(つづき)
・・・・うかつだった。妻の異変に気づかなかった。手術は何とか成功、人工肛門も避けられ
たが、化学療法は必須と主治医に告げられた。しかし妻は断固拒否、
主治医からは禁じられていたが、妻の強い希望で俺たち夫婦の子作りが始まった。
妻への感情も変わり、週2回のセックスも出来るようになった
何より、妻が女として絶頂を経験するようになった。程なくして双子を妊娠した。

ところが妊娠末期になって、肝臓に転移が見つかった。ぎりぎりまでがんばって帝王切開、
双子の女の子は助かったが、男の子は発育が悪く保育器の中で天国に旅立った。
そして後を追うように妻も・・・・

娘は先日おれの初孫を産んだ。男の子だった。
息を引き取る直前、妻が涙をいっぱい溜めて「ゴメンネ」と最後に言った一言は
今でも忘れない。
30年近く経った今でも・・・