃんの腕とうちの背中は、当たり前やけど遮るものがないから、肌と肌で触れ合うことになる。
…ああ、お互いほんまに裸なんや。
丁度いいくらいの温度に調整されたシャワーがうちらに降り注いでる。

舌先をちゅうって吸われて、腰が抜けそうになるのをなんとかこらえた。キスだけで腰がぬけたなんてこんちゃんが知ったら、明日から格好のネタにされるに決まっとる。
って思ってたんやけど、背中を優しく爪先で擦るように刺激されたら、我慢できずに声が出た。

「はぁ、ん…」
「いい声」

うちがぺたんと座り込んじゃったのを見て、こんちゃんが嬉しそうに笑う。
さっき横に流したはずの前髪が垂れてきてて、片目にかかりそう。なんか、やたらセクシーや。
学生の頃から美人さんやったこんちゃんは、大人になって、幼さがなくなって、ほんまにきれいになった。…その分、うちも大人になってるはずではあるんやけど。うち、ちゃんとこんちゃんにつり合えてるんかな。
なんて考えていたら、こんちゃんの舌がうちの首筋をべろりと舐めあげてきた。唇を噛みしめて漏れそうになる声を我慢する。うちのじゃないみたいな甘い声は,あんまり聞きたくない。どんな顔してればいいかわからんくなるから。
それなら、って言うみたいに,今度は首筋にがぶりと噛みついてきた。

0446名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:23:23.95ID:kPE0ej0j
「んあっ…、」

それ、だめ。
痛いのに、痛いはずやのに、なんでこんな声だしてるんやろ。身体に力が入らんくなる。
こんちゃんがうちの様子を見て、角度を変えて何度もうちに歯をたてる。

「あぁ、あっ…や、だめ…っ!」

がぶがぶと噛みつかれる。
追い打ちをかけるみたいに、ぎゅ、って、両胸の膨らみをつぶすように鷲掴みにされた。
なんか、いつものこんちゃんと違って、ちょっと乱暴や。
それなのに、なんかうちおかしい。
こんちゃんに支配されてるみたいで、体中がびりびりして、感じちゃう。うちってほんまはMなんかな。いやらしく身体をのけぞらせて、こんな風になってるうちをこんちゃんはどう思うんやろう。
ちらりとこんちゃんを盗み見る。熱を帯びた瞳が、うちをじっと見てる。
いつもみたいに、こんちゃんは茶化さない。
えっちのときによく聞く、かわいいね。って言葉も、好きって言葉もかけてこない。
どうしよう。茶化してくれんと、かわいいって言ってくれんと、『あほ』って返せない。
恥ずかしさを身体から逃がす方法がなくなっちゃう。

こんちゃんは、もうとっくにかたくなったそこを避けて、その周りを指でくるくるなぞるように刺激する。早く触ってほしくて、でも、そんなこと絶対言えんし、もどかしい。
かたくなった乳首の先っぽを、掠めるようにこんちゃんの指が触れる。
早くほしい。でも。

「ぅ…」
「ゆっきぃ、胸、びんびんだね。」

こんちゃんが楽しそうに言う。わざとらしい下品な言い方。
柔らかい舌が、乳房と、乳首の周りをじらすように優しく舐める。もう痛いぐらいになってるのに、直接は触れてこない。

「どうしてほしい?」

むり、言えん。
ぶんぶん首を横に振って訴える。

「あっ、!?」

そしたら、しかるようにきゅって乳首を摘まれた。
強い刺激が身体全体に伝わる。

「ゆっきぃがそのつもりなら、別にいいよ。」


―そのかわり、やめてって言っても聞かないよ。

0447名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:30:12.22ID:kPE0ej0j
「……ぁ、…あっ!………ゃ、んぅっ、っん!」

ゆっきぃの敏感になった乳首に、何度も吸い付く。
たっぷりじらしたおかげでとってもいい反応をみせてくれる。
あたしの唾液でぬるぬるになった両方の胸の先端を、きゅって摘んでくりくり遊んであげると、ゆっきぃの顔がいやらしく歪む。

「〜〜っ!」
「気持ちい?」
「そ、んな…こと……んんぅっ!」

ちょっと強めに扱きあげと、涙目になった。
普段ツンケンしてる(最近はかなり丸くなったけど)ゆっきぃが、あたしに、両方の乳首をいじめられて快感に喘いで泣いている。
そのおっきな胸を鷲掴みにされて、身体のいろんなところを噛まれて、きっとやらしいところを濡らしている。

ああ、どうしよう。
大好きなのに、めちゃめちゃにしたいなんて。
疲れてどっかのネジが一本抜けちゃったのかな。

片手でしつこくゆっきぃの胸を堪能しながら、そろりとゆっきぃのあそこに手を添える。
思ってたよりもずっとぬるぬるしてるそこに、あたしの中のネジがさらに一本抜けた気がした。シャワーを浴びながらしていてこれなんだから、お湯に洗い流されてなければ、一体どうなってるんだろう。

ぬるぬるしてるそれを指ですくい取って、ゆっくりクリトリスに擦り付ける。

「あ……いやぁ……あ…、んっ!……だめ…っ」

突然の強い刺激に、ゆっきぃがあたしの手を止めさせようと抵抗する。
それが気に入らなかったから、何度も何度もしつこく往復して擦りあげる。
どうしても抑えきれない声をどうにかしようとゆっきぃが手で口を押さえた。くぐもった声が浴室に響いていやらしい。
そんなことされたら、押さえても無駄なぐらい喘がせたくなっちゃうよね。
ゆっきぃはあたしを煽るのがうまい。

クリトリスを指で両側からそっと摘んで刺激してあげる。のけぞって目の前に差し出された首筋に、今日何度目かわからない、よくわからない衝動に駆られて、たまらず噛みついた。

「あ、も…うそっ、……や………っっ!!」

途端にびくびくってゆっきぃの身体が震えて、そのまま脱力する。
ちょっと予想外にも、もういっちゃったらしい。
首を噛まれていっちゃうなんて、なかなかの変態だ。
ぐったりしてるゆっきぃの前髪をシャワーのお湯が濡らしていく。

「いっちゃったね」
「っ、…しんじられん……うち、」
「すごいかわいかったよ」

予想しない形でいっちゃったのが相当恥ずかしかったのか、ゆっきぃは俯いて目を合わせてくれない。かわいい。
…だめだ。またむらむらしてきた。

0448名無しさん@ピンキー2016/11/19(土) 21:33:47.37ID:kPE0ej0j
「まだこれからだけど、大丈夫?」
「え」

返事を聞かずに唇を奪う。
ゆっきぃの唇はすっごく柔らかくて、食べちゃいたいくらい気持ちいい。あたしの唇はどうなんだろう。
すべすべの白い太ももに手を這わせていく。ゆっきぃの肌はどこを触っても気持ちいい。

そこに指を這わせると、さっきよりさらにぬるぬるになってる気がした。
まだ足りないよね。あたしも足りない。
待ちわびるかのように、あたしの指をぬれて誘ってる。思わずため息が漏れた。
…もう入れちゃっていいかな。いや、なんかもったいない。でももうそろそろ…。
うじうじ入り口で指を前後させてたら、ゆっきぃが腰をもじもじさせて、あたしの指を擦り付けるように動いていた。

「ゆ、」
「…………お願い…」
「…わかった」

シャワーを止める。
浴槽に背中をもたれかけさせて、ゆっきぃ足と足の間にあたしも座り込む。待ちわびるようなゆっきぃの熱のこもった視線。
そろりと指を中に侵入させると、なんの抵抗もなくぬるりと飲み込んだ。
ゆっきぃが、ふ、って静かに息を吐く。
ゆっくりゆっくり指を奥までさし入れて、ぎりぎりまで引き抜いて、またゆっくりさし入れて、を繰り返す。できるだけ丁寧に中を撫でてあげる。

「……んぁ……あ…………」

漏れ出るような喘ぎ声から、ゆっきぃの身体に快感がじわじわ染み込んできているのがわかる。
あたしも女だから、なんとなく、今ゆっきぃがどういう感じなのかは想像できるよ。機械的で、ゆっくりピストン運動みたいにされるのが、逆に良かったりするんだよね。
ゆっきぃの息の乱れに合わせて、少しずつ前後させるスピードをあげていく。
くちゅ、くちゅ、って音が、いやらしい。

「ぁ、はっ、……ど、しよ、…もう」
「いきそう?」
「んっ……」
「はやいね。…もうちょっと我慢して」
「そんなこと、……言われて、もっ、あっ、ゃ!」

っていいながら、動かす速度を上げる。少しだけ指を折り曲げて、中の壁を強く擦りあげるようにしながら。
ゆっきぃが首をいやいやって横に振る。強い刺激に涙目でこらえようとする様子が愛おしい。もっともっと追いつめたくなっちゃう。
いつの間にか、ぬちゃぬちゃ音がするくらい、激しくゆっきぃのあそこを責めたてていた。

「んっ、ぁあっ、……もう、っ、イっ……」

ゆっきぃの中が、きゅう、って締まる。
お構いなしに、狭くなったそこを押し広げるようにして何度も指を突き立てる。あたしの指を奥へ奥へと誘い込むようにひくついて収縮を繰り返すそこ。
…ああ、

「…やらし」
「〜〜〜っ、あ、あぁあーーー…っ!!」

ゆっきぃの身体がびくびくはねる。目の前にある白いおなかに力が入って、きゅっと引き締まる。中がぎゅうぅって狭くなって、あたしの指を強く咥えこむ。
空いている片方の腕でゆっきぃを抱きしめて、ゆっきぃの震えが収まるまでそうしていた。

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