サムスピ総合エロ萌えSS 4
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0001名無しさん@ピンキー2006/11/20(月) 01:06:01ID:7zC1vlf2
ここはサムライスピリッツシリーズの
萌えSSやエロSSを書き込むスレッドです。

サムライスピリッツ天下一剣客伝公式
ttp://www.snkplaymore.jp/official/samurai_tenka/
0103新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/03(土) 07:35:22ID:cVYlumxe
(あんた、自分で誘惑してるって気付いてないのか?)
体中が赤くなり精神的に限界が訪れる。そりゃ、昔、姉貴と入った事はあるがあくまでも子供の頃の話だ。
今は違う、ここにいるのは子供ではない。言うなれば新婚夫婦が風呂に入っているようなものだ。まして恋人と付き合ったり、同棲した事もないユウキにとっては女性と一緒に風呂に入る行為・・・
それはまさに、例えるならコンルは沸騰した鍋、ユウキはその中に入っている蟹そのものであった。今のユウキは茹で上がった蟹である。
蟹はついに限界の悲鳴をあげる。
「な、なあそろそろ風呂から上がろうか。もう十分洗ってもらったし」
「えっ?しかしまだ、胸と後ろの背中しか洗ってませんよ」
この状況でまだ何処を洗うつもりだったんだろう。その時コンルがタオルから石鹸を落とす。慌てて拾おうとするが床に足を滑らせる。
「あ、危ない」
慌てて、転倒しそうになったコンルを見て抱きかかえようと一歩動いた時だった。
踏み出した第一歩が床に落ちていた石鹸と重なった。当然ユウキも体勢を崩す。
そのまま体の体勢を整えられないまま二人は体ごと湯船の中に落ちてしまった。
大きな水しぶきと共に・・・
0104新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/03(土) 07:36:19ID:cVYlumxe
すいません。深夜に自宅に帰って来た為に金曜日に投下出来ず、さらに久しぶりの投下なのにエロなしです。来週までには何とか一つ作りますので。
0106新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:33:59ID:vEZMpnFh
友と敵、両方が居なければならない。
友は忠告を与えて、敵は警告を与える。 BY ソクラテス


原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第九話「着脱」 (軽い性的表現あり)

先に意識を取り戻したのはユウキであった。びしょ濡れになりながらも辺りを見回す。
「!!」
自分のすぐそばでコンルが気を失っていたのだ。湯船の中で浮かんだまま・・・・
さらに、晴れ着が透けてコンルのやわらかな膨らみと突起部分が浮き出てくる。
「こ、この人。まさかつけてない・・・・」
数秒、想像してしまう。すぐに現実の状況に頭を切り替える。そんな事を考えてる場合じゃないと・・・
「ほ、本当にのぼせてしまったんだ。まさか溶けてしまったんじゃ・・」
かなりまずい状況だと悟ったユウキが慌ててコンルを抱き抱える。少し、軽くなった感触を身に感じた。
水滴がぽたぽたと零れ落ちている。急いで部屋に戻り、抱き抱えながらもタンスの中から数枚のバスタオルを取り出す。それをベットの上に敷いてからコンルをゆっくりと寝かせる。
そこでユウキが自分の置かれた立場に気付く。全裸で歩きまわっていた事に。
思わず、気を失ってくれてて良かったと思いながら、コンルには悪いと思いつつ、先に適当な衣服を探し出し着替え始める。


「着替えさせないと駄目だよな」
さすがにこのままの格好はいくら氷の精霊でも風邪を引くだろうと思いコンルに声賭けをする。
「う、う〜ん・・」
白い息と共にコンルが声を出すがまだ完全に意識を取り戻していない。閉じた目はまだ現実と夢の中を行ったりきたりしているのかもしれない。
0107新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:35:00ID:vEZMpnFh
一瞬迷った。自分がしなければならないかどうかに・・・
「仕方ない、ちょっと抵抗があるが俺が着替えさせるしかないな。ごめんコンル、脱がすからね」
「・・・」
返答はない。徐々に彼女の息が荒くなってくる。もう、ああだ、こうだ言ってられないぞ。
「姉貴、あんたの衣服が役立つ時が来たわ。この人の為に使ってもいいよな。少なくとも俺は女装は嫌だからな」
しかし、コンルに何を着せればいいのか分からない。女性の服装の格好何て分からないぞ。
姉貴の置き忘れた衣服をあさる。無難に考えながらも厚手の衣服と、下着を持っていく。
「姉貴の奴、下着まで置いていくなんて、何考えてるんだよ・・・もう」
皮肉な事にそれが役立ってしまうのが悲しいユウキに溜息を吐かせた。

再びベットの前に辿り着く。最終確認でコンルに声を掛ける。それでも彼女からの返事はない。
念には念を入れて自分の横に救急箱を置いておく。
但し、これはコンルの為ではなく自分の為である。万が一コンルが途中で起きてしまったら、どんな理由であろうと最悪の事態(最低平手打ちと氷落としは確定だろう)に発展するのは間違いないので、半分覚悟を決めたユウキ自身の為の救急箱である。
だったら、着替えさせなきゃいいだろと思われそうだが、それではあまりにも可愛そうなので犠牲を覚悟した着替えになる。
「何だか、命懸けの着脱だよ」
コンルの濡れた衣服を見る。長い銀色に染まった髪。
ふと思い出した。あえて口にはしなかったが初めて彼女を見つけた時、身に付けていた衣装がアイヌの服ってすぐに気付いた事。
歴史の本で似たような感じの服装を見てたからである。
と、言う事は「蝦夷=北海道」の人なんだろう。
覚悟を決めて、まだ意識の戻らないコンルとは裏腹に心臓の鼓動が早くなったユウキがコンルの薄青色の帯に手を掛ける。
「あっ・・・」
(わっ・・・!)
いきなりのコンルの声に驚いたユウキが反射的に帯から手を離す。不意をつかれた声にユウキの心臓の音がさらに大きくなる。
(た、頼むから変な声を出さないでくれよ)
少し、深呼吸をする。自分を落ち着かせる為に。もう一度コンルの帯を捉える。風呂から転落した際の弾みだった為か帯が緩んでいた。簡単に動かすだけでしゅるしゅると帯の形が少しずつ結び目のない一直線の紐になっていく。それをゆっくりとたたんで横に置く。
(さて、問題はここからだ。ここからは直接コンルの衣服に手を掛ける事になるんだよな)
そっとコンルの胸元に手を掛ける。現実だと俺は確実に逮捕されてるな。
いや、コンルに訴えられても逮捕されるなこりゃ・・・
0108新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:36:05ID:vEZMpnFh
触れた瞬間ある事に気付いた。この晴れ着、上下別個じゃない。と、言う事はこの晴れ着を脱がしたらコンルは生まれたままの姿になってしまう。
よく考えたら、精霊だからきっと現代で言うブラジャーとショーツは付けているだろうと踏む。
ファンタジー本とかでも精霊はちゃんと付けてるし穿いている。心配は無用。
それでも手の動きが止まる。すぐに着替えさせよう。最悪、裸の状態で起きてしまったら「平手打ちと氷落とし」だけではすまなくなるぞ・・・
一応、女性の配慮を考えて小さいタオルを二枚持ってくる。コンルが軽く首をこちら側に動かした。
しかしまぶたは閉じられたままだ。まだ起きてないようだ。
意を決意してもう一度コンルの胸元に手を掛ける。
触れられた瞬間、コンルが声を漏らした。
その大きな胸の膨らみがユウキを求めるかのように、誘うかのように反応する。
「ああん・・・」
(が、我慢、我慢・・)
そのままゆっくりとコンルの右腕から脱がしていく、しかし仰向けのままでは自分の技術では、到底全部脱がせるのは不可能なのでコンルを起こす為にユウキがベットの上に乗る。
慣れている人なら出来るかもしれないが。
コンルの上半身を起こし、再び倒れないように両膝を使いコンルの背中を支える。
言うなれば今のユウキはコンルの後ろで正座している状態である。
左手でコンルの両胸を押さえる。しかし慌てて抑えたので反射的に強く揉んでしまう。
「やっ、そんなっ・・・強くしないで・・・」
ユウキにも見える、コンルの熱い吐息が・・・声と共に発せられる熱を帯びた息が。
(こ、この人起きてないよな・・・寝言か?)
しかし、右腕は脱がせてしまったので落ち着いて考えると左手で彼女の体を支えるのは不自然である。これではあまりにも脱がせにくい。
0109新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:37:52ID:vEZMpnFh
止む無く支える手を交代する。
「あ、ああっ、だめっ・・・んっ!」
どうも、また支える手を左から右に変えたときに彼女の胸を揉んでしまったらしい。
そこから右手で彼女の胸を支えつつ、左手で彼女の左手を軽く持ち、胸を支えながら右手を使い彼女の左袖を脱がしていく。これで後はゆっくりと脱がしていけばよい。
背中から晴れ着をゆっくりと下ろしていく。そして見た。
(な、何て白い背中、透き通るようにきれいだ・・・)
少し強引に「ごめん」と耳元でささやきながらコンルのお尻を起こす。起こしている間に晴れ着の下の部分をこちら側に引き寄せる。そしてコンルの体から晴れ着を引き離す。



(はあ〜〜〜っ・・・)
ここで一つの達成感を感じたのかユウキは溜息を漏らした。しかし休んでもいられない。頭の脳が危険信号を常に送らせている。これは夢ではない。起きたら「死」を覚悟しなければならないと・・・・
その前にコンルの晴れ着を用意しておいたハンガーに掛けておく。ストーブに燃え移らないように距離に注意しながら干しておく。
すっと横を見る。そして思い出したようにユウキの神経と顔が赤くなる。
そこには生まれたままの姿のコンルが・・・
(こ、この精霊はつけてないし、穿いてない)
やはり、過去の時代はまだ下着と言うものが開発されていなかったか・・・
コンル見たいな精霊でも例外ではないんだな。
慌てて現実に戻る。用意した二枚の小さなタオル。勿論一枚はコンルの大事な部分を隠す為に、もう一枚はふっくらとした柔らかそうな二つの乳房に・・・
ふと思った。まだコンルの体は濡れている。このままじゃ着替えさせても風邪を引く恐れがある。
(タオル、一枚足りないな)
仕方なくタンスを開ける。しかしこういう時に限って現実は残酷なのだと実感させられる。
0110新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:39:24ID:vEZMpnFh
(もう、タオルがない・・・どうしよう)
激しい罪悪感を感じながら、それでもこうするしか出来ないと自分に言い聞かせ・・・
(コンル、本当にゴメン)
さすがに下のタオルを手に掛ける事は出来なかったので、止む無く膨らみの宿る両胸に置いたタオルに手を掛ける。
「ああっ・・」(あっ)
二人が同時に声を上げた。思わず我を忘れてコンルの胸に見とれてしまった。
そりゃ、中学生くらいの時にコウタ先輩に誘われて初めてエロ本を読ませてもらった時、二人で「生涯、恋人は出来ないだろう」と半分諦めたままエロ本で癒されていたなあ。
でも、本で見るのと現実の女性を見るのとでは刺激の感じ方が全然違う。
こんなにも、女性の体の作りって男と違うんだと実感させられる。
自分の下半身を見た。馬鹿見たいに恐る恐る見た。己の欲求は取り敢えず抑えられている。
でも、理性が保てなくなったら壊れてしまうかもしれない。
(取り敢えず体、拭いてあげないとな・・)
コンルの左右の乳房をなるべく見ない様に(よけいに興奮してしまう為)顔から優しく撫でるようにして拭いてあげる。次に長い銀色の髪を丁寧に拭いていく。
(昔っから髪は女の命って言われてるからな)
そこまでは良かったが、いよいよ問題点に到達する。上半身の周りを拭かないといけない。
コンルの視線を見ないように自分の感覚で強くしないように拭いているが胸の突起部分に触れた時に、我慢できなかったのかコンルがまた声を上げる。
「あ、ああっ、ふあ・・っ・・」
その吐息がユウキの顔に掛かる。必死に体から湧き出る欲望を押さえ込む。
「はあっ、はあっ、ユウキさん、そ、そこは・・・」
とうとう、名前まで呼ぶようになってしまった。もう、起きてるのか寝てるのか寝た振りしてるのか見境が付かなくなる。
恐らくまだ眠ったままである事に可能性を掛ける。
しかし、その甲斐あってまずは上半身の体はふき取った。後は・・・
(わざとじゃないからね)
そう、コンルに(勝手に)了解を取ってから大切な部分をそっと撫で始めた。
「だ、だめええっ、そんなに強くしないで・・・んんっ・・」
あまりの大きな声にたじろいでしまったユウキ。やっぱ、精霊でも感じる所は感じるんだなと・・・
しなやかに、そして氷のように透き通って見える肢体、特に両足の部分は彼女の女の部分を守るかのように大切に、そしてきつく閉じられている。
ちょっとだけ股の部分に触れてみた。なぞる様にしてコンルの透き通った脚に到達してその手を離した。びくんとコンルの体が動く。
「くっ・・・んっ・・」
どんどん、コンルの顔に赤みが増していく。何かよけいに体温を上昇させているのかもしれない。最後に脚の周りも丁寧に拭いておく。
「やぁん、くすぐったい・・・」
さらにコンルの甘い響きの入った声がユウキの耳を揺さぶった。
人の気も知らないで楽しそうに、それも甘い声だけは喘ぐ様にして出すんだなぁ・・
(よし、後は下着を着せて服を着せるだけだ)
もう一度取り出した下着を確認する。
0111新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:40:19ID:vEZMpnFh
(姉貴め・・・俺に内緒でこんなのを穿いてるんだ・・・)
コンルの白い肌に等しいように純白な白のブラとショーツのセット。真ん中には可愛らしいフリルもついている。
(まさか俺は、適当に取ったと言うより、この人に穿いてもらいたい下着は「これだ!」って気持ちで選んでいたかもしれない)
最低だ・・・と頭の中で落ち込みながら、まずはショーツから穿かせる。
両足を通し、コンルのお尻を上げる。
「ひゃん・・・」
一瞬、瞳の閉じ方が強くなったような気がした。軽く強張った表情を見せる。
何とかショーツのサイズは姉貴と同じくらいだった。ぴったりと彼女の女の部分を守る。
(次はブラか・・・)
タオルを取り、もう一度彼女のはっきりと映し出された思わず掴みたくなりそうな大きな乳房。自分の感覚でブラを当ててみる。
「んっ・・・」
ふくよかに、しかし少し触れただけでその胸は左右に動く。
(あ、姉貴より大きいぞ、この人・・・まさかリムルルも大きいのか?)
などと考えながらも胸にブラを当て、背中に通した後ホックを掛けようとする。
中々通らないので一度立ち上がる。
しかし、ふとした油断でバランスを崩す。倒れないように右手で適当な掴み場所を探す。
ちょうど、やわらかみのある場所を見つける、確認もせずユウキはそこに手を掛ける。
「ああっ、あああん、だ、だめ・・・ええ・・・」
何と、掴んでいたのはユウキの手に収まるか、収まらないくらい微妙な柔らかい胸だった。
思いっきり、押し付けるような感じで触れた為、その重さに支えきれないコンルの胸が形を変えながら沈んでいく。
「あううっ・・・ユ、ユウキさん。わざとですね・・・」
(ち、違う、わざとじゃない・・・)


普通、柔らかい壁、床があるわけがない。ここにあるとすればふかふかのベットくらいである。



最後に、ネックのついた長袖の上着を着せる。この人は多少の寒さでも大丈夫って言ってたから一枚でもいいかもしれない。万が一寒ければもう一枚着せればいいだけだし。
水色に染まった何処にでもある一般的な衣服。しいて特徴をあげるならば、後ろに英語でこう書いてあるのだ。
「ICE GIRL」と・・・まさにコンルそのものを象徴している。
そのまんまじゃないか。いや、姉貴は周り中の男性に「私は冷たい女」近寄らないで下さいとアピールしてたのか?
それとも同情を誘っていたのだろうか?同時に姉貴の服のセンスも分からなくなる。
気を取り直してコンルの前に行き、背中を起こし、頭からかぶせていく。次に両方の袖を通す為にコンルの衣服に自分の腕を通しコンルの腕に通るように引っ張っていく。
0112新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:42:41ID:vEZMpnFh
「あっ、そこ・・そこはっ・・・」
どうしても胸に触れてしまう為に過剰に反応するコンルの声からは逃れられない。コンルの前に立っているのでその熱い吐息が顔に掛かる。
自分自身の体温も上がっていることに気が付いた。このまま限界を超えると良心がなくなるかもしれない。
(俺、この人の胸にばっかり触ってるよな・・・)
両袖を通し、彼女の上半身が水色の衣服に包まれた。現代の衣服も似合っているかもしれない。見た目だけでは誰もこの人が精霊だと気付きもしないだろう。
(後は、下か・・・)
お揃いのほうが無難だと思い、水色のロングスカートを持ってきた。
しかしスカートの裾の部分に違和感を感じた。手に触れてみる。
(何だこれ?何で裾のまわりに安全ピンがついているんだ?それも一つじゃない。最近の女性のアクセサリーの一種か?それとも姉貴独断の代わり映えした趣味か?
今の女性の考えている事は分からねえ・・・)
などと考えながら、両足から通し、お尻の部分を持ち上げる。
0113新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:49:38ID:vEZMpnFh
(よいしょっと・・・)
「ひゃん・・・」
またコンルが反射的な声を漏らした。ユウキの耳にもそれは伝わった。
この人は感じやすいんだと認識しながらも、もうこの人の甘い声を聞くこともないだろうとベットの上に乗る。
コンルの右横に座り、上手い具合にピッタリと収まったスカートのボタンを留める。
(ふ〜〜っ、終わった〜〜)
「んっ・・・」
(えっ?)
一瞬気を許した瞬間であった。いきなりコンルが寝返りをうったのだ。
完全に油断したユウキとコンルの立場が逆になる。何も知らないコンルがそのままユウキに覆いかぶさってしまったのだ。
まともにコンルの大きな胸がユウキの両手に収まりきらない大きさがユウキの顔に埋め尽くされた。
(う、ううううん、)
その大きな果実のような胸はユウキの顔を埋め尽くすだけでは満足せず、鼻と口の呼吸を妨害させる。このままではコンルに窒息死させられてしまう。
(じょ、冗談じゃないぞ・・・)
ユウキが必死の抵抗を試みる。全く息が出来ない為、徐々に力が抜け始めてきた。柔らかくも掴むと、ふよふよともっと触れたくなってしまいたくなるコンルの胸を両手で押し上げる。
「んっ・・ふぁ・・ぁぁっ・・・そ、そんな・・ひゃぅ〜〜」
(む、むごい)
0114新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:50:44ID:vEZMpnFh
瞳を閉じたコンルの赤く上気した表情、その口元から溢れ出す白い吐息、止めは男を刺激させる色気の声がユウキの両手の力を奪っていく。抵抗むなしく、とうとうユウキは力尽きた。
再びコンルの胸がユウキの顔を覆いかぶさる。
(も、もういいよ。どうせ、この人が起きた後、半殺しにされるのならここでこの人の胸の中で息絶えてもいいや。でも、出来る事なら胸よりも腕の中で息絶えたかった)

(こ、コンルの胸だけに「無念」・・・・)


左右の手をベットに下ろす。そのまま惨めな最後の時を迎える準備を待った。





・・・さん

何かが俺を呼んでいる。

・・キさん・・・

誰だろう?夢の中で誰かが呼んでいるのかな?

ユ・キさん・・・

ユキさん?いや知らないぞ?どっかの近所の女の子の名前だったっけ?

起きてください、ユウキさん・・・

その瞬間、一瞬にして散らばっていた欠片が一つにつながった。思考回路を一瞬にして回復させる。目を開けて現実へと舞い戻る。


気が付くとベットの上にコンルがいた。心配してずっと見守っててくれていたのかもしれない。
0115新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:51:56ID:vEZMpnFh
少し曇りがかった不安そうな表情が、いかに自分が気を失っていたかを物語る。
しかしそれは一瞬であった。徐々に穏やかないつもの彼女の表情が戻っていく。この人と言う存在は一言で言うなれば「笑顔」がもっとも似合う人かもしれない。
しかし、同時に一つの悪夢が現実を呼び覚ます。思わず、口にするのも怖い。
このままもう一度気を失ってしまいたい。
諦めてベットから降りるユウキ。
「あの・・・」
先にコンルの口が動いた。言い訳しようか、どうしようか、逃げるか?この状況では逃げる事も出来ない。
「ユウキさんにいくつか聞きたいのですが、この服装は一体何なのでしょうか?」
やはり、そう来たか。ユウキの心臓の鼓動が一段と早くなった。口を紡ぐユウキ。
「言い訳をしないで正直に答えてもらえないでしょうか?」
先手を打たれてしまった。下手に嘘をつけば全てが終わる。だが、本当の事を言ってしまっても全てが終わるような気がする。ならば取るべき行動は限られてくる。
「さっき、一緒に風呂場から落ちちゃったでしょ」
「はい」
「で、コンルがずぶ濡れだったもので、このままでは風邪を引いてしまうと思ったから・・」
「はい」
こういう時の返答の答えが「はい」だけっていうのも怖い。何を考えているか分からないから下手な刺激は命取りにつながってしまう。
恐る恐る、親に成績の悪いテストの答案を見せるかのようにユウキが目を伏せながら説明する。
「仕方ないから悪いと思いながらも、コンルの服を脱がせて代わりの服を探して着せたんだ」
「・・・」
手元に救急箱を用意する。生まれて初めて母親と姉貴以外の女性に怯える自分がいた。
正確には自分のやった行為は犯罪スレスレ、もしくは犯罪そのものであるので逆らう事が出来ない。
0116新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:53:36ID:vEZMpnFh
コンルが胸に手を当てて何かを考えるかのように言葉を捜していた。何だろうと考えるまでもなかった。服を着せ替えたと言う事は同時にこの人の裸を見たも同然なのだから。
落ち着いたように目を開けたコンル。「ふぅ」と、少し小さな溜息を漏らす。
もう一度閉じていた口を開きだす。
「と、言う事は見たんですね、私の体を・・・」
「う・・・」
思わず冷静に、静かな言葉ゆえに言葉を詰まらせる。返答出来ない・・・
「あ、あの・・・」
「見たんですね!!!」
その容赦ない念押しの言葉の前に縮こまってしまったユウキはただ黙って頭を下げるしかなかった。
「そうですか・・・」
もう一度諦めたかのようにコンルが溜息をつく。まるで自分だけの秘密にしておいた宝物を他人に見られてしまったかのように。
「あ、あのさ・・・」
何でもいいから少しでも会話で状況を打破したかった。しかしこの状況をコンルは許してくれなかった。
「ユウキさん・・・」
コンルがユウキに詰め寄る。その目は真剣そのものであった。もう、無傷ではいられない。
ユウキの背筋から血の気が引いていくのが分かった。
(誰か助けて・・・)
完全に硬直してしまったユウキが全く表情を崩さないコンルを見た。もう、耳を塞いでしまいたかった。
「ユウキさんにお願いがあります。どうか私の体の事は絶対に秘密にしてもらえないでしょうか?」



「???」
何か、すごい意表をつかれたような気がした。何で怒らないの?
「ユウキさんの友達には勿論、ユウキさんの家族にもです!」
「え、ええっ?い、いやコンル。ちょっと聞きたい事が」
0117新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:54:59ID:vEZMpnFh
質問する前にコンルがさらに追い討ちの一言を発した。
「いいですね!!」
「は、はい・・・」
一切の反論も許されず只、一方的にこの人の言う事を聞くしかなかった。何で体の事を秘密にしないといけないんだろう?
別に刀で斬られたような傷跡も、特におかしい所もなかったぞ。
それどころかすごく綺麗な裸体だった。だからよけいに不思議に感じるのだ。
いくら思い出しても隠さなければならない心当たりが思いつかなかった。
「約束していただければ、それ以上私は何も言いません」
ゆっくりと深呼吸して、言いたい事を言い終わったかのように気持ちを落ち着かせ始めたコンル。
(な、何で怒らないの?折角救急箱まで用意するくらい覚悟を決めてたのに)
逆に、本調子に戻ってるコンルを見てほっとする自分が本音なのだと溜息をつくしかなかった。
だが、はっとして何かを思い出したかのように話し出した。
「忘れてました。私が迷惑を掛けたばかりにこのような変わりの服まで用意させてしまって本当にごめんなさい」
「あ、ああ別に構わないよ」
どうせ、姉貴のだし。
まあ、それに関しては別に言っても言わなくてもいいだろう。
「ユウキさんは女装もこっそりしたりするのですか?」
「その衣服は俺の姉ちゃんのです!!!」
はっとしてコンルが口を紡いだ。どういう基準で俺を見てるんだ?
「そうですか。ユウキさんにもお姉さんがいるのですね。実はリムルルにも尊敬する姉が一人いるんですよ」
「えっ?そうなんだ」
姉もリムルルの様な似たような性格をしているのであろうか?
0118新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/11(日) 21:57:50ID:vEZMpnFh
「ああ、衣装で思い出したけど、コンルの晴れ着、そこに掛けて置いたから」
ふと、コンルが横を見た。そこにはハンガーでしっかりと自分の大切な晴れ着が掛けられいた。帯もしっかりと掛けられていた。
自分の目で確認した後、無言で頭を下げる。
ふと、何かを気にするようにコンルがしきりに胸を押さえる。
「先程からずっと思ったのですが何か布のようなものがまとわり付いているみたいで・・・」
(ちなみに下着の方もね・・・)
さすがにそれを答えるわけにもいかないので、とりあえず胸の方だけ説明する事にした。
「この時代では女性は胸を隠さないといけないから、見られると恥ずかしいでしょ」
「しかし、私は精霊ですから必ずしも女性と同じとは限らないと思いますよ」
な、何でこの人、精霊と言う言い方にこだわり続けてるんだろう。その辺は女性っぽくすればいいのに・・・
さらにこの人の謎が深まっていく。何だか嫌な予感がしたので、もう一つ質問をする。
「そういえば、風呂から落ちてしまった後の記憶は覚えているかい?」
「いえ・・・あの後は全く記憶に残ってません。気が付くと・・・」
どうも、覚えてないらしい。寝言にしてはかなりありえない発言だらけだし。
じゃあ、あの声は何だったのだろうか?現時点で最大の謎だぞ。でも、質問する事自体禁句だぞ。


「どうして私はユウキさんの上に乗っかっていたのでしょうか?それに私はともかくどうしてユウキさんは気を失っていたのですか?」
「・・・あっ・・・」
こればっかりは一番説明のしにくい状況だと、脂汗を流しながら困り果てるユウキであった。


しかし、ユウキはふとした油断からコンルの体を事を話してしまう事になる。
しかし、それが最後の最後である事は言うまでもなかった。
0119新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 22:55:42ID:O/HcmLgH
陸捨肆様の続きを期待して待っている今日この頃です。


今日という一日は、明日という二日の、価値を持つ BYベンジャミン・フランクリン



原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第十話「出発」

「体調はもう大丈夫なの?」
「はい、ユウキさんのおかげでもう大丈夫ですよ」
簡単な後始末を終え、戸締り、ガス、風呂の電気、ストーブ(弱火にしておけば大丈夫だろう)も消してある事を確認する。
普通に見ればこの時代の住人にしか見えないコンルと一緒にアパートの外に出る。
すがすがしい朝とはこういうことをいうのだろう。気付かれないようにコンルを横目で見た。
「?」
不思議そうにコンルが首を傾げた。別にユウキが声を掛けてくれそうな感じではない。
あっさりとコンルはユウキの仕草に気付いてしまった。
思えばここでコンルが倒れていて、不思議と彼女を介抱して、精霊だと言われて拍子抜けしてしまい、思考回路が可笑しくなってしまった事もあった。
0120新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 22:56:47ID:O/HcmLgH
アパートから駐車場までそんなに距離は離れていない。ついでに自転車小屋もある。
その自転車小屋の自転車と一緒にユウキ愛用のバイクが置いてあるのだが、今回は違った。
あの時コンルを連れてそのままアパートの中に入ってしまったのでバイクをそのまま放置してしまっていたのだ。
雪まみれになった愛用のバイクはご主人に見捨てられたかのように悲しそうに埋もれてしまっていた。
さっと雪をどかした。コンルもそれを見て手伝う。コンルから見れば見たこともない物体。
見た事もないからくりである。
ふと、コンルが見た事もない物体が気になったので声を掛けようとした。
「これはバイクといって、まあ簡単に言うと自由に出掛ける事が出来る最高の乗り物さ。
まあ、コンルの時代で言えば馬を何倍にも早くした感じだと思えばいいよ」
「はい」
聞きたい事を質問しようとしたが先にユウキが答えてしまったのでコンルが開いた言葉は相槌のみであった。
バイクと呼ばれる乗り物。前と後ろに丸い何かが取り付けられている。どのようにして、どんな移動をするのだろうか?少しだけコンルの胸を高鳴らせる。
ユウキがもう一度バイクの点検をする。雪に埋もれていたが異常はない。このままエンジンを掛ければ動くはずだ。
すっと、ユウキがバイクのキーを取り出す。
「何ですかそれ?」
間髪入れずにコンルが尋ねる。ユウキがコンルにそれを見せながら答えた。
「鍵だよ」
「何のですか?」
「バイクの鍵だよ」
コンルが驚愕した。まるで扉の鍵を開けるみたいだと。
「夜中に言っていたドアのノブと呼ばれるもの見たいなのですか?」
「まあ、そんな所かな」
感心しながら一つ一つ納得していくコンルを余所目にユウキが鍵を差し込んだ。
その時、まるで命が吹き込まれたかのようにバイクのエンジン音が鳴り出した。
0121新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 22:57:49ID:O/HcmLgH
「きゃっ・・・」
生まれて始めて聞く音に反射的に小さな悲鳴を上げてしまった。ユウキがさぞ、無理もないかと言わんばかりに楽しそうに見ていた。
「乗って。今から少し現実世界を見せてあげるよ。リムルルを探すがてらね・・・」
「乗ってと言われても・・・・」
コンルが少し困った表情を見せた。どのようにして乗れば・・・・


ふと、コンルの頭の中で何かが走った。バイクを別の方向で想像してみる。カムイコタンの時代で例えるならこの乗り物は何に近いか・・・
バイクの形をもう少し柔らかく考えていく。そしてユウキの乗っている形。あれはまるで・・・


(シクルゥ・・・・)
完成した自らの想いに納得したコンルがシクルゥに乗る要領でユウキの後ろに座り込む。
「・・・」
何かバツが悪そうに黙り込んだコンル。ユウキがそれを見た。
「どうしたの?」
「いえ、何でもありません」
じゃあ、何でそんな顔をするのかユウキには分からなかった。

(このバイク、シクルゥのようにふかふかではないです・・・)
精霊による、小さな愚痴であった。


「おっと、乗る前にこれを・・・」
ユウキから丸い何かを手渡される。見た事もない物体にきょとんとしたあどけない表情を見せる。
「それはヘルメットといって頭を守るものだよ。こうやって頭を守るんだ」
そう言って、手本を見せるかのようにユウキが自分のヘルメットを頭に被る。
なるほど、と納得したコンルが同じ要領でヘルメットを被った。
(やっぱり、基本は姉貴と同じ体型だな。胸は姉貴より大きいけど)
(わ〜〜、へるめっとと呼ばれるものを被ると同じ視界でも全く別世界になるものなのですね)
最後にアクセルを掛ける前にもう一度コンルに注意を促した。
0122新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 22:59:07ID:O/HcmLgH
「少し、飛ばしていくから慣れない間は俺の体に捕まってた方がいいよ。もしかしたら落ちちゃうかもしれないから」
「はい、分かりました」
ヘルメット越しから響きの入ったコンルの声が返ってきた。それと同時であった。
むにゅっとした感触がユウキの背中に密着した。
「あっ・・・」
ふいに声を上げてしまった。忠告どおりにユウキの体を抱き締めたコンルが不思議そうに見つめる。
「どうかしましたか?」
「い、いや何でもない」
抱き締められた瞬間、彼女の胸がユウキの背中を押し付けたのだ。背中越しから感じる彼女の胸の感触。姉貴のはあまり感じないのにどうしてコンルにだけ・・・・?
身内と他人の違いかと、自分に納得させユウキはストッパーを外しバイクのアクセルを動かした。
「行くぞ!コンル!」
それに答えるかのようにコンルも返す。
「はい、いざ尋常にお願いします」
やっぱり、時折間のずれた事を発言するが、それがこの人の個性でもあるのだから・・・
コンルから映る新しい現実世界がゆっくりと動き出す。多少の雪が地面に積もっていたがユウキのタイヤはそれを無視するかのように地面にタイヤの跡だけを残していった。
(馬よりも早い・・・これが現実の乗り物・・・)
自分の胸をユウキに押さえながらまずは落ちないように、しっかりと彼の体に自分の腕を、そして体を添えるのだった。


第十一話「出発、そして冒険へ・・・」

すっと、横を見た。辺り一面が田んぼである。時代は変わってもちゃんと米や作物を育てているんだとちょっとだけ安心した。
最初は怖くて中々、目を開ける事が出来なかったが徐々に慣れてきた。
ユウキの後姿が何だか羨ましい。思わず見とれてしまい手の力を抜いてしまう。
次の瞬間ユウキがバイクのスピードを緩め停止する。驚いたコンルが慌ててユウキの体に捕まるが、不意に体勢を崩し前のめりに倒れてしまう。さらに彼女の胸がユウキの背中の中でクッション代わりのようにふわりと揺れる。
びくんと、ユウキの心臓の高まりを増大させた。この人の胸は時として危険だと・・・
「どうしたんですか?」
いきなりの停止に目的地に到達したのかと思い辺りを見回したがこれといって変わったところはない。
0123新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:00:04ID:O/HcmLgH
「いや、信号機といってここではしばらく止まらないといけないから」
ユウキの顔が上を見上げていた。コンルも空を見上げてみた。空は青い、空気も悪くない。
「もう少し顔を下にしてね。空に信号機はないから・・・」
「あっ・・・」
少し恥ずかしそうにコンルの目は空からもう少し下に視線を合わせた。
ユウキの後姿と共に三つの異なる色の物体を見つける。あれが信号機なのだと自分で納得させた。今は赤色の光が強くなっている。しばらくの間、無言の状態が続いた。
表情一つ変えないユウキ。赤色の光から青色の光が強くなった。
「また、動くから捕まっててね」
ユウキに促され再び動き始めるバイク。再びユウキの体に捕まるコンル。
しばらく、色々な道を回り、何度か信号機と呼ばれる物体と停止を繰り返す。
徐々に田んぼ道から見慣れない景色へと場所が映し出される。ユウキのバイク以外にも見た事のない乗り物が二人の間を交差したりすれ違ったりする。
あれは、「乗用車」、もっと大きいのが「トラック」、で、あそこの子供が乗ってるのは「自転車」と、一つ一つユウキがバイク越しから教えてくれる。
とても勉強になる。もっとこの時代を学びたい。まるで子供に帰るかのようにコンルの好奇心が胸を熱くさせる。
しかし、それを崩してしまう一面もあった。
ユウキ達の前に立ちはだかったトラックから吐き出された白黒の煙。ちょうど、信号機で停止していたのでまともに浴びたコンルが大きく咳き込んだ。
心配そうにユウキがコンルを覗く。苦しそうな表情をしながらも何とか返事を返す。
「これくらいなら大丈夫ですから、気にしないで下さい」
言い終わった後また咳き込んでしまった。仕方がないのでしばらくの間息を止める。
(この時代での生活、やはり思っていた以上に馴染むのは容易ではないかもしれませんね)
バイクが動き出した後再び深呼吸をする。鼻がムズムズして今度はくしゃみをしてしまう。恥ずかしそうに顔を伏せ、顔を赤らめるコンル。
(もしかして気付かれているのでしょうか?)
「別にくしゃみで恥ずかしがる必要はないよ」
まるで心を読まれたようにコンルの顔が驚きの顔になる。
0124新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:01:33ID:O/HcmLgH
(ど、どうして後ろを向いていないのに私の表情が分かったのでしょうか?)
コンルは知らなかった。ユウキのバイクミラーからコンルがはっきりと映っている事を・・・
(時代は変わっています。一人一人が自由に生活している時代。過去を生きる私達にとってはそれが正しい結末であるのか・・?
そして多くの家や街が増えれば増えるほど新たな道を切り開く為に自然が伐採されていくのもまた事実・・・それが少しだけ悲しいです)
コンル一人ではその答えを出す事は出来なかった。一人一人の意見が必要であると。


いよいよ、コンルの知らない世界が広がり始めた。徐々に人並みが多くなり始める。
ユウキの話によるとここは商店街と呼ばれる所でこういう休日になると特に人ごみで賑わうらしい。
ユウキが駐輪場でバイクを止める。自分のヘルメットとコンルのヘルメットを外す。
ついでに今更過ぎる質問をしてみた。
「寒くないかい?」
「いえ、これくらいならばまだ少し暑いくらいですよ」
さすがだと思った。自分は寒いので二枚着てるのに、この人は一枚しか着ていない。
しかもこの冬に暑いときたものだ。
「とりあえず、この商店街を簡単に探索してみるかな。もしかしたらリムルルが迷子になっているかもしれないし」
「はい!」
いつもよりも元気のいい声が返ってきた。しかしふと表情を変える。
「ユウキさん。迷子でふと思ったのですがこんな人ごみの中では私達もはぐれてしまうかもしれませんから・・・」
ユウキの手を掴みしっかりと自分の手と重ね合わせる。氷の精霊なのに何だか手から伝わる温かい体温が感じられる。
「こうやって一緒に手を繋ぎながら歩くのはいかがでしょうか?」
普段通りの態度を見せるコンルとは反対に少し恥ずかしそうに返答に困るユウキ。
若いカップルが手を繋いでいる。恐らくコンルはそれを見て思いついたのかもしれないが、
基本的に手を繋ぎながら歩くのは男女のカップルや家族連れである。いざ手を握られるとこれほど恥ずかしいものなのかとユウキは思い知った。
0125新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:02:53ID:O/HcmLgH
「ユウキさん・・?」
ふと黙り込んだユウキを見てコンルがユウキを横から覗き込む。ユウキが自分の置かれた立場を思い出し、はっと我に返った。
「ああ、ごめん。じゃあ、一緒に歩こうか!」
「はい!」



第十二話「憧れの先輩」
がやがやと人通りが多くなる。見慣れない人々、服装が自分やユウキに近い格好ばかりである。
着物や、ざんばら髪、ちょんまげ、刀を帯刀している者。色々と探しては見たが、やはりこの時代にはいなかった。
しかし、坊主頭や、金髪の男性、女性はいくつか目撃した。中には髪が生えていない男性もいて驚くコンルであった。
(この人ごみの中でリムルルを探すのはとても難しいですね
まだ気配を感じない。少しでも断片的な気配があれば・・・)
もし、外で感じないのであれば建物の中にいる可能性がある。
数十分、人ごみの中を耐えながら歩き回ったが見つからなかった。
「ここにはおりそうかい?」
コンルに聞いてみた。残念そうに首を振るコンル。
「何か特徴見たいなのはないか?何でもいい」
「そうですね・・・最初にユウキさんと出会った私のあの姿の服装でしょうか」
「って、事はアイヌ民族が着てる服装って事だね」
「えっ?どうして知ってるんですか?私はユウキさんには一言もアイヌだと・・・」
間髪入れずユウキが口を挟ませた。
「いや、本で君達の服装を見た事があるからね。それでちょっとね・・・」
(やっぱり、ユウキさんは鋭いですね。やはり現代の人は何でも知っているのですね。でも、忘れないで下さいね。ユウキさんもアイヌにあたるのですよ)
クスっ、と、コンルが鼻で笑った。
「もしもリムルルの服装がアイヌのままなら見つけやすい筈なんだけど・・・。最悪警察署にいるかもしれない」
0126新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:03:59ID:O/HcmLgH
「けーさつ?」
「ああ、黒い服を着たおじさん達。まあ分かりやすくいえば役人みたいなものだよ」
「それは大丈夫です」
不安を他所にコンルが言葉を返した。
「私達はそのけーさつから脱獄してきたのですから・・・」
(だ、大丈夫じゃねええええ)
お、大騒ぎになってるぞ。どうするんだよ。しかもどうやって脱獄したんだろう。想像するのが怖い。
「とりあえず、場所を変えよう。もしかしたら建物の中かもしれない」
「はい・・・」
少し笑顔が曇り始めた。場所を変えて少しでも落ち着かせないといけないな。
「一つ大きい建物があるからもしかしたらそこをうろついているのかもしれない」
不安そうな顔を隠しきれないコンルの手を引っ張って再び駐輪場へと向かった。


バイクに乗って数十分。国道沿いの有名なショッピングモールに足を踏み入れる。
そこはコンルから見れば夢の世界そのものであった。たった数百年でここまで変わるものなのかと・・・
いや、数百年だからこそこれだけの時代が変わるものだと。
既にコンルの言葉は失われていた。ただ、ユウキに引っ張られて一歩一歩足を踏みしめるだけだ。
「うっ・・・」
コンルがその場に座り込んだ。それをみたユウキが心配そうに覗き込んだ。
「ううっ・・・・はぁっ、はぁ・・・」
口元を押さえる。少し苦しそうだ。もしかして・・・
「ごめん、休憩もしないでコンルに無理をさせすぎたから」
しかしユウキの答えとは裏腹にコンルは首を振った。疲れているわけではないらしい。
「違います。ただ、急激な匂いが襲ったので。少し堪えました・・・」
「匂い?」
その辺の匂いを嗅いで見た。少し空気が悪いかもしれない。それだけではない。
このショッピングモールの密閉された空間、さらに周辺から煙草の匂いが思った以上に充満している。
慣れないコンルにとっては煙草の匂いほど辛いものではない。
「長居はしない方がいいな」
「そ、そんな事はありません。だ、大丈夫で・・・うっ・・・」
またコンルが口元を押さえた。座り込みながら何度も呻き声を漏らす。
0127新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:05:30ID:O/HcmLgH
周りの人々の目線が痛い。しかし誰もが気にするだけであり、すぐにまた自分の世界に戻ってしまう。
結局の所それが現実でもあるが。しかし素通りする中にどうしても聞き捨てならない言葉もあった。

「嫌ね、最近の若い連中は。きっと「つわりよ」ほら、今流行ってるじゃない。えっと・・・そう・・「出来ちゃった結婚」よ!」


ユウキは耐えがたい屈辱を受けながらも心の中で叫んだ。

(それだけは違う!!!)と・・・


ようやく体調の落ち着いたコンルを連れてエスカレーター前に来た。自動的に動いている不思議なからくり、人が上に上がったり下がったりしている。
「怖がらなくてもいいよ。一緒に乗れば大丈夫だから」
「あの、ユウキさん。今からこのからくりで上に向かうのですか?それとも下に向かうのですか?」
からくりと来たか。いかにもコンルらしい。
「ああ、とりあえず上に向かおうかな」
「そうですか。それでしたら・・・」
コンルをエスカレーターに乗せようとした時であった。コンルが右隣の階段を指差した。
「上に向かうのでしたら階段で行きましょう。よく見るとからくりで上に向かっても階段で上に向かっても目的地の場所は同じみたいですから」
「えっ?」
思わず、拍子抜けした。
「それに、階段を使って歩いた方が足腰にもいいですし、あのからくりは私達のような元気な人よりも体が不自由な人の為にある様な気がするんです」
「こ、コンル・・・・」
「さあ、行きましょう。ユウキさんはもっと足腰を鍛えるべきですよ。あっ、待たせて御免なさい。私達は階段で行きますのであなた達はこのからくりで行って下さい」
「からくりって言っちゃダメ・・・」
唖然としている後ろの男女をよそに、言うが早いかコンルがユウキの手を引っ張ってそのまま階段へと駆け出した。
(す、凄い。一瞬でこの周りの空気を理解してコンルなりに行動してる。やっぱりこの人は現代に馴染んでいく人だと・・・)
不思議だ。俺がこの時代を伝える為にコンルを引っ張ってる筈なのに今初めてコンルに動かされている。


コンルに引っ張られながら階段をのぼりきった。一階とは違うまた別の雰囲気にコンルは息を呑んだ。江戸の町を遥かに越えている。恐らく徳川家の財力よりも・・・
もっと知りたい。コンルが身を乗り出そうとした時だった。
0128新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:06:19ID:O/HcmLgH
「あうっ・・・」
また、座り込んでしまう。ユウキが周りを見渡した。そして落胆した。
「何てこった。ここら一体全部喫煙室そのものじゃないか」
たしかに横の案内図を見ると「喫煙は出来るだけここで行って下さい」と書いてある。
最近は煙草を吸う人が増えたのかご丁寧に個人の喫煙室まで置いてある。
(個人の喫煙室なんて始めて見たぞ。それに余計な部分に金を掛けるなよ・・・)
いくら密閉された部屋の中が喫煙室でも、そこから漏れてくる煙の匂いにコンルが耐えられるはずもない。
一階の匂いよりも少し強い。店側は時折この部屋の清掃をちゃんとしているのか不安になった。
まわりにお客達の座る為のベンチが置いてあったのでそこにコンルを座らせる。
苦しそうに息を吐きながらそれでも口を開くコンル。
「さ、さすがにこの辺りを調べるのは私には難しそうです。お願いがあるのですが・・・」
「ああ、コンルはそこで休んでて、ここにリムルルがいるか捜してくるよ」
「はい、宜しくお願いします」
言い終えるとコンルが目を閉じてゆっくりと休み始めた。あまり長居は出来ないな。
俺は急いでアイヌの服装を着ている女性を探し始めた。


「こんなショッピングモールだと目立つからすぐに見つかると思うんだが」
辺りの専門店を見るがそれらしい女の子を見かけない。既に見慣れた現代人の衣服のみがユウキとすれ違う。半ばいないと諦め来た道を戻りだす。そしてふと下着売り場を見た。
0129新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:07:10ID:O/HcmLgH
「えっ?」
そこには見慣れた人影があった。何であの人がこんな所にいるんだろうと疑問に思いながらも声を掛けた。
「コウタ先輩!」
声に反応した青年が後ろを向いた。少し慌てた様子だったがすぐにいつもの表情を見せた。
ユウキにとってコウタ先輩は憧れの存在でもある。
「あれ?どうしてユウキがこんな所にいるの?」


第十三話「贈り物」
「ちょっと人探しを・・・」
「お前のお母さんか?」
思わず、顔をむっとさせるユウキ。
(この年で迷子に何かなったりしません)
「冗談だよ、でも、奇遇だな。そうだ、お前ちゃんと宿題してんの?」
いつも通りの会話が発生した。まあ、無理もないと思った。普段は何気ない会話や大学の事についてだし・・・
「もう終わりました。今年はいつもより早く冬休みに入ってます」
はぁ、とコウタが溜息をついた。何だか嫉妬しているみたいだ。
「いいねえ、後輩は。俺はこの後レポートを書かないといけないし、記憶が確かなら期末テストも残ってるよ。まあ後になったらテストの存在を忘れてるけどね」
「大丈夫です。コウタ先輩はいつも追い詰められた時に実力を発揮する人だと知ってますから」
「他人事だと思いやがって」
バツが悪そうにユウキを睨む。ふと思い出したような顔でユウキを見た。
「そういえば、おまえこの前二十歳になったんだよな」
「あっ・・・」
以外にも覚えててくれた事に涙が出てきそうなくらいじ〜〜んと来る。
「ちょっと待て。特別に先輩からプレゼントをやろう」
「わお!」
思わず、声が漏れた。その時コウタが一度何かを確認していた。
(まだ、リムルルはマネキンに夢中になってるな。今くらいなら目を離してもいいだろう)
そのままコウタが自販機に向かった。ユウキがふと下着売り場を見ていた。
「何だか見慣れない小さな女の子がマネキン人形できゃぴきゃぴしてる・・・。子供だなぁ・・・マネキンで悪戯してるよ。無邪気だなぁ」
そうこうしているうちにコウタが戻ってきた。
0130新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:08:06ID:O/HcmLgH
「ほらよ!」
「これは?」
「見て分からないか?二十歳の記念の「ビール」と「煙草」だよ」
「・・・・」
確かに、法律上、二十歳になれば両方ともOKだけど。無理してるコウタを見て何だか申し訳ない事をしたような気がしたユウキ。
観念したようにコウタが切り返した。
「先輩として正直に言おう。貧乏学生でスマン・・・」
ユウキが否定の首を振った。
「ありがとう先輩。このプレゼント、大事にします」
(ユウキ・・・煙草はいいがビールは大事にしたらマズイだろ。冷蔵庫にすぐに入れろよ)
ユウキが大事そうに迷彩服の上着の左右についているポケットの中にしまう。
ふと、コウタもポケットをあさった。そして一つの何かを取り出した。
「それは?」
「煙草を吸うのにライターがないと始まらないだろう。どうせ俺はアクセサリーで持ってるだけだからやるよ」
そういってコウタが手渡したものは「火縄銃の形をしたライター」のキーホルダーだった。
「それはライターだけではないぞ。ある愛の言葉が込められてるんだ」
「何ですか?」
興味心身でコウタの目を見るユウキ。まるで食いついた魚を放さないようにコウタが話を続けた。
「火縄銃の火薬の匂いは?」
「臭いです・・・」
「そう、臭いだけに「クサい台詞で女の子を射抜け!」って意味があるんだよ!」
ユウキが「はぁ」と小さな溜息をついた。
「どうせ、俺の台詞は誰にも受けないんだよ・・・」
「すねないで下さい先輩。それに、普通は女の子を射止めるのは銃ではなくて弓矢だと思うんですが・・・」
「し、知ってるさそれくらい」
言葉をはぐらかすコウタ。それを楽しそうに見つめているユウキ。ああ、いつも通りのコウタ先輩だと。
「まあ、それは冗談だが、その火縄銃のキーホルダーの本当の意味はな、ほら、火縄銃ってのはポルトガル人によって日本に伝わった銃の原点だろ。だから・・・」

「常に原点を忘れるな。立ち止まったら原点に戻る事」

ユウキは笑った。コウタも笑った。
コウタ先輩は時折、すごくカッコイイ事も言う。決して不器用な性格でもない事を知っている。
しかし、別れの時間が近づいてきた。
0131新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金) 23:08:47ID:O/HcmLgH
「悪い、ユウキ。そろそろ俺行かないと行けないから」
「あっ、すいません。でもどうしてコウタ先輩この下着売り場にいたんですか?」
「い、いいじゃないかそんなこと」
凄く困ったそうにコウタが答えた。気になるが嫌がる質問をするのも失礼だ。
「じゃあな!ユウキ!」
「はい。コウタ先輩」
(そういえばアイツ、首元に首飾りみたいなのを付けていたが、アイツ恋人でも出来たのだろうか?どう見てもあれは女性が付ける首飾りだな。
あいつ、俺以外からもちゃんとプレゼントをもらってるじゃん)
コウタが心の中で自らの考えをはぐらかした。
最後にコウタがそのまま立ち去るのを見送った。
そしてユウキは見た。決定的瞬間を。
コウタがマネキン人形で遊んでいた小さな女の子を連れて再び下着売り場で何やら品定めをしていたのを・・・
思わず、唖然としてしまったユウキは持っていたライターを落としてしまう。

(こ、コウタ先輩。とうとう未成年に手を・・・・)

ユウキがぶるぶると首を振った。
(見なかった事にしよう)
コウタ先輩は自分の中で「憧れの先輩」である。決して援助交際はしない、未成年にも手を出さないと・・・
「おっと、コンルを待たせてるんだった。早く行かないとな」
取り敢えずコンルの前で煙草なんか吸ったら殺されるぞ。コウタ先輩には申し訳ないが煙草はまだ先になりそうだと苦笑いした。
「残念ながら、ここにはリムルルはいなかったな。皆、現代の服ばかりだよ」
そして落としたライターを再び拾い胸ポケットにしまうと、人込みの中を駆け抜けながら再びコンルの元に戻るのであった。
0132陸捨肆2007/03/19(月) 21:48:31ID:6tLyCMQt
こんにちは。
横着して、続きをうpろだに投稿しましたので、よろしくお願いします。
板で読みたいという方がいらしたら、こちらにも順次投稿します。

では。

>567氏
懐かしい気持ちになりました。
0133新人5672007/03/23(金) 01:04:38ID:SwjpsP5x
陸捨肆様
新作お疲れ様でした。じっくりと読ませて頂きました。
徐々に明かされ始めた、リムルルとコンルの過去。
そしてシカンナカムイの野望。羅刹丸の下ネタ発言に思わず爆笑してしまいました。

陸捨肆様に個人的な質問で申し訳ないのですが、
リムルル達は何年ごろの時代からタイムスリップしてきたのでしょうか?
単に自分が鈍いだけかもしれませんが(汗
零リム時代なのか真リム時代なのか。
コンル編の小説を書いていて、コンルが「自分は○○年から現代に来た」
と言うシーンを描写に入れようか迷っていたので。
やって来た年代そのものが、パラレルであればあまり深くは考えませんので。
それでは失礼します。
0134陸捨肆2007/03/25(日) 21:01:47ID:AIXbQG9N
>567氏
リムルルは「真」の世界の直後からやって来た設定です。
ナコルルも光にその身を変えたまま、現代まで眠っています。

ですが、リムルルについては
・精神年齢・外見年齢の低さ
・ナコルルとは血が繋がっていない
これらの点は、個人の趣味で「零」ベースです。

うpろだに続きを少しだけ置いておきました。手土産程度ですがどうぞ。
0138名無しさん@ピンキー2007/04/08(日) 00:52:58ID:nN/CCH+S
ネタ切れてるし誰も居ないし保守するのさえ痛々しいな
ここは落としてSNK作品総合に合流する方が得策だろう
0140D.A.2007/04/10(火) 21:04:33ID:w4P60gdg
陸捨肆様や新人567様の続き投下の場は絶対必要だと思うのですが・・。
0141名無しさん@ピンキー2007/04/11(水) 21:23:43ID:fW9y4wP4
俺は毎日テカテカしながら待ってるんだよ!
がんがってくだちい
0142新人5672007/04/16(月) 00:21:20ID:78/EjKaQ
スイマセン。今までネットが全く繋がらなくて、つい先程ネットが直りました。
うむむ。自分も中々書く時間が大幅に少ないため、中々顔を出す事が出来ません<汗
出来る限り最後まで書きあげるように努力します。
0143新人5672007/04/16(月) 00:22:26ID:78/EjKaQ
不幸になる人は、自分の喜びばかりを考えている
人を喜ばせることを考えなさい、その憂鬱は消える  BYアルフレッド・アドラー


原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第十四話「気配」

コンルの元に戻ってきた。どうもまだ気が付いていないみたいなのでコンルの肩を揺さぶった。
ゆりかごの様に左右に揺れながら、ゆっくりとコンルが目を開ける。そして見た。
ユウキを見た瞬間分かった。
そこにいたのは笑顔のユウキではなかった。がっくりと肩を落とした感じであった。
恐らく・・・
「やはり、いませんでしたか・・・?」
「ゴメン、期待の収穫を得られなくて。自分の顔見知りしか会えなかったよ」
どうも、目の焦点が合ってない。
まだ、コンルの意識は回復していないみたいだ。よっぽど眠りこけていたんだな。
「ふふ、ユウキさんのお友達に会えたんですか。良かったですね」
「ああ、それにその人から誕生日の贈り物をもらったよ・・・」
そこでコンルが誕生日と聞いてユウキを見た。
「そうですか、ユウキさん、おめでとうございます。私からも祝福しますよ」
そういってコンルが氷を頭に落とそうとした。
「だぁぁっ、ダメだよ。頭に落とされても痛いし、こんな所で氷なんか落としたらそれこそここが混乱するよ」
はっと、思い出したようにコンルがその手を止めた。この人は自分から目立ちたいのだろうか?
「あと、それにさ・・・・」
そこまで言った瞬間だった。
「!!!!!」
コンルの体中から電流が走った。僅かな断片を繋ぎ合わせ、一つの終着点を指し示した。
「見つけました!」
コンルの意識もはっきりと回復した。煙草の匂いも構わずに立ち上がった。
0144新人5672007/04/16(月) 00:23:19ID:78/EjKaQ
「微かですがリムルルの気配がしました」
「ホント?」
早歩きで駆け出しながら気配のした方向へと突き進む。それは、自分が先程コウタ先輩と出会った道の流れであった。
右、左と顔をキョロキョロしながら動き回るコンル。それはさながら迷子の子供を捜す母親のようだ。
ふと、コンルが立ち止まった。そして立ち止まった場所を見渡した。
ユウキが少し遅れて到着した。あまりに早く動くので中々追い付けない。
「ここで気配がしたのですが、今は徐々に消え始めています」
思わず、ユウキは唖然とした。コンルが立ち止まった場所。

(コウタ先輩がいた下着売り場じゃないか)

女性陣の下着が置かれているのをまじまじと見てしまったユウキの顔が赤くなる。
「何でリムルルがこんな所に?」
コンルに問い掛けた。胸を押さえながら、白い息を一度だけ吐いた後、言った。
「それは私にも分かりません。しかしここにいたのは間違いありません」
「どうも、少しばかり遅かったみたいだね。まだ気配はする?」
その質問とは裏腹に、残念そうに首を横に振った。
「駄目です。気配がどんどん消えていきます。恐らく、この周辺にはもういないでしょう」
収穫はここまでか。リムルルって言う娘はここで下着でも買おうとしてたのだろうか?
しかし、現代のお金も持っているはずがないのにどうやって?
「くそっ!せめてリムルルが誰かと一緒にいれば・・・」
ユウキが悔しそうに拳を握り締める。


(誰か・・・・)



またコンルの体に衝撃的な何かが走った。思わず掠れた声がコンルの喉から零れ落ちる。
「あ・・・あ・・・・」
まともな声も出ないまま、不器用な声。それでも無理矢理に、必死で声を上げた。
「私・・・私ユウキさんに・・・・」
その慌てふためいた声。まるで重要な何かを言い忘れてたかのように。
すっとユウキの顔を見据えた。びっくりしたような顔でコンルを覗き込む。
「ユウキさんに大事な事を話していませんでした・・・」
「何を?」
「私、リムルルをある男性に託したんです。だからリムルルは一人ではないはずなんです」
0145新人5672007/04/16(月) 00:24:03ID:78/EjKaQ
さすがのユウキも度肝を抜かれたかのように、腰を抜かしそうになった。
それを最初に言ってもらわないと。
ユウキにしてもリムルルは一人でずっと迷子になっていると思っていた為にずっと一人ぼっちの女性を探し続けていた。
取り敢えず、また、話がややこしくなりそうだから、今は、どうやってその男性を託したかは考えない事にしよう。
恐らく、コンルが託した男性なら大丈夫だろう。多分・・・・
「コンル!それは最高の手掛かりだよ。で、その男性はどんな・・・」
しかし、折角の手掛かりを思い出したのに再びコンルが首を振った。
「ごめんなさい、私も名前は分からないのです。特徴もこの時代の服装でしたので、どのように説明すればよいか・・・顔を見れば思い出すのですが・・・」
ユウキが残念そうに首を傾けた。コンルも申し訳なさそうに俯いて小さな溜息をついた。
「手掛かりは男性・・・」
その男性の写真を見せれば恐らくコンルも思い出すかもしれないが、どんな男性か、俺自身も分からないのに探すのは容易ではない。
と、なるともう一つの手掛かりは・・・
「その男性はどんな感じの男性かな?子供とか、青年とか、おじさん、おじいさんとか」


もしも、この時男性と言う言葉を思い出して、コンルがリムルルの体つき、見た目の特徴をユウキに話していれば状況はさらに変わっていたかもしれない。
残念ながらその説明をユウキに伝える事をコンルは見逃していた。


ふと、コンルが目を閉じて考え込むように頭をうならせた。そして数秒・・・
すっ、とユウキに向かって人差し指を突き出した。
「?」
「ユウキさんぐらいの人でした。若い男性です」
「そうか。もしかしたら家に連れ込んでいるかもしれないな。でも、悪い奴だったらリムルルを捕まえて身代金を要求してないか不安だ」
コンルが安心そうに付け足した。
「大丈夫です。それだけはありえません。その人からは一切の敵意、悪意を感じられませんでしたから。包容力のある方です。そう、こんな風に・・・」
不意にコンルが笑みを浮かべながらユウキを包み込む様に優しく抱き締めた。
周りの客がニヤニヤしながらこちらを見ている。「若いねえ・・」と聞こえてくる。
なりふり構わず、そして周りの環境を考えずに色々と実行するのはやめて欲しい。
0146新人5672007/04/16(月) 00:25:22ID:78/EjKaQ
何も考えないコンルを自分の体から引き離す。
「あっ・・・」
思わず、コンルが声を上げた。ユウキが困ったように顔をしかめる。
「それに万が一リムルルに手を出そうとしてもきっと返り討ちに遭いますよ。子供の頃から護身術みたいなものは身に付けていますから」
コンルが笑って答える。それはさながら楽しそうな話し方である。

(護身術か・・・コンル本人は、俺に体を見られただけだと思い込んでるはずだから、
そんな無防備なコンルの体を色々と触った自分は、ばれたら半殺しじゃ済まないだろう)

まずは、リムルルと一緒にいる男性に敵意はない事だけは分かった。さて、問題はここからどうやってリムルルを探し出すか。
その男性が分からない以上どうしようもない。
コンルの元に歩みよろうとした瞬間、再びコンルが膝をついた。
「ううう・・・神経を集中させすぎて、気を許した瞬間にこの匂いに耐えられなくなりました」
そうだった。ここは喫煙ゾーンだから他の場所に比べて煙草の匂いがひどいんだった。
「取り敢えず、一度外に出ようか・・・」
「は、はい・・・・」
苦労して返事をするコンルを余所に俺はコンルの手を引っ張り階段を下り、出口へと向かった。



第十五話「幸運」
ショッピングモール入り口前に戻った。
取り敢えずリムルルがまだ無事だっただけでもよしとしよう。
「大丈夫かい?」
0147新人5672007/04/16(月) 00:26:11ID:78/EjKaQ
さっきまで手で鼻を押さえていたコンルの肩をさする。しばらく辛そうな顔をしていたが外の空気を吸う度に元気を取り戻していく。
「はい、もう大丈夫ですよ。ご迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「大丈夫、気にしなくていいから。俺の方こそリムルルを見つけられなくてゴメン」
「いえ、気配がしただけでも無事だと言う事がはっきりしましたので気になさらないで下さい」
ふと、コンルが横を見た。そしてそこに書かれている建物の看板を見た。
「あら?」
何かをまじまじと見ていたのでコンルの見た方向をのぞいて見た。
「江戸は富くじ、そして今は宝くじ、よってらっしゃい、買ってらっしゃい」と、書いてある。
「この時代にも富くじと呼ばれるものがあったのですね」
「まあ、今は宝くじって名を改めているけどね」
折角なので試しに二十歳を記念して買ってみようと思い前を歩こうとしたがコンルに肩を掴まれる。
その力に逆らえず、体勢を崩したユウキがコンルの足元で尻餅をつく。
「あっ、ごめんなさい」
「いいよ。で、何?」
間髪入れず、話し掛けたユウキに答えるようにコンルも間髪入れず話し掛ける。
「ユウキさん、賭け事はほどほどにするべきですよ・・・と、言いたい所ですがこの時代ではユウキさんが一番偉いので少しだけなら目をつぶりますよ」
立ち上がりながら肩から手を離したあどけない表情を見せるコンルを見て思った。
(偉い割にはこの人が財布の紐を握り閉めてそうな台詞じゃないか)
苦笑いしながら、すぐに結果が分かる宝くじを10枚注文する。
別名「スクラッチくじ」と呼ばれる。
愛想のいい中年の店員から10枚分の券をもらい、今では滅多に見られない2千円札で支払う。
「小判じゃないんですね」
誰かさんのポツリと漏らした声が聞こえた。
0148新人5672007/04/16(月) 00:26:56ID:78/EjKaQ
「さすがに2000両(但し、実際は1両=1円ではない)の小判を出されてもここじゃあ、かさばって困るだけだしね」
10枚のうち5枚をコンルに手渡す。コンルが不思議そうにこちらを見ている。
「いきなり、渡されてもどうすればいいか分かりませんよ」
当然の返事が当たり前のように返ってきた。
「えっと、とりあえず、「壱」「弐」「参」「肆」「伍」の五つの数字があるでしょ」
「はい」
「それを全部削るだけでいいから、当たりかはずれかは調べてあげるから。ちなみにこれで削ってね」
ユウキが簡単な削り方をコンルに見せる。こうやるんだよと言わんばかりに。
納得したコンルに、削る為の5円玉を渡す。それをまじまじと眺める。
(この丸い穴の開いたお金、まるで私達の時代にいた銭を投げて悪党を退治する正義の味方を思い出しますね)


取り敢えず、「壱」「弐」「参」「肆」「伍」の数字を削り一つでも「当」の漢字が出ていれば5等が当選する。当然、全部「当」であれば1等である。
ユウキが「当たりますように」と宝くじ売り場の台の上で一生懸命削っていた。コンルもコンルなりに一つ一つ削っていた。幸いお客は自分達だけなので人目や順番待ちを気にせずに楽しめる。
今のコンルは取り敢えず、言われた事に従うのみである。
賭け事はカムイコタンではご法度に近い。そもそも賭け事自体、好きな者はいない。賭け事は人の心を変えてしまう最大の落とし穴である事をコンルは知っているからだ。
しかし、それは過去の時代。今は時代が違う。この時代であれば少しくらいは多めに見てもらえるだろう。
(こういう緊張感があるからみんな賭け事をしたくなるのかもしれませんね)


先に、ユウキが全てを削り終えた。結果は全部はずれ。やっぱり、世の中上手く行くわけないか。せめて5等の一つが出てもいいのに。
横目でコンルを見た。まだ彼女は、削り終わってない。終わるのを待つ。
そしてはずれた無念を背負い、肩を落としながら店員に話し掛けた。
「やっぱ、一等って当たるものではないですね」
「そりゃ、そうでしょ、一等なんて全国でたったの五枚しかありませんから」
「そう言われると、他県に行って挑戦しないと駄目ですね」
分かりきった事を話し合う。世の中そんな簡単にお金なんか当たるわけがない。
宝くじで大金持ちになったら誰も仕事をしなくなってしまうよ。
でも、よくよく考えてみると、実際は仮に一億が当たっても一生遊んで暮らすのは難しいらしい。
0149新人5672007/04/16(月) 00:27:35ID:78/EjKaQ
などと、考えているうちにコンルが削り終えたみたいだ。きょろきょろと困った素振りを見せる。
「その人の見てあげてもらえないですか?ほら、店の人に渡してあげて」
コンルが店の人に届くように渡した。店の人が一枚一枚丁寧に確認をしている。
途端にガタガタと店の人が震え始めた。一枚一枚、まるで健康診断で余命を宣告されたかのような・・・
「あの驚きはまさか一等でも当てたのか?」
「ユウキさん。私にはそんな運なんてありません。賭け事何て程遠い時代に生きてますから」
途端に、静寂を一瞬でかき消す五月蝿い鐘の音がなった。実際には店員がそこに置いてあるベルを鳴らしただけなのだが。
「おめでとう、1等当たったよ!」
「えっ?」
コンルが声を詰まらせる。ユウキは唖然とする。
「う、うそ、本当に1等を当てちゃったの・・・」
何て強運を持ってるんだ。あまりにも予想していなかった。ユウキが震える唇を動かしながら店員の返答を待った。
「あ、あ、あ・・・」
「ユウキさん、声が裏返ってます」
しかし、コンルの強運を思い知らされるのはその後の店員の信じられない一言であった。
「あなた、どんな強運の持ち主なんですか。どんな方法を使えば一等を五枚連続で当てられるのですか」
コンルがさらに口元を押さえて驚いた。ユウキはさらなる衝撃発言により、道端であるにも関わらず、座り込んでしまった。
「な、何なんだ・・・この人は・・・全国の人々の夢の可能性を全部「強運」と言う代金で買い占めたみたいだ」
「ふふ、ユウキさんの誕生日のいい贈り物になりましたね。でも、お金は本当は良くありませんが、ユウキさんの誕生日と言うことで今回だけ私が許します。大事に使って下さいね」
0150新人5672007/04/16(月) 00:28:14ID:78/EjKaQ
「いきなり言われても使い道なんて・・・思い付かない」
店員がコンルにご祝儀袋で手渡す。
「一等が十万だから五枚分で五十万。もってけ泥棒」
「私、泥棒ではありません」
例えすら真に受けてしまうコンル。泥棒と呼ばれて余程悲しかったのか視線をユウキに向ける。
「その、何かを求めるような目をしないでね・・・」



その後、その宝くじ売り場は大繁盛する事になったらしい。看板には「幸運の女神。一等を買い占める」と・・・
ただ、実際その店で買うと当たるのかどうかは俺も知らない・・・



第十六話「大金の行方」
「はい、私からユウキさんへの贈り物です。仮に私が持っていても使い方なんて分かりませんから」
五十万円入りのご祝儀袋を手渡される。袋を上に上げながら頭を下げる。
「有難う、この時代を代表して受け取らせていただきます」
「はい。ところで50万はこの時代では大金なのですか?」
「1万円でも十分、大金な時代だよ」
何を基準として代表なのか分からないがまるで殿様から褒美を受け取った武士のようだ。
コンルが一つの達成感を感じたのか、落ち着いた気持ちで白い息を吐いた。この人の体だけではなく、その息から漏れてくる匂いすらも香水の様に自然の香りがする。
0151新人5672007/04/16(月) 00:29:02ID:78/EjKaQ
アダルト雑誌で男性が女性の吐息にハァハァする理由がなんとなく分かった。
「折角だから、コンルに一つ自然が綺麗な所を見せてあげようかな」
「是非、見せて下さい」
じゃあ、バイクに乗ってと声を掛けようと思った時だった。ショッピングモールの十メートルくらい先で何か声が聞こえた。
「赤い羽根共同募金にご協力下さい」
街頭募金・・・恵まれない子供の為に。そういう事は全く気にしていなかったユウキ。
福祉やボランティア関係を勉強してるわけではなかったから当然といえば当然だが。さらに、人生において一度も募金した事はない。
「あれは何ですか?」
若い男女が何やら箱を持ちながら道行く人々に声を掛けていく。まじまじと見つめながら箱の中身を気にするコンル。
「あの箱の中には何が入っているのですか?」
「お金だよ。正確には募金といって簡単に言うと、飢えで困っている人や、病気を治す為の費用として役立っているんだ。
それを自分達みたいな通りすがりの人が、善意があればあの箱の中にお金を入れているんだよ」
コンルが疑問を投げ付けた。
「この時代の人はその箱の中にお金を入れてくれるものなのですか?」
「・・・どうだろう。まあ気持ちで入れていると思うし、見て見ぬふりをする人もいるよ」
「そうですか・・・」
コンルが残念そうに顔を曇らせた。
(大金の使い道、決まったな。元々ここには存在しない他人の強運で手に入れたお金。ここで使うのも悪くない)
意を決意したように、募金活動をしている人に向かって歩き始めた。歩く途中で1万円だけ抜き取る。神様、コンル様。せめて食費だけはお許し下さい。
一万円だけ財布に挟んだ後、募金活動をしていた女性の前にご祝儀袋を差し出した。
何事か分からず、ユウキの顔を見上げる女性。少し遅れてコンルもやってくる。
「それ、全部寄付します。ちなみにその中には49万円入ってますのでどうか少しでも役立てていただければ」
0152新人5672007/04/16(月) 01:03:21ID:78/EjKaQ
(ユウキさん、凄く勇ましいと思ったのですが・・・数字で例えると「49の男らしさと1の金銭の誘惑」に負けましたね)
あえて、嫌味もこぼさず黙って見守るコンル。元々誕生日の贈り物であげているので嫌味を言う事自体間違えていると思ったからだ。
そのかわり、わざとらしく白い息を吐いた。はっきりと人の目に映るくらい白い息を。
募金の女性達は普段ありえない大金に最初は驚いたが感謝の気持ちを込めて頭を下げる。
中には49万の大金を寄付してくれた男性に感激して、しくしくと泣き出す女性もいた。
お礼に手ごろな赤い羽根を二枚受け取る。その場を後にしてバイクの置いてある所に歩き出す。
バイクの前でコンルを呼び寄せる。何事か分からず、ユウキの元に近付く。そっとユウキが赤い羽根を取り出した。
「折角だから、胸に付けてあげるよ。元々これはそういう飾りみたいなものだから。取り敢えず動かないでね」
そっとコンルの胸ポケット部分を軽く掴み針を通し、軽い調整をしてから出来たよと伝える。
「似合いますか?」
少しだけ上着を寄せながら羽をまじまじと眺めている。羽のさらさらした部分を楽しそうに触れている。
「ああ、似合ってるよ」
0153新人5672007/04/16(月) 01:04:21ID:78/EjKaQ
「ふふ、有難うございます。じゃあ、私もユウキさんに付けてあげますね。先程の羽を下さい」
自分から手を差し出してきたコンルにもう一枚の羽を手渡す。
(何か照れるなあ・・・)
コンルも同じ様にユウキの右胸に針をそのまま・・・

突き刺した!!!

その瞬間、ユウキの衣服を貫通し直接、胸へと針が数ミリ程刺さったのである。
それは腕に注射を刺し、中々抜き取って貰えない様な状況であった。
脳に痛みを伝え、体がそれを認識し、悲鳴を上げるようにと命令される。
「痛ってええええええええっ!!!」
「きゃああああっ???ユウキさん?」
情けない青年の悲鳴と同時に思わず、コンルまで悲鳴を上げる。コンルが全ての原因に気付いたのはユウキが数秒うずくまり、
ユウキが「頼むコンル!今すぐ羽を取ってくれ」と訴え、
自分の羽を抜き取り「馬鹿!自分のじゃなくて俺の羽だよ!」とユウキに注意を受け、
あたふたと慌てながら「ユウキさん御免なさい。ちょっと待って下さい」ともう一度自分の胸に赤い羽根を慎重に通し(この時にようやく自分が羽を突き刺したからユウキが悲鳴を上げた事に気付く)
終わってからユウキの羽を抜き取る瞬間までであった。

(こ、今回で俺はこの人に二度殺されそうになったぞ・・・)
三度目は起こりませんようにと必死で目の前の精霊にではなく神に祈るユウキであった。
0154新人5672007/04/16(月) 01:05:06ID:78/EjKaQ
以上です。それでは失礼します。
0156名無しさん@ピンキー2007/04/23(月) 18:49:41ID:3U2MJ+hn
保守代わりにこっちにも陸捨肆氏の作品投下して欲しいな……
0159名無しさん@ピンキー2007/05/03(木) 11:58:58ID:acWHeXo9
d
規制にひっかかってレス遅れスマソ
0161名無しさん@ピンキー2007/06/07(木) 13:48:23ID:z9bKtHHW
あげ
0162名無しさん@ピンキー2007/06/25(月) 10:39:22ID:tnzRcLw8
サムスピっていったら和月
0164名無しさん@ピンキー2007/07/15(日) 14:13:13ID:KsD7ffbN
閃の情報早く出て来いあげ

>162
零時代、和月がデザインしたのミナじゃねーかって推測があってな
0167名無しさん@ピンキー2007/07/28(土) 22:22:01ID:1WkLlo3B
今はどうか知らんが、当時は女キャラのエロ衣装にはとんと無縁の男だったからなぁ<和月
自キャラの水着シーン描くのすら恥ずかしがるような御仁だから
さらに性的なミナのコスチュームなんてデザインできるとは思いにくいなw
0171名無しさん@ピンキー2007/08/19(日) 14:38:02ID:1iGsNG/K
妊娠ネタで短いの書いてます
反面と色にしようかと思ってるんだけど
他に希望カプあります?
0177名無しさん@ピンキー2007/09/05(水) 16:03:00ID:yOKKCLwx
覇王丸がシャルロットを選ばなかったわけが分からん
おかげで生涯処女でいれたけどさ・・・
0179名無しさん@ピンキー2007/09/19(水) 13:50:10ID:ipRDXAVe
一番下だよ
0181名無しさん@ピンキー2007/09/25(火) 20:27:44ID:u9mJt6Ng
いや普通にあるんじゃない?

俺は凌辱は好きです
でもガルナコはもっと好きです なだけだが
0182名無しさん@ピンキー2007/09/26(水) 05:14:16ID:h8jNw9CJ
陸捨肆様を裸で待ち続けたら風邪ひいたっぽい。
僕を暖めてリムルル。
0185名無しさん@ピンキー2007/10/27(土) 15:54:53ID:UYL/rLow
サムスピ閃ロケテに、いろはどころかミナもレラもリムも閑丸も出てなかった記念age



チクショウ!!
0187名無しさん@ピンキー2007/10/27(土) 21:35:59ID:9s5D9iih
だが鈴姫はかなりイケそうじゃないか
アンジェリカは微妙
0188名無しさん@ピンキー2007/10/27(土) 22:35:22ID:+NU0keNm
アンジェリカって色黒にした色って感じがしてならない。
鈴姫はそこまでインパクトは強くないが、無難に可愛いと思った。
0189名無しさん@ピンキー2007/10/28(日) 00:48:55ID:JinkBOtB
ゲーム内で堂々とシャルロットのパンチラが拝める時代が来たぜ。
鈴姫もパンチラありらしいが、ナコルルはズボンだからな…
0190名無しさん@ピンキー2007/10/28(日) 10:09:00ID:iSK30M3M
鈴姫を見てカプコンファイティングジャムの
イングリッドを思い出した俺…

イラスト描いたのは森気楼だけど、
元々は北千里キャラだし。
0191名無しさん@ピンキー2007/10/31(水) 18:36:57ID:Dzm9S9/r
閃は誰がでるんすか?
ロケテ行った人、教えてくらさい。
0192名無しさん@ピンキー2007/11/11(日) 03:14:58ID:ZKrcKlfR
>177
剣サムのED見る限り、二人の間に何もなかったなんて
  あ り え な い 。
愛人でいいじゃん
0199名無しさん@ピンキー2007/12/26(水) 18:10:20ID:jbWMVlgS
0201名無しさん@ピンキー2007/12/26(水) 19:18:58ID:nY0rlDh3
それはもう諦めた方がいいかもしれんぞ。
閑丸があまり出てきてない上に、リムルルがねえ様命だからな。絡みも何もあったもんじゃない。
そもそもこの二人が出てからもう数年も経つのに、話すらしてないのが現状だからな…
新作にも閑丸は出なさそうだし。
もうこの際、壬無月詩織が閑丸の相手でいいよ。同じ鬼を飼う者同士ってことで。
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