最終巻である今巻ではついに動物たちの懐妊と、園長との恋愛の成就の模様が描かれ、
現実でも話題となったパンダっ娘の懐妊を皮切りに、性生殖、子へと巡る命のつながりの素晴らしさを伝える。
そのとき引き合いに出されるのが無性生殖と有性生殖の違いについての解説で、
有性生殖だけが持つ交尾というプロセス、そしてその結果として多種多様な動物たちが誕生したのだという歴史について触れ、
様々なけもっ娘たちとセックスするというサブカルなエロマンガの存在を、
どこか高尚で尊い印象を付加して総括するという離れ業を見せ、見事に纏めてしまう。
著者はエロマンガとしてはとても珍しく、科学、生物学的見地から物語を展開して行く手法をとっており、
ただト書きで解説するだけでなく、それがきちんとエロに繋げている点が凄い。
ヒロインが唇という機関は哺乳類にしか存在しないこと、それは母乳を吸うために存在することを語りながら、
自分のおっぱいをぷるんとまろびだす場面など知的でありながら卑猥で、
このふたつは相反するものではないのだなと考えさせられてしまう。
ラストはお約束のこれまでのけもっ娘たちとの大乱交とその後が描かれ大団円となる。
見た目や設定の第一印象とは違った、かなり考証に力の入った作品。できれば若い子に読んでほしく思う。