傷ついた主人公をヒロインが慰めるSS
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0001名無しさん@ピンキー2007/10/29(月) 22:14:34ID:zPvAwzwg
人生に挫折して深く傷ついた主人公を、ヒロインがその体と心で癒すというお話
例えば
※恋人を寝取られた主人公を、真ヒロインが慰める
※親友に裏切られ何もかも失った主人公を受止めるヒロイン
※故障してしまって二度と復帰できないプロスポーツ選手の主人公を・・・

みたいな話です
逆(傷ついたヒロインを主人公が慰める)というハーレクインパターン
もあり
2次でも創作でも可
0274 ◆MkmoheL0Rc 2009/08/13(木) 00:43:25ID:uzEjYH4m
目が覚めると、僕は病院のベッドの上だった。
・・・なんてテンプレは使いたくないなあ。
なので。
目が覚めると、僕は美容院のソファの上だった。
と、しておこう。
意味不明だ。
嘘だし。
・・・ん?
なんか僕のキャラが変わっている気がする。
もっとネガティブで、うつ病の一歩手前みたいな奴だったような。
少なくとも、寝起きから冗談を言えるような人間じゃなかったぞ。
うん。
でもなんかどうでもいいや。
ってかちょっと踊ろうかな。ビリーズブートキャンプ。
そう思って体を起こそうとした途端、腹部に激痛が走る。
「いてっ・・・」
そうだ、僕、刺されたんだっけか。
・・・いや、違うな。
刺したんだ、自分で。

思い出した。
同時に僕は再び鬱になる。
死に損なってしまったよ、僕は。
仕方ないな。もっかいやり直すか。

「起きた・・・!」
横を見ると、茜がいた。
「えっと、おはy「ごめんなさい!」
何を言ってるのだろう。
「鬱森さんに色々酷いことを言ってしまって、ごめんなさい。
本当は鬱森さんとずっと一緒にいたくて、でも鬱森さんが都会に行ってしまって、悲しくて悔しくて苛々して。
それで、会いに来て。ついあんなことを・・・」
・・・・・・。
要領を得ない説明だ。内容が全く理解できない。
悪意は無く、むしろ好意を抱いていたというのは分かったけど。
まあでも正直、どうでもいいなー。
どっちにしろ、僕、鬱だし。
茜さんが何も言って無くても、自殺してたのではないかと。
「僕、たぶん死んでるし、いいよ。気にしなくて」
0275 ◆MkmoheL0Rc 2009/08/13(木) 00:44:53ID:uzEjYH4m
「やめなさい!」
なんかすげー意味不明な言葉の応酬だ。
やめなさいって何だよ。僕まだ何もしてねえよ。
「いいじゃん、僕くらい死んだって」
「駄目です。私はあなたに生きてて欲しいと思ってます」
今度は即答だった。
答えも、明快極まりない。
「・・・そうなんですか」
「そうなんですかじゃありません!この自己厨!」
あれ?
自己中の中が・・・。
「だいたい生きてる価値云々とか、あなた中二病ですか!?それでリアルに死のうとするとか、メンヘラ乙って言われますよ!?」
その後も彼女の説教は続き、しまいにはAAを貼られかねない勢いだった。
・・・って、どんなAAだよww
「あれ・・・」
何か今、僕、笑った気がする。
慌てて確認すると、確かに「ww」と記してあった。
「・・・そっか」
僕の悩みなんて、こんなものだ。
他人からすればどうでもいいようなことで悩んで、なんか一人で思いつめるけど、誰かに叱ってもらって、また笑顔になってる、みたいな。
良い意味で僕はちっぽけな人間だった。
そして、好きな子と話しているだけで前向きになってしまうくらいだから、僕は案外そこまでネガティブな奴でもないのかもしれない。
うん。
そんなわけで。
必死にAAらしきものを書いている彼女に、感謝の意を伝えた。
もとい、キスした。
「ひゃ!・・・ちょっと、何を」
「ありがとう、茜」
「・・・え、えへへっ・・・。はっ・・・いや、笑ってなんかいません!」
0276 ◆MkmoheL0Rc 2009/08/13(木) 00:45:49ID:uzEjYH4m
その後二人でAAの製作を進めていると、不意に何かが振動する音が聞こえた。
「?・・・ああ、ローターね」
「なっ・・・何を言ってるんです、ケータイですよ!」
「そうだったのか」
素でローターだと思ってた。
茜が「ごめんなさい・・・鬱森さんが寝てる間、一人でしてたんです」と衝撃の告白。
今までのシリアスな展開からは想像もつかない。
・・・なんか僕、只の変態と化しているな。
とか思いつつケータイを開く。
「採用通知・・・?」
・・・・・・。
ああそうだ、僕、会社の面接受けたんだっけ。
確かファスナー全開だったな。
で、採用か。
そりゃあ良かったなあ。
・・・いや、マジで?
「すごい!すごいよ!ファスナー全開で面接通ったよ!」
「感動するところが違うような・・・」
ていうかファスナーは閉めるでしょうjk、と茜は付け加える。
「・・・でも、鬱森さんにはあの言葉がぴったりですねーーー」

 『終わり良ければ全て良し』
0277 ◆MkmoheL0Rc 2009/08/13(木) 00:49:00ID:uzEjYH4m
終了です。
勢いで書いてしまいました。
楽しんでいただけたら幸いです
0279名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:29:17ID:vouyJ92c
 ちっ、今日も愛機の横っ腹に穴開けられた。新参の”貴公子”なんてふざけた通り名の野郎に連敗かよ。
 しかし、そのまま墜落して死ねば良かったのに、とか仮にも上司が言うか?
 三連敗なら給仕はストップって、マジで言ってやがんのかあの石頭。俺がどれだけ国の危機を救ってきたと思ってんだ。
 名門出身のホープだか何だか知らんが偉そうに実力主義だ? 実戦に出たこともない癖に。あ〜何かムカつく。
「あ、お帰りなさい」
 煮立った頭に響く聞き慣れない声。見れば、目の前に変わったいでたちの女が立っていた。
「誰だてめ、俺の部屋で何やってんの」
「アイコ様からこれを」
 兵器開発部の姉貴がまた何かやらかしたのか。泣きっ面に蜂なんて勘弁してほしい。
 紙切れを受け取ると、そこに書かれた汚いメッセージを読む。

 親愛なる弟よ、そこにメイドの格好をした女の子がいるだろう?
 ただ別にメイドの作業が出来る訳ではない。やれることと言えば、だいたい二つ。
 一つ、時間を知らせてくれること。
 二つ、指定の時間に起こしてくれること。
 平たく言えば、女の子の姿をした目覚まし時計だ。可愛がってやってくれ。

 辟易する。いらねえよ。部屋に目覚ましはある。
「合鍵返してとっとと出てけ、今俺は機嫌が悪いんだよ」
「…返したら私もアイコ様も、ヒカリ様の部屋に入れなくなります」
「勝手に入って来られて甚だ迷惑だ。帰って伝えろ、私費まで投入して余計なもん作んなと」
 傷付いたらしく、俯いて動かなくなる女。よくもまあ無意味に感受性豊かな奴を作りやがって。
「……」
「聞こえてんのか?」
「…私は余計な存在なのですか?」
 ウザい。実に鬱陶しい。これ以上イライラさすな。
 俺は近くに積んである本を思いっきり蹴っ飛ばした。
「!?」
 そんなもん創造主にでも訊けってんだ。恐いか? それなら帰れ。
 睨みつけると、女はすぐに合鍵を隣に置いた。そして横を抜けて部屋を出て行った。
 あーあ、酒飲んで寝るか。

 酔ってベッドに墜落。もう何も考えたくない。
 ? 何だ? ドアを叩く音。…構わん、寝ちまえ。
 ……?
「くぉらヒカリぃっ!!」
「うおっ!?」
 って、何? 合鍵取り上げたはずなのに、入ってきやがった。
 起き上がってみればやっぱり姉貴だ。恐い顔して俺を見ている。
「何か文句あんの?」
「…!」
「――あたっ!」
 徐に横っ面を引っ叩かれた。痛い。本気だ。
「初対面の女の子泣かすような屑だったのかお前は!」
「うるせえ出てけ」
 何の話もしたくない。気が済んだら一人にしてくれろ。
「……昔から嫌なことがあるとそうやって不貞腐れて、触れるものを皆傷付けて――最悪だな」
 ティッシュ箱を蹴り飛ばすと、姉貴の体に当たった。
「!」
「……」
 普段なら上手く避けるのに微動だにしないとは、相当キレてるな。
「所属の違う私にまで連絡が来たよ。次ヘマやらかしたら戦闘機から降りてもらうってね」
 どいつもこいつもグチグチ話が長え。酔いが醒める。無視だ無視、寝よ。
「オカムラ長官が心配してたぞ? 明日の朝、呼び出しだ。引き篭もっててお前と連絡つかないから、代わりに私が受けたんだ」
 って長官からか――大事になってんな。さすがに寝過ごす訳にもいかんし…。
「分かった、何時? それだけ言ったら合鍵全部置いて帰れ」
「お前が反省するまで教えない」
0280名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:30:14ID:vouyJ92c
「何だとっ!?」
 むかっとして食いかかろうとした時、俺は姉貴の後にもう一人、誰かが立っていることに気付いた。
 怒鳴って追い出した、時計女だ。隠れるようにして、こっちを見ている。
「帰って来るなり、泣き出したよ。可愛い弟の為にと思って作ってやったんだが、私も迂闊だったね」
 当たり前だ。こんな年にもなって玩具で遊ぶ気はない。
「でも、この子には私とお前しかいない。だから、嫌でも仲直りして引き取るんだ」
「はあ?」
 付き合っていられない。何が言いたいんだ?
「私はこのまま帰る。ただし、この子にはもう一度ここに残ってもらう」
「……」
「起こす時刻は教えてある。本人の口からは言わせないけどね。もし機嫌を損ねたり、追い出したりしたら――自力で起きない限り呼び出しは反故になる」
 …それが俺の反省かよ。ふざけんな。
「――弟よ、もう少し真摯になること。子どもじゃないんだから」

 姉貴は部屋を出て行った。子どもじゃないんだから――か。
 俺は結局、ガキか。どんなに努力してここまで来たか…それでも、否定される時は簡単だ。
 馬鹿馬鹿しくなってきた。
「……」
「……あの」
 場に居残ったもう一人が、話しかけてきた。
「何だよ? 仕方ねえからここには居てもらうけどな、起こさなかったらぶっ壊すぞ」
「うっ…」
 怯えた表情がやけにリアルだ。本当に、兵器開発部の癖して何考えてこんなの作ったんだか。
「ごめんなさい…」
 感情はあっても機械は機械――空気が読めないんだな。黙ってりゃ良いのに、いらんことをぺちゃくちゃと。
 すっかり酔いは抜けてしまった。飲み直そうにも、酒が空だ。
「? 何処に行かれるんですか? 私も一緒に――」
「いらん世話だ。留守番してろ」

 売店で買い物して帰って来ると、女は枕元の床に座り込んで、うとうとしていた。
 軍管理の個室ってことで元々狭いのに、こんなの一人置かないといけないのかと思うと、うんざりする。
 ま、耳元で煩くされるよりは寝てもらっとく方がましか。
 …てか、これはもう時計がメインじゃないだろ。時計どころか、機械が寝るか普通?
 ――やめた。さて、飲みの続きでもしますか。
「ヒカリ…様…」
 何かと思って見ると、寝言まで言うのかよ。呆れて言葉も出ない。
 と、体がずれて目を覚ました。
「――あ、あのっ…お帰りなさい」
「馴れ馴れしいんだよ」
 呆然と固まる女。あ、あまり憎まれ口叩くと起こしてもらえないんだっけ?
 あーあ、ご機嫌取りなんて面倒臭え。何が初対面の女の子だ。世間知らずの機械様だろ。
「…余計なもんってのは訂正する。けど、別に目覚まし時計で充分だ。それ以上は邪魔」
「私が…嫌いですか?」
「嫌いじゃないの、必要ないだけ。煩くすりゃ勿論、嫌いにもなれる」
 すると、理解したように押し黙る。はいはい、向こう行ってね。

 酒を飲んでいると、視線が気になる。今日は何だか、上手く酔えない。
 テレビを付けて適当にチャンネルを回すが、見たい番組がない。気分が悪い。
 女に視線をやると、隅に縮こまって俺を見ている。いらっとくる。
「何見てんだよ」
 すると益々縮こまるようにして、視線を落とす。
 つまらない。何もすることがない。横になっていても眠れないし、最悪の日だ。
「……」
 考えかけて、やめた。時計と話をするくらいなら何もしない方がまし。
「……」
「……」
「……」
 そのまま、随分時間が経った。
0281名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:30:52ID:vouyJ92c
「!!」
 はっ――いつの間にか、寝ていた、のか…?。
 …嫌な夢だった。夢まで結託して俺を苛ますのか。
 最後の出撃、ぼろぼろになりながらも帰還を拒否して、やがて火に包まれる機体。
 熱かった。でも俺は、ここにしか居場所が見つけられない。ならいっそ、このまま死ねれば良い――そして燃え尽きる。
 それは近い将来を予知しているかのように、生々しかった。
 …汗びっしょりだ。なんて酷い…ん?
「うなされて…いました」
 額に冷たいタオルが当たる。気持ち良くて、少しだけ気が楽になった。
「……」
 目の前には時計女。頼んでもいない世話を焼いてくれたのか。

 俺が視線をやると、顔を背けてその場から離れて行く。起き上がって見ると、また隅の方に行って、縮こまっている。
「……」
 何だあいつ。何で余計なことするんだ? あれだけ言っても、まだ時計なだけじゃ満足出来ないのか?
「……」
 あーくそっ、また目が冴えてきちまった。しばらく眠れそうにない…。
「――おい」
「…?」
「今何時だ」
「…二十二時二分三十四秒です」
 どこかに表示がある訳でもない。一々訊かないといけないんだから、時計より面倒な奴だ。
「……そうか」

 頭がモヤモヤしている。
 俺はどうかしちまったのか? そんな状態のままベッドから下りると、膝を抱える時計女に歩み寄る。
 目の前に立つと、蹴飛ばされるとでも思ったのか、頭を抱えやがる。
「…そこ退け」
 慌ててその場から離れる。俺が代わりにそこに腰を下ろすと、代わりに顎でベッドを指す。
「…?」
「ちっ」
 舌打ちして、俺は壁にもたれる。理解してくれないなら良いよ別に。そこに立ってろ。
「あの…ベッドで寝ないと…」
「俺はベッドで寝たくないんだよ悪いか?」
「そんな…」
 何がそんな、だ。畜生、何だってこんな奴作ったんだよ姉貴め。

 居場所がない時計女は、仕方なくベッドの端に腰を下ろした。
 居辛いのか、落ち着かない様子で視線を泳がせている。
 それでも、俺に何か尋ねてくる訳じゃない。多分、怒ると思っているのだろう。
 ……阿呆臭い。そんな相手を気にしている俺もまた、同じ穴の狢。
「出てくのか?」
「…いえ。そんなことしたら、ヒカリ様は明日――」
「起きられないだろうな。で、誰からも信用失って、次の出撃で俺は終わりだ。ちゃん、ちゃん」
 非難するような視線で、俺を見る女。
「何だよ?」
「……」
 泣き出した。目から涙が、零れ落ちていく。本当に、人間のようだ。
「心細いなら姉貴んとこにでも駆け込めよ。俺なんてとっとと見捨てりゃ良い」
 寧ろ、そうしてくれた方が清々する。こっちも気持ち悪いんだよ。
「……」
 仕方ないから俺が出て行く。部屋で好きなだけ泣いてろ。
 外に出る。遠くで夜間飛行の音。必死に訓練を受けていたのが、ついこの間のことみたいだ。
 ガキ一匹に拘らなくたって、軍は回っていく。それが例え殊勲の一つや二つ挙げていたとしても。
 ――虚しい。
 その上引っ掻き回されて、腹が立つ。
 放っといてくれりゃ良いのに。俺はどうせ、もうダメだ。
0282名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:31:37ID:vouyJ92c
 しばらくして部屋に戻ると、時計女の姿はなかった。
 何か、妙な気分だ。安心したような、しないような――いや、深く考えない。明かり消して寝るか。
 すると、ベッドに落ちたタオルが目に入る。
「…」
 無性に感情が沸く。俺は何を、頑なに拒否してるんだ? 冷たくあしらって、満足もしないのに。
 ――考えるのをやめろ。どう転んだってもう、帰って来やしない。
 どうでも良いんだ、あいつのことなんて。部屋には時計らしい時計が一個ある。それで充分だろ。
 長官には今度、謝っておこう。

 ドアを叩く音。誰だ? もう俺は出ないからな。
 そう心に決めて、俺はベッドの上で天井を眺めていた。
 何回も続く、音。
「……」
 やがて、途切れる。
「……」
 途切れたまま、時間が流れていく。
 気になる。馬鹿、さっさと寝ろ――と俺の中で呟く理性。でも、体は起き上がっていた。
 玄関まで歩き、覗き穴から外を見る。
「…!」
 力なく座り込んで動かないのは、時計女だった。
 何やってんだあの馬鹿。今の俺に心配ばっかりかけさせやがって、とんだ迷惑だ。
 放り出して、寝るか? あぁ、そうすれば良い。見なかったことにして、全部忘れてベッドに戻れ。
「――くそっ!」
 俺はドアを開けた。
 相変わらず不器用だ。何が嫌って、そんな部分が俺と微妙に似ていて嫌なんだよ。
 膝と背中に手をやって、体を抱え上げる。そんなに重くないことに驚いた。機械なのにな。
 部屋に上げると、ベッドの上に放り出すように横たえる。
「…ヒカリ、様…?」
 ? 起きたのか。…馬鹿、何暢気に笑ってんだ。人の気も知らないで、手間かけさせて…ったく。

 女は自分がベッドを占領しているのに気付くと、慌ててベッドから飛び降りる。
「ご、ごめんなさいっ!」
「良いよ。お前がここで寝ろ。俺は下で寝るから」
「……」
 何かを言いかけて、止まる言葉。
「…ダメです。……見捨てたりなんかしません。ちゃんと私は、ヒカリ様を起こします」
「――っ」
 何でそこまで、俺なんかに拘れるんだよ。突き放しても、諦めもしないで…。
「さっきはヒカリ様の痛みが、凄く分かって…悲しくて…でも、今は何だか温かくて、嬉しい」
「何言ってんだ? 馬鹿か」
 また、涙が零れる。本当に…何だこいつは。俺の方が、変になってしまう。
「…どうか私を、ここに置いて下さい。私…ヒカリ様の力になりたいんです」
「やめろ」

 くそ…何だ、この感情は? ざわざわして、落ち着かない。
「私――」
「俺は……俺は、姉貴の言う通りだ。屑で、不貞腐れで、ガキだ。だから、やめろ」
「……嫌、です――!」
「!?」
 一瞬、何が起きたのか分からなかった。飛行中にも起こる、思考が飛ぶような――そんな感覚。
 俺は……抱き締められていた。機械とは思えないほど、リアルに作られた”彼女”に。
「そうやって…痛いのは、嫌です……ずっと、無理して…ヒカリ…様…ぁ」
 そして号泣する。…何だよ。何か、俺まで泣きたくなってくるじゃねえか。
 ちっ…俺は何て、馬鹿なんだ。こんな奴に、心を見透かされたみたいに……。
 でも、機械の癖に、頼りなくて脆いこいつが、近くに居ると何か安心する。
 別に蔑みたいとか、見下してプライドを保ちたいなんて思いもしない。
 ただ、俺のことを、理解してくれるように思える。時計の癖に…俺を。
0283名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:32:34ID:vouyJ92c
 俺が彼女を抱いてやると、徐々に落ち着いてきたのが分かった。
 女をこうしてやるなんて、随分前に親父とお袋が死んだ時以来か。
 姉貴が唯一、感情を曝け出して大泣きした日だ。そういやこいつも、姉貴が作ったんだよな。
「人に泣かれると、気が滅入るんだよ」
 そう言って、あの日姉貴にしてやったように、髪を撫でてやる。
「…」
 一撫でする度に、段々と思考が停止していく。
「……ヒカリ、様?」
「馴れ馴れしい」
「――あ、照れてますか?」
 優しくしてやりゃこいつ…。
「もう良い。今度こそ寝る」
 ベッドから起き上がろうとすると、彼女が俺の手首を掴む。
「一緒に寝ましょう」
「ふざけんな」
 しかし吹っ切れたのか、あまり動じない。
「仲直りしたいです」
「余計なお世話だ。元々そんな仲でもないっつの」
「じゃあ、もっと仲良くなりたいです」
 この野郎……。

 俺もどこまで気が変になったのやら、ベッドの上で彼女と隣り合わせで横になっていた。
 きっとこれは酒のせいだ――と、現実逃避する意欲もない。
 何つうか、呆れて力が抜けてしまった。同時に、毒気とか諸々も。
 心を許せそうだった。さっきまでのことを、全部ゴメンナサイと謝ってしまえそうなくらいに。
「……」
「ヒカリ様? 涙が…出てます…」
 冷たい指が、目元に触れて教えてくれる。
 どうしたら良いのか分からない。怒る気は失せて、ただ放心状態のまま、自然と泣けてくる。
「…泣いて下さい。私がずっと、傍にいますから」
「泣き虫の癖に」
 羨ましいくらいの、純粋で健気な心。こっちの荒んだ心まで洗われるようで、涙はその副産物か。
 向けられた感情が、俺を大きく揺り動かす。最初はそれが嫌だった。
 真摯になんて、なりたくない。今までずっと俺は俺のままでやってきた。それなのに――。
「俺の…馬鹿」
 こいつを拠り所に出来る安心感が、今は上回る。
 嬉しいんだ――俺は。

「お前は時計の癖に寝るんだな」
「主に視覚的記憶の整理の為です。ヒカリ様の表情を、しっかりと……思い出します」
 こいつに記憶されている俺の顔は、多分恐いのかもしれない。
 今は作り笑いすら出来そうな気分じゃないが、今度元気な時は、笑ってやろう。
「……なぁ、聞かせてくれ。何で、俺にそこまで? お前が部屋に居なかった時、俺は姉貴の所に逃げ帰ったかと思った」
 すると、俺の片手を握りながら、ゆっくりと口を開いた。
「私は、あなたの――そしてアイコ様の為に、作られました。最初はただ、言うことを聞けば良いと…でも、違うと分かったんです」
 手が、温かかった。昔、姉貴と手を繋いだ時の、そんな温かさ。
「冷たくされて、悲しかった。でもそれは、あなたも同じような気持ちでいたから――だから、私が力にならなきゃって」
「じゃあ、ひょっとして俺を探しに?」
 顔を向けると、ゆっくりと頷いた。
 ……分かっていたんじゃねえか、俺は。なのに鍵かけて、立て篭もったりなんかして。
「拒絶されても私、ヒカリ様が心配で…えと…私…」
「もう良いよ。何か、恥ずかしくなってきた」
「ごめんなさい」

「…はぁ、目覚まし時計に慰めてもらえるなんてな――あ、お前…名前は?」
「チーです」
「じゃあチー、明日はちゃんと起こせよ。起こさなかったら……怒るかもな」
「大丈夫です。ヒカリ様の為に、どんなことがあっても必ず起こします」
「ありがとよ、チー」
0284名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 23:40:42ID:vouyJ92c
おしまいです
女の子を虐めるお話を書くのは、結構心が痛みます
0289名無しさん@ピンキー2009/09/04(金) 01:08:42ID:Hom8on1F
スレの補修に参りました
0291名無しさん@ピンキー2009/09/12(土) 18:34:48ID:80xHJnjt
保守
0292名無しさん@ピンキー2009/09/21(月) 11:08:52ID:7uo3Te1F
保守
0293名無しさん@ピンキー2009/10/02(金) 10:50:56ID:eFJ5+up0
保守
0296名無しさん@ピンキー2009/10/04(日) 17:23:26ID:Bik5gozc
「ただいま。」
仕事を終え帰宅すると、
「お帰り。お疲れ様。」と
彼女が笑顔で迎えてくれた。
彼女が「ご飯にする?それとも、お風呂?」と
聞いてきたが、俺は「両方いいや。」と言って、
部屋に入っていった。
元気の無い俺の表情が気になった彼女が、すぐに追っかけてきた。
部屋の明かりも点けず、隅っこでうずくまる俺。
彼女が「どうしたの?」と聞いてきた。
彼女に心配を掛けたくなかった俺は「何でもない。」と言った。
彼女は「・・・でも。」と言ったが、俺は思わず「ウッセェなぁ。
何でもないって言ってるだろっ。」と声を荒げてしまった。
・・・しばらく、気まずい空気が流れた。
俺は「ごめん。本当に何でもないから。」と言った。
彼女は「何でも無いなら別に良いけど、
私、頼りにされてないのかな?」と寂しげに呟いた。
俺は彼女に悪い様な気がしてきて、悩んでいる事を打ち明ける事にした。
「・・・実はさ、仕事で初めて大きな仕事を任されたんだ。
誰にも頼らないで頑張るって決めたのに、結局何1つ出来なかった。
出来なかったって言うか、みんなに迷惑かけてしまったんだ。
何やってんだろうな、俺。本当に馬鹿だよ、俺は。」
我慢していた気持ちが、涙となって出てきた。
拭っても拭っても、流れる涙を止める事は出来なかった。
「ごめんな。結婚した相手が俺みたいな弱虫で、
情けないヤツでさ。本当に、俺は馬鹿だよっ。」
そう言って、俺は彼女に背を向けた。俺の肩が震えていた。
彼女は「情けなくないよ、弱虫なんかじゃないよ。
大きな仕事任されて、頑張る事は良い事じゃない。
例え、上手く出来なかったとしても、次頑張れば良いじゃない?
だから無理しないで。今は、私に思いっきり甘えて。」
彼女の言葉に我慢していた気持ちが溢れ出てきた。
彼女に抱き付き、彼女の胸で声を上げて泣く俺。
そんな俺を彼女は、優しく抱きしめてくれた。
いつの間にか俺は、泣き疲れた子供の様に彼女の胸で寝てしまっていた。
0297名無しさん@ピンキー2009/10/05(月) 21:55:58ID:vFADMgCH
>>296
GJ!
男には悔し涙が流れるときもある…。
そんなときに包み込んでくれる暖かさがあるというのは、
本当にありがたいことだと思う。
02992962009/10/09(金) 22:32:21ID:X1SZJ19C
男が女性を慰めるパターンを思案中。
出来次第、投下予定。
(注意・似たような内容になるかも知れません)
03002962009/10/13(火) 20:51:48ID:dmSF9c9q
泣きながら走り去る彼女を見かけた俺は、彼女を追いかけた。
追い付き彼女の手首を掴んだ。
「ヤダ、離して。来ないで。」
俺を見るなり、抵抗する彼女。
いつも俺に対して強気な態度を見せる彼女。
そんな彼女の初めて見た涙に、
俺は動揺しつつも彼女に尋ねた。
「何かあったのか?」
彼女は「関係ないでしょ。私の事
なんか放っておいてよ。」と悲しげに言った。
彼女の態度に、俺は
「ほっとける訳無いだろ。」
苛立ちながら言った。
外で言い争っていては、周りにジロジロ見られると思い、
距離が近い事もあり、俺の家に彼女を連れて行った。
家に着いても、彼女は黙ったままだ。
俺は「何かあったのか?」と尋ねた。
彼女は呟く様に「私は、私なりに自分の仕事を頑張ってきたつもり。」 と言った。
俺は「あぁ、お前が頑張っている事は、俺知ってるよ。」と言った。
彼女は「・・・でも、ある人に言われたの。」と震える声で言った。
聞き辛かったが、俺は
「何か言われたのか?」と彼女に尋ねた。
彼女は泣くのを必死にこらえ
「アナタの頑張りなんて、何の役にも立って無いのよって。」と言った。
続けて「私は私なりに一生懸命頑張っているつもりなのに。」と
泣きながら言った。泣きじゃくる彼女を見て、
俺も悲しくなってきたが、気丈に振りまい
「言わせたい奴には勝手に言わせておけよ。お前の頑張り認めない
奴がいても、俺はお前が頑張っているの知ってるからさ。」と
言って彼女の頭を撫で優しく抱きしめた。
彼女は、俺の胸の中でワンワン泣いた。
俺は、彼女が泣き止むまでそばにいた。

0301名無しさん@ピンキー2009/10/14(水) 18:10:07ID:wVQGmaxC
GJです。
僭越ながら少し指摘させてもらいますが、
誰が、や、〜と言ったはあまり書かない方が読みやすいですよ^O^

全く使わないのはキツイですけれど、ある程度なら誰が言ったとかは分かりますし。
と言った、に関しては1つ2つ使う以外は全く使わなくても大丈夫ですよ。

俺も久しぶりに書こうかな、長編はヤだけど・・・

0302名無しさん@ピンキー2009/10/28(水) 22:17:32ID:d1UDGRoz
保守っ!
0303名無しさん@ピンキー2009/10/29(木) 03:12:03ID:j9Ei+0RV
TONOのラビットハンティングって漫画がガチでこのスレ向きのシチュでオススメ
少女マンガだから性描写はないけど、美少女が主人公を体で慰めてくれるよ
0305 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:28:33ID:jHYVaTjA
前半部分投下します。

・PC規制中な為携帯からなんで改行や区切りがおかしいのは見逃して下さい。
・ストーリー性はあまり重視してません。

上記に当てはまらない方やスレチなら、誘導や鳥でNGお願いします。

0306 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:31:10ID:jHYVaTjA
僕の大好きだった同級生に、彼氏が出来た。
相手は、一学年上の先輩。しかも、僕の部活の先輩だった。
正直な所、あの段階では心のどこかでまだ諦めが付かずにいた。
その子とかなり親しくなっていたのもあってか、かなり深い悩み事まで相談されるようになっていたからだ。
まだ、頼られているんだなぁって。


でも。
ある日から、何気なくこんな相談を持ちかけられ始めた。

――男の人って、どこら辺弄ると気持ちいいのかな?

――精液って、不味くは無いね。

――手繋ぎでしょ、ディープでしょ、フェラだっけ? それもしたんだぁ。

――次に先輩にスク水見せなきゃいけないんだけどどうしよう?


もともと、この子はそういう話題が好きだったし、僕は『その人の好み』と割り切っていた。
それが『先輩との話』に変わっていったのはとてもショックだった。
この時、二人が付き合いだしてから二か月経っていたかどうか。
たったそれだけで、二人の仲はかなり進んでいて、目の前の人は遠い所に行ってしまっていた。


先輩を恨んでも意味がない。恋愛は自由だから。
泣いても、意味がない。涙は真実を覆せないから。

その事に気付き、僕は今まで通りにする他なかった。
0307 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:32:14ID:jHYVaTjA
「英介くん」
「うわっ?」

ふと学校帰りに後ろから呼ばれたとき、とても驚いてしまった。

「何深く考え込んでたのかな?」

振り返って声の主を認める。

「…あぁ、陽菜先輩。いや、まぁちょっと色々ありまして」

声の主は陽菜(ひな)先輩だった。
陽菜先輩は僕の近所に住んでいる先輩で、小学校から色々お世話になっている頼もしい先輩だ。

「色々って、どうせゲームの事でしょ〜?」

こっちにはお見通しなんだぞぉ、と言いながら、ニヤニヤしながら突っつかれる。

「いや、生憎ゲームじゃないです」

そんなにもゲームマニアと思われる程に僕はゲーム好きではない。
…多分。

「ありゃ、外しちゃったかー。私も勘が鈍ったねぇ…」

そう苦笑しながら、距離を詰める陽菜先輩。ふわりと僅かに、先輩の香水らしき匂いが漂った。
…この仕草で、僕は今の返答が墓穴を掘っていた事に気付いた。
でも、もう遅かった。

先輩は『世話好き姉御』の異名を持ってるんだった。今ので感づいたかもしれない。

案の定、次の質問は――

「じゃ、別れちゃったんだね、あの子と」


…僕は観念して頷いた。
0308 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:35:27ID:jHYVaTjA
唐突だけど、ここで一つの説明をしようと思う。陽菜先輩が『世話好き姉御』と呼ばれる由来だ。

まず、人に世話をするのが大好きだ。ついでに、それがとても上手い。
世話が上手い、というのは『世話の仕方が適切』とも言えるだろうか。
何せ、無闇に首を突っ込む訳でもなく、必要な時にこそ世話をしていくのだから頼りになる。

とにかく本当に世話が大好きな頼りがいのある先輩。だから、『世話好き』の異名がある。


でも、もう一つの『姉御』の方が陽菜先輩の凄い所だと思う。
それは『経験が豊かだからこその』とでも言いたくなるような、勘の鋭さ。
まぁ実際先輩曰わく、「経験じゃなくて勘だよ、勘」だそうなんだけど。

でも、そう、陽菜先輩は僅かな素振りでも何かを見つけるからこそ、核心をついた的確な『世話』が出来るんだっけ――
0309 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:38:15ID:jHYVaTjA
* * *

歩きながら事の顛末を話す。
まぁそんな長く掛かるような話じゃなかったし、僕自身最悪な所もあったのは分かりきっている。

でも陽菜先輩はそんな懺悔からすら何かを見出していたんだろう。
時々返される言葉は、僕にとってとてもありがたい言葉ばかりだった。

「ほら、上って。あぁ大丈夫、私一人暮らしだから」
「…すみません。お邪魔します」

情けない話だけど、歩いている内に泣いていた。そんな僕を、先輩は自身の家に連れてきていた。どうやらまだ話を聞いてくれるらしい。


「ま、これでも飲んで」
「…ありがとうございます」

初めて先輩の部屋に通された僕は、先輩の出してくれたジュースを少しずつ飲みながら話を続けた。
いや、もう独白だった。自分でも驚く程、次から次へと何かが口から出ていく。


気がついた時、三十分近くも殆ど一方的に喋っていた。

「すみません、こんなに…」
「いや、気にしなくて良いよ。こういうのは話せば大分楽になるんだから、それを聞いてあげるのも大切だし」
「…ありがとうございます。もう大分落ち着きました」

先輩にお礼を言い、そろそろ失礼しようと思い立ち上がろうとして。

「落ち着いて、無いでしょ」

――先輩に、睨まれた。
0310 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:41:39ID:jHYVaTjA
* * *

「……無理、しないでよ…」
「せん、ぱい…?」

気がついたら、先輩に強く抱きつかれていた。そのため、先輩の鼓動がほぼ直に伝わってくる。

「英介くんは無理してる…」
「い、いや、してませんよ」

慌てて答える僕。
しかし、先輩には通じなかった。

「嘘つき。さっきまでのえーくん、辛そうだった」

さっきまで俯いていた先輩が、今度は直視して問いかけてきた。その先輩の目には何故か涙が浮かんでいて。
懐かしい呼ばれ方をされたのもあって、僕は思わず目線を逸らした。

「…いや、もう大丈夫です。だから、離してくれませんか」

これ以上、先輩に甘える訳にも行かない。
僕は先輩に腕を離して貰うように頼んだ。が、

「…わたしがえーくんの辛いのを世話してあげるから、それまでは駄目」
* * *
0311 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:43:37ID:jHYVaTjA
「…っ、あ、あ…っ」
「ん…んふぅ…耳、弱いのかな…?」

ぺろぺろ、ぺろぺろ。
僕をしっかり抱きしめた状態のまま、ゆっくり、じっくりと僕の右耳を舐めていく陽菜先輩。

先輩に密着されている事で、先輩の温もりが伝わってくる。それが僕を余計にどきどきさせた。

「…あ…っ、ああっ…ん、んんっ…」

情けない声をあげてしまう僕。
だが、逃れようにもそのためには先輩を突き放さねばならず、そんなことを大切な陽菜先輩に出来るはずもなかった。

「ふふっ…えーくん可愛い…」
「か、可愛いって先輩、それはあんまr――んぁっ! ん、んんっ!」

反論を得体の知れない感覚で遮られる。陽菜先輩はズボンの上から、やや強めに僕のそれを掴んだからだ。

「ひ、陽菜先輩…?」

何故か急に怖くなって、先輩の顔をみた。

「あれ、もしかしてえーくん…しないの?」

わずかに楽しそうな顔を浮かべている陽菜先輩に対して、僕は何を聞かれているのか分からなかった。

「陽菜先輩、一体…何を?」
「あれ…そっかぁ、えーくんなら少なからずそうじゃないかなって思ったんだけどな。本当にそうだなんて♪」

僕の反応に何故か喜んでいる陽菜先輩が居た――

* * *
0312 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/15(日) 21:47:02ID:jHYVaTjA
前半投下終了。
0313名無しさん@ピンキー2009/11/17(火) 19:38:37ID:Nsgh53qu
期待age
0316 ◆5HK3PFR6tg 2009/11/27(金) 21:33:42ID:u2j8SxnC
後半書いていたら陽菜先輩のキャラが少し変わってきてしまった(´・ω・`)
現在再構想中ですorz

なるべく前半と一致させますが、矛盾するかも
その辺り見逃してくれると助かります。
0317名無しさん@ピンキー2009/12/03(木) 16:41:35ID:PoCQNFJG
保守
0318名無しさん@ピンキー2009/12/13(日) 16:01:12ID:HcZz5doZ
保守
0319ASDFGHJL2009/12/14(月) 14:51:00ID:WXQGou5k
保守
0321名無しさん@ピンキー2009/12/31(木) 03:12:24ID:VCRRf93W
保守
0323名無しさん@ピンキー2010/01/17(日) 15:51:09ID:Rf/3f196
保守
0325名無しさん@ピンキー2010/01/30(土) 15:46:57ID:0Qz5gl7U
保守
0327 ◆5HK3PFR6tg 2010/02/01(月) 23:12:26ID:pwDxa6BX
ようやく規制解除…しかしHDD全焼orz


復元、完成次第即投下しますので今しばらく保守お願いします…
0331名無しさん@ピンキー2010/02/21(日) 21:27:29ID:fNsMIRYj
じゃあ保守しよう
0338名無しさん@ピンキー2010/03/20(土) 17:20:21ID:ROaSybg5
保守
0339名無しさん@ピンキー2010/03/27(土) 10:19:31ID:T126UG+R
こういうのいいよね
0340名無しさん@ピンキー2010/04/17(土) 21:32:26ID:AIKH1m4Y
保守上げ
0342名無しさん@ピンキー2010/05/01(土) 01:33:06ID:/1iFg286
大丈夫、貴方がどんなに過疎ったって
私が保守するから。
0343名無しさん@ピンキー2010/05/19(水) 18:52:34ID:SMJhyIxz
守ろう・・・
0345名無しさん@ピンキー2010/07/27(火) 00:24:55ID:DCrlN6uC
0348名無しさん@ピンキー2010/09/23(木) 18:05:53ID:IYQhw27o
ほしゅ
0349名無しさん@ピンキー2010/10/27(水) 13:18:16ID:tIr5jCXE
傷ついた…………
0351名無しさん@ピンキー2010/11/10(水) 18:21:58ID:ah7m6uam
素晴らしいスレ

なんでいままで気付かなかったか謎なんだが

という訳で保守
0355名無しさん@ピンキー2010/12/09(木) 14:29:06ID:welul9DZ
>354
海老蔵に名誉を傷つけられ、身も心もぼろぼろになった梨園たんが、
追い討ちのように池上さんに「解説したくないです」って言われちゃうの?
0357名無しさん@ピンキー2011/01/21(金) 16:01:31ID:qXjutIet
良スレのにおいがするのに過疎区か
0359名無しさん@ピンキー2011/01/29(土) 22:44:28ID:neZtNKHg
最近、お兄さんが元気ない。

お兄さんは、私の家が経営している町工場の職人さんで、真面目に働く優しいお兄さんだ。

じつは、何を隠そう私はお兄さんのことが好き。
私はまだ中学生になったばかりだから、お兄ちゃんには妹みたいにしか扱われていないけど、いつかは一人の女の子として、お兄さんの彼女になれたらいいと思っている。

とにかく、元気のないお兄さんは、いつもの明るいお兄さんに戻ってもらいたい。
そのためには、私が何とかしてあげたい。
慰めてあげたい、励ましてあげたい。


(数日後)


お兄さんの同僚、つまり私の家の工場の他の職人さんから事情を聞いた。
お兄さんの落ち込んでいる原因。

彼女に振られたから、だそうです。

ちょっ! し、ショックでかっ!!
まさか、お兄さんに彼女がいたなんて!? しかも年上!?
いままで誰のお手つきもないと信じていたのに、私の知らないところで他の女の子とおつきあいしていたなんて!!
ぐわーん、ショックがでかすぎる〜っ!!

・・・・・・いや、私のショックなんてこの際どうでもいいんだ。
問題は、お兄さんがその女の子に振られて、落ち込んでいるということ。
私が受けたショック以上の、超ドレッドノート級の大ショックを受けていたんだってこと。

よし!
とにかく、お兄さんを励ますぞ!
頑張れ私!


(翌日)


お兄さん、元気出して。

私がそういってお兄さんを励ますも、なかなか素直に元気が出てくれない。
このままでは根本的な解決には至らないと判断した私は、もっと踏み込んでみることにした。
どうして振られたのか、その理由を聞いてみた。
お兄さんはなかなか口を渋っていたのだけれど、私の気迫に押されてか、ようやく打ち明けてくれた。

おちんちんがちいさいんだそうな。

ち、ちんちん!?
つまりそれは、お兄さんとその彼女さんは、すでにセックスした間柄だということ!?
お兄さんのおちんちんを、女の子の穴に入れてぐちゅぐちゅと出し入れしたってことなの!?
またしても超弩級のショックだ。お兄さんの童貞は、私がもらっちゃおうと狙い定めていたというのに!!

・・・・・・落ち着け私。
ものの書物によると、こういう風に女性から持ち物の程度を貶められると、男性は激しく落ち込むのだそうな。
お兄さんのショックは、計り知れないほど大きかったに違いない。私がショックを受けている場合じゃない。

よし! 覚悟を決めろ、私!!

0360名無しさん@ピンキー2011/01/29(土) 22:45:33ID:neZtNKHg

いま、ここはお兄さんのお部屋。
悔しいことだけど、お兄さんは私を女の子と見ていないから、二人っきりだというのに少しの気兼ねもしてくれない。
立ち上がった私は、卓袱台越しのお兄さんに立ち上がるように促す。
何も疑うことなく立ち上がってくれたお兄さんを、私は友達から教わった柔道技の払い腰を極めて、ベッドに沈めた。
びっくりするお兄さんの上に私はまたがって、言った。

「だったら、私のあそこと、きっとサイズがぴったりだよ!」

私の慰めの言葉に、お兄さんは微妙な顔をした。
あれ? 逆効果だった?

とにかくもう、後には引けない。
お兄さんに、私の気持ちを打ち明けた。

「好きなの、大好き、お兄さんが大好きなんです!」

ここはとにかく、押しまくらないと。
頭の中で、お兄さんを思ってオナニーした侘びしい夜を思い浮かべると、自然と涙が出てくる。
乙女の涙を加えた目力でお兄さんを見つめると、お兄さんにも乙女の思いが伝わったようで、優しく私を受け止めてくれた。

そして、年の差がどうとか、私の身体がどうとか、なかなか私と性交に踏み切ってくれないお兄さんを、なんとか説得。
ようやく二人、愛の交歓に至りました。


もちろん、私は処女で、セックスは初めてですが、何とかなるでしょう。
いろいろな本を読んで勉強しましたから、問題ありません。
空手で言うならば、通信教育黒帯と言ったところでしょうか。
それに、お兄さんには申し訳ないけれど、お兄さんの持ち物が小さいというのであれば、発育途上の私の持ち物でも対応可能だと思われるわけで。

感動のファーストキスのあと、お互いが服を脱いでいざ結合、と向かい合いました。
とにかく、お兄さんに自信を持ってもらえるように、お兄さんのちんちんを褒めてあげないといけません。
可愛い、・・・・・・はダメだ。お兄さんの自尊心に乾坤一擲トドメを刺してしまいそう。
ここはやはり、『私にはじゅうぶんおおきいよ』、これにつきる。
『凄い』とか『グレート』とか、そういう形容詞付けた方がいいのかもしれないけれど、ここは中学生の女の子らしく、つたない語彙で素直に驚いてあげた方がいいと思う。
『私には』を付けることで、お兄さんには私しかいないことを強調できるわけだし。
というわけで・・・・・・

「・・・って、で! デカっ!!!!」

ちょ! なにこれ! でかい、でかすぎる!!
あまりの衝撃に、あれこれ想定して褒める予定だった言葉なんてすっ飛んでしまった。

いや、ありえないし!!
ビデオで見たAV男優さんの持ち物なんか、軽く凌駕しているし!!
まだ勃起しきっていない不完全な状態で、すでにAV超えしてるし!
写真で見た、黒人の真っ黒ちんちんもかくや、ってくらい、大きいし!

間違いなく、これは日本人のおちんちんとしては規格外だ。いわゆるウタマロ、500mlペットボトル、とにかく巨根。

お兄さんを振った元カノさん、本気でこのビッグマグナム黒岩先生を、『小さい』とか蔑んだのだろうか。
だとしたら、よっぽどガバガバな持ち物をお持ちなのでしょうか。
♪巨根、土管、ピッタンコ、と『ど根性ガエル』のようにはいかなかったというのでしょうか。

「本当に、このおちんちんで、その人を満足させてあげられなかったんですか?」

私が思わずそう聞くと、お兄さんはばつが悪そうに答えてくれました。
その女の人は、お兄さんのこのちんちんを見て『小さい』と詰ったあと、服を着て出ていってしまったのだとか。
0361名無しさん@ピンキー2011/01/29(土) 22:47:50ID:neZtNKHg

というか、何となくわかりました。
その元カノさん、このちんちんを見て、びびったんでしょう、臆したんでしょう。
だけど、お兄さんより年上のプライドから、『小さい』とか真逆の言葉で詰って逃げ出したのでしょう。
と言うことは、お兄さんの童貞はまだ守られていたのです。やったね!

・・・・・・って、まてよ?

ということは、大人の女も逃げ出すドレッドノート級、もとい、超々々弩級の戦艦大和が装備した45口径砲が、まさにいま、私を狙っているということだ。
私の、中学生女子の持ち物と比較すると、細いマカロニの穴にフランクフルトソーセージを突っ込もうとしているわけで。

「ちょっ、まっ、やっ、ダメ、お兄さん、タンマタンマ!!」

いや、こんなの、『痛い』じゃすまないって!
裂ける、裂けちゃう!!

「ひ、ひぎぃーーーーーっ!!」




男の人が読むエロ漫画で女の子が『ひぎぃ』とか叫ぶの、嘘くさいって笑っていた私の黒帯は、所詮、通信教育でしかなかったようです。





(後日)



結局、お兄さんとの性交は最後までできませんでした。
あまりに痛がる私を見かねて、途中でやめてくれました。
先っぽが入ったくらいだったのですが、そこまでが限界だったようです。


結果として、お兄さんは自分の持ち物が小さいなどというコンプレックスから解放されました。
いちおう、私という可愛い恋人もできて、元気になりました。
ただし、まだセックスはできませんから、当面お兄さんの性欲は、私のお口や手のひらで愛してあげるしかありませんが、こっちの方はおかげさまで、かなり上達できました。



とにかく、私は身体を大人に育てて、早くお兄さんを受け入れられるようにならないといけません。

ようし、がんばるぞ!!




EOT
0366名無しさん@ピンキー2011/02/02(水) 14:03:39ID:NfXzkqbM
あげ
0367名無しさん@ピンキー2011/02/06(日) 20:28:12ID:4HTZToS2
age age AGE!
0369 忍法帖【Lv=4,xxxP】 2011/03/04(金) 21:03:24.31ID:BJ5b77T+
age
0373名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/14(火) 21:10:43.09ID:O5yGmtT+
別スレに投下していた話の続きを書こうかしら
0374名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/19(日) 20:53:04.97ID:x/7DYTG+
うむ
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