アブノーマルな例で言えば、会社の「男子」トイレで放尿することに快感を感じる女性が、
放尿して昂ぶった勢いでそのまま自慰にまで至り、ウォシュレットで達するというとんでもない奇行の告白がある。
こういった内容の場合、普通のエロマンガであれば、その様子に気づいた男性社員に陵辱されるという展開になるのだが、
本作の場合はその後、別の個室に入ってきた男性が、彼女と同じく会社で自慰をしている人物であることに気づいてしまい、
見知った人物であるとわかると妄想が爆発し、我慢できなくなった彼女は…という、唖然とするような行動をとる。
予想を遥かに凌ぐ展開でありながら、逆に彼女ならやってしまいそうだと思わせる不思議なリアリティが読者に生じ、
エロスを感じさせながらも、もはやホラーのような様相すら漂わせ始める。
他にも男性を苦手として、パートで働きながらも一度も男性と付き合ったことのない四十手前の女性の話は、
男性は怖いがこのまま一度もSEXしないままでいいのかと、日に日に増える性欲と自慰の快感の中考え、
ついにアダルト系の出会い系サイトに手を出してしまうという黒さを感じさせるものがある。
初めてである男性は、軽薄そうだがイかせ好きで、快楽を与えつつも彼女を乱暴に扱い、無遠慮に中出しまでされてしまう。
しかしその中出しの、精液を注がれる快感が彼女を虜にしてしまい、それを切欠に吹っ切れてしまった彼女は、
男性がたじろぐのもお構いなしに、精液を求めてひたすら結合部を熱く摩擦する。
これまでただ生きていただけと話す彼女は、その後も膣内に精液を注がれる快感を求めて出会い系を使っており、
誰もが当然抱く疑問に対して彼女が告白する答えは、朗らかでありながらゾッとさせられるものである。
他にも現実に疲れた教師がかつての教え子である新人教師と、夫の皮肉を間に受け風俗で働く奥手の主婦、
スワッピングはOKだが乱交はNGと夫に釘を刺されてしまうグループセックス好きの主婦、
そして聞き手に回っていた女性編集者の過去の変体プレイの告白と彩り豊か。
いつもながら一から創作したとするなら奇妙奇天烈な作風で、事実は小説より奇なりを体現する作品。