>>211
そっちも動き出した…!
(擦る音が聞こえそちらを見れば立ち上がっていたゾンビが動き出し)
(ノロノロとした動きでジリジリ距離を詰めてきていた)
(少し見えた表情は前のゾンビと変わりなく血の気のない何処を見てるかわからない濁った目をしていて)
(呻き一つすら上げない口は薄っすらと開けられたままで)
(二方向から迫られそのまま駆け出す)

(走り出すと目の前のゾンビが止まる)
(それより鈍重であることに変わりはなくそのまま脇を走り抜けようとしていた)
そのまま突っ立ってて…!
(立ちふさがる気配もなくそのまま通り抜けれる)
(そうして脇から出口の扉を見ようとしていた…)
ぐぇっ…きゃっ!?
え、え…は、ひ…え…?
や、やめて…わたし、おいしくないから…!!
(突如としてゾンビの身体が撓り腕が胸の下を捕まえる)
(くぐもった悲鳴と身体を無理矢理に冷たい機械へと押し付けられる)
(目の前にはゾンビ、押し付けられている腕をとても冷たく)
(ビックリのようなものではない…本当に死んだ人間が動いている)
(カタカタと奥歯を鳴らして次に来るであろうグロテスクなシーンを想像して首を横に振り命乞いをしていた)