>>196
(横たわる彼女の身体に腐食の様子は見られないが、生きている様子も見られず、こと切れたその瞬間に時が止まったかのようであった)
(遺書の類は見当たらないが、彼女がかつて着ていたジーンズのポケットの中に“おやすみなさい”と短くつづられた小さな和紙の切れ端が押し込まれていた)
(彼女以外の人物の痕跡はなく、彼女の身体含め床や箱にもしばらく動かしていない形跡があり、その様子から少なくとも一週間程度は誰もこの家屋に立ち入った様子は見られない)

(訪れる来訪者に対し暖かく迎え入れたかつての声は聞こえず、様々な商品で彩られていた棚は外界の冬景色のように寂しく何もない空間へと変貌していた)
(この場所にはもう何も残っていない)
(部屋の奥にある小さな箱と、物置の片隅に置かれたかつての住人を残しすべてが取り除かれていた)
(外の空気よりも冷たく、息も詰まるような静寂のみがこの空間を支配しているのみだった)


【この酉を使う最期のレスになるかと思います。】
【お世話になりました。】