「私たち、前の時見れなかったよね、優雨ちゃん!」
「うん、わたしたち、みてない」
 初音さんと優雨まで……しかも以前のスイカ物語の時のことを張り合いに出して……。
「というわけで、さっさと火をつけちゃいましょう!」
 僕が2人のジト目にさらされているすきに、陽向ちゃんが導火線に火をつけてしまった。
「ちょ、ちょっと……」
 ジジジジジジ……ボンッ!!
 爆弾が爆発すると、以前同様、白い煙がもうもうと立ち込める。
「ケホケホ……」
「ケホケホ……あ、相変わらずすごい煙ですね」
 って、初音さんはともかく、あまり体が丈夫な方でない優雨は大丈夫なのか?
「コホコホ……」
「ご心配には及びません。この煙は直接吸っても人体に影響はありませんから」
 史、1人だけ防護服を着たまま言っても全然説得力ないんですけど!?
 でも、優雨を見ると、そんな悪影響をもたらしたということもなさそうだ。僕は一安心した。
 そんなことを考えていると、食堂のテレビがプッとついた。テレビにはなぜか母さんの姿が映る。
「はーい! 千早ちゃん、寮の皆さん、元気してる? 今年のエルダーマザー、妙ちゃんでーっす♪」
「誰が妙ちゃんですかっ! 誰がっ!」
 ブラウン管の中の母さんに言っても聞こえるはずないのに、それでもツッコまざるをえない。他のみんなも唖然としている。
「これを見てるってことは、全員Eカードをやったのよね?
じゃあ、Eカードにちなんだ大会を開催した映像を見せてあげるわね。どーぞー♪」