アンパンマン描いた [無断転載禁止]©bbspink.com
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聖徒ワグネルは晩年には食前の祈祷きとうさえしていました。 しかしもちろん基督教よりも生活教の信徒のひとりだったのです。 ワグネルの残した手紙によれば、娑婆苦しゃばくは何度この聖徒を死の前に駆りやったかわかりません。」 僕らはもうその時には第六の龕がんの前に立っていました。 子どもの大勢ある細君の代わりに十三四のクイティの女をめとった商売人上がりの仏蘭西フランスの画家です。 この聖徒は太い血管の中に水夫の血を流していました。 第七の龕の中にあるのはもうあなたはお疲れでしょう。 僕は実際疲れていましたから、ラップといっしょに長老に従い、香こうの匂においのする廊下伝いにある部屋へやへはいりました。 そのまた小さい部屋の隅すみには黒いヴェヌスの像の下に山葡萄やまぶどうが一ふさ献じてあるのです。 僕はなんの装飾もない僧房を想像していただけにちょっと意外に感じました。 すると長老は僕の容子ようすにこういう気もちを感じたとみえ、僕らに椅子いすを薦すすめる前に半ば気の毒そうに説明しました。 「どうか我々の宗教の生活教であることを忘れずにください。 我々の神、『生命の樹き』の教えは『旺盛おうせいに生きよ』というのですから。 ラップさん、あなたはこのかたに我々の聖書をごらんにいれましたか?」 「いえ、実はわたし自身もほとんど読んだことはないのです。」 ラップは頭の皿さらを掻かきながら、正直にこう返事をしました。 が、長老は相変わらず静かに微笑して話しつづけました。 (『生命の樹き』は樹というものの、成しあたわないことはないのです。 すると雌の河童は退屈のあまり、雄おすの河童を求めました。 我々の神はこの嘆きを憐あわれみ、雌の河童の脳髄のうずいを取り、雄の河童を造りました。 我々の神はこの二匹の河童に『食えよ、交合せよ、旺盛おうせいに生きよ』という祝福を与えました。」 僕は長老の言葉のうちに詩人のトックを思い出しました。 僕は河童ではありませんから、生活教を知らなかったのも無理はありません。 けれども河童の国に生まれたトックはもちろん「生命の樹」を知っていたはずです。 僕はこの教えに従わなかったトックの最後を憐れみましたから、長老の言葉をさえぎるようにトックのことを話し出しました。 「我々の運命を定めるものは信仰と境遇と偶然とだけです。 (もっともあなたがたはそのほかに遺伝をお数えなさるでしょう。 )トックさんは不幸にも信仰をお持ちにならなかったのです。」 「僕も嘴くちばしさえちゃんとしていればあるいは楽天的だったかもしれません。」 長老は僕らにこう言われると、もう一度深い息をもらしました。 しかもその目は涙ぐんだまま、じっと黒いヴェヌスを見つめているのです。 「わたしも実は、これはわたしの秘密ですから、どうかだれにもおっしゃらずにください。 このスレッドは1000を超えました。
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