キャラクターの数が増えるなか、数巻前に駅員編と表して舞台を広げた後、
チアリーディング部、駅員組み、自宅同棲組みと、登場人物が場所ごとにグループ分けがなされ、
駅、自宅がハイソなキャラクター、チア部が比較的庶民的なキャラクターと色付けされ、分かり易くなった。
そんななか面白いのがチア部のリーダー通称キャプテンで、庶民派グループに含まれるのだが、
同家の従姉妹でハイソグループの中心人物通称駅長と同出自で、成績優秀な彼女と何かと引き合いに出され、
レベルの違いを見せ付けられては主人公に八つ当たりし、その主人公にお尻を突かれて返り討ちにされるという、
大層可愛らしいキャラをしており、人気があるのも納得である。
20巻においてはそのお尻を表して「美穴」と女性医師に言わせるなど、ユニークなエピソードも用意されている。
時折現れる言葉使いから育ちの良さを感じさせ、その点もポイントが高い。
コスチュームに対するこだわりもいつもながら見事で、それにともなうチラリズムや下着姿が、
エロティックに描けているところなども地味ながら注目点である。
魔女コス裸マントに魔道士ビキニローブや、即興で着たチア服の下がアンスコでなく下着だったり、
果ては直腸検査用の検査衣でお尻がチラリなんてものもあり、視覚的にも飽きさせない。
要所要所で物語に転換点があり、複数ヒロインと一つ屋根の下で暮らすことになったり、
次巻以降はヒロイン達のお見合いがあったりと話の展開にも広がりを持たせている。
記憶の中の後姿だけではあるが、重要人物である主人公の父親が初登場している点も気になる。
これだけ盛り沢山でありながら読み易い構成のバランスの良さも秀逸な点で、
気になる方は1巻から一息に読んでもそれほど時間がかからないのでオススメしたい。