一橋大大学院卒、30歳男たちの明と暗…現在無職、職業訓練校に通う日々

居酒屋に着いて、加藤さんが開口一番「普通の人と話すのは久しぶりだな」と言ってきたことに少し引っかかりを感じる。仕事関係以外の人と、という意味なのかもしれないと、
都合よく解釈した直後に「実は今、無職なんだよね」と二言目が続いた。

加藤さんは一橋大学商学部に現役で入学し、大学院まで進学し卒業。
当時、人気絶頂だったソーシャルゲームを扱う会社に入社した。
営業に配属され、入社1〜2年は、順風満帆な社会人生活だったという。

しかし、所属している企業は激化するソーシャルゲーム市場で苦境を強いられた。
業績が悪化したとき、真っ先にカットされるのは人件費。
彼が就職した時は、事業拡大のため大量に新卒が採用されていたため、人材が余りはじめる。

開発を手がけるエンジニアは社内でも重宝されたものの、営業の加藤さんは、
会社でお荷物扱いになり部署をたらいまわしにされた。