暖かな心の交流。直後、幻想空間は八雲千草の手で粉々に砕かれる。
凄まじい悪意の幻覚によって一真たちの心を破壊しようとする千草。
一真は何故こんなことをすると問いかける。
一真は気付いていた。第五の事件で自分たちを救った謎の人物が千草だったことに。
テレパスによって繋がれた千草の記憶がそれに回答する。それは――嫉妬だと。
狂人となった父親にモルモットにされた千草にとって世界は地獄だった。
だが父親を殺し自由を手にしたことで千草は3つの光に出会う。
自分とは違う無垢な心で人を愛し癒す桃園萌花。
自分と同じ地獄の毎日を送りながら僅かな希望に幸せを感じる雪本さくら。
そして自分と同じ力を持って生まれてきた橘一真。
一真の存在は千草にとって父が狂わなければ歩けたかもしれないもう一人の自分だった。
だから彼は影ながら一真たちを守護してきた。
だが希望はいつしか憎しみへと変わっていく。
同じ力を持ち同じように苦しんできたもう一人の自分。
だがそいつは多くの女性たちから愛され全てを手にしようとしている。
悔しい。自分だって愛されたかったのだ。
桃園萌花に。その善良で無垢な愛に包まれたかった!!
だが思いは叶わず萌花はもう一人の自分、一真を選んだ。
流れ込む千草の感情に一真は共感し、そして拒絶する。
お前の人生がどれだけ苦しく同情すべきものだったとしても。
それがたとえ幸運に恵まれなかったもう一人の自分の姿だったとしても。
大切な仲間を傷つけるお前を俺は許さない!!
一真は力増幅のメダイを使い自分の脳を焼き切る覚悟で千草を倒す。