朝起きたら、妹に その15
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0001桐莉兄2008/08/11(月) 13:55:57ID:mdGf7dDA0
桐莉「兄ちゃん、兄ちゃん、ついに15スレ目に突入だぁーっ」
隆浩「……え?まだ続いてたのか、このスレ?」
七華「続いてるよ、たかくんっ!!!」
由紀「ボク達の物語が終わっても、兄と妹の伝説は何処までも続いて行くんだよっ!!!」
桐莉「……まぁ、何時終わっちゃってもおかしくない過疎りっぷりッスけど……」
七華「桐莉ちゃん、電波分の補給宜しくっ!!」
ゆかな「ドミ狩る分はゆかなが引き継ぐのですよーっ!!」
月華「はいはい、犬神分犬神分」
雪帆「ボクと兄さまと月ちゃんも宜しくねー」

果たして命脈は何処まで続くのか、兄と妹のラブラブ電波でちょっぴり切なくいやらしい数々のストーリーが今ここにON AIRっ!?

七華「永遠はあるよ、此処にあるんだよっ!!!」
桐莉「幼馴染キャラは引っ込んでるっ!!!」


 前スレ:朝起きたら、妹に その14
    http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1180380183/
 保管庫
    朝妹スレ私設まとめ(ハル氏)
    http://asaimo.h.fc2.com/
 ログ置き場(保管庫完成までの暫定設置)
    朝起きたら妹に、ログ置き場
    http://www.geocities.jp/asaimo0/
0002桐莉兄2008/08/11(月) 13:56:56ID:mdGf7dDA0
七華「それじゃ、朝芋スレのお約束の確認だよー」
桐莉「一つ!荒らしや煽りは華麗にスルーしるっ!!!」
由紀「二つ!基本はsage進行だよっ!!!」
ゆかな「三つ!出来ればトリップ付きの方がありがたいのですよーっ!!!」
月華「四つ!投稿する前に良く推敲する事っ!!!」
雪帆「五つ!ご意見、感想、ネタ出し、大歓迎だよー!!!」
ゆかな兄「新入りの兄ちゃんも大歓迎やでー」
恵「えっちなのも大歓迎だよー?」
一樹「どんどん書いて投下してくれー」
隆浩「……俺の分の台詞が残ってない件」

0003桐莉兄2008/08/11(月) 13:59:31ID:mdGf7dDA0
放課後、最初の授業は体育の水泳。

夏休み直前の暑い盛りに西日差し込む教室で数学や物理の授業を受ける事に比べたら、まさに天国と地獄、ワッフルと塩せんべい。

「こーゆーの何て言うんだったかなー」

水泳帽外して少し伸びて来てる髪の毛をクラゲみたいに水面にゆらゆら漂わせながら、あたしの傍に泳ぎ寄って来た一樹が呟く。

「あ、思い出した。月華とスッポンポンだ」
「沈め!水中に没して二度と浮き上がって来るな!」

一樹の頭に全体重を掛けて水の中に突っ込みながら、あたしは自分が犬神憑きじゃなくて河童憑きか何かだったら良かったのになーとか思っていた。

と言うのも。
折角の自由遊泳なのに。
みんなは面白おかしく楽しく元気にトロピカルで開放的な夏の空気を満喫してるのに。

「何であたし犬掻きしか出来なくなってるのよぉ〜〜〜っ!!!」
「がばごばごぶはぁっ、……犬だからだろ?」

浮き上がって来た一樹がごもっともな突っ込み。
はい、その通りですよ。犬神ですよ。
あんたは人間のままで良かったわよね!クロールも平泳ぎもバタフライだって出来るもん。
あたし水泳得意だったのに!水泳のテストどーすんのよ、犬掻きじゃ25m泳げない組に入れられて、水泳帽にもマジックテープでくっ付ける赤ライン張られて、
皆と隔離されて四人くらいでプールの隅っこで只管バタ足の練習とかさせられるのよやってられっかド畜生ぉぅっ!!!
0004桐莉兄2008/08/11(月) 14:06:21ID:mdGf7dDA0
頭を掻き毟りながらあたしが苦悩してるってのに、一樹は水中眼鏡付けてスイスイ水中を泳ぎ回りながら、モン吉と一緒に女子生徒のお尻を追い掛けてる。

「ぐふふふ、夏はいいですなぁ、モン吉さんや」
「ウキキキキキキキ。おっぱい星人どもは何を考えてるんだギャ。女子の魅力は主におケツと鎖骨に集約されてるってのにねぇ?ねぇ?ウキョーーーーッッ!!!」
「そもそも、男が女の胸に欲情するのは、元々は尻に欲情してたのが二足歩行に進化して視点が変わったんで、女が胸の谷間で尻の谷間を擬態して男を誘おうとしている結果なんだそうだ」
「ウキョー!?マジかや、流石は物知りの一樹クン!!エロ博士の称号を授けるギャ!!」

なるほど、一樹もモン吉も猿並みの知能程度だからお尻に興奮してるのか。納得。
と、2−Aの日焼けした三連星こと、貝屋さん・摩周さん・織手賀さんが一樹とモン吉を取り囲んで、

「そのまま二人仲良く永遠に沈んでろ、このたわけ!!!」
「人の股の間を泳いで潜るなよぅ!!!」
「伊原第三高校のウォーター・モナークを舐めるなーーーっ!!!」

二人の周りを高速で周回しながら代わる代わるに頭を押え付けて水の中に漬け始める。

「あ、あれはウォータージェットストリームアタック!?未だ嘗てあれを破った生徒は居ないと言われているっ……」
「いや先生、解説してないで止めて下さい。猿はどうでもいいけど、うちの馬鹿兄貴が溺れ死んだら困る」
「すまない、鳴神…先生は泳ぐのだけは苦手なんだ……ッッ」

今朝方、雪帆のお尻を触った容疑(冤罪だけど)で連行されてった江口先生の代打で体育の授業を見てる訳だけど、事故とか起きたらやっぱり尾崎先生のせいになるのかな。

……まぁ、あたしのせいにならなきゃ別にいいんだけどね。(まさに外道!)
0005桐莉兄2008/08/11(月) 14:09:18ID:mdGf7dDA0
「ギャース!!がばごぼたすっ、助けろ、月華ぁっ……」
「ごめぇん、一樹ぃ。あたし、今、犬掻きしか出来ない体なのぉー」
「誰でもいいからさっさと《助けに来い》ッッ!!!」

わうぅぅぅーーーーーーーーんっっっ!!!!!

っと、遠吠えが聞こえて、プールの中心からどっぱぁーんと水柱が揚がった。

「ゆっ、雪帆っ!?」
「ボクの兄さまを虐めちゃだめぇっ!!」

なんちゅースピードか。授業を抜け出して来たらしい雪帆はブレザー姿のままで、犬掻きをしながら一樹に泳ぎ寄ろうとして……水中に沈んでった。

「……………って、おぉいっ!!?」

慌ててあたしもプールに飛び込む。雪帆を引き揚げようと息を吸って水中に顔を突っ込んだ途端、

「ナイスだ、月華!そのままの姿勢をキープしろっ!!」
「えっ!?えぇっ!!?」

ざっぱーーーんっ!!!
イルカみたいに水面から躍り出た一樹が、あたしの背中を踏み台にしてプールサイドに退避。踏み台にされたあたしはと言えば、急な衝撃で息が詰まって雪帆の待つ水底へと沈んで行く……。

「ナイス忠犬!!」
「うん、後で殺すから☆」
0006桐莉兄2008/08/11(月) 14:12:04ID:mdGf7dDA0
底の方から浮き上がって来た雪帆が、あたしをプールサイドまで引っ張ってく。

「兄さま、月華ちゃん拾って来たよ」
「よしよし、偉いぞ雪帆」
「頭撫でてる場合かっ!雪帆びしょ濡れ!あたし踏み台っ!」
「えー、ボクは兄さまの為ならこれくらい平気だよー?」

ぷるるるるっ、と体を震わせて水気を飛ばす雪帆。
あたしの妹は何故此処まで見事に犬に適応しているのでしょうか、教えて神様仏様、ぷりぃずっ!!!

「ほんと、あんた達って姉妹揃ってブラコンよねー」
「いやっ!?違うし!!雪帆はブラコンだけどあたしは健全だからっ!!」
「えー、でも、昼休みだって兄貴とデートしてたじゃん。中庭でわんこプレイとかー」
「自分からちんちんしてなかった?凄い格好だったよー、この変態たーれんっ」
「其の犬耳もお兄ちゃんの趣味に付き合ってあげてるんでしょ?」

ああああああわんこプレイ見られてるぅぅぅぅってか誤解されてる確実にクラスの皆の中ではあたしは
雪帆と同じブラコンで犬耳プレイ大好きな変態妹さんなのかぁぁぁもうダメ、一樹殺してあたしも死ぬ。

「あ、そうだ。猿渡は?」

一人水中に取り残されてウォータージェットストリームアタックを受け続けているモン吉の方を顧みる一樹。
途端に黄色い悲鳴が。
勿論、モン吉じゃなくて、貝屋さん・摩周さん・織手賀さんの声だ。

雪帆が飛び込んだ時と同じくらい派手な水柱が揚がって、空からひらひらとスクール水着が舞い降りて来る。
0007桐莉兄2008/08/11(月) 14:15:24ID:mdGf7dDA0
「雪帆、取って来い」
「わんっ」

プールサイドに落ちたそれを回収して来て一樹に渡す雪帆。
即回収したら変態の謗りを受ける事は免れまいと判断して、一度女子の手を介して入手する事にしたらしい。この変態策士め。

「まだ湿っていて、ほんのりと暖かいな」
「兄さま、名前書いてあるよ。貝屋、摩周、織手賀だって」

プールの中、そしてプールサイドに居る全ての生徒(特に男子)の目線が、一斉に水柱の揚がった辺りに集中する。

『貝屋達の水着があそこに有るって事は!?』
『全裸!?今、あいつら全裸だって事だよな!?』
『俺たちは今、伝説を目の当たりにしようとしているっ!!』
『良くこの目に焼き付けよう!!今夜のおかずにする為にッ!!!』

動きの止まったウォータージェットストリームアタックの包囲網を抜けて、モン吉が鼻血を垂れ流しながら、プールサイドに泳ぎ返って来る。
歓呼の声で迎える男子、軽蔑し切った目で見ながら罵倒する女子。

「お、おい、猿渡っ!……見たのか!?」
「……ばっちり見ちまった。乳も尻も、アソコもだ……」
「畜生っ、お前っ…何時の間にあんな神業を習得してたんだよっ!?俺にも教えろ!!」
「兄さま、女の子の裸が見たいの?ボクのじゃ駄目?」
「駄目に決まってるでしょ、馬鹿雪帆っ!!!」
「な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺様も何が起きたのか判らなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピード脱衣だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
「てめぇ、奥義を伝授しないつもりだなっ!?俺たちはエロスで結ばれたブラザーじゃねぇかよっ!!隠し事はしねぇって誓いを忘れたのかっ!?」
「一樹必死だな。あたしゃあんたと兄妹の縁を切りたい気分だよ……」
「本当に知らねぇんだって、俺様は何もしてないギャ!!」
0008桐莉兄2008/08/11(月) 14:19:22ID:mdGf7dDA0
一樹から受け取った織手賀さんの水着の主に胸と股間の部分に顔を埋めて鼻血を拭いながら必死で弁明するモン吉。

「あんたじゃなきゃ何処の変態がこんな真似をするってのよ」
「ウキャキャキャキャギギギギグギャギャ!!!疑ってるのか!?お前、俺様を疑ってるのか!?うぎぎ癇癪起きる!!!!」

二枚目、貝屋さんの水着を一樹の手から引っ手繰ろうとして、手を叩かれながら言っても全然説得力が無い。

「とりあえず、その水着寄越しなさい。日焼けした三連星に返してやるんだから」
「な、何を言っているんだ、月華!?国宝級文化財だぞ!?手厚く保護しなければ!!」
「そうだギャ!!天女の羽衣は返しちゃいけないギャ!!かぐや姫がお月様に帰ってしまうギャ!!!」
「……あのね、兄さま。ボクも返した方がいいと思う……」
「なっ、なん…だとっ…!?」

飼い犬に手を噛まれた様な愕然とした表情の一樹。
でも、周囲を見回して気付く。
手に手にプール掃除用のデッキブラシを振り上げて、返答次第では一樹とモン吉の脳天を克ち割らんと、虎視眈々と狙っている女子生徒達。

「……うん、他人の所有物はちゃんと返すべきだよな」
「奇遇だギャ。俺様もそう思ってた所だギャ。うぎぎ……」

作り笑顔であたしにスクール水着を渡す一樹とモン吉。
ってか鼻血付き。汚い。マジ勘弁して欲しい。
これを着るか全裸で出て来るか、究極の選択を余儀なくされた織手賀さんに同情の念を禁じえない……。
0009桐莉兄2008/08/11(月) 14:21:13ID:mdGf7dDA0
「貝屋さーん!摩周さーん!織手賀さーん!水着投げ込むからー、プールの中でさっさとこれ着て揚がって来なさーい!!!」

こくこくと頷く三連星目掛けて、あたしは三着纏めて丸めたスクール水着を投げ付けた。

どっぱーーーーーーーーーんっっっ!!!!!

またもや高々と揚がる水柱。
あたしが投げたスクール水着は、水の防壁に阻まれて、塩素の錠剤と一緒に再び空からひらひらと舞い降りて来る。

「ウキャウキャキャキャ!ナニ?何でスク水俺様んとこに戻って来るわけ?これはアレだ、俺様に所有して活用して貰いたいとスク水の精霊たんがすくみじゅっ!!?」
「いいから返せ。猿がオナニー覚えたら死ぬまでシコシコが止まらないでしょうがっ!」

デッキブラシでモン吉を沈黙させてスク水を強奪、再びプールに投げ込もうとした所で、一樹がストップを掛けて来る。

「やめとけ、月華」
「何よ。あんた、まだ三連星のスク水狙ってる訳?」
「いや、まぁ欲しいけど」
「欲しいのかよっ、変態大人っ!!!」
「……多分、投げ込んでもまた同じ結果になると思うぞ」
0010桐莉兄@キリ2008/08/11(月) 14:29:58ID:mdGf7dDA0
と、プールの中から連続して悲鳴と水柱が揚がった。
『きゃあああああ』どっぱぁぁぁぁん『いやああああんっ』どっぱぁぁぁぁぁん『らめぇぇぇぇえっ』どっぱぁあぁあぁぁんっ。
そしてプールサイドに落ちて来る塩素錠剤とスク水、発生した津波に押し流されて来る全裸の女子生徒十数名、
発情した獣の様に咆哮しながら殺到する男子生徒と、それを何とか押し留めようとして漢津波に飲み込まれ、スク水を剥かれる女子生徒の悲鳴。

「なあ、鳴神…授業中に男子生徒と女子生徒が皆して全裸になって乱交したら、僕の評価はどうなるんだろうな?」
「普通に考えてクビじゃないですか?ってか見てないで止めて下さい、尾崎先生」
「止めるなんて持っての他だぞ、月華」
「そうだギャ!これこそ男子と女子の美しくも自然な姿だギャ!!!」

言って手近な女子生徒の乳を揉もうとして殴り飛ばされて目を回すモン吉。
確かに、劣性遺伝子を持つブサイクなキモ男は女子に交配を拒まれるのが美しくも自然な姿よね。

「……ってか、何?プールの中に何か居るの?」
「だからやめとけって言っただろ」
「がるるるるるーーーっ」

デッキブラシを木刀みたいに構える一樹。
八重歯を剥いて犬みたいに威嚇する雪帆。

やがて…水柱と共に、水中から『其れ』はぬっと姿を顕した。

「がぱっぱーーーーっ!!!」



………To Be continued next ばとる ターイムっ……だよ、兄さまっ!!
0011名無しさん@初回限定2008/08/11(月) 15:43:48ID:e6vjNc0+0
桐莉兄スレ立て乙&GJ

プールにいってこんな奴らいたら浮くだろうなあ・・・・
けど見てみたい気もするw
0012桐莉兄2008/08/11(月) 18:15:54ID:mdGf7dDA0
推敲した心算だったのに三箇所ほど間違えてたし。orz

赤ライン張られて⇒貼られて。
 プールロープの事じゃなくて、水泳帽に付ける泳げない子の識別マークの事ね。
月華ちゃん拾って来たよ⇒月ちゃん拾って来たよ。
 雪帆は月華を月ちゃんって呼ぶ。
癇癪起きる⇒癇癪起こる。

一応、兄妹三人の紹介。

鳴神一樹(おがみかずき)
 退魔の一族、鳴神家の次期当主。一人称俺、二人称月華・雪帆。
 伊原第三高校2-A所属。つまり隆浩や桐莉と同じ市の違う学校に通ってるって事になるか。
 制服は学ラン。ボタンやホックはだらしなく外してる。
 髪ぼさぼさで昼行灯な面構えだが剣術と体術の実力は月華より数段上。
 特に無拍子の歩法と動体視力の良さによる見切りが凄くて中々攻撃が当たらない。
 犬神使いの資質があったので、令呪による妹二人への絶対命令権を得た。
 モン吉とはエロスで結ばれた無二の親友同士の関係。
0013桐莉兄2008/08/11(月) 18:16:56ID:mdGf7dDA0
鳴神月華(おがみつきか)
 一樹の双子の妹。一人称あたし、二人称一樹・雪帆。
 伊原第三高校2-A所属。兄貴とクラスメート。おまけに席も近い。制服はブレザー。リボンタイが赤。
 吊り目・ポニテ・八重歯・すぱっちゅ装備。
 良識人だが潜在的には雪帆以上にマゾ犬且つブラコンの気質が有るっぽい。尻尾が性感帯。
 どっちかと言えば小手先の技法より力押しを好むタイプ。
 犬神憑きの資質があったので、家系の業により犬神に憑依されて、現在犬耳と尻尾が生え、犬の習性と、兄貴への絶対服従の呪縛が掛かった状態。
 未だ自分の固有能力には覚醒していない。
 モン吉とは不倶戴天の仇敵。あと、兄貴が(見た目無頓着な割には)わりかしかっけーのでイケメンに対してはわりかし耐性が有るらしい。
鳴神雪帆(おがみゆきほ)
 一樹と月華の妹。一人称ボク、二人称兄さま・月ちゃん。
 伊原第三高校付属中等部1-B所属。制服は高等部と共通のブレザー。リボンタイが緑。
 ぽやーっとしてて変な性格のようで意外と腹黒い。
 ショートだけど両方の耳元から肩口まで髪伸ばして左だけりぼんで巫女縛りしてる。
 月華より緩い眠そうな吊り目、八重歯は兄妹共通(犬神の影響で一族共通の遺伝形質)、ドロワーズ装備。犬耳が性感帯。
 犬神憑きになる前から病的なまでに極度のブラコンで、一樹の命令には令呪無しでも絶対服従。呼ばれたら何処に居ても飛んで来る。
 命令に従って頭を撫でられるのが至福であるらしい。ってか既に色々とえっちぃ悪戯なんかもされてるらしい。当然本人は喜んでる。でもって月華がちょくちょく邪魔しに入る。
 非力でトロいように見えて実は身体能力は兄姉同様に結構高い。但し体術を習ってないんで近接戦闘は苦手。
 固有能力に既に覚醒している。まだ使ってないけど。
0016名無しさん@初回限定2008/08/13(水) 00:49:27ID:/OiOnXCd0

エロゲ関係ないじゃん。
0017名無しさん@初回限定2008/08/13(水) 02:14:48ID:Mwt7eZen0
>>1

※「朝起きたら妹に○○」というお題で
エロゲっぽいシチュのSSを描いたり妄想したりするスレです。
もちろんエロゲネタを使うのも可ですよ。
0019名無しさん@初回限定2008/08/14(木) 07:54:05ID:YrXcBMaj0
               ,  - ‐ ─  、
              /: : : : : : : : : : : : :`ヽ
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
                /,: :': : : : : ://: :ノi: : i: : : : : :.!
           ,'./::‐ナ/ / // l: : |: : : : : :l
              l/::/チk、'  /  ̄ 叮¬: : : : : :.!
              ,l|::/| トr:l    ,ニ‐ _ |: ::|: : : : : :.!  
            / l| :::| `¨     |イ:_ヽ、|: : : : : : !  お
            { l| :::|   '    .弋zソ .(|: : : : : : l  つ
         l l| ::::|\  、_        ゝl: : : : : : l  で
          l、 l| ::::|::::::\ _ _  ´|⌒'i: : : : : : :|  す
           人l| ::::|:::\::::::|     |: : :|: : :.l: : : |
     ,ィ⌒ヽ   l:| ::::ト、:::::`:/, ´ `ヾ ./: : :|: : :.l: : : |
    .{ ι vノ   l | ::::| `/l    l |: : : |: : : !:: : :|
    (・ ¨ ¨`).  ! l ::::|,-'‐、_l    |.l: : : :|: : : !:: : :l
    「 ゙̄`V  l .|::::,{_ -‐テl    |l: : : :.|: : : |::: : :|
    ト、 V  .l |//l ̄ ∧     |l:: : : :|: : : |:::: : :|
   ∧ r'V   l.(  {」 {」ハ l   /l: : : ∧: : l:::::: : :!
    `{> 〉 ヽ、   >{」_ _v.|   .!::!: : /::::l: : l:::::: : :l
    {ヽ人  i_ / {」_v_|   |:!: : |::::::l: : l::::: : : !
    `l/‐-_/ ̄ ̄{_,'V_ |    |: : :.|::::::l: : :l:::::: : :!
        ! ̄ ─{ _ ̄|   |: : :.l:::::::l: : :l::::: : :l
        !     `ー.   |   |: : :.|:::::::l: : :l::::: : :l
0021名無しさん@初回限定2008/08/19(火) 11:40:06ID:7FuM6CYH0
               -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
                / /" `ヽ ヽ  \
            //, '/     ヽハ  、 ヽ
            〃 {_{\     /リ| l │ i|
            レ!小l●    ● 从 |、i|  乙にょろ!
             ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
                  |ヘ   ゝ._)   j /⌒i !  
                  | l>,、 __, イァ/  /│
               lヽ|_ | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
             \V◯}アヽ ̄ ̄`ヽ彡' | 、
           {> ´   l       \ __ヽ ,、
        -=ニ´      |   !     ヽ\/.:|
          /    │ /!  |        |.:.:_})、!
           ,' ,イ 、/l / ',  lヽ_,.   l l-'.:.>.:.>
        │/ / /`|メ   ヽ|´ ヽ !  l/l/ |イ.、
         |/ | ,/ ● __  ● レ|.  !-、  l |〈
           ∨::::::: ( l l )  ::::::: |  l` ) .| | \
           | |、    ̄´     _,| ,/'¨´|  | |/
          / |: `ヽ.____,.イ´ |/  /'|  l {
            /  _フu=≧__≦ェェ=u=‐' _,.! │ヽ
         {イ´    〈乂〉     <_ ,.ノ`ー`
0022名無しさん@初回限定2008/08/20(水) 07:02:58ID:ok/Skvpc0
人呼んでageる
0025桐莉兄2008/08/23(土) 10:25:52ID:6BPtpZmy0
「兄ちゃん!兄ちゃん!!ソフトが金だぁーーーっ!!!」

朝起きたら桐莉が、物凄い興奮で鼻息をフンフン言わせながら俺の部屋に駆け込んで来た。

「ああ、知ってるよ。お前、激しく音速が遅いな」

北京五輪第拾四日目に当たる八月二十一日、ソフトボールの決勝戦が行われ、
我らが日本国は米帝を3-1で降し、初の金メダルを獲得した。

「九個目の金なんだよな」
「えっ!?そうなんスか!?」
「立派なのは外側だけで、中身は大した事無いんだけどな」

金メダルは実は金ではなくて、銀や銅に金箔鍍金を施した物(アテネ五輪なんかは銀だが、北京五輪のはケチ臭くも銅らしい)で、貴金属としての価値は殆ど無い。
おまけに今大会のメダルは北京五輪に相応しく、有害物質てんこ盛りらしい。
更に、大会中に紛争は起きるわ、テロは起きるわ、殺人事件は起きるわ、少数民族浄化弾圧は起きるわ、
疑惑の審判に、激怒してメダルを投げ捨てる選手に、白耳義の蹴球選手に対する故意の睾丸粉砕、
建物は張りぼてだわ、花火はCGだわ、代表歌手の女の子は口パクだわ、兎に角、平和の祭典としては色々と問題の有る物だった訳で。
0026桐莉兄2008/08/23(土) 10:26:45ID:6BPtpZmy0
なので、金メダルの中身はチョコレートですかとか、そんな物に価値は有るのかとかツッコミが入るのも無理は無く、
其れでも矢張り頑張った選手の血と汗と涙には価値があると信じたい。
反日国での大会で、今回で公式種目から外れる最後のチャンスで、あの野球大国米帝(と言うか野球が盛んなのは日本と米帝くらいな物だが)に勝利したのだから感動ものだ。
感動の余り、丁度その時一緒にテレビを観ていた七華と由紀と三人でナイトゲームで夜っぴてフィーバーしたくらいだ。
『あぁんっ、凄いよたかくんのバット、ごんぶとの特注品だよぉっ…』『はぁぁっ、隆浩ぉっ、ストライクぅっ、ストライクつぅっ…』
因みに実体が無くなってしまった桐莉は隣室でベンチウォーマーだ。可哀想なので試合には呼んでいない。

「まぁ、そういう訳だから九個目の金は物凄く価値が有る訳だ」
「そりゃそうッスよ!九個目ッスよ!?八個だとばかり思っていたのス!!」
「ははは。馬鹿だなぁ、桐莉。八個に一個を足したら九個になるだろう?」
「でも、それって贋物じゃないッスか?」
「まぁ、贋物と言えば贋物の金だが、中身はどうせ他の大会のと大して違わないだろう?」
0027桐莉兄@キリ2008/08/23(土) 10:27:37ID:6BPtpZmy0
「いやいや、普通のじゃないのが混じってるのスよ」
「ああ、確かに普通のじゃ無いのが混じってるな」
「オークションに掛けたらお値段十万円は行くのス!!!」
「ふっ、十万円か。まぁ、妥当な所だろうな」

ファミコンカセット『キン肉マン マッスルタッグマッチ 金』。

販売当時のキャンペーンで、宇宙一ゲーム超人コンテストと言うのがあったのス。
ハイスコアを写真に撮って応募して、一番点数が高かった人が優勝。
優勝者には金色カートリッジのファミコンソフト、『キン肉マン マッスルタッグマッチ 金』が贈られるのス。
さらにこのカートリッジにはチャンピオンの好きなキャラクター入れてもらえると言う特典付き。
現在確認されているのは、モンゴルマン、ペンタゴン、ブラックホール。
八つの地域に分けて行われたので全国にはこのゴールデンタッグカートリッジが8本存在する事になる。

「凄いッスよね、ソフトが金で」
「だよなー、凄いよな、ソフトが金で」
0029名無しさん@初回限定2008/08/25(月) 16:32:05ID:kvtr29xn0
>>28
最近ずっとこんな感じだから、誰も書かなくなったんだと思うよ。

とにかく乙です。
0031名無しさん@初回限定2008/08/25(月) 19:37:36ID:ilee79zR0
最近は過疎っぷりが目立って悲しいですorz
0032名無しさん@初回限定2008/08/25(月) 20:36:02ID:kbqtljeb0
>>25-27
乙です。

>>28
スルーっつーか、新スレ建ってることすら知らんかった。

正直な話、へたれSS書きとしては、過疎スレに投稿するのは怖い。
「自分のSSのせいでスレ止まってるかも」ってのはかなりのストレスだから。
0033名無しさん@初回限定2008/08/29(金) 20:45:11ID:orr08fTD0
朝起きたら妹に「お仕置きが、必要ですね・・・」とマナマナちっくに言われた
0035名無しさん@初回限定2008/09/02(火) 19:43:56ID:ANP4nAc60
朝起きたら、妹に「あなたとは違うんです」と言われた
0036名無しさん@初回限定2008/09/04(木) 23:50:09ID:cfzdxo8E0
朝起きたら、妹に「個人情報の掲載を理由として、削除依頼が届けられておりますので、
ご確認の上、ご対応いただけますようお願い申し上げます。」と言われた。

朝起きたら、妹に その13の>>104-204だそうだが…ケツ毛バーガーの件だろうか?
0037桐莉兄2008/09/05(金) 00:16:25ID:V1LH03xC0
範囲広くてわからんけど、ケツ毛バーガーの件なら桐莉でつね。
削除依頼出てるなら、保管庫の中の方の判断で其の話だけ削除して欠番って事でいいと思うですよ。
0038名無しさん@初回限定2008/09/05(金) 00:25:57ID:MfdVN2sg0
>>桐莉兄氏
とりあえず○○○■■■■という風に伏せ字にしてあります。
0039いちおー”管理”人 ◆63./UvvAX. 2008/09/05(金) 01:03:48ID:BcJZk1Nd0
>>36-38

削除依頼内容を拝見してから適切な対応をしたいと存じます。
出来ましたら当該スレへの誘導をお願いできますか?
00412008/09/05(金) 01:23:46ID:ndy4HtYI0
第六十六話なら、特に問題が無いような気が致しますが。
0042突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:41:25ID:bw9KQcNa0
では、何事もなかったかのよーに(笑)新スレ初の投下です。
0043突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:43:35ID:bw9KQcNa0
 朝起きたら、もう昼だった。
 「あら兄さん、おはようございます。」
 急いで着替え、階段を駆け下りリビングに飛び込んだ俺を迎えたのは、冷房
の効いた室内で牛乳入りのグラス片手に優雅な夏休みをを過ごす一つ年下高校
一年の妹の冷め切った視線と挨拶だった。
 「………………」
 「朝ご飯は冷蔵庫の中ですから、冷たいのが嫌だったら自分で温め直して食
べてください。それから兄さん以外の食器は全部洗い終わっていますから、
食べ終わったら自分で片付けてくださいね。あとお風呂場のお掃除と庭の水撒
きと草毟りも兄さんの分担ですから後で……」
 「わーってるよっ!」
 言葉遣いこそ丁寧だが、兄に対する敬意というか家族への気遣いとかが全く
感じられない声を遮り、俺は妹に背を向けて台所に向かう。あいつの小生意気
と言うか偉そうな物言いにイライラしていた時期もあったが、慣れてしまうと
余り腹も立たない。というか、どうでも良いことだと思えてきたからだ。兄妹
と言うよりも親戚か、年の近い同居人みたいなもんだと割り切ってしまえば割
と簡単に聞き流せてしまうものだ。
 「どうせ、あいつだって似たような事しか考えてないだろうしな……」
 誰ともなく呟きながら冷蔵庫からラッピングされた朝飯一式を取り出しレン
ジに放り込み、味噌汁の鍋を火に掛けながらズボンのポケットに入れておいた
携帯を取り出してメールをチェックする。
 「………そこ、邪魔なんですけど?」
 と、何故だかそこにやって来た妹が再び半目で睨んでくる。
 「………………」
 何が邪魔なのか良く分からないが、律儀に相手をするのも億劫なので黙って
一歩だけ横に移動して道を空けてやると、不機嫌そうなオーラを発散させつつ
妹が長い髪を揺らして俺の横を足早に通り過ぎる。これからピアノか何かの発
表会にでも行くんではないかと思わせるほどにカッチリと普段着を着こなして
いる妹は俺と変わらないくらいに背が高く、まぁ割と可愛い……というよりは
美人系に分類される顔立ちをしているとは思うのだが、いかんせん年がら年中
プンスカされている俺に言わせれば只のハリネズミだ。
0044突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:44:30ID:bw9KQcNa0
 「いや、ひょっとしたら本物のハリネズミの方が飼ってやれば懐いてくれる分
可愛気があるって考え方も……っとと、やっぱりか……」
 面倒くさいので初期設定のままにしてあるアラーム音と共に、朝から十件近
いメールが着信していると液晶画面が教えてくれた。しかも差出人は全て同じ
ときてる。
 「っていうかメール連打する手間で直接掛けて起こしてくれた方が早いと思
うのは俺だけなのか?」
 などと見えないメール主を相手に愚痴っても仕方がないし、どうせ小一時間
後には嫌でも顔を合わさにゃならん。とりあえずは燃料補給でもしかすかと振
り返った先に……
 「………なにやってんだ、お前?」
 仏頂面の妹が突っ立っていた。
 「な、なんでも良いじゃないですか。兄さんには関係ないでしょう!?」
 ぎりぎりぎり、と眉間にしわ寄せながらの上目遣いでガンを飛ばされてしま
った。というか、コイツを怒らせるようなこと言ったか俺?
 「そ、それよりも! 誰からなんですか、そのメール?」
 「はぁ!?」
 全く以て意味不明だ。
 「わわ、私には全然関係ないんですけどっ、ニヤニヤと締まりのない顔を
していたのでっ、夏休みの宿題もしないで何処かに遊びに行くのかと思った
だけですっ!!」
 しかもキレ気味だ。
 「なんで、そんな事をお前に教えなきゃなんねぇんだよ。お前には関係な
いよな、全然?」
 ついでに言うと、ニヤニヤしていた覚えも全くない。
 「そ、それは……………くっ!」
 妹自身の言葉を使って切り返してやると、流石に反論できなくなったらし
く悔しそうに奥歯を噛んでる。が、はいそーですかと納得して解放してくれ
そうな気配もない。そのまま睨み合うこと数十秒。
 「……その宿題の残りを片付けに行くんだよ!」
 なんだか面倒くさくなってきたし、俺の方から折れてやることにした。そ
れに別段隠し立てするような話でもないしな。
0045突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:46:50ID:bw9KQcNa0
 「それは、あの……」
 「場所は市立図書館だ。あそこだったら冷房も効いてるし金もかかんねぇ
からな。お前はとっくの昔に終わらせてるし、関係ないだろ?」
 「と、当然です!」何故か仄かに頬を染める妹「私は兄さんと違って客観
的に自分を見ることが出来るんです。夏休みの最初にキチンと計画を立てて、
その通りに終わらせましたっ!」
 「おーおー、そーかそーか。偉い偉い」わざと抑揚のない声で皮肉成分タ
ップリの褒め言葉を並べてやる「んでだ、お前と違って出来の悪い兄貴は今
から朝飯なんだが、人が飯食ってる所をジロジロ観察する趣味がないんだっ
たら余所に行ってくれねぇか?」
 しっしっしっ、と手を振って妹を追い払った俺は、ようやく人心地ついて
本日最初の食事に有り付くことが出来た。




 『いま何時だと思ってんのよっ!?』
 そうして食器を洗い終えた俺が部屋に戻って掛けた電話相手の第一声がこ
れだった。
 「えっとだな……」
 『まさか忘れてたんじゃないでしょうね!? だいたい、約束までしてお
いてお昼過ぎまで音沙汰も無しなんて非常識だと思わないの!? 言ってお
くけど、私はアンタからの連絡を待ってて貴重な夏休みの半日を丸々棒に振
っちゃったんだからねっ!?』
 ちなみに朝からメール爆撃を仕掛けてきたのもコイツだったりする。
 「いや、だから……」
 『なに、また言い訳? その前に謝罪は何処行ったのよ謝罪はっ! せこ
せこせこせこと下らない弁解を考えてる暇があったら土下座でもして誠意っ
て物を見せようとか思うでしょ普通!!』
 「……………………」
 『だいたいアンタは何事に関してもルーズって言うかチャランポランなの
よ! そのくせ口先だけじはいつも偉そうに……』
0046突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:49:17ID:bw9KQcNa0
 「やかましい! ちったぁ俺にも喋らせろ、このデコ助っ!!」
 『な、なな……』電波を介してでも強ばった口調から向こうの動揺ぶりが
充分に伝わる『……なによなによなによっ! アンタ、また私のこと馬鹿に
したわねっ!?』
 「デコ助のことをデコ助って呼んで何が悪いって言うんだデコ助! 馬鹿
にするって言うのはなぁ、年がら年中デコをテカテカさせてるヒステリー女
に本当の事を教えてやるって意味とは違うんだよデコ助っ!!」
 『くきぃぃぃっ、またデコ助って言ったわね、この脇役顔の典型的没個性
型の地味男っ! アンタなんて炉端の小石よ砂浜の砂粒よ蟻の行列の一員よ
十把一絡げで網にかかる縮緬雑魚なんだからっ!』
 「ああ雑魚で結構、蟻の巣の一員で上等。どっかのデコ助みたくデコが眩
しい以外に何の個性もない迷惑女よりはよっぽどマシだっての!」
 『わ、私の何処に個性がないって言うのよ、この量産型廉価庶民! ちょ
っとでも殊勝な態度を見せたら大目に見てあげても良いかなって思ってたけ
ど、もう我慢の限界よ堪忍袋の決壊よ! そのがらんどうでスッカラカンな
頭に身の程って言う物を無理矢理にでも詰め込んで死ぬほど後悔させたげる
から今すぐ面貸しなさいよっ!!』
 「おお上等じゃねぇか! こっちこそ、そのツルツルのデコを洗車モップ
でゴシゴシ擦ってワックスがけしてやっから覚悟しろよ、このデコ助!」
 『じゃあ、いつもの場所で30分後に集合よっ! 今度遅れたりしたら
私の不戦勝って校内放送で勝利宣言してアンタの席を教室の一番隅に押し込
んで私の視界の中から綺麗さっぱり除去してあげるからハイジャックしてで
も絶対に来なさいよねっ! じゃあねっ!!」
 「じゃあ俺が勝ったら……って一方的に切るな! おいっ!?」
0047突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:51:14ID:bw9KQcNa0
 急いで出掛けるのはデコ助の言いなりみたいで癪に障るが、奴の不戦勝は
それに輪を掛けて悔しい。この時には既に当初の目的(図書館で一緒に宿題
を片付ける)を忘れていた俺は、最低限の持ち物だけを掻き集めて一分一秒
でも早く家を……
 「兄さん。」
 ……家を出ようとする前に、部屋の外で待ちかまえていたらしい妹に捕ま
ってしまった。
 「……随分とお急ぎのようですけど、デートですか?」
 不肖の兄貴どころか出来の悪い弟を見下すような目の妹。
 「はぁっ!?」
 デコ助との口喧嘩(?)の勢いのまま、睨み返してやった。
 「図書館で一緒に勉強すると仰ってた割には、随分と楽しそうに電話して
たので、私に嘘をついてコソコソ遊びに行くのかと思ったのですが、違うの
ですか? まぁ、どうでもいいですけど。」
 どうでも良いんだったらドアの前を塞ぐなよ。というかコイツが何を言い
たいのか全く理解できないんだが?
 「というか、あれの何処が『楽しそうな電話』なんだよこら!」
 「兄さんが何処の何方とデレデレイチャイチャしても私には全く関係有り
ませんから別に良いんですけど、家の中で鼻の下を伸ばしながら電話するの
は謹んで頂けませんか? 正直に言って、とても不快ですので。」
 「いや、だから俺が何時デレデレと……」
 「親しき仲にも礼儀あり、という格言くらいはご存じでしょう? 隣の部
屋の迷惑を気遣うのは最低限のマナーです。あと、私が兄さんの妹だという
理由で恥ずかしい思いをしなくて済むように心掛けて下さいねっ!」
 一方的に言いたいことだけ言って、妹は俺の返事も待たずに大股で隣の部
屋へと戻っていった。なんというか『つーん』という擬音がこれでもかとい
う程に似合う尖りっぷりである。
 「……ハリネズミモドキに付き合ってる暇なんか無いっつーの!」
 無愛想かつ人の話を聞こうともしない同居人の頭の中なんぞ想像して見た
ところで一文の得もないし、そもそも時間の無駄だ。それより現時点で最優
先事項であるデコ助との勝負に向かうべく、俺は急いで出掛けた。
0048突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:55:32ID:bw9KQcNa0
 そして数時間後、デコ助を弄り倒して多少なりとも日頃の溜飲を下げるこ
とが出来た俺は、意気揚々と帰宅したところで………いきなりハリネズミの
冷凍光線を浴びてしまった。
 「………なにしてんだ、お前……?」
 玄関のドアを開けた俺の目の前に、出掛ける前よりも更に冷たさを増した
妹が仁王立ちになっていた。
 「お帰りなさい兄さん。そのご様子ですと、随分と楽しい勉強時間を過ご
された様ですね。ところで……あら?」
 やや芝居がかっか動き(つまり、わざとらしい)仕草で下駄箱の上の置き
時計に目を向ける妹。
 「もう6六時半ですね。ということは………もしかして夏休みは図書館の
開館時間が延長されているということでしょうか、それは初耳ですね?」
 「………………」
 「それに……兄さんから何だか良い匂いもします。例えるなら、そう、私
と同じくらいの年の女の子が好んで使うシャンプーの香りに『比較的』近い
でしょうか? 最近の公共施設は、随分と変わった消臭剤を使っているんで
すね、驚きました。」
 「………………」
 ちょっと待て、俺の目の前で不快感も露わにグチグチとねちっこく俺を言
葉責めにしようとしてるのは妹だよな? 別に俺の保護者でもカノジョでも
ない単なる妹だろ? そりゃ、俺がコイツに直接迷惑をかけたとか怒られて
も仕方がない何かをしでかしちまったならともかく、適当にあしらってデコ
助と会いに行っただけで、こんな遠回しに延々と人格を非難されなきゃなら
ないんだ? どう考えても、おかしいだろ? なんか久々に、いや本当に久
しぶりに、しかも本気でコイツに腹が立ってきた。
0049突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:56:32ID:bw9KQcNa0
 「ところで宿題の方は、はかどりましたか? お出かけになる前には電話
で『お友達』と待ち合わせるようなお話もされてましたし、一緒でしたら一
人でするよりも進んだんでしょうね。これなら今年は最後の最後になってか
ら慌てて………きゃっ!」
 俺自身も気づいていない間に常日頃の鬱憤が溜まっていたのか、我慢の限
界はアッという間に訪れた。男の腕力で押し退けられた妹が驚きの声をあげ
るが、ンなのは知ったこっちゃない。まるで教師の様にネチネチと偉そうに
嫌味を並べ立てる障害物を脇に動かし、俺は無言のまま部屋へと向かう。で
ないと怒りに任せ、とんでもない台詞を口走ってしまいそうだったから。
 「に、兄さん……?」
 「今日は疲れたから寝る。食ってきたから晩飯はいらねぇって母さんに言
っといてくれ。あと、もう寝るから何言っても聞こえねぇからな!」
 「でも、兄さん……」
 それでも食い下がろうとする妹を振り切って部屋に入った俺は、そのまま
布団の中に潜り込んだ。流石に言い過ぎたと思ったのか、しばらく部屋の前
で妹が逡巡している気配も感じたが、到底許してやる気分にはなれなかった
ので、諦めて立ち去るまで無視し続けてやった。
 「……少しは考えろっつーんだよ……」
 その後、妹が止めたのか説得したのか親が心配して押しかけてくることも
なく、皮肉な事に本当に疲れていたらしい俺はたいした空腹を感じる暇もな
く、そのまま眠りに落ち―――流石に夜中に空腹で目が覚め、牛乳でも飲ん
で腹を膨らまそうと開けた冷蔵庫の中にラッピングサンドイッチ(恐らく母
さん作)を有り難く頂戴した以外は―――朝までグッスリと眠り込んでしま
った。
0050突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 20:59:01ID:bw9KQcNa0
 「………………あの、兄さん?」
 翌朝、ふわりの耳元をくすぐる柔らかい吐息で目が覚めた。
 「うわぁっ!?」
 目を開けた途端、窓から射し込む朝陽で輝く妹の顔のドアップで視界が一杯
になり、俺は文字通り飛び上がってしまった。
 「家族の顔を見て仰天するなんて、失礼ですっ!」
 「そう思うんだったら、勝手に入ってくんなっ!!」
 「それは……その……」
 「な、なんだよ!?」
 ちなみに俺達の部屋には鍵など付いていない。よって侵入自体は苦でも何
でもないのだが、いままで一度たりとも起こしに来たことのない妹の出現で
俺のチキンなハートはバックンバックン言ってる。
 「……その、兄さんに……お話、が……」
 「は、話ぃ!?」
 未だに思考回路が覚醒しきっていない、とうよりもバグってしまった状態
の俺は妹の突然の襲撃に対応しきれずオウム返し。
 「きき、昨日の……ことですけどっ!」
 「お、おう……」
 これは、もしかして謝るとか? あの妹が? この俺に向かって俺に頭を
下げる? マジで? でも昨日の事って、他には無い……よなぁ?
 「その、えっと……」
 ごくり、と生唾を飲み込んで妹の言葉に備える俺。とは言え、どう対応し
て良いかなんぞ全くわからないが。
 「兄さんが私に嘘をついてデートに出掛けた後、兄さんの担当分の家事は
誰が代わりに片付けたのかご存じですかっ!?」
 「……………………………………………………はい?」
0051突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 21:04:00ID:bw9KQcNa0
 「ほほ、ほんとうは不本意だったのですけど兄さんが夕暮れ時になっても
お戻りにならなかったし、図書館でお勉強なさってるのなら仕方がないと判
断して私が全部嫌々ながらも兄さんの為にやっておいたんですっ!」
 ぷいっ、と横を向いたまま、早口で一気に捲し立てる妹。そう言えば、風
呂掃除やら何やら仕事が溜まっていたような記憶も……
 「そ、そっか、それは悪……」
 「ですから兄さんにはお仕置きが必要………じゃなくって……そうですペ
ナルティです損害賠償です労働対価を支払って頂かなければいけません兄さ
んは私に借りが出来たのですから私の要求に従って早急に返済して頂く義務
があるんですわかりますか兄さんっ!?」
 「……えーと………はぁ………」
 しかも普段の刺々しいオーラを全く感じないのは何故だ? 妹の変貌に毒
気を抜かれてしまった俺は、妹の話を理解できていないのに殆ど脊髄反射で
頷いてしまっていた。
 「ということで、早速ですが兄さんには、わ、わわわわわ……」
 「…………」
 「わわわわ、私の宿題の残りを手伝って頂きますっ!」
 「は?」
 そう勢いよく断言した後、横目でチラリと俺の顔色を窺う妹。いまの話の流れで
言うと、俺には拒否権が無いはずなのだが、なにをビビッてるんだコイツは?
 「………あの、兄さん、やっぱり駄目……ですか?」
 しかも……こんない可愛かったか、俺の妹?
 「いや、別に構わねぇけど……」
 「そ、そうですか……」だから、なんでそこで安堵の溜息を漏らす必要が
あるんだよ?「……そうと決まれば善は急げです。朝ご飯の用意は出来てい
ますから一緒に食べましょう? それから頑張って午前中に用事を全部終わ
らせてお昼ご飯を食べたら一緒にお勉強ですからね?」
 私は先に行ってますから二度寝したら駄目ですよ、と言い残して妹はそ
そくさと俺の部屋をあとにする。そしてトントンと軽快に階段を下りてゆく
足音も遠ざかっていって……
 「いや待て、宿題は全部終わらせたとか言ってなかったかアイツ?」
 そんな俺のツッコミも、朝の日差しに空しく溶けてなくなってしまった。
0052突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/07(日) 21:07:53ID:bw9KQcNa0
みなちゃんも割と好きです。
でも「きりりん@さっきからとなりのバカがうざい件」さんの方がもっと好きです。



というか、よく考えたらエロ成分ゼロぢゃん……orz
0054名無しさん@初回限定2008/09/09(火) 22:12:33ID:+acuIwrO0
突発屋氏GJ!!
かなり久しぶりだけど相変わらずとても面白いですね
0055突発屋 ◆63./UvvAX. 2008/09/15(月) 01:22:17ID:fGBGfK/F0
業務連絡〜業務連絡〜

ご覧になっているか自信がないですが「目からビーム ◆A/myMazZ7Y」さん、おられますか?
>>36の削除依頼は貴方の作品内容についてのようです。

出来ましたら、作者ご本人のご意見を伺いたいので連絡をお願いします〜
0057ハル ◆d2h7hPzxdA 2008/10/04(土) 04:03:46ID:NvkzAfcp0
業務連絡 ハルです。
トリップキーを忘れたのでまたも変わってそうです。
また、一部のキャラは再設定して
1からやり直す事も考えています。ご了承下さい。
0058名無しさん@初回限定2008/10/04(土) 04:28:56ID:NvkzAfcp0
ついでにネタ振りです。
(自分でも書く予定ですが、しばらくかかりそうなので…。)

朝起きたら妹に、「昨夜は獣のようでしたね」と言われた。
0061名無しさん@初回限定2008/11/01(土) 07:21:15ID:Q9CnRpWY0
 ヽ、_ ,、  ,、 γ
 r>iゝ!' ,.ゝ-ヽiノ,.i
   ゝ,) ,   ,ヽイ
   γ ノi」ハノイ」 過疎るのは鬼の力のせいだよ。せいだよ。
   ,'イレi ゚ ヮ゚ノ〉  
   (_ハ((8i,ハ,iつ曰
   .リ.,く_ハλハリ
    `"r_7i_7"
0065桐莉兄2008/12/07(日) 11:55:41ID:JuEmhm8p0

『挨拶は心を繋ぐ魔法の言葉』
……って標語を書いた紙を、妹の部屋の壁に貼り付けて来た。


「おはよう、加奈」

朝、目が覚めて起きて来た妹に、自然体の笑顔で挨拶してみる。

「………」

――無言のままの妹の拳骨が僕の頭に降って来た。

「人の部屋に勝手に入るなって言った」

――でも、部屋に入らなきゃ、標語の紙が貼れないじゃないか。

「勝手に人が寝てる部屋に入って来て、人の部屋の壁に妙な物貼り付けるなって、二度言った」

――うん、これで三度目だね、加奈。
妹の寝顔可愛いかったよ、可愛いかったよ妹の寝顔。

ごすっ、がつっ、妹は無言・無表情のまま、拳骨の雨を降らせ続ける。
挨拶標語、いいと思ったんだけどな。

「キモいからもう近付くな。次入って来たらお父さんに言い付けて家から叩き出して貰うから」

石鹸で念入りに手を洗いながら、妹はそう宣告して、朝食も食べずに出て行こうとする。
――朝起きたら、妹におはようって言われたい、それだけなんだけどな。

「……お前、自分が何やったか、まだ理解してないだろ」
0066桐莉兄2008/12/07(日) 11:56:34ID:JuEmhm8p0
――理解してるよ。理解してる。
妹の入浴中に、脱衣所から妹が脱いだ下着を部屋に持ち込んで、自慰行為してただけだよ。
それから、妹が生理の時に、トイレから妹が捨てた使用済みの生理用品を部屋に持ち込んで、自慰行為してただけだよ。
あと、妹が寝てる時に部屋に忍び込んで、キスしたり、胸やお尻を触っただけだよ。
だって、加奈が好きなんだから、妹とか関係ないし、加奈が小学生の頃からずっと好きだったんだから。

「……変態。狂ってる。お前みたいなのと同じ家に居たくない」

――家族なんだから、同じ家に住んでて当然じゃないかな。
僕は加奈と同じ家で生活出来て満足してるよ。

「さっさと仕事見付けて出てけよ。エロい事したかったら彼女作れ。私の半径50m圏内には近付くな」

――同じ家に住んでてそれは無理だと思う。
それより、加奈。早くしないと学校に遅刻しちゃうよ。

「いってらっしゃい、加奈」

玄関の扉を乱暴に閉めて、無言のまま、妹は家を出た。

準備はもう出来てる。僕も、後を追い掛ける。
僕はニートじゃなくて無職なだけだから。
ハロワに行く。図書館に行く。そのついでだから。

妹の通ってる中学校の方へ、妹を追い掛けて行く。
最近物騒だしね。変な奴に加奈が付き纏われたりしたら大変だ。
大丈夫だよ。お兄ちゃんが影から見守っててあげるからね。
0067名無しさん@初回限定2008/12/07(日) 11:58:06ID:JuEmhm8p0
制服姿の女子中学生達が、僕を怪訝な目で見てる。
無職だからって差別するなんて最低だ。
やる気も何も無い自宅警備員と一緒にするなよ。

物陰からそっと妹を見守るだけだ。
小学校の集団登校の時とかでも、地域の大人が見守ってたりするじゃない?
あれと同じだよ。

妹が無事に学校に着いたら、ちゃんとハロワ行くんだから。

中学校に近付くに連れて、制服姿の女子生徒が増えて来る。
加奈より可愛い子は居ないけどね。

同じ服の子がこんなに多いと、妹を見失ってしまわないようにしないと。
妹に見付からないように、注意を払いながら、少し距離を詰める。

「おはよ、由衣♪」「おはよー、加奈ちん♪」

――僕には向けてくれなくなった、笑顔と挨拶。

妹可愛いよ、可愛いよ妹。
何か作戦考えないとな。明日こそは加奈に笑顔でおはようって言って貰うんだ。
0068桐莉兄2008/12/07(日) 12:07:47ID:JuEmhm8p0
「城崎ー」「あっ…大野先輩、おはようございます…」

――ちょ、ま、何それ?誰?その人、先輩?只の先輩だよね?

何でそんなに嬉しそうなの?何でそんな親しげなの?
おい、近付くなよ、コラ。僕の妹だぞ。触れたら殺すよ?殺しちゃうよ?ねぇ?

思わず、物陰から身を乗り出してしまった僕の姿を見て、加奈は物凄く嫌そうな顔をした。
大野ってやつに向けた表情の真逆。傷付くよ、凄く。僕はこんなに加奈が好きなのに。

「行こ、由衣、先輩」「あっ、加奈ちんっ――」

僕を振り切ろうとして、僕から逃げ出そうとして、
 僕から逃げられる訳が無いのに、こんなにも加奈を愛してる僕から逃げようとするから、
横断歩道を渡れって、信号を無視するなって、幼稚園の時にいっぱい教えたのに、

「加奈ぁっ!!!」

赤信号。道路に飛び出した加奈に向かって突っ込んで来たトラックの運転手には非が無いと思う。
加奈は死なない。死なせない。

僕が、守る。

こんなに全力で走ったのは何年ぶりだっただろう。
ずっと加奈を見てたから、間に合っただけで、身体は鈍り切ってて随分と重たくなってた。
妹を突き飛ばして、後は良く分からない、凄い衝撃、世界が回って空が見えて、それから、道を歩いてた人達が何か悲鳴挙げて、騒ぎになって、

どうでもいい。加奈は、大丈夫かな。
0069桐莉兄@キリ2008/12/07(日) 12:09:01ID:JuEmhm8p0
「………」

うん、良かった。ちょっと膝を擦り剥いちゃってるけど、殆ど無傷みたいだ。

加奈。加奈。

痛みは感じないけど、結構やばいよ、これ。
身体、動かないし。
視界、暗くなって来たし。
取り敢えず、病院に電話して、救急車……。

あ……。


――妹が、笑ってくれた。

ずっと、僕に向けてくれなかった。向けてくれなくなった。
妹の笑顔。



「さよなら、お兄ちゃん」


――ありがとう、じゃなくて。さよなら、か。

でも、嬉しい。
妹が、僕に向けて、笑顔で挨拶してくれて。

うん、さよなら、加奈。愛してるよ、加……
0070桐莉兄2008/12/07(日) 12:13:20ID:JuEmhm8p0
       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     / お仕事忙しくて物書く時間が取れないぉ。VIP紅白tktkもエターなりそうだぉ・・・。


>>62
あ、それ桐莉名義で俺が投稿したやつ。
なんかエロ催眠実際に掛かるの面白くて、自分でもスクリプト書いてみたくなったんで。


>>67の湖畔入れるの忘れてたぉ。
0071名無しさん@初回限定2008/12/07(日) 12:50:28ID:fmopYDn90
桐莉兄GJ!
てか時間がないとか言いつつどんだけ短時間で書いちゃうんすかwww>>64−65
0072桐莉兄2008/12/07(日) 13:08:32ID:JuEmhm8p0
いや、なんつーか、加奈の性格モデル、自分のリアル妹なんだよね。

ふふふ・・・どうせ兄さん、妹には嫌われてるさ。
NEETでは無くなったけど相変わらず冷たいし、
多分俺がこんな死に方しても、やっぱりリアル妹も俺から解放されたーって笑顔になるんじゃねーかな・・・。
いや、まぁ流石にね、こんなストーカーみたいな真似はしてないけどさ。

何で加奈かってと、別にリアル妹とは何の関係も無く、単純に何となく書いてる時に聞いてたMIDIが加奈〜いもうと〜のオルゴールだったからだったり。
因みに加奈やってないんで内容知らんし全然関係ないんだけどね、何となく。

普通に書くと結構時間掛かるよ。
件のエロ催眠スクリプトとか、短いのに普通に一週間掛かってるし。

今日は紅白の素材を集めて来てツクールにインポートするぉ。
普段からちゃんと素材整理してないからいざって時に困るんだよね。
とりあえずMAPは完成してるんだけどね。
夏の陣ではVIP☆朗太名義で投下したぉ。興味あったら遊んでみて欲しいぉ。
好きなキャラは水野とかドラ子とかリナックス。今回は娘さまでtkる。でも多分エターなりそう。
体力無いから、平日は仕事疲れで帰って来るともう意識朦朧ねむねむ状態なんだよね。
もっとお金と時間が欲しいぉ・・・。orz
0075名無しさん@初回限定2008/12/11(木) 02:38:50ID:RNxVux39O
桐兄氏GJ!
死んでないといいけどな…まだまだ頑張るお兄ちゃんを見たい
0077名無しさん@初回限定2008/12/13(土) 16:43:23ID:8/vLPrCK0
「あさー、あさですよー。あさごはんたべてがっこういくですー」

脳味噌がとろとろに蕩けて余計に眠くなってしまいそうな、妹の甘ったるいロリ萌えボイス。
先日、学校から帰って来たら、お気に入りのKANONの名雪の目覚まし時計が勝手に改造されていて、マリ姉の代わりに妹の声で起こしてくれるようになっていた。
因みに、妹は小学五年生。
機械工学やパソコン自作の知識や経験は無い…筈なんだけど。

「凄いのですよー。凄いのですよー。一時間半も掛かってお兄ちゃんの為に改造したですー」
「そうだね、プロテインだね。でもどうして無許可で改造しちゃうかな?かな?」
「そんなの決まってるですー。お兄ちゃんに許可を求めたら、即断即決、全力で却下されちゃうにファイナルアンサー間違い無しだからなのですよー」
「なら改造しないでよ」
「そうは問屋が卸金ですー。図画工作の授業の宿題で提出しなくちゃいけませんのですよー」
「これを提出する気か!?」
「はいですー。自信作なのできっとA評価が貰えるに違いないのですー」
「やめろ、ばか!ばか!まるきゅー!お兄ちゃんのヲタク趣味がご近所に知れ渡っちゃうだろ!?」
「う?それは、もうとっくの昨日に知れ渡ってしまっていると思いますのですよ?」
「why!?」
「昨日はお天気お日様ぽっかぽかDAYsだったので、お兄ちゃんの抱き枕カバーを全部綺麗にお洗濯して、ファブリーズして、バルコニーに干しておいたからなのですですよー♪」
「ぐはぁッ!!!ロリとか幼女とか裸とかぁっ!!!」
「それを見た三軒隣の木村のおばちゃんが、『まあ大変!まあ大変!これはもう町内会の皆に是非ともお知らせしなくっちゃ』ってwktkしながら爆走していくのを実録・妹はみちゃった(はぁと)なのですー」
「ぎゃあああああああふざっ、ふざけんなぁぁぁぁ町内広報担当ktkrぇぇぇそれ何て恥辱の周知プレイッ!?!」
0078桐莉兄@名前抜けてた(汗2008/12/13(土) 16:45:10ID:8/vLPrCK0
「けんちゃなよなのです。もーまんたいなのです。お兄ちゃんの性癖は全てゆずねが事細かに把握して、ブログにうpしちゃっているのですっ。特定されない事を天に祈りやがれなのですよ、うぇーはははですぅー」
「いやああああああぅあぅあぅ!!!お兄ちゃん虐めて何が楽しいのかなっ、かなぁーーーっ!!?」
「んっんーっ?ちょっぴりお胸がどきどき疼いて、はぁはぁって高揚しちゃうですよ?ゆずねはお兄ちゃんにちょっぴりいけないサドらぶシスターなのですっ☆」
「ちょっぴりじゃないよねっ!?全然っ、ちょっぴりじゃ無いからぁっ!!!」
「てな訳なのです、ですっ。お兄ちゃんは明日から毎日変態新聞えぶりでぃっ、ちょっとえっちな媚び媚びゆずねのお声で妄想しながら、元気良くおっきおっきしちゃうが良いのですよ。把握?」
「うはwwwおkえええ把握wwwwwってそんな訳あるかーーーーーぁぁぁぁんっ!!!!!」

って感じで、色々と人間としては絶対に失ってはならない重たい犠牲の数々と引き換えに、俺の部屋の俺のベッドの俺の枕元に、妹ボイスの入った既に名雪らしさの欠片も残っていない名雪目覚ましが鎮座ましましているので御座います、うぐぅうぐぅ。
妹萌えの属性を持つ友人達は皆して
『ギギギ、ギギギ、悔しいのう悔しいのぅ。ワシは兄貴二人しか居らん末弟なんじゃぁぁぁ』
『何て羨ましい妬ましいこのリア充兄貴め呪まーす』
『蒟蒻ゼリーでも喉に詰めて今すぐ苛烈にあっさりと死ねばいいのに』とか何とか血涙を目から鼻からドバ流しながら言うのだが、
何もわざわざマリ姉ボイス消してまで目覚まし時計に声を入れなくても、直接起こしに来れば生声でモーニングコールが出来ちゃうじゃないか、同じ家に住んでるんだからさ。
なんて風に考えてしまうと、素直に喜べなかったりする。
確かに妹の声はそれなりに可愛いけどさ、妹にマリ姉の声は出せないんだから。
って言ったら『ファビョーン癇癪起こる!!!!!』とクラス中の全男子生徒(俺除く)総勢19人のフルボッコを喰らった。
これは酷い。
まさにナイツオブラウンドってレベルじゃねぇぞ。

な訳だからして、妹目覚まし黄金体験二日目の朝となる今日午前七時三十分、俺は制服にエプロン姿の妹に同じ感想をぶつけてみた。
そりゃもう直球でぶつけたさ。そしたら妹め、
0079桐莉兄2008/12/13(土) 16:46:30ID:8/vLPrCK0
「くふふっ、それはつまりお兄ちゃんはゆずねの萌え萌えロリ妹生ボイスで優しくやらしく起こして欲しいと、そういう認識で間違っていませんですね?
 生が好きなんてお兄ちゃんはエロエロですー。人類の欲望には限りが無くてこわいこわいなのですーですー」
「いや、違うぞ。断じて違う。俺が言いたいのは、俺のマリ姉ボイスをどうしてくれると」
「マリ姉ボイスなら心配ご無用なのですよー?ちゃんと外部メモリにぶっこ抜き抜きして……」
「保存してあるんだな!でかした!流石はマイシスター!」
「冗談は週休五日制くらいの勢いで休み休み言いやがれですー。あんなのファイル名サノバビッチで保存した後、綺麗さっぱり外部メモリごと土木工事用の玄翁で叩き潰して擂り潰して、
 スパゲッティトングで摘んだお父さんの水虫たっぷりの革靴の裏でごーりごーり踏み躙ってやったですーくけけけ」
「な、なにをするきさまー!!!!」
「それから、実妹近親相姦もの以外のエロゲとエロ漫画は全てターミネイトしてやったですっ!!」
「AHEYYYYYYYYYY!!!あぁんまぁりだぁぁぁぁーーーーーっっっ!!!」
「けんちゃなよなのです。もーまんたいなのです。お兄ちゃんにはゆずね一人だけ居れば十分なのですよー。
 健全な男子中学生が三次元リアル妹にラブられながら他にも二次元美少女を二人も三人も囲ってたら、幸せ独占禁止法違反で何時か其の内のこぎりで首をぎこぎこギコナビされて、
 ナイスな暴徒にniceboatされちゃうにメイビーベイビー決まっているのですですよー」
「いや、既に昨日フルボッコされたから」
「そら見るがいいなのですー。それにお兄ちゃんが食べているチーズとパセリを挟んだミニミニオムレツが絶品の美味しい美味しい朝ごはんは誰が作りましたですかー?
 味とボリュームと栄養価が見事に恋姫無双(さんごくし)された、海原雄山も味皇もよだれズビッで褒めちぎらざるを得ない、蓋を開けるのも恥かしい愛妹弁当は誰が作っているですかー?」
0080桐莉兄@キリ2008/12/13(土) 16:52:26ID:8/vLPrCK0
「@、妹のゆずね A、妹のゆずね B、妹の…って選択肢どれも同じじゃねーか!」
「YES!YES!YESなのですー!まさに殺人兵器とも呼べるお母さんのデス料理の魔の手からお兄ちゃんを守る為に単身奮闘するなんて、小学五年生なのに実に良く出来た健気な妹ですー!
 そのご多忙な妹に向かってパジャマ姿のまま生ボイスで起こしに来てついでに朝キスとか朝フェラとかしてくれたら嬉しいなーなんて、兄貴冥利に尽きるご注文は承りかねますのですよー?
 ゆずねも出来る事ならそうしたいのを血反吐4.5リットルぶちまけられたいかコンチクショーって位に我慢して自制してオナニーして自重してるんですー!
 せめてゆずねボイスの目覚まし使って脳味噌の中まで朝からゆずね一色に染まるのが妹を悶々むらむらやきもきさせる業深き兄の贖罪というものですー!そう思いやがれですよー!?」
「ちょっと待て、おまっ、もう完全に道徳とか倫理とかぶっちぎる気満々じゃねーか!!!」
「いいやっ、待たないのですっ!待たないのですっ!」
「二度も言わんでいいっ」
「大切な事なので二度言うのですー!そんなお兄ちゃんはっ、生ゴミにでも出してやるのですよーっ!!!アレをっ!!名前付きでっ!!!」
「アレって何ーーーっ!!!?」
「生ゴミに出す物なんて決まっているのですっ!お兄ちゃんの生々しい罪の証っ!一億人の大量虐殺(ほろこーすと)の屍山血河の夢の後ですっ!!!」
「ちょwwwww俺の息子と娘とオナティッシュwwwww」
「せめてもの慈悲で股間の息子は残しといてやるのですっ!ゴミ箱を妊娠させやがるつもりですかってくらいに臭い立つもりもりのアレとッ、
 ついでに使用済みのオナホールも三つ付けましてっ、お値段据え置き一万九千八百円での御奉仕ですっ!!透明なビニール袋でっ!!名前付きでっ!!!」
「いやあああああああーーーーーー出血大サービスぅぅぅーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
0083名無しさん@初回限定2008/12/14(日) 00:57:56ID:myLZb3tF0
@キリだから終わってんのかな。
GJでした!ゴミ箱を妊娠吹いたww
0088名無しさん@初回限定2008/12/21(日) 05:40:53ID:LZ/dS5T/0
朝起きたら妹が「今年のクリスマスは中止」と強弁していた
0090名無しさん@初回限定2008/12/23(火) 11:44:07ID:UiPekgDT0
朝起きたら妹が学校から帰ってきた。




そうだね、天皇誕生日だね。
0092名無しさん@初回限定2009/01/05(月) 17:45:31ID:mMvSBKvDO
アサパソ
0093名無しさん@初回限定2009/01/06(火) 15:23:13ID:5ZvBKH600
妹いるが
かわいいし、今でも一緒に寝たいと迫るけど
池沼で実の妹なんで性欲わかず攻略対象ではないですな・・・。

健常者で義理の妹なら考えるが・・・。
0095名無しさん@初回限定2009/01/11(日) 18:05:55ID:xEA47SmU0
朝起きたら、妹が「おいのちちょうだい、ぐさー」と襲い掛かってきた。
0099桐莉兄2009/02/02(月) 20:00:37ID:ST31ERUH0
居るぉ。
仕事忙しくて時間取れないけど、ちゃんと定期的に見に来てるぉ。
0100名無しさん@初回限定2009/02/07(土) 21:19:35ID:zyEnd8cNO
なんじゃらホイ
0102名無しさん@初回限定2009/02/09(月) 22:07:55ID:cg6Oacof0
朝起きたら 妹が 冷たくなっていた……



















……そろそろ機嫌なおしてくれよ。
0103名無しさん@初回限定2009/02/09(月) 23:15:18ID:ROGxvmxf0
朝起きたら俺が妹で妹が俺で
違うか
0105名無しさん@初回限定2009/02/13(金) 17:23:29ID:OakawB150
明日は5周年だというのに…

最近自分の中で新しい妹系統に
・2万人のクローンがいる妹
・表はギャル系、裏はオタク系の妹
が増えた

朝起きたら妹に痛チョコ(×板チョコ)渡された
0107桐莉兄2009/02/13(金) 21:36:20ID:2DX2x9pj0
「お兄ちゃんが食べたチョコレートの形状を答えなさい」
「ハート型……」
「正解。では次に、お兄ちゃんが食べたチョコレートの大きさを答えなさい」
「両掌に乗っかる位の大きさでした……」
「正解。そのチョコレートは手作りでしたか?」
「……はい」
「そうですか。手作りでしたか」

張り付いた冷たい笑顔のまま、妹の尋問が小一時間続いている。

「では、そのチョコレートの包装は、どんな感じだったか答えなさい」
「丁寧にラッピングされて、緩衝材と一緒にボール紙の小箱に入れて、其れにピンクのリボンが掛けられていました……」
「そうでしたか。それはそれは」

分かっている癖に聞いて来る。
その質問攻めが終わった時、僕は一体、どうなるのか。
さっさと終わって欲しい。終わって欲しくない。

「では、最後の質問です」

ドンッ。…と、僕が座っている席の目の前に突き立てられる包丁。

「ごめんなさいごめんなさい許してくださいほんと出来心だったんです」
「最後の質問です」

ギリギリッ、と、包丁を握る妹の手に力が篭る。
0108桐莉兄2009/02/13(金) 21:37:11ID:2DX2x9pj0
「これまでの質問の答えから導き出されるチョコレートの正体を答えなさい」
「明日のバレンタインデーに、好きな人に贈る為に、妹が手作りした、本命チョコレート…です」
「そうですね。本命チョコレートですね。誰がどう見ても義理とか友チョコとか、況して自分へのご褒美チョコとかの可能性は無いように思われます。凄く気合が入ってます。いえ、この場合は過去形が正しいので、凄く気合が入ってました。そうですね?」
「……はい」
「では、お兄ちゃんの足元に散らばっている物は何ですか?」
「リボンと包装紙です。それと、箱……」
「箱の中身は何処に消えたのですか?」
「……許してください勘弁してください違うんですほんの誤解なんです勘違いだったんです」

妹の目線は僕のお腹に向けられている。
このままだと、あの包丁で僕のお腹を引き裂いて、既に消化されてしまったチョコレートを手探りで臓腑を掻き回して探しながら、『中に何も入っていませんよ』とか言い出しそうなそんな目だ。

「勘違い?何の勘違いですか?お兄ちゃんはあの物体が明日のバレンタインデーに備えて全身全霊を込めて力作された私の手作りチョコだと知っていた。そうですよね?」
「……うぐぅーっ……だって……」

箱に添えられていたバレンタインカードに、大好きなお兄ちゃんへ、って書いてあったんだもの。
勘違いだってするさ。
そりゃさ、年上の幼馴染だって、親しい学校の先輩だって、優しい家庭教師の大学生やバイト先の若い支店長さんだって、お兄ちゃんかも知れないけれど。
普通、お兄ちゃんって言ったら血の繋がった実兄だって思うじゃない。つまり僕の事だけど。

「……それで……」

ああ、妹の殺気と言うか闘気と言うか鬼気と言うかが膨れ上がる。
父さん、母さん、僕はもう駄目かも知れません。

「……無断で勝手に箱を開けてチョコレートを食べてしまった、と……?」
0109桐莉兄2009/02/13(金) 21:38:51ID:2DX2x9pj0
「しーましぇーーーんっ!!!返します!今からデパート行ってゴディバの高級チョコレート買って来ます!!」
「問。高価なニットをあげるより?」
「……下手でも手で編んだ方が美しい」
「そうですか。それでお兄ちゃんはどうやって弁償してくれるつもりなのか、その目算を五十文字以内で簡潔に具体的に述べてください」
「………」
「制限時間は五分です」
「う……」
「……………十秒」
「うぅ……」
「……………二十秒」
「うぅぅ……」
「……………三十秒」
「うだらぁぁぁっ、明日になったらウンコになって出て来るわァーーーッッッ!!!!」

ひゅっ。
僕の頬を掠めて飛んで来た包丁が、背後の壁にズブッと根元まで突き刺さる。

「……問。その排泄物を箱詰めして贈られた人はどんな気持ちになるか答えなさい」

僕の方が問いたい。どうすれば許してくれるのか、小一時間問い詰めたい。
悪いのは僕か?いや、僕だよな、うん。悪かったよ。お兄ちゃんが悪かった。だからもういい加減勘弁して欲し――

「……まだ刺身包丁と肉切り包丁と菜切り包丁と中華包丁が残っていますよ?」
「まだまだ反省が足りませんでしたぁぁぁぁぁーーーーー」
0110桐莉兄@キリ2009/02/13(金) 21:53:00ID:2DX2x9pj0
2/14
早朝。妹から小箱を手渡される。
昨日間違って開封して中身を食べてしまった小箱にそっくりだ。
と言うか、全く同じようにラッピングされている。
まだ、妹の怒りは解けていないようだ。
これは当て付けだ。勝手に本命チョコを食べてしまった僕への。
中にはきっと凶悪なトラップが仕掛けられていて、開けたら最後、僕の命は恐らく、無い。

「……開けないんですか、お兄ちゃん?」
「開けます!開けますから!包丁でジャグリング始めないで下さいぃぃっ!!!」
「そうですか。では早く開けてください」

リボンを解く。包装紙を破る。中から出て来たボール箱を、恐る恐る開けてみる。
……中は空っぽだった。

「……これは、兄になどくれてやるチョコは無い、と言う事でしょうか……?」
「概ね正解かと」

夕べ、残りのチョコで製作した幾つかのチョコレート(大いに義理チョコを含む)の包みを鞄に仕舞いこみながら、振り返りもせずに妹は言った。

「……お兄ちゃんの分は昨日食べてしまったでしょう」

ですよね。
僕の分が新たに本命に化けたに違い無い。
夕べの剣幕は何処に鳴りを潜めたか、浮き浮きと玄関先に向かう妹を見て、僕は溜息を吐く。
僕は普通にチョコレートが食べたかっただけなのに。
人は何故菓子屋の陰謀に乗せられて、高がチョコレートのやり取りに過剰な意味を持たされなければならないのか。

「……だから日付に意味が有るのでしょう。平日に贈るチョコレートにお菓子以上の意味は有りませんよ、お兄ちゃん」
0112名無しさん@初回限定2009/02/14(土) 12:39:58ID:oluRVcuO0
おお桐莉兄氏、投下乙です!

久しぶりでしたが相変わらずキレがいい!笑かしてもらいましたw
0113桐莉兄@チラ裏2009/02/14(土) 14:24:38ID:aePATGAb0
ttp://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1229435627/l50
妹じゃないけどこっちの359(=325)にも一本投下。
ってか妹キャラ(由香)萌えだったんだけどね。最近良樹×赤服に属性シフトしたらしくて。

ツクスレの方はバレンタインネタで予定してた作品の一個前のネタの素材弄りで時間掛け過ぎてエターなったけど、
今の投下して次に完成したら時期遅れで投下しようかどうか迷ってるトコ。とりあえずは今tkってるの完成させにゃーと…。

久々の休日なのですよ。もっと休日欲しいです。
でも休日増えるとお給料減るんよね。あうあう。
因みに今年のチョコ獲得数はリアルじゃゼロだぜ。妄想の中では盛り沢山だぜ。
0117名無しさん@初回限定2009/02/26(木) 20:21:03ID:m8Ug4tCD0
朝起きたら妹に殺人容疑で指名手配されていた

「お兄ちゃん!また大量虐殺したでしょ!」
「何のことだ?」
「ゴミ箱にお兄ちゃんの赤ちゃんの素がこんなに・・」
丸めたティッシュを丁寧に広げて、ゆっくり味わうように残滓を舐め取ってゆく。
「すごい・・コクまろだよお兄ちゃん・・」
0118ハル ◆v73IJIDdBM 2009/03/13(金) 09:16:55ID:aV6l4G0c0
突発屋氏に業務連絡です。
元々のトリップをどうしても思い出せそうにないので、
今回投稿に使用するトリップで確定しようと思います。
0119名無しさん@初回限定2009/03/17(火) 21:56:58ID:DnrT5NZj0
0120ハル ◆v73IJIDdBM 2009/03/22(日) 02:49:22ID:+UJV+1za0
朝起きたら妹に
「昨夜は獣のようでしたね。」と言われた。

 鳥の鳴き声が聴こえ、穏やかな日差しが眸をくすぐる。
いつもの朝。月乃の声が、自分には一番の目覚ましだ。

 「おはようございます、兄さん♪」
違う事といえば、抱きしめられていたことだろうか。

―意地悪、ですね……ココはこんなにも、元気そうなのに。
 
 しっとりとした手指を汚すかのような、トロトロとあふれ出すカウパー。
見せ付けるかのように扱くのはそのままに、空いた方の手で掻き混ぜてみせる。

「昨晩も、獣のようでしたもの……思い出しただけで、この様です」

上気した顔で自虐的に微笑む彼女の、すっかり出来上がってしまった様子に
気がつけば、衝動のまま抱いていた。
白濁する意識の中、零れる精を受けて微笑むのが印象的だった……

――閑話休題

「兄さんとのこども、欲しくなったので……それだけでは、足りませんか?」
 悪戯っぽくそう囁く月乃の、困ったような顔とは裏腹の、艶やかな微笑み。
後始末をしたばかりだというのに、もう一度抱きしめるしかできなかった。
0121ハル ◆v73IJIDdBM 2009/03/22(日) 03:59:24ID:+UJV+1za0
先日のトリップテスト時に投下予定だった小ネタを書込み
ひとまずお茶を濁しておきます。
次にくる時は、突発屋氏のサイトに保管されてるものを元に
過去作品の設定を煮詰め直してきます…orz
0128名無しさん@初回限定2009/04/11(土) 18:44:59ID:wwZpmCK70
朝起きたら妹に拘束されてバンジージャンプをさせられた
0129名無しさん@初回限定2009/04/11(土) 19:29:17ID:FN9K4CryP
>128
縄が結わえられているところが首だったというオチ。 と読んだ。

おまい、何をしたんだ?
0137名無しさん@初回限定2009/05/13(水) 23:58:41ID:sd8GxpwU0
朝起きたら妹が俺をベッドから蹴り落とし優雅な寝姿を晒していた
0139名無しさん@初回限定2009/05/17(日) 17:33:05ID:CRHwD2sb0
朝起きたら妹に「わかってない! おにいちゃん全然わかってないよ!」って言われた
0140名無しさん@初回限定2009/05/26(火) 23:35:20ID:q2azW0GE0
朝起きたら妹が「職人さんたちは一体どこへ行ってしまったの?」と呟いていた
0144突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:18:08ID:cwmGUDNC0
 「ほんと、兄さんは何も分かっていませんね。」
 これが数週間ぶり………断っておくが、ンな下らないことは全然気にしてないし、マジ
で数えていた訳じゃないから適当な数字だぞ………に妹が俺に向けて喋った第一声だった
りする。
 「へーへー、どうせ分かっちゃいませんよ〜。」
 全く気にしていない証拠に、俺はおざなりな返事で逃げを打った。こんな偉そうな女と
グダグダ話しを続ける気は毛頭無いし、それで俺達の関係が今まで以上に悪化する……と
いうか距離感が増したしても、これまで太平洋横断ぐらい離れていたのが地球半周にまで
広がる程度で実質的な変化がない。
 つまり、こいつはタマタマ同じ親から生まれた単なる同居人であり、人生に於いて同じ
列車の車両に偶然乗り合わせた赤の他人というのが俺達の間柄なのである。だから、少々
嫌われても小馬鹿にされても痛くも痒くもなかったりする。だってコイツが手前勝手な基
準で俺をどう評価したところで俺の生活には何の支障もないからだ。
 が、今朝の俺は、とてつもなくツイてなかった。
0145突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:19:13ID:cwmGUDNC0
 「きゅ……きゅうじゅうさんっ!?」
 「ちょ、お母さん、大きな声で言わないで下さいっ! それにその数字は新学期の測定
で計った時の物ですから、もしかしたらゴニョゴニョ…………」
 いつもの通りの時間に起きて、いつもの同じように階段を下りると先に朝飯を食べてい
るらしい妹とお袋の声が廊下にまで聞こえていた。
 「そんなに成長してたらカップも変わってるんじゃない? いま付けてるの、苦しかっ
たりしないの?」
 「いえ普段は………じゃなくて全然平気ですから心配には及びません! なんですけど、
その、やはり去年の水着だけは……ちょっと……」
 てな感じで断片的に聞こえてくる内容だけで何となくわかってしまいそうな会話が朝食
の席では交わされているらしい。しかし俺の数少ない女友達である俺的通称デコ助も言っ
てたが、女って言うのは群れると途端に明け透けになりやがるのな。ちったぁ異性の家族、
もとい同居人の存在にも気を遣いやがれっていうんだ。せめて朝飯の時くらいは。
 「おっはよ!」
 だから俺はわざと大きな声で挨拶しながら堂々と台所に踏み込んでやった。ここは家の
中でも公共の場所なんだし、俺の方が遠慮する義務なんてこれっぽっちもないからな。
 「あ……」
 「……………くっ!!」
 不覚だったと顔に出てるお袋と、悔しそうに唇を噛み締め俯く妹。そして俺は素知らぬ
顔で普段と同じ場所……ちなみに妹の隣だが……に腰を下ろして何も聞かなかったかのよ
うな顔で朝飯に手を伸ばした。のだが、コイツは何やら俺の態度が甚く気に障ったらしく、
悔しそうな横目で睨んできやがった。
 「ンだよっ!?」
 「…………………………………(ぷいっ!)」
0146突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:21:24ID:cwmGUDNC0
 あー可愛くね……じゃなくってどうでも良い。だって冷静に考えてみろ。クラスで普段
から碌に口も聞かない奴が訳の分からない理由で腹を立てて一方的に俺を敵視して、しかも勝
手に拗ねて横を向いたとしても一々相手してやるなんて面倒なだけだろ? 例えソレが少
しくらい可愛い……じゃなくて面だけは良い女子だったとしてもだ。
 「………………………………(じーーーーーっ)」
 しかも俺が胸? の話題なんか聞いていなかったように飯を食い始めたら痴漢か何かを
非難するみたいな目を向けて来やがる。せっかく全力でスルーしてやったっていうのに何
が気に入らないんだコイツ? ひょっとして蒸し返して欲しいのか? マジ、目の前の女
が何考えてるのか理解できないんですけど?
 「え、え〜と……」
 そして不穏な雰囲気に割ってはいる糸口が掴めずオタオタするお袋。
 「ほんと、女性の内緒話を盗み聞きして優越感に浸るなんて最低ですね。なんていうか、
盗み撮りをネタに破廉恥なこと強要する犯罪者みたいで、性別云々以前に人として救いが
たい存在だと思いませんか、お母さん?」
 「な……おま……!」
 「………………………………(つーーーんっ!)」
0147突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:21:46ID:cwmGUDNC0
 こいつ、人の善意をどう曲解をすりゃそんな結論にんるんだよおい! しかも俺のこと
をそんな目で見てやがったのか!? なんつーひねくれた女だ。
 「え? え? え〜〜〜っ!?」
 「それも、よりによって実の妹相手ですよ? 血の繋がった家族のおっぱ……じゃなく
て乳ぶ……でもなくて体で興奮するなんて私には到底信じられません。お母さん、このま
までは間違いが起こるかも知れませんから私のお部屋に鍵を付けてくれませんか? 留守
の間に勝手にタンスの中を物色されているかも知れませんし。」
 「おおおお前、いい加減にしろよおい! いくら何でも言って良いことと悪い事っての
があるだろがっ!?」
 「………………………………(つんつーーーんっ!)」
 「あの……ちょっと……」
 「なら俺の方もハッキリ言わせて貰うけどな、ちょっと顔が良くて胸がでかいからって
調子に乗るのも大概にしろよ! お前みたいにトゲトゲしてて可愛げのない性格してる女
には一ミクロンの興味だって沸くかっつーんだよ! 俺に言わせりゃ外見ハリボテ女のお
前よりゃ、同じ生意気でもデコ助の方が百万倍マシなんだよ!」
 「ふ……二人ともいい加減にしなさぁぁぁぁいっ!!」
0148突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:23:17ID:cwmGUDNC0
 こうして『帰ってくるまでに謝って仲直りしていないと小遣いカット』の実刑判決と共
に朝飯の途中で揃って玄関から放り出された俺達は、誠に不本意ながらも並んで通学と相
成った。
 「ほんと、兄さんは何もわかっていませんね。」
 と何故か……いや本当に原因が理解できないんだが……憤慨収まりきらぬ妹は内心の苛
つきを隠そうともせずにチクチクと小声で攻撃してくるが、中途半端な空きっ腹のお陰か
幾分でもクールダウンした俺は、もうマトモに相手する気など無くなっていた。
 「へーへー、どうせ分かっちゃいませんよ〜。」
 こんな朝早くじゃ購買にもパンは置いてないだろうし、コンビニによると余計な物まで
買っちまいそうで怖い。だったら毎朝のようにイチャモン付けて絡んでくるデコ助から適
当に何か強奪してやるか、と半日の予定を立てている。まぁコイツだって朝っぱらから水
着云々と宣っていた所を見ると、お袋に夏に向けての資金援助の申し立てをしてって感じ
なんだろうし、お互いに利害の一致はするはずだから今はともかく放課後には適当に口裏
合わせくらいは出来るだろう。
 「全部、兄さんの所為なんですからね? どうして何も悪くない私まで一緒に怒られな
いといけないんですか。ほんとに兄さんは人の迷惑にしかならないんですね!」
 「へーへ、そりゃ悪ぅござんしたね〜」
 このクソ生意気な女に頭を下げるのは不本意きわまりないが、なんと言っても背に腹は
代えられない。他に選択肢が無いなら……
 「さっきから適当な返事ばかりじゃないですか兄さん! だいたい、私の話をちゃんと
真面目に聞く気があるんですか! 無責任も程がありますっ!!」
 「それお前が言うか!?」
 余りに身勝手な物言いに思わずマッハで突っ込んでしまった。ちなみに俺の妹は妙に発
育が良いらしくて、俺との身長差が殆ど無い。よってわざわざ視線を下げなくても軽く目
を向けただけでバッチリ目が合ってしまう。
0149突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:24:38ID:cwmGUDNC0
 「だって、どう考えても悪いのは兄さんじゃないですか! どこから盗み聞きしていた
のか知りませんけど、人のプライベートをネタに勝ち誇ったような態度を取られて怒らな
い方がどうかしてます!!」
 「なんだよその一昔前のドラマに出てきて、話の途中で脅した相手に逆に殺されちまう
モロ脇役な悪人像は! つーか俺がいつ、ンな態度取ったってんだ!? 全然覚えがない
ぞおいこら!!」
 「だって卑猥な目で私のおっ……見てたじゃないですか!」
 「見てねぇよ! だいたいお前なんかにゃ一ミクロンの興味もねぇってさっきも言った
だろうが!?」
 「いーえ見てました、それもジロジロと! 女の子に縁のない兄さんには理解できない
と思いますけど、女の子の肌は視線に敏感なんですからね!」
 「そりゃ明らかにお前の自意識過剰だぁぁぁぁぁっ!!」
 恥ずかしそうに頬を染め眉を下げながらも一歩も引く気がない妹と、理不尽この上ない
難癖に猛反発する俺とは更にヒートアップ。
 「そ、そこまで仰るんでしたら……………………これでどうですかっ!?」
 と小走りに数メートルほど前に飛び出した妹がこちらへと振り返り、仰々しく腰に手を
当て胸を張ると、93センチとかなんとか言っていた豊満なバストがブラジャーで固定さ
れているとは思えない挙動でプルンと揺れて……
 (……こうして見ると、確かに90オーバーっていうのも………!)
 「ほら、やっぱり見てるじゃないですか! それもいやらし〜〜〜目でっ!!」
 「あ……い、いや待てそれは何か……っつーか明らかに違うだろっ!?」
 「いーえ違いません。一ミクロンの興味も無いどころか飢えた野犬のように涎を垂らし
て見てました。兄さんは実の妹である私のおっぱ……欲情してたんです。もう言い逃れは
出来ませんからね!!」
 「だから待てと……」
 「この期に及んでまだ言い訳ですか!? 見苦しいのも大概にして下さい!」
0150突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:26:24ID:cwmGUDNC0
 まるで生徒の悪戯を見咎める小学校教師みたく、上半身を屈めた上目遣いで睨みつつ、
大股で近づいてくる妹。だから、そんな姿勢で歩くとプルンプルン揺れて……
 「兄さんっ!」
 「ののワっ!?」
 無駄に揺れる脂肪の固まりに気を取られた一瞬の隙を突かれ、ゼロ距離での大声に思わ
ず素っ頓狂な声を出してしまった。
 「今度という今度は本当に兄さんのことを見損なっていたと痛感しました。実の妹を肉
よ………じゃなくて異性として虎視眈々と狙ってたなんて、肉親として恥ずかしいやら情
けないやらで言葉も出ません! 人として……いえ類人猿どころか哺乳類の風上にも置
けない異常趣向なんですからね分かっていますか兄さん!?」
 「い、いや、それだけは絶対にないから!」
 他はともかく、コイツを狙うなんざ天地かひっくり返っても有り得ない。
 「知りません知りません何も聞こえませ〜ん。普段から妹をエッチな目で見てる変質者
さんの言い訳なんか聞きたくもありませ〜〜ん!」
 ぷいっ、と勝ち誇ったように顔を逸らした妹は、そのまま両手で耳を塞ぎスタスタと歩
き始めやがった。
 「おい、待てって!」
 一方的に妙な誤解をしたまま立ち去るな! とゆーかコイツ、頭に血が上って小遣いカ
ット宣告のことをすっかり忘れちまったんじゃないのか? このままじゃお前だって困る
だろうに!!
 「待ちません知りません! 一緒の空気を吸いたくありませんから側に寄らないで下さ
い付いてこないで下さい気安く話しかけないで下さいっ!!」
 と俺が後を追いかけた途端に急ぎ足になる妹。
 「子供かお前は! とゆーか俺の話を聞けよっ!!」
0151突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:27:27ID:cwmGUDNC0
 「こ〜な〜い〜で〜く〜だ〜さ〜い〜っ!!」
 更に加速して小走りになってくると運動不足の俺の方が段々苦しくなってしまう。いや
いやと髪を振り回しながらも妹はドンドン俺を引き離し……

 ぱしゃ〜〜〜ん!

 ……次の瞬間、濡れ鼠になっていた。
 「あれ、これ……なんで?」
 余りの出来事に呆然となり固まる妹(と俺)。その横を急加速して擦れ違う一台のワゴ
ンカー。そして滾々と水の湧き出している道路。
 「これ、なんてエロゲ?」
 それが俺の正直な感想だった。
 「とか感心してる場合かよ! 大丈夫か、おい!?」
 何とか先に正気に戻ることが出来た俺は、急いで妹の側に駆け寄った。単に水を被った
だけだとは思うが相手は女の子。どんなに可愛げ無くても関わり合いになりたくなくても
放っておくのは精神衛生上宜しくないので仕方なくだが安否を確かめることに。
 「え……あの、えっと……あれっ?」
 普段は凛とした瞳が所在なく漂ったかと思うと、そのまま海草が萎むみたいにヘナヘナ
とへたり込んでしまった。
0152突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:28:13ID:cwmGUDNC0
 「ってか何処かぶつけたのか!? 本当に大丈……夫、か…………よ?」
 予想だにしていなかった災難で腰を抜かしたのか、茫然自失となった妹は通学途中で、
となると当然ながら学校指定の制服を着ているわけで、朝日に眩しい純白の夏用ブラウス
が水浸しになると何というか、その……つまり濡れるわけで……
 「……で、でけぇ……」
 普通に動き回るだけでもパンパンに張った水風船みたくタユンタユン揺れるナニが、ピ
ッタリと張り付いて緑色のちょいと可愛いナニも透けて見えたりして、要するに肌色がう
っすらと制服越しに……つまり妹がピンクで柔らかそうで生意気で美少女でも偉そうな妹
がびしょ濡れで大きくて……
 「……これが……きゅうじゅさん……っ」
 「っ!」
 俺の声にピクンと反応した妹は、油が切れたロボットみたいな動きで顔だけ俺の方に向
き直り、それから俺の視線を追って己の状況を確認し、それから再度俺の目を見て。
 「…………………き……きぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 「ぺぐはぁっ!?」
 寸分違わぬ正確さで、しかも座り込んだ状態から上半身の遠心力だけで重そうなボスト
ンバックを俺の顔面めがけて投擲して………
0153突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/02(木) 05:36:35ID:cwmGUDNC0
続きます。

え〜と、件の削除依頼云々ですが、どうやら相手様は法律事務所にお勤めのご様子でして
現状の平行線状態が続くと「プロバイダの規約違反として 送信防止措置」ということです(意味はよくわかりませんがw)

なお、こちらは初期の主張から一歩も引く気はございませんので、公的機関のお手を煩わせるような自体に発展するやも?w
事態の進展がありましたら、また報告いたします。


ああ、リカりんの目が怖いい・・・w
0154名無しさん@初回限定2009/07/02(木) 05:41:00ID:iAUKrTUE0
おお久々の投下……!

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡      GJ!GJ!
   |   | 
   し ⌒J
0158突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:41:57ID:n0EUICkX0
 背中に乗っかり、むにゅりと形を変えながらも密着してくる感触は、そりゃあもう規格
外というか反則としか言い様がない。これがクソ生意気で可愛げが全然無くて出来れば一
生関わり合いになりたくなかった女の体の一部だとは思えないほどに柔らかくて、何枚も
の布地ごしにも温かくて、おまけにトクントクンと脈打ってやがる。
 「あの、兄さん?」
 しかも何だ、この匂いは? 気が散ってしょうがねぇだろうが。デコ助も香水か何かの
甘ったるい匂いをしてやがるけど、コイツのはどっちかっつーと汗というか体臭というか
体全体が発散してる気がする。やっぱあれか? 食ってる飯は一緒なんだから間食の違い
なのか? 甘い物食ってるからなのか?
 「兄さん? 兄さんってば!」
 それからこの足。デコ助よりも太い癖しやがって同じくらいに張りがあって柔らかいっ
てのが全く理解できねぇ。女の骨とか筋肉って、一体全体どういう構造をして……
 「もぉ兄さんっ!」
 ぎゅぎゅ〜!
 「ぐぇ!?」
 細い二の腕が首に食い込んできて意識が飛びかけた。
 「って、いきなり何すんだよ、このアマ!?」
 「な、何回呼んでもぼーーっとしてる兄さんが悪いんですっ! まさかと思いますけど、
私と体が密着しているのをいいことに、また妹相手に卑わ……じゃなくて良からぬ企み
をしているんじゃないでしょうね!?」
 「それがお前、腰抜かして背負って貰ってる人間の台詞か!? あと耳元で大きな声を
出すな、ついでに公道のど真ん中で人を変質者扱いするなっ!!」
 「そそ、それは兄さんが背中を私のおっぱ……体に押し付けて素足に触りながら興奮し
て変なオーラを出してるのが悪いんですっ!」
 「だからそれはお前の自意識過剰だって何回言やぁわかるんだよっ! ンなに俺に触る
のがイヤっつーんなら此処に置い………とにかく気が散って余計に疲れるから黙ってしが
みついてろ!!
 「くっ……!」
0159突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:43:29ID:n0EUICkX0
 そう不本意だが、全く以て不本意としか言えないが俺は現在、妹を背負って通学路を逆
行している最中だったりする。普段なら小生意気で無駄に偉そうな小娘なんぞ放って置い
て勤勉に勤しんでる俺なのだが、破裂した水道管から漏れ出し道路いっぱいに広がった水
たまりの真ん中でへたれ込んだ女子を見放すのは何とも夢見が悪そうだったし、捨てられ
た子犬みたいな顔で見上げてくるコイツが……
 (……じゃなくて交渉材料だ交渉材料! そうだよ小遣いカット宣告を撤回してもらう
には嫌々でもコイツと和解した振りをせにゃならんし、同じ仲直りの芝居でも、これをネ
タにコイツの方から土下座でもさせて……なぁ?)
 「……あの、兄さん……?」
 「ンだよっ!」
 「その……あの……私、重くないですか?」
 「……………………あ?」
 「か、勘違いしないで下さいね! 私は兄さんと違って部活もしてますし体調管理にも
気を遣っていますし、その証拠に胸が大き……とにかく平均体重からしたら軽いくらいで
すし何の引け目もありませんけど運動不足の兄さんが余りに無口なのが少しだけ気になっ
ただけなんですからね本当に他の理由なんて無いんですからね!?」
 ……つまり……何が言いたいんだコイツ?
 「あああ、あと別に心配とかしている訳ではないですけど! いつも不摂生のお手本み
たいな生活をしている兄さんが私をおんぶ……運んでる所為で腰を痛めたとか訳の分
からない言い掛かりを付けて、いやらしい要求をしないように釘を刺したいだけで、こん
なこと位で兄さんのことを見直したり好きになったりするような軽い女の子だって勝手に
思われたりしたら迷惑だから予め注意しておきたいだけなんですっ!!」
 「……なんだよ、その『いやらしい要求』ってのは?」
 断っておくが、別にコイツと話がしたくなった訳じゃないぞ? 背丈も殆ど変わらん女
だけならまだしも、二人分の荷物まで引き受けて少し疲れてきたから気分だけでも切り替
えようって思っただけだからな?
 「え? それは……その、えっとぉ……」
 「……………………」
0160突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:44:34ID:n0EUICkX0
 「……そ、そうです。朝は優しく揺すって起こしてくれとか、素足で膝枕して耳かきし
ろとか、一日二回はホッペにキスしろとかお風呂で背中を流せとか恥ずかしい格好で台所
に立てとか人が見てる所で腕を組んで体を押し付けろとか、そんな理不尽で破廉恥で良識
を疑うような……」
 「新婚プレイ?」
 「なっ……しし、しんこんっ……って一体何を……きゃぁっ!?」
 「ぬおっ!!」
 訳の分からん妄想を並べ立てた挙げ句に勝手にテンパってバランスを崩しかけた妹が更
に強く抱きついてくると、当然ながら90オーバーのナニと背中との密着面積が更に増大
するわけで。
 「に、兄さん?」
 そこそこ疲労が蓄積されたところに喰らわされたダブルパンチで危うく転倒しかけた俺
の様子を窺うように首を伸ばした妹と俺の頬が触れ合う。
 「ごご、ごめんなさい。大丈夫でしたか?」
 「良いからジッとしてろよ!」
 「……はい……」
 だからって、急に神妙な声に変わるなよ。なんつーか俺が苛めたみたいな気分になっち
まうだろーがっ! 見ろ、この空気の重さを。
 「……………重いのは荷物の方だ。」
 「……?」
0161突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:46:09ID:n0EUICkX0
 「だから二人分の鞄が重いっつってんだ俺は! お前教科書どころか辞書とかも丸ごと
持って帰ってる口だろ。もうちょっと要領よく出来ないのかよ!?」
 「あ……」少しだけ元気が戻ったらしい声「……そんなのは要領なんかじゃないじゃな
いですか! それに教材を学校に置きっぱにしにして、どうやって予習復習をするんです
か兄さんは? 学生の本分は学業なのですから、多少の無駄があるとしても、常に
勉強できる状態を確保しておくことは当然と言えると思います。」
 「うぐ……」
 ああ言えばこう言う、というか一発撃ったら百発打ち返してくるタイプの見本だという
ことをすっかり忘れてた。しかも正論で来やがるから余計に質が悪い。もちっとこう、デ
コ助みたいに意味不明なヒステリーを起こしてくれた方が楽だ。というか今の自分の立
場っつーのをコロッと忘れるなよコイツも。
 「で、でもまぁ兄さんも特別成績が悪いと言うわけではないらしいですし勉強の仕方も
人それぞれなので、私も無理強いする気はありませんけど……」
 「ンな後から思い出したみたいにフォローされても全然嬉し………ックションッ!」
 「あ……兄さん?」
 「なんでもねぇよ!」
 いつの間にやら妹の制服を湿らせていた水分が俺の方にまで広がってやがった。という
かズブ濡れのまま顔以外は満足に拭ってもない人間を背負って十分以上も歩いてりゃ同じ
くらいに濡れるのが道理というべきか。
 「あの、兄さ………きゃっ!」
 余計な事に感付いて余計なお節介をする口を塞ぐべく、俺はペースを上げて残りの道程
を一気に駆け抜けた。
0162突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:47:29ID:n0EUICkX0
 が、その程度で引っ込んでくれる程の素直さを期待したのが間違いだった。
 「どう考えてもお前が先だろうが!?」
 「いーえ兄さんが先です!」
 「そもそも前も確認せんと水溜まりに正面から飛び込んで、しかも勝手に腰抜かして往
生してたのが何処の誰だか忘れたのかよ!!」
 「それは何十分も前のお話でしょう? 私は兄さんのおか……ともかくお日様に暖めて
貰ったので私は殆ど乾いてるんですっ!」
 「それを言うなら、俺は頭から水を被るなんつーバカはやってないつーんだ! それ
にお前と違って柔な作りもしてないっての!」
 「それは初耳ですね? 部活で体を鍛えている私よりグータラな兄さんが丈夫だという
具体的な根拠を一つでもあげることが出来ますか、女性蔑視以外の要素で?」
 何とか帰宅した俺達だったが、何故かお袋は不在。よって仕方なく風呂を沸かしつつ急
いで着替えを済ませた俺達は、これまた何故か風呂場の前でどっちが先に入るかを揉める
羽目になっていた。
 「だいたい兄さんは昔から女性を軽んじてます! というか明らかに性欲を満たす道具
としてしか認知していない節があります! 今日だって実の妹である私のことを、いやら
し〜〜目で延々と視姦した挙げ句に指摘されると開き直………くしゅん!」
 「ほら見ろ、ちょっとばっか勉強が出来るからって調子こいてるからそーなるんだよア
ホが! だいたいお前は昔っから人の揚げ足っつーか屁理屈ばっか先走ってて肝心の現実
っつーのを全然見てな、へ……へっくしょぃっ!」
 「う、うぅ〜〜〜〜……!」
 「ぐぬぬ……」
0163突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/07(火) 02:48:30ID:n0EUICkX0
 ムズムズする鼻をタオルで押さえるというか隠しつつ、迂闊に口を開くと再びクシャミ
が出そうなので眼力だけで互いを牽制し合う俺達。というか冷静に考えたら恐ろしく馬鹿
馬鹿しい光景だよな、客観的に?
 「…………じゃんけんで決めましょう。」
 「あ!?」
 「こうして此処で押し問答を続けたところで……最悪の場合ですが……二人揃って風邪
を引いてしまうのがオチです。だったら、いっそのことじゃんけんで手早く決着を付けて
しまいませんかと提案してるんですっ!」
 これ以上(登校が)遅くなりたくありませんし、と小声で言い足す妹。
 「ま、まぁアレだ。頭でっかちのお前にしちゃ悪くない折衷案(?)だな。しょうがね
ぇから、それで折れて……」
 「はい兄さん、じゃんけ〜〜〜んっ!」
 「っておいっ!?」
 「ちょきっ!」
 「………………………ぱー……………」
 し、しまった、思いっきり不意を突かれて何も考えないで手の平出しちまった。
 「では選択権は私が頂きますね? さぁ兄さんお先にどうぞ〜。」
 「…………この策士が……!」
 今すぐ押し倒し………ともかく腹立たしいことこの上ない満面の悪魔の笑み湛えた妹に
背中をグイグイ押されて俺は仕方なく先に風呂を浴びることと相成った。
0168突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/27(月) 23:17:40ID:21XA5o+x0
 渋々ながら妹よりも先に入ってシャワーを浴びてみると、予想外に自分の体も冷えてい
たことに気がついた。
 「ちゃんと温まってから出ないと許しませんよ。シャワーで適当に誤魔化そうとしても
無駄ですからね?」
 「余計なお世話だ………って、なにぃ!?」
 慌てて振り返った先。浴室と脱衣所を隔てる磨りガラスにはハッキリと人型が浮かび上
がっていた。
 「ちょ、お前、なにやってんだよ!?」
 「何って……順番待ちのついでに兄さんを見張っているだけですけど何か? どうせグ
ータラな兄さんのことですから私に気を遣………恩着せがましく烏の行水で済ませて私に
更なる貸しを作るつもりなのでしょうけど、そうは問屋が卸しませんからね?」
 「………へ?」
 なんだ、その貸しってのは?
 「で、ですからっ! あくどいことだけは頭が回る兄さんは家まで運んだだけでは飽き
たらずお風呂をサッサと私に譲り、ちゃんと温まっていない所為で風邪を引いたら、それ
すら私への貸しにしてエッ……無理難題を押し付けてきて徹底的な嫌がらせを繰り返すお
積もりだったのでしょう? 私、他の人ならともかく兄さんにだけは弱みを握られたくは
ありませんので、こうして兄さんの悪巧みを事前に防いでいるんですっ!!」
 「な……!」
 このアマ、どのまでひねくれてやがるんだよおい!!
 「という訳ですからキチンと湯船に浸かって温まるまでお風呂からあがることを禁止し
ます。ここからだって兄さんが何処にいるか位は分かるんですから、お得意の悪知恵で私
を騙そうとしたって………………くしゅんっ!」
 「あ……」
 「……失礼しました。いまのは偶ぜ……………くしゅん! っしゅんっ!」
 「って、風邪引きそうなのはお前の方じゃねぇかよっ!」
0169突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/27(月) 23:19:30ID:21XA5o+x0
 「い、いえ、ご心配には及びません。それに万が一風邪を引いたとしても兄さんに弱み
を握られるよりは全然まし……っ……ですから。」
 「……………………………」
 「っくちんっ!」
 ああもう! どんだけ懐疑的で被害妄想で、オマケに自己中で頑固で自尊心の固まりな
んだよコイツは!? コイツの頭ン中じゃ、俺はクシャミの連発を余裕で聞き流しつつ堂
々と湯に浸かってられ冷血漢と認識されてるのかよ。それに親切心で負ぶってやったのを
貸しとか何とか訳のわからん…………………貸し?
 「…………おい!」
 「っくちん! な、なんですか?」
 「俺、お前を背負って運んでやったよな、しかも鞄と一緒に?」
 「……ほんとうに不愉快ですけど、そんなこともありましたね。」
 「あ〜あ、筋肉だらけで重くて可愛げの欠片もない女を運んで疲れたな〜。」
 「くっ……!」
 「しかも背中で散々愚痴られた挙げ句、よぉく考えたら『ありがとうございます』の一
言すら言って貰ってねぇわ俺。」
 「……やっぱり最低ですね兄さん。か弱い女の子相手に、そんな恩着……」
 「あー疲れた疲れた。疲れたな〜?」
 へっ、どうせ嫌われてんなら、とことん嫌われてやろうじゃねぇか。
 「……兄さん、何が望みなんですか?」
 妹の声が一気に低くなった。磨りガラスの向こうで悔しそうに肩を震わせてるまで透け
て見えるみたいで、ちびっと良い気分だ。
 「いや別に何も要求なんてしてないぞ俺は? ただまぁ、たまには一緒に風呂に入って
くれる妹とかが欲しいかな〜とか考えたことはあるかも知れないなぁ。ま、お前にゃ関係
ないだろうけどな〜?」
 「な……」がたん、と何かが落ちた音「……ななななななななっ……!!」
0170突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/27(月) 23:20:07ID:21XA5o+x0
 「いや、だから別に強制したりなんかしてないぞ俺は。そんなことしなくたって、ちゃ
んと別の方法でしっかりとお返しをしてくれるもんなぁ前は?」
 「ひ、ひひひひ、卑劣ですっ!」
 「え〜と、なんだったっけか? 確か毎朝優しく揺すって起こしてくれるとか、素足で
膝枕して耳かきして貰うとか、一日二回はホッ……あと恥ずかしい格好で台所に立ってく
れるとか人が見てる所で常に腕を組んで歩くとか……」
 「ななな、なんて破廉恥な妄想を……」
 いや、これ全部お前が言ったことだし。
 「いや、いっそのこと今日から『お兄ちゃんっ』って可愛い笑顔で呼んで貰う事にしよ
っかな〜?」
 「ーーーーーーーーーーっ!!」
 別に実現して貰う気なんざ全然ないが、こりゃ痛快だなおい。
 「で、でも、よく考えたら私が兄さんに負い目を感じる必要なんて全然ないじゃないで
すか! こうしてお風呂を譲って差し上げたのをお忘れですか!?」
 へへっ、そう言ってくる事ぁ予測済みだっての。
 「あれ、譲って貰ったっけか? 俺の記憶違いじゃなきゃ、ジャンケンで勝って選択権
を持ったお前が俺に順番を押し付けてきたような気がするんだけどなぁ?」
 ジャンケン自体は公正な決定方法だから取引材料にはならない。んで、ここで風呂の交
代を俺の方から持ち出すと、風邪を引く云々で拒絶の機械を与えちまう。つまり妹の逆ギ
レを誘発させて自分から交代を言い出させれば良いってわけだ。
 「う、うぅ〜〜〜〜〜っ!」
 いやぁ、悔しそうな呻き声が実に愉快だ。もう一押しすりゃ、奴の頭ン中が沸騰して普
段なら逆立ちしても出てこないような結論に行き着くはずだ。
 「あ〜疲れた疲れた本当に疲れた。そういや腰も……」
 「わかりましたっ!!」
 がたん、と再び大きな物音。今度は足でも踏み鳴らしたか?
0171突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/27(月) 23:21:11ID:21XA5o+x0
 「ほほぉ、なにがわかったのかな〜?」
 「一緒に入って差し上げれば文句はないんですねっ!?」
 「…………………………………へ?」
 あのアマ、いまなんて……
 「そそそ、その代わり一緒に入って私が兄さんの背中を流すだけですっ! 私の体に触
ったり、卑猥なポーズを要求したらお父さんとお母さんに言いつけて家から追い出して貰
いますから良いですね兄さんっ!?」
 「ちょ、おま……」
 何処をどう間違ったのか、うっすら透けてる人影がいそいそと服を脱いで……というよ
りヤケクソ気味に脱ぎ散らかしていく姿が……って半透過状態でも93センチが豪快に揺
れてるのが……
 「そうです一応は兄妹なんだし小さい頃に経験済みなんだから今更裸を見られるくらい
は別にどうってことないんです! それよりも変態大人の兄さんに弱みを握られて一生脅
迫され続ける方が遙かに非道いんですから寧ろ絶好のチャンスと言えるかも知れませんし
此を機会に兄さんとの縁を完全に精算してブツブツブツブツ……」
 「だからナニ自分に言い聞かせてんだお前! ってゆーか俺の話聞けよ!?」
 「さぁ兄さん覚悟を決めて下さいねっ!!」
 「ひぃぃぃぃぃぃっ!」
 がらがらがら、と引き戸が開かれた瞬間に俺は悲鳴を上げながら目を逸らしていた。
 ああ、チキン野郎と嘲笑ってくれよコンチクショウ!
0172突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/07/27(月) 23:24:28ID:21XA5o+x0
XBOX360,PSPに続けてDSまで買ってしまいそうです>挨拶

悪い癖ですが、書けば書くほど長くなる今日この頃。
当初の予定では今回で終わるはずだったのにぃ…………(汗
0177突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:25:19ID:NzFzZCJh0
 「……あの、兄さん……背中、当たってるんですけど……」
 「狭いんだから、しょーがねーだろっ!」
 「それにおし……おし……りも……」
 「良いから黙ってろっ!」
 結局、全裸で押し入ってきた(と思う)妹の三助奉仕は全力でご遠慮願い、妹の姿を絶
対に視野に入れないようにしながら、とにかく一緒に湯船に浸かるだけという妥協案を必
死で成立させた。んでシャワーを浴びた妹と俺は、現在一人用のバスタブの中に背中合わ
せ状態の針のむしろ状態で仲良く(?)浸かっている。
 「…………あの、兄さん?」
 「ンだよっ!?」
 「ほ、ほんとうにこれだけで良いんですか? わ、私は全然構わないんですけど、後に
なってから『あの時は』なんて言い出して背中を流せって言っても無効なんですから分か
ってますよね!?」
 「だから良いって何度も言ってるだろっ!」
 背中って、確か一番皮下脂肪が少ない所だよな? だったらコイツの背中は何でこんな
に柔らかいんだよ! 絶対に人間の触感じゃないだろコレ! しかも細いし、あったかい
し、超スベスベなのが信じらんねぇ! デコ助よりも大柄な癖しやがって、こうやってみ
ると全然同じって、物理法則に喧嘩売ってんじゃねぇのかおい!? しかも、奴にはコレ
以上に皮下脂肪が集中している部分が更にあったりするっつーんだから恐ろしい。
 「……あの、兄さん?」
 オーライ、俺はクールだ。よく考えてみろ。俺は女と手を握ったこともないヘタレとは
違うんだしデコ助のお陰で耐性だってある筈だ。しかも相手は妹だ、クソ生意気で可愛げ
が無くて屁理屈しか取り柄がないアウトオブ眼中の存在なんだから、別に変に意識する必
要なんて一ミクロンだって無いし、そもそも女生徒A程度の価値しかないんだ。
 「兄さん?」
0178突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:26:25ID:NzFzZCJh0
 それにコイツに変な勘違いなんてされてみろ。またグダグダと妙なイチャモンを付けら
れて延々と嫌味を言われるに決まってる。いや下手するとコレを根に持って理不尽な要求
だってされるかもだ。それに93センチだか何だか知らんが見えもしない限りは何の脅
威にもなりゃしねーんだ。
 「もぉ兄さんってば!」
 ごすっ。
 「ごふっ!?」
 後頭部に打撃(頭突きと推定)を受け目の前に星が散らばった。
 「だから何すんだよ、お前はっ!?」
 「だから何なんですか、この空気の重さは! 私も一緒に入れと言い出したのは兄さん
なのに、その兄さんが話も振らずにオドオドしてどうするんですか!?」
 「う、ぬぬぬ……」
 「唸っても無駄です。まったく浅はかと言うか意気地がないんだから……」
 「ちょ……なんなんだよその言い草は! さてはお前、なんで俺が一緒に入れとか言っ
たか本当はわかってて言ってるんだな? そうだよなっ!?」
 「はい勿論です。兄さんは妹のはだ……あられもない姿を視姦しつつ、そのまま背中を
流させながらお母さんが居ないのを良いことに不可抗力の振りをして好き放題に触ろうと
画策したことくらいは重々承知してます。もっとも実行寸前になって臆病風が首をもたげ
た所為で、触るどころか見ることすら出来ない様ですけど。」
 「ちょ……おま……!」
 マジか? マジでンなこと考えてるのかこのアマは!? 思考のベクトルが明らかに歪
曲してるっつーか、どこの惑星発の非炭素系敵対的な地球外起源種なんだよ!?
 「あら、違うのですか?」
 「ッたり前だろーが、このヘソ曲がりの自意識過剰女っ! いいか、俺はなぁ!」
 「はい。」
 「俺は、お前が困って……!」
 ……いや待て、ここで『お前が困ってたから』と言ったとしてヤツが素直に認めると思
うか? これまでのパターンからすると、むしろ『そんな恩着せがましい言い訳を』とか
逆に悪者扱いされる可能性の方が断然高いんじゃないのか? それに情に負けたっつーこ
とは相手にそれなりに気があるって(もちろん俗に言う惚れた腫れたってのとは絶対に
違うが)ことで、それってシカト合戦で成り立ってる俺達の関係じゃ敗北宣言どころか降
伏宣言と同義じゃねーのかおい!
0179突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:27:27ID:NzFzZCJh0
 「兄さん?」
 「……お前が困って……困ってる所を見たかっただけで……」
 「…………」
 「……別に裸を見たいとか何とか、その……深い意味は……」
 「最低ですね。!」
 はい、いくら他に何も思いつかなかったとは言え最低の言い訳だなーと、言ってから自
分でも思いました。
 「そんな幼稚な動機で年頃の妹に裸……一緒にお風呂に入れと遠回しに強要するなんて、
もはや性根を疑うしかありません。まだ嘘でも……えっと……見たいからとかとかさ、さ
さ、触りたいからとか言われた方がマシです。いえ、いっそのこと恥ずかしい格好で奉仕
をさせたかったと言われたいくらいです。」
 「うぐ……」
 「こんな子供じみた発想しかできなくて、しかも意気地無しで卑劣な癖に性欲だけは人
一倍強くて、実の妹を相手に破廉恥この上ないセクシャルハラスメントを『困った顔が見
たいから』などと言う低俗な興味本位で押し付け、それでも背中とおし……肌を密着させ
て悦んでいるような兄と壁一つ隔てただけの鍵すら付いていない部屋で暮らしているなん
て、これはもう血が繋がった実の妹の私でも立派な貞操の危機です!」
 「い、いや、それはさすがに……」
 ひつこいようだが、妹とすら思ってないお前に興味なんて無いし。
 「……流石に、なんですか?」
 うお、めっちゃ怖いジト目で睨まれた!
 「だってお前、冷静に考えてみろ。家の中に二人っきりで、しかもお互い何も着てない
し、これ以上ないってくらい密着してる状態だぞ今! こんな据え膳状態で何のアクショ
ンも起こさないって事は、それこそ全然これっぽっちも一ミクロンも興味が無いって証明
に……」
 「え? あ……い、いーえ違います。兄さんは本当は私のおっぱ……胸に興味津々で触
りたくて仕方がないのに私が油断していないので怖くて手が出せないだけなんですっ!」
 お、ちょっとムッとしたか? しっかし間近で見ると綺麗な目してやがんなコイツ。
 「いや、だから裸になって怖がってんのはお前……」
0180突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:29:51ID:NzFzZCJh0
 「勝手なことを言わないで下さい! い、一応は家族ですし、気弱な飼い犬みたいな情
けない声で泣くだけで手も出せないへ、ヘタレ? の兄さんに見せるくらいは怖くも何と
もありませんから! 兄さんこそ、いままで触れたこともないのですから女の子の素肌の
扱い方なんて何も知らないんでしょう? 怖いって認めて謝るなら今の内ですからね!?」
 いや、そう言いながら目が泳いでるだろお前? しかも耳まで赤く……ん?」
 「な、なんですか……!」
 あれ? なんで俺はコイツの表情の微妙な動きまで逐一観察出来てるんだ? しかも色
までわかるって事は見てるってことだよな? でも二人揃って背中合わせ? だったら俺
が振り返ったって耳は見えても目とか口とかは無理だよな? とゆーことは妹も俺の方を
向いてるってことになる……のか?
 「……あ、あの、兄さん?」
 オーライ、落ち着け、俺はクールだ冷静だ。いまさら現実逃避しても無駄なんだから俺
も妹も罵り合ってる間に思わず振り返ったのは認めよう。それだけなら別に……
 「兄さん?」
 ……口紅付けてない生の唇って、こんなに甘そうな色をしてんのかよ? って、そうじ
ゃねぇだろ! そう首だけ曲げた程度じゃ胸なんて見えない……と思うから……
 「もぉ兄さんってばっ!」
 「いでででででっ!」
 んな乱暴に人の頬を摘んで引っ張るな! それに、そんなに体の向きを変えたら93セ
ンチが……センチが……
 「………………………………浮いて……る?」
 「え?」
 見えてしまうのも想定内だったのか、或いは女の防衛本能が無意識レベルで発動したの
かわからないが、残った片手が肝心の先端部分を巧くカバーしている。が、重力の影響か
ら幾分かでも解放され、水圧で四方八方から押し出された妹の豊満なナニは文字通りの釣
り鐘型。ユラユラと揺らめく透明な水面の下で宇宙遊泳みたいにぷかぷか揺れている様
は圧巻というか現実離れしているというか……
 「まじ、でかい……」
 「あ……!」
0181突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:30:27ID:NzFzZCJh0
 これ、一個でも俺の頭くらいのボリュームあるんじゃね? しかも水の層の向こうにあ
るっつーのにピチピチっと程良い弾力と柔らかさがわかる。でも表面はシットリのツルツ
ルなんだよなアレ。くっそ〜デコ助の奴、年上なんだからコレの半分くらいの大きさは確
保しとけってんだ! 
 「あ、あ……ああああ……っ!」
 でもアレだよな、これだけ大きけりゃ掴んで揺らしたり指が沈む感触とか、それこそデ
コ助にゃ死ぬまで不可能っぽいパイズリとか出来るよな? ってゆーか、むしろやらない
と損なレベル? いや、その前に先ず重さを堪能したり谷間作って顔を埋めて……
 「にににに兄さんっ!?」
 しかも手ブラ? が反則なくらいにエロい! 雑誌のグラビアで見たときは何も感じな
かったが、こうして生で、しかもモデル級サイズのを上からとなると断然違う。首筋から
鎖骨へ、そしてそのまま剥き出しの腕と同じ色の肌が見事な形で盛り上がってタユンタユ
ンと揺れてるビジュアルだけでマジ鼻血が出そうだ。このキングサイズの女の象徴が、ほ
んの数十分前まで俺の背中に乗っかって、スリスリと形を変えながら押し付けられたなん
て信じられねー幸運じゃねーかおい!
 「み、みみみみ見て……るんですよね?」
 「おー……おおっ!?」
 うわ手ブラを押し付けただけでムニュっと形が変わった! これが体操服で運動してプ
ルプル上下に跳ねてるトコとかビキニ(それ以外は却下だ)で仰向けになってプリンみた
いな形になってるトコとか寝間着代わりのノーブラYシャツでボタンが飛びそうになって
る状態で襟元から覗く谷間とか裸エプロンで脇からはみ出してるのとか膝枕して貰って下
から見上げるボリューム感とか抱きつかれて腕が間に挟まってるのとかがスゲー見たくな
ってきたぞ俺!
 「まま、まだ見るんですかっ!?」
 なんか遠くの方で謎の生物がピーチクパーチク囀ってるみたいだけど、ンなことはもう
どーでもいい! こうなったら国際天然記念物級の巨乳を俺だけの……
 「い……いぃ加減にしてなさぁぁぁぁぁいっ!!」
 せめて指が沈み込む感触だけでもと手を出そうと思った瞬間、図上からの衝撃と共に目
の前に無数の星が飛び交って……
0182突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:32:04ID:NzFzZCJh0
 「正気に戻りましたか?」
 気がつくと、目の前には風呂の湯を一瞬で氷らせそうな目付きの妹がいた。
 「……ナニヲイッテルンダオマエハ?」
 「今更取り繕っても無駄ですから。最低だ変態だ病的だとは思っていましたけど、ここ
まで重傷だったとは……」
 「……もしかして俺、全部口に出してた……?」
 だとしたら多方面的に破滅だ。
 「いえ、兄さんの妄言の数々を至近距離で聞かされずに済んだのは私にとっても不幸中の幸
いかも知れません。しかし兄さんの耳には私の抗議の声も全く届いていなかったようです
し、目玉が飛び出しそうな勢いで凝視していた目の色だけでも兄さんが私のおっぱ……欲
情していたのは明白です。しかも半開きになった口元からは牛さんの反芻みたいに涎がド
ロドロ垂れ流されていました。」
 どうやら既に破滅していた様だ。
 「まったく兄さんには実の妹も何も全然関係がないんですね。一緒にお風呂に入れと言
われた時から多少は……その、見えてしまうは仕方がないと覚悟はしていましたけど、ま
さか食い入るように……いえ、それこそ噛み付きそうな目で視姦されるとは想像もしてい
ませんでした。まぁ兄さんの理性に期待した私が愚かなだけだったんですけど?」
 「うぐ……」
 「わ、私だって自分のち……体の一部が平均値以上に発育している自覚くらいはありま
すけど……って兄さんは視線を下げようとしないで下さい! いえむしろ後ろを向いて目
を瞑ってていただけませんかっ!?」
 「さ、さーいえっさー!」
 うわ威厳がねーぞ俺。
 「こほん。と、ともかく同じ年頃の女の子の中で少々育ちすぎているにせよ、本屋さん
かコンビニエンスストアにでも行けば私よりスタイルが良い女性の写真なんて幾らでも見
れるでしょうに、どうして妹の……に固執するのか全く理解できません。」
0183突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:33:11ID:NzFzZCJh0
 「そ、そりゃお前、グラビアなんか所詮は絵に描いた餅だし……」
 やっぱ生の方が……なぁ?
 「兄さん、絵に描いた餅というのは主に想像の産物に対して使う言葉であり、グラビア
写真のように実在の映像を保存した媒体を表現する単語ではありません。それに印刷物と進行形の実体験
を比較対象にしたところで、そもそも血の繋がった家族相手に不適切な劣情を催す事への
弁解には全く繋がりませんけど?」
 「うぐぐ……」
 「以前から言おう言おうと思っていたのですけど、そもそも兄さんは何事に於いても自
制心というか堪え性がなさ過ぎます! 見たくなんか無い興味なんて一ミクロンもないと
言いながら、ちょっと私が隙を見せただけでジロジロと舐め回すような目付きで凝視する
わ、それで私が遠回しに見ないで下さいとお願いしても耳も貸さないわ、おまけに卑猥な
妄想で頭を埋め尽くして私が叩くまで正気を失ってるなんて異常です!」
 「うぐぐぐ……」
 はぁ〜、と、これ見よがしに溜息をつく音。
 「仕方がありません。私の当初の作戦からは大きく逸脱しますが、こうなっては考えを
改めざるを得ないようです。まさか、ここまでブツブツブツブツ……」
 「えっと、最後の方がよく聞こ……」
 「もう良いですから兄さんは黙ってて下さい! い、良いですか、私が良いと言うまで
そのまま指一本動かさないで下さいねっ!?」
 「ささ、さーいえっさー!」
 背後でザブザブと体を動かす気配と水面の揺らぎ。そのままタオルか何かが後ろから顔
に被せられる。
 「って、目! 目に食い込んでる! 耳が潰れる頭蓋骨が凹むって!!」
 「お、男の子でしょう! このくらいは我慢なさいっ!!」
 目隠しのつもりなんだろうが、力の入れすぎで痛くてたまらん。
 「このっ、このっ、このぉ〜〜〜〜っ!」
 「てか何だその異様に気合いの乗った掛け声は!? だから痛い、いだいって! 俺の
脳味噌を絞り出す気かお前はっ!?」
 「ジッとしてなさいと言ったでしょう! ああもう、そんなに動いたら上手く結べない
じゃないですかぁっ!!」
0184突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:34:06ID:NzFzZCJh0
 意地になって背中にしがみついてくる妹。だから、そんなにくっついたら剥き出しの9
3センチが……うわぁ! スベスベのムニュムニュが密着してるって張り付いてるって、
おまけにコリコリ何かが転がってる感触が背中に!
 「えい! やぁ! とぉっ! ふんぬっ!!」
 だから当たってるのに気づけよ! いくら視野狭窄たって、一個のことに夢中になった
ら触覚まで麻痺しちまうのかよ、このアマは!? ああクソ、早く終わらせねぇと俺だっ
てマジ暴発しちまうぞ、色んな意味で!!
 


 「ぜーせー」
 「はーはー」
 そして数分後。そこには湯船の中で揃って息を切らしている間抜けな俺達の姿が。
 「こ、これで大丈夫ですよね。私は先に上がりますけど、兄さんは私が合図するまでは
絶っっっっっっ体に出てこないで下さいね良いですね!?」
 「………………………」
 「それから今朝、お母さんに怒られた件につきましては今晩、私の指示通りにして頂き
ますから。」
 「………………………」
 「あと今更説明するまでもないとは思いますけど、兄さんと一緒にお風呂に入らされた
私がどんな目に遭ったかをお母さんに事細かく話して欲しくなかったら……わかってます
よね兄さん?」
 「………………………」
 しっしっ、と無言のまま手を振ってみせると妹は勝ち誇った余裕で鼻を鳴らしながらペ
タペタと浴室を後にする。
 「それでは兄さん、お先に失礼します。」
 そうして浴室と脱衣所を隔てる扉が閉まった次の瞬間。
 「ぶーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 限界まで押しとどめていた鼻血を噴水並の勢いで吹き出しつつ、俺は力尽きた。
0185突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/05(水) 00:36:06ID:NzFzZCJh0
以上です。
すみません、次は……もちっと?……エロいの書きたいと思います、まる!
0186名無しさん@初回限定2009/08/06(木) 13:17:05ID:yDk0E3wn0
>>185
GJ&乙でした。

93妹には期待せざるを得ません。
様々なシチュで弄り倒したい。
0187名無しさん@初回限定2009/08/06(木) 19:38:59ID:dy0oxg180
早く、エロまで持っていくんだ。
そう…「兄って、妹で童貞捨てるんでしょ??」ぐらいの勢いで
0192突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:11:29ID:b3jMeKpK0
 あの後、妹は俺を置いてサッサと学校に行きやがった。まぁ別に只の女子Aが何をど
うしようが知ったこっちゃないが、声の一つも掛けないで出掛けるのは如何な物かと思う
ぞ。お陰で家中探しまくっちまったじゃねぇか!
 いや、ほんとうにどうでも良いことなんだがな?
 「ちょっとアンタ! 私に一言の断りもなく重役出勤なんて、随分を舐めた真似をし
てくれるじゃないのよ!」
 で、急いで登校して二時限目の休み時間に教室に飛び込んでの第一声がコレだ。
 「……………」
 いや、これが担任なり生活指導担当の苦情なら、まだ一理あると思う。しかし俺は妹を
負ぶって家に戻る前に「ちょっと事故に巻き込まれまして……」と学校には一報を入れた
のだし、教室に向かう前には職員室にも顔を出して詫びを入れた(先に来た妹が俺の保護
者面して「私にも責任がありますし、どうか不出来な兄を叱らないでやって下さい」と馬
鹿丁寧に頭を下げ、遠回しに自分の株を上げつつ俺が主犯であるかのように吹聴してたと
聞いたときはプチ切れしかけたが)のだから、少なくとも怒られる謂われはない。しかも
だ今現在、俺の目の前で仁王立ちになり、反り返ると完全な平坦と化してしまう胸を目一
杯突き出して偉そうに踏ん反り返り、机に突っ伏した俺を見下ろしている身長150セン
チ未満(推定)の女は……
 「あに(何)よ、その反抗的な目は! あんた、自分の立場って言うのを本当に理解し
てる訳!?」
 「……うっせーよ、デコ助……」
 そう、単なるクラスメートにしか過ぎない俺的通称『デコ助』だ。
0193突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:12:33ID:b3jMeKpK0
 「なっ……なんなのよ、その生意気な言い草はっ! 恐れ多くもこの私が気に掛けて話
しかけあげたってうのに、他に何か言うことがあるでしょっ!?」
 「ンなものはねーよ……」
 しかも、相変わらず無駄にテンションが高い。何か変な薬でも決めてるんじゃないかと
疑いたくなる位に余計な所でエネルギッシュだ。っていうか気に掛けてるんなら、ちった
ぁ俺の疲れ具合にも気付っつーんだ。こっちは朝からハリネズミみたいな妹を相手に一日
分以上の気力とカロリーを浪費してるっつーのに、追い打ちでお前のキンキンと馬鹿高い
声が頭に響いてたまらないっての!
 「な、な……ななななななっ!」
 と頭上で歯ぎしりしている様子だが、今はデコ助が地団駄を踏んでる様で溜飲を下げ
ようと思う気力すら沸かない。何でも良いから放っておいて欲しい。
 「げ、下僕の分際で私にそんな口を利くなんて、後でどうなるかわかってるんでしょう
ね!? だいたいアンタは身の程ってものを全然…………って、やだ、ほんとうに変よア
ンタ?」
 「なんでもねーから黙ってろ……」
 「そんなグッタリして、何でもないってことないでしょ? ほら、一応は下僕の体調管
理も私の役目なんだし、ちょっとくらいなら話を聞いてあげてもいいかなって思ったり思
わなかったりしないこともないんだから、言ってみなさいよぉ!」
 「お前にゃ関係ねーんだよ、デコ助。だから黙って……」

 (ぐ、ぐぅ〜〜〜〜〜〜!)

 「………って、あ……」
0194突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:13:55ID:b3jMeKpK0
  しまった! ゴタゴタし過ぎて完全に忘れてたが、今朝は朝飯を半分も食ってないんだ
った! つーか、よりにもよって、このタイミングで鳴るか俺の腹?
 「え、なに? アンタ、お腹……?」
 うわ情けねぇ! というか最悪だ。これはもう寝たふりで凌ぐしか……
 「なにこれ、もしかして朝ご飯食べてないから元気がないだけだったの?」
 「……………」
 「呆れた! 朝ご飯も食べないで家を出て、こんな時間になっちゃうなんて、一体全体ど
んな生活してんのよアンタ! もう信じらんない!!」
 知らん知らん。俺は寝てるんだから話しかけンな!。
 「規則正しい生活リズムは健康の基本でしょうに、それすら守れない上にご飯も食べない
なんて怠惰にも程があわよ! アンタ自分自身の体調管理も満足に出来ないの!?」
 あ〜、うっせぇうっせぇ! コイツといい生意気な妹といい、なんで俺の周囲にはアレコ
レ口うるさい女ばっかなんだよ?
 「言っておきますけどね、私は健康管理だけは常に気を遣ってるわ。将来は人の上に立つ
人間ですもの。プロの意見も取り入れて食事も運動も計画的、かつ能率的に毎日毎日キチン
とこなして自分のベストコンディションを維持してるの。それなのに下僕のアンタがグータ
ラ不規則な生活してたら、私の努力とか計画が台無しじゃないのよ!?」
 いや、お前の人生プランと俺の生活態度には何の因果関係もないから。
 「それにアンタ、私達の年齢って言うのは体の成長面でも一番大事な時期なのよ! いい
加減な生活してたら、大人になってから絶対、ぜぇ〜ったい後悔するんだからね!?」
 じゃあお前のその発育度は一体何だっつーんだ? 自分で自分にダメ出ししてねぇか?
 「だからアンタも私の下僕らしく……って、ちゃんと聞いてるの!?」
 そんな大声でキャンキャン喚いたら嫌でも耳に入っちまうっつーの! 馬鹿正直に相手す
んのも怠いからスルーしてるけどな!
0195突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:15:01ID:b3jMeKpK0
 「せっかく私がアンタだけの為に特別にアドバイスをしてあげてるんだから、返事くらい
しなさいよね! だいたいアンタは……………ああもぅっ!!」
 やっと諦めたのか、ドスドスとガタイに似合わない足音を響かせながら自分の席(と言っ
ても隣なんだが)に戻っていったらしいデコ助。まったく家では妹、学校ではデコ助とつく
づく俺の日常には安穏というか平穏な時間と空間がねぇんだなと再確認。あ〜あ、どっかの
エロゲかラノベみたく癒し系のホンワカした幼馴染みとか出来ねーかと……
 「いつまでシカトしてんのよぉ〜〜〜〜〜っ!!」

 (どすぅっ!)
 
 「うげぼっ!?」
 不意打ちで上から背骨に直撃弾(肘か?)を喰らって呼吸が止まる。ついでに額と鼻先を
机に強打して目の前にチカチカお星様。っつーか、さっきの足音は撤収じゃなくて助走の為
だったのかよ!?
 「まったく、下僕の分際で寝たふりして私を無視するなんて生意気なのよね。やっぱり再
教育して性根から入れ替えないと……」
 「ってか! 俺を殺す気かよデコ助ぇっ!?」
 「あら、まだ元気余ってんじゃない万年庶民。」
 「さっきから黙って聞いてりゃ、誰がお前の下僕だ……って、なんだよそりゃ?」
 何処から持ってきたのか、デコ助が手にするそれは。
 「アンタ、サンドイッチも見たことないの? これだから食生活に潤いのない無粋な男は
嫌なのよ。これはね、第四代サンドウィッチ伯ジョン・モンタギュー伯爵が開発したと言わ
れてる由緒正しいイギリスの軽食で……」
0196突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:16:05ID:b3jMeKpK0
 「誰がサンドイッチの由来を教えろっつたんだよっ! 俺が言いたいのは、寝てる人間の
背中にエルボーを喰らわした挙げ句に……」
 「あ、あげるっ!」
 「へ?」
 ずいっ、と何の変哲もない(とは言え、コイツが持ってる以上は市販品じゃない手作りど
ころか厳選素材をお抱えシェフか誰かが調理した高級品なのだろうが)タマゴサンドを、横
を向いたまま俺に向かって突きつけるデコ助。
 「か、勘違いしないでよね! 別にアンタがお腹空かせたところで私はこれっぽっちも心
が痛んだり気になったりなんかしないんだからね!」
 「お、おぅ……」
 「でもアレじゃない? 授業中に横でぐ〜ぐ〜お腹鳴らされたりしたら授業に集中できな
いし、すぐ隣でそんな情けない顔されたらこっちまで辛気くさい空気が漂ってくるっていう
か陰気なオーラが感染するって言うか……それに下僕にお腹を空かせたまま放っておくよう
な女だって思われたら癪だから特別に食べさせてあげるっていうか、とにかくこの私が大切
なお弁当の中から恵んであげるって言ってるんだから単なる義務なんだから責任なんだから
仕方なく飼い犬に餌をあげるようなもんなんだから勝手な思い込みでニヤニヤしてないでた
っぷりねっとり感謝して有り難く思うながらその……良いからサッサと食べなさい!」
 何やら俺の理解速度を超える速さで一方的に捲し立てつつ、横目でチラチラ俺を見ながら
更にサンドイッチを近づけてくるデコ助。なのだが……
 「……えーと……」
 「だ、大丈夫よ? その、私が苦手だからカラシとかは入ってないし……」
 だから急に弱気になるなよ、調子が狂うだろうが!?
0197突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:17:07ID:b3jMeKpK0
 「いや、だからな?」
 「あによ男らしくないわね! い、言いたいことがあるんだったら口の中でモゴモゴして
ないでハッキリ……」
 「……後ろを見てくれ」
 「後ろ?」
 頭上に『?』マークを浮かべたままデコ助が振り返ると、それまで遠巻きに俺達の様子を
見物していた他の連中がザザッ、と一斉にそっぽを向いた。
 「ひっ!?」
 流石の高飛車チビ女も、ようやく現状に気付いたらしい。そう、客観的に見ると、まるで
デコ助が俺に向かって自分のサンドイッチを差し出し『食べさせてあげるから、あ〜んして
?』と典型的なバカップルのお約束シチュエーションを再現していたりするのだ。
 いや、あくまでも第三者的なビジュアルの話だからな? 間違っても現実と一緒にしない
でくれよな?
 「あ、あぅあぅあぅあぅ……」
 そして自分が衆人の視線に晒されながら近年まれに見る羞恥プレイを自ら進んで実行して
いたのだと今更ながらに気付かされたデコ助はと言うと、涙目でワナワナと口を震わせてい
るばかり。まったくもって隙だらけの女だ。
 「と、言うわけだ。まぁ気持ちだけは有り難く貰っておいてやるから、そのサンドイッチ
は自分でほげあぎょぐげげっ!?」
 「このカボチャ頭のぴ−まん頭、ミジンコ並みの低脳男っ! アンタなんか大っ嫌いなん
だからぁ! 死んじゃえ馬鹿っ! うわぁぁぁぁぁぁん!」
 タマゴサンドを俺の口の中に無理矢理押し込み、手の甲で目元をグシグシしながらドップ
ラー音と共に入り去ってゆくデコ助。なにやら半泣きになっていたような気がしないでもな
いが、どう考えても奴の自爆だから手の施しようがない。
 「げほげほっ! な、なんつー無茶苦茶な女だよ。ちったぁ俺の迷惑も…………ん?」
 気がつくと、今度は全方位からの冷凍視線が俺に向けられてて。
 「え? 俺? なんで?」
 その後、あの足で保健室に駆け込むや否や頭からシーツを被って貝になったらしいデコ助
は昼休みまで戻って来なかった。
0198突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/20(木) 23:17:34ID:b3jMeKpK0
とりあえず、ここまで。
もちっと続きます。
0200名無しさん@初回限定2009/08/21(金) 23:27:36ID:184/tB2LO
GJ!
保守っていうが、俺はあんたを待ってたぜ!

にしても、ツンデレばっかだなぁw
0201突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:28:55ID:woqFVh1V0
くぎゅ〜〜っと脳内で唱えながら読むと、ちょっとだけ幸せになれるかもしれません?>挨拶

というか最近は他の方が来ないので、我ながら相当に調子に乗ってます(汗)
0202突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:30:36ID:woqFVh1V0
 「っくしょう! 何で俺がこんな……」
 四時限目が終わるや否や、他の女子がデコ助の鞄の中から取りだした弁当箱を押し付け
られた俺は『土下座して許して貰えるまで帰ってくんなゴルァ!』と理不尽なオーラをクラス中から浴
びせられながら教室から追い出された。どうやら連中の頭ン中じゃ傲慢な俺が健気なデコ
助を苛めたという甚だ遺憾な既成事実が出来上がってるみたいだが、俺は別に手を出した
わけでも言葉の暴力を加えたわけでもない。むしろ、どっちかっつーと被害者に該当すべ
き立場だと思うんだが?
 「ってか、そもそも俺にどうしろってんだ?」
 俺に非がある云々はさておいても、デコ助が自爆して赤っ恥を掻いたのは事実だから誰
かが慰めるなり元気づけるなりした方が良いって理屈はわかる。わかるんだが、それはど
っちかっつーと親しい同性か、特に親しい所謂「彼氏」の役目であって、一方的に下僕扱
いされ口喧嘩の絶えない俺が適任とは思えない。でもミッションコンプリートしないと俺
には帰る場所すらない訳で……
 「………………」
 わざわざ遠回り(購買で俺の昼飯に加えて二人分の飲み物まで用意した)したって言う
のに、保健室に着いてしまった俺の頭ン中では、未だ今後の方針が定まっていない。
 「……だから、何で俺がこんな……」
 どれだけ考えても、何も考えつかない。というか、何て声をかけりゃ良いのかさえ分か
んねー。八つ当たりだと分かっていても、昼休みを楽しそうに過ごしてる連中の声が聞こ
えてくるだけでムカついてくる、我ながら女々しい俺。断っておくが、これまでデコ助に
頭を下げたことが無い訳じゃない。悪いと思ったら素直に認めたし、謝り倒したことだっ
て何回かはある。だが今回だけは何処にも非が見つからないというか、だからと言って適
当な事を言ったら逆ギレされそうと言うか、とにかく……
 「……ああもう! 知るかっつのっ!!」
 なんか思考の無限ループを続けるのも馬鹿馬鹿しくなってきた俺は、殆ど開き直りの心
境で保健室の扉に手を掛けた。
0203突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:32:09ID:woqFVh1V0
 「失礼しや〜す…………って、あれ?」
 が、中に人の気配はない。
 「これ何てエロゲ? お……!」
 いや、燦々と差し込む日差しで明るい上に空調の効いた快適な室内。その窓際に並んだ
ベッドの一番手前。なにやら釜に放り込む前の小籠包を連想させる人間サイズの白い球体
が震えていた。
 「おいデコ助」
 「!」
 びく、と痙攣したので間違いはなかろう。
 「なんていうかお前……その、大丈夫か?」
 自分でも陳腐だとは思うが、他に掛ける言葉も見つからない。まぁ不幸中の幸いという
か、先生も出払っているらしいので室内には二人きりだから、今回に限っては気兼ねなく
見苦しいことも言えそうで助かるのだが。
 「もう昼休みだぞ〜? 弁当持ってきてやったぞ〜?」
 扉を後ろ手で閉め、ベッドというか謎の球体に近づく。なんつーか、臍を曲げた女の機
嫌を取ると言うよりは野良猫かなんかを餌付けする時みたいな口調になってるような気が
するが、敢えて気にしない。
 「ほらほら、食わねーと大きくなれなぐほへっ!?」
 チラリと毛布の裾を捲った瞬間にニュッと突き出された拳で顔面を強打した。
 「てかグーで殴るか普通っ!?」
 「うるさいうるさいうるさぁ〜〜〜〜〜いっ! 私は誰とも会いたくないし、アンタの
間抜け面は特に見たくないんだから私の半径12756キロメートル以内に近づかないで
くれるっ!!」
 「だったら手前が地球から出てけよっ!?」
 「う、うぅぅ……ぐすっ……」
 あ、しまった! いきなりパンチを食らったもんだから素で怒鳴っちまった。
 「えっと……あー……みんなも心配してっし、なんか知らんけど俺が全面的に悪いこと
になってるから……な?」
 「あ、当たり前でしょ! 私は全然悪くないもん!!」
 「…………」
0204突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:33:18ID:woqFVh1V0
 「あによ、文句あんの!?」
 「い、いや……」
 悪いか否かと言われれば、確かにコイツは悪くないと言って良い。ただ単にマヌケ過ぎ
ただけだし。
 「ふん、だっ!」
 いや、だからといって、そこまで偉そうに踏ん反り返れる立場でもないと思うのは俺だ
けなのかもしかして?
 「だからさ、そろそろ教室に戻ろーぜ? 委員長がノート取ってくれてるらしいし、そ
れに昼からの……」
 「い・や・よ! 誰がアンタの言うことなんて聞くもんですか!!」
 「な……!?」
 いや待て我慢だ我慢! ここでブチ切れたら元も子もないだろ俺?
 「全部、ぜぇ〜〜〜んぶ、アンタの所為なんだからねっ!」
 「あ、あ〜……」
 ガキかコイツは……というかまんまガキだ! そうだ、どうせ見た目もミニマムサイズ
なんだし同級生じゃなくって近所のガキが駄々こねてるのと一緒だと思えば多少は納得も
出来るだろ? そうそう俺は少なくともガキよりは大人なんだし同じ次元で怒るのは格好
悪いだけだって! だからほれ、こういう時は……そう餌付けだ、食い物で釣ってご機嫌
を取るのが一番だ。ちょうど手元にはコイツ専用の餌もあるこったし。
 「……ま、まぁちょっと落ちつけって。もう昼なんだし、お前は昼飯もまだだろ? 気
を利かして弁当持ってきてやったから……」
 「いらないわよっ!」
 「そ、そう言わずに……」
 「ほんっと〜に使えないわねアンタ! 良い? 私は年頃の乙女なのよ? 情緒もヘッ
タクレもないアンタには分からないでしょうけど、あんな恥ずかしい目に遭ってお腹なん
か空くはずないのよっ!!」
0205突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:34:37ID:woqFVh1V0
 「でもほら、何か食った方が……」
 「ミジンコ並みの単細胞生物のアンタじゃあるまいし、繊細でデリケートな私の心の傷
はお腹が膨れた程度で治ったりはしないのよっ! 私は誰とも話したくないし食欲なんて
全然ないんだから放っておいてって……」


 (ぐ、ぐぅ〜〜〜〜〜〜!)


 「「あ……」」
 既視感、という単語を彷彿させる裏切りの音が小籠包の中から発せられた。
 「で、でもアレよね。アンタの原始的な発想にも一理くらいはあるかもね!」
 「…………………」
 「それにほら、よく考えたら私だって一生こうしてるわけにもいかないんだし、いくら
私の頭脳が明晰でも……ううん、優秀だからこそ、ちゃんと脳細胞にも糖分を補給してあ
げないと効率的に良い考えが浮かばないし、空気が読めないなりに自分からお弁当を運ん
だ下僕の顔も多少は立ててあげて度量の大きさを示すのも大切な事なんじゃないかしらっ
て私は思うのよ。」
 「…………………」
 「だから、えっと……ああもぅ気が利かない男ねっ!!」
 「おうっ!?」
 にゅ、と球体の中から急に顔だけが飛び出して来て思わず怯んでしまった。
 「ちょっと、あに人の顔見てビビッてんのよっ!」
 「いや、別にビビっちゃねーけど……」
 「そ、それなら別に良いけど。その、えと…………………あ〜〜〜〜〜んっ!」
 「…………………」
0206突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:35:38ID:woqFVh1V0
 いや、ムッとしたまま目を閉じて大口を開けたデコ助が何を求めてるのかくらいは嫌っ
ちゅーほどに良く分かるんだが、意図がイマイチ読めないっつーか……
 「あ〜〜〜〜〜〜んっ!!」
 お、更に不機嫌そうな顔になったか? というか耳まで真っ赤になるくらいに恥ずいん
だったら最初から止めとけよお前は。
 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっっ!!!」
 し、しかしだ。コイツの偏屈さから考えるに、俺の方から折れて『あ〜ん』に付き合っ
てやらんと話が先に進む可能性はゼロな訳だし、小生意気なチビ女の指図に従ってんじゃ
なくてどら猫に餌付けしてるんだと思えば……な?
 「ったく、しょーがねーなぁ。」
 仕方がないので預かってきたデコ助の小洒落た弁当箱を取り出し、綺麗に並んでるサン
ドイッチの一つを摘んで口元まで運んでやる。
 「ほれっ。」
 俺の声に反応し、チラリと片目を薄く開いてブツの有無を確認するデコ助は、
 「はむっ」
 とマンガみたいな綺麗な歯形を残して全体の三分の一ほどを頬張った。しかし、こうし
て見るとどら猫っつーよりは首を伸ばしてぴーぴー鳴いてる雛鳥に近い感じだな。これは
これで微笑ましいというか可愛いというか、なんか小動物を飼って楽しそうに育ててる奴
の気持ちが分かってきたぞ、みたいな?
 「あ〜〜〜〜〜〜〜ん」
 「お、はいはい。ほれ?」
 「はむっ、むぐむぐむぐむぐ……」
0207突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/08/28(金) 04:35:56ID:woqFVh1V0
 なんだかんだ言っても、コイツって口を開いて偉そうなご託さえ並べてなきゃ美少女っ
て部類には属すると思うんだよな。いわゆるお嬢様ってやつ? 身振りとか歩き方とか見
てると品が良さそうな雰囲気もあるし、シンプルだけど高級そうな服を普段から自然に着
こなしてるし食事マナーも徹底してるみたいだし、家で専属の家庭教師付けてるだけあっ
て英語の発音も良いし楽器なんかも嗜むらしいし。まぁ流石に発育不足のツルペタっぷり
だけは矯正のしようがなかったみたいだが。
 「あ〜〜〜〜〜〜ん!」
 「ほい」
 「はむっ、むぐむぐむぐむぐ……」
 もっとも、保健室の簡易ベッドに寝そべった(?)まま毛布の固まりの中から首だけを
突き出して口の周りをパン屑だらけにしながらサンドイッチを食べさせて貰ってる姿じゃ
何もかも台無しだろーが。
 「むぐむぐむぐ…………んんっ! けほっ、けほっ……」
 「だから、ンな姿勢でパンばっか食ってるから喉に詰まるんだろーが!」
 パンばっか食わした俺の責任は速攻で棚に上げ、念のためにと用意しておいたパック入
りの苺牛乳にストローを刺し、飲みやすいよう口元に差し出してやる。
 「う……う〜〜〜〜っ、う〜〜〜〜っ!」
 「え? なんだ? 気に入らない!? って言われても……」
 あとは俺用のコーヒー牛乳(デコ助用より30円ほど高い)しか……
 「うううっ! ううっ!!」
 「は? これが良いってか? でもこれは俺の……」
 「う、うぅぅぅ〜!」
 「………………………」
 「うぅぅ〜……」
 「っだーーーーっ! もう勝手にしやがれ、ほれっ!!」
 満足そうな顔で俺が献上してやったコーヒー牛乳(少し高級品)をちゅーちゅー吸って
るデコ助を見下ろしながら、俺は朝から更新中である一日の溜息回数の新記録を更に数回
ほど伸ばしていた。
0215突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:01:39ID:oIlJa79j0
ドリクラかぁ……>挨拶?
9393妹(仮名)のお話は今回で一旦終了です
0216突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:03:31ID:oIlJa79j0
 亀の子デコ助の餌やりが終わってから自分の昼飯(出遅れた所為で甘々の菓子パンしか
買えなかった上に、それを苺牛乳で流し込まなきゃならんという苦行)を片付けた俺は、
ようやく一息付けた。
 「って、いつまで睨んでんだよ?」
 「べ、別にっ! アンタには関係ないでしょ!」
 「いや間違いなく俺が飯食ってる様子をジロジロ見てたろーがっ!?」
 何を考えてるのか知らんが、今にも噛み付きそうな目付きで延々と睨み付けられて食い
にくいこと此の上なかったっつーの!
 「ふんっ!」
 「だから引っ込むな! (教室に)帰るんだから出てこいって!!」
 「い・や・よっ!!」
 これってアレか? 振り出しに戻るって奴か? どんなループシナリオだっつーの!
 「くそぉ! こうなったら力尽くでぐげはっ!?」
 今度は生足がヒットして後ろ向きにひっくり返ってしまった。
 「し、仕舞いにゃ本気で怒るぞゴルァ!?」
 「い〜〜〜〜〜〜っ、だ!!」
 だから何だっつーんだ、この展開は!? 無駄に偉そうなチビ女に朝からキャンキャン
喚かれた挙げ句に訳のわからん勘違いでクラス中から総スカンを食らい、何も悪いことは
してないっつーのに俺の方から貴重な昼休みを潰してまでも弁当を運んでやって手ずから
食べさせてコーヒー牛乳も進呈してやった結果がこれか? これなのか!? マジで自分
の女運を疑いたくなってきたぞ俺は!
 「……ちょっと、アンタそこにいるの!?」
 「ンだよっ、お前を引っ張ってかねーと帰るに帰れねーんだから居るよっ!」
 っくしょう、こうなったら俺もデコ助の隣のベッドで貝になるっきゃ……
 「じゃあ、脱ぎなさいよ」
 「…………………………………は?」
 デコ助の声を解析して、再確認を促すのに最も適した返答を選択するのにたっぷり五秒
はくらいはかかった……気がする。
0217突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:04:47ID:oIlJa79j0
 「あにマヌケな声出してんのよ! アンタ、私に付いてきて欲しいんじゃないの? だ
ったら交換条件で私にフェラチオさせなさいって言ったのよっ!!」
 再び突き出た真っ赤なデコ助の顔。
 「い、言っとくけど、アンタが悪いんだからね! 私の大好きなタマゴサンドを食べち
ゃった上に安っぽい飲み物しか用意できないんだから、せめてアンタの精液をお腹の足し
にしようかなって思っただけなんだからね! 優しくしてもらって嬉しかったとか、なん
か元気がなかったから慰めてあげようかななんて、これっぽっちも思ってないんだから自
惚れないでくれるっ!?」
 「いやでもお前、こんな時間から学校でだぞ!?」
 「はっ! 日曜日の真っ昼間から私をカラオケボックスに連れ込んで散々レイプした変
態にだけは言われたくないわね、この性犯罪者っ!!」
 「アレの何処がレイプだ! どっから見ても和姦だっつーのっ!!」
 入った途端に剥き出しの肩やら腕やら太股やらをスリスリ擦り付けてきて、照れ臭そう
な顔で『こ、このお店、エアコン効いてないんじゃない?』とか言いいながら上目遣いでワン
ピースの襟元をパタパタさせてた女にだけは言われたくねぇ! しかも運ばれてきたドリ
ンクを一気飲みしてから『なんだか疲れちゃった』なんて呟きながらしな垂れかかってこ
られた日には……なぁ?
 「強姦って言ったら絶対に強姦なの! 私、アンタに抱いて欲しいなんて一言もいって
ないもん! アンタが勝手に勘違いして襲いかかってきただけなの!」
 「じゃあ途中からは自分も腰を振りながら『もっとぉ!』とか甘えた声出してたのは一
体何なんだよっ! しかもお前、避妊薬飲んできたら大丈夫とか言って三回も中に出させ
て終わってからも『わ、悪くなかったわよ?』って言って抱きついたまま時間いっぱいま
で離れなかったよなっ!?」
 「れれ、レイプされてそんなこと言う訳ないでしょ! 本当だって言うなら何年何月何
時何分何秒に私が何て言ったか一言一句まで正確に再現してみなさいよっ!!」
 「だから小学生か、お前はっ!?」
 「うるさいうるさいうるさ〜〜〜〜いっ! 私の言うこと聞かないと、アンタに何され
たかパパに全部言っちゃうんだからぁっ!!」
 「な……!?」
0218突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:06:32ID:oIlJa79j0
 こ、この女、なんつー自爆テロを……!
 「す、少しは自分の立場って物を思い出したかしら? アンタは私の下僕なんだから、
私がおしゃぶりしたいって言ったら黙って粗末なモノを差し出して、私が精液飲みたいっ
て言ったらお口の中に一滴残らず出せばいいのっ!」
 「ぐぬぬぬぬ……」
 「犬みたいに唸ってないで、さっさと来なさいよね! 早くしないとお昼休みが終わっ
ちゃうじゃないのよっ!!」
 もはや俺が拒絶する可能性など皆無だと確信したらしいデコ助は、毛布の中から抜け出
して真っ白いシーツの上にチョコンと正座して、
 「あ〜〜〜〜〜〜〜ん」
 と宣いやがった。さっきと同じ雛鳥みたいな顔で。
 「あ、あのな?」
 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」
 「…………………」
 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっっ!!」
 「わ、わかった! わーったから、それ以上大きな声を出すなっ!」
 早急、かつ隠密に事態を収拾するには……これ以上なく不本意だが……奴に従うしかな
いわけで。俺はズボンのチャックを下ろしつつデコ助の側まで移動し、取り出したムスコ
を右手で扱いて半立ち程度まで刺激してから、身長角度を調整しつつ、ゆっくりとデコ助
の口の中に挿入してやった。
 「ほれっ」
 「そ、それじゃ、始めるからね? はむっ……………………ん?」
 「な、なんだよ!?」
 「……しおへははりないほうな?」
 「だから咥えたまま喋んな! ってか、ほんとにお嬢様かお前!?」
 「ちゅぷっ。 えっと……なんか塩気って言うか味が薄くない? あと石けんの香りが
するんだけど、朝からお風呂にでも入ってきたの?」
 「……朝から色々あったンだよ」
 「ふぅん? ま、良いわ。時間もないことだし、その辺りは後でゆぅ〜〜〜〜っくりと
聞き出したげる。あむっ」
0219突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:07:05ID:oIlJa79j0
 只でさえ小さな口の中、熱い唾液で濡れた口内粘膜が四方八方から押し寄せてきて敏感
な亀頭部分をヌルヌルと刺激する。加えてトロトロの舌で裏筋を舐め回されて一気に膨張
する俺の分身。
 「んふふ〜〜っ!」
 俺の生理反応に気付いたらしいデコ助が勝ち誇った目付きで嬉しそうに微笑む。もう何
度目とも知れない回数をこなしたコイツは、何の苦もなくフル勃起した俺の半分以上を口
内に収めて吸い付いてきた。
 「ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅぷっ」
 あっという間にデコ助の唾液でコーティングされた俺の分身。いつの間に覚えやがった
のか、濡らして滑りを良くした上で喉まで使ってのディープスローを始めると、唇の締め
付けだけじゃなく亀頭全体が喉粘膜と擦れて体が跳ね上がるような快感が次々と送り込ま
れてくる。
 「く……っそ!」
 余りの気持ちよさに膝が抜けそうになっちまった俺は目の前にあるデコ助の頭を反射的
に抱えちまった。そんな俺の様子に更に調子づいたらしいデコ助は、首を捻って粘膜が当
たる部分を器用に変えたり舌を巻き付けてきたりと、手を変え品を変えで次々と新たな快
感を呼び起こして俺を追い込んでいく。きっとカラオケで弄り倒した意趣返しのつもりな
んだろが、本当に底意地の悪い女だ。
 「ちゅぱっ、ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱっ!」
 「ぬ……おおおおおおおおおっ!?」
 てなことを考えてる暇もあればこそ。ギアを上げ、柔らかい頬の内側まで使われてしま
うと俺はもうお手上げ寸前。というか手も使ってないっつーのに、どこまで上手くなりや
がるんだ、このチビ助は?
 「じゅるるるっ!」
 「ぬあっ!?」
 こ、コイツの口は掃除機か何かか!? ンなパワーで吸われたら限界が……!
 「……ちゅぷぅ……っはぁ……」
 って、なんで急に止めて……?
0220突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:08:28ID:oIlJa79j0
 「……ふぅ。どう、気持ちいいでしょ?」
 ぺろり、と泡だった手前の唾と俺の先走りで汚れた口の周りを真っ赤な舌で舐め回しな
がら勝利を確信した笑みになるデコ助。
 「………………………」
 「でも、なぁんか口が疲れちゃったのよね。アンタってば、もしかして不感症か何かじ
ゃないの? ちゅるっ」
 「のおおっ!?」
 おちょぼ口で尿道口を吸引されて情けない声をだしちまう俺。
 「そ、それに良く考えたら、私がタマゴサンドの代わりに精液を寄越しなさいって言っ
てるのに私ばっかり動くのも変よね? むしろ、アンタが自家発電でも何でもして私に飲
ませてくれるのが筋ってもんじゃない?」
 「いや、だってお前がフェラ……」
 「ででででででもねっ? 今日はその、ちょっとだけ気分が良いから、その、特別にな
んだけど……ほんとに特別になんだけど……」
 「お、おう?」
 「……アンタが『どうしても』って言うなら、今日は特別に、あの、えっと、オナニー
に使いたいって言うんだったら、私のお口を貸してあげても良い……わよ?」
 いまになって考え直すと、また『レイプされた!』謂われのない罵倒を浴びる要因を与
えてしまったのかも知れない。が、気付いたときには俺はデコ助の口の中で暴れ回った挙
げ句、朝から溜まっていたイライラと一緒にありったけのザーメンを目の前の同級生の胃
袋に流し込んでしまっていた。
0221突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:14:56ID:oIlJa79j0
 「はぁっ? 持ってきてないですってぇ!?」
 「いや、だって……」
 勿体ないからと言うから後始末フェラまで任せて、そのあとは偉そうにふんぞり返るば
かりのデコ助の着付けの乱れを直し口やら顔やらを(俺の!)湿らせたハンカチでキレイ
に拭ってやっている途中で、またしても理不尽な罵倒が炸裂しやがった。
 「いつも使ってるスプレーなんだから、アンタだって知ってるでしょ! それなのに一
緒に持ってこないとか、どんだけ気が利かない下僕のよぉっ!!」
 いや、いくらなんでも無許可で女子の鞄を漁るのは非常識だろ常考? それに俺は弁当
を持ってこようなんて思っちゃいなかったし。なんで昼飯を届けるのにブレスケア用品ま
で持ち出さにゃならんのだ?
 「……さっきのコーヒー牛乳、もう一本持ってきなさい」
 「ちょ、おまえ、俺の話も……」
 「こんな精液臭い息をしながら教室になんて帰れるはずないでしょ! 他の子に変な勘
違いとかされたら、私の可憐なイメージとか優等生ぶりとかが丸つぶれになっちゃうじゃ
ないのよ! この無神経、唐変木、甲斐性無しのあんぽんたんっ!!」
 ……あんぽんたん、て随分と懐かしいフレーズだなおい。というか既に暴君とか高飛車
とか果てしなくマイナスっぽいイメージしか残ってないと思うが。
 「だからあにボサッとつっ立ってんのよアンタは! ダッシュで買ってきなさいって言
ってるのよダッシュで! さっさと行きなさぁ〜〜〜〜〜いっ!!」
 まぁ責任の一端は確かに俺にもあるわけだし、これで再びヘソを曲げられたりでもした
ら元も子もないので仕方なくコーヒー牛乳を更に一本購入して戻ってくると、保健室は既
にもぬけの殻になっていた。
0222突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:16:42ID:oIlJa79j0
 そして慌てて教室に戻った俺は……
 「そういやさっき、お前の妹とか名乗った一年が来てたぞ? すっげぇスタイル良くて
可愛かったけど、もしかして二股か? 両天秤か? 修羅場なのかよ!?」
 ……と妙なテンションで詰め寄ってくる男共と……
 「……だから、アイツ自分で……どうしてもって……土下座……」
 「えぇーっ! それでそれで!?」
 「しょうがないから特別に『あ〜〜ん』って……コーヒー牛乳……半分こして……泣い
て謝って……」
 「きゃ〜〜〜〜っ、可愛い〜〜〜〜っ!!」
 ……年頃の乙女ちっくな猫を被ったデコ助を中心にして盛り上がってる女子達から哀れ
むような面白がるようなワクテカ全開の視線を浴びることと相成ってしまった。



 追伸、そしてその夜なのだが。
 「あんた達、本当に仲直りしたのね?」
 「はい、兄さんが全面的に非を認めて下さいました。だから私も『少し言い過ぎてしま
ったかも知れまんから』と水に流したんです」
 事前に『ハイとかウン以外の返事は絶対にしないで下さいね? でないとお風呂での一
件を全て明るみに出しますからね?』と強固に釘を刺して来た妹と仲良く並んで、お袋と
臨時予算交渉に臨んだわけだ。
 「そうですよね? ね、兄さん?」
 「あ、ああ……」
 不自然な程にぴったり寄り添い、テーブルの下で足をグリグリ踏みにじられてままでは
他に返事のしようもなく。
 「仲直りって意味、わかるわよね? これからも仲良くできるのね?」
 「もちろんです。だって二人っきりの兄妹なんですから。これからは下らないことで喧
嘩なんかしませんから。ですよね、兄さん?」
0223突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:17:47ID:oIlJa79j0
 むぎゅ〜〜〜っ、と93センチを押し付けるようにして腕に抱きつき天使のような笑み
を浮かべる小悪魔。
 (って胸、胸っ! いくらなんでも引っ付きすぎだって不自然すぎるだろ!?)
 (私達の場合は、むしろこれくらい大袈裟にアピールした方が良いんです! それに兄
さんには裸を見られましたし触られるのも今日だけで三回目? ですから慣れたというか
諦めました。もっともこれが最後ですけどっ!)
 「…………………」
 (ってかお袋が疑ってるって! 睨んでるぞおい!!)
 (……仕方ありませんね、こうなったら最後の手段です。構いませんから私の頭を思い
っきり抱き寄せて下さい兄さん)
 (なぬっ? ちょ、おま……!)
 (嫌々ながらも私は既に目一杯に兄さんに体を預けているんですから、あとは兄さんの方か
らアクションを起こすしかないでしょう!?)
 (だからって、更に不自然になってどうするよ!?)
 というか、こんな浮世離れしたっつーか、明らかに危険な一線を踏み越えちまった兄妹
をいきなり演じて実の親を騙せると思ってるコイツの思考回路が心底理解できないのは俺
だけなのか!?
 (だいたい兄さんの演技が壊滅的に下手だから疑われてるんですよ! それとも私の作
戦以上の妙案が兄さんにはあるんですか!?)
 (いや、それは……)
 (だったら当初の計画通り私に従って下さい! それともお風呂の……)
 (ああもうっ! お前の方から言い出したんだからな!?)
 ヤケクソになった俺は、妹の柔らかい髪に手を差し込んで一気に引き寄せる。すると殆
ど背が変わらない妹のサラサラの髪が頬にあたり、小鳥みたいな温かさと一緒にシャンプ
ーだか何だかの爽やかな香りが……
 (っ!)
 (って、言い出しっぺのお前が緊張してどうするよ!)
 (いえ、だからこれは……………くっ!)
0224突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:20:42ID:oIlJa79j0
 だからお前が黙り込むな! 俺のパジャマの裾を指で摘むな恥ずかしそうに頬を染める
な口を震わせて涙目になるな頭をスリスリ擦り付けるんじゃないっ! どっからどう見て
もヤバい関係にしか見えんだろーがっ!!
 「……………………」
 「いやちょっと待ってくれ、お袋! なんか非常に的外れな勘違いを誘発しそうな光景
に見えるかも知れないけど絶対に違うから! ちょっとテンパってるけど、確かにコイツ
の言うとおりに和解はしたし前よりは仲良くなったんだ! そら世間様の兄妹ほどは上手
くいってないかも知れないけど、急に変われっても無理だから……その……」
 (に、にいさん……)
 (良いから俺に任せろ、な?)
 (……はい)
 スンスン鼻を鳴らしてるコイツはもはや役に立たん。妹を庇うよう、更に力を込めて抱
き寄せながら、俺はナイアガラ並みの汗を垂れ流しつつ続ける。
 「……だから、今後に期待っつーか、執行猶予期間っつーか、とりあえず今日の所はそ
んな感じで……お願いできませんでしょうか……?」
 啖呵を切った直後だというのに何故か語尾が丁寧語になってしまう俺って、やっぱヘタ
レっすか?
 「……………………」
0225突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:21:26ID:oIlJa79j0
 「……………………」
 「いやほんと、俺が何とかすっから! ちゃんとコイツのことを妹として可愛がるって
約束するから! だからその……ねぇ?」
 「……………………はぁ……」
 うわ、いま生みの親に心底あきれ返った溜息つかれましたよ俺!
 「い、いや、ぶっちゃると最悪俺は貰えなくても良いんだ! 俺は良いけど……せ、せ
めてコイツの分だけでも……ダメっすか?」
 クソ生意気で可愛げの欠片もない妹だが、流石に成長に似合った水着の一着もないっつ
ーのは女子として余りにも不憫だからだぞ? 仕方なくだぞ?
 「えっと……」
 「………………………仲良く使うのよ?」
 「つ、使う使う! ちゃんと仲良く使う! 恩に着きるよお袋……って、え?」
  仕方がない、と言いたげに渋々とお袋が取り出したのは、俺達二人分の夏休みの臨時小
遣いが『纏めて』入ってると思しき、一通の封筒だった。
 「……兄さん?」
 「あ……あはは、あははははははは……はぁ……」
 流石はお袋だ。この程度じゃビクともしないほどに計算高いぜ……




 ……こんちくしょう!
0226突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/09/02(水) 20:26:12ID:oIlJa79j0
以上です

野郎の視点でエロを書かないと駄目なのだと途中まで全く気づかなかったのも、超エロ薄なのも最近のラノベ漬けの所為ですw
あと出番は全くありませんでしたが、この兄妹には父親もちゃんとおりますんで念のため
0227名無しさん@初回限定2009/09/03(木) 04:44:03ID:Gd23v698O
遅くなったが、一番槍GJ!

93妹は、大事なお兄ちゃんに好きな人ができたらどうなっちまうのか、
そう考えるとニヨニヨが止まらないw


つか、ほんと人いないんだな
寂しいぜ
0228名無しさん@初回限定2009/09/03(木) 13:21:58ID:DocRUv0I0
乙です
突発屋氏のおかげでまた最近賑わい始めてる気がするから
地道なとこから行きましょう
0233名無しさん@初回限定2009/09/21(月) 03:34:00ID:UPrFxN0c0
>>232
.
   ヘ⌒ヽフ
  (  >ω<)・:;;:;";:; ヘッブシュン!
  / ~つ )っ~
0236名無しさん@初回限定2009/09/24(木) 02:53:32ID:mPjJ6Qg40
>>235
なぁに、次は里佳子の長編か、鳴神月華&鳴神雪帆の長編だ。
これくらいは我慢できる。
0246名無しさん@初回限定2009/10/16(金) 23:02:04ID:6GOUufpT0
|
0247名無しさん@初回限定2009/10/16(金) 23:12:22ID:m6r2QLK30
そろそろ里佳子の長編と、鳴神月華&鳴神雪帆の長編が投下される予感(根拠無し)。
0252突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/11/19(木) 03:34:08ID:ekgemYqp0
「なんだそれ?」
「ん〜? お見合い写真〜」
「!!」
「お父さんが会社の社長さんなんだって。お金持なんだねぇ。良いかも?」
「おま、ちょ、そんな理由で決めるのかよ!?」
「貧乏よりはマシだよ。真面目なタイプらしいし〜」
「そんなの写真だけで分かるわけないだろ!」
「だからお見合いで会って話すんでしょ? 結構、美形っぽいよ?」
「写真写りにアッサリ騙されるな! それに見合いだなんて既成事実を作るのが目的に決まってるだろ!」
「ん〜? なにそれ〜?」
「だからだな、会ったら最後『とりあえず』って勝手に話が進んで……」
「でもパパのお仕事関係らしいし、簡単に断ったら拙いっしょ?」
「トラップ臭がプンプンするだろ明らかに! 却下だ却下!!」
「……ダメ?」
「ダメ! ゼッタイ!」
「ん〜……」
「だから悩むな!」
「んん〜……」
「なんなら俺が親父に掛け合ってやっても……」
「兄貴がそこまで言うなら……いまから直接電話してお断りするね?」
「は?」
0253突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/11/19(木) 03:35:19ID:ekgemYqp0
「携帯取りだしポパピプペ〜♪ っと」
「ちょ、お前何で相手の電話番号なんて知って……?」
「あ、もしもし、私〜。残念だけど兄貴は嫌だって〜」
「へ?」
「うん、うん。じゃあお流れってことで、まったね〜♪」
「しかも、なんでそんなにフランクなんだおい!?」
「プチッと。はい終了〜」
「って早!」
「雪乃ちゃん、残念ですけど今回は諦めますって。良かったね兄貴〜」
「ゆ、雪乃ちゃん……?」
「だからぁ、兄貴のお見合いの相手。実は私の同級生なんだけどね〜」
「もしかして、この前お前が連れてきた大人しそうな可愛い子……?」
「兄貴に一目惚れだったんだけど、告白は恥ずかしいからお見合いにしたんだって〜」
「な……!?」
「んじゃ遊びに行ってきま〜す」
「お、おい、その写真……」
「お断りしたし見る必要もないっしょ? 私が雪乃ちゃんに返してあげるから。んじゃね〜♪」
「な、な、ななななな…………!」
0258名無しさん@初回限定2009/12/03(木) 23:31:40ID:hrc87/ZM0
朝起きたら妹に、
私のにぃにがこんなに紳士の筈がないと言われた。
0259名無し兄 ◆2Z9GE9yyj. 2009/12/08(火) 03:31:50ID:i4ZT+7KI0
朝起きたら妹に、「私のにぃに、こんなに紳士の筈ない」と言われた。

――目覚めのときは決まって、賢者のような気分だった。
爽やかな目覚めは喜ばしいこと故、気にもしなかったが
始発で帰った夜勤明けの朝、その理由を知るのだった。

「ぁむ……はぁ、んふぁ……むぅ……」

 まだおぼろげな意識の中、
雁首か鈴口の辺りをたどたどしく刺激される感覚。
裏筋や玉袋の辺りにも、指や舌を這わせているようだ。

「ふぉふぃふぇ……ふぁ……む……」
くぐもった声をあげる翠華。
熱を帯びた舌と吐息がくすぐったくて、堪らず抱きしめていたらしい。
了解とばかりにラストスパートをかけてくる。
視界が白んでいく錯覚も解け、覚醒していくのを自覚する。
「んくっ…んくっ…んふぁ…にぃに、おはようさん。」
眸を開けば、難なく嚥下し、柔らかな微笑みで答える妹がいた。

――閑話休題

「……にぃにの甲斐性なし!嗜虐主義者<サディスト>!唐変木!ニヒリスト!変態紳士!マグロ!」

心地良い疲れに思わず寝落ちしてしまった僕を待っていたのは、
シャワーから上がったばかりらしい、以前プレゼントしたネグリジェ姿の翠華だった。

「やんなるわもぅ、うち、スペルマ欲しゅうて堪らんみたいやない……イケズなんやから……」
そう言って俯くのが可愛くて、堪らず抱きしめるのだった。
<了>
0260ハル ◆2Z9GE9yyj. 2009/12/08(火) 03:59:22ID:i4ZT+7KI0
またもやトリップキー忘れて名無し同然になっていたので
「名無し兄」と名乗ってみたハルです。
設定とかのまとめを作り直しているところですけども
258さんのネタで1本できたので久しぶりに投下しました。
最近やったゲームだと、
ましろ色シンフォニー(主に桜乃)と妹スマイルがツボでした。
洗濯物を畳むときの鼻歌がちょっとシュールでしたが可愛らしかったです。

>突発屋氏
いつもお疲れ様です。
93妹もお見合い写真の子も可愛らしくて良いなと思いました。
自分の私設まとめですが、
私生活の関係上更新不能になる可能性がありますので
テンプレからは外しておいて頂けると助かります。
0264突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:06:08ID:x/mK8zJv0
こ、これは別に新展開とかじゃなくって只の保守代わりなんだから勘違いしないでよねッ!?
0265突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:07:27ID:x/mK8zJv0
 「あ……お帰り、リカりん」
 好天に恵まれた肌寒い昼下がり。本店から戻る途中で只の通行人Aのフリを
しながら店の前を通り過ぎて店内の様子を抜き打ちチェックする、という作戦
を出鼻で挫かれた里佳子は、苦虫を噛みつぶしたような顔をしながらも仕方な
く(何故か店の前を掃除していた)中学校以来の親友であり仕事に於いても相
棒の瑞樹に向き直った。
 「なんでアンタが外で掃除してるのよ? 私がいない間はフロアの責任者な
んだから目を離したらダメじゃない!」
 「いや、だからリカりんが居ない状態で私が目を離しても真面目にやるかな
って試してみようかと」
 そんな瑞樹の返答に眉をしかめる里佳子。
 「あのねぇ、私達の職種は接客、つまりサービス業なのよ! 常にお客様に
採点されながら仕事をしてるっていうのに、そんないい加減な覚悟じゃあっと
いう間に信用を失ってしまうじゃないの! いい? いつも言ってるけど一度
失った信用というものは、そう簡単には……」
 「わかったわかった、わかったから中に入ろう。いくら何でもお店の前で店
員が口喧嘩してたら拙いって」
 「あ……う、うぅ〜〜!」
 こればっかりは瑞樹の言うことに理がある。口を『へ』の字に曲げながらも
里佳子は渋々と瑞樹に続いて裏手の従業員用出入り口へと。
 「それで、本店の会議の首尾は如何でしたかな? 次期マネージャー候補さ
ん?」
 「その呼び方は止めてって言ってるでしょ! 私は別にそんなつもりでお仕
事してるんじゃないんだから」
 更衣室と隣接する休憩室兼ミーティングルームは今は無人。フロア主任の里
佳子がパイプ椅子に腰を降ろすと、すかさず副主任の瑞樹が冷蔵庫からミネラ
ルウオーターのペットボトルを取り出してくれる。
0266突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:09:06ID:x/mK8zJv0
 「いや、つもりも何も近未来の幹部候補生でもない限り、チェーン全体の企
画会議に店長の補佐で行かせて貰ったりはしないでしょ普通。それに企業に貢
献する為の出世願望なら不健全でも何でもないんじゃない?」
 「それは……そうかも、知れないけど……」
 「でしょでしょ? 伝説のアイアンメイデンも一皮剥けたみたいだし、これ
を機会に従業員思考からの脱却を目指すってのもアリじゃない? リカりん期
待されて……」
 「ちょっと、何よその「伝説のアイアンメイデン」って! もしかして私の
ことじゃないでしょうね!?」
 「いや、もしかしなくてもリカりんのことだし。ちなみに昨日今日の話じゃ
なくて高校の時から続いてる由緒正しいあだ名だから、約一名だけは知らなか
ったみたいだけど」」
 憤慨する里佳子にアッケラカンと応じる瑞樹。ただでさえ我の強そうな瞳を
持ち、一睨みでメイド服の少女達を黙らせることの出来る里佳子の威嚇を苦も
なく受け流せる数少ない人物ならではの余裕である。
 「な、なによ! みんなして人を骨董級の堅物呼ばわりして……」
 「いやいや、どっちかって言うと内面じゃなくて一生破けそうもない鋼鉄製
の処女ま」
 「そんなことよりっ!!」
 「うひゃあっ!?」
 だが、欠伸をかみ殺している隙を突いて至近距離にまで肉迫されて怒鳴られ
ると流石に怯んでしまうらしい。
 「お店、ちゃんと回ってるんでしょうねぇ? まさか私に昇進を勧めながら
営業成績を落として足を引っ張るようなことはしないわよね、中学からの親友
のサブチーフさんは?」
 「大丈夫だって、出勤率はパーフェクトなんだし。私が出ばんなきゃばらな
いようなミスもトラブルも一切無し。昨日のリカりんの檄が随分と効いたみたい
だねぇ」
0267突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:10:41ID:x/mK8zJv0
 「……午前中の売り上げは?」
 「そう来るだろうと思って打ち出しておいたよ、ほれ」
 「………………………………………」
 「ね? 売り上げも回転率も好調この上なし。だから何時までも婚期を逃し
たナマハゲみたいにてカリカリしてないで、リカりんもたまには有給とって大
好きなお兄ちゃんと……」
 「フェア商品の売り上げが落ちてる!」
 「……思う存分イチャついて、主に私の精神衛生面の為にもお店でツンツンし
ないようにストレスを……って、え?」
 「昨日の半分くらいしか出てないじゃない! いつも言ってるけど、チェー
ン展開しててもウチのお店は大きくないんだから、フロア責任者は食材の在庫
状態にも或る程度は気を配っておかなきゃ駄目でしょう! 何のために季節ご
との商品展開を計画的に行ってるのか理解してる? わざわざ農家の方に契約
をお願いして直接卸して頂いてるのだって、お客様に新鮮な……」
 「ギブギブ、もう降参だから勘弁して! っていうかリカりん、昨日の時間
毎の売り上げまで記憶してるんだ……?」
 「あら? その程度のこと、飲食店の最前線を預かる接客責任者としては当
然だと思うんだけど〜!?」
 「ひ、ひぇ〜〜〜〜〜〜っ!?」
 ギロリ、と半目で睨まれてタジタジの瑞樹。
 「私、これから店長と一緒に(本店の企画会議の結果を踏まえた支店の)ミ
ーティングだけど、終わったら即フロアに出るからシフトの調整をしておきな
いさいよね! それとフロアに出てる子に、ちゃんとお客様にお勧めをする様
に再確認しておくこと! わかったわね、未来のフロアチーフさんッ!?」
 「ささ、さーいえっさー!!」
 まったく私がいないと全然駄目なんだから! と愚痴りながら資料を抱えて
会議室に向かう里佳子の背中を直立不動の敬礼で見送る瑞樹であった。
0268突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:12:54ID:x/mK8zJv0
 そしてその夜。
 「ねぇ耕介ちゃん、そろそろ一息付けてお風呂に入ったら? リカちゃん遅
くなるみたいだし?」
 持参金で日用品を一通り買いそろえ、おニューのエプロンを身につけた真里
亜は、すっかり佐々原家の主婦となっている。恋敵である里佳子は不満タラタ
ラなのだが、自分が社会人としての責務を職場で担わなければならない現状で
は如何ともし難い。
 「お、おう…………あのさ?」
 流しに向かい、二人分の食器を鼻歌交じりで片付ける真里亜に恐る恐る声を
かける家主の耕介。従妹と義妹が同時に恋人……どころか婚約者宣言して押し
かけてきて以来、彼の神経はすり減る一報である。
 「うん?」
 「お、お前とリカってさ、昔は仲良かったよな?」
 どういう経緯があったのか耕介は知らないのだが、義姉達を「さん」付けで
呼び常に敬語を使う里佳子が真里亜相手では何故か違うのだ。お互いに耕介か
らは従姉妹であるという共通点以外にも何かあるに違いないと耕介は常々思っ
ていた。故に、上手く取り持てば円満な関係に戻せるのではないかとも。
 「そうね。初めて会った頃はリカちゃん小さかったし、耕介ちゃんの妹って
事は私の妹になるかも知れない子だったから」
 勿論リカちゃんが凄く可愛くて良い子だったのもあるけど、と最後に付け足
しながらも淡々と家事を続ける真里亜。
 「だ、だったらさ? もうちょっとこう、なんつうか……」
 「リカちゃんが、これからも耕介ちゃんの妹でいてくれるっていうなら、も
ちろん可愛がってあげるわよ。義姉として」
 ニコっ、と振り返った満面の笑みが何故か怖い。しかも自分が蒔いた種が根
底にあるだけに下手な反論は薮蛇になるだけ。こりゃ仕切り直しだと瞬時に
判断した耕介はすごすごと浴室に撤退していった。
 「……とは言え、あのリカちゃんが此処まで頑張るとはねぇ」
0269突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:14:23ID:x/mK8zJv0
 最後の皿を拭き終え、やや疲れた溜息を漏らす真里亜。どちらかと言えば古
いタイプの人間でパソコンには余り慣れていない両親を上手く丸め込み、姉妹
でそれぞれのパソコンを持ってネットを活用していた真里亜は内通者を通じて
耕介の周囲の状況を或る程度は把握していた。そして……
 「あら?」
 玄関先からの物音に彼女の思考は中断された。がちゃがちゃと急いで鍵を差し
込み開ける音に続いて開閉音とハイテンポな足音が近づいてくる。
 「あ、リカちゃん? おかえ……」
 「ただいま真里亜ちゃん遅くなってゴメンね私ご飯はまだだけど自分でする
から平気だしお仕事で汗かいちゃったから先にお風呂入ってくるから真里亜ち
ゃんはお部屋で休んでむぎゅっ!?」
 通勤着のまま居間を突っ切り風呂場に突撃しようとした里佳子だが、予想外
に素早い反応でコートの襟首を後ろから掴まれ阻止されてしまう。
 「リ〜カちゃん、どこ行くのかな〜? いま、耕介ちゃんがお風呂に入った
ばっかりなんだけどな〜?」
 「……そそ、そうなんだ? リカ、知らなかったなぁ……」
 視線を泳がせながらも捕まれたコートをトカゲの尻尾代わりに即時脱出を計る里佳子
だが、すかさずスカートの裾をキャッチさられて失敗。互いに笑顔を浮かべながら
の攻防が続く。
 「そう、知らなかったの? 原付の音もしなかったしリカちゃんお風呂場に
真っ直ぐ向かっていったから、てっきり家に着く前にエンジンを止めてコッソ
リ押して帰って、外でお風呂場の電気が点くのを待ってから急いで階段上がっ
てきたのかと思ったけど私の勘違いだったのかな? ごめんなさいねリカちゃ
ん〜?」
 「はぅっ? り、リカ、そんな悪い子じゃないもん! ままま真里亜ちゃん
の考えすぎなんだもん……」
 あからさまに動揺する里佳子と、平然とした笑みを崩さない真里亜。
0270突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:16:28ID:x/mK8zJv0
 「うんうん、そうよね〜。じゃ、良い子のリカちゃんは耕助ちゃんのお風呂
の邪魔しないように晩ご飯にしましょうね〜?」
 「あ〜ん、おにいちゃ〜ん!!」
 穏やかな笑顔のまま、涙目でジタバタと藻掻く里佳子の体を片手で引きずりな
悠々とキッチンに戻ってゆく真里亜。体格差があるとはいえ彼女の細腕からは
想像できない腕力だ。
 (まったく、昔は素直で良い子だったのに! 私を出し抜いてお風呂で楽し
もうだなんて十年早いってことをハッキリと……)
 一回り近く年下の里佳子にワイン一本で出し抜かれたばかりの真里亜に油断
などあるはずもない。それどころか、どう雪辱を果たしてやろうかと笑顔の
裏で考えていたところだが。
 (……ん? お風呂?)
 「……真里亜……ちゃん?」
 急に立ち止まった恋敵に怪訝な顔を向ける里佳子。気のせいか真里亜の頭上
で電球が光ったような気が。
 「ね、リカちゃん?」
 「う……なに?」
 正直、嫌な予感しかしない里佳子。
 「せっかくだから、みんなで一緒に入ろっか?」
 「え、え〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
 「うんうん、それが良いわ。リカちゃんに汗臭いままご飯食べさせるも可哀
想だし、ここのお風呂は広いから三人でも平気よね? リカちゃんも、それで
良いでしょ?」
 と言うが早いか向きを変えて風呂場へと戻る真里亜。当然ながら片手で里佳
子を牽引したままで。
 「そんな、真里亜ちゃんが一緒じゃリカは……って引っ張らないでよ真里亜
ちゃん! あ〜ん誰か助けてぇ〜!!」
 まるで歯医者に強制連行される子供のような里佳子の悲壮なドップラー音を
最後に、脱衣所の扉が音を立てて閉まった。
0272突発屋 ◆63./UvvAX. 2009/12/29(火) 21:25:29ID:x/mK8zJv0
おかしい!w
明らかにスレ違い的な展開しか予想できないウチの9393妹(仮)が、こんなに好評の筈が(ry

>ハル ◆2Z9GE9yyj氏
久々の投稿、ご苦労様です。

それなりのご事情もおありでしょうが、こうまでトリップ変更を連続されますと
ご本人確認が難しくなる(つまり、成り済ましとの判別が出来なくなる)等の懸念が発生してしまいます。

大変申し上げにくいのですが、最低限、御自分の履歴などの保存には一層気を遣って頂けるようお願い申し上げます。
0276桐莉兄@チラ裏2009/12/31(木) 22:06:09ID:b/0kjc0B0
ちょっと早めのあけおめ置いておきますね・・・。
0278名無しさん@初回限定2010/01/17(日) 22:41:10ID:dimMFApi0
  ☆ チン

        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・)<  新作まだー?
             \_/⊂ ⊂_)_ \_______
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/
0280名無しさん@初回限定2010/01/26(火) 23:17:05ID:KMz3zvz70
ほしゅ
02851/72010/01/29(金) 00:54:29ID:NgGf82y70
書いたぜ!o(`ω´*)o

 酷い目覚めだった。咽のかさつきで目を覚ました雪子は尋常ではないだるさと頭痛に顔
をしかめた。
 朝起きたら妹は風邪を引いていた。
 前夜から兆候らしきものはあったものの、急速な症状の悪化に雪子はインフルエンザを
疑ったが、それが分かったところでなんだろいうのだろう。結局のところ彼女にとって重
要なことは病名ではなく、冬休みの行楽行事が潰されたということにつきた。去年から計
画されていた家族と親戚の合同スキー旅行――雪子はスノーボードに挑戦するつもりだっ
た――のよりによって当日に風邪を引くなんてよほどの見返りが無ければ割に合わないと
雪子は思った。
 時計は六時三十分を指しており、部屋の外では家族が準備をしているであろうあわただ
しい音が聞こえてきた。娘を起こしに母親が部屋に着たので、雪子は風邪を引いてしまっ
たことを伝えた。母は娘の額に手を当て「あら、どうしましょ」とお決まりの台詞を出す
と自分も家に残るようなことを言い始めたので雪子はそれを断った。この旅行を一番楽し
みにしていたのはおそらく母であり、雪子としては自分のつまらない不運で人の楽しみま
で奪いたくなかった。とは言っても、病人を一人置いて旅行に出かけられるような母親で
もなかったので、結局迷惑を掛けてしまうんだろうと思っていると、母は娘に対し、より
悪い解決策を提案した。
「じゃあお兄ちゃんに看病してもらいましょう」
「はぁ?」青天の霹靂だった。
「お兄ちゃんはスキー嫌いみたいで行かないって言ってたのよ」
02862/72010/01/29(金) 00:59:41ID:NgGf82y70
 それは違うと雪子は思った。兄――そう呼ぶのも遠慮したいところだった――はスキー
が嫌いなのではなく、外に出たくないだけなのだろうと。彼は雪子から見れば引きこもり
一歩手前のろくでもない家族の恥でしかなかった。一応、勤めに出てはいるがそれ以外の
時間はほぼ部屋でパソコンをいじっているだけであり、アウトドアを健全と考える雪子に
とって彼は病的でしかなかった。
「あ、あたしもいく」
「お留守番よろしくね」母は無情だった。

 車の排気音が遠くなっていくのを耳に残しながら雪子は兄が自分の部屋をノックしても
容赦なく突っぱねてやろうと考えていた。廊下のきしむ音が聞こえるたびに彼女は身構え
たが、結局ノックをされることは無かった。それどころか、隣の部屋、つまり兄の部屋か
らパソコンの起動音が鳴り、キーボードを叩く音が聞こえはじめたとき、彼女の怒りは一
気に沸点へと達した。なんてやつなのだろう。奴には妹の風邪など眼中に無いのだ。
 結果的に彼女の望んだ放置という結末は、その過程が気に入らなかったため理不尽な憤
怒を呼び起こしてしまった。
 雪子が不貞寝を決め込もうとした時、部屋のドアがノックされた。想定外の不意打ちを
食らった雪子は「なに」と言おうとしたが乾いた咽に空気がかすれ、むせてしまった。何
度も咳き込んでるうちに部屋のドアが開き、兄が入ってきた。
「な――なんの――」声を出そうとするとセキのほうが自己主張を始めてしまい、仕方な
く彼女は咽が落ち着くのを待った。ようやくセキが止まると兄がコップを差し出してきた。
面食らった雪子は文句も言えずにコップを受け取って中身――ぬるま湯だった――を飲み
干した。
02873/72010/01/29(金) 01:02:33ID:NgGf82y70
「何の用」
 兄は肩をすくめ「風邪引いたって言うから看病しにきたんだ」
「いらないし。ほっといていいよ」
「そういうわけにはいかない。母さんに頼まれたからな」
「パソコンつけてたくせに」ぼそりと雪子がつぶやいた。
「ん? ああ、あれはグーグル先生に指導願ってただけだぜ。病人の看病なんて素人もい
いところだからね。されるほうはベテランだが」
 パソコンに詳しくない雪子だったが、どうやら勘違いをしていたということだけは分か
った。火照った顔が余計熱くなった気がした。しかしぐーぐる先生って誰だろう。医者だ
ろうか? 彼女は考えた。
「ほら顔見せてみろ」
 雪子は抵抗したい気分だったが、ばつの悪さからしぶしぶ従った。額にひんやりとした
手が当てられる。大きな手だった。
「結構熱いなー。起きれそうか?」
 雪子はかぶりを振った。身体の節々が痛かった。
「医者に行ったほうがいいんだろうけどおんぶしてやろうか?」
「いらん、でてけ」笑えない提案だった。
「気が向いたら言ってくれ。実は免許も持っている」
「まだ死にたくない」
「俺もそう思う。じゃあ何かあったら内線で呼んでくれ」彼は家の電話の子機をベッドの
脇に置き、リビングから持ってきたであろう加湿器をセットすると部屋を出て行った。
 予想外の展開と、引きこもりだと思ってた兄の意外な献身に困惑しながら雪子は頭の後
ろから来るまどろみに瞼をゆだねた。
 このろくでもない風邪を与えてくれたろくでもない神様、どうかよくあるお約束のよう
に兄が夢にまで出てきませんように。最後にそう願った。
02884/72010/01/29(金) 01:06:41ID:NgGf82y70

 ろくでもない夢の果てに雪子は勢いよく目を覚ました。焦点の定まらない視界に揺れ回
る天井が見えた。鼻は詰まり頭は重い。夢に兄はでなかったが、神様が守ったのはただそ
れだけであり、彼女が見たのは全身汗だくになるほどの悪夢だった。しかし汗をかいたせ
いか心持ち気分が楽になっていた。
 ふと見た時計は十一時五十五分を指していた。空腹感は特になかった。
 廊下のきしむ音とノックの音に寝ぼけ半分の彼女は生返事を返すと、兄がドアを開けお
ぼんに乗せられた食事を運んできた。
「起きれるかー? 食べさせてやろうか?」
「しねばいいとおもう」弱ったあたしを見てこいつは楽しんでいるに違いない、そう雪子
は思った。気合と根性で彼女は半身を起こすと額からタオルが落ちた。寝ている間に部屋
に入って乗せていったのだろう。しかしこれでは非難できないじゃないか。雪子は今日何
度目かの複雑な気持ちにかすかなため息をついた。
「うわ、すげー汗だくじゃないか。まず着替えたほうがいいぞ」
「そう思うなら部屋から出るべき」
「もっともだ」彼は料理ののったおぼんをテーブルに置くと部屋を出て行った。
「うー」ベッドから起きだし、横に座る。パジャマのボタンをはずし脱ごうとするが筋肉
が悲鳴を上げまともに動かない上にぴったりと肌にくっついた綿のパジャマは容易に脱ぐ
事はできなかった。仕方がないので下から脱ぐ事にした。蒸れた下半身をタオルで拭き、
替えのショーツをタンスから取り出すと彼女はいつものように片足を上げショーツを履こ
うとしたがそれがまずかった。弱った彼女の足は付加に耐え切れずバランスを崩し、雪子
はそのまま前のめりに倒れこんだ。
02895/72010/01/29(金) 01:09:31ID:NgGf82y70
 ゴン! という巨大なオノマトペが響き、「くぉぉぉおおぉお」と苦悶の声が雪子の口
から呪詛のように漏れ出た。
「おい、ちょっとすごい音したけどどうした――」兄がドアを開けるとそこには下半身丸
裸の妹が額を押さえながら倒れていた。
「何事だ」
「あ、あたまうった」
「どれ……出血はしてないが、こぶになりそうだなぁ」
「うう」
 あまりにも哀れな妹の姿に思わず兄は噴出してしまった。
「なんだよう……」
「頭の心配もいいけど、下の心配もしたほうがいい」
 雪子の意識はその言葉に促され、何も身につけていない下半身へと向いた。
「――き」
 その後を語る必要はなかった。

「なー、おこんなよー」
 返答は沈黙。ドタバタ喜劇のようなやりとりから三十分経過した十二時五十三分、いま
だに雪子は布団に引きこもったままだった。
「チョロっとしかみえなかったって」デリカシーのかけらもない言葉だったが、他の慰め
の言葉はすでに沈黙で返されていた。
02906/72010/01/29(金) 01:11:46ID:NgGf82y70
「胸も見た。触った」
「うっ。気にしてたのかよ」そう、あの後まともに身体が動かせない妹のパジャマを脱が
せたのも、ブラジャーを脱がせたのも、挙句上半身を拭いてやったのもすべては兄だった。
出て行け出て行けとわめく妹をしかし放っておくわけにはいかず、半ば自暴自棄になった
彼女にタオルをあて新しい服を着せてやり、なんとかなだめつけ現状に至る。
「不可抗力というか、あれは病人介護みたいなもんで、ほら人工呼吸みたいなもんだろう。
いやまぁ悪かったけど。あ、別にお前の胸が悪いというわけじゃなくてだな」
「うるさい」天然はこれだから。雪子は頭の中でそう付け加えた。
「大丈夫だって俺三次元に興味ないから!」
 慰めのつもりだろうか? だとしたら相当な自虐だと思った。雪子は兄のあまりのバカ
らしさに思わず笑ってしまった。兄をろくでもないと決め付けていた今朝までの自分に再
考慮の赤丸をつけた。
 雪子は布団から顔を半分だし兄に視線を向けた。
「別に怒ってないから」
「怒ってるようにしかみえないんだが」
「怒るに怒れない」今日はそんなことばかり。
「うん、それを聞いて安心した。安静にしてるんだぞ」
「ん……」雪子はそっと頷いた。
「じゃあ何かあったら内線で」そう言って兄は部屋のドアを開けた。
「あ――にーちゃん」
 無意識だったとはいえ自分の口から出たとは思えない言葉に雪子は再び熱が上がった気
がした。
「なに?」
「あ、あ、あり……」何気ない感謝の言葉も相手によっては愛の告白のように気恥ずかし
くなるもので――
「添い寝してやろうか?」
「うせろ!」憎まれ口くらいがちょうどいい。             おわり
02927/72010/01/29(金) 01:16:07ID:NgGf82y70
あれ? 7レスで収まると思っていたら6レスで収まっていた。これだからROM専は…。
過去の勢いを知るものとしては現状はとても寂しい(ノд`;) バレンタインデーには賑わうとイイナァ
と思いながら寝るぜ! ノシ
0293名無しさん@初回限定2010/01/29(金) 10:23:17ID:bwRvFLcg0
>>292
昔は乙というレスがついたが、最近、名無しに対しては乙レスもないよな。
02942852010/01/30(土) 20:28:33ID:jJiPGO8/0
>>292
 確かにこれは寂しいなw もうちょっと面白い話考えてみるはw
0297名無しさん@初回限定2010/02/02(火) 22:12:53ID:zNwq/N1+0
おお、規制が解けている
煽っておいて乙できなかったから凄くもどかしかったんだ
面白かったよ>>292
0300突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:01:28ID:s1kLQ+Rb0
 その日は携帯の着信音で目が覚めた……というか覚まされた。
 「ンだよ、またデコ助かぁ?」
 暗闇の中、しつこく鳴り続けるコール音を頼りに手探りで携帯を手に取り、目を瞑り布
団に潜ったまま開いて耳に当てる。毎度のこととは言え、人の都合という物を全く考えな
いチビ助のために起き出してやる気なぞ毛頭無い。
 「もしもしぃ……」
 「兄さんですか? すぐにお台所まで来て下さい」
 「………………………………はい?」
 「ですから、いますぐお台所まで来て下さい。まだ寝惚けてる見たいですけど、そのま
ま寝直したら駄目ですからね?」
 「いや、だから……」
 「それでは失礼します」
 (ぷつん、ぷーぷーぷーぷー……)
 「……って、おいっ!?」
0301突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:02:43ID:s1kLQ+Rb0
 「やっと来ましたね。さ、こっちへどうぞ」
 にも関わらず、すぐに起きて台所に出向いてやった俺は近年希に見るお人好しだと自分
でも思う。そこでは妹が部屋着にエプロンという格好で、湯煎で溶かしたと思しきチョコ
レートの匂いに包まれながらいそいそと動き回っていた。言うまでもなくバレンタインの
準備に追われていることくらいは分かるが。
 「その前に、一つ聞いてもいいか妹よ?」
 「はい、なんでしょう?」
 真夜中に叩き起こされた俺は、兄として生意気で礼儀知らず(兄限定?)の妹に猛省を
促すべく目一杯不機嫌そうな顔をしてやったのでが、当の妹さまはキョトンとした顔で小
首を傾げるだけ。果たして俺の不満オーラに気がつかない程に鈍いのか、感づいていても
全く気圧されないだけなのかわからないが、どっちにしてもダメージを負うのは俺だけの
ような気がするので敢えてスルーして話を先に進めることにする。
 「いま、何時かわかってるよな?」
 「はい勿論です。兄さん起こしたのは午前零時を少し過ぎた頃で、いまは……そろそろ
零時半になろうかというところです。健康的、かつ勤勉な生活をしている人なら一日の疲
れを癒すために眠っている時間帯ですね」
 「そ、そこまでわかってンなら……」
 「ちなみに私は真面目に部活動を終わらせてから帰宅して晩ご飯を頂いた後、予習復習
と宿題をしてお風呂に入って、お台所が空いてから明日の準備を始めたら、こんな時間に
なってしまったというだけで兄さんに嫌がらせをするために貴重な睡眠時間を削ったので
はないのですが何かご不満がおありですか?」
 「何の前振りも無しに叩き起こすだけでも立派な嫌がらせだろうが!?」
 えっと、ここって怒って良いところだよな、普通に?
0302突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:03:55ID:s1kLQ+Rb0
 「それは事前にお願いすると120%の確立で兄さんが拒否すると踏んだからです」
 「確信犯かよっ!?」
 「という訳で、ようやく冷えて固まった完成品第一号です。どうぞ?」
 「あー……」
 「ちなみに大きいのもハートの形をしているのも本命と同じ仕様で作った結果であって
他意は全くありませんので勝手な深読みはしないで下さいね。それから特別サービスでこ
れもお付けしますから文句を言う暇で早く召し上がって下さい」
 と俺愛用のコーヒーカップに湯気を上げるホットミルクを注いでフォークとナイフと共
に食卓に並べる妹。
 「………………」
 「どうしましたか兄さん? 早く座って食べないと兄さんのみならず私の睡眠時間まで
無駄に減ってしまうのですが?」
 いやだから何だその言い草は? まるで俺が妹の要求通りにチョコレートの味見(だと
思うんだが)をするのが確定事項というか当然みたいな口ぶりなんだが。
 「……その前に、もう一つ聞いて良いか妹よ?」
 「はい、なんでしょうか?」
 「俺に選択の自由は……」
 「家に兄さんとお父さんのお二人しか男性が居ない以上、最初から私の選択の幅は極め
て低いとしか言わざるを得ませんし、その程度の事なら兄さんの凡庸な頭脳でも簡単に予
測出来ると思いますが?」
 「いや、だったら親父……」
0303突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:05:41ID:BHrsUBRQ0
 「兄さんが『どうしても嫌だ』と仰るなら、遺憾ながらお父さんにお願いするしか有り
ません……………が……」
 「…………『が』?」
 「そうですね、具体的には…………『ぐすっ、頑張ってチョコレートのお菓子を作って、
やっと第一号が完成したので兄さんに食べて頂けますかとお願いしたのですが『お前の作
ったチョコなんぞ食べられるか!』と言われてしまって、仕方なくお父さんに……いえ、
こんな時間になってしまったのは私が不器用で手が遅い所為ですし、兄さんもゲームでお
忙しいので兄さんを責めないであげて下さい。本当は私も兄さんに美味しいって言って頂
きたかったのですが私が至らないばかりに……ううっ、兄さんは悪くないんです。私の要
領が悪いから嫌われただけで兄さんに罪は』」
 「何勝手に誇張してんだおい! ジャロ(公共広告機構)に訴えんぞゴルァ!?」
 しかも親父が妹の言い分のみを信じる可能性が100%近いのが非常に拙い。自分で言
うのも何だが日頃の素行の違いから、この家のヒエラルキーにおいて俺の信用度は妹のそ
れと比較して非常に低位置なのだ。
 「誇張ではなく演出といってください。お仕事でお疲れのお父さんに気持ち良く食べて
頂くには不可欠とも言うべき必要悪の範疇です」
 「……だったら俺を起こす時にも少しは演出を加えろよ……」
 というか俺の負担とか心労とかが最初から因数外なのはどうよ?
 「兄さん向けの演出ですか? なら、そうですね…………」
 「………………………」
 「……とか何とかやっている問答の時間も惜しいと思いませんか兄さん?」
 「面倒だからって考えるの放棄しただけだろ今!?」
0304突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:07:00ID:BHrsUBRQ0
 「とにかく兄さんが食べてくれさえすれば万事解決なんですから早く召し上がって下さ
い。兄さんだって時間の浪費は不本意でしょう?」
 「だから、それをお前が言うな……」
 なんか色んな意味でドッと疲れてきた俺は渋々ながら妹の勧める椅子に腰を降ろし、妹
が差し出したナイフとフォークを……
 「……って、なにゆえチョコをかじるのに食器が居るんだ?」
 「ああ、言い忘れていましたがケーキです。表面をチョコレートでコーティングしてあ
りますけど中身はビターチョコを混ぜたスポンジケーキなんです」
 「……随分と手が込んでるな……」
 しかも、よく見るとカット前の丸いケーキ(ホールっつーんだったっけ?)並の大きさ
だったりするのな。これって、材料の量も半端ないんじゃないのか?
 「そ、それは……さっきも言いましたけど本命の仕様ですから……」
 つまり明日(正確には既に今日なのだが)になれば、これに更にデコレーションされた
代物である本番仕様品を何処かの野郎がプレゼントされる訳か。このサイズじゃ下駄箱と
か机とかには入らないだろうし当然ながら手渡し。この見栄えだけは悪くなくて無駄に胸
がデカい妹が嬉し恥ずかしで真っ赤になりながら『これ、私の気持ちです』とか何とか宣
って、挙句の果てに『ど、どうぞ?』とか言いながら自分で切り分けて一口ずつ他の野郎
の食べさせてやったりするのか、この妹が?
 「…………あの、兄さん? 私の顔に何か付いてますか?」
 「な、なんでもねーよっ!!」
 「そこで逆ギレされる理由が全く理解できませんけど?」
0306突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:08:43ID:BHrsUBRQ0
 そうだ妹だ、こいつは妹なんだから誰と引っ付こうが、そもそも俺にゃ全然関係ないじ
ゃねぇか。まぁ明らかに不釣り合いなツマンナイ野郎だったらぶん殴る可能性もなきにし
もあらずだが、それは俺にだって義弟を選ぶ権利くらいはあるからであって、別に妹の色
恋沙汰に興味なんかないけどな!
 「……兄さん、早く召し上がらないとケーキはともかく、飲み物の方が冷めてしまいま
すけど……」
 「わ、わーってるって!」
 そうだ、こんな下らない用事はサッサと終わらせて寝よう。というわけで俺はハート形
の一番端っこを一口大に丁寧に切り落とし、何やらガン見してくる妹の目の前で恐る恐る
食べてみた。
 「………………どうですか?」
 「なんつーか、思ったより甘くない……みたいな?」
 「それはに……男の方に食べて頂く物ですから当然ながら甘さは抑えてあります。それ
よりも他に感想はないんですか? まぁ語彙に乏しい兄さんに参考になるような感想なん
て期待していませんけど、もう少し何か言い様はないんですか? はっきり言って、それ
では最しょ……味見して頂いた意味がありませんから、もっと食べて少しくらいは役に立
ちそうなコメントを頂かないと困ります」
 「わかったわかった、わーったから捲し立てるな!」
 てな調子で最終的に半分ほど食べ必死に感想を捻りだしたで妹はようやく満足してくれ
俺は寝床に戻ることが出来た。
0307突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:10:12ID:BHrsUBRQ0
 そして翌朝、明らかな睡眠不足で眠い目を擦りながら台所に顔を出すと、毎朝朝飯は皆
と一緒に食べる妹の姿が無かった。
 「ああ、あの子なら今朝はご飯も食べないで慌てて出て行ったわよ。今日は2月14日
だしね。うふふふっ♪」
 いや、だからなんでアンタが楽しげに浮かれてンだよお袋?
 「やっぱりあれよね? あれだけ張り切ってたってことは本命の子が居るって事よね?
アンタ何か知らない?」
 「しらねーよっ!」
 「何々? 朝から御機嫌斜めみたいだけど、もしかして可愛い妹のバレンタインが気に
入らないのかしらぁ?」
 「だから何でそんなにテンション高いんだよっ!?」
 おー怖い怖い、とスキップしながら逃げてゆくお袋に呆れつつ、普段からストックして
あるスポーツ飲料で朝飯前の喉を潤そうと冷蔵庫を開けた俺は、
 「……あれ、アイツ俺の食いかけ(のケーキ)をここに入れてなかったか?」
 それらしい箱の見当たらない冷蔵庫を眺めながら妹の作ったチョコレートケーキの味を
反芻していた。
0308突発屋 ◆63./UvvAX. 2010/02/14(日) 00:14:02ID:BHrsUBRQ0
以上、限定ネタで初心に戻ってみました>?

>>305
支援ありがとうございます。

>>285
勝手ながら鳥無しで保管させて頂きましたので、訂正など御座いましたら遠慮無くお申し付けください <(_ _)>
0309名無しさん@初回限定2010/02/14(日) 00:26:23ID:sFTLVUXu0
>>300
>チビ助のために起き出してやる気なぞ毛頭無い。
「チビ助」?
>>301
>目一杯不機嫌そうな顔をしてやったのでが、
「してやったのでが」?
>>302
>「文句を言う暇で早く召し上がって下さい」?
・・・・・「文句を言う暇があったら」の意?
>>303
>「最初から因数外なのはどうよ?」?
・・・・・「因数外」で合っているのだろうか思案中。
>>304
>なにゆえチョコをかじるのに食器が居るんだ?」
・・・・・「要る」?
>>306
>必死に感想を捻りだしたで
「必死に感想を捻りだしたで」?
>>308
乙であります (`・ω・´)ゞ
0311名無しさん@初回限定2010/02/14(日) 16:21:38ID:k5C3UlpDO
朝起きたら妹にチョコ貰った。


どうやら手作りらしいががが…
0313おはようのキスは ◆2Z9GE9yyj. 2010/02/14(日) 19:23:30ID:DLI2GM1I0
<お題:朝起きたら妹にチョコを貰った。>

シャワーでも浴びていたのか、髪がしっとりと濡れていた。
「ノック位して下さい。そんなんだから彼女ができないんですよ?」
痛いことを言われたショックも大きいが、申し訳ない気持ちになる。
それはそれで構いませんがとおどけつつも、
気にする素振りも見せずに着替える瑞希。
なんだか男として情けなくて、うっかりしていたと謝った。

「意識してくれてるんだと喜びこそすれ、今更恥ずかしくなんかないです。」
「ヌードデッサンのモデルをしたり、気分が昂じて始めてみたりで、
私の裸なんていくらでも見せてるじゃないですか。」
今更ですよと、頬を染めつつも応える彼女。
その俯く仕草が可愛らしくて、頭を撫でつつ、そっと抱きしめる。
啄ばむように応える彼女をそっと抱きしめ、もう一度キスをするのだった。

――閑話休題

「妹離れできなくても気にしないで下さい。
今のままでも、私は構いませんから。」
『兄離れできなくなってしまった責任、取ってもらわないと困ります。』
と、続けて聞こえたような気がした。空耳だろうか?
「私からの分なんて数に入らないかもしれないですが、
気持ちだけでも受け取って下さい。」
ホワイトチョコとミルクチョコを溶かし、バットで冷やしたのを型抜きした
シンプルなハートのチョコだったが、彼女の気持ちが、何よりも嬉しかった。
0314ハル ◆2Z9GE9yyj. 2010/02/14(日) 19:28:46ID:DLI2GM1I0
1レスお借りしました。リハビリを兼ねての短編です。
珍しくHなしですが、あくまでもスレの記念日に間に合わせること重視の
小ネタのつもりでしたので、ご容赦頂けたらと思います。
次の機会は、双子ものとかにも挑戦してみたいと思います。では。
03172852010/02/14(日) 22:15:50ID:cA8a1Rre0
お、バレンタインネタ来てる
二人とも乙っす

バレンタインネタ考えてみたけど間に合いそうもない。

>>308
なんかもう一個投下したらトリップつけよーとおもうす
0321名無しさん@初回限定2010/02/15(月) 16:15:06ID:9UUue6ZaO
このスレが出来たきっかけじゃなかったっけ?>バレンタイン

それはそうと、俺の妹にチョコの作り方教えた奴出て来い(-_-メ
0322名無しさん@初回限定2010/02/15(月) 18:09:05ID:dei2leIaP
昔、アステカ地方ではカカオマスを磨り潰した飲み物に、
唐辛子を混ぜて飲んでいたそうな。

辛さが、信仰する神との一体感を醸し出すとか何とか…
0324285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 21:46:42ID:lNG3qhxI0
 二月十四日の遅い朝。日本独特の様式を持ったバレンタインデー当日に、いたるところ
でそのイベントを楽しみにしていたり、嘲笑っていたり、あるいは無関心だったりする人
達がいるだろう。
 台所のテーブルの上に散乱したお菓子の調理器具や漂うカカオの匂いからすれば、司馬
冬子は明らかに前者の側の人間だった。お菓子作りが趣味の冬子はいつものように鼻歌を
歌いながら手際よく作業を進めていた。
 部屋のドアが開かれた音で冬子は振り返り「にーちゃんおはよ」と挨拶をした。
「はよぅ、また今年もチョコ作ってんのか」冬子の兄である修司が寝癖を撫で付けながら
自分の席へ座った。
「まーねー。あ、指入れちゃダメだって。あー、直接舐めるのもダメ!」
「いいじゃん結局俺のとこにくるわけだしこのチョコ」修司は湯せんされた液体状のチョ
コレートが入ったボウルを回転させながら言った。
「今年はちゃんと渡せるもん」
「去年もそんなこと言って、結局俺に残飯処理させたな」
「残飯ゆーな。どうせ他からもらう当てないくせに」
「俺はお菓子会社の陰謀に乗せられたくないだけだ」
「テンプレートなにーちゃんだなぁ。大体男の人には陰謀関係ないでしょ。買うのは女な
んだし」
「最近は逆チョコとかバカげたもんまであるんだぜ? ほらこれにも載ってる」修司は
テーブルに見開きで置いてあった女性誌のバレンタインデー特集ページを斜め読みしなが
らそう言った。
「男の人が女にチョコ渡すやつ? あたしはいいと思うけどな。にーちゃんがあたしにく
れたっていいんだよ」
「貰える心配より渡す心配したほうがいい」
「ふーんだ」
 修司の記憶によると、彼の妹がバレンタインデーにチョコレートを作るようになって四
年になる。今朝のように手間をかけてチョコレートを作るも、結局相手に渡せずに家に持
ち帰り、しょげかえった彼女が自棄気味に修司にチョコの処分を頼んでいた。
「チョコひとつ渡すだけがそんなに大変かね。男は苦手か?」
「苦手」
0325285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 21:48:41ID:lNG3qhxI0
 修司は、向かいに座りながらハートの型に溶けたチョコレートを流す冬子のほほをふに
ふにつまんで見せた。嫌がる様子はない。「ぜんぜん平気じゃん」
「にーちゃんは男じゃないもん」
「なにそれひどい」
「にーちゃんはにーちゃんだからね。いじわるだけど。てか作業できない」
「失礼」彼はそう言って手持ち無沙汰になった手を目の前の女性誌に持っていった。
 ファッション、占い、レジャー、スイーツ。どれも修司には興味のない記事ばかりだっ
た。巻末の“ちょっとエッチなバレンタイン特集”でページを捲っていた手が止まったが
“今年のバレンタインはちょっと小悪魔的に! チョコよりも甘いあなたの唇を捧げちゃ
おう★”という最初の文章を見て雑誌を閉じた。
「ちゅーなんてにーちゃんは許さんぞ」
「えっちぃページ見てないで冷蔵庫開けてよ」彼女は両手でチョコレートの乗ったトレイ
を持ちながら冷蔵庫の前に立ち、修司がそれを開けてやった。
「チョコも渡せないような内気な冬子には無理か」
「うー。だって今まではきっかけがなかったから」
「バレンタインなんて攻めなきゃダメだろう。守ってばっかりとかどこのサッカー日本代
表だよ。逃げ道ばっかり探してたら今年もまた渡しそびれるぞ」
「今年はだいじょぶだってば」
「いいや信用できないね」
 修司が左手を下あごに持っていき考えるように咽を鳴らし、妹を一瞥するとやがて振り
向きこう言った。「よしじゃあチョコ渡せなかったら俺とちゅーな」
「ちゅ……って、なんでにーちゃんと」
「王子様を捕まえられないようなヘタレ姫は悪い魔術師の手に落ちてしまうもんさ」彼は
舞台俳優のような大げさな身振りでそう言った。
 冬子は笑いながら言った。「にーちゃんが悪役? 背水の陣で姫を奮い立たせてくれる
なんて随分と優しい魔術師さんだね」
「好きなように解釈するといいさ、お嬢さん。賭けるか、降りるか?」
「待った。魔術師さんも代償を出してもらわないと賭けにならないよ」
「意外と抜け目ないなお前」修司は軽く考えると口を開いた。「この手の話の相場なら何
か一つ願い事をかなえてくれるってところか」
0326285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 21:51:04ID:lNG3qhxI0
「……なんでも?」
「無理のない範囲で」
 冬子が先ほど兄が取ったのと同じ仕草で咽を鳴らしながら思案し始めた。しきりに頭を
揺らしながら、やがて、これまた似たように兄を一瞥すると「あたしがチョコを渡せたら
にーちゃんの負け。渡せなかったらあたしの負け」
 修司が頷くのを見て冬子はにやりと笑うとゲームへの参加を表明した。

 午後七時を回ったところで修司は目を覚ました。居間のこたつで寝入ってしまっていた
らしく、身体の節々が痛んだ。外はすっかり暗くなり部屋は薄暗く物音もしなかった。
「まだあいつ帰ってきてないのか。うまくいって今頃いちゃついてんじゃねーだろうな」
言葉は闇に吸い込まれていった。彼はため息をついた。「二月十四日晴れ。今年のバレン
タインも一個もチョコもらえませんでした、まる」
「やっぱ欲しいんじゃない」
 予期しなかった返答の言葉に修司は激しく驚いた。振り返るとぼんやりと人のシルエッ
トが浮かび上がった。冬子だった。「おま、いたのかよ!」
「さっき帰ってきた。寒かったー」冬子は部屋の電気のスイッチを手探りでつけると、ダ
ッフルコートを脱いで椅子に放り投げた。そして振り返ると含み笑みを修司に向けた。
「お菓子会社の陰謀(キリッ)」
「なんて悪趣味なやつだ」
「ほほほ。わりとかわいーね、にーちゃんってば」彼女はあっけらかんに笑った。
「あーうるせーうるせー。その様子じゃうまくいったのかよ、つまんねーな」
 その言葉で冬子の表情が凍りついた。彼女はため息をついてダッフルコートのポケット
からラッピングされたチョコレートを取り出した。修司はすべてを悟った。
「なんだよ駄目だったのかよ、せっかく俺が一肌脱いでやったのに」彼は勤めて明るく振
舞おうとした。「まぁ罰ゲームは執行猶予つきにしておいてやるよ。俺もそこまで鬼じゃ
ない」
 冬子は修司のよくわからないフォローを無言で受け流すと、彼の隣に歩み寄り楚々と腰
を下ろした。
「な、なんですか冬子さん」
「賭けは賭けだから」冬子は目を瞑り、かるく顔を上げた。女と呼ぶにはまだ幼い顔立ち
は、しかしよく見てみれば整って見える。
0327285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 21:53:58ID:lNG3qhxI0
「いや、いやいやいやいやいやいやいいよノーカンノーカン!」
「にーちゃん意外とヘタレだよね」
「なんですと? お前後悔すんなよ?」
「挑発にすぐ乗るあたりも単純」
 さすがにこの言葉にはムッときた修司は妹の頬に手を当てると一気に自分の顔を近づけ
ていった。しかし冬子の唇数センチのところで思い改め、結局彼女の額にキスをした。
「でこちゅー」目を開けた冬子は両手で額を触りながら不満そうに言った。
「ちゅーには変わりない。くそう……賭けに勝ったのに何で俺がこんな目に」
 冬子は兄を見据えながらにやりと笑った。「残念ながらにーちゃんは勝ってないんだよ
ねー」
「何言ってんだお前は」
 不思議そうな顔をする修司に冬子はチョコレートを差し出した。修司はますます不思議
がった。「何、残飯処理?」
「残飯ゆーなっての。にーちゃん用だよ」
「義理チョコ?」
「ほんめー」
 修司は額に手を当て考え込んだ。「いや、お前……俺はお前のにーちゃんですよ?」
「いいじゃん、今年はたまたまにーちゃんが好きだったんだから」
「たまたまってお前そんな適当な。ノリが軽いし、キャラちがくね?」
「にーちゃんだからじゃない? おとこのこ……って感じはしないけど、でもあたしは好
きだよ」
「俺は恥ずかしいよ」
「ういやつういやつ。でも賭けは賭けだからねー、あたしの勝ちだし、約束はちゃんと履
行してもらうよ」
「ちょっと待ってくれ。これは詐欺と言わないか」
「計略と言いたまえ」
 どうやら自分は完全に弄ばれていたのだ。そう理解した修司は深い深いため息をついた。
貰った箱を開けると、シンプルなハートのチョコレートが一つ入っていた。手にとって冬
子を見ると彼女はどうぞ、と水平にした手のひらを上に上げて促した。一口食べてみると、
カカオの風味が強く口の中に広がった。甘味はほとんどなかった。
0328285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 22:00:35ID:lNG3qhxI0
「あんまりうまくない」
 冬子は相好を崩しながら無言で修司を見ていた。
「まじまじと見んな。早く要求言え。無理難題ふっかけんなよ?」
「大したことは言わないよ」冬子は肩をすくめた。「逆チョコちょーだい」
 修司は眉をひそめ「チョコなんてもってない」と言った。
「今食べてるじゃん」修司が手に持っているチョコレートを指差した。
 彼は今日のやり込められた悔しさから、ささやかな逆襲を思いついた。意地悪そうな笑
みを浮かべ残りのチョコレートを一気に口の中に入れてしまった。
「もうない」彼は租借しながら手にもっていた空の箱を見せた。
 隣に座っていた冬子が膝立ちになり見下ろすように修司を覗き込んだ。右手で髪を押さ
えながら左手を修司の顔へと伸ばした。
 無言の妹の不穏な動きに修司は努めて冷静さを保とうとした。「し、しかし苦いなこの
チョコ……」
「苦いもの食べた後甘いもの食べるとすごく甘く感じるでしょ」
「甘いものどこよ」修司がそう言った次の瞬間、冬子の顔が目の前に迫り唇が重ねられた。
唖然とした修司の口内に冬子の舌がするりと入り込み、器用に溶けかけたチョコレートの
かけらをすくっていった。唇が離れた後も互いの視線は睦んだままに。一方は驚愕を、一
方は妖艶を。
「ん〜苦いね」
「な、な、な――」
 絶句する修司を尻目に冬子は一つ息をつくと、再び彼を見据え、
「甘かった?」
 頬を赤らめそう言った。
0330285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 22:08:19ID:lNG3qhxI0
一日おくれで投下。
書いてて体がむずがゆくなった。

>>326 彼は勤めて明るく振舞おうとした。
努めて でした。
0331285 ◆V16zmGSouU 2010/02/15(月) 22:12:45ID:lNG3qhxI0
>>329
支援サンクス

推敲繰り返してたらなんだか頭が痛くなってきたんで寝るよ。
0334遅めのバレンタインネタ ◆S1TzStjJG6 2010/02/17(水) 19:35:42ID:YWgaqJks0
■兄と妹とチョコレート(1/2)

「あーあ、今年もチョコもらえなかったなぁ……」

 諦めと悔しさが混ざったため息が、俺の部屋に漏れた。

「そういうセリフはお前がカッコいい男になってから言って欲しい」

 息をするように俺のプライベートを侵害してくる妹にため息を吐き返す。

「あ、ヒドいお兄ちゃんっ! この歳で一緒に生まれ変わろうって言うの」
「なんでそこまで話が飛躍するかなっ!?」

 お分かりだろうか?
 ウチの妹が頭がおかしいんです。

「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだよ」
「私、黒くて固くてたくましいチ○コが欲しい」
「伏字の位置気をつけような! つか、なんで伏字にした!? 意味わからねぇよ!」

 そもそもたくましいチョコってなんだよ? わけわかんねぇよ。

「チョコが欲しい〜。わたし、あんなんじゃ足りない〜」
「……何が足りないって?」
「あ、うん。お兄ちゃんの靴箱の中にね、毎年チョコが入ってるでしょ?」
「シラネェよ」
「それが今年はちょっと少なかったんだよ。きっと去年の夏、寒かったからだよね?」
「……えーとちょっと待って下さい」
0335遅めのバレンタインネタ ◆S1TzStjJG6 2010/02/17(水) 19:36:21ID:YWgaqJks0
■兄と妹とチョコレート(2/2)

「…………待ちました」
「つまりそれは俺が貰ったチョコをお前が勝手に取って食べたってことなのか?」
「お兄ちゃんの都合のいいように解釈すればそうなるね」
「都合が悪いように解釈しようがないわっ!」
「それは解釈の相違があるからであって、決してそのようなおいしい事実があったわけではない。ただ甘かっただけである」
「何弁解するフリして、租借した感想述べてるんだYO! 返せよ、俺のチョコ返せよ」

 俺は妹の胸倉を掴んでガクガクと揺する。

「どちらから戻せばいいですか? 上からですか下からですか?」
「そうじゃねぇよ!」
「あ、ゲロからですか、それともクs……にゃぅいっ! 痛いよお兄ちゃん!」
「やかましいっ! 下品なこと言うからだっ!」
「口移しがいぃの? それとも便器代わりにされたい?」
「艶かしく言ってもダメッ! つか、いくら成年向けの話だからって、好き放題言ってんじゃねえよ」
「ただちょっとお兄ちゃんからお裾分けしてもらっただけなのに」

 100%食っておいてお裾分けですか。そうですか。

「ったく……来年からもうすんじゃねぇぞ」
「うん、分かった。今年までにするね」
「ちょっと待てぇっ! 今年までってどういうことだゴルァッ!」
「ほら、お兄ちゃんって女の子のフラグ立ては上手なクセに鈍感だから、色んな女の子からチョコ貰ってるんだよ」
「何そのモテ男設定!?」
「だからまだ半分くらい残ってるんだけど」
「今すぐ返せーーっ!!」
                   <終わり>
0336名無しさん@初回限定2010/02/17(水) 19:37:05ID:YWgaqJks0
この賑わいに乗じて、馬鹿馬鹿しいのを一個投下してみました。
お目汚し失礼です。
0340名無しさん@初回限定2010/02/21(日) 18:34:54ID:oRj2meMJ0
朝起きたら妹に、一日入れ替わってみない?と言われた。
0341285 ◆V16zmGSouU 2010/03/03(水) 02:01:27ID:M84+khi70
「はーさむいさむい」
 まだ気温のあがらない朝、俺はトイレで腰を下ろして用を足していた。別に大のほうじ
ゃないけど、座ってするのも結構落ち着くものだ。
 廊下からバタバタという音が聞こえ、勢いよくドアがノックされた。
「はいってますよー」
「ええ! ちょっとお兄ちゃん、早く!」
 相当切羽詰っているご様子。
「マァ待ちたまえマイシスター。何事も焦りすぎるとかえって事を成し遂げられないもの
だよ」
「御託はいいからっ! あぅう、もう限界!」
 ものすごい勢いでドアが開けられる。鍵をかけ忘れていたか!
「お、おいちょっと待て。今終わるから、って、お前なにその格好――」
 妹が下半身丸裸で突撃兵のように突っ込んできた。壊れるんじゃないかってくらいにド
アが音を立てて閉められた。
「お兄ちゃんずれて!」
 反射的に両脚を開いて便座の奥へと腰を引いた。妹が便座の前に小さなお尻を下ろす。
丁度、V字形に開いた俺の脚にはまるようにまっしろなでん部が。デデン!
「はふぅ〜、まにあったー」
 満足そうに排尿をする妹。座るところが浅いせいかそうとう溜まっていたのか、妹のお
しっこが勢いよく飛沫をあげ、俺のおにんにんにぺちぺちと降りかかる。ほんの数センチ
先にあるお尻という視覚要素と、おにんにんに与えられる微かな刺激、そして排泄行為と
いう認識は海綿体組織の充血を促すには十分すぎる効果があり――つまり勃起した。
 ちんちんが勢いよく起ちあがり妹のお尻向けて振り上げられた。ぺちり。
「ひゃぁ! ちょっと、触んないでよ!」
「めっちゃ不可抗力です」
 妹のお尻、こんな感じ→ω、のへこみの部分に収納されるように俺のおてぃむてぃむが
収まった。暖かいおしっこがちょろちょろと音を立てながら亀頭を濡らす。つまり、妹の
性器の直下。そう思うと反り立つマイサン。こんにちは妹まんこ。
「や、ちょっと変態、レイプ魔!」
「待て、お膣け!」
 俺はどうかしていた。
「おしっこの邪魔しないでよ」
0342285 ◆V16zmGSouU 2010/03/03(水) 02:04:19ID:M84+khi70
「俺の台詞だ。お前は順番を待つということができんのか」
「び、VIPだから! トイレの!」
 VIPでHIP。俺はもう死んだほうがいいな。
「用が済んだら出て行きなさい」
「言われなくてもそうしますよーだ」
 そう言うと妹はトイレットペーパーで尿道口を拭きそのままドアに手をかけた。こいつ
トイレにはいる前に下全部脱ぎやがったのか……。
「あれ? 開かない」
 なんだと?
 ドアノブを左右に回してみるが開く様子がない。どうやらさっき勢いよく閉めたせいで
壊れたらしい。
「大声出せば誰か気づいてくれるんじゃないか?」
 とてつもない誤解をうけそうだが。
「お父さんはゴルフ。お母さんはパートで夕方までいないよ……」
 なにその都合のいい展開。
 半畳のトイレで下半身丸出しの妹と勃起した兄。なんという構図でしょう。

 朝起きたら妹とトイレに閉じ込められた。

 妹がくるりと振り返り眼で訴える。どうしよう?
 俺の眼は当然、下半身に釘付けに。おお、見事に無毛。
「ちょ、変態! 絶対今エッチなこと考えてたでしょ!」
「当然だ」
「ヤられちゃう! あたし、LOみたいにヤられちゃうんだー!」
「俺のエロ本勝手にもって言っていくのはお前か」
「お兄ちゃんのロリコン! 二次性徴も迎えてないあたしの身体にあんなことやこんなこ
とする気なんだー!」
 バカだ、こいつ絶対バカだ。
「しないから。生理現象で勃ってるだけだから」
「口では抵抗してても身体は正直なんだ、うわぁん」
「使い方間違ってるからソレ」
「じゃあそれ小さくしてよ……」
0343285 ◆V16zmGSouU 2010/03/03(水) 02:08:39ID:M84+khi70
 ナニを指して言う。
「射精しないと無理」
「あ、アタシの中でするのっ?」
「しねーよ! 落ち着け」
 備え付けのデジタル時計を見ると八時四十分だった。
「夕方まで我慢するしかないか」
「夕方までちんちんと一緒とか無理!」
 人格否定。チンコ>俺。
「俺の視界にお前の下半身が見える限り治まらないぞコレは」
「むぅ……射精すればちっちゃくなる?」
「なる」
 一時的にだけどな!
「どうすればいいの?」
「エロ本見たならわかるだろう。と言っても俺は良識人なので妹とセックスなんてしない
けどな」
「せ、せっ――」
 気になる単語だけ拾いやがった。顔が真っ赤だ、ちょっと可愛い。
「そ、そんなの、お兄ちゃん一人ですればいいじゃない! お、お、お、おなにーすれば
いいじゃない!」
 しどろもどろ。
「やだよ恥ずかしい」
「じゃ、じゃああたしもするから――」
「見せあいっこ? やだなにそのエロゲ」
 なんというマニアックシチュエーション。
「ち、違う、だってちんちんそのままじゃいつ入れられるか不安だからで……」
 素直じゃないのか、バカなのか、もしくはその両方か。……いや、多分バカだな。俺が
ズボン上げればそれですむことだし。面白いから言わないけどな!
「よし、じゃあここに乗るんだ」
 俺は自分のふとももをパンパンと叩いた。
「ぜ、絶対入れないでよ?」
 おずおずと軽い身体を俺の上に乗せてくる妹。兄妹の対面座位の完成。ニッポンの夜明
けぜよ!
0344285 ◆V16zmGSouU 2010/03/03(水) 02:12:17ID:M84+khi70
「はわぁ」
 妹の視線が自分の股間のすぐ前に反り立つてぃむてぃむに注がれる。穴が開くくらいに
凝視。これでもかってくらいに。
「よし、じゃあ始めるか」
 俺はおもむろに自分の陰茎を握り上下させ始めた。今日のオカズはモニター越しの彼女
でも雑誌の空想幼女でもない、まさかのリアル妹。ふとももにのしかかる心地よい肉の重
み。うっ……冷静さを装っていたけどちょっとドキドキしてきた。思ったより先走った汁
が多く、手元がべたつく。ちくしょう、妹のくせに。
「ふ、ふぉぉぉ……」
 感嘆の息を吐く妹。まじまじ見られると恥ずかしい。
「見てないで、お前もやれよ」
「う、うん」
 妹は手を自分の陰部へと持って行くと、ぎこちない動きで未発達のスリットに指を這わ
せた。上下に。ゆっくりと。
「そうやるのかお前は」
 ニヤニヤしながら言ってみる。
「うるさいな」
 妹がふて腐れたように口をとがらせ伏し目がちになる。愛いやつめ。
「ていうか、あたし、あんまり気持ちよくなったことない」
「女の子は男と違って脳をエッチな気分にさせる必要があるとかないとか」
「どゆこと?」
「つまり、好きな奴のこと考えたり、そいつとエッチなことしてるの想像したり。想像っ
て言うか、実際、見せあってるわけだが。今、興奮してるか?」
「し、してない! それじゃあたしがお兄ちゃんのこと好きってことになるじゃん」
「俗説だよ、俗説。お前わりと可愛いな」
「――か、可愛いとか言うな。意識しちゃうじゃんか」
 なんだこの生き物? いつも見ている妹が妙に新鮮に見える。
 いくら密室に半裸で二人閉じ込められて、その二人がオナニーの見せあいしてるくらい
でまさかそんな変なことには……って相当際どいシチュエーションじゃないかこれ?
 俺は多分大丈夫だろうと自分に言い聞かせると、再び行為に没頭した。     つづく
0345285 ◆V16zmGSouU 2010/03/03(水) 02:25:58ID:M84+khi70
>>342
「俺のエロ本勝手にもって言っていくのはお前か」
「俺のエロ本勝手に持っていくのはお前か」
ですな。
 推敲甘いなァ。
0349285 続き  ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:32:38ID:kUpOqPCz0
 ふと妹を見やる。花飾りで留めたトレードマークのサイドテールが揺れ動く。女性的な
起伏を得るにはまだ幼いが、二次性徴前の独特な色気が桜色をした顔で引き立っており、
少し厚めのチャーミングな唇から白い吐息が漏れていた。
 それぞれの性器に指をかけ、二人の手は上下に揺れ動く。なんだか無性に恥ずかしくな
ってきた。
「お兄ちゃん、ソレちょっと触ってもいい?」
「おさわり厳禁」
 今お前に触られるのはちょっとヤバイ。集え理性よ! 七つの大罪が一つ、色欲から我
を守りたまえ!
「やだ触る」
 問答無用で突付かれた。しかも一番敏感な部分を! 好奇心と言う名のガードブレイク。
理性という名の盾に亀裂が入る。脆すぎるガラスの盾。
「ほ、ほぉ〜、すごいぬるぬるしてる。ぽふぽふ」
 妹が手のひらで頭をなでなでするように亀頭を撫で回した。ナデナデシテーファーブル
スコファー。
「あふぅ! くっ、お前そんなことすると、俺も触っちまうぞ」
 俺は壊れかけの盾を引きずりながら、攻勢に転じようと試みた。こいつの無邪気さは凶
器だ。主導権を握らねば俺の理性の危険が危ない!
 妹は俺の顔と自分の股間を交互に見ると、また目線を俺に戻し無言で頷いた。
「嫌がれよ!」
「そ、そんなに嫌じゃないか、な?」
 やべー、いもーととかちょーやばくねー?
 俺はなんとかいもーとという巨大な津波に耐え抜き、理性を持って本能を制すると、毅
然とした態度で手を妹のまんこへと持って行った。
「不思議、心と身体が乖離する!」
 指が妹の弾力のある恥丘に触れる。ぷにっと。程よいもちもち感に思わず撫で回す。両
の親指でスリットを左右に開くと、ピンク色の内性器が申し訳程度にあらわになった。
 ヤバイ、今すぐにでもアグネスがガラッとドアを開いてやってきそうだ。国に帰れ!
「あ……ぴくってきた今ぴくって」
「どこ? これか?」
 ぷくっと膨れた豆粒に触れてみる。クリトリスというやつですか?
0350285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:35:04ID:kUpOqPCz0
「お、お?」
 妹の腰が若干浮いた。性感帯発見! 全速前進ヨーソロー!
 俺はすかさずつまんだり弾いたり転がしたりしてみた。
「電気。なんか電気がびびっと」
 その時、妹に電流走る――ッ! みたいな。
 しかし妹を見た感じ、まだ快感を得ていると言うほどでもない。脳裏に妹調教24時と
かいうテロップが流れる。そういうの無理だから! 俺ヘタレだから!
「おもしろい」
 妹はまるで新しいおもちゃを与えられたょぅι゛ょのように俺の自慰限定膨張収縮機能
付き棒――つまりチンコを両手で弄んだ。ちくしょう、いつか限定解除してやるんだか
ら!
 妹の手が俺に、俺の手が妹に、それぞれの性器をもてあそぶ。なんというポジションチ
ェンジ。もはやこれはオナニーではなくペッティングそのもの。
「これ上下にこするんだよね」
「人のエロ本でろくでもない知識見につけやがって」
「えっちぃ本だと思わなかったんだもん」
 たかみちめ! 俺はLOの表紙を呪った。
 妹はおっかなびっくりと亀頭をつつきながら、意を決し包み込むように陰茎を握りこみ、
そのまま上下に滑らせた。べとべとになった小さな手が動くたびに、にちゅにちゅと淫靡
な音が聞こえる。
 はぅう、先端はまずい。先っぽは敏感なんですぅ!
「お兄ちゃんよだれ垂れてるよ。これ気持ちいいの?」
「いい。悔しいけどいい」
 ちくしょう、お前の下半身からよだれ垂れさすぞ! あっ、やん、ごめんなさい嘘です、
強くしないでぇ!
「ずるいー。あたしまだ気持ちよくない」
「こ、攻撃の手を休めてくれ。休戦協定。――ひッ、親指でぐりぐりしちゃらめぇ」
 妹に調教されちゃう! 男の娘になっちゃう! お兄ちゃん陵辱日記。イヤすぎる!
「しょうがないなぁ」
 ピタリと妹の手が止まる。あ、やめちゃうんですか?
「うわぁ、すごいむわってする」
0351285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:37:29ID:kUpOqPCz0
 妹はぐちゃぐちゃと両手を握ったり開いたりした。ほんの少し湯気が立っている。
「ちょっと、この体位だとおまえのいじりずらいんだ」
 そう言って妹を持ち上げながら立ち上がった。ひゃぁ、と妹が驚きの声を上げしがみつ
いてくる。
「降りて後ろ向いて。そう、腰折って」
 妹が言われたとおりの体勢を取った。いわゆる後背位。薄いおしりも突き出されるとボ
リュームがあるように見えて艶かしい。不安そうな小顔が振り返る。
「うそ、ちょっと――入れる気?」
「入れないっつの。素股。おまえのここに擦り付ける」
「は、入んないんだからね、絶対! 痛いのやだからね!」
 信用ないなぁ。おにむにむで尻をぺちぺちと叩いてみた。やべ……粘性の高くなった汁
のせいで肌にしっとりと吸い付く。
「う、うしろの穴とか死ぬから!」
 深読みしすぎだから! エロ本じゃ普通だけど現実じゃそこまでポピュラーじゃねーか
ら! ……多分。
「大丈夫。兄ちゃんを信じろ(キリッ)」
 見つめ合う。妹のへの字に曲がった口元、ハの字の眉が徐々に角度をなくす。これぞ、
急に真面目な雰囲気に変わることで相手の勢いを削ぐ俺の特殊能力<空気転調>。今編み
出したわりに効果は抜群っぽかった。
 妹が猜疑心をかけらも残さないような無垢な顔で頷いた。
「ちくしょう、お前可愛いわ」
「だから――可愛いっていうにゃ! ――な!」
 むずがゆくなった。
「じゃあちょっと擦りつけますよ」
 身長差が結構あるので、かなり膝を折る体勢に。狭いしつらい。だが人類は歩みを止め
ることは無いだろう、そこにエロがある限り。
 妹の腰を持ち、陰茎を太ももの間に挿入する。鋭角に突き上げるように。
「おお、おおお……ちんちん生えた!」腰を引く。「もげた!」
「楽しそうなとこ悪いが、さすがに乾いた肌で素股はきつい。俺のがまん汁だけじゃ間に
合わん」
「がまんじる? なに我慢してるの――ってやっぱり入れたいのか!」
0352285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:44:45ID:kUpOqPCz0
「信用しろって」
 後ろからぎゅっと抱きしめてみる。本当はちょっと挿れたいって思っちゃったけどな!
「は、はわぅ。わかった……」
 妹の身体が弛緩する。ハグや言葉のほうが感性が揺さぶられるらしい。
「愛液が出れば一番いいんだろうけど難しそうだな。唾液で代用するか」
 そう言って俺は唾液を左手にこぼすと妹の性器周辺にぬりたくった。素っ頓狂な声はこ
の際無視。妹の股間が濡れ濡れになり準備完了。語弊あれど嘘ではない。
「それいくぞ」
 再び腰を突き出すと、篭った水音がくちゅくちゅとなり、手でする時とはまた違う快感
が雷鳴のように脳を刺激した。亀頭がスリットにこすり付けられる度に言知れない倒錯感
に陥る。近い……。少し角度を変えるだけで自分の性器が女の子の性器に挿れられるとい
う状況は、理性のタガを外すには十分すぎてヤバイ。
「や、お兄ちゃん、ちょっと……熱い」
「すまん……大分余裕が、無い感じに」
 両手で妹のスリットを開くと、会陰からクリトリスまでを一直線に擦った。
「――ひっ!」
 妹の身体が強張った。下半身がピーンとつま先立ちになり、内股気味になった太ももに
陰茎が圧迫される。
「ぅ……お兄ちゃん、い、今のもっかい」
 行為をなぞる。二度、三度と陰茎を擦り付けると妹の身体が崩れそうに弛緩する。とっ
さに片手で抱きとめるように支えると、妹が初めて甲高い甘い声をもらした。
「なんか、変なの、きた、かも……んっ!」
 なんだか頭がぼんやりして妹の言葉が耳に入らない。ただ性器に刺激を与えたいという
欲求だけが肥大化する。腰を振る速度が速まる。粘液の混ざり合う音がやけに耳朶に響く。
「あッ――おにいちゃ、んッ! ッあ――すごい」
 こする、擦る、こする。心臓が早鐘を打ち、息が荒くなる。刺激が――足りない。
「っは、っは……もっと、そ、こぉ……」
 興奮のあまり、勢いあまって陰茎が滑って抜けた。
 妹が振り返り、表情が視界に入った。紅潮した頬と緩んだ口元。吐息が漏れ、とろんと
した焦点のあってない眼が俺のほうを見ていた。
 それで、思考が、寸断された。
0353285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:49:34ID:kUpOqPCz0
 俺はモノを手に持ち、再び妹の股へと持っていくと先端をスリットに押し付けた。
「ひゃ――や、ちょっと、お、にいちゃん?」
 もう片方の手で尻の肉を開き膣口を露出させると、亀頭をそこにあてがった。ぷちゅり、
と音がなり、中から透明な液体が零れ落ちた。
「おにいちゃ、そこダメ、ちが――」
 力を入れた。前に。
「ひうッ、入れちゃ、だめだって……!」
 亀頭が膣口に少し埋まった。しかしそこから先が狭い。針の穴ほどしかないかのようだ。
僅かに突き入れるが、すぐに強い粘膜のようなものに押し戻された。粘膜……膜?
「お、にいちゃ――痛い、いたいよぉ……っ」
 悲痛な妹の泣き声。
 声が――意識を――呼び覚ました。
「おわぁ!」
 一瞬で自分がやったことを理解した俺は、ものすごい勢いで腰を引いた。腰というか身
体全てを。衝撃がドアを襲い、そのまま身体が後ろに傾いた。
「ちょ――おお?」
 突然のことに受身すら取れず背中から床に叩きつけられる。後頭部にも衝撃。
 トイレのドアが開いたのだった。
「お、お兄ちゃん!」妹がすぐ駆け寄り俺の頭と胸に手を添えた。「大丈夫?」
「お、俺のことはいい。お前こそ大丈夫か?」
「ん……だいじょぶだった」
 半分涙声。
「すまん、我を失っていた」
「ん……途中でやめてくれたからいい」
 未遂だったか。思わず安堵した。
「良かった。ってかドア開いたな」
 ひんやり冷えた空気がトイレの中がいかに暑くなっていたのかを物語っていた。狂った
ような興奮も一気にしぼんでしまったようだった。
「はー、まぁ出れて良かった――ってお前、なにしてんだ!」
 倒れた俺に妹が馬乗りになっていた。腰をくねらせ自分の性器を俺のそれに押し付ける。
「ん……だって……なんか、きそうなんだもん」
0354285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:52:07ID:kUpOqPCz0
 妹がぐりぐりと股間を押し付ける。それこそ、さっきの歯止めがきかなくなった俺のよ
うに。
 腰が前後する。妹は自分の上着をたくし上げ、お腹の上をまさぐり始めた。でたらめに
身体に指を這わす。こいつの様子は……。
 蕩けた表情。耳まで真っ赤になった肌。眼は虚ろ。唾液が口からしたたり落ち、俺の腹
部を濡らす。もはや妹は本能に準じていた。
「はぅ、あぁ……おにいひゃ……ああ、ぁあ」
 亀頭にクリトリスが押し付けられ、円を描き、線上に動き、軽く上下する。愛液が互い
の性器が離れるのを惜しむよう糸を引いた。
 揺れ動く妹が見ると性交を行っているような錯覚に陥る。
「に、にぃ……ひゃ、くぅ……アっ、ん――おにー……ちゃ」
 妹の挙動が早まり、喘ぎ声が廊下全体に響き渡る。
 射精感が睾丸からせり上がり、俺の腰がひかれる。同時に妹が痙攣しながら弓のように
身体を湾曲させた。
「う゛ぅ〜〜〜ッ」
 未知の快楽に抵抗するように押し殺された嬌声を妹が上げ、同じようにこれまで味わっ
たことのないような快楽を俺は射出していた。びくんびくんと陰茎が脈を打つ。
 妹が身体を起こし両手を俺の胸に置く。肩で息をしながら何が起こったか自分でもわか
ってないように、色々な感情の綯い交ざった、えも言われぬ表情をした。
「はぁぅう……信じらんない……」
 泣きやがる。なんでだよ。
「びっくりしたぁ。すごいよお兄ちゃん。おなにーすごい」
 泣きながらはしゃぐ。なんなんですか。
「誰がどう見てもオナニーじゃありませんから、セックス一歩手前ですから」
 どれだけ偏った知識なんだ。エロ本が教科書じゃしょうがないといえばそれまでだが。
「せっ――」
 また硬直する。あーもう!
「いいから風呂入るぞ。ぬるぬると気持ち悪くてしょうがない」
 賢者モード突入。
「い、一緒にはいるの……? はだかで?」
 こいつはバカだ、絶対バカだ。
0355285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:53:55ID:kUpOqPCz0
「一緒に入ろう」
 そう言って妹をぎゅっと抱きしめた。
「……うん、入る」
「やれやれ」
 ウチの妹はバカワイイ。 
0356285 ◆V16zmGSouU 2010/03/04(木) 23:56:14ID:kUpOqPCz0
 長い! ごめんね!
 いまさらながら桃の節句ネタ入れておけばよかったとか思った。桃のセック……ちょっと死ぬわ。
0360TS ◆2Z9GE9yyj. 2010/03/07(日) 12:39:35ID:PUP0DMO10
朝起きたら妹に、着替えさせられていた。
「おはよう、瑞希……TSプレイ?」
「私より、よっぽど可愛い……ずるい、です……」
2人して中性的なこともあってか、性別を間違えられることもしばしばだったが
着せ替えさせられるのは、正直初めてだった。
「……窮屈、ですか?……私のパンツと解って、興奮しているんですか?」
シルクの下着の上から、包み込むように撫でてくる。
朝だからという言葉が頭をよぎったが、
敢えて野暮なことは言わず、妹にされるがまま任せてみることにした。
「二律背反ですかね……これのせいで振られたなんて、可哀想な兄さん……」
特別大きくはないと思うけど、女の子みたいと言われることも少なくない


「……兄さんに合うサイズの服を探して、
2組のうちの片方を、直してもらったこともありました」
「でも、それも、産まれてくる性別を間違えたんじゃないかって、悩んでいたからなんです。」
「男の人が苦手ですし、女の子しか愛せませんし……
だから嬉しかったんです、唯一愛せる男の人[にいさん]に、受け入れて貰えて」



「間違っていませんよね……このままで良いんですよね」
頭を撫でてあげると擦り寄ってくるのが可愛くて、
妹離れできなくても、皆に理解してもらえなくても良いと、改めて思うのだった。
0362ハル ◆2Z9GE9yyj. 2010/03/07(日) 13:36:52ID:PUP0DMO10
偽妹・脳内妹スレの保守用に投下した小ネタの改良版のつもりが
360では途中送信してしまったので、
後日訂正版を投下した上でレス削除依頼を出しておきます。すみませんorz
<近況報告>
久しぶりに2428を読みに行ったら、結構更新されていてびっくりしました。
純佳みたいな妹も欲し(ry
0363ハル ◆2Z9GE9yyj. 2010/03/13(土) 00:32:41ID:ZD6qi0jI0
お題:朝起きたら妹に、着せ替えさせられていた。
理由を尋ねると、一日入れ替わってみない?と言われた。
<<概要>>
・360の書き直しです。当初予定していたものを+αしました。
・合計で2〜3レス程度お借りする予定です。
03651日お姉さん ◆2Z9GE9yyj. 2010/03/13(土) 03:01:53ID:ZD6qi0jI0
朝起きたら妹に、着替えさせられていた。
「おはよう、瑞希……TSプレイ?」
「私より、よっぽど可愛い……ずるい、です……」
心もち傷ついた様子の彼女に、理由を尋ねたのが間違いだった。
2人して中性的なこともあってか、性別を間違えられることもしばしばだったが
着せ替えさせられるのは初めてだった。

――閑話休題

「大丈夫。こんなに可愛いのに"男の娘"だなんて、誰も思いませんよ」
結局、私服を交換した状態のままでデートすることになってしまい、内心気が気でない。
気を紛らわせようと彼女を見やると、
金具で固定するタイプの穴のないベルトのおかげか
スマートに着こなしているように見えた。
「さらしを巻けばぴったりで、殆どサイズ同じなんだなと思ったんです。」
0366ハル ◆2Z9GE9yyj. 2010/03/13(土) 06:55:33ID:ZD6qi0jI0
寝落ちしてしまいましたorz
とりあえず、続きはまたにします。すみません。
0367早めのホワイトデーネタ ◆S1TzStjJG6 2010/03/13(土) 13:57:09ID:pTiPGeLQ0
■兄と妹と手作りクッキー(1/2)

「あーあ、今年もお返しゼロかぁ……虚しいなぁ……」

 諦めと悔しさが混ざったため息が、俺の部屋に漏れた。

「そういうセリフはチョコの一つでもプレゼントしたヤツが言うものであって、一つもあげてない人間が言うものじゃない」

 何度注意しようが、断固として俺のプライベートを侵害してくる妹にため息を吐き返す。

「ホワイトデーに一つもお返しをしていないお兄ちゃんにだけは言われたくないよ」
「お前が全部食ってたからだろうがっ! 今年はするよ!」

 もうご存知だと思いますが、ウチの妹の頭には締めるべきネジがありません。

「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだよ」
「今からでも遅くないからお礼参りした方がいいよ」
「お礼返し! なんでチョコ貰った人間に暴力振るわなきゃいけないんだよ!」
「そんな需要も無くはない」
「そんな需要を望んでる人間にはお近付きになりたくないねぇ」
「お兄ちゃんはハードSMもできないヘタレ……と。あ、あああぁお兄ちゃん、無言で部屋から押し出そうとしないでっ! ああっでもそこがいい!」

「お兄ちゃんはお返し作るんだよね? そのホワイトクッキー」
「ああ、そうだよ」
「じゃあ、
 『 ホ ワ イ ト ジ ャ ム 』をたくさん使うんだよね?」 ※精液を詰めた瓶の俗称
「……Just a moment?」
0368早めのホワイトデーネタ ◆S1TzStjJG6 2010/03/13(土) 13:57:30ID:pTiPGeLQ0
■兄と妹と手作りクッキー(2/2)

「…………あい うぇいてぃどぅ ふぉー あ りとる ほいーる」
「whileの間違いだろ」

 ちょっと英語の出来るフリをして見事に墓穴を掘っていた。そのまま埋葬してやりたい。

「つまり俺は、心の篭もったチョコに対して、きわめて変態的で特殊性癖を晒しながら感謝の気持ちを送るような人間だと言いたいのか?」
「大丈夫、お兄ちゃんの自由は法律が認めている!」
「自由には責任がつきまとうことを覚えような! あるのは自由だけじゃないからな、勘違いするなよ!」
「ひぃっ、お兄ちゃんがまともなことを言っている!」
「それがまともだと理解できる脳みそがあることに驚きだ」
「いやぁ、お兄ちゃんに褒められちゃったよ。15年ぶりかな?」

 ちなみに妹は15歳です。そんなに褒めてなかったかと思ったが、そんな気がしないでもないのは、逆に悲しくなる。

「味見するなら皿まで食う心積もりですので、食べられるお皿でお願いします。手伝えることなら何でも手伝うよ!」
「じゃあ、卵を用意しろ」
「そんな……。排卵日まではあと2日くらいあるよ……」
「嫌な個人情報吹き込むな。ええい、卵はいらんっ! 牛乳寄越せ!」
「ひ、ひどいっ! こんな皿乳捕まえてミルクを出せだなにゃうぅぅぅぅいっ! 痛いよお兄ちゃん!」
「俺はお前をそんな下品な女に育てた覚えはないぞ」
「私、お兄ちゃんに育てられた覚えしかないのにぃ!! あの夜も、この夜もっ……あ、待って、すりこぎ棒はダメ、そんなぶっといの壊れちゃう」
「うるせぇ、お前さっきから邪魔するだけじゃねぇか。あっち行ってろ。でないと、お兄ちゃん、”赤い”ホワイトクッキーを作ってしまいそうになる」
「お兄ちゃん、そんなになるまで出すつもりなのっ? 若いからってムリしちゃダ……ぴぎゃーーーっ!!!」

 そうこう言いながらも俺達は今日も仲良く過ごしています。

「はぁ……はぁ……ちょっと目覚めてきたかも……」
「だめだこいつ、早くなんとかしないと……!」<終>
0369名無しさん@初回限定2010/03/13(土) 13:59:22ID:pTiPGeLQ0
すみません、あげてしまいました。orz

お目汚しも甚だしいかもしれませんが、ホワイトデーネタです。
相変わらずアホのコです。

最近、ちょっとずつ盛り返しているようでちょっと嬉しいです。
0371昔、勢いで作ったエロ小説・・・ part12010/03/26(金) 19:46:52ID:i+umneGX0
朝起きたら・・・妹に

妹「お兄ちゃ〜ん早く起きて〜」
俺「キスしてくれたら起きるよ。」
妹「え〜〜そんなの出来ないよ〜(もじもじ)」
俺「じゃあ起きない」
妹「も〜、お兄ちゃんのエッチ(はあと)」
俺「すやすや(芝居)」
妹「ねえ、キスもしたんだから早く起きてよ〜」
俺「だけどほら、キスなんてしちゃったから・・・」
妹「あれ〜?なんだか布団が膨らんでるよ?どうして?」
俺「うっ、それは・・・」
妹「あっ、わかった!何か隠してるんでしょ。えいっ」
ぎゅっと布団の上から握られる。
0372昔、勢いで作ったエロ小説・・・ part22010/03/26(金) 19:47:28ID:i+umneGX0
俺「うあっ」
妹「何だろ〜これ?なんだか凄くかた〜い。ねえねえお兄ちゃん。これ、なぁに?」
にぎにぎと握ってくる。
俺「そ、それは・・その・・」
妹「隠す所が怪しいなぁ〜えいっ!」
さらに強く握って来る。
俺「うあああぁっ!!」
寝起きの敏感な所を強く刺激されたために、すぐに射精してしまう。
妹「わっなんかビクビクしてる。」
布団の上からなので外までは染みていない。
俺「はあっ、はあっ」
妹「お兄ちゃんどうしたの?大丈夫」
俺「あ、ああ、大丈夫だ。妹よ、着替えるから少し出て行ってくれるかな。」
妹「う、うんわかった。」
流石に何か大変な事をしたのを感じたのかすぐに出て行った。
俺「はあ〜、しかしどうするんだよ、これ。」
後にはベタベタになった下着とパジャマだけが残された・・・。

朝起きたら・・・妹に抜かれた・・・
0373名無しさん@初回限定2010/03/26(金) 19:50:22ID:i+umneGX0
何だろ・・・今見ると、明らかに文章が馬鹿っぽい・・・
何時作ったのかさえ思い出せない位に前に作った奴なので、出来が悪いのは勘弁してください・・・
0376名無しさん@初回限定2010/04/06(火) 09:51:02ID:bBYasFz70
朝起きたら、妹が「えいぷりるふーる」に何も嘘吐かれなかったと不貞腐れていた。
0379とある2010/05/17(月) 21:12:00ID:kWDmaLqb0
朝目が覚めたら、妹がえいぷりるふーるに誰にも嘘をつかれなかったと不貞腐れていた。

「どうしてなの!?」
いや、いきなりどうしてとか言われてもだな・・・何の事だかさっぱりなんだが・・・
「どうしてエイプリルフールに誰も嘘付いてくれなかったのよ!?」
それって、そんなに怒るような事か・・・?
「そうよ!だって、折角の嘘をついても良い日に誰も嘘をついてくれないなんて・・・
兄さんだって嘘付いてくれなかったじゃない!?私の価値ってそんなものなの!?」
分かった分かった、じゃあ俺が今から嘘付いてやるから・・・
「嘘付くって宣言してから嘘付かれても意味ないじゃない・・・」
そうか、じゃあ諦めるんだな。
「う〜・・・」
0380とある2010/05/17(月) 21:12:25ID:kWDmaLqb0
翌日

妹よ、実は俺たちは血がつながってなかったらしいんだ!
「え!?それってホント!?」
ああ、どうやら本当らしい、俺も初めて知ったんだ。(嘘だが)
「良かった・・・」
ん?何でだ?
「だって、血が繋がって無いんだったら兄さんの事好きだったって何も問題ないでしょ?」
なっ!?お前・・・俺の事好きだったのか!?
本当にそうだったら困るぞ・・・さっきのは嘘なんだから・・・
「こっちも嘘だけど?」
・・・・・デスヨネーーー
まあ、当然だよな、兄妹なんだし。

「何で嘘って信じるかな・・・兄さんの馬鹿・・・」
ん?何か言ったか?
「な、何も無いわよ!?」

えいぷりるふーるに誰にも嘘付かれなくて不貞腐れてた妹を、慰めようと思ったら逆に嘘を付かれた・・・んだよなぁ?
0381とある2010/05/17(月) 21:17:23ID:kWDmaLqb0
元・ID:i+umneGX0だ
俺のせいでスレが止まってるような気がして、書き込んでみました。
何故か、一ヶ月以上書き込めなくなってたんで、今更エイプリルフールネタに
特に面白くも無いだろうけど・・・
0384名無しさん@初回限定2010/05/23(日) 00:09:16ID:zXnuI6KI0
朝起きたら妹に、
「お兄ちゃんは彼女を作っちゃダメなんだからね!」と言われた。
0385名無しさん@初回限定2010/05/23(日) 14:03:39ID:zCvk0w7h0
兄「…(セフレなら問題ないな)…理不尽だがその要求を呑もう」
0386でんぱ1/32010/05/27(木) 00:36:07ID:iq/Ze0vO0
「……」
「……お、おっはー」
「ありえない物が見える。寝直そう」
「ちょ、見捨てないで欲しいッス! にーちゃん!」
「やっぱりお前かー! 分かったから乗るな! 跳ねるな!」

朝起きたら、妹が巨大キノコになっていた。

「ベニテングタケ、っぽいなぁ、ちとデフォルメ入ってるが」
「えー、そんな毒キノコイヤっすよー」
「アミガサタケの方が良かったか?」
「乙女として全力で拒否するッス」
「で、何を拾い食いしたらこんなことになったんだ?」
「うーん、毎晩、にーちゃんの部屋に忍び込んでキノコの味見してたからッスかねー」
「サルマタケを栽培した記憶はないが」
「今、板的にありえないスルーをされたッス。男の下着とか誰も想起したく無いッス」
「そういえば服とかどうなったんだ」
「最近、全裸健康法がマイブームだったっッス」
「……つまり、その格好は紛いよーもなく全裸だと」
「ぽっ……ッス」
「軸を染めるな」
「全裸の乙女を前にしてその冷静な反応は無いと思うッス」
「地底旅行的な巨大キノコを前にして何を反応しろと」
「そんなにでかくなったつもりは無いッス。腕の中に収まるお手頃サイズっすよ?」
「収めてどうしろと言うんだ。大体、キノコってのは男のアレと相場が決まってるだろう」
「目につく所だけにとらわれるのは良くないッス。見えない菌糸をぞわぞわと浸透させて相手をじっくりと解体していく様は、経国の美女も真っ青ッス」
「そして咲かすは紅い花…生殖器…まて、まさか胞子とかばらまいてないよな?」
「いや、キノコの形になったからには、多分絶讃バラマキ中ッスね」
「ちょっと見てみるか。確かカサの裏のヒダヒダから出すんだっけ?」
0387でんぱ2/32010/05/27(木) 00:39:33ID:iq/Ze0vO0
「……下からのぞき込まれるとかなり照れるッス」
「我慢しろ。というか、目とか耳とかどうなったんだ。見えてるのか?」
「まぁ何となくッスけど。前と後ろもあるッスよ?」
「そのナリで歩いてるしな……んー、綺麗なヒダだなー、意外と柔らかそうな……」
「ひゃわっ!」
「変な声出すなっ!」
「変な所触るなぁっ……ッス!」
「変な所だったのか?」
「た、多分胞子を出す所ッスから……」
「あー、なるほど──軸は?」
「ちょ、ちょっとくすぐったいッス」
「……このささくれの所とか」
「む、ムズムズするッス。爪の隙間みたいな」
「カサの方は……おお、意外とふわふわな。妖精さんが座りたくなる感じだな」
「アレって実はヴィクトリアン・エロ本らしいっッスけど。とゆーか、お兄ぃに乗られたら潰れるッス」
「分かってるって。なでなで」
「あ、あんまり触らないで……ッス」
「こう……カサの外と中の境界辺りは……」
「ひゃうううっ!!」
「ああ、この辺が効くのか」
「「この辺が効くのか」じゃないッス! 一体何なんスか! 冷静なフリして、妹のカラダなでなで大探検とか! アリエナイッス!」
0389でんぱ3/32010/05/27(木) 00:41:48ID:iq/Ze0vO0
「あ……すまん、つい」
「今頃気づいたフリしたって無駄ッス! せ、責任取って最後まで食べてもらうッス!」
「いや、毒キノコはちょっと」
「大丈夫ッス! ベニテングタケの毒は旨味成分で美味しいらしいッス! 幻覚作用に酔いしれるがいいッス!」
「落ち着け、毒キノコはギリギリアリだが、人食いはアウトだ」
「どうぜ毒キノコッス! こんなお化けキノコどうにもならないッス! 食べられるのが幸せッス!」
「あー、もー」
「にゃっ……

 ……いきなり抱きしめるとか、卑怯っすよ」
「お手頃サイズなんだろ?」
「お化けキノコっすよ?」
「俺の妹だろ?」
「……毒キノコっすよ?」
「美味しいんだろ? ……キスしていいか?」
「……か、カサの上なら……」

 ぺろっ

「──それ……キスじゃないッス。兄ちゃん」
0391妹おおおおお2010/05/27(木) 02:01:22ID:RQngTtFI0
朝起きたら、妹から駅に迎えに来いと電話があった。

「おにーちゃん、なんで傘を私に持たすわけ?」

部活の合宿の朝帰り、運悪く雨が降ってしまい、妹のために
しぶしぶ傘を駅まで持って行った。

それなのに、この口のきき方である。

「人に傘を持ってこさせたんだから、傘ぐらい自分で持て」

「ちょ、ちょっとあんまりこっちよらないでよ…、肌がくっつくじゃない、キモッ」

傘を二本持っていくのがめんどくさく、1本だけを持ってきたのが間違いだった。
予想していたとはいえ、この妹・美春と二人で相合傘とは……。

それに、そんなに兄を邪険にすることはないじゃないか。

「キモいはないだろう、キモいは」

「もっと離れて歩いて! 10メートルくらい後ろからヒタヒタと歩くことは許してあげる」

「ストーカーかよ! キモさ越えて怖いだろッ、それはもう」
0392妹おおおおお2010/05/27(木) 02:02:05ID:RQngTtFI0
「だって……、相合傘で女性に傘を持たせる男なんて、ストーカーと一緒よ。
お兄ちゃんには俺が持ってやろうかっていう、優しが足りないのよ」

拗ねたように下を向いた美春が妙にしおらしく見える。

「あー、もう、分かったよ。傘持ちゃいいんだろ、貸せよ」

「そんな言い方はイヤ」

「ええ? 何が気に食わないんだよ」

「言い方がスゴイ偉そうなんだもん、謝って!
全国民に謝って!」

「スケールでかいな、おい。 分かったよ、悪かったって。気が利かなかったな」

「……、それだけ?」

「他にどうすりゃいいんだよ」

「……、『美春はいつも可愛いな』って謝ってくれたら許してあげる……」

「おい! それ謝罪と違うだろ、なんで口説いてんだよ」
0393妹おおおおお2010/05/27(木) 02:02:38ID:RQngTtFI0
「あああ、えええと、そう! 間違った。
本当は『美春はいつも可愛いな。 ヒタヒタと歩いてごめんな、俺』よ」

「俺、そんな歩き方してるの!? しかも後半自分で自分に謝っちゃってるし」

「あー、もうおにーちゃん、うるさいっ! 謝る気があるの?ないの?」

「あります」

「……ファイナルアンサー?」

「古いよ!」

とにかく、その後すぐ謝って美春の機嫌を何とか直すことに成功した。

「ったく、俺に傘を持たせるのがそんなに重要なことかね」

「えっ?」

俺が傘を持つようになってから、美春が急に上の空になった。
しかもさっきからチラッ、チラッと俺の方を見てくるし。

「俺の話、聞いてるか?」

「ききき、聞いてるわよ」

「……、ったく、ほらもうすぐ家に着くぞ」
0394妹おおおおお2010/05/27(木) 02:03:06ID:RQngTtFI0
なんだかんだで市街地を抜けて住宅街。
俺たちの自宅まで徒歩5分に迫っていた。

「おにーちゃん、ちょっと」

突然、左横を歩いていた美春とピタリと足を止める。

「どうした?」

「えっと……、その……」

妙に顔を真っ赤にしながら美春が俺を見上げてくる。

「どうした?トレイか?」

「違うわよっ、バカ!」

「そんな大声でどなるなって、どうしたんだ?
言いたいことがあれば早く言え」

「いいの?」

「何だよ、言ってみ」

「えいっ」

「えっ!?」
0395妹おおおおお2010/05/27(木) 02:04:38ID:RQngTtFI0
一瞬、何が起こったか信じられなかった。
美春が俺の左腕を取ると、美春の右腕を絡めてきたのだ。
カップルがよくやる「腕組み」というヤツである。

「おい、一体どういう……?」

「おにーちゃん、私の好きにしていいって言ったじゃん……」

「いや、言ってないし」

「私疲れてるから、こっちの方が歩きやすいの」

「ったく……」

これがやりたかったから、俺に傘を持たせようと躍起になってたってわけか。
美春が傘持ってたらできないもんな……。
素直じゃねーんだから。

次回:おにーちゃんに彼女ができた!その時、美春はどーなってしまうのかっ!の巻
0398名無しさん@初回限定2010/05/31(月) 15:59:43ID:Kboyh4n00
┌─────┐
│   乙    |
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
0400名無しさん@初回限定2010/06/21(月) 01:29:00ID:1s1tJKja0
▼朝起きたら妹が、「お兄ちゃんは私の」と言い合っていた。
 ……いつから我が家は妹が複数形になってしまったのだろうと、ベッドの中で天を仰ぐと
 そこには水玉模様が広がっていた。
「やん、お兄ちゃんのエッチっ♪」
「私から言わせて貰えば、人の頭の上にまたがる貴方の方がよほどいやらしい人だと思います」
「ああぁぁ、そんな冷静に突っ込まないで」
 どういうわけか、私の妹”りの”は喜んでいる。
 私は貴方の行動を非難したわけですから、喜ぶより前に反省いえ、どいてください。
「ちょっと、突っ込むってどういうことっ!? まさかお兄ちゃんのお口のヌメヌメしたモノが入り込んだのっ!?」
 もう一つの声が聞こえて、複数形になっていた妹の正体が判明した。
 従姉妹の”みお”か……。
「ちょっとお兄ちゃん、実の妹に手を出す……いえ、舌を入れるなんてどういうコト? ならばあたしはお兄ちゃんに手を、いえ口に入れる」
「何をっ! ちょっと、みおちゃんっ、あなた何をしているんですっ!? こら、手を離しなさい」
「いやっ、お兄ちゃんのを一目、いえ、一口味わうまではっ!」
「味わうとかバカなこと言ってるんじゃありませんっ! ほら、ご近所さんの目もありますし!」
「りのの情報網によれば、お父さん達は今夜は帰りません。ご近所さんもいません。つまりここは完全密室。いくら喘いでも泣かされてもOK♪」
「ふふふっ、あたしとりのちゃん、2人がかりで、お兄ちゃんを好き放題♪ どんなプレイでもOK☆」
「OKじゃありませんっ! 目を覚ましなさい2人とも」
「りの達はもうバッチリ目が覚めてるよ」
「お兄ちゃんが、あたし達の愛で目覚める番……」

 そう言って、2人の妹が私の両サイドを陣取ると、頬に息がかかるくらいに顔を接近させてきた。
 暖かく柔らかい唇が触れた瞬間、とてもイケないことをしているような気分になり、心がざわめいた。

「遊びはここまでだよ、お兄ちゃん」
「今日は寝かせないからね、お兄ちゃん」

 まだ起きたばかりだというのに妹達は気が早かった。
0401 ◆S1TzStjJG6 2010/06/21(月) 01:32:49ID:1s1tJKja0
「邪気眼の妹」って題材で書いてるのがなかなか終わらなかったんで、
>>399氏のお題で、軽く書いてみた。

お目汚し失礼。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0405 ◆S1TzStjJG6 2010/06/29(火) 09:42:33ID:CDPSJYK70
◆朝起きたら、妹が右手を鎮めようと必死になっていた 1/3

6月29日 早朝──

 私今、兄さんの部屋の中で戦っていた。
 自らの意思に反して、兄さんを求める右手を抑えるのに必死なのだ。
(だ、ダメよ……いくら兄さんがタオルケット一枚で無防備だからって、勝手に……その……男の人のアレを見ちゃうなんて)
「しかもあまつさえ触っちゃうなんてっ! はぅ」
 勝手に暴れる右手が私の口を塞ぐ。そう、気付かれてはいけない。
 というか、兄さん、逃げてっ! これから私の右手があなたにイケないことをするわっ!
「……すぅー……すぅー……」
 しかし兄さんは私の願いなど無視するかのように安らかな寝息を立てている。
 このままでは私の意思から切り離された邪悪な右手によって、文字に書き表すにも恥ずかしいことをされてしまう。
(あ、ああ……だ、だめぇ……)
 私の意志に反して、右手が薄いタオルケットの中に忍び込む。
 するするとシーツの中に潜り込み、兄の太腿を掴んだ。
 筋肉質な腿の感触が伝わる。どうやら兄はトランクスとシャツで寝ているようだった。
(兄さん、不出来な妹をお許し下さいっ)
 心の中で兄さんに謝りつつ、ゆっくりと指先を股に向けて進めた。
 恥ずかしいっ、いけないっ……そんな感情が心の奥から湧き上がってくる。
 しかし、私の邪悪な欲望と好奇心は止まらなかった。
 未知への接触、そして兄さんへのご奉仕という甘い誘惑が私の指を動かす。
(触れてはいけないっ……触れたら……火傷しちゃうっ……!)
 いけないと分かっても、指先はどんどんと先へ進んでいく。
 そして、薄い布越しにソレに触れてしまった。
「はゎぅ」
 変な声を出してしまった。
 幸いにして兄さんが起きた様子はない。
(……兄さんの硬くなってる……。まだ触ってなかったのに、これが『朝勃ち』ってヤツなのかなぁ……)
 心臓がドキドキ高鳴るのが分かる。私の心音は今にも口から飛び出しそうだった。
0406 ◆S1TzStjJG6 2010/06/29(火) 09:45:05ID:CDPSJYK70
◆朝起きたら、妹が右手を鎮めようと必死になっていた 2/3
「ん、あ、ああ……」
 兄さんの声が小さく、部屋の中に響いた。
 私の指先が兄さんの大事な部分を優しく擦ったからだ。
(だ、だめよ、そんなことしちゃ……だって、だって兄さんは寝ているのよ……)
 指の腹でぐいっと押すと、高くそびえる男性のテントの支柱はそのまま、横に倒れた。
 ぐらぐらと揺れるも、芯がしっかりしているのか、すぐに元の形に戻る。
「ふふっ……兄さんのココ、面白い……」
(──って、ダメだよ私っ! 兄さんの大事な場所で遊んじゃ……)
 と言いつつも、私の視線は兄さんの顔と股間に完全にロックオンされていて、離せない。
(もうだめよっ、これ以上はだめよ!)
 必死で脳内では叫んでいるのに、私の暴走する右手は、更に大胆に兄さんの太腿からトランクスの中へと侵入した。
(どうしてっ!? こんなことしてたら、私、兄さんに嫌われちゃうのにっ!)
 指先が目的の場所に辿り付く。そこは、灼熱のように燃え上がった棒があった。
(こ、これが兄さんの……お、おちんちん……熱くて、硬くて……大きいっ! こんなの私の中に入るのかなぁ……)
 ちらりと自分の股間に目をやった。私の割れ目の大きさは指一本が入るのがやっとくらいの大きさの穴しかないハズである。
 しかし、ここから子どもが生まれてくることを考えると、兄さんのおちんちんが飲み込めないハズはない。
 考えれば考えるほど、私の子宮がきゅんっと甘く疼き、呼吸を荒くさせる。
 気付けば、私の右手は兄の熱棒を手の平でしっかりと包み込み、上下に動かし始めていた。
(ああ、だめええぇっ……そんなにスリスリしたら、兄さん起きちゃうっ……)
0407 ◆S1TzStjJG6 2010/06/29(火) 09:45:52ID:CDPSJYK70
◆朝起きたら、妹が右手を鎮めようと必死になっていた 3/3
 血管が浮き出ているのすら感じる兄さんのチンポの表面を軽く握り、リズムよく上下に揺らす私の右手。
 気付けば私の左手の自由も奪われており、兄さんの……その……き、きんたまぶくろに……。
(いけないよっ……そんなの……そんなのだめっ……)
 私は懸命に抵抗をするも、腕は関係ないとばかりに兄へのご奉仕を続ける。
 兄さん、気持ちいいのかな……と心配しつつも、いつ兄さんが起きるか気が気ではない。
 しかし、一度暴走を始めた右手は目的を完遂するまでは、コントロールを取り返すのは難しいかも知れない。
(いいのっ、兄さんに嫌われてもっ……!? 今までずっと仲良くしてきたじゃないっ!)
 気付けば私の左手の自由も奪われており、兄さんの……その……き、きんたまぶくろに……。
(いけないよっ……そんなの……そんなのだめっ……)
 私は懸命に抵抗をするも、腕は関係ないとばかりに兄へのご奉仕を続ける。
 兄さん、気持ちいいのかな……と心配しつつも、いつ兄さんが起きるか気が気ではない。
 しかし、一度暴走を始めた右手は目的を完遂するまでは、コントロールを取り返すのは難しいかも知れない。
(いいのっ、兄さんに嫌われてもっ……!? 今までずっと仲良くしてきたじゃないっ!)
 もし兄さんが目覚めたときの反応が恐ろしい。
 なのに、私の両手は更に激しく兄さんの股間を責めたて続けた。
(もしかしたら、目覚めた兄さんが怒って、私に仕返しをするかもしれない……)
 ふと甘い予感が身体を巡る。もしそうなったらと思うと……。
(私、抵抗できないかも知れない……ううん、もしかしたら喜んで受け入れちゃうかも……ああ、でもそんなはしたない!)
 いやいやと頭を揺らしつつも、私の身体も徐々に熱っているのが分かった。
 兄さんの股間の熱さが私の掌から伝わり、身体全体を火照らせているに違いない。
(ああぁ……ごめんなさい、兄さん。こんなはしたない妹で……)
0408 ◆S1TzStjJG6 2010/06/29(火) 09:46:15ID:CDPSJYK70
◆朝起きたら、妹が右手を鎮めようと必死になっていた 4/3
 後悔にズキリと胸が痛みつつも、指先を立派なペニスに滑らせる。腕の振りが心地よいリズムを作り、小刻みに揺れ始める。
 兄さんの盛り上がったテントの先端が黒ずみ、トランクスが硬く張り詰めた。
 さっきまできんたまぶくろを弄っていた左手が、兄さんの頼りがいがあるたくましい胸板をまさぐっていた。
(あああぁ……兄さんの胸……うっとりしちゃう……)
 少し汗のにおいを感じる。それがたまらなく私を引き付け、興奮させる。
 正常な意識が霞み、このまま兄さんに抱きつき、キスをして、全てを捧げたい気分になる。
(いけないよっ……だって私達、兄妹じゃない……。本当ならこんなこともしちゃいけないのよっ! だから、もうやめてっ!)
 心の中で叫びつつも、兄さんへのご奉仕に更に熱が篭り、陰茎を刺激する。
 グンッと肉棒が一瞬、膨らんだのを感じたかと思うと、肉棒の裏側を掴んでいた指先に何かが流れるのを感じた。
「あ、あ、ああぁあ……」
 ドクンッドクンッとまるで心臓の鼓動のように兄さんの男のシンボルが脈打つと、パンツの中のシミが大きく広がる。
 それと同時に私の右手にも熱い飛沫が降りかかる。
 すると、呪縛が解けたように私の右手に自由が戻った。

(ま、また……やってしまった……。ごめんね、兄さん)
 私は絶頂を迎えて疲れている兄さんに深々と謝罪する。
 兄さんの匂いがしみこんだ右手……。
 この右手が、いつしか私達の兄妹という関係を打ち砕いてくれるかも知れない。
(でも……今はまだ、眠ってて……)
 私の気持ちと共に……
<終わり>
0409 ◆S1TzStjJG6 2010/06/29(火) 09:48:02ID:CDPSJYK70
お目汚し失礼です。>>404を1時間でやりました。後悔はしていない。

3分割のつもりが、思いのほか文字数制限に引っかかってしまったので、4つに分けました。
そのせいで、4/3というワケのわからない表記が出来ました。でも、気にしない。

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0411 ◆S1TzStjJG6 2010/06/30(水) 09:58:53ID:xeip/ACg0
> 気付けば私の左手の自由も奪われており、兄さんの……その……き、きんたまぶくろに……。
>(いけないよっ……そんなの……そんなのだめっ……)
> 私は懸命に抵抗をするも、腕は関係ないとばかりに兄へのご奉仕を続ける。
> 兄さん、気持ちいいのかな……と心配しつつも、いつ兄さんが起きるか気が気ではない。
> しかし、一度暴走を始めた右手は目的を完遂するまでは、コントロールを取り返すのは難しいかも知れない。
>(いいのっ、兄さんに嫌われてもっ……!? 今までずっと仲良くしてきたじゃないっ!)

 3ページ目のこの文章が二重投稿されてる……。
 すみません。
0412名無しさん@初回限定2010/06/30(水) 10:04:48ID:ThpuEzH8P
そもそも、兄は起きてない様子だから、朝起きたら〜になってないなどと突っ込みを…

それとも、賢者タイムの為に寝たフリしてるのか?
0413 ◆S1TzStjJG6 2010/07/01(木) 02:27:21ID:GVQg8MB+0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めようと必死になっていた。 take02 1/4

「こ、この手が勝手にっ……くっ、だ、だめよっ、だめっ……ここはぐっと抑えるのよ」
 朝起きたら、妹が右手を鎮めようと必死になっていた。
「いけないわ、で、でも……」
 眠っている俺の身体の上に這い回る僅かな感触が、ゾクゾクとした刺激を走らせる。
 夏になって、タオルケット一枚で寝ている俺の隣にそっと座っている妹の優奈。
 ゆっくりと入り込んでくる指先が、何かを求めるようにして太ももの上を行ったり来たりしていた。
「私の腕ぇ……そこは兄さんの大事な場所なの……迂闊に触れたらヤケドしてしまうわ」
 そう言いつつも、俺が起きていることに気付いていない優奈はするすると股間の中に手を伸ばす。
 それはもう完全に慣れた手付きで、迷うことなくパンツの中に忍び込んできていた。
「兄さん……ごめんなさい。こ、これは私の意思じゃないの」
 小さくつぶやく優奈の声が妙に色っぽく感じた。
「きゃぅ……兄さんのおちんちん……今日は一段とたくましい……」
 頬を赤く染め、細く整った眉を下げながらも、じっと俺のペニスを感じている優奈。
 ゆっくりとタオルケットを避け、パンツのゴムを引っ張る。
(さ、さすがにちょっと恥ずかしいが……)
 妹の真摯に見つめる視線が俺に更なる興奮を与え、肉棒を反り返らせる。
 優奈だってもう16歳、色を知る歳だ。こういうことに興味を持つのはおかしいことじゃない。
(しかし、最近、妙に夢精が多いと思ったら……こういうことだったのか)
 俺は知らないうちに実の妹に性のオモチャにされていたようだった。
「兄さんのすごい……こ、これが……」
 小さめの瞳をパチクリとしながら、指先をチンポの根元に滑らせる。
 ちらりと俺に視線を送ったのがわかった。
0414 ◆S1TzStjJG6 2010/07/01(木) 02:27:52ID:GVQg8MB+0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めようと必死になっていた。take02  2/4

 サラサラの黒い髪が揺れ、太ももをくすぐる。
 今時珍しく髪を染めていないので、撫でた時の心地よさは抜群だ。
 その心地よさが好きで今でもよく頭を撫でている。
「兄さん……まだ寝てるよね……。ちょ、ちょっとだけなら……」
 優奈は白く細い喉を鳴らし、じっと俺の男根を見つめる。
 チリチリとした刺激がむず痒い。
 俺のモノをしごいていた手は止まり、その代わりに揺れる空気を剥き出しになった肉茸にかかる。
(も、もしかして……咥え込むつもりなのか……!?)
 俺の心臓が期待にハッスルを始める。
 妹以外の女の子にはモテた試しが無い俺にとってそれは初めての経験になる。
 優奈はその身体をベッドに預け上半身を俺の下半身にかぶせる。
「兄さん、これは全部、私を意思に背いて勝手に動く右手が悪いの……」
 いや、右手どころの話じゃねぇだろ、お前。
 だが、可愛い妹のためにひと肌脱ぐのが兄の役目。ここは黙って恥辱に耐えるのみだ。
 ゆっくりと唇が俺のチンポに近付く。
(ああ、思えば優奈にキスされたのっていつだろうか……)
 桃色の弾力のある唇がゆっくりとキノコのカサの部分を飲み込んでいく。
「う、あ、ああぁ……」
 思わず俺は声をあげてしまった。
(ヤバい、起きてることに気付かれたか?)
「兄さん、声出してる……気持ちいいんだ……」
 俺の生理現象を把握しているのか、狸寝入りしていることには気付いていない。
「ちゅぅ……ん、ふぅ……んんんーー、ふぅー」
0415 ◆S1TzStjJG6 2010/07/01(木) 02:28:23ID:GVQg8MB+0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めようと必死になっていた。take02  3/4

 亀頭が暖かい感触に包まれると、一気に俺の体温が上がったような気がした。
(や、やばいっ、なんだ、この感触っ……気持ちいいっ!)
 妹の口なのに、ヌメヌメとしていて、暖かくて、舌が触れた瞬間背筋に心地よい電流が走った。
「はあ、ああぁぁ……」
「兄さん……ごめんね……んっちゅぅ……ふぅ……じゅるるる……」
 どこでそんな知識を得たのか、優奈は俺のチンポに唾液を絡めて吸い上げる。
 全身の毛が逆立ち、腰の奥が強く痺れた。
(あああぁぁ、妹にエッチなことされてっ……俺、もうイキそうだ……!)
 妹の唇で吸い上げられて、俺の肉棒はもう限界まで硬くなっていた。
「兄さんのおちんちん大きくなってる……はあぁ……あぁ……」
 勝手に動くという右手が茎の部分を上下に往復する。
 妹の……女の子の手の平がこんなにも気持ちいいなんて知らなかった。
「兄さん……ちゅぅ……兄さん……」
 ぬちゃ、くちゃ……と可愛らしい舌を動かして、チンポをベトベトにしていく優奈。
 俺のチンポの先は甘痺れして、カウパーを溢れさせていた。
「はああぁ……あ、ああぁ……優奈ぁ……」
「兄さん……。もっといっぱい気持ちよくなって……出してね」
 優奈の舌先が、亀頭部分をついばみ、尿道口をなぞりあげた瞬間、俺の脳が一瞬飛んだ。
「んむぅぅっっ、んん、んんんっ……!?」
 陰棒の中を、俺の精子が駆け抜け、鈴口から一気に飛び出す。
 それを優奈は唇をすぼめてしっかりと喉で受け止める。
「んんんぅーーー、んんー、んんんんんぅぅぅーーー……」
 少し涙目になりながらも、喉を鳴らし、俺が放った汚濁を飲み込んでいった。
0416 ◆S1TzStjJG6 2010/07/01(木) 02:28:57ID:GVQg8MB+0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めようと必死になっていた。take02  4/4

(俺……妹に射精してしまった……。しかも口に出して……飲まれた……)
 ただ妹に一方的にされていただけだが、俺の中に強い背徳感が芽生えた。
「これが……兄さんの味……」
 しゅっしゅっと右手を動かして、尿道口に残った残滓までも搾り取る。
「ごめんね、兄さん……汚しちゃって……。今、綺麗にしますから……」
 優奈は優しく俺の息子にキスすると、ペロペロと表面を舐めていく。
 一通り舐めると、トランクスとタオルケットを元に戻し、
 そっと音を立てないように部屋から出て行った。

 俺は……優奈を叱るべきだろうか?
 ほめるべきだろうか?

 それとも、このまま、おいしいシチュエーションを楽しむべきだろうか……。

 優奈の手の感触を思い出し、俺は出したばかりだというのにまた勃起してしまう。
 可愛いから、でも……妹だから……。
 好きになっちゃいけない。
 だからこんなことをするべきじゃない。

 去っていった優奈の残り香を嗅ぎながら、俺は一人、勃起したペニスの処理をした。<終わり>
0417 ◆S1TzStjJG6 2010/07/01(木) 02:31:30ID:GVQg8MB+0
>>412
はわっ、しまった! 修正するついでに、続きを投下させていただきました。

このたびは、本当にお目汚し失礼しました。
0420 ◆S1TzStjJG6 2010/07/02(金) 01:56:14ID:nPDUA61F0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take03 1/3

「はあぁ……今日もやってしまった……」
 心の中で溜め息を吐く我が妹、優奈。その感想は俺も同じである。
 朝意識が覚醒すると、妹は俺の下半身に口付けをしていた。
 おいしそうにしゃぶる快感がたまらなく気持ちよくて、俺は狸寝入りを続けてしまう。
 そう、寝ている間の悪戯なら仕方ないと自分に言い聞かせて……。
 証拠が残らないように、俺が放った精液を全て飲み込み、お掃除フェラまでする『毎日』。
 日に日に欲望が高まるのは無理も無かった。

 妹とのご奉仕を毎日受ける。でも普段はそんな淫靡なことなど露知らずといった感じで接している。
 今日もそんな一日だと思っていた。
「兄さんと一緒にお買い物なんて久しぶり、だね」
「ああ、そうだな……」
 一緒の電車に乗り、街へと向かう俺達。
 電車に乗り、3分後……優奈を見ると震えていた。
「……ぅぅ……だ、だめ……だめ……」
「どうした、優奈? もしかして痴漢か?」
 ぐっと可愛い妹の頭を抱いて、自分に近付ける。
 周囲を鋭く見渡して、妹に危害を加えそうな輩を探す。
「あうっ、に、兄さん……だめっ、そんなことしちゃ……」
「えっ? 俺、変なところ触って……ぽぅっ!」
 胸板に顔を埋めて恥らう優奈の手がそっと俺の股間に伸びていた。
0421 ◆S1TzStjJG6 2010/07/02(金) 01:56:40ID:nPDUA61F0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take03 2/3

「ちょ、ちょっ…………お前っ……何やって……」
 我が家の俺の部屋とはワケが違う。こんな公共の、しかも人の中で突然触られてしまっているのである。
「ご、ごめんなさい、兄さん……! ぐ、偶然なの、これはっ……すぐに……」
 慌てたように右手を離そうと、左手を添える。
 妙な光景だが、最近の優奈はしきりに右手と格闘しているのは知っている。
 俺にエロいことをしているのも、右手のせいと何度も言っていたな。
「優奈……どうしてまさぐるんだ?」
 優奈は泣きそうな表情を浮かべながらも、慌てて肩を引いていた。
「ご、ごめんなさいっ……右手が勝手に……。わ、私の意志じゃないの」
 優奈の瞳は悲しげに揺れ、眉尻は垂れ下がっていた。唇は震え、顔色は良くない。
 そう言いつつも、ゆっくりと右手は社会の窓の上から、俺の股間をゲットだぜ、である。
(優奈はいつも、そんなことを言っているな……)
「そうなのか?」
 俺は優奈の手を掴むと、強引に股間をまさぐる悪いコ股間から離した。
「あうぅ……兄さん、ごめんなさい。あ、ああぁ……また手が……」
 まるで手が磁石に引き寄せられるかのように、俺の股間へと向かっていく。
「だ、だめっ……人前なのに……あ、ああぁ……いやあぁ……」
 優奈はイヤがっているのに、右手だけはその意思を無視したように股間へと吸い寄せられている。
 とても嘘をついている様子には見えない。本当に、右手が勝手に動いているようだ。
 しかしまあ、よく考えてみれば、股間をガードしていれば問題ないよな。

 さわさわさわさわ。お尻触られました。
 最初、コイツが痴漢されてるのかと思ったら、コイツが痴漢そのものだった。
0422 ◆S1TzStjJG6 2010/07/02(金) 01:57:33ID:nPDUA61F0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take03 3/3

「ちょっと妹さん……」
 なんて笑えない状態だ。
「ご、ごめんなさい……自分ではどうしようもなくてっ……ああ、手が勝手に動いちゃうっ」
 羞恥で泣きそうな表情で謝りつつも、左手までもが俺のお尻をナデナデしてくる。
 自分の意思ではどうすることも出来ない悔しさと、俺に迷惑をかけているという申し訳なさが感じられるような感じられないような……。
「仕方ないヤツだな……」
 俺は優奈の右手をそっと掴んだ。そして、恋人同士がよくやるように、指同士を絡ませて握りしめる。
「こうすれば悪戯出来ないだろ?」
 人前で妹と手を繋ぐなんて恥ずかしさもあったが、これ以上優奈に人前で恥ずかしい行為をさせるのは見るに耐えなかった。
 俺が手を握った瞬間、優奈の普段は色白の顔が、トマトが熟したように真っ赤になる。
「兄さん……♪」
 優奈は蕩けてしまいそうな笑みを浮かべながら、黙って俺の手を強く握り返す。
 それから、電車を下りるまで優奈の右手が暴走することは無かった。 <終了>



自分の意思に反して悪戯しまくる優奈とその兄の災難はまだまだ続く。(笑)
優奈、いいなぁ……。セクハラじゃない、いじめでもない。だけど行く先々でエロいことをしちゃう。
書いてて楽しいですコレ。色んなシチュエーションが想像できますよね。全部お兄ちゃんが悪戯されるワケなんですが。

>>419さん
感想はあるともちろん嬉しいですが、
例え読んでなくても『乙』と一言あるだけで、投下して良かったと思えます。
一時期、本当に乙すら書く人がいなくて辛かったですから。
0423名無しさん@初回限定2010/07/02(金) 04:07:23ID:UiaIJWZAP
>>422
412だが、書き直し投稿するとは思ってなかった。
エスカレートして、フェラも毎日ですか… 本番しちゃう日も近そうだな。
その前に、フェラしながら自分を慰めるとかw
0424名無しさん@初回限定2010/07/02(金) 08:06:45ID:aMnjNefw0
>>422
邪気眼妹とのことでしたので
なんとなく"右手が"とコメントしてみたのですが、
効果は大ありだったようですねw
乙、そしてGJです!
0426 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:32:35ID:1VttkzoX0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take04 1/4

「兄さん……だめっ……また……手が勝手にっ」
 妹の優奈はどういう理由か分からないが、時々右手の自由が効かなくなるようだ。
 それは不随ではなく、まるで誰かに操られるような形で、自由を奪われる。
「ごめんね、兄さん……本当にごめんね」
 何度も謝りながらも優奈の右手が俺の反り返る男性部分を上下にしごく。
 そして、飲むのだ、俺の精液を。おいしそうに、一滴も残さずに……。
 その時の甘美な陶酔感に酔いしれ、俺は今でも優奈の前で狸寝入りしている。

 今日はそんな困った妹・優奈と買い物に来ていたのだが、
 なんとこともあろうに電車の中でその悪癖が登場してしまったのだから大変。
 公然と股間を触り始めてしまったのだ。
 一応、俺は寝ている間に悪戯されていることは知らない身。きっちりその理由を問いたださないといけない。
 俺は電車を下りると駅前にあるファーストフード店『マゾニナルド』に優奈を連れ込んだ。
 コーヒーとバニラシェイクを注文すると、店の一番奥の壁側の席に2人並んで座った。
「そ、その……お前……いつも、あんなことしてるのか?」
「し、してないよっ! 私、そういう女の子じゃないもんっ!」
 俺の質問に優奈は泣きそうな表情を浮かべて答える。かっと顔が赤くなる。
 小さく持ち上げられた両手が拳を作る。
「そうだよな……お前がこんなことするヤツだなんて俺も信じられないからな」
 しかし毎朝俺の部屋に忍び込んでは、フェラチオをしているのは間違いない。
「だ、だから……兄さん……。あっ!」
 ……優奈の手がもじもぞと俺の股間をまさぐっていた。
0427 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:33:01ID:1VttkzoX0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take04 2/4

「ちょ、ちょっと待て優奈! ここじゃマズいだろ」
 俺は慌てて周りを確認する。幸いにしてここは壁際の席で、俺は一番奥まった場所に座っているため、完全に死角になっている。
 細くなめらかな優奈の指が、ズボンのジッパーを探し当てると、親指と人差し指でゆっくりと金具を下ろす。
「に、兄さん……お願いっ……私の右手を止めてっ」
「優奈……もう俺にくっつけ。周りに見つかったら大変だぞ」
 そっと肩を抱いて優奈を抱き寄せると、妹は素直に身体を寄せてきた。
 肩の辺りに乗りそうな頭とふわりと柔らかく甘い香りが俺の鼻腔をくすぐる。
 実の兄と一緒に買い物に出かけるだけなのに、香水をつけるなんてさすが女の子だ。
「そ、そんな……ここでそんなこと……だめだよ兄さんっ」
 優奈はせわしなく周りを見渡しながら、右手をズボンの中に忍ばせてくる。
 スルリと入ってきた白魚のような手の平は、俺のトランクスの穴からペニスをゆっくりと引き抜いた。
「兄さんのえっち……兄さんのえっち……。もう恥ずかしくて、頭の中燃えちゃいそうだよ」
 消え入りそうな声をあげながら、優奈はチンポをシゴき続ける。
「エッチなのはどっちだよ。実の兄のチンポをこんなところで触ってくるヤツは『痴女』って言われても文句は言えないぞ」
 いつ周りの人間にバレるか分からない。心臓が緊張で強く脈打ち、僅かに息苦しさを感じた。
「わ、私、痴女じゃないもん……」
 泣きながら抗議する妹の手は、それでも動きを止めない。
 揚げたてのフライドポテトのように、カリッと硬い肉棒の先端からは、透明なシロップが溢れ出した。
「お願い、兄さん……こんなこと辞めよう? ねえ?」
 自分行為を否定するような言葉を言いつつも、優奈の指先は先っぽのピンク宝珠をスリスリと弄っていた。
 戸惑うことなくカウパーを伸ばし、亀頭部分全体に引き伸ばす。
「ここまでされて……はぁ……やめられた、俺が辛いって……」
「そ、そうなんだ。ごめん、そういうことなら、私頑張る……兄さん、もっと気持ちよくなってね」
0428 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:33:43ID:1VttkzoX0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take04 3/4

「兄さん……気持ちいい?」
 優奈の指先が俺の豪根の上で忙しなく動く。カウパーで滑りが良くなった男の部分からはチリチリと強烈な電気が走る。
「あ、あああっ……い、いいぞ、優奈」
 優しく優奈の黒髪を撫でると、少し恥ずかしそうにしながらも頬をほころばせて、小さく笑みを浮かべる。
「ん……兄さん……。私、もっと頑張る」
 頭を撫でられてやる気になったのか、右手だけでなく左手も使って擦り始める優奈。
 ゾクゾクとした刺激が俺の全身を駆け巡り、快楽で脳がスパークしそうになる。
「あれー? 優奈じゃーんっ? おはおはー♪」
 俺達の鼓膜に届いた声で背筋が凍りつく。
「みっちゃんっ! こ、こんにちはっ」
 優奈は顔だけをみっちゃんと呼ぶ女の子に向け、左手をあげて挨拶を返す。
 そこにはちょこんと左側だけにサイドテールを作った、少し幼い感じの活発そうな女の子がいた。
(優奈の友達か……って、右手っ!?)
 友達が来たというのに、優奈の右手は依然として俺の肉棒を扱き続けている。
 こんなところみっちゃんとやらに見られたら、優奈も俺も大変だ。
(頼むからこっちに来ないでくれっ!)
 俺は心からそう願うしかなかった。冷や汗がじわりと浮かぶ。
 一歩、また一歩と近付いてくる友人みっちゃん。
(だ、だめだっ……それ以上来るなっ……)
 緊張感が俺達の間に走る。しかし、股間に与え続けられる快楽は強くなっていく。
 近付いた隣にいる俺の存在を確認すると、いやらしい笑みを浮かべて、手で口元を押さえる。
「あ……ごめんなさい。お邪魔だったね? それじゃ、仲良くね。今度、その紹介してね、その彼氏♪」
「か、彼氏じゃ……」
0429 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:34:10ID:1VttkzoX0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take04 4/4

 優奈は口の中でもごもごと言葉を転がしながらも、これ以上接近されないようにするためには否定する言葉を飲み込んだ。
 みっちゃんとやらはくふふふふ〜と笑いながら、窓側の席へとステップしていった。
「兄さん……ごめん……。たぶん、みっちゃん、兄さんのこと、恋人だと思ってるよ」
 股間を握り締めたまま申し訳なさそうな表情を見せる。
 しかし、一難去って安堵感が増した瞬間、俺の中の限界がすぐそこまで来ていることに気付いた。
「ゆ、優奈……それはいいから……も、もう出る……!」
 ジンジンと痺れている男根の先端が強く張り詰める。
「うん……兄さん。出して……」
 そっと囁いた妹の声は妙に大人っぽくて……喧騒の中でもハッキリと聞こえた。
 じわっと亀頭の亀裂から白い液がにじみ出た直後、勢いよく射精した。
 どくどくと湧き水が湧き出るようにほとばしり、ペニスを握る妹の白い指に絡み付いていく。
「兄さんの精液……ビュクッビュクだね……。熱くて……濃いよ」
「う……そういうこと言うなよ。恥ずかしいの我慢してたんだから」
 でも、すっげぇ興奮した。生まれて初めてで、胸がジンジンして、まだ鼻息が荒い。
「兄さんのバニラシェイク……」
 そういって優奈は手の平に降りかかった精液をペロリと舐めとった。
「あっ……! あのっ……これは、右手が勝手に」
 俺が見ていることも忘れて、精液を飲んでしまったことに気付いて慌てて言い訳をしていた。
「ありがとう……優奈。飲んでくれて、俺すごく嬉しいよ」
 髪の毛を優しく撫でてやると、安堵と共に喜びを顔いっぱいに張り付かせた。
「ん〜〜、やぁ〜、兄さん……ちょっと、恥ずかしいよぉ……♪」
 ころころと笑いながら、優奈は俺に頭を預ける。
 とりあえず、優奈の右手の自由が戻りほっと一安心した。(続く)
0431 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:43:44ID:1VttkzoX0
>>423
感想ありがとうございます。
次はフェラしながら、自分を慰めるパターンでいきましょう!

>>424
感想ありがとうございます。
邪気眼の妹なんて無かった! 
兄のハーゲンダッツ食っておしおきされる妹なんていなかった!

>>425
乙ありであります (`・ω・´)ゞ

いつも読んでくださり、ありがとうございます。
未熟ながら続きを書かせていただいております。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
次回の話はお買い物中の話になります。
0432 ◆S1TzStjJG6 2010/07/03(土) 06:44:15ID:1VttkzoX0
>>430
早っ! 乙、ありがとうございます。
0433 ◆S1TzStjJG6 2010/07/05(月) 22:16:57ID:AbfTmkdN0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take05 1/5

 実は私、優奈はここ最近、毎日のように兄の部屋に忍び込み、そ、その……兄さんのアソコを弄っています。
 それにはワケがあるんです。実は私、16歳になったあの日から、時々右手の自由が効かなくなるんです。
 まるで操り人形のように勝手に手が動いて、兄を求めてしまいます。
 兄にこういう淫らなことをするのがイヤというワケでは……ないのですが……その、自主的にするのも恥ずかしくて。
 それに何より、兄さんが寝ている隙を狙ってしているということがすごく申し訳なくて……。
 今日も……兄さんの寝顔を見つめては、いけないことをしているということが分かりつつも、オチンチンを弄ってしまいました。
「兄さんの今日も元気だね……すっごくたくましいよ……はぁ……はぁ……」
 どうしてかな、最近兄さんのおちんちんを見ていると、身体の奥がきゅんっと疼くの。
 胸も切ないけど、特に股間の部分が……。
 私は身体の異常を確かめるために左手を下半身に伸ばしました。
「ふぅっんんんっ……!」
 少し触れただけなのに、ピリピリッと気持ちいい電流が走りました。そこはまるでかゆみのように、さらに刺激を欲して疼きます。
 自由の効かない右手がスナップを効かせながら兄さんのたくましい部分を刺激し続けていくうちに私の頭もモヤがかかったようになってきました。
 左手までも私の意志を無視するかのようにアソコを弄り始めます。
(んんっ、だ、だめ……。で、でも……気持ちいい……)
 下着が濡れちゃうのが恥ずかしくて、でもその恥ずかしさも気持ちよさに変わっていくようで……私の意識は完全に蕩けそうになっていた。
(兄さんのおちんちんが熱く硬くなってる。私のアソコと一緒……)
 身体が芯から熱くなって、燃え上がりそうで、指が勝手に秘唇を弄り、濡れ花弁を刺激して私の脳をショートさせる。
 だんだん、兄さんと意識がシンクロしてくるみたいで……私は……その心地よさに私の意識は天に昇っていくようでした。
「はあぁ……はあぁ、またやっちゃった……兄さんごめんね……」
 私は兄さんの先端から溢れ出てきた白くてちょっぴり苦いミルクを舐め取って、自分がした過ちの証拠を隠滅した。
(兄さんが今日も起きなくて良かった……)
0434 ◆S1TzStjJG6 2010/07/05(月) 22:17:23ID:AbfTmkdN0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take05 2/5

 そんなことを思い出していると、急に顔が熱くなってしまった。
(やだっ……最近、私。兄さんとエッチなことしかしてないみたいじゃないっ……)
 さっきもお店の中なのに、兄さんのおちんちん触っちゃうし……。
(このままじゃきっと兄さんにエッチなコだって思われて嫌われちゃうっ……。もっと、しっかりしないとっ!)
「おーい、優奈……頼まれた買い物終わったぞー。他に何か買っていきたいものが無ければ帰るぞ」
「ねえ、兄さん。そろそろ海開きも近いし、水着買って行きたいんだけど……いいかな?」
 私は気をしっかり持って、兄さんの右側に並ぶ。右手が近いからいけないんだよね。
 私が兄さんを見上げると、兄さんは少し驚いた顔を見せる。
「そ、そういうのは友達同士とか……の方がいいんじゃないか? さっきのみっちゃんとか、さ」
 むぅ……兄さん、今恋人とか言おうとしたな。ふーんだ、どーせ私にはそんな人いませんよーだ。
「んー……それもそうなんだけど、せっかく久しぶりに兄さんと買い物に来たんだし、色々買いたくて」
「あ、さては俺に少し出させるつもりだな? いいぜ、水着一着くらいなら」
「ふふーん、じゃあ私も兄さんに服買ってあげる♪ 兄さん、いっつも着ている服には無頓着なんだから」
 私が買ってあげないと兄さんはいっつも同じ服ばっかり着てるんだから。でも、兄さん高いの買おうとすると遠慮するんだよね……。
 私ももう子どもじゃないし、バイトもしてるから、もっと頼ってくれてもいいんだけどな。
「ははは、そうだな。いつまでもお前に選んでもらってばかりじゃダメだもんな」
(私は別にそれでもいいんだけどな……って、あれ? それじゃ妹としてダメなのかな?)
 兄さんの面倒を私以外の女の人が見る……私が兄さん以外の男の人に尽くす……。どうしてだろう……なんかイヤな気分……。
(やっぱり私、兄さんのこと……異性として好きなのかな……?)
 胸がキュンとなって苦しくなる……。心臓が破裂しちゃいそうなくらい、鳴ってる……。
 でも、私と兄さんは兄妹……決して結婚できなくて、兄さんの子どもも作ることは許されない。
(そう、好きになっちゃ……いけない……の……)
0435 ◆S1TzStjJG6 2010/07/05(月) 22:17:48ID:AbfTmkdN0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take05 3/5

 私は今にも沈んでしまいそうな気分を振り払うように気合を入れて水着を選ぶことにした。
「優奈、そろそろ手を離してくれてもいいんじゃないか? 女物の水着コーナー居心地悪いんだが」
「何いってるの、兄さんに選んで欲しいな。それまで絶対離さない」
 ぎゅっと腕に絡みつく。兄さんはちょっと困った顔をして、頬を赤くしたの。
(良かった、私女の子って意識されてる)
「そんなこと言われても、俺ファッションセンスないし、もしかしたらすごくエロい水着選ぶかも知れないぜ」
 エッチな水着を着たら兄さん、私のこともっと女の子だって思ってくれるかな?
「い、いいよっ……兄さんが見たいって言うならっ……私、恥ずかしいけど……着る……」
 ああ、私っなんてコト言ってるのっ!? 恥ずかしいぃい〜〜〜っ!
「おいおい、お前が遊びに行くために着る水着だろうが。スクール水着選んで恥ずかしい思いをさせるぞ」
「うっ……それは確かにヤダ」
 あんな地味な水着より、もっと可愛い水着がいい。あ、でも男の人ってそういう水着が好きな人がいるって、みっちゃんが言ってたような……?
 兄さんを見つめると、真剣に水着を選んでくれているようだった。
 お店に並んでいる水着を選んでいるみたい。兄さんの瞳は白いビキニで止まっていた。
 三角布の生地と少し切れ込みのあるハイレグ。パレオもついている。
(ちょっと可愛いけど、あれを着るのは恥ずかしいな……でも、兄さんはあーいうのが好みなのかな?)
 兄さんの目がくるぅりと一周すると、再び白のビキニに目が止まる。
「お前にはあの水着が似合うんじゃないか?」
 兄さんが指差したのは、ちょっとセクシーン白のビキニ……の隣にあったチェック柄のレオタードタイプ。
(もうっ兄さんが隣のビキニを見てたのは知ってるんだぞっ! 私はそれでも着るのに……)
 でも、兄さんが選んでくれた水着も可愛い……やっぱり私に似合うって思って選んでくれてるんだよね?
「すみませ〜ん、あの水着試着させてください」
 私は空いている方の手を水着を指そうとすると……不意に右手が自分の意思に逆らい始めた。
0436 ◆S1TzStjJG6 2010/07/05(月) 22:18:14ID:AbfTmkdN0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take05 4/5

(えっ……ちょ、ちょっと、やめて……そっちじゃないのっ)
 私の右手は兄さんが選んでくれた水着の隣、過激な白のビキニを指定していた。
 兄さんはびっくりした表情で私を見ていた。
(い、いや……違うの……本当はその隣の可愛いチェックの水着なのに……)
 私は腕が引きつりそうになりながらも、兄さんが選んでくれた水着に指を向けた。
(……兄さんが選んでくれたんだもんっ! やっぱり着なくちゃダメッ!)
 勝手に動き出す右手を必死で抑えて、私はチェックの水着をロックオンした。
 すると店員さんはすぐにその水着を持ってきてくれる。
「はあぁ〜……びっくりした。一瞬、ビキニを選んだかと思ったぁ」
 兄さんは少しだけほっとした表情を見せた。でも、兄さん。私は兄さんの下心なんてお見通しだからね。
「ふふーん、残念でしたー☆ じぃ〜っと見てたもんねー」
「ギクッ……い、いやぁ……なんのことかな……?」
 ふふっ……兄さん、可愛い。
「せっかくでしたら、そちらも試着してみますか? お客様でしたら大変お似合いになると思いますよ」
 店員さんが私達の会話を効いて、気を利かせてそんなことを言う。
「え、いや、そのっ……」
 慌てる兄さんが面白くて……。
「はい、せっかくですから試しちゃいます♪」
 ちょっとだけ思い切って、そう言うと兄さんはもう飛び上がるくらい驚いてしまっていた。
「おいおいっ……そんな水着、お前恥ずかしくて着れないだろ?」
「え、でも可愛いよ。じっと見ていたエッチな人のために着てあげる♪」
 私は2つの水着を持って、更衣室へと入った。
0437 ◆S1TzStjJG6 2010/07/05(月) 22:18:40ID:AbfTmkdN0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take05 5/5

 それにしてもどうして右手が勝手に動き出しちゃうんだろう?
(まるで兄さんのして欲しいことを感知して動いてたりするのかな?)
 だとするのなら、兄さんは毎朝の行為を望んでいることになるの? 兄さんが喜んでくれるなら私、頑張るけど……。
(あっ、ヤダッ。乳首勃ってきちゃった……)
 あー、もう最近の私、どんどんエッチになってるような気がするよぉ……。兄さんごめんなさい、私は悪いコになっちゃいました。
 私はこれ以上、余計なことを考えないようにして、チェックの水着を身につけて兄さんに見せる。
「おっ……やっぱり可愛いなぁ……」
 兄さんは開口一番そう言った。
 明後日の方向を見ながら。
「兄さん、恥ずかしがってないでちゃんと見て言ってよっ!」
 私だって恥ずかしいけど、見てもらえない方がもっと恥ずかしいんだから。
「い、いや……い、妹とは言え、その女の子の身体をじっと見るのは……その……」
 あ、兄さん照れてるんだ。ふふーん、私のことちゃんと女の子なんだって見てるんだ。
「いいよ、兄さんになら、どんな目で見られても……」
(わわっ私今、すごく大胆なこと言っちゃってるっ!)
 私の右手が横を向いた顔を、そっと自分に向けさせる。
 兄さんの視線が私の身体のあちこちを舐め回すように動く。特に胸の部分は熱くなるくらいだった。
(もお、兄さんはえっちだなぁ……でも、妹なのにえっちな目で見てくれるのが嬉しい……♪)
「どう、兄さん」
「えっ……あ、ああっ! すごく……似合ってるよ」
 ちょっと困った顔で恥ずかしそうにそう言った兄さん。
 私は嬉しくて、もっと、見て欲しい……兄さんだけに見つめていてほしい、そんな気持ちが次から次へと溢れ出してきた。
「に、兄さん……こっちの水着も……見て、くれるよね?」
 私は白いビキニをちょんと摘んで見せると、兄さんの顔はますます真っ赤になっていくのが分かった。<終了>
0440285 ◆nwaIZCwhPQZ7 2010/07/06(火) 22:47:59ID:el4H3w1o0
 喘ぎ声で目が覚めた。
 混濁する意識は型の合わないパズルピースのように現実と噛みあわず、夢の中の夢でも
見ているのかと思ったが、枕に突っ伏そうとした俺の意識を再びつかまえたのは、やはり
何処からか聞こえる喘ぎ声だった。
「ん……あ、はぁ……」艶声が耳を通過する。今度こそ紛うまい、これは現実だ。
 朝の日差しがカーテンの隙間から部屋に射しこむ。机二台と二段ベッド、小さな本棚が
一つ配置された六畳部屋はあまりにも狭苦しい。
 高校生にもなって子供部屋が共有なのはひとえに我が家の逼迫した経済の織り成す現実
であり、己にできるのはせいぜい『一人部屋』という甘美な響きに思いを馳せる程度か。
そしてその二段ベッドの下段にて俺の安眠を妨害したのは、誰であろう俺の妹だ。己と同
じ遺伝子構造を持っているとはにわかに信じがたい、と前説につけておこう。理由は明白。
「ん、んぅ、く……ふ」
 多少押し殺されてはいるが、同室の徒に聞こえぬほどではない。意を決し、ベッドを降
りる。これ見よがしにダンダンと音を立てながら。
「――ひ、ひゃぁあああ! ちょ、お兄ちゃんいたの――ッ?」と、顔を真っ赤にしなが
ら、今の声は寝言だったんだよ! みたいに苦しい言い訳で必死に取り繕う妹。
 ――だったら、可愛かったんだけどなァ。
 湿った水音が艶に染まった声に寄り添いながら耳朶に届く。俺のあきれた目線の先では、
取り繕うの『と』の字も見せない妹、七海が現在進行形で秘所に指を這わせていた。

 あ、ありのままに今起こったことを話すぜ。
 朝起きたら妹がオナニーしてた。何を言っているかわからねーと思うが以下略。

 俺の妹、七海には困った癖がある。或いは欠点と言い換えてもいい。
 一言で説明できる以上、一言で説明したいところなのだが、性に関する事柄は、高校生
男子には口に出しづらい。そんな話題を憚らない連中も存在するが俺はそのカテゴリー内
にはいない。純情なのだ。
 恥を忍んで言ってしまえば、妹が同じ部屋に兄がいるのに気にせず自慰をするというこ
とで、身も蓋もない話だがそういうことなのだ。
0441285 2 ◆V16zmGSouU 2010/07/06(火) 22:51:41ID:el4H3w1o0
 妹の名誉のために言っておくが、彼女は別に性に奔放なギャルでもないし、家の外では
割と優等生で通っている。七海が残念になるのは俺の知る限りこの部屋だけだと思う。が、
問題であることには変わりないわけで。
「おい、バカ妹」できるだけ機嫌の悪さを前面に出すように言う。
「え……? なに、ちょ、っと、まって……ふぁ、もうちょっちょ」
 兄の登場など意にも返さず七海は、紅潮して蕩けた顔を半分枕にうずめながら不規則な
痙攣を繰り返す。口もとからはだらしなくよだれが胸元まで零れ落ち、てらてらと濡れ輝
いている。秘所をまさぐる指先だけは精緻に執拗に陰核に刺激を与え続け、やがてその動
きが小刻みになると、七海の身体全体が硬直していく。
「あっ、や……まだ、もう、ちょっと……」そう言いながら、七海はびくんと大きく痙攣
したかと思うと、一気に弛緩してベッドに倒れこんだ。
「はぁ〜、五十五点」傍目には恍惚の表情にしか見えない満足しきった顔のまま、不遜な
得点をつけやがる。
 いや、女の子の絶頂が羨ましいわけでは……なくもないのだが、今はそれは思慮の対象
ではなくて。
「七海。ちょっとそこに座りなさい」床に座布団を二枚敷き、昭和父の物言いで言う。
「イッたばっかはダメ。ちょっと、待って」
 仕方なく待つ。
 やがて余韻冷めぬ身体を起こし、ゆっくりとした動作で七海がベッドの柵を越える。
「パンツ履きなさい」
「やだよ、ベタつくもん。お風呂入るから話あるなら早くして」一転して凛としたスタッ
カートの声音。
 七海は正座するわけでもなくあぐらをかいて、俺の正面に座る。
 ゆるいウェーブのかかった長い髪は行為の影響で乱れ頬に張り付いている。その肌は未
だ冷めやらぬ水滴にしっとりと濡れ、シミ一つない肌に確かな色を添えている。個々の
パーツに限れば目は一重、唇は薄く、鼻もあまり高いとは言えないが突出した部分がない
分、調和が取れており、一言で表すなら素朴系美少女といったところか。
 分水嶺を違えたのは内面だけではないということだ。しかし如何せんその内面はあまり
にも特殊すぎた。
0442285 3 ◆V16zmGSouU 2010/07/06(火) 22:53:56ID:el4H3w1o0
 七海はぱんつはいてないので当然、見てはイケナイ部分が否応にも視覚に入ってしまい、
まだあまり捲れていないんだな……ってそうじゃなくて、ようやく生えてきたのか……っ
てそうでもなくて。
「お前には恥じらいというものが無いのか?」
「あるある、すげーある。徳川埋蔵金くらいある」
「それは無いと同義だ。とにかく隠せ」傍らに置いてあったミニタオルを投げつける。七
海はおざなりに陰部を隠すが、見えそうで見えない絶妙な均衡具合が逆にそそるというか、
着衣こそ至高というか――違うそうじゃない。
「とにかくお前はおかしい!」邪念を振り払うように大声を出す。
「はーもう説教は聞き飽きたよ。お風呂入ってきていい?」
「駄目だ。今日という今日はお前に言い聞かせなければ気がすまん。一人エッチをするな
とは言わん。が、せめて隠れてやるくらいの配慮はできないのか。いや、我が家にそんな
場所がないのはわかる。しかしそれならば、せめて俺のいない時間帯にするとか選択肢は
あろう?」
 七海はうーん、と思案めいた表情になり、段々と眉をひそめ、唇をへの字に折れ曲げ、
「じゃあ、するときメールするね」とか言いやがる。
 こいつは本気でダメかもわからんね。
「なにさ、そんな顔すんなよー。しょうがないじゃん、ビビッと来たらしたくなるんだか
ら」
 少女漫画で少女がイケメンにキュンときちゃうような感じだろうか。いや、どっちかと
いうとエロ漫画の少女が男(面の良さは問わず)にキュンと濡れちゃう、のほうだろうか。
「お前はそのビビさんを受信したらトコロ構わずしてしまう快楽主義者なのか?」
「んー、学校とかで、来たらやばいなーって一時期思ってたんだけど、この部屋以外では
来ないんだよね。不思議」
「なにこの部屋特殊なフェロモンでも出してるわけ?」
 なにそれこわい。
「んー、フェロモンていうか匂い?」
「どんな」
「なんか栗の花みたいな? たまにすごい密度で充満してる時あって、アレ嗅ぐとどうし
てもダメなんだよね」
 時が止まる。栗の花?
0443285 4 ◆V16zmGSouU 2010/07/06(火) 22:55:47ID:el4H3w1o0
 中学生の頃、小耳に挟んだ『精液の匂いは簡単にばれる』というクラスメイトの会話に
本気であせった俺は、当時パソコンを持っていた従兄の家まで行き、ネットを駆け回りな
がら情報を集めたことがあった。そこに確か、精液は時間が経つと栗の花の匂いがすると
書いてあったような記憶がある。
 ちなみに、2chで懇切丁寧に従兄の本名とメールアドレスまで書き入れて、
『精液の匂いってバレるんでしょうか? 一コ下の妹と部屋が一緒のせいでオナニーでき
ません。どうしたらいいですか?』と書き込んだところ、ものの見事に釣り師認定された
のはいい思い出である。
 言うまでもなく、後日従兄から呼び出しを受けた俺は、パソコンの検索履歴やいんたー
ねっつの恐怖を諭すように聞かされた。あの時が俺の人生における生き恥の頂点だったと
思う。以来、従兄は一番会いたくない仇敵となった。
 そして辿る記憶の糸は短く、昨日の夜へ。
 ――ああ、確か七海が友達の家で試験勉強するとかで一晩家に帰らないことをいいこと
に己が限界に挑戦したんだった。確か十二回。その残滓はゴミ箱を孕ませんばかりに溢れ
かえっているはず。すいません純情とか言ったけどただのムッツリです、すいません。
 つまり包括すると、
『妹がエッチになっちゃうのはお兄ちゃんの××のせいなんだからねっ☆ 初回限定版』
 こんな感じというわけだ。ものの見事に生き恥レコード更新というわけだ。
「死ぬわ俺」
「は? なんで?」
「いいんだ。全部俺が悪かった。七海、もうお前がビビッチと来ることはなくなるから安
心するんだ」
 そう、俺は自らを律する。この末代までの恥を懺悔するには本来なら死んで然るべきな
のだが、さすがに死ぬ理由としてはかっこ悪すぎる上に、死んだら俺が末代になってしま
うので一年間のオナ禁くらいを課して代案としよう。
 俺さえ清くなれば妹にあのような破廉恥な真似をさせることもなくなる。この愚かな性
者を聖者へとジョブチェンジさせる道は艱難辛苦に満ち溢れているだろうが、やり遂げて
みせよう。妹よ、俺の門出を祝ってくれ!
「それは困る」
「えっ?」予想外のお言葉に脳がビジー状態に陥る。
「困るよ。楽しみにしてるんだから」
0444285 5 ◆V16zmGSouU 2010/07/06(火) 22:57:45ID:el4H3w1o0
「え? 何を? 妹精(妹がエッチになっちゃうのは〜の略称)の初回特典?」
「なにそれ。そうじゃなくて一人エッチ。ていうか、にーちゃん、あの匂いの正体知って
るの?」七海は宝の地図を求める海賊の貪欲さでこちらを見つめてくる。
 俺の精液だ。とか身も蓋も無いこと言っていいんだろうか。誤魔化そうにも七海は既に
詰問モード。仕方なく俺は妹を招きよせ、耳もとでそっと囁く。直截的な表現を普通に口
にするのは恥ずかしいだろう常識的に考えて。
「せーえき?」
 どうしようもなく俺の妹はマイノリティだった。
「うっそ、あれにーちゃんが作ってたの?」
「あーそうだよ、どうせ俺は性欲大魔神だよ。非生産的な精子生産工場だよ、何とでも言
うがいい」
 自棄になりかけた俺を横目に七海は何か思うところがあるのか思案にふけっている。た
っぷり一分ほど考え込んでから七海は意を決したようにこちらを見た。
「にーちゃん、今日家にいる? デートとか無い?」
「あるわけねーだろハゲ。売るか喧嘩、買うぞ即金」
 休みの日は家でゲームするものだ。デート? なにそれおいしいの?
「いや確認だよ、一応。彼女いたら困るしね」
「どういうことだ」嫌な脂汗が背中を伝うのを感じる。ジブリ汗、あんな感じ。
「みなまで言わせる気かい」
「選択肢とかないの? まさかルート固定?」以降の選択肢は外か中かでエンディング絵
の差分違いとかそんな感じ? やだなにその妊娠エンド。――っていやいや、いくらなん
でもその妄想は飛躍しすぎでしょう。
「まいいやお風呂入ってこよ。その後寝るから昼過ぎになったら起こしてちょ、んだば」
 颯爽と部屋を出て行く七海。尻丸出しで。
 残されたのは惚けた顔をしているであろう男一人。
 徐に立ち上がった俺はウロウロと狭い部屋の中をうろつきまわる。
 超展開についていこうと必死に話の流れを追おうとするが、妹の性格をイマイチ読むこ
とができず、先の展開を詳細に構築できない。
 どうしようスゴイ嫌な予感しかしないんですけど。
 ふとカーテンを開けてみると、さっきまで部屋に差し込んでいた太陽の光はそこにはな
く、すでに機嫌を崩した曇天が空を覆いつくしていた。
0445285 ◆V16zmGSouU 2010/07/06(火) 23:00:33ID:el4H3w1o0
久しぶりに投下ー。
夏だー。扇風機、セミ、汗、エロ。
書くしかねー。
440はー、トリップミスだー。うぇーい。
0448 ◆S1TzStjJG6 2010/07/07(水) 23:16:49ID:BAVuNGiy0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take06 1/3

 俺は優奈の誕生日を迎えた朝のこと、近所の神社で一つの願いをかけた。
「俺と妹に素敵な恋人が見つかりますように、と」
 そう願いをかけたのは他でもない。最近妹が可愛くて思えて仕方が無いのだ。
 このままでは、同じ部屋にいるだけで襲い掛かってしまうのではないかと思ってしまうほどだ。
 とにかく最近の優奈は可愛いっ! 兄バカと言われようが構わない。だが、過ちを犯すわけにはいかないと思って神頼みをした。

 最近、兄さんを兄さんとして見れなくなってきました。
 見ているだけでドキドキして……胸が苦しくて……もっと兄さんの傍にいたいと思うようになりました。
 だけど私達は兄妹……兄さんと恋人にはなれても夫婦にはなれない……。
 好きになっちゃいけない存在なのに……どうして惹かれちゃうんだろう……?

「はあぁ……」
 俺達は帰りの電車の中、同時に溜め息を吐いていた。
 しっかりと握られた俺の左手と妹の右手。別に恋人を気取っているワケではない。悪戯しないための対策だ。
「兄さんも何か悩み事?」
 優奈はちらりと下から俺を覗き込む。その下から覗き込むのヤメっ! どうしてそう可愛い仕草を取るかな、お前は?
 だいたい、お前、そういうことすると胸元ががら空きになるんだぞ? ブラが……。
「い、いや……そういうお前こそ溜め息なんて吐いてどうしたんだ?」
「んっ……何でもない♪」
 そう言いながら俺の肩に甘えてくる。滑らかな髪と幸せな重さが心地よかった。
 優奈の嬉しそうな表情を眺めつつも、俺達が兄妹でなければ幸せな恋人同士になれるのかな、と思うと複雑な思いである。
「あ、こんちゃー☆ また会ったね、お2人さん♪」
 ふと顔を上げると、先程入ったファーストフード店で出会った活発そうな少女がいた。
0449 ◆S1TzStjJG6 2010/07/07(水) 23:17:14ID:BAVuNGiy0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take06 2/3

「みっちゃんっ……どうして……?」
 俺達を見るとニパッ☆と笑顔を見せる。
「いえいえ、偶然とは恐ろしいものですなあ……一日に2回も会うとは。それにしても2人は仲がよろしいようで」
 チラリと繋がれた俺達の手を見つめる。
「あ、あのこれは……その……その、ね?」
 ぐっぐっ。
 優奈は慌てて手を振りほどこうとするが、俺はそれを許さない。この場面で股間を握られたら大変だ。
「初めまして、優奈の恋人さん。あたしは深柚那(みゆな)って言いまーす♪」
「俺は……」
 あれ? なんだこの既知感は。初めて会ったハズなのに、ずっと前から知ってるような気がする……。
「どうしたの、兄さん? 挨拶を返さないと失礼だよ」
「あ、この人がいつも優奈が話してる『自慢の兄さん』なんだ。いつも優奈がお世話になっております」
 深々と頭を下げながら、なぜかウチの妹が世話になってるとか言われる。世話になっていると言うのは俺……いや……。
  下 の 世 話 な ら し て も ら っ て る け ど な 。
「じゃあ、あたしもお兄ちゃんって呼ぶー♪ いいよね、お兄ちゃん?」
「ああ、そんな呼び名で良ければ好きなように呼んでくれ」
 不思議としっくりとくる呼び方に俺は頷いた。
 深柚那の人懐っこい性格のせいか、まるで数年も前から付き合いがあるような感覚だった。
「じゃあ、お兄ちゃん、『ご主人様』って呼んでもいい?」
「それはやめてくれ。周りから冷たい視線で攻撃されてしまう」
「ところで、優奈ぁ〜? その自慢の兄さんと仲良くデートしてたり、イチャイチャしているのはどういうことかなぁ? ニヤニヤ」
「えっ、あぅ……か、からかわないでよ」
 うん、中々ノリのいいコだ。これなら簡単に打ち解けることが出来そうだ。
0450 ◆S1TzStjJG6 2010/07/07(水) 23:17:43ID:BAVuNGiy0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take06 3/3

 電車の中で話しに夢中になり、優奈の手が徐々に俺の股間へと近付いていることに気付いていなかった。
 手の甲がすりすりとズボンのジッパーの上で往復を始めてようやくコトの重大さに気付く。
(またか、妹よっ!?)
 これは家に帰ったらたっぷりオシオキが必要だと思いながらも、俺は何気ない顔をしながら深柚那と会話する。
 妹の友人の目の前でズボン越しにスリスリと弄られるのは、冷や汗モノだ。
 しかし、クセになるような強い鼓動が身体を支配し、それが心地よくさえ思えてしまう。
「お兄ちゃん、どうしたの? ちょっと顔色が悪いねぇ? あ、もしかして……うふふふふ」
(気付かれたっ!?)
 初対面なのにこんな人前で妹の手で股間を弄らせるような変態だと思われるっ!?
「み、みっちゃん……これはそのっ……」
 妹は自分の右手が勝手に動いているとでも言うのか、慌てて事態の説明をしようとしていた。
「いいの、優奈。私達の友情はその程度では壊れないわっ! いえ、むしろそういうことに興味を持っててアタシは嬉しい」
 突然妙なことを言い出すと、深柚那はそっとスカートの裾をめくる。
 短いスカートの裾から、僅かにピンクの縞パンが覗く。
 妹の手の甲で抑えられたペニスがグンと膨らんだ。なんというか、最近の俺、エロフラグ立ち過ぎ!
「こういうことってアタシ初めてだけど、興奮するね……お兄ちゃん☆」
 ニコっと幼い顔立ちの表情が笑顔を浮かべると、無邪気さの中にも淫靡さが強く現れる。
(妹の友達の前で、しかも電車の中でこんなこと……)
 あまりにも倒錯的なシチュエーションに俺の興奮のボルテージは最高潮に達しそうになる。
「ダメッ」
 『ぎにゅっ☆』と、妹様が俺の息子に無慈悲なアイアンクローをかましてくれる。
「────!」
 声にならない悲鳴をあげる俺を、ぷーっと頬を膨らませて嫉妬の表情で睨む優奈。
 帰ったら絶対オシオキしてやる。<終了>
0452 ◆S1TzStjJG6 2010/07/09(金) 03:56:15ID:briuoUJv0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 1/3

「あっ、やあ、あぁっ……やめて、お兄ちゃんっ! 離してぇ」
 6畳間の部屋に、今年16になる妹の叫びが響いた。
「お前がパジャマのまま、俺の部屋に入ってくるのが悪いっ」
 なぜならば、兄が朝起きると妹に欲情して押し倒していたからだ。
 年頃の若い女の子が、性欲を持て余す男子の部屋に、ピンクのパジャマの上だけでやってきては、それも至極当然と言える結果だろう。
 何事にも色欲の眼差しで見てしまう思春期の兄が今まで襲わなかったのは、その辛抱強い性格の賜物と言えるだろう。
「いやぁ、ああぁっ、お母さんっ!」
 叫び、暴れる妹をベッドに引き込み、馬乗りになって、腕を組み伏せる。
 兄の腕力の前では、妹の必死の抵抗など空しいものであった。
「ふんっ、アイツがお前のことなんて助けたりするもんか。お前は浮気相手の子どもなんだからなっ!」
「いやああぁぁあっ!!」
 力任せにパジャマを掴むと、ボタンが弾け飛んで、素肌が現れた。
 若さ溢れる16歳の美少女の活発そうな表情が悲しみに歪む。
 弾むようなCカップの乳房が兄の目に飛び込む。そこは膨らみこそ認められるものの未発達さを醸し出しており、ツンと上向きな形をしていた。
「ノーブラか。いやらしいヤツめ」
「寝る時はブラしないだけ……私、いやらしいコじゃないっ!」
 肌を見られる羞恥に恥じらいながらも、妹は兄の言葉を強く否定する。
「はっどうだか? お前の母は俺の親父を誘惑した淫売なんだろう? きっとその血がお前にも流れてるぜ」
「そ、そんな酷いっ……」
 兄の言葉に妹は目尻から涙を流す。一体自分がどんな悪いことをしたのだろうか?
 あまりの仕打ちに妹は悔しさで胸がいっぱいになる。
 兄はその一筋垂れ落ちた涙を舌ですくい取り、頬に唇を寄せる。
0453 ◆S1TzStjJG6 2010/07/09(金) 03:56:37ID:briuoUJv0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 2/3

 頬を伝う兄の舌のおぞましさに、震える妹。
「いやっやめてっ……うぅう」
 眉を寄せて泣き顔を見せる。腕には鳥肌が立っていた。
「やめるもんか。今からお前を俺のモノにしてやるぜ」
 背ける顔を追いかけて、兄の舌が妹の唇に近付いてくる。
「んっ、ぅぅぅ、いやあぁ……」
 唇を拒否するように顔を背けると、兄の手が妹の顎を掴んだ。
「い、いやっ……やめてっ」
 左右に顔を振ろうとしても、しっかり固定され、兄の魔の手から逃れられない。
 顎を強く抑えられ、兄は妹の薄桃色の唇に狙いを定め、顔を近付けた。
「んんーーーっ! んーーっ!!」
 いくら暴れようとも、兄がしっかりと抑えられて肉厚のある唇をしゃぶられる。
 柔らかい口唇を重ね合わさると、妹は自分が汚されているのを実感する。
(私、今お兄ちゃんにキスされてる……)
 初めてのキスを奪われて、妹の瞳にじわりと涙が浮かぶ。
「初めてだったのに……酷いっ……あむぅ……んんんんぅ」
 唇を押し付けられ、何度も唇を吸い上げられるたび、身体の奥から不思議な感覚が湧き上がってくる。
(な、なんで……イヤなのに……なのに……)
 兄に唇を吸われ続けていると、徐々に身体から力が抜けてくる。それは生まれて初めて感じる蕩けるような感覚だった。
「ふぁ……はあぁ……はあぁ……だめ……お兄ちゃん、いやぁっもう、やめて! あうぅ……んむうぅぅう……」
 おもむろに自分の胸を揉まれていることに気付いた妹は慌てて兄の手を掴む。
(あああぁ……だめっ……触らないでっ……これ以上、お兄ちゃんの自由にされたくないよぉ)
 何度も口付けをされ、唾液で唇を濡らされながら、自分の身体を自由にされる屈辱に、妹は涙を流す。
0454 ◆S1TzStjJG6 2010/07/09(金) 03:57:22ID:briuoUJv0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 3/3

 声も出せず、兄の部屋の中で襲われる妹。バタバタと暴れるたび、ベッドのシーツがよじれ、掛け布団が落ちていく。
 妹の涙は枕を濡らし、兄の下でもぞもぞと身じろぎをする。
 それは兄の魔の手から逃れようと必死でもがいているのだが、兄の手で胸をいじられるほどに全身から力が抜けて、蜘蛛の巣にかかった蝶同然だった。
 もがけばもがくほど、兄の手という糸が身体に絡みつき、官能の炎で身体が炙られる。
「お前は俺のモノだ」
 耳元で囁かれた言葉に、妹の心臓は不意に高鳴った。
「……え、お兄ちゃん?」
「誰にも渡さない……誰にも手を出させない」
(ず、ずるい……突然そんなこと言うなんて……)
 今まで乱暴に、そして強引に責められていた反動が妹の心の均衡を突き崩す。
「……はうぅ、むぅぅぅう……んんぅ」
 半ば兄に強引に唇を奪われ、妹は口唇結合のほの甘い愉悦に脳が蕩けそうになっていく。
「お兄ちゃん……私、お兄ちゃんの妹なのに……」
 とろんとした瞳でキスを受け入れてしまう妹。
 だんだん兄の愛撫に全てを任せてしまいたくなる衝動に駆られる。
「だが血は繋がってないぞ……」
「だ、だめ……お兄ちゃん……それでも兄妹だから……許して……お願い……もうやめて」
「だめだ……もうお前は逃がさない」
 妹の哀願を無視して兄は自分の下で広がる裸体に顔をうずめた。
 兄の愛撫に徐々に抵抗できなくなっている自分に戸惑いつつも、燃え上がる身体を止めることが出来なくなっていた。
(私はお兄ちゃんに……)

 続きはwebで(ごめん、正直、力尽きた……)
0458名無しさん@そうだ選挙に行こう2010/07/10(土) 11:18:31ID:y+yrFikY0
朝起きたら妹に、
「罰ゲームとか練習とか、そんなチャチなものじゃ断じてないのですよ」と言われた。
0459 ◆S1TzStjJG6 2010/07/12(月) 03:53:15ID:Agtu6S+o0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 2nd 1/3

「んんっはあぁ……むぅぅぅぅぅんんんぐぐぐぐぐうぅぅぅぅっ!!」
 兄の愛撫を受けて、口から漏れ出そうになる喘ぎ声を押し殺す。
 妹の身体は兄の愛撫を受けるたび心地よくなり、熱を帯びていく。
(どうして……身体が反応しちゃうの……私、どんどんお兄ちゃんに抵抗できなくなっちゃう)
 朝起きたら妹に欲情して、押し倒した兄の行動に、妹は抵抗すら忘れて感じていた。
 潤んだ瞳で兄を見つめ、はだけられた胸を隠すのを忘れていた。
 兄の唇が指先が膨らみかけの乳房をそっと触れる。
(あ、お兄ちゃんが胸……触ってる……恥ずかしい……)
 指先が膨らみかけた乳房のふもとに触れると、妹は自分の女性のシンボルに触れられて、少し誇らしく思ってしまう。
(私のおっぱい、お兄ちゃんに触られている……)
 クラスの友達が触ってくるようなイタズラ感覚ではなく、いやらしく、卑猥な触り方。
 兄の指先は確実に妹の官能を呼び出し、妹の火照りを強くさせる。
 指先が乳房の輪郭を触れると、妹の身体にゾクゾクとした感覚が走り、子宮を疼かせる
(どうして……お兄ちゃんの手が胸を触るだけで、下半身が疼いちゃう……)
 足が自然と内股気味になり、切なさが胸を締め付ける。その強さは徐々に強くなっていった。
 その様子に気付く兄は唇を吊り上げて、意地の悪い笑みを浮かべた。
「どうした? さっきまであんなに嫌がっていたのに。もしかして感じてきたのか?」
「そ、そんなことないっ!」
 妹は心理を的確に突かれて跳ねるように否定する。しかし、身体は確実に兄を求めて熱くなっていくのを止めることが出来なくなっていた。
「じゃあなんでお前は俺から逃げようとしないんだ?」
 兄は不意に妹の上から離れた。
 離れた拍子に妹の視界に、パジャマのズボンを押し上げて、生地を突っ張らせた兄の股間部分が映った。
0460 ◆S1TzStjJG6 2010/07/12(月) 03:53:50ID:Agtu6S+o0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 2nd 2/3

(お兄ちゃんの股間があんなに大きくっ……!? 私、このままじゃ本当にお兄ちゃんに犯されちゃうっ!)
 夢見心地から一気に冷めた妹は、慌てて兄のベッドから降りる。
 すたんと、床に足を付けた瞬間、腰が砕けたように、膝が折れた。
(あ、あれ……どうして身体に力が入らないの?)
 兄の愛撫によって、骨抜きにされたことに気付かない妹は、自由の利かない身体を動かして前進しようとする。
「あうっ……」
 乳首が床に擦れて思わず喘ぎ声を上げてしまう。
「どうした? お前、俺から逃げ出したいんじゃなかったのか?」
 地面を這って進む妹を歩いておいかけ、妹を腕を掴み、引っ張りあげる。
 妹は自分では立っていられず、兄の胸に身体を預けた。
(あ、お兄ちゃんの胸板……すごく広くて頼りがいがある……)
 妹は兄に男を感じると、ますます身体が火照り、股間の奥がじゅんと潤うのを止められなくなっていた。
「どうして逃げないんだ?」
「か、身体に力が入らなくて……あっ」
 兄の指が妹の華奢な身体を正面から抱きしめると、パジャマの裾をめくり上げ、丸みを帯びたショーツを撫でる。
 フルバックショーツは色気の無いものだが、お尻を撫で回すには丁度いい面積を持っていた。
 下着を妹の尻に手が這い回ると、妹の身体の芯が蕩けそうになっていく。
(ううううぅぅっ……すっごく恥ずかしいのに……どんどん気持ちよくなっちゃう……私の身体、どうなってるの?)
 泣きそうなのに、兄の手から逃げられない自分に驚きが隠せない。
(犯されちゃう……お兄ちゃんに……)
 丁度下腹部のあたりで熱く反り返っている肉棒を感じて、ドキドキが強くなる。
 しかし、恐怖が残っているのも確かで、ここで処女を失いたくないという気持ちもあった。
0461 ◆S1TzStjJG6 2010/07/12(月) 03:54:16ID:Agtu6S+o0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 2nd 3/3

「い、いや……やっぱり……お兄ちゃん、許して……」
「何を言っているんだ? イヤがるのがいいんじゃないか」
 兄は残酷な笑みを浮かべると、妹のショーツの中に手を差し入れ、直接お尻を触れ始める。
(お兄ちゃんの手が、直接私のお尻を弄ってる……これじゃ、まるで痴漢されているみたい)
 崩れ落ちないように兄の肩に掴まり、胸を押し付けて、小さく震える。
 膝が笑い、パンツの基底部が湿ってくるのが分かる。
「いい尻だな。胸もいいが、尻の肉がしっかりついてるな。こっちも気持ちいいのか? お前は本当に淫乱だな」
「そ、そんなことないっ! これはお兄ちゃんが触るからっ! んっ、は、ああぁぁ」
 羞恥に泣きそうになりながらも、兄の手に悶え、もっと刺激を欲している自分がいることに妹は気付く。
(ど、どうして……お兄ちゃんの手がどんどん気持ちよくなって……身体がどんどん熱くなるよぉ……)
「エロい声出しやがって、男を誘っている証拠だろ?」
「あ、ああぁぁ……お兄ちゃんっ……お尻ぃ……おしりい……」
 兄の指がグニグニと妹の尻肉に沈み込む。
「じゃあ、おっぱいの方がいいのか? じゃあ、吸ってやろうか」
「だ、だめっ……そんなことされたら私……私……」
(気持ちよくて、どうにかなっちゃうかも知れない)
 兄の唇がゆっくりと近付いてくる。緊張で、妹の乳首がむくっと頭を持ち上げた。
 吸われた時の甘い感覚が身体を襲うかと思うと、自然と身体がきゅんとして、妹の瞳が潤む。
「あ……」
 兄の唇がゆっくりと妹の胸の上に被さる。
「はうぅぅぅっ!!」
 吸われた瞬間、妹の身体に大きな電気が走り、下半身を強く痺れさせた。その甘く陶酔してしまう刺激が連続してやってくる。
「だ、だめっ……はあぁっお兄ちゃ、ん……んんっ、ああ、あああぁぁぁあっっ!!」
 強い電流に腕からも完全に力が抜け、地べたにお尻を付けた。もう兄からは逃げられない。妹は観念するように頭を垂れた。(続く)
0462 ◆S1TzStjJG6 2010/07/12(月) 03:56:02ID:Agtu6S+o0
ありゃ、2話で終わらせようと思ってたのに、続いてしまった。
やっぱり、5キロ10キロじゃエッチシーンは語りつくせないか。
右手シリーズもあるし……ちょっと要領気をつけないと……。

末文ではありますが、少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。
お目汚し失礼しました。
0463名無しさん@初回限定2010/07/12(月) 07:08:47ID:IkikJAIXP
ううむ。 続編書くわでかなりの活躍
起きたらになってないとか、押し倒したとか書いた題材を反映してくれて楽しいなあ

ご苦労様です
つ【栄養ドリンク】 ドーピングして頑張ってくれ
0467 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 03:42:28ID:xpXtkkuB0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 3rd 1/2

「お兄ちゃんっいやあぁっ、やめてぇえええっ!」
 妹は兄にその細い腕を掴まれると、再びベッドの上に押し倒されていた。
 四肢に力が入らなくなっている妹は兄に逆らうことすら敵わず、そのままベッドのクッションに身体を鎮めた。
「あああぁっっ! だめえっ、おにいちゃ、ああぁっ、ふぅぅんっ」
 ベッドに倒れこんだ妹の上に覆いかぶさった兄はすかさず乳房にしゃぶりつく。
 乳首の先がジンと痺れて妹の身体を甘い電流が支配した。
「だ、だめっ……や、あ、あああぁっ……はあぁんっ……ぅぅんんっ」
 もはや妹は兄に身体を自由に弄ばれるしかないのに、力の入らない腕で抵抗を試みる。
 しかし兄の頭の上に手を置き、軽く置く程度では役に立たない。むしろ兄を興奮させるための材料にしかならなかった。
 ……ちゅぱっ、ちゅぅ……じゅるる……。
 兄の舌がツンと尖った乳首に絡みつき、唾液をまぶす。
「はあぁ、あ、あああっ……んんっ、くぅんっ! や、いやあぁっ、だめえぇ……あ、ああぁ」
(だめぇ、お兄ちゃんの舌が気持ちいいよぉ……乳首、ビンビンする……)
 快楽の強さに身体をよじり、甘い吐息を吐いて、気持ちいいよ、と兄にはしたないアピールをしていた。
(そろそろ、股間が寂しい頃合か?)
 兄は妹の表情と股間の様子を見ながら、乳房をさらにねちっこく責める。
(股の間がむず痒いよ……お兄ちゃん……胸ばかりじゃなくて……あそこも触ってほしい……)
 兄の予測通り、妹の精神は早くも蕩け始めており、股間は愛液でグッショリと濡れて、白い生地が透けて若く毛の薄い部分が見えていた。
 おもむろに胸にしゃぶりついていた兄がゆっくりと乳房の膨らみに沿って舌を下ろし、下乳部分を舐め始める。
 兄の舌が肋骨へと唾液の道を作り始めた時、妹の心に僅かな喜びと期待が甘い疼きとなって秘唇を湿らせた。
 ぬめった舌先が腹部へと下りてくると、妹の期待はどんどんと膨らんでくる。
「あ、ああぁっいやあぁ、だめぇ……お兄ちゃん、そこ、だめっ、恥ずかしいよ、いや、いやああぁ、やめてええぇ」
 てっきり股まで下りてくるかと思いきや、兄は妹の綺麗な腹部の中央、僅かに窪んだヘソを始めたのだ。
0468 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 03:43:15ID:xpXtkkuB0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 3rd 2/2

 予想外の責め場所に、妹の脳内では軽くパニックになる。
(おへそなんてだめっ……だめぇ……いや、ピリピリする……んんっだめなのにぃ……。もう切なくて堪らないのに、もっと堪らなくなっちゃう!)
 汗がじっとりと浮かんだヘソをペロペロとする兄に軽く恨む。
 ジタジタと浜に打ち上げられた人魚の如く、身体を揺らす妹。
 ねっとりと責めてくる兄に、妹の神経はもはやおかしくなってしまいそうだった。
「あ、あああぁあぁっ……やあぁ……ううぅぅぅぅ……お、お兄ちゃんっ……も、もうやめてぇ……」
 泣きそうな表情で兄に訴えかける妹。もう切なくて、陰裂はジンジンとしていた。このままじゃ頭がおかしくなりそう、と訴える。
「そうかそうか。ここはもうイヤか……」
「あ……♪」
 兄の舌がようやくショーツの上に滑り降りた時、妹は思わず嬉しそうな声をあげていた。
「もうグッショリじゃないか。直接触ってないのにこんなに蜜を溢れさせやがって。お前の処女の匂いすら感じそうだな」
 わざと妹の濡れ透けたショーツの前で鼻を鳴らし、匂いを嗅ぐ。
「や、やめてお兄ちゃん……匂いなんて嗅がないで」
「じゃあ……舐めてやるよ」
(お兄ちゃんに舐められちゃう……!)
 兄の鼻息を感じていよいよ、もっとも官能の強い刺激が身体を襲うと期待に胸を膨らませ、妹は瞳を閉じた。
 ねっとりとした赤く柔らかい肉片が弾ける水音が兄の六畳間の中に響いた。
「んんぅぅぅ……うぅぅぅ〜〜〜」
 妹は自分の股間を見て、兄を恨めしそうに見つめる。
 太腿の上を這う舌先が辛く、妹にはもう限界だった。
「どうした? なんでそんなに不満そうな表情をしているんだ?」
「お兄ちゃん、アソコが切ないの……お願いっ……弄って。私のあそこ弄ってぇ……」
 ついに妹は自らの欲望を言ってしまった。
 (すまない、もうちょっとだけ続くんじゃ)
0470 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 09:44:35ID:+smrQTaU0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 4th 1/4

「あそこってドコのことだ?」
 兄は意地悪に言い、太腿の内側に唾液を引き伸ばす。しっかりと実の詰まった太腿を舐められ、妹の背筋には寒気と共にじれったい刺激が走る。
「うっ……あ、あそこは……あそこでしょ……」
 自分から場所を言うのは恥ずかしいのか、妹は言葉を濁してもぞもぞとする。
 兄の舌が波のように陰部に近付いては、引いていくのがもどかしくて、兄の舌に自分を押し付けたくなる。
「う〜んどこだろう……ここかなぁ……?」
 兄はとぼけて妹の足の指を口に含んだ。指先は兄の唾液で濡れて、照り輝く。
「それともこっちかな?」
 兄の手が妹の乳房に伸びる。ツンと膨らんだ乳肉に指が沈み込み、乳首が左右バラバラの方向を指した。
「だ、だめっそこじゃない……ま、まんこ! あ、ぅぅ……」
 あまりのじれったさに、思わず口走る妹。
「ふっ……なんだって、もう一度言ってくれよ……。どこを触ってほしいんだ?」
「だ、だから……その……そ、の……ま……まん……まんこよ……」
 妹の心が恥ずかしさに燃え上がりそうだった。
「いいだろう……舐めてやるよ」
 兄は舌舐めずりをすると、妹の股間に顔をうずめる。
 ついに、来る……妹の胸中は期待で燃え上がり、兄の舌を待った。
 愛液で濡れて割れ目がハッキリと見える陰部に、兄の口が近付く……。
 ピチャリ、舌が触れる。
「────っ!!?」
 待ちに待った電撃が脊髄全てを震撼させた。
「あ、ああああぁぁぁっ!!」
 兄は妹の下半身の唇に吸い付いた!
0471 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 09:44:57ID:+smrQTaU0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 4th 2/4

「ひぐうぅっっ!!」
 強過ぎる快楽が脳を真っ白にさせる。しかし兄の怒涛の責めが続く。
「だ、だめえっお兄ちゃんっ……あ、ああぁっ……っくああぁあああーーっ!!」
 感情が抑えきれず、言葉となって、溢れ出す。
 そこに追撃をかけるように、兄の両手が妹の両乳房を握り締め、優しく揉みこね始める。
「だ、だめっぇっ、あ、あああぁあっ!! ううぅぅ、ひぃ、ンンンンンンッ!!」
 上半身からじわりと広がる官能の波紋が、下半身から来る強烈な電流と共鳴して妹を狂わせる。
 陰唇からは男を求めて、愛液が溢れ出す。
「これは直接舐めてやらないとダメだな」
 兄は白のフルバックの両サイドに指を引っ掛け、ゆっくりと下ろした。下着に込められていた甘酸っぱくどこかミルクを思わせる匂いが広がる。
 陰部を見られる恥ずかしさに妹の身体の内は更に燃え上がる。
「だ、だめぇゆるひておにぃちゃん……これいじょーきもちくされたら、わらひっ……なにもひきゅぅぅっっ!!」
 兄は妹の言葉を無視して、可愛い悲鳴をあげさせる。小さく開いた桃口にディープキスをしたからだ。
「はあ、あああぁっっやあ、ああぁっ、あうぅぅ、ああああっ!!」
(いま、わたし……完全にお兄ちゃんのされたいように……されちゃってるよぉ……あ、ああ、頭、真っ白になっちゃう)
 妹の身体が跳ね、ピンッと足が張る。
 細腰が釣り上がって、陰部から透明なしぶきが弧を描いて溢れ出した。
「イッてしまったようだな……だが、まだまだ」
「う、うそ……やめて、お兄ちゃん……は、ああぁ……んぅぅぅふぅ……やめてぇ……もう、あああぁぁぁ」
 兄の愛撫は絶頂を迎えた妹を休ませることなく、連続した責めを繰り返す。
(ああああ、胸もアソコも気持ちいい! お兄ちゃんに犯されてるのに気持ちよくて、全身が蕩けちゃうよぉっ!!)
 甘い泣き声は耐えることなく続き、何度も絶頂を迎えた。
0472 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 09:45:19ID:+smrQTaU0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 4th 3/4

「そろそろ頃合だな……」
 兄がギンギンになった肉棒をズボンの内から取り出した。
「はあぁ……はぁぁぁ……」
(お兄ちゃんに犯されちゃう……でも、もう身体が動かないよぉ……)
 妹は兄の愛撫によって、幾度も絶頂を迎えさせられ、完全に四肢に力が入らなくなっていた。
 兄は、快楽にしか反応しなくなった妹のほっそりとした両足を左右に開く。
 太腿に引っ掛けられたショーツが左右に伸びて、その奥に妹の大事な秘部が見えた。フレッシュピンクが煌いている。
「いくぞ」
 ゆっくりと入り込んでくる肉棒を挿入する。すっかり男を受け入れる準備を完了させた妹の身体は肉棒を受け入れてしまう。
(あ、ああぁぁぁ……お兄ちゃんを受け入れちゃった……だめ……なのに……。でも、気持ちいいっ……!)
 自分の内側で熱を発する肉の棒に安堵と強い快楽を覚える。
「だめぇ……だめええぇ……お兄ちゃんっ……気持ちいい……気持ちいいよおおぉ……」
「俺も気持ちいいぞ、お前のオマンコがねっとりと絡み付いてきて……最高だ」
「いやあぁ、言わないで……恥ずかしいよおっ、あああ、うああぁぁんっ!!」
 恥じらいを感じるたびに身体の奥がキュンと疼き、性の痒みとなって兄にえぐってもらいたいと要求する。
 その希望通りに兄の固く怒張した肉槍の穂先でえぐられると、うっとりするような快美感に包まれてしまう。
「ああ、ひぃぃっ、だめっなのに、兄妹でこんなことしちゃだめぇ、なのにぃぃぃっくっぐぅうぅっっ!!」
 犯されているのに、朝から無理矢理押し倒されたのに、兄が愛おしくて仕方ない。
 こんなにも気持ちよくされているのだから自分は大事にされているのだと、思ってしまう。
 あまりに愛しくて、妹は自分から兄に手を伸ばし、キスをする。
「んんむぅぅんん、ちゅぅうっ、んんんふぅっ、んふああぁ……んんむぅう……」
 兄はすぐに妹のキスに答え、口内にまで舌を侵入させて、上下の穴を同時に犯した。
0473 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 09:47:51ID:+smrQTaU0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 4th 4/4
「出るぞっ! うぅっ」
 兄の腰の動きが、船を漕ぐような大きなストロークから、揺するような細かなピストンへと変わる。
「んっ、あ、あ、ああ、ああ、ああ、ああぁっ!!」
 短く、小刻みに、絶え間なく送られてくる快楽に、妹は幾度目かのエクスタシーの予感を迎える。
「中に出されちゃうっ……お兄ちゃんの精液、中にぃ……中にいぃっ」
(だめっ、それだけはだめっ……だめっ!)
 否定するのは心だけで、身体は兄をキツく締め付け、離すまいと絡みつく。
「出してやるよ、何たっぷりとな。そして俺の子どもを孕むがいい……行くぞ」
 兄は額に浮いた汗を払いながら、妹の揺れる乳房を握り締め、乱暴に弄びながら万が一でも抜けないようにと腰を深く挿入する。
 膣内を兄の肉棒でいっぱいに拡充された妹はこれから中に出されてしまうという絶望感にいい得ない恐怖を覚えた。
「だめぇ、だめえっ……だめええええぇぇっ!!」
 しかし拒否すればするほど、その意思を兄に蹂躙されるという期待が膨らみ、被支配感が生まれて脳髄を蕩けさせる。
 もはや自分は兄の性に奉仕するためにイヤがっているのではと思うほどだった。
 兄のピストン速度が限界に達すると、精液がドクンと溢れ出るのを感じる。
(ああぁ……出てる……お兄ちゃんの熱い精液、私の中にいっぱい、いっぱい……)
 ビクンと男根が反り返るたびに甘酒のような精液が入り込んでくる。膣表面はそれを受け止めると、妹を陶酔させる。
「んんぅぅ……あ、ああぁ♪」
 心地良かった。この世のものとは思えないほどの心地良さが子宮から湧き上がってくる。抗えないほどの甘美な感覚に妹は完全に虜になっていた。
 兄の子種を受け止めてしまい、完全に取り返しが付かないコトになってしまった絶望感よりも、兄に愛された悦びが大きかった。
 嬉しさに自然と表情がほころび、心地良い疲労感に身を任せながら、荒い呼吸を繰り返す。
 ……しかし、少女の地獄はここからだった。
0474 ◆S1TzStjJG6 2010/07/14(水) 09:52:41ID:+smrQTaU0
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた 4th 5/4

「……まだまだ終わりじゃないぞ」
 兄は妹と繋がったまま、栄養ドリンクを飲んでいた。分かりやすい連戦の合図。
 兄に支配され、逃げること敵わぬ相手がまだ自分を求めて、貪る。
「い、いや……お兄ちゃん許して……これ以上気持ちよくされたら、私おかしくなっちゃうっ……」
「おかしくなるまでヤるんだよっ! それが、俺の復讐なんだからなっ!」
(えっ……復讐……)
 妹の脳裏に思い浮かんだ疑問は、兄の愛撫の甘さによって一瞬で消し飛しとんだ。(続)


 お目汚し、失礼します。
 いつも感想と乙、ありがとうございます。とても励みになります。
 とりあえず、栄養ドリンク剤をいただいたので、作中でむりやりですが、使ってみました。

 右手の続きを期待している方(いるのか?)ごめんなさい。
 押し倒しの方が早く終わりそうなので、押し倒し頑張ります。
 次は右手をやって、押し倒しやって〜という感じです。

 >>458のネタも時間があったら挑戦してみます。

 末文ですが少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0476 ◆S1TzStjJG6 2010/07/15(木) 19:20:43ID:Ozuz3gf00
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた final 1/4

 朝起きたら妹に欲情して押し倒していた。
 兄の欲望のままに毒牙にかけられた妹は、今ベッドの上でいいように肉体を弄ばれていた。
 兄と妹が結合する部分からは気泡のついたミルクがゴポゴポと溢れ出して、よじれきったシーツを濡らす。
「ああ、あああぁぁっ……うぅぅ、は、あああぁぁっああああぁぁっ!!」
 妹は兄に押し倒され、何度も何度も精を注ぎ込まれていた。
 転がっている栄養ドリンクの瓶も5〜6本転がっており、兄がどれだけ妹を嬲り抜いたかが窺えた。
「ちょ、ちょっと兄……貴方、何をしているのっ……」
 六畳間の部屋に震えた女性の声が染みる。
 部屋の入り口には、兄と妹の母が青ざめた表情で繋がる2人を見ていた。
「や、やあぁ……か、かあさんっ……みないでっ……あ、ああぁ……おにいらん、もう……」
 妹は兄の性的な攻めを幾度も繰り返し、数え切れないほど絶頂を迎えさせられ、完全に蕩けきっていた。
「ど、どうして貴方が、妹とそんなこと……う、うそよ……うそっ……そんなことってっ……」
 唇を震えさせ、裸同士で結合する2人を見つめる。
 そんな兄を見て、唇を震えさせていた。
「アンタと同じだよ。昔アンタが俺にしたこととな」
「そ、そんな……う、うそっ……私の可愛い兄が……兄がぁっ!!」
 ヒステリックに叫ぶ母。
「お、お兄ちゃん……お兄ちゃん……えへへへ……」
 幸せそうな表情で兄の胸に甘える妹。
「どうだ? お前が憎いと思っている女とセックスしているのを見るのは?」
 むせ返るような性と汗の匂いを感じながら、妹の秘壷をかき回す。
「いや、やめてぇ……そんな女と交わらないでぇ!」
0477 ◆S1TzStjJG6 2010/07/15(木) 19:21:22ID:Ozuz3gf00
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた final 2/4

 悲痛な叫びをあげながら、兄と妹の濃密なまぐわいを見つめる。
 兄は母に見せ付けるようにしながら、妹の未熟な乳房を愛撫する。
「ああぁん……お兄ちゃん……んん、ふうぅ……んんぅん……」
 短い時間ながらも、すっかり兄の手によって開発された妹は甘く喘ぎ、兄と唇を重ねる。
 たっぷりと濃いディープキスを続けて、愛し合うとそれを見つめていた母が膝を折る。
「どうして……あんなに可愛がってあげたのに……」
「可愛がった? 俺にとっては地獄だったよ。毎日、毎日俺の身体を自由にしやがって」
「お兄ちゃん……あんっ……お母さんに、こんなことを……?」
 兄は憎たらしいと言わんばかりに、妹の中に精を放つ。
「うああぁんっ……お兄ちゃんの精液、入ってくる……んんんぅ……気持ちいい」
「や、やめてぇっ……私の兄の精液取らないでぇぇーー!」
「ダメだ、最後まで飲み込ませてやるぜ」
 兄は深く、何度も何度も腰を前後に振り、男の樹液を吐き出す。
 先に放っていた精液をかき出しながら、新たな精液を子宮に送り込み続ける。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……♪」
「あ、ああああぁぁぁぁ……そんなぁ……どうして、どうしてよおおっ兄ぃぃ!!」
0478 ◆S1TzStjJG6 2010/07/15(木) 19:22:21ID:Ozuz3gf00
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた final 3/4

「てめえぇの胸に聞いてみろ! お前は俺に何をした? 何をしてきたんだ!?」
 兄は幼い頃、母の手によって、調教されていた。
 無理矢理割礼され、男として……そして性のオモチャとして扱われてきた。
「どうにかして、この女に復讐したい……それも最高の方法で……。ずっとそのばかりを考えて生きてきた」
「兄はこの母の愛が分からないの? さあ、そんな女なんて捨てて、母さんの元に戻っておいで」
「イヤだね。生憎と俺はコイツを愛している。お前が憎くて憎くて仕方ないコイツだから俺は愛すると決めた。それが俺の復讐だ……」
 自分を溺愛するのに反比例して、迫害されていた妹……。
「ぐぐぐぐうぐぐぐううぅぅぅうぅっ……またしてもっ……またしてもアンタの家系はアタシの大事なヒトを奪うのかっ!! あああぁぁぁぁぁ!!」
 ヒステリックになった母が、喉の奥から搾り出すような憎悪の声を出した。
 呻き声は次第に嗚咽へと変わる。
 今まで自分のモノと信じて疑わなかった息子がよりにもよって浮気相手の娘と一緒になったのだから、その心情は推して知るべしなのかも知れない。
 これで兄の復讐は終わりを告げた。
「……私、お兄ちゃんに愛されちゃってるんだ」
 トクンと妹の胸がときめく。いやらしいことを繰り返したのにも関わらず恥ずかしさで顔が燃えそうになっていた。
「認めない、絶対に認めないっ!! そうよ、これは夢よ……夢なんだわぁーーっ!!」
 叫び泣き崩れた母の脇を通り俺達は部屋を出た。
 兄はようやく心からの自由を手に入れ、すがすがしい思いだった。
 対して妹は複雑な気持ちだ。
「お兄ちゃんは、お母さんに復讐するために私を愛してくれたんだよね。復讐はもう済んだから私は用済みなのかな」
「俺の復讐はここからが始まりに過ぎない。幸せな結婚式を挙げ、子どもを生み、生涯を通してお前を幸せにすることが、アイツへの復讐だ」
「そっか……これからも私、お兄ちゃんの復讐の道具として、利用され続けちゃうんだ」
 妹は少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ。
0479 ◆S1TzStjJG6 2010/07/15(木) 19:23:08ID:Ozuz3gf00
▼朝起きたら妹に欲情して押し倒していた final 4/4

「そうだ。お前は心無い兄によって人生を無茶苦茶にされて、兄に隷従することを強要された可哀想な妹だ。
 だからお前はこれから世間の反対されながらも、俺と結婚させられるし、子どもも生まされる」
「い、いいよ、別に……世界中の誰も認めてくれなくても……お兄ちゃんが認めてくれるなら、それで……」
「私……お兄ちゃんのモノにされちゃったから」
 兄に唇を塞がれる。復讐と言いながらも優しく甘いキス。
 妹は兄の強引な愛撫の端々に愛を感じてしまい、犯されながらも好きになってしまったのだ。
「また今日みたいに襲ってくれたら嬉しいな……」
 もじもじとしながら兄の胸に甘える妹。
「私ずっと誰からも愛されなくて寂しかったから……これからは今までも分も含めて愛してほしい」
 妹は兄に人生最高の笑みを浮かべた。−End−

◆あとがき
 即興書きゆえ、最後の最後でちょっと苦しみました。
 しかも名前がないから、シュールで……。
 ……それと誤字脱字多くて申し訳ありません。

 末文故、お目汚し失礼しました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0482 ◆S1TzStjJG6 2010/07/19(月) 03:05:14ID:ZczCA99a0
▼朝起きたら妹に、「罰ゲームとか練習とか、そんなチャチなものじゃ断じてないのですよ」と言われた。 >>458 1/3
 ぬぷぅ……じゅっくちゅぅう……。
(世界が揺れる……なんだ、この……荒波の上を船で行く感覚は……それに、下半身が妙に熱いっ……)
 ずずっと下半身に圧力がかかると、陰茎の中に微々たる引力が発生する。そして、ヌルヌルとした表面……摩擦による天にも昇るような快感……。
(こ、これはまるで……!)
「はあ、ぁ、あああぁっ……うぁ、あああぁ……お兄様っ……お、にいさまぁっ、んっ、あああぁぁ……」
「お前は何をしてるんだーーっ!」
 目を開くと、妹がメイド服に身を包みながら、オレの上で卑猥な乗馬マシーン。
「か、勘違いなさらないでっ……これはぁ、罰ゲームとかぁぁんっ、練習とか、そんな……んぁ、チャチなものじゃぁぁぁん……断じてないのですよ」
 途切れ途切れ喘ぎ声を混ぜながら、妹はそれでも腰を止めない。黒のフリルがゆらゆら揺れる。
「むしろ、罰ゲームの方がうはぁんっ♪」
 俺も気持ちよくて、言いたいことが1/3も伝えられない。メイド服萌え。
「そう、これは義妹が出来る、最大の愛の……ああぁ……示し方……んふぅ……お兄様の妄想の実現です……んふぁぁ、ああんっ」
「そ、そうか、これは夢なのかぁ……あ、ああぁ……だったら、夢の中でぇくらいっ……んんんっ……好きにしていいよなぁっ?」
 俺は妹のメイド服の前をはだけさせると、一度も見たことがなかった妹のブラを目の当たりにする。
 夢の中なのに、妙にリアルなデザインのブラで、Eカップくらいの胸を包む布地の上からそっと握り締めた。
「んっ、お兄様……もっと優しくっ……できれば、先っぽを優しく弄ってくださいっ……あ、ああぁ、そうです……」
 妹は背中に手を回し、ブラのホックを外すと、上に生地をズラして、乳房全体を見せる。
 丸々と育った乳房は健康的な白さを見せ付けており、張り詰めた乳房は見ているだけでも俺の肉棍棒を硬くさせた。
0483 ◆S1TzStjJG6 2010/07/19(月) 03:05:40ID:ZczCA99a0
▼朝起きたら妹に、「罰ゲームとか練習とか、そんなチャチなものじゃ断じてないのですよ」と言われた。  >>458 2/3

「お前、胸を責められると、膣がきゅっと締まるんだな……気持ちいいのか?」
 柔らかく蕩けるような感触の乳房を揉みこねると、妹は喜びの表情を浮かべて甘えるように身体をよじる。
「うんっ……うんっ……お兄様に胸、責められると気持ちいいぃ……あ、あぁ……もっと、もっと愛してぇ……お兄様ぁぁっ!!」
「分かった。胸もアソコも思いっきり気持ちよくしてやるからなぁーーっ! ほらほらあぁっ!」
 ピンッと突き立った乳首を口に含み、乳首を舌で転がす
「あああぁ、んっ、は、あああぁぁ、胸っ、ちゅぅちゅぅされながらなんて、私、おかしくなっちゃうぅ……あ、ああ、ああああぁあーー!」

 ──今朝、そんな夢を見た。
 現実はそんなに甘くはない。だいたい妹が俺にそんな感情を抱いているワケがないのだから。
「どうしたんですか、お兄様。私のこと、じっと見つめないで下さい」
 ツンとお澄ましした表情は、俺に愛欲を求めるそれとは違い、冷たいものだ。
 母が再婚して出来た父の娘らしい。昔から英才教育を受けて、育ちの良い妹は、長女でありながらにして、将来は父を継いで社長である。
 それに比べて俺は平民育ちの平々凡々である。
 育ちの違いや、思春期真っ只中という複雑な年頃に増えた兄妹など、本人は認めたくはないのだろう。
 現にこうして2人きりで食事をしていても、話をするようなことはない。
(醤油が欲しいな)
 そっと食卓にある醤油瓶に手を伸ばすと、ふにっと妹の手が重なった。
「っ!?」
 ぼっと赤くなる妹の表情。慌てて手を引っ込めていた。
「どうした? 顔が赤いな、もしかして風邪でもひいたか? ちょっと熱でも」
 俺は妹の小さな頭を抱えるとそっと額を重ね合わせた。
「ひゃうぅっ! お、お兄様……なんで体温計を使わないんですかっ!」
 慌てて額を離す妹様。
0484 ◆S1TzStjJG6 2010/07/19(月) 03:06:06ID:ZczCA99a0
▼朝起きたら妹に、「罰ゲームとか練習とか、そんなチャチなものじゃ断じてないのですよ」と言われた。  >>458 3/3

「ああ、ごめん……。ウチだとこうだったから……」
「ま、全くこれだから育ちの悪い方は……もうっ……お兄様は……(まだ私をドキドキさせるんですか)」
「……夢の中みたいに素直だったらいいのに……」
「夢ですか……? 」
 妹は少しだけ困った表情を浮かべて、俺を見上げる。
「お兄様の夢のことはご存知ありませんが、私が素直になったらこういうことになってしまいますよ?」
 ふわりと柔らかい唇を重ねてきた。
「えっ……? ……もしかして夢じゃない? えっ、えっ?」
「今朝、私がメイド服を着て、お兄様と仲睦まじくしていたことですか?」
 それを知っている……ということは……もしかして……。
 もじもじと指を絡めて俯く妹。
「罰ゲームとか練習とかそういうチャチなものじゃないって……」
「この再婚……仕組まれたものなのです……。私がお兄様を手に入れるための……」
 妹はそう口にすると、そっと胸に甘える。
「えっ……ええっ!? そ、そうなのか?」
 そこまでして、妹は俺を……。
「なんて言うと思いました? お兄様はもう少し上品な趣味をお持ちになった方がよろしいかと思います」
 妹はツンとした表情で俺の鼻を押し込めた。
 どうやら俺が愛読しているエロ本の内容を知っているご様子に恥ずかしい気持ちが湧き上がってきた。
「それとあのような本を読むのはやめて下さる? 我が家の品位が落ちてしまうじゃないですか?」
 キッと厳しい瞳を見つめて、俺を問い詰める。
「どうしても、アレと同じモノが見たければ……そ、その……私が代わりをして差し上げますから……」
 妹は少し恥ずかしがって、文句を伝える。
 本当に夢じゃないのかも知れないが……できればもう少し素直になってほしいものだ。(終)
0486 ◆S1TzStjJG6 2010/07/19(月) 03:12:03ID:ZczCA99a0
 長い間書かないのは良くないと思いましたので、
 >>458さんのネタで書かせていただきました。

 末文ながら、少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。

※●なしですと、規制に引っかかるのですね。(汗)
0487ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/23(金) 04:22:34ID:UYtnNws00
またまたお久しぶりのハル兄です。規制に巻き込まれたようです。
解除されたみたいなので、久しぶりに投下すべく準備中です。
>>S1TzStjJG6さん
乙であります。
0488 ◆S1TzStjJG6 2010/07/23(金) 22:24:40ID:5t23gDVg0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take07 1/1

「それじゃまったね〜、優奈、お兄ちゃん☆」
 元気いっぱいに手をフリフリさせながら、深柚那は短いスカートをはためかせ去っていった。
 嵐のような性格だったが、一緒にいるとどこか安心感のする女の子だった。
「どうしたの兄さん? ぼーと見つめちゃって」
(もしかして兄さんはみっちゃんみたいな女の子が好きなのかな……?)
 妹は掴んだ俺の手をブラブラさせていた。
「どうした、優奈? ふてくされてるなんて珍しいな」
「ふっ、ふてくされてなんか、ないよ……。ただ、ちょっとお兄ちゃんのみっちゃんに対する態度が気になっただけで……」
「別に普通じゃないか? というかお前の友達と話すことなんて稀じゃないか。直接友達になるようなことなんて無かったし……」
(だって……お兄ちゃん目当てになったら困るもん……)
 もしそうなら、妹経由で彼女の1人くらいできていてもおかしくない。
「そう言えば、私もお兄ちゃんの友達とお話したことない……」
 今気付いたかのように優奈は目を大きく開いて驚いていた。
(そりゃお前を紹介したらいつ手を出されるか分かったもんじゃないからな……)
 友人は性欲盛んな男達である。ウチの大事な妹など騙されて大変なことになったらと思うとぞっとする。
「同じじゃないか」
「そうだね……」
 ぎゅっと俺の手を握り返し、自宅に向かって歩く。
「ね、ねえ、兄さん……」
「ん?」
「私達……他の人から見たらどう見えるんだろうね……?」
 頬を赤く染めて、俺に問いかける優奈。こいつはどういう答えを求めているのだろうか?
「……そうだな。少なくとも仲良い男女には見えるんじゃないか?」
0489 ◆S1TzStjJG6 2010/07/23(金) 22:25:18ID:5t23gDVg0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take07 2/4

「仲の良い男女……か……えへへ……」
 こんな答えでも満足なのだろうか、妹は嬉しそうに頬を染め、両手で緩む頬を押さえていた。
 そしてそっと下ろした手がピタリと震える。
「……っ!?」
(だ、だめよ、こんな場所で……)
 優奈の様子が変だ。
「どうした優奈? 早く帰るぞ?」
「お、お兄ちゃん……手が、また手が勝手に……」
 優奈の手が吸い寄せられるように俺の股間をタッチする。
 ふんわり優しい触り方だが、形を確かめるかのように動く。
「ゆ、優奈……俺達……他の人から見たらどう見えるんだろうな?」
「えっ……と……仲の良い男女……?」
「帰ったらオシオキ。お兄ちゃん楽しみだなー♪」
「ひぃーんっ、これはわざとじゃないのにぃーー……!」
 優奈の手首を強く掴み上げ、窃盗犯を連行するように家に連れ帰った。

 自宅の中は静かだった。
 いつもなら母がテレビを見ながら「お帰り〜」と出迎えてくれるのだが、今日に限ってそれは無かった。
 今の机の上には一枚の手紙が置いてあり、母の手書きの文字が残されていた。
『お父さんの出張に付き合ってきます。一週間くらい戻りません。Vivaサイパン♪ 母より』
「これは……間違いなく遊びに出かけたな」
 仕方ない母親だ。
「だね……。ということはお兄ちゃんと2人っきりだね……」
0490 ◆S1TzStjJG6 2010/07/23(金) 22:25:45ID:5t23gDVg0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take07 3/4

「ほほぅ、2人きりか。そりゃあちょうど良い。せっかくだから両親の目が届かない今の内にオシオキをしてやろうか」
 ふっふっふっと肩を上下に揺らしながら、優奈を威嚇する。
「に、兄さんっ!? 目を光らせてこっち見ないでっ!? なにやらすごくやましい匂いを感じるよ!」
 怯えた表情を浮かべ、自分の身を抱き締めるようにして、一歩後ずさる。
 俺はそんな怯える妹を追い詰めるように、近付く。
「ちょ、ちょっと待って兄さん。お、おしおきって……何をするつもり?」
「そりゃお前分かってるだろ? 散々俺に恥ずかしいことをしたんだから、お前も恥ずかしい思いをしてもらわなきゃ不公平だろうが」
「う、ううぅ……それは、そうなんだけど……そうなんだけどっ!」
 頬を赤らめ、目尻に涙を浮かべる。
「いくら右手が自分の意思とは無関係に動くとは言っても、何度も何度も人前であんなことされたらお兄ちゃんも許せないぜ」
「う、ううっごめんなさい。兄さん、許して」
 優奈は肩を縮ませながら、深々と頭を下げた。サラリと天然色の黒髪が揺れる。
「許さない」
 ゆっくりと距離を縮めていくと、優奈は俺に恐怖を覚えたのかゆっくりと後ろへ下がっていく。
「あっ」
 優奈はソファーに足を引っ掛けて、身体がクッションに倒れ込む。
 お気に入りのワンピースの裾からは、真っ白な太腿が見えた。
 横になっても尚もその存在をアピールする乳房……肩口が大きく広がって、ブラのストラップが見えていた。
「兄さん……」
 黙って覆いかぶさると、優奈は瞳を潤ませて俺を見上げる。
 きゅっと小さく拳を作り、俺の行為を待つ。
「んんぅ……」
 ──俺はその日、初めて妹とキスをした。
0491 ◆S1TzStjJG6 2010/07/23(金) 22:26:12ID:5t23gDVg0
▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take07 4/4

「んんんぅ……ん、ふぅ……はあぁ……兄さぁん」
 唇を重ねてうっとりとする表情。
 ソファーに沈み込んだ妹の上に被さり、俺は何度も妹の唇に吸い付いた。
「んむぅ……んんふっ……んんんっはあぁ……ああ、やあぁ、兄さんぅんんむぅ、ちゅぅ……んふんんんんんっ」
 優奈のふっくらと盛り上がる桜色を何度も何度も唇で味わう。
「嫌なら、抵抗して見せろよ」
「だって……こういう時に限って、右手が動かないんだもん……」
 いつもは勝手に動くのに……都合のいい右手だ。だが、それは俺にとっても都合が良い。
「じゃあ、こうしたらお前はもう抵抗できないな」
 優奈の左手を掴み、指を組む。
「うん。いっぱい兄さんに犯されちゃう……」
 頬を緩ませ、きゅっと俺の手を握り返す優奈。
「その割には嬉しそうだな」
「だって私悪い子だから……。毎朝、兄さんが寝ている間に、勝手にオチンチン弄ってたから……これは罰なの」
「そうだな。罰は受けないとダメだな」
 優奈にそう言い聞かせてやると、不思議と気持ちが昂ぶる。
 お互いの立場がハッキリとしたからだ。
「ど、どんな……罰……?」
 怯え半分、期待半分の表情で俺を見上げる優奈。
「そうだな……父さん達が帰ってくるまで、お前は俺の奴隷だ……文句はないな」
「私は兄さんの……奴隷……。う、うん……罰だもん、仕方ないよね……」
 恥ずかしそうに眉尻を下げながらも、優奈は俺の言葉に頷いた。
<次号より、妹奴隷編が開始します>
0492 ◆S1TzStjJG6 2010/07/23(金) 22:28:38ID:5t23gDVg0
仕事が忙しくなり、投下ペースが落ちてスミマセン。

>>487
 次回作楽しみにしております。

>>乙の人
 いつもありがとうございます。とても励みになります。

これからも、頑張って続けていきたいと思います。
末文ではありますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0494身体の記憶とないものねだり ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/24(土) 00:38:29ID:UZ2PNOIv0
ルームメイトの悩ましい声が、ボクのスイッチを入れる。
脳裏に浮かぶ悩ましい光景、愛する人の吐息と熱が、
あたかもあるかのように錯覚させる。
(やだ、もう濡れちゃってる……)
眸を閉じ指を這わせるだけで、今まさに愛撫されているかのように反応してしまう身体。
繰り返した秘め事が形成した記憶と、それらが形成するある筈のない感覚。

兄に性の手解きする姉を見かけてしまった当時は、覚えたそれが不思議でならなかった。
独り置いていかれるような気がしていただけにしては昏過ぎた妙な感情を
あの頃のボクには理解できなかった。
――でも、理解できないままの方が幸せだったかもしれない。

兄しか男性を受け入れられないことを自覚したり、
姉に対する歪んだ性を自覚する必要がなかった当時の方が、気分的には楽だった。

そしてボクは、兄さんの携帯にモーニングコールを入れた。
0496妹からのモーニングコール ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/24(土) 01:04:41ID:UZ2PNOIv0
「朝ですよ〜」「電話ですよ〜」
今は寮生活を送る妹からの、ささやかな?プレゼントの合唱が
起床の時間を知らせてくれる。
(ちなみに目覚まし時計はオーダーメイドで、
スヌーズの間隔を5分刻みで変動できる優れものだ。)

「……もしもし」
『おはよう、兄さん。お変わりありませんか?』
「元気そうで何よりだよ。」
『兄さんの声を聴かないと、調子が出ないですけどね。
1人暮らしとルームシェアには憧れていたけど、やっぱり兄さんと一緒が良いです。』
0497ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/24(土) 01:07:08ID:UZ2PNOIv0
とりあえず、リハビリ兼ねて準備していた分のみの投下です。
紛失してしまっていた設定等の復旧もあるので
すぐに続きを書くのは難しいかもしれませんが
できるだけ早く投下できればと思っています。では。
0500ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/25(日) 00:38:44ID:Vu1BwYTY0
とりあえず、既存シリーズの続編についてはしばらくお待ちください。
…この繰り返しで今の体たらくという気がしなくもないですがorz
>>495
支援ありです。
>>497>>498
有難うございます。
0501ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/25(日) 03:56:28ID:Vu1BwYTY0
兄さんに学校関係の夏休みの予定を伝え、
明日の昼頃寮まで迎えに来て欲しいとの旨を伝えて電話を切った。

私の所属する第2寮は、寮則そのものもさほど厳しくはない。
寮でHするルームメイト、クラスメイトも少なくはない。
そのからくりは、第2寮の特殊性にある。
申請することで週2回まで支給される実演習用の避妊具と
交際相手がいる場合または在学中に交際相手ができた場合、
その人への貞叔の締約を理事長及び寮監の前で行なうという入寮条件だ。
――ちなみに、いない場合は任意の血縁男性1人を許可証登録する。これは第1寮と共通だ。
それ故に、教育実習生でありOGでもある姉のおかげで、兄の人となりは理事長も寮監も知っている。

(理性の箍が外れてますね。寧ろ禁断症状でしょうか。)
届けを書きながら、自嘲する。
朝ご飯食べに行きますね、
とルームメイトへの書き置きを残し、部屋を後にした。
0503ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/25(日) 04:37:08ID:Vu1BwYTY0
お題:朝起きたら妹に、迎えに来て下さいと言われた。

『15時に、第2寮前門で待ってます。許可証を忘れないで下さいね。』

少し早目に到着し、手続きを済ませてしまった僕は
暇を持て余していて、ふと妹の入寮に同行したときのことを思い出した。
姉さんが入っていた第1と違って、
主に花嫁修行生や将来を約束した相手のいる女の子が集う特殊な寮だ。
「(見守られるなかでキスされるとは思わなかったな。)」

昨日のことのようにフラッシュバックした記憶に思わず赤面していると
心地よい衝撃とともに、妹がやってきて、
「お待たせ、兄さん……顔赤いですよ?」
片時も離れたくないとばかりに僕を抱きしめるのだった。
0504ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/07/25(日) 04:47:41ID:Vu1BwYTY0
以上、既存のとある妹の過去編、準備できているところまでです。
具体的にどの子にするかは決めていないので名前は入れませんでした。
(素直系ないし不思議系のボクっ子スキーの私自身としては
正直どの子でも良いのですけどね。)
ツンデレ系(というか天邪鬼さん、かな?)は、得意な方にお任せします。

>>502
ご支援ありがとうございます。
地の文で工夫したり、想像を膨らませる方向で頑張ろうと思っているので
投下する分量自体は寧ろ減ってしまっていますが
(それ故に連投規制にも巻き込まれにくくなってはいると思います)
楽しんで頂ければ幸いです。
0507名無しさん@初回限定2010/07/25(日) 22:42:49ID:v4Yn1flC0
朝起きたら妹にパイズリされていた  朝立ちのアレを・・・
0510桐莉兄2010/07/28(水) 00:48:55ID:AHooe9B40
漸く解除…また規制されない内に投下…ッ
**************

「明日、お兄ちゃんの誕生日だったよね」

俺の部屋に入って来るなり妹が、ダイビングボディプレスをぶちかましながら聞いて来た。

「プレゼント、何がいい?何でもするよ?」
「なん…だとっ……」
「お財布空っぽだからね。何にも買ってあげられないから、その代わりだよ」
「本当に何を頼んでもいいのか!?」
「うん。あ、でも、私に出来る事にしてね。空を飛んで見せろーとか、夏休みの宿題を全部代わりにやってくれ

ーとか、そういうのは無しだからっ」

……どうやら、俺はとんでもない権利を手に入れてしまったらしい。
妹に何をさせようか。

「お部屋のお掃除とかー、それとも、冷蔵庫に有る食材で何か美味しい物作って食べさせてあげよっか?」
「おまっ、性欲を持て余す年頃の兄に『何でもするよ』なんて言っといて、そんな生温いお願いで済むと思っ

てるのかっ!?」
「ふぇ?じゃ、じゃあ、メイドさんのコスプレでぇ、モーニングコールとか?」
「もっとこう、直接的にえっちぃのは駄目なのかっ!?目覚めのフェラチオとかっ」
「もーぉーっ、お兄ちゃんっ!私達、兄妹なんだよっ?えっちなお願いは却下しますっ」
「そこを何とかっ!口が駄目ならせめて、お前のそのおっぱいで挟むだけでもっ……」
0511名無しさん@初回限定2010/07/28(水) 00:49:31ID:AHooe9B40
「……そんなに私にえっちなご奉仕させたいの?」
「お願いしますっ!」
「んー、どうしよっかなー?」
「妹サマの魅惑のおっぱいで兄貴の愚息を極楽にイかせて下さいッ!」
「……そんなに好きなの?私の妹おっぱい」

妹が上目遣いで聞いて来る。
後一押しだっ、俺は震えるほどヒートする炉利魂の全てを込めて雄叫びを放った。

「お前のつるぺたちっぱいとか好きだからッ!!!!!」

――しんっ、と、部屋の中に静寂の音無き音が張り詰める。
やがて妹は――

「……いいよ。明日の朝、楽しみにしててね。お兄ちゃん……?」

そう言って部屋を出て行った。

「……え?マジで?何この神展開」

妹のちっぱいズリ確定。
俺は息子に欲望汁を滾らせながら、悶々と眠れぬ夜を過ごした。
明日の朝が待ち遠しい。最高の誕生日になるだろう。
産まれて来た事を神に感謝しながら、俺は楽園へと導かれるのだっ――。
0513桐莉兄@キリ2010/07/28(水) 01:00:17ID:AHooe9B40
そしてっ。

朝起きたら、妹にパイズリされていたっ。
朝立ちのアレを・・・っ。

くっちゅくっちゅくっちゅ。 ざりっざりっざりっ。

「ほーら、気持ちいい?お兄ちゃん?」
「あの、ちょ、これは俺の期待してた物とは違」
「ちっぱいが好きなんでしょーがっ!だったらさっさと逝っちゃいなさいよっ、ロッテのパイの実でッ!!!」

鬼のような形相で血涙を流す妹にパイ扱きをされながら、俺は昇天しました。
ハッピーバースデー、俺。
産まれて来た事を神様に感謝…出来るかボケェ!!!!
0517名無しさん@初回限定2010/07/31(土) 22:56:43ID:erwNY7T1O
桐莉兄氏、GJそして乙です。
…ハル兄は規制に巻き込まれてしまったのかな
0518ハル兄@出先 ◆2Z9GE9yyj. 2010/08/01(日) 01:52:15ID:CPnTKqBf0
業務連絡のみでごめんなさい。
自宅の回線が規制に巻き込まれたようなので、
しばらくお待ちください。
0520名無しさん@初回限定2010/08/02(月) 00:27:33ID:gKxv2x4rO
桐莉兄氏、ハル兄氏、いつも乙です。
投下無いなと思ったら巻き込まれでしたか…。
0521名無しさん@初回限定2010/08/02(月) 15:17:39ID:Ugvfgn7a0
朝起きたら妹に、夏だというのに抱きつかれていた。
寝ぼけているのか?
0522名無しさん@初回限定2010/08/03(火) 08:50:48ID:lfTEHl2wP
朝起きたら妹に挿入していた

捻りも何も無い直球だが、意識が無くてどうしてそういう状態になっているのかと…がお題です
0524 ◆S1TzStjJG6 2010/08/03(火) 22:47:25ID:MY41Yx4G0
 朝起きたら妹に、夏だというのに抱きつかれていた。
 タンクトップにトレーニングパンツが、若い身体を包んでいる。
「なしておめさ、オレに抱きついちょる?」
「夏ば、暑いけぇ布団なんぞかぶけるか?」
「暑苦しかよ、離れぇ」
 兄は最近大人の魅力も持ち始めてきた妹の顔に手を当て、頬を押しつぶして遠ざけようとする。
「やーだぁ、もちっとこーさせぇ。男だべ、がまっこだぁ」
 弾力ある頬は、少し角度をつけただけでするりと兄の手を受け流し、妹の顔が兄の胸の中へと吸い込まれる。
「なして……なしてウチらは兄妹なんけ?」
 小さく呟く妹の声。幼い頃、兄の嫁になると宣言し、その心を持ち続けている妹。
「ウチはにぃの嫁さなりてぇよ」
 しかし現実というものも分かってきている年齢でもある。
「こんままじゃウチは嘘つきになってまうな」
「人間、誰でも嘘ついちょるぞ。気にせんでええ。それに幼い頃の話、もう時効や」
「じゃあ、これからの過ちも……いつか時効になるかのう?」
「えっ……?」
 ドキリとするほど、妹は色っぽい表情を浮かべ、せんべい布団に寝そべる兄を見下ろす。
 肩紐のずれて、胸元の膨らみが大きく目に入ってくる。少し動かせば桃色の乳輪が見えるだろう。
「にぃは……今年、神解きの儀式なんやろ? ちょぅ予行練習せん?」
 『神解き』とは、元服を迎える男子が8月12日に村の神社へ行き、一晩過ごす行事だ。
 そこで男子は女を知り、男となる。
「ウチがにぃの初めてなりてぇんだ、ええやろ。ウチ、にぃの身体にくっついてるだけでもう準備ええんよ」
 妹のすり合わせてくる股間が熱く、じっとりと湿っている。
 ショートパンツとパンツの底をズラし、下半身の切れ込みを露にすると、反り返ってしまっている亀竿を押し付けた。
「にぃ、妹で興奮してるん? 変態さんやな」
「お、おい、やめや……こんなん、おとん達に見つかったら大目玉やぞ。やめ……やめぇーーっ!」

 そこで目が覚めた。
「にぃ〜♪ おはよう」
 朝起きたら妹に、夏だというのに抱きつかれていた。夢で見た姿と同じ格好で。
0526桐莉兄2010/08/05(木) 21:11:18ID:TeLZM6pC0
朝起きたら、妹に挿入していた。

・・・ッ、ちょっと待て、落ち付け、俺ッ。

昨夜の事が記憶から綺麗さっぱり抜け落ちている。
一体どうしてこんな事になっているのか、混乱する頭を抱えながら部屋の中を見回してみる。

部屋の中に散乱した酒瓶。
ズキズキと鈍痛のシグナルを発信し続けている俺の頭。
所々破れて、乱れた服装のまま、俺の横で寝息を立てている妹の目尻には涙の痕。
抵抗の痕跡。手首にはガムテープ。ベッドのシーツには血痕。
そして、枕元には所謂、飲むと眠くなる類の薬品が何錠か転がっていて・・・。

ああ、そうだ。
昨夜の記憶が急激にフラッシュバックして甦る。

『やめてぇっ、いやぁっ、そんなの無理っ、中に挿れちゃぁぁあっ、痛いっ、痛いぃっ――』

嫌がる妹を押え付けて、俺は無理矢理、挿入したんだった・・・。

『ひっ、ひっ、うぇっ・・・ばかぁっ、お兄ちゃんのばかぁっ、ひどいよぉっ・・・』

だって、しょうがないだろ。全部、お前が悪いんだ。
夏だからって・・・俺の部屋で・・・そんな薄着で寝ているから・・・。
0527桐莉兄2010/08/05(木) 21:12:33ID:TeLZM6pC0
「・・・うぅ・・・お兄ちゃん?」
「・・・目、覚めたか」
「・・・うん」
「・・・夕べは、その、ごめん。俺っ、お前の気持ちも考えずに無理矢理、その・・・」

途端に、妹がかぁっと赤くなって、布団の中に潜り込む。

「・・・許してくれ、なんて・・・」
「・・・いいよ」

目の辺りまで布団を引き上げたまま、妹が恥ずかしそうに答える。

「凄く痛かったし、恥ずかしかったけど・・・私、お兄ちゃんの事、嫌いになってなんかいないから・・・」
「・・・・・・」
「私の為に、してくれたんだよね・・・?だから、いいよ・・・お兄ちゃん・・・」

夏の日差しが部屋の中に差し込んで、室温は汗ばむほどに暑く、雨の様に降り注ぐ蝉の鳴声は、俺達の耳には届かない。
そのまま、そっと、ベッドに横たわる妹の額に優しく触れる。
妹が、俺の首に腕を回して、ぐいっと引き寄せる。
0528桐莉兄@キリ2010/08/05(木) 21:14:05ID:TeLZM6pC0
「・・・もう、熱は下がったみたいだな」
「・・・うん。お兄ちゃんが座薬挿れてくれたお陰だよ。それより、お兄ちゃんごめんね。昨日蹴っちゃったとこ・・・頭の横のとこ、大きな瘤が出来ちゃってる・・・」

部屋の中に散乱した酒瓶。卵酒。
ズキズキと鈍痛のシグナルを発信し続けている俺の頭。妹の膝蹴りがクリーンヒット。
所々破れて、乱れた服装のまま、俺の横で寝息を立てている妹の目尻には涙の痕。無理矢理座薬突っ込んだからな。
抵抗の痕跡。手首にはガムテープ。ベッドのシーツには血痕。主に俺の。
そして、枕元には所謂、飲むと眠くなる類の薬品が何錠か転がっていて・・・。

「・・・お兄ちゃんも頭痛薬、飲む?」
「・・・打撲には効かないと思うんだ・・・」
0531名無しさん@初回限定2010/08/06(金) 19:55:59ID:yeApMFL+P
何をとか、どこにという具体性が無い所(とは言え、制限はきつそう)の合間を突いた投稿ご苦労様です
3回に分けているのもなかなか良し…というか、出来た後で前2回分を投稿して次の日にオチを出すとかも面白そう

使っちゃったネタだが、他の人同じネタで書いてくれるのを期待するのは期待しすぎだろうか?
超乙です
0534名無しさん@初回限定2010/08/26(木) 01:35:27ID:xl9CJdWb0
書き込みテストかねてお題投下します。
「朝起きたら妹に、女として複雑ですと言われた。何の話?」
>>524
>>528
遅くなりましたが、乙そしてGJです。
0541名無しさん@初回限定2010/10/07(木) 05:34:26ID:ZgMDXJpm0
だいぶ花園規制に移行して来てるしそろそろ規制中の人も少なくなったかな?
0542ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/10/07(木) 23:48:42ID:+B31iXHe0
朝起きたら妹が、「テストです。」と言っていた。何の?
0543ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/10/07(木) 23:59:42ID:+B31iXHe0
大丈夫なようなので準備してきます。早ければ今週中に投下予定。
0546名無しさん@初回限定2010/10/21(木) 09:26:17ID:Wz1629pr0
早ければ、って話だからね。

朝起きたら、妹が泣きながら俺のマウントを取っていた。
俺の名前を呼びながら振り上げられた拳は空を切り、今まさに俺の顔面を狙い打とうとしていた。
小さく息を吐き、拳を一寸の隙間を残して避ける。
妹の拳は枕に突き刺さり、羽毛を撒き散らす。
俺の妹ならこのくらい朝飯前だろう。
ふわりと浮かぶ白い羽は天使の翼を連想させるが、残念なことに妹の職業は暗殺者。齢0x0eにして立派な納税者だ。
学校に行く前なのか、セーラー服姿だ。
妹の桃色の唇から、小さな舌打ちが耳に届いたかと思うと、残るもう一方の拳が唸りをあげる!
かわせない!
そう思った俺は華奢な妹の腕に自分の腕をぶつける。かろうじて拳を受け流し、直撃を免れる。
朝から襲撃してくる悪い妹にはオシオキが必要なようだ。
兄の思い通りにならない妹などこの世にいないこと、そしてお前は一生俺のモノであることを教え込んでやる。
俺の腰の上に乗っている妹のお尻の部分に股間をスライドさせる。
朝でいきり立つ元気な突っかかりが、妹のお尻の谷間に挟み込まれると妹はハッとし、表情を恥じらいに染める。
しかし、その直後その表情は憤怒へと変わり、祈るように両手を組み、両腕を大きく振り上げる。
0547名無しさん@初回限定2010/10/21(木) 09:26:28ID:Wz1629pr0
その瞬間を狙って俺はつるんと、ブドウの皮でも剥くかのように妹の上着を一気にめくり上げる。
セーラー服の下から現れたのは若々しい2つの丘。しかし、その膨らみは男を誘うには十分なほどのCカップ。
そのCカップを包むブラは、仕事の報酬で買ったのか、生意気なことにフリル付きだ。意外なことに白をチョイスしている。
慌てて隠そうとしてももう遅い。俺の魔手が疾風の勢いでブラを剥ぎ取ると、形のいい乳房がぷるんと揺れてまろびでる。
少女暗殺者の可愛い悲鳴を響かせようが、我が家の中では力こそが全て。実の親だろうが、三社面談以外では助けてはくれない。
下半身に力を込め、肉棒に血液を送り込むと、パジャマのズボンを突き破り俺の凶悪な最終兵器が外気に触れ始める。
前戯は必要ない。幸いにしてスカートなら下着一枚突き破るだけだ。このまま妹の秘裂に突き刺してやる。
鋭く尖った肉槍で襲撃者を突き上げると、妹は唇を噛んでその衝撃に耐える。
肉体の中を駆け巡る苦痛と、牝としての本能、復讐したい相手に屈する敗北感、そして俺というご主人様を受け入れた悦びが脳内でない交ぜになっているだろう。
しかし、猶予を与えず妹の中を肉槍が往復する。
キノコ型に尖った俺の隠し武器はエラ部分を精一杯に広げ、まだ狭苦しく使い込まれていない膣堂を蹂躙する。
妹の口からは制止の言葉と侮蔑の言葉に混じって、男を誘う息遣いと艶やかな喘ぎが溢れ出す。
殺意に満ちていた鋭い瞳が徐々に悦楽に飲み込まれた哀色へと変わっていく。
いくら暗殺者としての訓練を受けようとも、若い肉体は刺激を求めて反応してしまう。そのことを伝えると妹は悔しそうに涙を流した。
今日も、妹は俺の欲望の赴くままに弄ばれる。
妹よ、お前は一つミスをした。お前は制服を着ているが、今日は休日だ。たっぷりと可愛がってやるからな。
0549 ◆.YkdbaAhCHcM 2010/10/25(月) 19:32:16ID:J/fW1vHe0
(1)
朝起きたら、いつものように兄が私を凌辱していた。
完全に予想外だった。いつもなら私が朝に襲撃するハズなのに、まさか兄が先に目覚めていようとは……。
先手を打たれてしまった以上、私にはなす術がなかった。完全に身動きを封じられている。
兄は好奇な瞳を欲望に血走らせながら、私の裸体をむしゃぶり始めた。

兄が私に対し、性的なイヤがらせをするようになったのは、いつからか……分からない。しかし、完全な転機となったのは0x0a歳の時だ。
以前からも兄にはちょいちょい意地悪をされて泣かされていたものの、裸にされて身体を舐めまわされたのは、あの時が初めて。
第二次成長期でたくましくなった兄に強引にベッドに押し付けられ、身動きが取れないようにされて、おっぱいを舐められた。
ヌメヌメとした生暖かい感触が肌の上を滑ると、背筋にうすら寒い刺激が走ったのを今でも覚えています。
服を脱がされ、胸を揉まれ、お尻を撫でられ、私のアソコを……兄のアソコを……。
もちろん何度も「やめて」と訴えましたが、我が家の中では力こそが全て。両親がいて助かるのはクリスマスと正月くらい。
だから私は力を求めた。まずは剣道。初めて出た地区大会で優勝した。しかし、兄は簡単に竹刀を受け止め、弾き飛ばして道衣姿の私を嬲った。
武器に頼るのはいけないと反省し、私は柔道を学んだ。腕試しで出た全国大会で優勝するほどの実力を身につけたにも関わらず、兄は敵わなかった。
なぜなら、兄は裸で攻めてきたからだ。これでは投げられないし、締められない。兄がこれほど頭が回る変態だったとは迂闊だった。
柔道帯で腕を縛られ、お楽しみになられた。きっと兄からはコスプレの幅が広がったくらいにしか思われていないのだろう。
よろしい、ならば柔術だ。私は最強の格闘技とされる柔術を学び、師匠を倒してしまうほどにマスターした。我ながら自分の才能が恐ろしい。
しかし、兄の身体能力は私の想像を遥かに超え、返り討ちにされてしまった。おかしい。私の兄、超おかしい。
0550 ◆S1TzStjJG6 2010/10/25(月) 19:32:35ID:J/fW1vHe0
(2)
更に私は力を求めた。求めた結果……いつしか私は暗殺者になっていた。人を殺めることが出来るほどの力を得た。
世界の重要人物を何人殺したか分からない。しかし、私は傷一つ負ったことはない。身体の傷は全て兄に付けられたものなのだから。
世界一の殺し屋とまで呼ばれるようになった私は、仏の顔も何度までとやら、満を持して兄に挑んだ。
しかし、信じられないことに兄には敵わなかったのだ! 武術も何も習っていない、もやしのような兄を殺すどころか、倒すことすら出来ないのだ。
食事に痺れ毒を含み、睡眠ガスで意識を奪った後、寝床にC4爆弾を仕掛けて部屋を半壊させたのにも関わらず、
兄には傷一つつけることが出来なかったのだ。
何が起こったのか分からなかった。しかし、私の襲撃を退けた兄のすることはいつも一つ。エッチな凌辱だけだった。
兄は本当に人間の血を引いているのだろうか? とても血の繋がった家族だとは思えない。思いたくもない。

兄がバンザイをしている私の胸にそっと口付けたことで、私は意識が現実に引き戻される。
ちゅうっと肌を吸い上げると、ぞくりと、私の背中に電流が走った。
舌がゆっくりと膨らみかけの麓を進むと、思わず声が出そうになってしまう。
兄は私の胸を責めるのが好きなようで、たっぷりと時間をかけて味わう。その執拗な愛撫によって、私の身体は否応無しに火照ってしまう。
世界一憎たらしい兄の愛撫は、凌辱者のソレとしてはあまりにも優しく、私の弱点を的確に責めてくるからだ。
こう責められたらダメ、というポイントを突き、私の声を、そして快楽を引き出そうとする。とても卑劣な兄だ。
例えるならきっと私は蝶なのだろう。そして兄は糸を張り巡らせた蜘蛛なのだ。
抵抗すればするほど、兄の糸に絡みつき、逃れられなくなってしまう。
私はこれからもずっと、兄の命だけを狙い続け、そして兄に凌辱され続けるのだろう。
そう思うと悔しくて、涙が浮かんでくる。
そんな私の表情を見て兄は満足そうに笑い、更にいやらしい愛撫に熱が入る。
兄の巧みな指使いによって私は震えてしまう。声を出してしまう。感じてしまう。
骨の髄まで兄によって開発されてしまった身体はもはや兄の愛撫の前では骨抜きにされたも同然なのだ。
0551 ◆S1TzStjJG6 2010/10/25(月) 19:32:49ID:J/fW1vHe0
(3)
身体は素早く愛撫に反応し、快楽のシナプスを繋げる。最低限の抵抗力を残して、力が入らなくなってしまう。
逃げることも敵わず、倒すことも敵わず、ただ兄に恨み言をぶつけ、抱きつくのみ。
兄が無遠慮に私に入り込んでくると、たまらず嬌声を漏らしてしまった。全身が悦び、愛液を滲ませる。
もうダメなのだ、兄を受け入れてしまったら、私に拒絶する意思すら浮かばず兄を求めてしまう。
世界一憎い兄が愛らしくて仕方なくなってしまう。
嫌いな兄の唇を貪り、たくましい背中に腕を回して、抱き締める。腰が勝手に動いて兄を喜ばせてしまっていた。
どうして、兄に抵抗できないの? 自答して、ある答えに辿り付く。そして一つ
もしかしたら、私はこうして兄に弄ばれることに悦びを感じている?
そんなこと認められない。たとえ、兄の愛撫がこの世の全ての行為の中で一番気持ちよくても、認めたくない。
しかし、私は兄の唇を拒めない。兄の手を拒めない。兄の求愛を拒めない。
悔しくても、心が温かいのだ。このぬくもりがたまらなく落ち着くのだ。

……今日も私は兄に蹂躙される。きっと、明日も、明後日も、その先もずっと……。
それを期待している自分が心の中にいることに気付きながらも、私は明日も兄に抵抗を試みる。それが兄を喜ばせるだけだと知りながら。
0552 ◆S1TzStjJG6 2010/10/25(月) 19:35:44ID:J/fW1vHe0
>>546の続きとやろうとして、失敗しましたが、私です。

ごめんね、最近、あんまり投下しなくて。仕事ちょい厳しかったのよ。
セリフ無しですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
0556名無しさん@初回限定2010/11/12(金) 19:43:34ID:mn5+DZTv0
最近は「朝起きたら妹が〜〜」とネタ振ってくれる人もいないのね……。(´・ω・`)
0557名無しさん@初回限定2010/11/14(日) 22:50:06ID:GmAg+wKH0
まず作者が何人生き残っているのか確認が先だな
ネタフリしても誰もいないのではな
0558名無しさん@初回限定2010/11/15(月) 09:16:03ID:6OG6Jqd90
>543 名前: ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. [sage] 投稿日: 2010/10/07(木) 23:59:42 ID:+B31iXHe0
>大丈夫なようなので準備してきます。早ければ今週中に投下予定。

この発言から一月か……。時の流れは早いものだな。
0559ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/12/03(金) 10:22:24ID:IRaBw1s30
朝起きたら妹に、皆さんに生存報告してと言われた。

…このご時勢で、自分みたいな身分の人間が忙殺されるとは思わなかったorz
0560名無しさん@初回限定2010/12/03(金) 10:25:17ID:IRaBw1s30
というわけで生存報告。まとめる暇すらない位忙しくて涙目な自分ですが
諸兄もお忙しいか規制に巻き込まれているかなんでしょうね。
ただでさえ投稿間隔長いのに死亡フラグ立ててしまってすみませんorz
0561ハル兄 ◆2Z9GE9yyj. 2010/12/03(金) 11:04:39ID:IRaBw1s30
碧と翠編〜朝起きたら妹に、「知的好奇心ですわ」と言われた〜

なんとなく、いつもより早く起きられた朝のこと。
普段と比べスッキリとした目覚めと、大腿あたりの違和感に布団をめくれば
甘ロリ系のネグリジェを着た双子の妹が抱き枕のようにしがみ付いていた。
吐息があたってくすぐったいやら、おだやかな寝顔を見ていたいやら。
起こすのがしのびないから休みで良かったと思っていると、柔らかく冷たい手に包まれるような感覚が走った。
「操縦桿、今日も逞しいです……」
「……おはよう、ございます」
真意を判断しかねていると、もぞもぞと布団から出てきた。
0562名無しさん@初回限定2010/12/03(金) 11:06:43ID:IRaBw1s30
データを集めている間にまとめた小ネタと設定をまとめるのが精一杯でしたが
保守代わりに冒頭だけ投下させて頂きました。連投失礼しました。
0569名無しさん@初回限定2010/12/17(金) 00:10:38ID:wgaNpm0PO
朝起きたら妹に、「だいしゅきホールドですね、解ります。」
と言われた。
0576名無しさん@初回限定2011/01/30(日) 22:19:24ID:gpUKaKtf0
朝起きたら妹に
もうそろそろバレンタインだねと言われた。
0580名無しさん@初回限定2011/02/23(水) 15:37:06.89ID:7zmQEffg0
朝起きたら妹に
2月の書き込みがまだ三つしかないねと言われた
0581名無しさん@初回限定2011/03/09(水) 03:01:44.83ID:0VTMZ7wU0
 朝起きたら妹に、クイズを出題された。

「ねーお兄ちゃん。英語で『お風呂に入る』ってなんて言うか知ってる?」
「フロ?」

 ふむ、英語で風呂はバス。それくらいは分かる。しかし、そこは問題ではないだろう。問題は『入る』に相当する動詞が何であるかだ。
 或いは『風呂に入る』自体が一つの動詞で表現される可能性もありうる。
 ……ぶっちゃけて言おう。ヲタ的ファンタジー考察は好きだが、英語は苦手だ。

「ふっふっふー、わっかんないかなー?」
「何を言う、雑学ヲタのこの兄に分からないことなどなど!?」
「じゃ、答えられなかったら、この前買ってきた3DSちょーだい」
「まて、勝手に決めるな;」
「で、もし答えられたら…そうだな、お兄ちゃんと一緒にお風呂入ってあげてもいいよ?」

 なん・・・だと・・・?

 断じて言おう、未だ乳臭いガキの体、しかも肉親のそれなどに興味はない。
 そう、ふくらみかけのまだ青い果実、それが水に濡れ、泡にまみれる姿などに──ついでにお互い大事な所を洗いっことかしちゃったりなんかして──断じて! 興味は! 無い!
 だ、だが、一人の兄として、久々に兄妹で風呂にはいるというのもまた一興ではないかと……

「うわぁ、お兄ちゃんってやっぱり変態なんだね」

 ざくっ

 い、いかん。このままでは兄の威厳(そんな物はない)が!
 しかし、この場合、もし上手く答えたとしても『兄は変態』という事が証明されてしまうのではないか?

「まー、分かんなきゃそこまでだよねー。ほらほら、ごー、よーん、さーん……」

 ヤバイ! このままでは兄の威厳と3DSとキャッキャウフフのチャンスがまとめて消えてしまう!
 さぁ兄よ、頭をフル回転させるのだ! そう! ふぁちまのように!
0582名無しさん@初回限定2011/03/09(水) 03:03:39.29ID:0VTMZ7wU0
 ──天啓、

「分かったぞ!?」
「ツバ飛ばさないでよ……で、何?」
「ふふふ、聞いて驚け」
「出題者あたしなんだけど?」
「『フローリング』だっ!」

 大爆笑された。もう見ている方が心配になるくらい。乱れた裾とか、涙の滲んでうるうるしてる目とか、息を引きつらせてひーひー言ってる姿とかがちょびっとエロかった。

「はふー……笑い死ぬかと思った」
「殺意は無かった。反省はしている」
「フローリングって言ったらこういう木の床の事でしょ。言う前に気づかなかったの?」
 言って、ぺしぺしと部屋の床をはたく。そりゃそーだ。
「一瞬、違うかも、というのは脳裏をよぎったのだが」
 思いつきがあまりにもピタリと咬み合ったので、これ以外に無い、という錯覚を抱いてしまった。
「でまぁ、結局、答えは何だったんだ?」
「あー、答えはねぇ──」

 よくよく考えれば、妹も別に英語が得意とかそんなことは無いのだが……

「──『ニューヨーク』に決まってるでしょ?」
「違う! それは絶対に違う!?」
「え? なんで!?」

 妹がマジで理解していなかった事だけは特に記しておく。


 追記・勝負は引き分けになりました。
0586名無しさん@初回限定2011/05/01(日) 23:52:57.41ID:eeDCqGAX0
朝起きたら妹に、GWだからどっかいこう!!て言われた。
0594名無しさん@初回限定2011/08/25(木) 01:42:51.09ID:spouPAQK0
朝起きたら妹に、秋はきのこ狩りの季節だねと言われた。
0596名無しさん@初回限定2011/09/19(月) 21:56:23.06ID:czX2wh1b0
朝起きたら、...
0598 忍法帖【Lv=24,xxxPT】 2011/09/20(火) 02:50:15.00ID:IgDjL2BM0
オナニーしようとして握ると、全裸の妹を握ることになり、手でこすると…
0600名無しさん@初回限定2011/09/28(水) 17:58:37.00ID:1tOQkLn90
age
0605名無しさん@初回限定2011/10/19(水) 08:37:22.81ID:TbT6kyuu0
朝起きたら妹に、「血は繋がってなくても妹は妹でしかないのかな」と言われた。
0608名無しさん@初回限定2012/02/10(金) 23:55:46.90ID:86fyNX8q0
妹「この我のものとなれ」 俺「断る!」

妹「どーしても?」
俺「アホ云うな。お前のせいでどれだけの金がかかったと思ってるんだ」
06106082012/02/10(金) 23:58:11.67ID:86fyNX8q0
妹「この子のこと?」
俺「両替繰り返し、金は機会に吸い込まれていった」

妹「考え無しに持ち上げようとして失敗しまくったんでしょう」
俺「考え無し……?」

妹「あー。えーっと。そうか、一応頭は使ってた、みたい……かなぁ?」
俺「誤魔化すなっ! あんなに失敗したのだっておまえのせいじゃないかっ!」
06116082012/02/11(土) 00:12:17.42ID:QVOMF4WS0
妹「だってあれくらい私だってできると思ったもん。お兄ちゃんも後からガタガタ言い出すくらいなら私にさせなきゃいいじゃん」
俺「お前が絶ッ対大丈夫! っていうからだろ。もう後は落ちるだけってところまでいったのに、なんで反対側に倒すんだよ。普通にちょんって触れば落ちたはずだろ」
0612名無しさん@初回限定2012/02/11(土) 00:12:49.96ID:QVOMF4WS0
妹「もう、いつまでも言わないの。簡単に取れるって言ったのお兄ちゃんでしょ」
俺「3回目で取れるはずだっただろ、お前に替わらなきゃ」

妹「ま、まぁ、ほら、結局取れたんだからいいじゃん。ねっ、お兄ちゃん、すごーい。UFOキャッチャーのプロ〜」
俺「なんでこんな平べったい豚のぬいぐるみに俺の小遣い2,000円も使わなきゃならんのか」
0613名無しさん@初回限定2012/02/11(土) 00:14:55.10ID:QVOMF4WS0
妹「いいじゃん、『ざブタん』かわいいじゃん。座れるんだよ〜!?」
俺「じゃあ、俺が座ってやるから、返せっ」
妹「だめっ、この子に座っちゃ駄目ッ、かわいそう」
俺「そういう奴なんだろ? 望み通り座布団にしてやるよっ」
妹「キャー、座るなー! この子は私が大切に可愛がってあげるのっ!」
06146082012/02/11(土) 01:05:07.05ID:JLKM3kks0
俺「イテテッ、押すな、わかったから離せ、離れろ」
妹「じゃあ、私にこの子頂戴? ねっ、いい?」 じ〜っ
06156082012/02/11(土) 01:14:39.08ID:JLKM3kks0
俺「まて、それとこれとは話が別だ。金返せとは言わんから、そのかわりなんかくれ、なんかマシなもん」
妹「えー、この子、かわいい妹のために取ってくれたんじゃないの? 駄目だよぉ」
俺「まぁ、こんな豚いらんけど、金かかりすぎ、さすがにタダじゃやれん。わかった、じゃあお前のおやつとかでもいいよ、今度それくれ」
妹「んー、おやつかぁ。けど1回だけだよ」
06166082012/02/11(土) 01:17:39.33ID:JLKM3kks0
俺「よしっ、こいつはお前のものだ」
妹「1回だけだからね」
俺「契約成立だ」
妹「何でも勝手に取っちゃ駄目だからねッ」
俺「あんまり変なもんでも駄目だぞ」
妹「わーい、嬉しいな」抱きっ
0619名無しさん@初回限定2012/02/12(日) 10:14:07.52ID:MsYY1JQB0
――リビング
俺「うぉ、寒くなってきたな」
妹「うわぁ、外、吹雪いてるよ?」

俺「こんな中途半端なエアコンで良いのか?」
妹「中途半端って?」

俺「いや、だからさ。このエアコンさっきから点滅ばっかりで、着いたと思った
らいつのまにか風が止まって全然暖まらん」

妹「あっ、エアコン動き出した」 にこっ

俺「どっかおかしいところあるんなら、直してもらった方が良いんじゃね?」
妹「おかしいところあるの?」
俺「さー、わかんね」

妹「お父さんに見てもらった方が良いと思う」
俺「今日帰ってこないぞ」

妹「お母さんじゃわからないと思う?」
俺「だろうな、どのみち今日遅いんだろ?」

妹「お兄ちゃんがちゃんと見たらいいと思う!」 じー
俺「じー」

妹「わかった?」
俺「わからん。とりあえず点滅がなんなのかネットで調べてみる」

カチャカチャカチャ
ピー、ガー、ピンピン、ガーッガッビー、ピー、プー
0620名無しさん@初回限定2012/02/12(日) 10:15:30.08ID:MsYY1JQB0
俺「異常か、室外機の霜を溶かしてるっぽいな。室外機どうなってる?」
妹「見えない……。雪に埋もれて見えないよ――」
俺「それ原因じゃない? お前見てこいよ」

妹「やだ、寒い……」 ぶるぶる
俺「昨日のおやつの件チャラにするから見てこいよ」

妹「やだ! お風呂入っちゃったもん」 ふるふる
俺「あー、まったく――」

妹「さすが、お兄ちゃん、頼りになる!」
俺「風呂、熱めにしておいてくれ。雪どかしたらすぐ入るから」
06216082012/02/12(日) 10:16:49.46ID:MsYY1JQB0
――リビング
俺「うー、寒いィィィー」 ガチガチ
妹「お風呂暖めといたよ。入ってきなよ」

俺「うー、冷たいィィィ」 ピタッ
妹「ギャー! お兄ちゃんの手冷たい! 触らないでっ! 首冷たい、やめてっ
てば!」
俺「あー、お前の体あったかいぃぃぃ」
妹「キャー、冷たっ、ちょ、服の中やめて、抱きつくなー! 冷たいってぇ!」
俺「外ぉ、寒かったぁぁ」
妹「わかったから、寒いのわかったから、ちょ、やめてっ、早くお風呂入ってき
なぁ!」

俺「わかったよ、おやつ二日分な」
妹「やだっ!」
0622名無しさん@初回限定2012/02/12(日) 11:22:08.20ID:MsYY1JQB0
――キッチン
妹「えーっと、湯煎は――」
母「ずいぶん材料いっぱいね」
妹「うん。生徒会の――」
母「先輩?」
妹「先生にも――」
母「ママ手伝う?」
妹「大丈夫。私だけでがんばるよぉ」
母「そう、喜んでもらえるといいわね」
妹「えへへぇ」 にこっ
0628名無しさん@初回限定2012/02/12(日) 22:36:41.14ID:MsYY1JQB0
――寝室
母「やっぱり女の子はかわいいわねぇ。あの娘ったら――」
父「相手は――」
母「生徒会や先生――」
父「俺の分――」
母「あなたは今日貰って――」
父「ん、まぁ、部下――」
母「あんな高価な――」
父「ん、あぁ……」
母「出張――」
父「……」
母「――」
父「Zzz...」
0629名無しさん@初回限定2012/02/13(月) 20:24:53.02ID:xS5ZjqDX0
――リビング
妹「お兄ちゃん、このケーキ美味しいよ」
俺「おぉー! 美味そう」
妹「これ、この前テレビで紹介されてた店だよ」
俺「うっわ、旨い」
妹「ねぇ! 美味しいでしょ」

俺「ああ、旨いな。もっと無いの」
妹「ざんね〜ん。お兄ちゃんのが最後です」
俺「親父のは? また、お前食べたの?」
妹「ぶっぶー、違います〜。珍しくお父さんも食べてたよ。会社の人に貰ったんだって」
俺「ちょっとまて、お前の分は? 約束の分くれよ」
妹「約束って〜?」
俺「ちょ、ふざけるな、お前のおやつ俺によこす約束じゃないか」
妹「今日渡すって言った覚えありませ〜んっ。それにもう食べちゃいました〜!」
俺「お前、あのぬいぐるみの分! 話違うぞっ」
妹「ちゃんとあげるときにあげるよぉ」
俺「お前、それお前の嫌いなものの時だろ!」
妹「えへへ〜。それは、どっぅかぁなぁ〜」
俺「ふざけるなっ、豚座布団返せっ」
妹「いっやです〜。『ザブタ』は今日も一緒に寝るんですぅ」
0631名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 08:53:13.12ID:boRNHNq30
――俺の部屋

がちゃ
そー
がさごそ

妹「……」
妹「っ、お兄ちゃん、朝だよぉー」
俺「ん、ふあぁ」
妹「おはよぉ、ご飯だよー」
俺「ん、あぁ」もぞもぞ
妹「じゃあ、いってきまーす」 にこっ


――ダイニング

俺「……」 ぼーっ
母「おはよう」
俺「おはよぅ、今日なんかあんの?」
母「どうして?」
俺「いや、あいつもう居ないから、家出るの早くない?」
母「あの娘も女の子なのよ」 にこっ
俺「??」
母「……、さっさとご飯食べちゃいなさい。お味噌汁冷めるわよ」
0632名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 08:54:01.27ID:boRNHNq30

――俺の部屋

俺(んー、なんだろう、この包みは)

がさがさっ

俺(ハート型のチョコ……と手紙?)

手紙『お兄ちゃんへ
     ザブタありがとう
     約束のおやつです』

俺「そうか、今日はバレンタインデー……」
0634名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 13:02:52.65ID:wuohv1Do0
朝起きたら妹に、
「彼女いないんでしょ? かわいそうなお兄ちゃんにチョコ恵んであげる」
って言われたから
「彼女ぐらいいるよ!」
って言ったらすごい悲しそうな目で



手に持ってる3DS見られた…
0635名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:44:08.51ID:zghuuUJX0
朝起きたら妹が今日はバレンタインデーなんだよ、と言われた
@
 いつものように目が覚めた。
 カーテンレール1つで仕切られた狭い狭い6畳の部屋。
 ドアは俺の部屋についている故、いつも妹が俺の部屋を通って自分の部屋に戻っていく。
 そんな複雑怪奇な住宅事情の俺達。

「おにーちゃん、いつまで寝てるの? 今日はバレンタインデーなんだよ!」
「だからどうした?」

 水道管が凍結も辞さないと悲鳴を上げるほどに冷たい声で妹の『小花』に言い放った。

「チョコがいっぱい売れる日なんだから、おにーちゃんももう少し喜んでよ」
「チョコの売り上げなんて俺には関係ない。だいたい俺はチョコが嫌いなんだよ」

 渋い食べ物が好きなのは、映画の見すぎだろうか。
 コーヒーはいつもブラック。いつも目立つ主役よりも脇役の方が好きなタイプだ。
 レンジャーもので例えるなら、赤や青ではなく、緑を好む。そんな感じだ。

「もっと気分を↑↑(あげ)て行こうよ☆ もしかしたらおにーちゃんの靴箱にチョコが入っているかも知れないよ?」
「小花……ちょっとこっちに来い」
「なぁに、おにーちゃん?」

 俺は小花の後頭部をそっとつかんだ。

「え、あ、あ、お、おにーちゃん……?」

 いつもしていることなのに、なぜか慌てる小花を自分に引き寄せた。
0636名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:44:44.12ID:zghuuUJX0
A
 こつんと頭が、正確には額同士が重なった。

「風邪はひいてないようだな」
「んーーーーー……」

 どういう理由か、小花は両目を閉じて唇をつきだしていた。

「おい、アホ面大将」
「なに、イケメン大使」

 断っておくが、俺はイケメンではない。小花がただ俺がディフェンスに長けている男だから『池男』と呼んでいるだけだ。
 (なんでもスラムダンクに池上に定評のあるDFというのがいるらしい)

「お前は風邪を引いているんだ。俺がチョコを貰うことなんてありえない」
「どうして誰もおにーちゃんを青田買いしようとしないんだろう?」

 お前、青田買いって意味分かってるか? 将来有望になるだろう人間を買うってことだぞ?
 裏を返せば今はまだダメだって言ってるのと同じなんだぞ?

「そう言えば、お前、今年もチョコ作るんだってな。母さんが言ってたぞ」
「えっ、ヤダッ母さんったら、いっつも手と口ばっかり滑らせるんだから」

 ……口はともかく、手を滑らせるのは怖いぞ。ウチの母は整形外科医だ。
 うっかり手を滑らせて、二重顎を縦に割ることだけは勘弁願いたい。

「べ、べつに……わわ、わたしっ! 好きな男の子なんて……いないしっ!」
0637名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:45:05.37ID:zghuuUJX0
B
「ふっ……別に隠す必要なんてないだろ?」

 でも、それを隠したいのが乙女心というもの。
 これ以上の詮索は無粋だな。

「お、おにーちゃんはどこの馬の骨に私がチョコをあげてもいいって言うの? もしかしたら肋骨あたりにプレゼントするかも知れないよ?」
「……馬の骨って、そういう意味じゃねぇだろ」

 プレゼントするなら胃袋にしてやれ、胃袋に。

「そうだ。お兄ちゃんがチョコ作り手伝ってやろうか? 食べるのは嫌いだが、作るのならやぶさかではないぞ」
「だ、ダメダメダメッ! おにーちゃんが作ったら意味ないよ!」

 小花は慌ててブンブンと左右に顔を振り、俺の申し出を断る。
 左右に作られている小さな三つ編みがベチンベチンと顔を叩いているのだが、痛くはないんだろうか……。

「いや、しかし、お前おいしそうって理由で粉石鹸チョコにまぶそうとしてただろ? どこの馬の骨かは知らないが、泡吹いて倒れてしまうのは忍びない」
「出たのはシャボン玉じゃなかったから大丈夫! あとおにーちゃんのご協力はご無用!」

 それが試食の結果導き出された答えなんだろうが、明らかに大丈夫ではない。
 下手すれば魂が出るかも知れないのだから。

「1人でやりたいお年頃か……。まあ頑張れよ。昨日作ってたチョコあげるんだろう?」
「1人でしてるのはおにーちゃ……ぎゃあうぅ!!」

 ……男のピュアサンクチュアリに踏み込む悪い小花に拳を入れた。
0638名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:45:26.20ID:zghuuUJX0
C
※※※※

 先日、我が家の台所では小花がエプロンと三角巾をつけて奮闘している姿があった。
 チョコレートを湯煎し、生クリームをくわえ、ボウルをかき混ぜる。
 砕いたナッツをくわえて再びチョコクリームを加える。

「一生懸命作ったチョコだ。貰ったヤツはきっと喜ぶだろうな。まあ味はどうか知らんが。味はどうか知らんが」
「なんで2回言うの? そんなにこのチョコの味が信じられないの? 由緒正しきメイジチョコレートだよ! 魔法使いのチョコレートなんだからね!」

 遠回しの催促を無視した挙句に、間違ったことをぬかす妹。
 少なくともそのメイジは魔法使いからはきていない。

「冷蔵庫に入れて、かっんせーい♪ お兄ちゃんは『つまみ食いおよび視察』禁止だからね」
「俺はチョコが嫌いだと言っただろ」
「…………あ、そうだったね」

 小花は苦笑いを浮かべると、居間から出ていった。

※※※※
0639名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:45:50.67ID:zghuuUJX0
D
 学校につくと、俺は浮き足立っている男子達といつも通りの会話をする。

「なあなあ、今年はいくつチョコもらえっかなー」
「お前は女釣り放題だからな。6000個くらい貰えるんじゃないか…… チロルチョコ換算で」
「ハハ、さすがに桁が違うよ。せいぜい100個だな。麦チョコ換算で」

 もはや粒の世界である。
 だが、コイツは俺と違って無愛想ではなく人当たりがいいので、チョコ貰いたい放題である。
 あまりにチョコを貰いすぎて虫歯になり、歯医者に行ったらそこの受付の人からもチョコを貰った伝説を持つくらいのモテ野郎だ。
 さぞかし素晴らしい魅惑の腰つきなのだろう。

「でもなー……本当に想いのこもったチョコってのはやっぱり重みが違うんだぜ」
「そうなのか……?」
「釘とかカビとか下剤とか髪の毛とか入ってるからな」
「…………それは確かに重みが違うな」

 実にヘビィなお話だ。

「そう言えば、俺の妹が誰かにチョコあげてるらしいんだが、お前誰か知ってるか?」
「オレじゃないことは確かだが……貰ってみたいなぁ、小花ちゃんのチョコ。お前のことを兄さんと呼ぶことになっても、オレは一向に構わない」
「俺はイヤだ」
「じゃあ兄貴ぃッ!ならいいのか?」
「呼び方の問題じゃねぇよ」
「オレ、お前のためなら、炊事洗濯添い寝に買い出し、掃除雑用下の世話、なんでもやるぞ!」
「二個ぐらいイヤな項目があることを俺は聞き逃さなかったぞ。ともかくお断りだ。小花の意思で義理の弟になったとしても、普段通り接してくれ」
0640名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:46:11.59ID:zghuuUJX0
E
 長かった授業も、終わってみればあっという間の放課後である。
 俺の靴箱に事件が起きていた。

「お、おい……俺の靴箱に……」
「マジ……かよ……?」

 チョコが入っていた。白地にピンクのリボンで綺麗にラッピングされたチョコだ。

「鑑識に回した方がいいか?」
「お前そりゃチョコくれたヤツに失礼だって……おわっぷ」

 そう言いながら友人は靴箱を開けるとチョコレートの雪崩に巻き込まれる。
 物理的に靴箱には入らないだろう量なのだが、どうやって詰め込んだのだろうか?

「今日のために四次元靴箱をセットしてよかったぜ……」
「理屈は納得したが、その技術はもっと別の場所に活用した方がいい」
「ところで、このチョコ……差出人の名前がないんだが」
「中に書いてあるんじゃね? とにかくありがたく食べるんだぞ。いいな、絶対食べろよ。その子の気持ち無駄にしちゃいけないからな」
「お前……」
「安心しろ、骨は拾ってやる」
「おいこら待てい」
0641名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:46:32.11ID:zghuuUJX0
F
「ただいまー」

 俺は自宅に帰ると、小花が嬉しそうに飛び出してきた。

「おかえりーお兄ちゃん♪」
「お、嬉しそうだな。チョコは無事に渡せたのか?」
「う、うん……でも直接渡すのが恥ずかしいから……靴箱の上の段に隠しちゃった」
「そりゃ見つかりやすい場所に隠したもんだな」
「うん♪ 見つけてくれたかなぁ? あ、ところでおにーちゃんはその……収穫、あった?」

 くりんとした眼差しで俺を見上げる。
 何か期待しているようだが、どう答えていいのか迷ってしまう。

「1つだけだよ。靴箱にあった」

 小花の言っていた上の段にあったワケだが、俺は何となくその部分を隠していた。

「えーうそーおにーちゃんにチョコあげるなんてびっくりー」
「だが、友達に取られた」
「え゛……」

 まるで地球の終わりと仏滅と期末テストが同時にやってきたかのような絶望した表情を浮かべる小花。
 まさかと思ったが……分かりやすいヤツ。

「嘘だ」
「やー、もー、おにーちゃんったらびっくりさせないでよ」

 チョコを取られてもお前がびっくりする要素は1つもないハズなんだけどな。1つの可能性を除いては。
0642名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:46:52.99ID:zghuuUJX0
G
 ピンクのリボンでラッピングされたバレインタインチョコを鞄の中から取り出した。
 そのチョコは始めに持った時よりも幾分か重たく感じる。
 小花はわくわくとした表情でそれを見つめている。さらにチョコが重くなる。

(…………ここは兄として食べなくちゃダメなんだろうな)

 覚悟を決めてラッピングを解いた。
 内側から出てきたのはきっちりと型どられたチョコレートだ。
 家にある型にあるものと一致している。
 小花の瞳はそりゃあもうダイアモンドかってぐらいに輝いていた。お前は100カラットだよ。

「うまそうだな」
「そうだね♪」

 横から見れば厚さは不均等で波打っており、チョコレートの層も失敗している。
 尖ったナッツはいびつに表面から出ており、非常に不恰好だ。
 未熟な妹が一生懸命作ったのだろう。チョコにかかっている重力は相当なものだ。
 一口、チョコを口にした。

 さくっ──と軽快な音が部屋に響く。
 正直全然甘くなかった。使っていたチョコは相当なビターなのだろう。

「うえっ、なんだこれ。まずーい><」

 勝手に俺が持っているボックスからチョコを取り出し、渋い顔をする小花。

「砂糖を入れ忘れたんだろう。だが、俺のことをよく分かってるいいチョコだ。……おいしいよ」
0643名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:47:14.05ID:zghuuUJX0
H
「うそ……嘘だよ! こんなチョコ全然おいしくないよ! お兄ちゃんは、優しいからそう言うだけ! う、ううぅぅう……」
「お、おい……どうした、いきなり」

 突然、小花は泣き出し始めた。
 ぽろぽろと大粒の涙を流して、顔をくしゃくしゃにしていた。

「だって、お兄ちゃんの言うとおりだもん。お砂糖入れてなかったもんっ! こんなの、こんなものっ」

 俺からチョコレートを取り上げたかと思うと、床にたたきつけた。
 パラパラと散らばる努力の結晶。

「毎年作ってたのに! いっぱい頑張ったのに! やっと渡せたのにっ! どうしてわたしってこうなのっ!? うわああぁぁぁんっ」
「せっかく人が初めて貰ったバレンタインチョコを台無しにしてくれるなよな」

 泣き喚く小花をなだめながら、俺は落ちたチョコを拾った。
 軽く吹いてそれを口にした。

「えっ……んんっ、むうぅぅぅっ!?」

 全く……女の涙というものは、男を狂わせるらしい。
 俺はどういうわけか、小花に貰ったチョコをくれていた。

「こんな甘いチョコレートはないぞ?」
「んっぷあはぁ……」

 まるでお寝坊でもしたかのような表情になっていた。
 顔が真っ赤になって、また涙を浮かべた。
 そして笑った。
0644名無しさん@初回限定2012/02/14(火) 23:47:34.93ID:zghuuUJX0
I
「はは、本当だ……このチョコ……こんなに甘かったんだ。甘くて……おいしい……」
「こんなに甘いチョコ、俺は食えないな。お前に全部食わせてやる」

 小花を抱きしめると、俺はチョコを食べさせる。
 唇はまるで親鳥からエサを貰うように動き、はむはむと重なり合う。
 小さく開いた唇に舌をねじ込むと、腕の中の小さな少女はビクンと震えた。
 さらに力を込めて抱き寄せると、小花は俺の舌にこんにちはした。

「ふっ、んんっ、むぅぅ……んんぅ、んはぁ……おにーひゃ、んんぅ、ちゅぅ……んんんぅ」

 唇を離すと、うっとりとした表情を浮かべて俺の胸に甘えてくる。
 甘く蕩けるようなチョコで、小花の意識もすっかり蕩けたようだ。

「チョコっていいもんだな」
「え、おにーちゃん、チョコ嫌いじゃ……甘くてドロドロで、口に残るだけの甘ったるい食べ物だって……」
「ああ……でも、このチョコは嫌いじゃない。メイジチョコレートってのは魔法のチョコレートだな」
「……うん♪ 来年もおにーちゃんのためだけに作ってあげるね」

 今年のバレンタインデーは、とにかく甘かった。-fin-
06466442012/02/15(水) 09:51:12.21ID:YjU6C3iA0
>>645
d

久々ににぎわってたから我も、と
書いたつもりがこんなことに。orz
長文駄文申し訳ねぇ。
0647名無しさん@初回限定2012/02/16(木) 10:01:40.49ID:GaGFUE/M0
朝起きたら妹にチョコレートを置かれてしまった。
「ホワイトデーはデートがいいな」
0648名無しさん@初回限定2012/02/20(月) 01:00:10.01ID:Ity5EmIC0
朝起きたら妹が背中から抱きついてきた

妹「ねぇ、にぃ? わたしの成長っぷりへのコメントはないの?」
兄「まだ子どもだな」
妹「むっきーっ! 別にホラー番組が怖くて一緒に寝てたわけじゃないのにー」
0650名無しさん@初回限定2012/02/25(土) 12:17:15.56ID:wahlRlfM0
朝起きたら妹が荒ぶる鷹のポーズの練習をしてコケていた
0651 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2012/03/06(火) 15:27:41.02ID:84s8GepM0
ベタな落ちでお兄ちゃんのホワイトクリームというのは下品すぎるよな
0652名無しさん@初回限定2012/03/15(木) 23:34:39.00ID:TNeKtQfe0
朝起きたら妹が、「ホワイトデーのお返しはー?(´・ω・`)」とせがんできた。
0653名無しさん@初回限定2012/03/23(金) 23:48:26.34ID:mhldCYwD0
朝起きたら妹が、「今日は卒業式だったんだよ」と言ってきた。



「でも、お兄ちゃんからはまだまだ卒業できないかも」
0654名無しさん@初回限定2012/03/28(水) 17:09:32.72ID:x3jnmixS0
投下してくれた人達、乙。

やっぱり、お題に沿ったネタを思いつけないと厳しいね。
0655名無しさん@初回限定2012/03/30(金) 19:38:28.71ID:nhrNLpJf0
朝起きたら妹に「お兄ちゃんなんて大嫌い」と言われた
0656名無しさん@初回限定2012/04/17(火) 07:41:13.83ID:HQbwdvYn0
朝起きたら妹に「お兄ちゃんの恋人に入学したい」と布団の中に侵入されていた
0667名無しさん@初回限定2012/11/02(金) 00:38:55.67ID:Cecua/mu0
朝起きたら、妹に










包丁を突き立てられていた。

「何度も避妊してって言ったのに!」
という声が遠くで聞こえた気がした。
0669名無しさん@初回限定2012/12/29(土) 20:49:57.23ID:6cDhejsD0
朝起きたら、妹に「おはよう」というのが習慣になった。
0673名無したちの午後2013/03/16(土) 18:47:52.09ID:iiql6wzJ0
こっちにも書いとこっと・・・。

朝起きたら、妹に射精させられてた

俺 『なっなんだ!今のは!手コキか?』

妹 『へへ〜んだ!』

俺 『ベットに入ってくる気配に気付いて、手コキ出来ないように、ぎゅって抱きしめたのに、なぜ!?』

妹 『手コキには、いくつかの型わけが有るの』

妹 『正面から刺激する、通常の一式』
  『後ろから手を回して刺激する、弐式』
  『お兄ちゃんに上に乗っかられた時の、対空迎撃の参式』

妹 『そして今のが、ぎゅって抱きしめられて、間合いの無い密着状態から、指の動きだけで刺激する零式!』

妹 『お兄ちゃんと決着をつける時のための、とっておきだよ!』

俺 『うぅ・・・』
0676名無しさん@初回限定2013/06/18(火) 13:20:45.19ID:NMigMoQO0
朝起きたら、妹にカビが生えていた。
まだ毛も生えていない股間にふんわりとした白い綿毛のような胞子が着床していた。
股間周辺は行為のたびに綺麗に拭いていたつもりなのに、これだから梅雨は嫌なんだ。

裸で横たわる妹はいつも俺の行為を受け止めてくれる。優しい表情で、俺の心を包んでくれる。
声一つあげないから、実際気持ちいいのかどうかはわからないが、俺が気持ちいいから、妹も気持ちいいはずだ。
お母さんと違っていやがらないし。臭いからこっちがもう嫌だけどな。
その点、妹はあいかわらず良いにおいだ。なんとかって香水をつけてやってるから当たり前だけど。
カビが生えるのも不思議な気がしたが、生き物だからまだ生きてるんだな。
死んでたら腐るだろう。お母さんのあそこは絶対腐ってる。
だってどろどろだし、最初は気持ちよかったけど、腐ったらおしまいだ。
こいつ腐ってやがる、早すぎたんだ、まぁ早いのは俺だったけど。
腐りかけが気持ちいいって知ってるやついるのかな。
まぁ、素人にはお勧めできない。
0677名無しさん@初回限定2013/06/18(火) 13:21:30.10ID:NMigMoQO0
それよりも妹あと何回大丈夫だろ。お母さん以上にしてるけど。
どんどん気持ちよくなるってのは本当だな。回数こなせば。
処女キター、いただきマウスから、どんどん上手くなってる俺。
童貞ちゃうわ、お母さん先やったけど、やっぱり初めては童貞と処女が良かったな。
俺とお前の最初を大事にしたかったよな。お前まだ温かかったし。
あの頃は俺も若かったよ、
でも俺にはもうお前だけなんだ。
お前がいなくなったら、俺、どうすりゃいいんだよ。
また、右手に逆戻りじゃねーか。
お前の体を知ってしまったら、もうお前なしじゃいられないよ。マジで。
0678名無しさん@初回限定2013/06/18(火) 13:33:17.46ID:NMigMoQO0
カビ拭いてやるな。
ちゃんと綺麗にしておかないとな。
いつでも俺に応えられるように、キレイ、キレイしような。
でも、お前のここピンクで綺麗だよな。
お母さんのも真っ赤で興奮したけど、若いってそれだけで綺麗だよな。
俺だけの、俺のしか受け入れたことがない、俺が女にした――
なぁ、もう一回してもいいか、いいよな。俺専用だもんな。
ほら、これ欲しいだろ。お前の体さわってたらこうなっちまったんだよ。
お前、責任取れよ。俺を興奮させて、まったく悪いやつだ。
ああ、ちゃんとゴムつけるよ。妊娠は嫌だもんな。お母さんは生でしたけど、
お前は大事にしたいから、ちゃんと、な。
さぁ、入れるよ。
0679名無しさん@初回限定2013/06/18(火) 13:43:44.47ID:NMigMoQO0
兄「という夢を見たんだが、お兄ちゃんのこと、どう思う? やっぱり、おかしいか?」
妹「・・・・・・」
兄「そんな引くなよ。お兄ちゃん、そんなことしないのわかってるだろ」
妹「・・・・・・」
兄「なぁ、お兄ちゃん、本当にそんなことしたく無いんだよ。わかってくれよ。だから、なっ」
妹「さわんないで」
兄「なぁ、お前処女なんだろ」
妹「うるさいっ」
兄「お兄ちゃん協力してやるから、なっ、いいだろ。」
妹「なんで、あんたなんかと」
兄「そういうなよ、お互い初めて同志じゃないか。お前も興味あるんだろ」
妹「ない、全然ない、あってもあんたじゃないから」
兄「・・・・・・まぁ、そうだよな」
妹「うん、うん。そうだよ、そうそう」
兄「わかった、やめるよ」
妹「だいたいこんなの朝からいうことじゃないって」
兄「あー、うん、まぁ、そうだな」
妹「朝起きたら、妹に弛緩話するなんて、私じゃなかったら病院に連れて行かれてるよ!?」
0680名無しさん@初回限定2013/06/30(日) 23:56:58.69ID:ucLNKxHt0
>>676-679
遅ればせながら、乙であります。
0682名無しさん@初回限定2013/10/03(木) 09:49:10.86ID:ijDXqlAR0
定期保守。
自分もそろそろリハビリかねて書いてみようかなー。

>>608さん
>>635-644さん
>>676-679さん
乙、そしてGJです。
リアルタイムに感想その他書き込めなかったのが残念orz
0684名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:22:38.85ID:gjRgX/EH0
貰ったといっても実際に妹から貰ったわけではないのだが、それでも恐らく妹からで
間違いないはずで、なんというか目が覚めたら目の前になんか置かれていたわけで、
それは赤と緑の包装紙にくるまれた箱状のモノで白いリボンでラッピング? とか
いうのがされていていかにもクリスマスのプレゼントという感じでサンタさんから
もらったもののように見えるのだが、
あいにく俺はもうサンタには騙されないゾ! な年齢に成ってしまっていて、
ましてやここ最近はサンタにお願いどころかリア充氏ねなんてクリスマス終了の
お知らせをコピペするのが常できっと友達がいたら氏ね氏ね団でも結成していた
だろうなというアニオタ属キモオタ科に分類進化完了していて、
ましてや友達などいようはずもなく、親父も終ぞ灰燼と化したためにその遺産で
適当にニーッと暮らししていればイイジャネーカッ! と思っていたら最近
母親も根負けしたのだろう、俺にそこまで構わなくなって、
0685名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:23:21.65ID:gjRgX/EH0
妹がよく俺のこと睨んでるのを見るたびに世間知らずなお前はまだまだ子どもだな
なんて優越に浸っていたいが、いやでも視線に入る胸の稜線はどっからどうみても
大人ジャネーカッ! なんて、たわわに実ったメロンが入っているであろう胸を
見て良いやら触ったら柔らかそうやら考えあぐねる日課を過ごす俺の枕元に、
りんご柄の透けニーソが膨らんで置いてあり、箱の中身はチョコだったわけだ。
勿論、昨日出かけた妹がはいてたやつな。
0686名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:24:22.60ID:gjRgX/EH0
さて、寝転がったまま箱を取り出しリボンをずらして包装紙を破った中身は
高級そうな箱だったわけで、起き上がってから空けた箱の中身は当然、
いくつも工程を重ねただろう手が込んだチョコが6個収まっているわけだ。
おもむろに食べてみたら、口溶けが良くてヤバイ旨さで、
とにかく美味しかったんだ……。ブラボーッて柏手打とうとしたらチョコの箱が
邪魔だったからベッドに置いて朝からパーンッと景気よくいっちょ叩いてやるか
なんて思ったら、包装紙と箱以外にメッセージカードも入っていたみたいで、
女の子が使う小さくて丸っこい文字? みたいなので、

『大好きです また仲良くしてね』

って書いてありました!?
0687名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:24:53.99ID:gjRgX/EH0
状況を整理しよう。

俺はチョコを貰った。→ yes

俺はプレゼントを貰った → yes

俺はクリスマスプレゼントを貰った → 誰に?

友達 → no(いない)

サンタ → 俺んち仏教だし

母親、それとも妹 → 母親は法事で外泊。

それ以外 → いたら怖い

灰色の脳細胞 → 妹!!

証拠 → 妹の靴下(昨日のニーソ)!!!
0689名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:38:28.39ID:gjRgX/EH0
あー、今は3人家族で母ちゃん親戚と旅館行ってるから昨日の夜は俺と妹だけ
だったから、一緒にテレビ見てたし、鍵閉めてたし、暖炉ないし、二人っきりの
はずだし、ってか今何時なんだろ、まだ8時だし、こんな時間に人来ることないし、
俺訪ねてくる人いないし、まぁ妹でいいんじゃね? 出汁、飯食うか。

扉を開けると1階から妹の鼻歌が聞こえてきた。

真っ赤なお鼻のトナカイさんは人気者なあれだ。今日はそういう日なやつのテーマソングだ、氏ね。
まぁ、妹は結構リア充なんだが、妹なので氏なない方が助かるっちゃ、むしろ氏んでほしくない罠。
0690名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 22:39:25.15ID:gjRgX/EH0
居間ではテーブルに料理が並んでる。昨日のピザの残りと、なんか気合い入ったサラダは妹の自家製
だろうな。あいかわらず料理はパネーッす。俺好きなの盛り込んでくれて、妹が料理の日はいつも
残さず食べる……から太っていったわけだが、上手いモノは美味ス。今日も多分ほうれん草と
プチトマトにりんごすり下ろしたのに多分中に色々入ってるんだろうサラダは白いドレッシングが
かかって、味はくそ美味いのは太鼓判。

俺が言葉を発するでもなく、いつものように席に着こうとすると、椅子を引いたときの音が聞こえた
のか、鼻歌が止まって、妹が台所のれんをかき分けて顔を出した。

妹「オハヨウ」
俺「ああ、おはよう。食べていいか」
妹「イイ、ヨ、食ベテ」
俺「イタダーッス」
妹「味噌汁アルよ」
俺「くれ」
妹「ウン、マッてて、入レルから」

そういって妹はまた台所に消え、食器が触れる音やお玉が鍋をこする音が聞こえてきた。
0692名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:01:44.76ID:gjRgX/EH0
俺「今日、何時に起きたの?」

聞こえなかったのか、返事が返ってこない。代わりにお椀をお盆に載せるコトっという音が聞こえた。

俺「お前、今日俺の部屋に入った?」

突然、妹がキャアッという声を上げたかと思うと、木と木がぶつかる鈍い音そして飛び散る水音が聞こえた。

俺は「大丈夫かー?」と問いかけたが「熱ー」と返ってきたので、席を立って台所に向かった。

別に広い家じゃないし、台所に向かって3歩歩いただけで状況は把握できたのだが、味噌汁が落っこちて
飛び散っていたわけで、妹が足をナメコで濡らして湯気が立っていた。

俺は近づき床の汁が不快で熱いのも構わず妹を抱きかかえると「大変だー」なんてどたどたと風呂場に
連れて行き、シャワーの栓をひねったら、何時もは下にあるはずのシャワー口が上のフックに置かれて
いたものだから、勢いよく出てきた水が俺の顔にかかって妹なんて直撃でびしょ濡れになりました、
けどそんなの気にせず妹を座らせてシャワーを持って妹の足にかけて気付いたらぬるま湯なので水に
切換えて火傷しないように冷やしましたとさっ。
0693名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:02:20.45ID:gjRgX/EH0
んで、なんか妹に話しかけようと思って一呼吸おいたら、良く見たら風呂場は最初から濡れていたみたいで
冬の朝なのに寒くもなく、さっきまで誰かがシャワーでも浴びていたのかと思えるほどと思ったら、
湯船にお湯張ってあって湯気経ってる、てことは妹はさっき風呂入ったかなにかでシャワーが温かったのか、
上に掛けてあったのか、俺は濡れてしまったのか、さすがに服ごと濡れるのはヤバイのではと思って妹を
見たら、妹Tシャツじゃん(袖長いやつ:白)、水かかってるじゃん、生地張り付いてるじゃん、膨らみの
頂上、色濃いじゃん、もしかして妹の乳首? ぉお。

「お兄ちゃん、場所違う」って妹が言うから何のことかと思ったら、妹がシャワーヘッドを動かすのがわかった。

水を当てる場所が足の甲からずれてしまったようだ。

体育座りした妹の足と足の間に水が入り込んでいたのか、うおっ、妹パンツ見えてる、濡れてる、俺テクニシャン!

「お兄ちゃん!」

と言われて、兄(キモオタ)の視線が自分の濡れた股間を凝視しているのに気付いた妹の侮蔑と恥辱の入り
交じったかのような表情に視線を直して、俺は一言、

「大丈夫か、火傷は最初が肝心だからな」
0694名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:03:42.80ID:gjRgX/EH0
二言「今ちゃんとしておかないと、あとで跡が残ったりするからな」

三言「今、痛いか? ヒリヒリするか?」

四言「お前、さっきまで風呂入ってたのか」

五言「濡れちゃったな。お前、もう一度風呂入るか」

六言「俺も入ろうかな。なんか勢いよく出たし」

七言「どうする、お前先入れるか、早く出られるか、俺も入りたいし」

妹「入れば。私今濡らしてるから、入っていいよ」

俺「ん? いや、お前こそ濡れて――」

妹「お兄ちゃん、服脱いで入っていいよ。私冷やして待ってるから、っていうか、
  ごめん、ありがとう。私のせいでお兄ちゃんまで濡れちゃって、悪いから、先入って」

んー、なんだかやけにしおらしい妹がここに居る。なんだこれ?

俺「いや、後片付けとか、お前、鍋火ぃついてんじゃね」

妹「…火は大丈夫。消してから落としたから。…………、ねぇ、お兄ちゃん、ほんとにお風呂
  入っちゃって! ほら、服濡れてるから、早く脱いでっ」

とかいいながら、妹はシャワー攻撃をしてきた。冷水シャワーは、俺の服に多量の潤いをもたらし、
ズボンを濡らし、パンツまで濡らし、つうか、いい加減寒いし、ちょっと勘弁してください

俺「わかった、わかったから、水掛けるな、冷たいし、お前の足冷やせ」
0695名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:05:27.39ID:gjRgX/EH0
俺はそう言うと、シャワーから逃げるように脱衣所に戻り、盾として中扉を軽く閉め、びしょびしょに
なったフリーストレーナーとヒートテ●クを勢いよく脱ぎ捨て(びちゃ:低音)、ジャージとBVDを
かんかん踊りのように足でずり下ろし全裸になった。

8割締まった半透明の中扉の向こうでは、シャワーから出る冷水を右足の甲に当てる妹のシルエットが、
カラーで映し出されている。2割の隙間からは、濡れTシャツが貼り付いた背中と、その下から控えめに
見える白光沢のパンツがチラリズムを醸し出していた。

なんとなく、さすがに熊さんパンツは卒業したんだな、などとJKな妹には失礼な感想を浮かべつつ、
全裸な俺はその場に立ちすくんだ。というか、俺風呂入って良いの? 寒いけど。

俺「あ、あ……」なんかうまく声が出ない。

妹「お兄ちゃん、戸を閉めてっ、寒い」

俺「あ、あぁ」

脱衣所から戸を閉めてしまった!

妹「お兄ちゃん、寒いよ、早く入って、風呂入って」
0697名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:11:39.57ID:gjRgX/EH0
俺「い、いや、俺、風呂入って、ん、良いのか」

扉越しに答える俺。
なにぶん、キモオタ道を志してから早3年、心定まらぬ準備期間を含めれば5年の月日が経とうというのである。
当時JSだった妹と一緒に風呂に入るというか、風呂に入れてやった(改築前の風呂は寒くて怖かった)のは、
俺が今の妹の年齢の頃で有り、同級生には俺を教え導き置き去りにした師匠がいたわけだが、その2年後、
俺は、部屋の掃除をしていた母親にそいつが預かってくれと勝手に置いていった超弩弓の炉利雑誌をベッドの
下で発見され、奥に隠しておいた俺秘蔵コレクションも暴かれ、そして妹との接触を禁止されたのだった
(当時の俺は潔白を晴らすためにそうしたほうがいいと考えたらしい)。
0698名無しさん@初回限定2013/12/27(金) 23:12:14.39ID:gjRgX/EH0
それから5年、別に俺自身は炉利ではなく、むしろ妹の世話をせずにすみラッキーと思う部分も多々あったのだが、
母親にエロ本がばれて家族会議なぞ開かれた腹いせで開き直って道に踏みこんだというか迷い込んだというか、
まぁ人目憚らずに涙流すほどアニオタ実績を積み上げていったのだが、とうとう妹といっしょにお風呂に入る
機会がやってきたのかと思うと、感涙。

妹「イイヨ。お兄ちゃんと入ルノ……久しぶりダネ――」

なんか、ふっと力が抜けて、風呂場に入ることができた。でも恥ずかしいから、さっと湯船に飛び込む俺。
じゃぽーんと勢いよく入ったせいで湯船の飛沫が上がって、妹にもかかってた。

俺「ふー、あったけー」

妹「もー、また、かかったじゃない、勢いよすぎぃ」

そういってこちらに向ける妹の顔は、なんか赤い。でも、何故赤いかを考えるよりも前にどうしても体をみちまう。

顔は止めな、ボディにしなっ、って昔のヤンキーも言ってたっけ。湯船から妹の方を見ると、相変わらず透け透けの
妹Tシャツは、服の体を為しておらず、ただ素肌に貼り付けた半透明な素材、線をなぞるトレーシングペーパーの
ようなもので、いつの間にやら健やかに著しく成長した妹の体躯は、横向きの体育座りをしても見事なシルエットを
浮かび上がらせていた。

ようするに、胸がぎゅっとつぶされて、横にぼわーんとはみ出しているのです。
軽く後ろ向きなので、パンツは見えんよ、な状態をお風呂から眺めているわけだ、俺は。
0699名無しさん@初回限定2013/12/29(日) 16:52:19.93ID:2gZoPTPK0
>>683
GJ!
リアルタイムで読めなかったのは残念だが、久しぶりの投下嬉しかった。
0700 忍法帖【Lv=8,xxxP】(1+0:5) 2014/02/19(水) 19:21:40.30ID:dDfCvq3U0
お兄ちゃんへのチョコレート、Konozama喰らっちゃったと言われた

というネタで書こうとして間に合わずorz
何周年かは忘れましたが、記念日に全く書き込みが無いのも寂しいものですね。
0701名無しさん@初回限定2014/04/05(土) 05:49:40.97ID:pD9rEs2z0
妹がエロゲーの声優やってるんだけど、処女で悩んでるwww
http://owngoal18.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

……やっぱ、プロは凄いと思った。
0703名無しさん@初回限定2014/11/19(水) 08:36:51.92ID:q5o6VgXJ0
朝起きたら妹にクリスマスの予定を聞かれた。
別に無いよって返したら、
「ですよねー。ちなみに私もないよ。今年もお家で寂しくパーティかな」
と、捨て台詞を吐き、
にやけそうになる顔を必死でおさえながら去っていった。
0704妹の可愛い束縛2014/12/17(水) 22:08:36.88ID:7xePWUBW0
・元ネタ:>>703
・NGが必要な方はIDか名前欄で。
0705妹の可愛い束縛2014/12/17(水) 22:18:46.10ID:7xePWUBW0
「結局今年もなんだ……見る眼ないね。」

今年のクリスマスも、兄妹2人でパーティーだ。
そう伝えたときのにやけ顔が、嘲笑でないことは誰よりも知っている。
いつから、隠そうとさえしなくなったんだっけ?

「お互い様だろう?兎も角、毎年、家族団らんの日と思ってるよ。」
「割切ってる、の間違いじゃないよね……」

紳士淑女協定に巻き込んだことなら、今更だ。
不安そうに見つめる彼女を抱きすくめ、頭を撫でてやる。

――もはや、言葉は必要なかった。
華やぐ妹の笑顔に、騙されていたとしても構わない。
僕らのの世代をも巻込んで不可侵の壁を築いた、妹の束縛が為なのだから。

「毎年こうして、兄妹の時間を作ってくれる。それだけで十分だ。」
「うん、了解」

自身も色気のない思春期を送る破目になったことを後悔し、
兄を差し置いて恋人を作ってもおかしくないのに,
敢えてしない妹の気持ちを、尊重してやるのも兄の務めだろう。<了>
0707名無しさん@初回限定2014/12/23(火) 13:46:57.78ID:XNQIONUA0
>>705
おつ!
まさか拾われるとは思わなかったよ。
かわいい妹をありがとう。
0708名無しさん@初回限定2015/05/26(火) 19:31:39.54ID:fbDG4qC70
>>705
GJ!
可愛い妹の独占欲、ヤキモチって良いよね
ないものねだりではあるけども。
0715名無しさん@初回限定2016/02/17(水) 03:35:14.62ID:C95uJ4180
「ゆうにぃ……チョコ、好き?」

 小さい頃、問いかけられた質問だ。
 後ろに回された手には何かが握られているのが分かる。

「好きだよ」
「じゃあ……んっ」

 俺の目の前にいた少女は、手に持っていた小さな包みから、
 チョコレートを取りだすと桜色の唇で挟んだ。

「ココちゃん……そ、それって……それって!」



 ──というところで目が覚めた。

 目の前には、俺を優にぃと慕う少女が寝息を立てている。

「不法侵入だーーーっ!」
「ひきゅぅっ!? ふ、不法侵入っ!?」

 椎名心愛は驚きに大きな瞳を見開き、慌てて左右に視線を送る。

「お前だ、お前ーーっ!」
「私は違うよ。ほら、ちゃんと優にぃの家の鍵持ってるもん」
0716名無しさん@初回限定2016/02/17(水) 03:35:45.65ID:C95uJ4180
 ココちゃんは隣に住む女の子だが、子どもの頃からの付き合いもあってか、
 我が『椎名』家の鍵を持っている。
 苗字は一緒だが、血はつながっていない。偶然というものだ。

「だからって俺の部屋の鍵を開けて入っていいことにはならないよな?」
「ぴゅ〜〜ぴろろろー♪」

 超絶にヘタクソな口笛もどきを噴きながらとぼけるココちゃん。
 だが、悪びれた様子はない。
 なぜなら常習犯だからだ。

「……で。何の用だ? 今日は日曜だぞ。学校もないぞ」
「日曜日だけど……バレインタインでしょ? だから……んー」

 ココちゃんは唇を突き出した。
 柔らかそうな唇は幼い頃と変わらず

「何か、忘れてませんか」
「んひぃ……忘れてた♪」

 ココちゃんは微笑みと、チョコレートを唇に挟み、突き出してきた。
 どうやら今年も甘いチョコのようだった。
0717名無しさん@初回限定2016/06/07(火) 23:57:31.68ID:JGY8Kz/a0
保守
0719名無しさん@初回限定2016/12/17(土) 04:49:27.13ID:Zx4X1B6L0
朝起きたら妹に
「今年も良い人見つからなかった」
と、言われた。
0722名無しさん@初回限定2018/01/06(土) 03:04:55.89ID:rA8jq7880
今年こそバレンタインネタリベンジしたいなー
お題がきついか
0726名無しさん@初回限定2018/12/30(日) 11:49:33.08ID:qGdjuVws0
ほす
0730名無しさん@初回限定2020/09/16(水) 06:29:29.14ID:+9L1+Yvi0
妹保守
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