「……ぐすっ……」

今日もまたやってしまった。
熱に浮かされたように、しっとりと濡れた自分の手を見た。
ここ最近はこんなことに夢中になっていて、敵が現れたと知ってもすぐに駆け付けられなくなっていた。
そんなあたしの代わりにセイ兄ぃが戦ってくれていることも、ちゃんと知っていた。

「……あたしってサイテーだ……」

思う存分イッた後のだるさに包まれながらあたしはベッドの上で寝返りを打つ。
自分の身体を抱き締めるようにすると、大きくなった胸が主張してくる。
その感触が、戦いを投げ出して自分だけ気持ちよくなっている現実を見ろと言ってるみたいで。
閉じた目に涙がにじんで来た。

そんなあたしの頭の上で、スマホに通知が届いた。

「……?」

開いてみると一通のメッセージ。
いつものようにあたしを心配してくれている。
そのやさしさが今のあたしにはキツかった。

『ごめん。だいじょうぶだから』

それだけ返すとスマホをその場に置いてまた寝転がった。


【分かりました。本日もよろしくお願いします】