七:イケナイ菜々子さん(2)/あさぎ龍
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三十路四十路のキャリアウーマンとのシェアハウス・ラブストーリー。合体複数回アリ。
大学生である主人公が複数の美熟女と関係を持つ、いわゆる熟女ものを、
著者独特の透明感を感じさせる絵柄で幻想的に描きあげた作品。
熟女といっても、マンガ、アニメによくある年齢に反して見た目が幼いママさんキャラや、
やたらとムチムチしたグラマラスなキャラではなく、
現実的な肉付き、か細くしわや乳房のたるみを備えた体つきの描かれ方がされており、よりリアルな熟女像を形作っている。
この作品が特異なのは主人公である青年が物語的にほとんど動かないという点で、
積極的に動き、心理面が描写されるのは熟女達の方で、主人公に相手にされずに嫉妬したり、
仕事面で上手くいかないのを主人公にきつく当たってしまったりと、
むしろ感情移入は女性の方に入り、どちらかと言うとレディコミを読んでいるような感覚になる。
年齢の遥か下である主人公に対して余裕の態度で接し、積極的にモーションをかけたり、
若い主人公に癒しを求めているような描写は、まさに女性の視点を意識しているように感じられるが、
一方で濡れ場では心理面より肉体描写を意識したりと、そういった点は男性向けエロマンガの手法で、
まるで「男性の中にある熟女の意識」を呼び覚まそうとする、例えるなら男性向けレディコミと呼べそうな作品であり、
読んでいるととても不思議な感覚に陥る。