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(ここはとある家のリビング)
(海外出張となった両親がいないため、少し広く感じられるようなこの場所で)
(仲睦まじき姉妹が他愛もない会話をしながら、夕食を取っている)
(今日の学校での出来事、姉の作った夕食の感想、今度の休みの予定等々)
(女の子二人は楽しそうに会話を続けている…そのすぐそばにいる異物の存在を当たり前に受け入れている)

うーん、やっぱり雪菜の作る料理は美味しいよな。ここに来てから毎回思うよ、うん。
(その「異物」とは、こうしてここで食事をとっている自分のことなのだが)

(この姉妹に目を付けたのはおよそ2週間前)
(近所を通りかかったときに登校する姿を見かけて興味を持ったのだが)
(帰宅する父親から海外出張のことを「聞き出した」ことで、今回の計画を実行に移した)
(計画…つまり両親不在であるこの姉妹の「兄」として潜り込むこと)
(最初こそやや戸惑いを見せた姉妹ではあったが、この一週間の成果もあり、)
(現在は「長期の旅行から帰ってきた兄」としての立ち位置を確立している)
(どうやってこの家庭に入り込んだか…端的に言えば、自分の持つ催眠の技術を使ったのだ)

そうそう、学校の話で思ったんだけど、久々に雪菜の勉強見てやろうかと思うんだが。
ほら雪菜、さっき宿題がけっこうあるって言ってただろ?
「兄さんが勉強を見ること」は当然だし。
雪菜、「後で部屋行ってもいいかな?」
(例えばこの会話。こちらが相手の名前を呼んだ後の言葉は、本人にとって何となく「従わなければならない命令」という風に刷り込んでいる)
(また「兄さんが○○することは当然」という言葉は、相手にとってはそれは真実であるという誤認識を受け入れさせる力がある。)
(もちろん、最初から何でも通用するわけではないため、こういうのは少しずつ進めていく必要がある)
(1週間という時間を掛けて作った立場を生かし、これから少しずつこちらの思うような流れにもっていく、)
(勉強を見る、というのはその最初の一歩である)

【さて…何だがほとんどモノローグになってしまいましたが…書き出しでございます】
【開始の地の文多めなのは、何卒ご容赦くださいませ】

【とりあえずこちらの手札は後半に開示した通り、二つの言葉を使って操っていきたいと思います】
【もうちょっとしっかり催眠にかけられたい、という要望がありましたら、そういう場面も後々挟んでいくつもりです】
【ひとまずはミラクルな道具とかスマホは使わない方向性で考えておりますが…大丈夫でしょうか】

【問題なければ引き続き、お相手よろしくお願いいたします。】