さらに、「読者は知的レベルの高い大人の男性」「読者の側に高い教養が要求される」とも述べているが、これは尤もなことでもあるが、
書き手である著者が日々書き綴っているブログでは著者自身の「卑下」「自虐」があちこちに散りばめられており、著者自身が自分をそういうキャラに仕立てているのかもしれないが、
例えば著者が主戦場としているフランス書院美少女文庫でも、サービスシーンよりも壮大なストーリーを仕立て上げ、
作家自身の高い教養・見識による本も実際にある以上、作家自身も高い教養がなければ書けないものだ。作家の教養の必要性には完全にスルーされているのは、いかがなものか。

小説の書き方・ライトノベルの書き方の指南本はいくつも刊行されているが、ポルノ小説の書き方や税務・福利厚生にまで言及されているのは、まずほとんどないものであり、そういう意味では貴重なものである。
しかし、著者がその道での「成功者」であり著者の「成功体験」に依拠した指南本であるがため、前作と今作の2冊を読んでそのまま執筆に取り掛かろうとするのは早計である。
色々な小説やメディアへの造詣を深めて高い教養を身に着けてから「練習」する必要があると思われる。