>>852

楽しげに悪魔が見せた画面。
あたしが手足に触手が絡まり無防備な体勢で晒されている。
刻一刻と視聴者数やコメント数が凄い勢いで増えていく。
どんどん流れていく活字は無機質な記号に見える。
ただその量が書き込んでいる人たちの存在を否が応でも感じさせる。

「……」

悪魔に捕縛された自分の姿が我ながら情けなくて、それなのに体は依然満足に動いてくれない。

あたしを抑えつけていた触手の一本が蠢く。
拘束はそのままに、その先端が硬度を増しまるで刃物のように尖って光る。
しかしその刃があたしの体を斬りつけることはなく、
まるで意思を持つかのようにゆっくりと動く。

あたしの身を守り、力を与えてくれる魔法少女服。
魔力で構成され簡単に破れるはずのない大切な戦闘衣。
それが胸元の布地を触手に切り裂かれる。

「っ……や、やめ…」

身をよじらせて触手から逃げようと抵抗することも出来ない。
とうとう素肌が外気に触れ、張り詰めた空気にあたしの胸が晒されることとなった。

「う、ぅ……」

画面に大量のコメントが怒涛の様に流れ始める。
大勢の人たちに観られていることを思い出し、あたしは目をつぶって顔を背けた。


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