(料理は非常に美味で、気づけば完食してしまう程の物だった。)
(正体を明かす訳にも行かず、かといって変身せずに居れば自分も洗脳の餌食になってしまう。)
(加えて半ば強制的に食べさせられた食事も程なくナオの中で効果を発揮し、より身体が熱くなり始める。そんな中だった)
(一人の女性が勢いよくテーブルを叩き、此方に近寄ってくる。そして罵声を浴びせたかと思えば)

あうううっ………!!!
(強制的に立ち上がらされ、胸倉をつかまれ睨みつけられてしまう。彼女にしてしまえばまさに変態不審者といったナオの井出達だ)
(反論する余地はなく、加えて助けなければいけない対象だ。つい先ほどゲルドにより人形にされてしまった彼女はちゃんとした意思をもっていて)
……すいません…訳あって変装を解く事がでけへんのよ…怒りはごもっともやと思います。
(生地が音を立てる位に引き寄せられ苦しさに顔を歪めるナオだが、薬の効果もあってかはぁはぁと荒い呼吸を吐き始めて。)