そうした中で、近年のポルノ小説、特に著者が得意とする青年層向け「ジュブナイルポルノ」では、近年はかつての王道だった学園モノが激減しファンタジーや異世界転生モノが主流を占めていること・
ジュブナイルポルノ小説出版社への投稿や新人賞よりも「小説家になろう」の「ノクターンノベルズ」からジュブナイルポルノ小説商業出版文庫本にデビューするケースが増えていることなどにはあまり関心がないのか、
詳しく述べていないきらいもあり、しかも編集プロダクションインタビューや作家インタビューでも触れられておらず、著者が日々書き綴っているブログからも分かるように、近年のトレンドにはあまり流されたくない著者の性格が垣間見えてくる。

また、男性向けでも中高年層向けの硬派なジャンルやレーベルよりも、著者が得意とする青年層向けジュブナイルポルノに的を絞って書き方を指南しようとしているのだろうけど、やはりターゲット層別ジャンルやレーベルをごちゃ混ぜにして説明しているところもいくつもある。

また、今作ではポルノ小説でのNGをいくつも提示してるが、著者はフランス書院美少女文庫を主戦場にしている作家なので、美少女文庫ではあまり採用されることのないヒロイン属性を「NG」としているとも見て取れる。
他社レーベルでは、著者が「NG」として取り上げているヒロイン属性、例えば傭兵・軍人・ビッチ・娼館・男の娘などを刊行しているものもあり、
さらにはヒロインと主人公を兼任している「女性主人公」モノや、キルタイムコミュニケーション二次元ドリーム文庫で一定のファン層がいる女性同士の「百合モノ」に関しては完全スルー。

尤も、「百合モノ」を除けば美少女文庫でも採用例のある「NGヒロイン属性」のものもあったのだが、近年の美少女文庫では取り上げられることがなくなってきただけにすぎないものでもある。