大将、タマ。
「……で! で! タマちゃんはどうなのさー?」
そろそろ照れが限界を迎えていたからか、タマに振るキリノ。
「私ですか? 私は別に付き合ってる人とか……」
まさか自分に振られるとは思っていなかったのか、素で返すタマ。
「まあ、ユージ君とはただの幼馴染みたいですし……」
どことなく勝者の余裕を含んだ、ミヤミヤのフォロー。
「んー、やっぱ子供の頃と変わらないのかー。残念だなー」
「残念と言われても。 ユージ君は昔から優しいです」
タマの硬い声。
ややムッとしているニュアンスが匂うのは、自分の子供っぽい部分を突かれたからか。或いは、幼馴染としての意地か。
「はいその優しいとこkwsk」
キリノの箸からタマの弁当箱へ、揚げ物の王者・ヒレカツ降臨。
「あ、ありがとうございますもぎゅもぎゅもぎゅもぎゅもぎゅんむ。 ……そういえば」
引けば煽り、押せば釣る。愚直とも言えるその剣道スタイルとは異なり、異常に巧みなキリノの尋問技術であった。
(そうまでして聞きたかったんですか部長……)
「この間、久し振りにユージ君とrorianaudoreityoukyougokkoしました。
それで、“こうしてると子供の頃思い出すよね”って」
「……えー、と?」
「……ちょっと待って。今、脳内辞書が起動してなかった。もう一回」
一瞬ミヤミヤの眉間が凍り付き、キリノは目の前に浮かんで消えた謎の文字列を手にした箸で掴もうとしていた。
「こうしてると子供の頃を……」
「その前じゃ!」
思わず素になるミヤミヤ。
「久し振りにユージ君とろりあなるどれいちょうこうごっこを…」
「なーんだ『ロリアナル奴隷調教ゴッコ』ね。何だか微笑ましく…」
「あー、はいはい、『ロリアナル奴隷調教ゴッコ』。そだねー子供の頃はよくやって…」
「「ねェよ!!」」