「なるほど……そーいうこと…………」

状況を把握したシャドウレディは少し悔しそうな顔を浮かべると自身の状態を確認する。

脇腹やブーツの上部などは破れてはいるものの、まだ大切な場所が露出してはいない。

だが先ほどリフレッシュアップの衝撃で弾き飛ばしたワイヤーが身体に巻き付き、身動きが取りづらい上に胸や股間にも針がかかり、うかうかしていられない状況ではあった。

「これはキャットでいくしかないわね」

彼女としても想定外の出来事にキッっと真剣な表情を見せる。

エキスパートチェンジを使用する事を選んだのも本気の表れなのだろうが、彼女にとって想定外の出来事はこれだけではなかった。

「くっ……て、手が…………」

辛うじて右手の自由は生きているものの、左手にワイヤーが複雑に絡みつき動かせない状態となっていた事に気づく彼女。

マジックアイシャドウは左腕のマジックブレスレッドに格納されているのだが、咄嗟に受け身を取ろうとしたのであろうか、左手の甲を腰に密着するような体勢となっていた。

動くと破れかねないのだが、四の五の言っている状態ではなく、まだ自由のきく右手でマジックシャドウを取るしかない。

しかし絡みつくワイヤーや釣り針の間を縫って右手を伸ばそうとするが、あと一歩の所でブレスレッドまで届かなかった。

「……まずいわね」

無理に動かせばピリピリと音を立てている部分があちこち破れかねないが、このままの状態でも状況が改善されるわけでもない。

シャドウレディとなった彼女にとって、恥ずかしさなどはなかったが、男の欲望に満ちた罠にかかって思い通りにされるのが気に入らなかった。

キャットになったら切り刻んで同じ目に合わせてやると、心に決めた彼女は意を決する。

「覚えてなさいよ!」

彼女は好色そうな目で見る男たちを睨みつけると、一思いに右手を動かしブレスレッドを掴む。

「やったぁ!」

そう歓喜の声を上げたその瞬間である。

ビリビリビリッーーーー!!

「きゃぁっ!!!」

盛大に衣服が破れ、身体がストンっと落ちる感覚に襲われる。

幸いに地上まで落下してはいないようだったが…