【ネタバレ】
裸の少女=ゆいの正体は未来の奏達に作り出された生体アンドロイド。
物語開始の二週間後、佳織は交通事故で昏睡状態になる運命。
奏達は佳織を救うために研究の道へ進んで義体を開発する。
だが佳織の精神移植は失敗。計画は研究途上で発見された「過去への扉」を用いた過去改変に移行。
義体は「ゆい」と名付けられ、佳織を助けるために過去へと送られる。

ここまでがプロローグの真相その1。
佳織の事故は因果の鎖と呼ばれる強制力のある事象で改変は失敗、14年後までスリープ状態で待機。
奏達は佳織の義体開発に力を入れるがやはり精神移植に失敗、ゆいを14年前に送り出す。
「佳織→愛理→凪沙→ゆい」の順に恋愛対象を変えつつ上二行の流れを大体繰り返すのだが、
ここからがプロローグの真相その2。
実は佳織ルートは円環構造の起点になっていて、ゆいは佳織ルート(未来)で生まれて、
佳織ルート(現在)に辿り着くようになっている。
つまり佳織ルート開始時点のゆいはゆいルート後のゆい。そしてここで必ず消滅する。
ゆいの生まれる可能性は「14年後に義体が開発される未来=佳織が事故に遭う未来」なので、
佳織を救うと、ゆいの存在そのものが世界から消えてしまう。
佳織を救えない場合も、ゆいは佳織ルートの未来で作り直される事が固定されているようで、リセットされる。
トゥルーエンドの場合、佳織を救ってゆいの存在は一時的に消えるものの、皆がゆいのいた記憶を取り戻す。
佳織も含めた5人は14年後にゆいの身体を完成させ、バックアップされていたゆいの記憶を移す。
無事ゆいは復活してハッピーエンド。

ちなみにこの物語には3つほどオーバーテクノロジーが存在していて、
1つ目はゆい=佳織の義体技術。これは多分ゆいが存在したという事実からの逆算。
2つ目は「過去への扉」。偶発的な発見と因果の捩じれから生まれたもので多分技術ですらない。
3つ目は「AIユニット」。精神の記録・移植を可能にする完全なオーバーテクノロジー。
これは佳織の精神移植、ゆいの記憶のバックアップという物語の根幹で活用されるアイテムだが、
「ある日部室に置かれていた」という一切由来が不明のもの。
これらの誕生した、作中に描かれていない本当の意味での起点にはまた別の物語があると思われる。