副賞、もとい将、イエロー。
「こないださ、先生の部屋に料理作りに行ったのよー。
ほらー、いつもお惣菜ばっかりじゃあれじゃない?」
にゃははは、と照れ笑いしながら話し始めるキリノ。
「もぎゅもぎゅもぎゅもぎゅもぎゅんむ。
……そういえばよく先生の部屋行くみたいですけど、いつもどんなことしてるんですか?」
「えーと。
洗い物したげてー。
部屋の掃除したげてー。
繕い物したげてー。
ご飯作ったげてー。
一緒に銭湯行ってー」
指折りながら、その献身的な奉仕のほどを数え上げるキリノ。
(言えない……
「ふふふ、それじゃまるでダメ男に尽くす飯炊き女じゃないですかぁ」
なんて言えない……)
目を泳がせるミヤミヤ。
「そうそう、キッチンに立つと後からスカートん中覗こうとすんだよー?
自分ではさりげないつもりなんだろうけどバッレバレでさー。
ほんっとオッヤジだよねー?」
そう言いつつも満更でもない、キリノの眩しすぎる笑顔。
「ま、まぁ……やんちゃな男の子、って感じで微笑ましいじゃないですか?」
(というか部長、部活終わって着替える時、時々スカート巻いて上げてますよね?)
「でさー、“いつも色々してくれてるお礼に、肩揉んでやるよ”なーんて言ってくれてー」
「よ、良かったですねぇ……」
(お礼が肩揉みて。どこまで所帯じみてるんだあんたら……)