茎表面の濁液を拭い清めた。タオルを使って唾液の粘り気を拭いとり、トラン
クスをかぶせた。ズボンは男が自分で整える。
香織は唇の端にくっついていた白樹液を舌で舐め取り、恍惚の光を双眸にき
らめかせる。
「ふう、おいしかった」
「俺も、気持ちよかったです」
欲を満たしあった男女が視線をつなげ、ほほえみあう。
「もう、向こうへ戻らないとね」
「はい。仕事がんばりますよ」
「頼んだわ」
ふたりとも気持ちを仕事モードに戻した。それでも香織は一瞬、オンナの顔
になって、彼の頬に“ありがとう”のキスをした。男はさっと香織の胸へ手を
伸ばし、きゅっとふくらみを握って応える。「あん」と悩ましげな声をあげた
彼女へ目で笑ってみせて、先にフロアへ戻っていった。
(終)