「命令されてやった……そうですね
そちらの組織に潜伏した当方のスパイの報告によると各種の薬品の人体実験を
嬉々として行い大量の廃人及び死人を出したとありますが」
レジーナの言葉にどう応えるでもなく左右から屈強な男たちが無言でレジーナを取り押さえる
「いずれにせよここは裁判所ではありません
貴女に情状酌量の余地があるかどうかはこちらでは判断しかねます」
かちゃり、とかけられる冷たい手錠
後ろから目隠しの布がかけられる
「そして、大切な秘密を話してしまった以上、どちらにせよ貴女を開放する路はありません
貴女に与えられた最後の仕事、それはこの国の治安維持の礎となることです、諦めてください」
そのままレジーナの体を部屋から連れ出そうとする
もし抵抗するのならその腹を何度か殴りつけることだろう
そして、まるで小さな教会のような教誨室へと連れてゆくのだ
レジーナ・スティレットと記された葬儀用の装飾がほどこされた祭壇が置かれ
そしてその横に強固な金属製の扉が据え付けられた小さな部屋に……
「さあ、最後のお祈りを済ませてください
私達一同今度は大手を振って昼の陽の下で暮らせる道に生まれ変われるようお祈りしております」