嫌われる女の子
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寂しくてオナニーとか寂しくて逆レイプとか仲直りして和姦とか
そんなスレ 寝る前に妄想シチュだけ
学園もの
男:生真面目かつ努力の鬼。
しかしながら子供の頃から女には勉強もスポーツも勝てず二番手に甘んじてきた。
女に対して強烈なライバル意識とコンプレックスを持つ。
かつては女の事が好きだったが、現在は女への対抗心と嫉妬でそれどころではない。
女:男の幼馴染み。
所謂リアルチートで勉強、スポーツ、容姿全て断トツトップ。
しかし、本人はそれを全く鼻にかけない良い子(それが更に男のコンプレックスを刺激する)。
幼いころから男一筋を貫いてきたが、最近男が冷たい(本人目線)ので心を痛めている。
夢は男のお嫁さんと精神的にファンシー。
・期末テスト。
男、プライドにかけて女に勝とうとするが全敗。
悔しさの余りテストを見せに来た女(悪気なし)に当たり散らし、終いには行為を強要する男。
ひとしきり終わった後、自分の行いの惨めさに気付いた男、更に責めを激しくしてゆく…
陳腐過ぎるか? 陳腐と評されるのは、良く使われるネタだからであり
良く使われるネタということは、それだけ受けが良いネタだということだよ >>181
良いね、当然男からそんな目にあっても自分が悪いのだと思い込んで
男に対して気遣いをみせたり健気な行いをして
余計に男の劣等感と惨めさを煽り立てちゃうんですね。
好きな男に性的暴行を受ける見た目も性格も最高な女の子可愛いぜ >>181
このスレに相応しいおにゃのこだ
心身共に男の手でズタボロにされるところを是非詳細に書いて欲しい ∧_∧
⊂(´・ω・`)つ-、
/// /_/:::::/
|:::|/⊂ヽノ|:::| /」 SSの投下はまだかね。
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
/______/| |
| |----------| | しかし・・・「嫌われる女の子」と一言でいっても
状況を色々想像できるわな。
嫌われてるのは「俺」なのか?「彼女」なのか?そしてそれは「周り」からもなのか?
* 俺は彼女に嫌われている、だけど俺はみんなの人気者。嫌っているのは彼女だけ。
* 彼女はみんなから好かれている。俺はそんな彼女が大嫌い。
* 実は俺は苛められっ子。彼女もみんなも俺を嫌っている。
* 彼女は周りの嫌われ者。もちろん俺も大嫌い。
* 彼女はいわゆる苛められっ子。周りは嫌ってるけど、実は俺は・・・
あとはどんなパターンがあるかな? >>191
このスレ的には2番目4番目5番目が王道かな
基本的に周囲から嫌われてる、対応するべき男から嫌われてるがこのスレ担当かと
まぁ投下も無いし下手に変則気味な設定を排斥すると更に投下が遠のきそうだが 内気で口べたで友達がいないっていうのは「嫌われる」に入らないかな >>193
そのキャラで好きな男に嫌われたりしてたら最高だな >>194
奥手だから男を好きになるっていうのが
まだわからない、ってことにしたいんだけど
でもそうすると年齢設定をどのあたりにすると萌えるんだろう…
いっそ一桁にしちゃおうかしら >>195
いや別に高校生くらいでも、家(親)が厳しくて (所謂「良家・名家」だとなお萌え)
未だに「男女7歳にして席を同じゅうせず」・・・という考え方で
幼稚園からずっと女子校で過ごしてきたんだけど、親のどっちかが
「このままじゃアカン。ずっと同性ばかりの環境じゃ、社会に出てもやっていけない」 と、共学の高校に入れる・・・
って、状況ならイケるんじゃないか?
(まぁ・・・大学生でも社会人1年生でも、この設定は生かせるんじゃない?)
「男の人って恐そうだし、どうやって話しかけていいかわからない。
だけどあのひとが気になるの・・・」
とかいって。 >>195-196
だけどその女の子が好きな男は一々びくびくオドオドする女の子が嫌いなんですね ときめもの伊集院レイとかがこのスレにあってるかもな 保守がてら投下。
鬱?と直接的表現ではないが死の描写注意。
NGはタイトルでお願いします。 拝啓 あなたへ
あなたがこの手紙を読んでいるということは、やはり私の処刑は執行されたのでしょう。
無念ですが、あなたが望まれたならば、致し方ありません。
ですが、死んだとしてもこれだけはあなたに伝えたいと思い、筆をとりました。
どうか最後まで読んでください。
あなたは、私があなたを暗殺する為に嫁いだと思われているでしょうが、それは違います。
今までも何度も否定しましたが、私はあなたの事を本当に愛しています。
確かに私の実家は、梟雄として知られた家です。
私の父は農民から身を立て、裏切りや謀略を繰り返して一代で大名に成り上がった男です。
私との婚儀も、重臣の方々が乗っ取りを懸念して反対していたことも存じています。
その反対を押しきって、私を妻に迎えて下さった日の事は、今でも忘れません。
信じては下さらぬでしょうが、私はあなたに妻に迎えて頂いて、本当に幸せに思ったものです。
このまま幸せな一生を送ることが出来れば、どれほど幸せであったでしょう。
あなたもあの頃は、私の事を憎からず思って下さったのではないでしょうか。
しかし、私の姉が嫁いだ大名が急死し、父がその領地をを併呑した時から、私の幸せは終わりました。 私はこの家の者としてではなく、父からの刺客である毒婦と見られました。
あなたも初めは私の事を信じようとして下さって、私は望外の喜びに浸ることが出来ました。
しかし、重臣の方々からの讒言をお信じになり、私への寵愛は消えてゆきました。
毎日のお渡り(寝室への訪い)もおざなりになり、お手紙を差し上げても、返書が絶えて久しくなりました。
それまでの夜はあなたと共に過ごすのが常だったので、私の寝室はあなたの残り香だけが寄り添うのみになりました。
あなたが好みと仰った大きい乳房も、太く逞しい指でまさぐって下さった女陰も 、訪れるものもなくなった私と共に奥の間で放っておかれました。
私は雨の絶えた稲の様な心地でした。
あなたが私を嫌っていらっしゃる事は痛いほど分かるのに、私にはそれに対して申し開きも出来ず、ひたすらにあなたを待つことしか出来ませんでした。
無柳をまぎらわそうと物語を読んでも、あなたの事が頭を離れず、もて余す体を慰めてもあなたの指を思い出し、涙に暮れつつ果てました。
その内に侍女から、父を打倒するために私を正妻から廃し、別の家から妻を迎えると言う話を聞き、私はこの手紙を書く決心をしました。
あなたの下した断に対し、女であり妻である私は逆らうことは叶いません。
そもそも、あなたが死ねと仰るのなら、私はそれに応じたく思います。
ですが、死ぬる前にこれだけはあなたに伝えたく思います。
私はあなたを愛していました。
妻として女として、あなたの妻であったことを幸せに思います。
御仏のお導きで、再び夫婦として巡り会わんことを乞い願います。
その時は、今生の様に互いに背く定めにない、慈しみあえる夫婦になれんことを。 以上投下終了。
投下してから、ニーズがあるとは思えないことに気がついた。
古文の現代語訳みたいなノリで読んでいただけたら幸い。
それではスレ汚し失礼しました。 >>203-207
乙です
需要ならここにあります!
こんな嫁を俺も欲しい…そしてこんなけスレタイに合致してる話も珍しい >>207
GJです。
いま脳内を「大奥」のテーマが流れてる。w >>207
なんて可愛らしいお嫁さん
不憫過ぎる…
でも、なんか色々と欝萌えた どうせ転校するなら制服の可愛い所が良い。
香久山 遥は県内有数の名門、立畝傍学園中等部へ編入した。この学校へ入れるだけの学力を付けた動力源は、そんな14歳らしい発想によるもの。
入ってしまえばこちらのもの。2年B組で自己紹介をしながら、教室の様子を見る。大方の生徒は自分を歓迎してくれているようだし、外見で見れば然程珍妙な者もいない。
しかし、と思った。一人、目を引く女生徒がいた。
「綺麗…」
誰にも聞こえない声で遥は呟いた。
黒のポニーテールで纏めている自分とは対称的な赤毛のボブ。脚が非常に長く、身長は170cmを超えているだろう。一方で制服の上からしっかり形状が判別できるほど豊かな胸。
そして、転校生である自分に一切の興味を示さず窓の外を見る切れ長で闇を湛えた瞳。
遥はその大人びた少女の隣に席を当てられるが、それを聞いた生徒らが一斉に驚きとも嘲笑とも取れない反応を示した。
「あたし香久山遥。よろしくね」
着席と同時に隣の大人びた少女に声をかけるが、少女は「どうも」と言うだけで直ぐにまた窓の外へ視線を戻した。名乗りもせずに。
昼休み。遥は話題に飢えたクラスメイトらの格好の標的となった。昼食をとるだけなのに屋上へ連れ出される。相変わらず窓の外を眺めながら食パンをボソボソとかじる隣席の少女を尻目に。
屋上では前の学校や部活等に関して根掘り葉掘り聞かれた。供述調書でも作成する気だろうか?
「ところでさ」
遥は漸く自分から他のクラスメイトへ質問できた。
「あたしの隣の綺麗なコ、あのコって…」
その話題を出した途端、周囲のクラスメイトの雰囲気が一気に変化する。その内の一人、羽柴美佳が応じた。
「氷室さん…ね。正直あんまりあのコとは仲良くならない方が…」
歯切れが悪い。しかし遥にも、あの氷室という少女がクラスで歓迎されていない事は分かる。しかし理由は。
「何で?凄い綺麗だし落ち着いてるし…もしかしてダブってたりすんの?」
「じゃないんだ。ただ氷室さんって、施設出てきたばっかりだから」
氷室 命。一年生の頃に起こした暴力事件がきっかけで、暫しの間まあそういう施設に入れられていた。
その後も度々トラブルを起こす、県内最強の不良だそうだ。
「だから嫌われてる、っていうか恐くて人が寄り付かないのよね。氷室さん自身も友達作る気無いっぽいし」
恐いという表現は的を射ているかも知れない。 同年とは思えぬ美貌と、憂いを含んだ無表情な面構え。そして補導歴と来た。
「この学校って結構難関だよね?それに通ってしかもあんな綺麗なのに…」
人は見かけによらない。しかし、今も教室で一人食パンをかじっているであろう氷室 命が若干不憫にも思えた。
授業が済み、夕日に染まる校門を出る氷室 命。そこへ小柄な影が寄ってきた。
「氷室さん」
足を止め振り返る。隣席の転校生だった。香久山 遥とか言ったか。
「ね、電車通学なんでしょ。一緒に帰ろ?」
無言で遥を見返す命。黙って頷く。
直ぐに遥は後悔した。学校から駅までおよそ十分。その間、一切何らの言葉も発しない命。気まずい。業を煮やし、遥の方から話題を振る。振るが。
「ね、好きな食べ物は何?」
「特には」
「…ね、どんなテレビ見てる?」
「見てない」
「…ね、休日とか何してんの?」
「予習」
会話が続かない。新たな糸口を探す内に、呆気なく駅に着いた。
「えっと、あたし二番ホームなんだけど…」
「そう。さよなら」
素早く踵を返し、三番ホームへ向かう命の後ろ姿。私は三番ホームだから、ぐらい言ってくれても良いじゃない、と遥は毒づき、命の後ろ姿を見送る。
一つ息を吐き、命に背を向け二番ホームへ向かう遥。その遥へ、背後より命の声がかかった。
「香久山!」
名字呼び捨てかよ。更に毒づきつつ振り向くと、命も正面から遥を見ていた。
「私と仲良くしない方がいい。変な噂が立つから」
それだけ言って、今度こそ命は遥へ背を向けた。変な噂が立つ。つまり彼女も自身が敬遠されている事を知っていて、転校間もない遥が自身同様に敬遠されないよう忠告した。
「…良いコじゃん」
少し清々しい気分で遥は二番ホームへ降りた。
コンクリート剥き出しの冷やかな部屋。命の自宅には彼女しかおらず、当然食事も自分で作る他無い。制服を脱ぎ、タンクトップにダメージジーンズへ着替えてベッドへ横たわる。
寝転がりながらあの転校生を回想していた。彼女はクラスで孤立した自分を気遣ってくれていたのだ。しかし、そういう状況で彼女にどう反応したら良いのか分からない。
そもそも同年の女子との会話のすべを知らず、その為に彼女を邪険に扱ってしまったかも知れない。
「そんなつもりじゃ無かった…」
あの香久山遥は自分にとって初の友達に成り得た存在かも知れない。にも関わらず、自分は彼女に不快な思いをさせてしまった。 「どうして私は…あんなに口が悪い…」
友達が欲しい。本来は常にそう思っている。だがクラスの人間は自分の粗暴な面を熟知している。常に一人で暴れているから不良達にも仲間はいない。あの転校生ももう自分に近付いてくれないかも知れない。
「寂しい…寂しいよ…」
僅かに流れた涙を拭い、ベッドの上で体を丸める。知らず知らず、タンクトップの上から過度に肥大した自分の胸を揉み始めた。
「いけない…でも…遥…」
自分を心配してくれた転校生を思う。もう彼女は友達にはなってくれないかも知れない。だから、自分の頭の中では友達、或いはそれ以上の関係になりたい。
汗ばんできた。一旦胸から手を離し、ジーンズを剥がす。白いパンツの上からも蒸れた股座の様子が分かる。下着の下に手を入れ、女性器、乳房を直接手で触れる。
「んああ、遥ぁ…乱暴に触らないで…」
いつの間にか命は自分が遥に犯されている妄想に浸っていた。自分はいつもそうだ。粗暴で口汚い自分に対して、好意的に接してくれる者がごく稀にいる。命はそんな人物と出会う度に、その者に犯される自分を妄想し悦に入っている。
「ああ…遥あ、遥の指で私のアソコほじって…」
そう言いながら自分の指を差し込む。あくまでも今、自分を犯しているのは香久山遥である。制服の遥しか知らないので、その姿の遥を幻視しつつ指で局部を掻き回す。
「お、おっぱい好きなの?良いわ、舐めて…はむう!」
自ら乳房を持ち上げ、乳首にむしゃぶりつく。大きさに比例する訳でもなかろうが、命の胸は感度が強かった。
「ふあぁ、こっちも苛めて…そう、つまんで!」
両手で自分の乳房を揉みしだく。命の中では、遥は自分への気遣いを忘れて乱暴に責めてくる。そんな強引な性格だと既に設定されていた。
その設定に沿って乱暴に自らの胸を苛め、更に枕元からやたらと太いバイブレータを取り出した。
「ああ駄目…そんなに太いバイブ入らないのぉ…」
以前県を越えて遠出し、大人びた自分の容姿を利用して購入した。以来愛用しているのだが、今回は見たことも無い大型のバイブを遥が持ち出した、という設定に沿い、驚いた演技をする。
「あん、振動がアソコに伝わってくる…お願い遥…その太いの入れて…」
断っておくが遥は中学生であり、また不良らの仲間もいないので男性経験は無い。にも関わらず、遥は既に所謂処女膜を失っていた。 「痛いぃ!私の奥に太いの入ってくるぅ!中で震えてるのぉ!」
何故これ程具体的に状況を解説するのか。それはビジュアルを想像しやすいからであり、また他人に気持ちを伝える事が出来ない命にとってはこのタイミングが唯一の自己表現だった。
大型バイブを左手で女性器に固定し、振動を集約する。悶絶する命。
「奥!奥ぅ!ぶるぶる気持ち良いのぉ!遥も感じてるぅ?嬉しい、嬉しいよぉ!」
命の中ではバイブが双頭バイブに変換され、それを使って遥が自分と繋がっている。そんな幻が見えていた。
「は、遥ぁ!わたひの愛液飲ませて!」
垂れた自分の愛液を掌に受け、口に運ぶ。無論、命の中ではこの掌は遥のものだ。
「あ…もう駄目、イク!遥、私イッちゃうのぉ!一緒に来てえ!」
胸のサイズと反比例した細い腰が折れそうな程仰け反り、遥の幻を見たまま絶頂を迎える。
誰もいない、防音の完備された自宅。命は塵紙を幾枚も取り出し、濡れた自分の股座や世話になったバイブレータを掃除する。
冷静になり、命は一つ息を吐く。彼氏はおろか、友達も作れない自分。一度優しい人物と遭遇すれば、その人物に犯される自分がいて、以降その人物と純粋に付き合えなくなり、また親交の機会を失う。
分かっている筈なのに。それでも衝動を抑え切れない。明日、自分は香久山遥と純粋に接する事が出来るだろうか。それよりも、香久山遥は自分に接してくれるのだろうか。
「私は…私が嫌い」
自慰の最中でも付けっぱなしだった腕時計を外し、そこに隠した切り傷を見る。
「もう…切りたくない」
翌朝、氷室命は駅を出て何時ものように他の生徒から避けられながら学校へ向かう。その時だった。
「おはよ、氷室さん!」
駆けつけて背中を叩く小柄な少女。いや、中学生にしては自分が大柄なのだろうが。小柄な少女はコンビニの袋をぶら下げ笑んでいる。
「忘れたとは言わせないわよ?あたしは香久山遥。隣の席の」
珍しく命は周囲に目を配ってみた。自分を恐がる素振りのクラスメイト。そこに混じり、自分と明るく接する遥を嘲笑する風の面子が見られる。
そうした卑劣な面子に睨みをきかせて退散させ、傍らの遥を正面から見る。
「名前は覚えてる。香久山」
それだけ言って学校へ向かう。結局名字を呼び捨てかよ、と毒づきながら、遥も命の後を追う。
続くかどうかは知らない。 長田佳巳の『学校の時間』もよかったなあ。一般だが。クール嫌われ系… ※注意。女性に対してではないがグロあり
第二話「蹴れ!」
香久山遥(カグヤマハルカ)が立畝傍(タテウネビ)学園に編入して三日が経過。その間遥は隣席の氷室命(ヒムロミコト)を観察し続け、確かに彼女が異分子であると14歳なりに理解した。
そもそも立畝傍学園はエリート校であり、前の学校での成績が中の下だった遥がそこへ編入出来たのは、ひとえに神様ありがとうと言う他無い。
だから生徒らは総じて自尊心や競争心が強い。しかし、その自尊心が満たされる事は無い。
「だって学年トップは毎回氷室さんなんだもん」
昼休み。命のいない屋上で、羽柴美佳が不満を顕にする。
テストにてクラストップか学年トップ。その座はほぼ毎回命に奪われる。それは遥も感じていた。一昨日の抜き打ちテストで命は見事百点を取るが、それを称賛したのは教師と遥だけで、他の生徒は冷やかだった。
「何点だった」「見せ合おう」との声が教室中に蔓延するものの、命はその輪に入らない。彼らは傷を舐め合いたいのだ。自尊心に刻まれた傷を。
そして、と思った。テストが返された数時間後の体育でも命は百mを七秒で駆け抜けた。もうこいつ人間じゃねえ。
しかし他の生徒がそれを称賛する事はやはり無く、また命も淡々としたものだった。数学にせよ体育にせよ、自らの好成績を誇っている風が無いのだ。
「だからムカつくのよね。あの済ました顔がさ、百点が当然って言ってるみたいで」
しかも、彼女は学外での素行が悪い。犯罪者予備軍。否、事は既に起こしたのだから犯罪者である。
(そんな犯罪者に負ける自分たちが腹立つって事か)
遥はそう考えるが、羽柴美佳にそれを伝える事は止めた。
不浄の地だ。下校時間、校舎を見ながらそう考える。主人公が新たな学校を不浄の地として憤る話があった気がする。何だっけ。
「え〜何だっけ?」
「漱石。坊っちゃん」
いつの間にか背後に命が出現する。遥はどうも知らず知らず声が出ていたらしい。
取り敢えず駅までは一緒なので二人で帰路につく。今日で三日目だが、相変わらず命の側からは何も言わない。今日も結局遥から話す他無い。
「あのさ氷室さん。部活とか入んないの?」
「入らない」
会話終了。じゃあさ、と遥は鞄から冊子を取り出した。立畝傍学園部活動ガイドブック、とある。
「一緒に選ぼ!確か駅の裏側に公園あったよね!」
僅な間をおいて命は頷く。 「テニスどう?」
「やめておく」
「…ソフトとか」
「暑苦しいから」
「…茶道部!」
「足が辛い」
キリがない。部活やる意欲を感じられない。いや、そもそも遥から誘ったのだから命にやる気が無くても仕方無いのだが。
ベンチに座す二人。ため息を吐いて遥は冊子を閉じる。
「氷室さんアレでしょ。物事をマイナス面から見るタイプだ」
「…神経質なんだと思う」
珍しい。三日目にして漸く命が自身の心情を吐露した。
「よっしゃ!」
命が少しだけ心を開いた。収穫だと思ったので遥はフルーツ牛乳を一気飲みする。命もそれに倣い、単なる炭酸水に口をつける。
「おや?酒はやめたのか。氷室命さん」
声をかけられた。ふと前を見ると金髪にリーゼントという極めて前時代的な二人の男が此方へ下劣な視線を送っている。
「米村…斎藤…」
命は無感動に二人の名を呼ぶ。場が硬直した。ただ一人動転する遥。
「ね、ねえ氷室さん?このお方達は…」
「昔喧嘩した相手」
それだけしか言わずに戦闘体勢に入る。斎藤の手にはナイフが光っているが、命に怯んだ様子は無い。
だが斎藤のターゲットは、遥だった。場慣れしていない彼女を羽交い締めにし、命を見る。
「氷室ぉ。おめーに蹴られた首がまだ痛ぇんだよな。だからそのお友達を」
米村が言い終わる前に、遥が悲鳴を上げた。
「…やめて」
命は斎藤と米村を交互に見る。
「何が欲しいの?金?体?…死?」
この期に及んで尚冷静な命。米村は勝ち誇ったように笑う。
「分かってるじゃねえか。まずは体だな」
大体の意味と状況が飲み込めた遥。この二人は以前命と喧嘩し、敗北したのだろう。そして今日までリベンジの機会を伺っていた。幸いな事に、自分という人質もいる。
抵抗しようにもナイフが輝いている。絶望的な気分で命と共に連行された。
海沿いの廃倉庫。命と遥は制服を剥がされた上で固い床に乱暴に投げ出される。斎藤が下劣に笑ってナイフを光らせている。既に歯の根が合わぬ程に震えている遥。その手を黙して握りしめる命。
「美しい友情だなあ氷室?」
「友達じゃないわ」
命は毅然とそう断言する。唖然とした遥を尻目に言葉を続けた。
「私のせいで香久山にも迷惑をかけてる。だからそもそも香久山は私と友達であってはいけなかったの」
命は意外に雄弁だ、と遥は呑気に思った。そしてブラジャー一丁なので胸の形がよく分かり、やはり巨乳だとも呑気に思った。 冷静な命に立腹したのか、地べたに座り込んでいる二人に米村が下半身を近づける。
「ほら、こいつをおめーに突っ込んでやりたかったんだ」
既に勃起した不潔な肉棒が現れ、各部に凹凸が見える。真珠を埋め込んだのか。米村も斎藤もまだ20歳そこそこだった筈。大物のヤクザでも気取っているようだ。
気持ち悪いだけ。命は小さく舌を打ち、震える遥の手を確と握る。
「何をすれば良いの」
早口で機械的に米村へ問う命。先ずは、と彼は命の後頭を掴む。
「おめーら二人で綺麗にしてみせろ。舐めるんだよ」
命は以前何度か下衆に囲まれ本物の男性器を間近に見せられた事がある。しかし今回は遥がおり、いつものように下衆を倒せない。よりによってこんな男の、というのが命の感想だった。
だが、拒めば斎藤のナイフにやられる。嗚咽を隠せない遥に耳打ちする。
「ここは…我慢して」
言って二人の舌がその下劣な男根を這う。互いに初の試みだったため本当に単に舌で撫でるだけだったが、それでも米村の矮小な自尊心を満たすには充分だった。
「うえ…不味いよ…」
遥の舌に米村の垢が落ち、更に遥自身の涙や鼻水も落ちるためとんでもなく不快な味が発生していた。
「下手だなあ…おい斎藤」
見守っていた斎藤が動いた。遂にあのナイフが振るわれるのか、と思われたが、斎藤は左手にナイフを持ったまま右手でズボンを下ろす。
「面倒くせえからよ、もうブチ込んじまおう」
斎藤の逸物には真珠が埋まっている訳ではないようだが、不潔というのは米村と変わり無い。
命を突き倒し、彼女と自分の下着を剥がす斎藤。
「氷室は俺がヤりますから。米村さんはそっちの乳小せえ方をどうぞ」
「出したらさっさと回せよ?」
二人を完全にものとして見ている斎藤の言。そんな彼らの人となりは分かっていたので、だから命は斎藤を受け入れた。
「好きにしたら良い…うっ…」
押し込まれる感触。体重を感じる事を除けばいつものバイブと変わらない。
「おい氷室、初めてなんだろ?何でこんなガバガバなんだよ」
確かに男性を迎えるのは初めてなのだが、自宅にてかなりのサイズのバイブレータを使用しているため、命は既に処女膜を失っている。第一、斎藤の逸物はいつものバイブに比べてサイズも技量もとにかく中途半端だ。
だから痛みは少なく単に嫌悪感のみが命に蓄積される。所謂マグロ状態でため息を吐く。こんなものか、と思った。 しかし、遥にそんな余裕は無かった。下半身を振り回し、米村を振り払おうと試みる。
無駄だった。米村の真珠入りが遥の小さな女性器へねじ込まれる。
「や、痛いぃっ!痛いよぉおっ!」
米村の鼓膜が心配になる程に絶叫する遥。腰を固い地面に打ち付けるように悶絶する。
その声や動きは快感によるものでは断じてない。恐怖、嫌悪、単純な苦痛。そういったものが混然とした極めてマイナスな意味合いの悶絶だった。
未成熟な自分の肢体。自慰だって殆んど経験は無い。そこへ強引に百戦錬磨の肉棒を突き入れられた。
「香久山!初めて…だったの…?」
命の問いなど聞こえない。ただ股の痛みに抵抗せんとする自分の声と高潮する心拍だけが聞こえる。
転校してくる前だったろうか。道で成人男性向けの漫画を拾った事がある。架空の国のお姫様が魔術師の操る男性器型触手に処女を奪われそのまま人格が崩壊、奴隷へ洗脳されてしまう、という筋書きだった。
セックスによる快感とは人格が崩壊する程のものなのか、と呆れた。今、嘘だと認識した。
あんな筋書きは童貞男子にとって好都合な願望の具象に過ぎない。自分の股間に突き刺さる肉の杭。こんな痛みで快楽の虜となる訳がない。
「痛い、やめて…助けてよ氷室さん!お願いだからあ!」
命に伸ばした手も米村に掴まれる。
「助けとか求めてんじゃねえぞ。俺が処女奪ってやったんだから感謝しろ」
身勝手な言い分。怒りと恥辱で遥の全身が紅潮する。
命は斎藤から目をそらし、遥の股間を見る。反射的に流れる愛液に破瓜の血が混じっていた。
できるなら苦しむ遥を救いたいが、自分が妙な真似をすれば遥が危うい。しかし、何かをしなければ遥の苦しみは続く。
「助けて!お母さあん!」
前後不覚の遥は母の名を呼び、その様を米村と斎藤が爆笑をもって蔑む。
「お母さん…とかよ!」
「ウケた。単純にウケました」
廃倉庫に響く下衆の嘲笑。少女の悲鳴。
「おい、そろそろイくけど妊娠したらしっかり堕ろせよ。俺もガキとかいらねえからな」
米村の抽送が激しくなり、遥の痛みもいよいよ増す。
「もぉ…やめてえぇぇっ!」
髪を振り乱し、遥は真上の米村へ半狂乱で訴える。
「もう…やめて」
遂に怒りを爆発させ、命は真上の斎藤を睨んで呟く。
刹那、斎藤の絶叫が轟いた。彼の額に氷室命の拳が密着している。いや…命の人差し指と中指が斎藤の両目を貫いている。 転げ回る斎藤を尻目に立ち上がる命。恐怖の余り固まる米村と遥。米村は最早射精を失念している。
斎藤の眼孔から指を引き抜き、米村へ迫る命。その隙に強引に米村から離れる遥。
「おい待て!な、本気じゃねえよ、その、おめーにその…セックスってのを教えてやろうと…」
「許さない」
それだけ告げた。命の瞳の闇が一層濃くなった。一つ息を整え、腰を抜かした米村の胸ぐらへ右足を叩き込む。
口から空気が抜ける微かな音を残し、米村は昏倒。身体中を暫し痙攣させた後、動きを、そして脈を止めた。
斎藤は視界を失った恐怖にかられ、鉄骨を無茶苦茶に振り回している。だがそれは廃倉庫の基礎を破壊。
「香久山。逃げる」
言って命は遥の腕を掴み、ついでに剥がれた制服も掴み、倉庫より脱出する。崩落する倉庫。目を失った斎藤は落下する角材や硝子片を感知出来ない。
倉庫の残骸の中に、それら落下物で頭蓋を潰された斎藤の抜け殻が米村の抜け殻と共に仲良く転がっていた。
「私はもがいてる内に偶然指が相手の目に入った。自由になったので貴女を助けようともう一人を蹴ったら打ち所が悪くて死んだ。そういう事にする」
まあ、嘘ではない。震える手で制服を直すや遥は脱力し膝を抱く。
一方の命は冷静に警察を呼ぶ。駆けつけた警官が命の顔を見てまたかという表情を浮かべた。
両被疑者死亡。被害者たる命の証言も明確だったので、取り調べは極めて短時間で済んだ。
遥の両親は娘を救ってくれた命に幾度も頭を下げていたが、遥自身は命を見る事もしなかった。
翌朝、駅を降りた命は重い足取りで登校する遥を見つけ、早足で近付く。何を言えば良いのか分からぬまま。
立ち止まり振り返る遥。互いの目が合う。珍しく、先に命が口を開いた。
「…おはよう香久山」
沈黙を保つ遥。必死に言葉を探す命。
「その…昨日は…」
昨日、のキーワードが出るや、遥の平手打ちが命に炸裂した。小気味良い音は他の生徒や通行人を立ち止まらせる。
当の遥は全身を震わせ、憎悪と涙を帯びた目を命へ向ける。
「あたしも…もうあんたとなんか友達になろうと思わないから!」
取り巻く生徒らを退かし、泣きながら学校へ走る遥。打たれた頬をさすりながら彼女を見送る他無い命。事態を静観していた羽柴美佳が命に詰め寄る。 「何したの氷室さん…香久山さんは転校してきたばっかなのよ?いい加減にして、あんたがいるだけで皆の空気が悪くなるんだから!」
命は黙って頷く。分かっていた。孤立した自分に接近したものは、往々にして自分の闇や罪を恐れて逃げる。両親もそうだった。そして、香久山遥も結局のところそうだったのだ。
しかし、誰を責められる訳でも無い。だから命は、自分を責める。
「そう。私が悪いの」
羽柴美佳に頭を下げ、命は駅に引き返した。今日は学校に行けない。いや、命は何処へ行っても嫌われる。そもそも命を歓迎してくれる場所など何処にも無いのだ。
そして命も遥も、今後この学校に通い続ける自信が無くなっていた。そう言えば、明日は土曜日だったか。
多分続く 今回は以上です。
>>223->>226
恐縮です。一話のBかな、遥と命の名前がごっちゃになってる箇所がありますね。
あそこでオナってるのは一貫して命です。申し訳ない。 うわー鬱展開入ってきたな……これは重い
しかしGJ
引き続き続き待望します 第三話「醤油」
強姦された翌日…金曜日の朝。香久山遥(カグヤマハルカ)は氷室命(ヒムロミコト)をひっぱたく。結局その日、命が登校する事はなかった。
また点呼を取る際、教師も命を抜かして数えていた。後から聞いてみたところ、命は一週間の謹慎を食らったらしい。
「一週間っていうのは短すぎるよね」
「一年の頃はあいつ二ヶ月停学とか普通だったろ」
そんな声が教室のあちこちから聞こえる。遥は命の真似をして窓の外を眺めてみるが、別段面白い光景は見られない。
昨日の一件だ。警察から連絡を受けた学校が自宅謹慎を認めたのだろう。
状況が状況だったので正当防衛が認められたとはいえ、命があの二人を殺害したのは事実。しかし、それで自分を救ったのも事実。
「八つ当たりだ…」
遥はそう呟いた。命の逆襲が無ければ、自分は望まぬ子を授かっていたところだったのだ。
だが、彼女と知り合ったのが事の発端だというのも誤りではない。一体誰が悪かったのだろう。金曜、土曜と遥はその解答を見つけられぬまま重い足取りで登校した。無論、体調が悪いとだけ言ってクラスメイトとの会話は一切拒んだ。
金曜日。遥に頬を打たれ、そのまま帰宅した命。程無く、学校より一週間の自宅謹慎を通達する電話を受けた。
この処分自体には慣れている。寧ろ授業と無関係な勉強ができる有意義な時間だ。二人を殺した割には軽い、とまで思った。
TOEICは900点を超えたので次はドイツ語検定でも受けてみようと、勉強椅子を兼ねたベッドに腰を下ろす。
しかし、参考書が全く頭に入らない。何を考えても頭の片隅には香久山遥がいて、一度意識すれば直ぐに遥の事で頭が一杯になる。
あの月曜日。初めて隣席に座り此方を向いた眩しい笑顔。自分に近付く事の危険性を訴えたにもかかわらず、翌日も遥は命と共にいた。
昨日も部活の話で命を随分と気遣ってくれた。お節介、と言えばそれまでなのだろうが、そもそも人からお節介を受けたためしが無い命にとって、それは明白に「親切」だったし、遥を優しいとも思った。
そして自分の心情を吐露した時、彼女は笑ってくれた。
「あの笑顔を…私が消した…」
直後の強姦。そもそも遥と命が知り合わなければ、遥が命と積極的にスキンシップを取らなければ、遥の処女があの害虫らに奪われる事も無かった。遥が命に近づいたのが悪い。
「本当にそう?」
違う、と命は思う。 あんな害虫と接点を持つ自分の素行に問題があるのだ。
自分の素行の悪さ、評判の悪さを自覚しているなら、近付く遥をもっと強い言葉で威圧し追い払うべきだった。そうすれば、自分と接点を断っておけば遥はあの害虫の餌食にはならなかった。
だが自分は、遥を追い払う事をしなかった。それはひとえに、遥が友達になってくれる可能性を失いたくなかったからだ。
結果、自分の為に遥は純潔を散らされ、絶交宣言まで叩きつけた。
「香久山…ごめん…」
ベッド脇のバイブレータに一瞬手が伸び、そんな自分に気づき、またも自分を嫌悪する。
ー純潔を失い泣いていた遥を、自分はまだ性的な目で見ているー
遥を夢想すれば、自分が遥に付けた傷を嫌でも思い出す。だから今の命は遥を名字で呼び、自分の中での自分と遥の距離を遠ざけようとしていた。
結局命は金曜日を、ただ遥の事を考え続けながら膝を抱えて一日を過ごした。
明日は土曜日。授業は昼まで。午後に遥の家を訪ねてみよう。そう考え、謹慎中ながら学校に再度連絡を取り彼女の住所を調べた。
土曜日。ショックの抜け切らない遥はクラスメイトの誘いを断り、足早に帰宅する。今はボウリングなどではしゃげる心境ではない。
帰ってみると、玄関に見慣れぬ靴があった。
「お帰り。氷室さん来てるわよ」
母の言を受けてリビングを見る。安物のソファーに居心地悪そうに腰掛け、固く口を結んだ命の姿。
その姿は黒いTシャツにダメージジーンズという服装を除けば育ちの良いどこぞのお嬢様にしか見えず、実際母もそう思っているらしかった。
命はこちらを向き、無言のまま立ち上がって頭を下げる。
理は自分を強姦魔から救ってくれた命にある。理屈では分かっているのだが。
(八つ当たりだ…)
昨日と同じキーワードが遥の中に浮かんだ。感情的にならぬよう留意しつつ、遥は命に自分の部屋を示した。
「ジュース持ってくるから部屋で待ってて」
「…ありがとう」
キッチンへ向かった遥を見送り、命は彼女の部屋を見渡す。名前は知らないがアイドルのポスターが数枚貼られており、三段ボックスの上に名前は知らないがアニメキャラクターの縫いぐるみが鎮座している。
部屋も家具一式も木材で統一され、ベッドカバーなどそこかしこにピンクがあしらわれていた。
同年代の女子ならばお世辞でも可愛いと評する部屋なのだろうが、生憎と命はそんな感想を抱けなかった。 命の自宅はコンクリート打ち出し。それがこの部屋では木材に変わっただけ。命の自宅は灰色。それがピンクに変わっただけ。
あとはポスターだの縫いぐるみだのと無駄なものに支配されている。
雑然とした部屋。それ以外の感想を思いつかなかった。
同時に、生まれて初めてクラスメイトの家を訪ねたにもかかわらず無感動な自分が意外だった。
「お待たせー」
弾んだ声で糖分の高そうな飲料を持ってくる遥もこれはこれで意外だったが、正確には弾んだ声でなく、弾ませている声だと直ちに察した。無理をさせてしまっている。
沈黙する命。鞄から綺麗に包装された何らかを取り出した。
「これ…お詫び」
「ありがと!開けて良い?」
黙して頷く命。包装紙から現れたのは、段々になった細長いペットボトルに入った黒い液体。
醤油だ。
「ラッキーちょうどお醤油切らしてたんだー、とかならねぇっつの」
遥は突っ込む。命は黙る。これでは突っ込んだ方が悪者のようだ。
「こんな時、何を持ってきたら良いか分からなくて…」
ギャグかと思ったが命本人は至って真剣だった。余計に気まずくなり、また両者沈黙。
「嫌いだった?醤油…」
「いや…じゃ…ありがたく…」
遥はとりあえず戴いておき、ジュースをコップに注ぐ。
「その後…どう?」
がばがばジュースを飲む遥に対し、命から話を切り出した。
「それがさ、月一回カウンセリング受ける羽目になっちゃった。めんどいよねー」
手を振って遥は陽気に愚痴をこぼす。面倒なのは当然だろう。それに、命とあの公園で喋っていなければそんな手間をかけさせる事も無かった。
「私の…せいね」
「気にしないでって!例えばさ、銀行強盗なら悪いのは強盗じゃん。強盗に入られる所に建ってた銀行は悪くないでしょ?」
遥が無い頭を振り絞って思いついた喩え。命は一応は頷いてみせるが、心底納得してはいないようだ。
またも両者の間に嫌な沈黙が流れ、それを振り払うように遥が口を開いた。
「ねえ氷室さん。初めて一緒に帰った時さ、『近づかない方が良い』って言ってたじゃん。その通りだと思った」
意味を把握し俯く命。遥は真剣な面持ちで続ける。
「多分、根本的なところ…性格とか…そういうのがあたしと氷室さんでは全然違うと思うのね」
無論だ。全く同じ人間は有り得ない。
「であたしは氷室さんに近づいた。氷室さんの忠告を無視して」
近づくな。確かにそう告げた。 「無視した結果が処女卒業…てか喪失。だからさ、氷室さん」
突如遥は立ち上がり、命に頭を下げた。
「ごめん!あたしが軽はずみだった。氷室さんと友達になろうとか考えたのが間違いだった」
沈黙を保つ命。だが、心臓に棘が刺さった気がした。
「あたしと氷室さんはそもそも合わない…合っちゃ駄目なタイプだったんだよ。絶対相性が悪くて、でもそういう事考えないであたしが近づいたから…」
「香久山!」
命は遥の名を呼んだが、その後に何を続けたら良いのか分からなかった。
「だからさ氷室さん。もう友達になるの、やめよう?氷室さんには氷室さんのテリトリーがあって、そこに入っちゃ駄目なの。だからあたしも、もう入らない事にした」
知らず、命の拳が震えていた。憤怒ではない。悲しみや恐怖だ。
「友達って言うと、やっぱ押し付けがましいし、しんどいと思うの。だから、氷室さんとあたしは単なる同級生。でお互いに境界線を越えちゃいけない。ね、そういう事にしよ?あたしももう氷室さんと一緒に帰ったりしないよ。ウザかったでしょ?」
消え入る声量で、命は「違う」と呟いた。聞き返す遥に頓着せず、自分の鞄を鷲掴みにして遥の部屋を飛び出した。
「氷室さん!?」
街の一角にある児童公園。命は公衆便所に入り、鍵をかけてからタイル張りの壁へ拳を叩き込む。
凹んだ壁を見て、漸く命は大声をあげて泣き崩れた。
「違う…ウザいなんて…一度も思わなかった!」
寧ろ楽しかった。無機質な家への帰路に楽しみが出来た。毎回様々な話題を振る遥。その話題の全てに命は興味を抱けなかったが、遥本人には興味を抱く事ができた。
「私は…友達になりたかったよ!でも…もう…」
再び壁を凹ます意欲も湧かず、ドアへ寄りかかりただひたすら流す涙、嗚咽。痛烈な喪失感。それを満たすものを命は何一つ持たず、単に一瞬慰める手段だけ持っていた。
鞄からバイブレータを取り出し、ジーンズを脱ぎ捨てる。
最初からスイッチを入れ、局部に振動を与えた。
「私…何してるの?」
衝動と理性のせめぎあい。徐々に衝動が理性を侵食してくる。
「駄目!何で私…気持ち良くなってるの?」
遥はあれほど苦しんでいるというのに。命の理性を保っているのは、専ら贖罪の意識だった。だが本能的な孤独への恐怖が、衝動を増幅する。慚愧の念を抱いたままの自慰は余りにも心地よく、余りにも重苦しかった。 「遥…遥ぁ…そうだよね、私…クズだよね!あなたを傷付けて…自分はオナってる最低のクソ女だよね!」
下着の上からバイブを局所へ押し付け、自虐を続ける。同時に極めてタイトなシャツを捲り上げ、弾む様に現れた乳房を強く揉む。飽き足らず、乳首を強く捻り上げた。
「痛ぁっ!そう…私は遥に嫌われて…当たり前…」
命は今、怒りの形相を浮かべた遥が自分に責め苦を与えている様を幻視している。責め苦だから、普段より激しい形となるのは至極当然だった。
パンツをずり下ろし、局所を露出。前屈みになり、まるで遥がそこにいるかのように尻を壁へ向ける。
「良いの遥…気がすむまでいじめて…」
バイブを持つ左手は、女陰よりやや上部へ向かっていた。自分でも分かっていた筈なのに、いつもと異なる箇所に振動を感じておののいた。
「あ、そこ違う!そこはお尻…」
怒る遥は肛門に責め苦を与える事とした。そんな設定を元に、命は自分の肛門へバイブを突き入れた。
「あはあっ!お尻初めてぇ!お尻…痛いけど…」
腸に叩き込まれる快感。贖罪の意識を忘れ、命はその新たな自慰の方法を楽しんでいた。楽しむ他無かった。
公衆便所で同性をオカズに女子が肛門オナニー。正に変態の所業だ。
「お尻気持ちいいよぉ!こんな汚い処で…私、やっぱり汚いんだ…だから皆に嫌われる…」
そう呟いた事で、一気に慚愧の念が蘇る。忘れてはいない。腸から垂れる臭気を湛えた液が脚を伝うが、それが気にならないほど、命の顔は濡れていた。涙が止まらなかった。
遥は更なる罰を命に課そうとしている。そう考え、命は肛門にバイブレータを刺したまま、鞄からもう一つのバイブを取り出した。
自分の眼前でスイッチを入れる。うねるそれを口に突き込み、唾液で濡らした。
「ふぶっ!そんな、二本なんて嫌ぁ!」
命は精一杯恐れる演技をするが、恐れる演技をしようと考えた事で逆に自身の卑小さを痛感した。
「…違う。ごめん遥…私に拒否する権利は無いの…」
恐怖した事を想像の中の遥に謝り、左手で肛門のバイブを押さえつつ右手の指で女陰を拡げる。
「うん、良いよ遥…いくらでも苛めて!それで遥が許してくれるなら…」
自らの唾液に濡れたそれを突き刺した。本来ならその瞬間に喜びが生じる。そして行為が済んだ後に虚無感に襲われる。
しかし今回は、突き刺される性感と虚無感が同時に襲ってきた。
自責にまみれた悦楽。命は反応に困った。 逸物は腔内で執拗に振動し、命に快感を与える。だがその快感は自虐と表裏一体で、だから振動の回数だけ命は悦楽と後ろめたさを味わう事になった。
腔内と腸。二本の振動が強く命の肉体を疼かせ、命の精神を叩きのめした。
「あひぃいっ!二本…中で擦れて…頭変になるぅ!」
誤った表現ではない。遥への罪の意識。その遥に欲情する第二の罪の意識。自制が利かず、自慰でその欲情を発散せんとする浅ましい自分。
「そ…そう…私は頭が変なのかな…優しい人をオカズにこんな事してる…色狂いで頭おかしいのかな…」
命は僅かに引きつった笑みを浮かべた。それは快楽からではなく、自らの下劣さを嘲笑う極めて虚無的な笑みだった。
「ごめん遥ぁ!ごめん、ごめんなさいぃ!許して…」
公衆便所の不潔な床に膝をつき、壁に尻を近付け肛門に深くバイブを入れ込む。同時に何時もの通り、局部のバイブは激しく抜き差しを繰り返した。
罰だ。遥を思って自慰する自分の下劣さを自分に知らしめるという意味で、これは正しく命が自分の心へ課した罰だった。
「お願い…独りにしないで…友達やめるなんて言わないでぇ!」
ずっと独りだった。独りには慣れている。だが、せっかく友達になってくれる可能性のあった遥が去る。それは独りに慣れていた分、強烈なダメージだった。
「お願いぃ!友達になってよ!私…もう独りは嫌なのぉっ!」
命は虚無主義者だったからこそ、虚無への回帰を恐怖した。遥は虚無の闇から自分を引き上げてくれる、いわば蜘蛛の糸だった。
そして命はカンダタに相違無かった。己の暴力性、矮小さを露呈し、遥という糸は切れて命は再び闇に落ち込んだ。
「うん…勝手だよね…遥はあんなに苦しんでたのにね…」
涙は枯れない。鼻水も垂れる。涎も垂れる。顔も下半身も、様々な液体で湿りきっていた。そして、身体中に汗が吹き出す。あの瞬間だ。
「ごめん遥…イッちゃいそう…許して、イキますぅ!ごめんなさい、ごめんなさいぃっ!んああっ!」
謝りながら果てた。公衆便所の床に横たわり、絶頂の勢いで飛び出して転がった二本のバイブを暫し呆然と眺める。
「…臭い…」
顔の正面に転がっていたのは、肛門を責め続けた方のバイブだ。腸の臭気が移る。その臭気こそが自分を象徴している、と命は思った。
自分の罪や汚さ。だから遥を責める理は無い。遥が去ったのは自分のせい。
枯れたと思った涙がまた垂れた。 自失していた命は、頭上の気配に気付かなかった。公衆便所にて、個室と個室を仕切る壁は通気性等の関係で基本的に天井に達しない。
その壁と天井の間から、命を見下ろす者がいた。その者は口を開いた。
「…何やってんのよ」
命の意識が急速に覚醒した。見下ろしていたのは遥だ。家を飛び出してからずっと探していたのだろうか。
「ちょっと…服着たらベンチのとこまで来て…」
言って遥は姿を消す。命は慌ただしく服を整えるが、かなり汚れたバイブや下半身の掃除に多量のトイレットペーパーを浪費した。
ベンチに座し、夕日を眺めて沈黙を保つ二人。遥は言葉を探し、命は何を言われても仕方無いと思っていた。必然的に遥が先に開口した。
「あんた…レズなの?」
「違う。男をネタにする事もある…」
ふうん、と遥は再び言葉を探すが、さほど心地よい言葉は出なかった。
「氷室さん、いっつもあんな事やってるの?」
「いつもじゃない。ただ…誰かに優しくされると…ああいう事を…」
遥には理解し難かった。優しくされる。ならば優しさで返してやる。
「それでおあいこ。そんな考えじゃダメなの?」
そう言ってみた遥は即座に後悔した。自分の考えは、家族から十分な優しさを受け、適度に周囲と会話できる自分だから通用するのだ。命は致命的にコミュニケーション能力が低い。
「でもさ、優しくされないってのは無くない?お父さんとかお母さんとか」
「両方…いない」
またしても後悔した。ならば命は自分のおあいこ理論から完全に逸脱している。
「香久山…あの…」
いつもの貫禄が弱まる。不安げな様子で遥に顔を向ける命。遥は手をあげて制する。
「ずっと謝ってくれてたね。家でも言ったけど、あんたは全然悪くないよ」
でも、と言いかけ押し黙る命。遥は漸く笑った。
「あんたはあんた自身が許せなかったんだよね?なら、あんたがまず自分を好きになってよ」
命の拳が再び震え始めた。怒りでも悲しみでも恐らくなかった。
「あたし…あんたの事を好きになりたい。もう一回…あんたのテリトリーに踏み込ませてくれない?」
「香久山…」
命は顔を上げ、遥を見た。既に涙を溜めていた。その涙を遥が指で拭う。
「遥って呼んでくれてたじゃん。それで良いよ。命」
命は思わず遥に抱きついた。それを遥も受け止めた。
「遥…遥…遥あ!」
夕日の公園。大柄な美女が小柄な少女に抱かれている。泣き声が暫し轟いていた。 「…でさあ。あたし以外のコに見られてたらどうするつもりだったのよ」
「蹴り殺してトイレに火をつける」
「あ…そう」
もう一回続くかも知れない。
以上です。 おお、続き来てたGJ!
この関係の微妙さがいいな……どう転ぶかわからんところがいい。
でも醤油かよw ネガティブ・ツインタワーってマンガ良さげ
あとGJ!! みんなこの季節に全裸待機なんてするから更に過疎に…… ∧_∧
( ´・ω・) 寒いんで、お茶を入れましたよ・・・。
( つ旦O
と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦
>>260
ありがとう
風邪も良くなったから
頂くよ
飲みながら怖い子の話を待とうかな 俺翼の渡来明日香とかこのスレ向きかと思ったが微妙に違うか 高校の頃ビッチって噂が立って女子から総スカン食らった子いたわ
大学一緒だったからアタックしたら処女で逆に引いた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています