まず何より少年のキャラクター造詣が素晴らしく素直だが愚直で突っ走り必ず失敗してしまう、
そして第二次成長期の少年に付きまとう性欲の暴走を制御できないまだ成長しきっていない未熟さが、
ヒロインの姉としての全てを受け入れる全肯定な抱擁に理由と説得力を付加しその魅力を引き立てている。
そしてその姉であるヒロインは絶妙な立ち位置をしていてどんな時であっても弟の上位であろうと振る舞い、
学校では成績優秀でお手本となる姉として二人のときは不の感情を性欲もろとも吸い取る優しい姉として、
「姉」というものを絶対的な存在であるかのようにパブロフの犬のごとく弟に刻み込む。
いかにも姉というテンプレート通りなその行動は作品的にときにあざとく不自然に写りかねないが、
そうならないのは彼女の過去の暗い思い出がそうさせるのではないかと暗示されており、
相思相愛でありながら姉と弟という関係に固辞するヒロインの性格として確り物語と調和がとれている。
血の繋がりがなくともエロいことをしていようともどこまでも姉であり続ける構成が巧みで素晴らしい作品。