特に誰かに目撃されるという事も無くワシらは無事部長の自室に着いた。
「汚い部屋だが勘弁してくれ。とりあえず布団の上にでも座っていてくれ。」
 汚い部屋と形容したがそこまでの汚部屋という訳でもなくそれなりに整理はされている。部長は奥で制服を脱いでいる。これからする事を考えると少し不安だが後はなるに任せるしかあるまい。

「…両津。もうそちらは大丈夫かな?」
「準備」を終えワシの隣に座った部長はそう尋ねてくる。
「…はい、準備万端ですよ。」
 その言葉を合図に部長はワシを自室の布団に押し倒した。鍵はかけてあるし、部長の自室なら派出所の様に急に近所のガキが入って来るという事も無いだろう。

 怖い

 だが、同時に部長と一つになりたいという願望が心に浮かぶ

 結局ワシはその願望に忠実になる事にした。

 部長の唇とワシの唇が重なり合う。部長はフレンチキスで済ますつもりだったのだろうがそうはさせない。
 ワシは腕を回して部長の体を半ば強引に抱き寄せる。部長は一見優男な印象をうけるが腐っても巡査部長で
ある。体はがっしりとしている。ワシの様な巡査長一人抱きついたくらいでバランスを崩す事は無かったが、
部長はワシの行動に驚いたのだろう。一瞬ひるんだ部長の口内にワシはやや強引に舌をねじ込み蹂躙を開始する。
ここまで戦況は部長の有利だったがここらで多少反撃してもいいだろう。