【DTB】黒の契約者エロパロスレ 3契約目
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00024542010/01/01(金) 01:11:59ID:4SYlVbap
前スレの会社内部を纏めて再構成&想像

名誉会長:星見様

社長:アンバー

受付嬢:銀

掃除夫:黒

海外事業部(変人の魔窟)
部長:マダム・オレイユ
課長:リカルド
係長:11月
平社員:7月、4月、イリヤ

人事部(普通)
部長:黄

開発部(奇人の魔窟)
部長:セルゲイ
課長:パパチェンコ
研究員:シュレーダー、ミーナ、ニック

秘書課
ハヴォック、ブリタ

営業部
部長:ゴルゴ
平社員:鎮目+四課(男共)

経理部
部長:エリック西島
課長:未咲
平社員:大塚、キコ、マユ

他にも学校編とかの構成も欲しい
0003名無しさん@ピンキー2010/01/01(金) 04:58:56ID:uOqLffid
今思ったが7月が入ってるのは年齢的におかしいだろw
ミッション系スクールに登場させるべきだ
0006名無しさん@ピンキー2010/01/02(土) 00:52:52ID:pVohF5Wk
0008名無しさん@ピンキー2010/01/02(土) 16:06:55ID:0EfEZNie
社会見学とかあれば学生陣は使えるぞ。
後アルバイトとかでも。

追加
社外部門
バイク便:ゴラン
イラストレーター:イリヤ
0009名無しさん@ピンキー2010/01/03(日) 18:47:58ID:auW0RntU
>>3
マキも混ぜてやってくれ

学校だとロシア組そのまま流用可能だよな
紫苑追加して舞も入れれば完璧じゃね?
チンロンタンのアリス組をライバル社にだな…
人事部は黄の上に椎茸(宝来)を持ってきてくれ

清掃員に菊池を頼む

やばい
妄想が止まらねえ
0010名無しさん@ピンキー2010/01/04(月) 00:53:39ID:KyP1Jocu
学園物……

蘇芳
・タイツ履いてるからはずかしくない
・趣味はカメラ
・猫好き。「ぬっこぬこ〜ぬこぬこぬこ〜」とか歌う

紫苑
・ツンデレシスコン
・女装眼帯車椅子、または寝巻眼帯車椅子

ターニャ
・普段は超可愛いが機嫌を損ねたりジョークがすべると契約者モードになる
・ORCA旅団での搭乗ネクストは鎧土竜


・調理実習室全焼事件関係者
・化学実験室全焼事件関係者
・学園祭キャンプファイヤー備品引火事件関係者
・おまえ犯人だろ

ジュライ
・付属小学校生徒
・なぜか蘇芳のところに入り浸る
・女子生徒がよく食い物をやる。何でも食う

レプニーン校長
・生徒だいっきらい
・教員もだいっきらい

未咲教頭
・ちょうこわい

ゴラン先生
・体育教諭。ジャージに鼻絆創膏にホイッスル
・雨が降ると校庭でうつぶせになって死んでいる

イリヤ先生
・養護教諭
・保健室には行くな

新人教師の李さん
・女子生徒に大人気だ

ハヴォック
・ひきこもりで登校拒否
・李さんの説得で登校するようになった

あと 誰か たのむ
0011名無しさん@ピンキー2010/01/04(月) 03:34:53ID:xPR/PoQA
>>10
なにかの拍子で李さんが黒モードになるのが見たい!

葉月さんは女教師とかもうスーツだしあああああ。
銀は図書室にいてほしい。
鎮目は学校に入れてはいけないと思う…
0015名無しさん@ピンキー2010/01/06(水) 14:48:10ID:a+/qbR32
今急になんの前触れもなく
dtbのハヴォックと
デビルサバイバーのハルのキャラが重なった。

ハヴォックの画像イメージ
ttp://images.google.co.jp/images?hl=ja&lr=&um=1&sa=1&q=%E3%83%8F%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%83%E3%82%AF&btnG=%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&oq=&start=0
ハルの画像イメージ
ttp://images.google.co.jp/images?hl=ja&lr=&um=1&sa=1&q=%E6%98%A5%E6%B2%A2%E8%8A%B3%E9%87%8E&btnG=%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&oq=&start=0
0016名無しさん@ピンキー2010/01/06(水) 15:19:04ID:JlOquwpB
おっぱいバーと言われる位に巨乳しか出てこないゲームなのに、一人だけ服がずり下がるほど貧乳でハルさん可哀相です
DTBは貧から巨乳まで各種取り揃えているが、貧乳の方が多いか
0018名無しさん@ピンキー2010/01/06(水) 22:23:41ID:UnfhX6PL
なんか454にイラッとしたんで、前スレの書き込みで特に恥ずかしいと思う部分を抽出してみる
 
作者は本気で混乱している。
その設定、頂きだ!! マスター……俺にスピリタスを一杯くれ……無論、ロックでだ。
ふぅ・・・まったく、最後の最後でやってくれましたね・・・
次も契約者が沢山来ますように・・・・
 
なんかね。あとNG集とか打ち上げとか……一昔前のラノベで、後書きに作者が出てくるうざさと似てる
それと、自分で考えた会社パロをさ、テンプレのごとく貼るのはどうかと思うよ
 
パロ作品を完成させることについては尊敬するけど、それ以外で頑張り過ぎててちょっと痛いよ
0019名無しさん@ピンキー2010/01/06(水) 23:18:48ID:TT+lYhGH
まあ確かに>>2に貼ったのははやりすぎな気がするな。
むしろSSにしてから貼れと。

…でも過疎って落ちるよりは、と思ってしまう。
0021名無しさん@ピンキー2010/01/07(木) 21:56:49ID:G+UJu5s3
南米でアンバーが組織傘下の民間軍事会社を経営してた頃のSSを考えてる。
見てみたいシチュやネタ提供を求む。
0022名無しさん@ピンキー2010/01/07(木) 22:01:08ID:G+UJu5s3
あ、ちなみに黒とか白とかハヴォはその会社の一員、
(他の一般社員には裏で組織と繋がっていることは知られていない)
マイヤー&ヒルトンみたいな契約者を戦場に実戦投入したベンチャー企業設定。
0025名無しさん@ピンキー2010/01/10(日) 15:09:49ID:RqGtN21y
>>18
454が>>2に貼ったのはまずかったがそれ以外は別段イライラするようなことでもない
寧ろ職人が減るほうが困る
0028名無しさん@ピンキー2010/01/11(月) 23:22:02ID:QbPy2g+I
長文です

自分はいわゆる職人なんだけど…あのさ、これ別に怒る話じゃないでしょ
例えばスカトロを注意無く投下したってならともかく…
NG集や打ち上げだって注意書きあるし、楽しめた人いるじゃないの
それにさ、見たら

>マスター……俺にスピリタスを

ってのも前にちゃんとGJ付けてるんだから454はちゃんと他の人に対して気を使ってるじゃないの
実際それをしない職人も多い。
合わないと感じたらスルーが基本。荒らしじゃないんだから晒すのはやり過ぎです
こういっちゃ何だけど、SS投稿は本当に趣味でしかないから反響が全てなわけ

という訳で、同じ物書きとして本当にイラっと来る言動は、前スレ11から18までの流れです
反応待ちしてる所で全く関係のないレスを意図的に書かれてるよね
これは作者が本当に気の毒だった
0031名無しさん@ピンキー2010/01/16(土) 03:07:17ID:MMY8V9wG
作家さん期待で上げ
0032名無しさん@ピンキー2010/01/17(日) 00:12:04ID:abBhEZz4
黒×銀沖縄妄想もの投下します。
11話後に書き始めてエロで悩み止まり、最終話ぽかーんで止まり、
外伝出たらいよいよ日の目を見そうにないと思ったのでとりあえず
仕上げてみた。

ぐだぐだな文ですまんが保守がわりにでもなれば……


0033沖縄妄想2010/01/17(日) 00:13:00ID:abBhEZz4
 こんなところを黄や猫に見られたらどんな顔をするだろう。
笑う?いや、怒るかもしれない。
四人、いや、三人と一匹と言った方がいいだろうか。かつてチームを組んだ仲間が最後に揃ったのはいつだろう。
黒は東京で別れたきりの、そしておそらく二度と会う事のないかつての仲間達を思い浮かべる。
孤立無援の道を選んだ青年と、彼と共にいることを望んだ少女。
二人だけの日々は二人の関係を以前とは異なるものにしていた。

薄いタンクトップごしに感じるのは彼より少し高い彼女の体温と少し早い彼女の心音、そして控えめな双の膨らみ。
抱きしめた細いからだは成熟した女性と言うより、成長の余地を残した少女そのもので、そのことが彼の罪悪感を刺激する。
触れるべきではなかったのかもしれない。仲間の関係のままでいるべきだったのかもしれない。
まして彼女はドールだ。本来自我を持たず、道具のように扱われる存在。
けれど感覚はある。
五感のうち視力にハンディを背負った銀は常人より優れた聴覚とドール特有の能力である観測霊で不自由を補っている。
だが聴覚以外の感覚もちゃんと生きている。ただそれを表現する術が常人より少ないだけのこと。
触れた温もり、優しく撫でる手、
舌に絡むとろけるような甘さ、吐き出したくなるような苦さ、
鼻孔をくすぐる匂い、鼻につく臭い、
銀は与えた刺激を全て感じ取っている。
きっと黄も猫も知らない。気にも留めない。
黒だけが知っている。
0034沖縄妄想2010/01/17(日) 00:13:54ID:abBhEZz4
何も写さない赤い瞳は誰を見つめるわけでなくただ正面を、虚空を見つめるだけ。
瞼を閉じるように耳元で囁いてからそっと唇を重ねる。
繰り返し啄みながら舌を侵入させれば指示せずとも絡めてくるようになった。
顔を離したところで銀が濡れた唇を開く。
「黒、するの?」
「ああ」
黒の返答を受けて銀はこくんと一度うなづくとサイドテーブルに手を伸ばす。
ためらうことなく中身の入ったコップを倒し、テーブルに薄く広がった水に手を付ければ、ぼんやりと浮かぶ青いエクトプラズムがゆらりと揺れて水面に消える。
逃亡者である彼等にとっては一種の儀式のようになっていた。
「……周囲には、いない」
「そうか」
手についた水滴を払う時間さえ与えず、黒は再び銀を抱き寄せると再び唇を重ねた。
長い髪をかきわけ、首筋を、背を、吸い上げ、東洋人の彼と比べれば嘘のように色素を欠いた白い肌にわさと赤い花を残した。
元々は共に組織に属し、同じチームにいた。それだけの存在だった。
「所詮ドール」と殺す事も厭わないと思っていたはずなのに、今は違う。
裏切り者の黒と違い、ドールである銀はリセットしてしまえば組織にとってはまだ使い道がある。すぐに殺されることはないはずだ。
更に言えば、いくらドールの探索能力が重宝できるとはいえ、単純に逃げるだけなら戦闘能力のないドールを連れるより黒一人の方が易しいはずだ。
それなのに銀を連れ回し、自分と同じ逃亡者の身分に陥れてしまうことは非合理的だと黒はわかっている。
それでも二人でいることを選んだ。
0035沖縄妄想2010/01/17(日) 00:16:41ID:abBhEZz4
タンクトップの裾に手を滑らせ、
傷ひとつない滑らかな肌を感じながら幼い膨らみを直に触れる。
指で頂を撫でれば赤い瞳は不自然に瞬きをし、円を描くように撫でるうちにつんと尖ったそこを軽く摘めば小さく身震いをした。
ほんのわずかな反応だが、この無垢なドールが自分の愛撫に応えてくれていると思うと嬉しい。
親が幼子にそうするようにバンザイをさせて邪魔な布切れを脱がせてしまう。
暗闇に浮き立つ白い素肌も、掌に包める程度の乳房も、その桃色の乳首も
なされるがままに全てをさらしても銀は隠す気配も恥じらいも見せることはない。
それは行為に対する慣れではなく、ドール故の感情の欠落。
揉むには少々物足りないサイズの乳房は掌にいくらかの空間を残してやすやすと収まり、掌に当たる乳首の感覚を楽しみながら優しくなで回す。空いた乳房の桃色の頂に舌を伸ばし、ちろちろと舐める。
舌が往復するうちにこりこりと硬くなった頂きにしゃぶり付けば、吐息が一つ漏れた。
窓から届く波音に混じり、部屋に吐息と粘液質な水音が響く。
かろうじて黒の指を二本飲み込んだそこは、白い肌と色素の無い陰毛に囲まれて異色を放つ鮮やかな赤。
指の行き来にあわせて絡み付く透明な粘液は次第に量を増し、潮の香りとは違う女の媚香が黒の鼻をくすぐった。
割れ目に伸ばした舌先が滲み出るものを掬い取り、より奥を探る。
普段は秘唇に隠された敏感な核をつつけば銀は言葉にならない吐息を漏らす。
身をよじる銀のからだをおさえ、突起した核を舌尖でくすぐり、愛撫を続ける。
もう銀は充分女のからだになっていた。他の誰でもない、黒がそうした。
「黒のここ、硬い」
銀の手がズボン越しにそれをさする。本能に忠実にそれは充血し、欲求を果たすことを望んでいた。
「いやか?」
ふるふると頭を振る銀。その顔をそっと撫で、今夜もう何度目かわからぬ口づけをする。
腰を抱え大きく足を開かせると彼女の中の一番熱い部分へ自身をあてがう。
もう出血してくることはないとはいえ、黒のものがようやく入るだけの狭い膣が絡むように締め付けて来る。銀の内側の熱を感じながら黒はゆっくり自身を進める。
目を細めた銀が切ない吐息に混じって言葉を漏らす。
「黒の、全部入った」
「ああ。わかるか?」
「わかる。私と黒、つながってる」
抑揚の無い銀の声の端的な表現に黒の口元が少し上がる。
けれど今は銀の中でより膨張した男の欲望を果たしたい。
銀の手は汗ばむ黒の背を抱き、宙に放り出された足は黒の動きに会わせて舞う。
‘黒しか知らない’温もりの中で、互いの熱が混じり合って溶けるまで、非合理的な本能に近い欲望が果てるまで、何度も貫いた。
0036沖縄妄想2010/01/17(日) 00:18:15ID:abBhEZz4
「黒、……」
仮眠のつもりで瞼を閉じたが、銀の声に飛び起きれば窓の外がほんのり白みかけていた。どうやら数時間は眠っていたようだ。
隣で眠っているとばかり思っていたが、いつの間にか銀はタンクトップを着てちょこんとベッドの端に座りフローリングにまかれた水に足を浸している。
黒が眠る間ずっと見張っていたのだろう。
「追っ手か?」
銀はこくりとうなすく。
(ここも長くはもたなかったか)
失望は声に出す事はなく、黒は素早く服を着るとこの南の地にそぐわない黒いコートを羽織る。
一方水色のワンピースに着替えた銀の動きはどこかぎこちない。
「どうした?」
敵の接近が思ったより早いのかと危惧し、ナイフに手を伸ばした黒に返ってきた銀の答えは、
「走れない」
「くそっ、敵の能力か?」
重力系の契約者でもいるのかと懸念するが、
「違う……足、痛い」
そう言われて黒は昨夜の行為が原因と気付く。
女になって間もない彼女にはまだ負担があるのだろう。
「そうか」
ふっと笑うと黒はひょいと銀をかつぎあげた。流れた銀色の髪の隙間からのぞくうなじには、昨夜つけた赤い花が一つ咲いていた。
「黒、通路から二人。一人は契約者」
次の行き先に当てなどない。けれど独りでなければ、二人でいれば……
脳裏によぎるはささやかな‘夢’。
必要以上に開かない設計の窓を格子から丁寧にはずす時間など彼等にはない。
愛想良く自分たちを迎え入れてくれたホテルの主人に迷惑をかけることを心の中で詫びながら黒はガラスを蹴り破り、逃亡者達は朝焼けにダイブした。
0037名無しさん@ピンキー2010/01/17(日) 00:23:27ID:abBhEZz4
以上です。

改行が変ですみません。
銀も蘇芳も可愛いですが
個人的には二期はジュライが一番可愛かったです。
ジュライとみさきの絡みがもっと欲しかった。
では失礼します。
0041名無しさん@ピンキー2010/01/17(日) 21:22:48ID:8Ls+RBy0
GJ!しかし最終行で

        \  さいごのガラスをぶち破れ〜   /
          \ 見慣れた景色を蹴散らして〜  /
     ( \/ /_∧   <./|   /|       /\___
     ヽ/ /Д`/⌒ヽ  / .| / /     /    //
      / /\/ ,ヘ  i   ̄ > \_/   /____//
      し' \_/    i  />      ̄ ̄ ̄ ̄
         i⌒ヽ  ./   ̄>__         .|| |::
     /⌒ヽ i  i  \(    .|/  / /\    .|| |::
     i    | /ヽ   ヽ  ∠__/   ̄       .|| |::

思い出して吹いたw
0042名無しさん@ピンキー2010/01/18(月) 00:26:32ID:Rqb+970p
エロとカッコイイがきちんとあって
すごく良かった、乙!!
0044名無しさん@ピンキー2010/01/20(水) 18:04:04ID:3TC3mQAM
ブックレット見てたらおっぱいがつぶれてて痛そうだ…
つかわざわざサラシなんて巻かなくてもいいのに葉月さん
0046名無しさん@ピンキー2010/01/27(水) 15:49:38ID:ckHQudUR
外伝予告第二弾、ある意味ひでーなおい
銀ちゃんカワイソス
0047小ネタ2010/01/28(木) 00:15:54ID:tQsMWx4G
〜もしも「お尻叩いて!」って黒さんにお願いしたら〜

・アンバーさんの場合
「ねえ黒、私のお尻叩いてよ」
「なぜだ?」
「いいから叩い‥‥あっ‥違う‥そうじゃなくて‥‥だから‥‥おし‥り‥を‥んっ‥気持ちいい‥」

・白さんの場合
「ねえお兄ちゃんお尻叩いてよ」
「どうしてだ?」
「いいから叩いてよ〜あっ!ちょっとお兄ちゃ〜ん待ってよ〜」

・銀ちゃんの場合
「黒‥‥お尻叩いて‥」
「オレはお前の尻など叩きたくない!」
「嘘‥‥」

・蘇芳ちゃんの場合
「ねえ黒‥僕のお尻‥‥叩いてよ‥」
「なぜだ?」
「たっ、叩いて‥欲しいんだ‥」
「尻を出せ」
ぺちっ!
「黒‥もっと強く‥叩いてよ‥‥」
バチン!
「ん‥黒‥‥もっと‥叩いて‥あっ‥んっ‥‥気持ちいいよ‥」

・ハヴォたんの場合
「黒、どうした?」
バチン!
「〜っ!い、いきなりどうしたんだ?」
バチン!
「んっ‥‥黒‥ちょっと待‥」
バチン!
「あっ‥はぁ‥黒‥‥ん‥」
バチン!バチン!バチン!
「やめ‥‥痛‥んっ‥頼‥む‥から‥‥」
バチンバチンバチンバチン‥‥

・美咲の場合
「り、李くん私のお尻叩いて!」
スタスタ‥‥
「李くん‥‥」
0048名無しさん@ピンキー2010/01/28(木) 11:56:25ID:TGcGzoeL
・銀ちゃんの場合
「黒‥‥お尻叩いて‥」
「オレはお前の尻など叩きたくない!」
「嘘‥‥」

このあと捕まった銀を助けて

「銀!俺の尻を叩いてくれ!」
「黒…」
になるんですね
0049名無しさん@ピンキー2010/01/28(木) 12:09:14ID:tQsMWx4G
銀ちゃんが黒さんに四つん這いアナル舐め手コキしながら、「黒…気持ちいいの?」って言うSS書くぜ!
0051名無しさん@ピンキー2010/01/30(土) 16:06:52ID:mgeIVdec
…今気付いたんだがまだ黒銀SS書くには早いな。次で銀ちゃんの変化が顕著になってからなら白銀黒も黒銀黒もいけるだろうが…
今回のでネタに出来そうなのは黒さんが若干アンバーさんへの未練があるとゆう事くらいか。

てか増刊みたいなノリはやっぱほのぼのするな。
0052名無しさん@ピンキー2010/01/31(日) 18:28:18ID:kv74urUK
カーテン越しの朝日がカーマインの瞼を撫でる。
網膜で検知された光のシグナルは、即座に意識を覚醒させた。
機械めいた無駄のない仕草で、カーマインはベッドから上半身を起こす。
「思い出した」
「・・・・・・何?」
隣の黒は、寝ぼけ眼で答えた。
「髪、切ってくれ」
0053名無しさん@ピンキー2010/01/31(日) 18:29:39ID:kv74urUK
覚醒したばかりの意識で、惰眠にしがみ付く黒をカーマインは冷静に評価した。
激しい寝癖のついた頭に半目、口元には涎のあとが残るだらしなさ。

―――駄犬だな。

駄犬は、めんどくさい、と言いたそうな小さな唸り声を挙げると、引き寄せた毛布にくるまった。

―――昨日はほとんど寝てないんだよ。

黒のそんな言葉などお構いなしに、カーマインは
毛布にくるまった格好のまま黒をベッドの下に蹴り落とした。

「お前、昨日の夜、約束しただろ。代わりに、私の都合に1回付き合うって」

うう、と鈍いうめき声。

―――昨日の夜、寝入った私の身体をさんざん貪った、その対価にさ。

取りきれない疲れも寝不足も知ったことではない。
こいつの自業自得だ。
無理やり黒を毛布から引き剥がすと、窓を全開にし、部屋に陽光の輝きと朝の冷気を招き入れる。
単純だが、こいつを起こすのはこれが一番合理的だ。

ふと振り返ると、姿鏡に写る赤毛の女と目があった。
0054名無しさん@ピンキー2010/01/31(日) 18:31:17ID:kv74urUK
病人でもないのに不健康な色合いの肌の、胸元まで伸びる長い赤髪。
覆うのは、贔屓目に見ても豊かとはいえない乳房。
静脈の浮き上がった皮膚は冷気に身震いし、羽を毟られた鶏のそれと大差ない。
目脂のたまった瞳をこすってみても、その貧相さは変わらなかった。

表情。

意識の鋭さとは無縁な、寝起きでなくても締りのない顔。
ぼけっとした寝起き直後のその顔は、寝起きでなくてもこんなもの。

だが、こんな風にまでだらしなくなったのはいつの頃からだったか。

この街に居ついた頃。
この街に居ついてあの任務についた頃。
この街に居ついてあの任務のためにあいつと同棲するようになった頃。

ああ、そうだ。

あいつと同棲し始めてからだ。
そして、その頃からだったかな。

髪を伸ばし始めたのは。

―――今度、また今度と引き延ばしているうちにこうなってしまった。
0055名無しさん@ピンキー2010/01/31(日) 18:35:12ID:kv74urUK
とりあえず序章。
黒とカーマインでそれらしい話を書いてみます。
双子ネタでなくてすみません。
005754の続き2010/01/31(日) 23:58:30ID:kv74urUK
視線をずらすと、ベッドから蹴り落とされたにも関わらず黒はまだ寝ていた。

・・・高めの柔らかなカーペットが問題だったか?

それでも流石に寒いらしい。
今度は脱げた服をかき集めて、駄犬は猫みたいに丸まった。
近寄って覗き込もうとすると、鬱陶しげな顔をして衣類に頭をうずめた。
すると、覆いきれなかったむき出しの黒の肌に、何故か目がいく。

カーマインは右の人差し指を舐めて、黒のうなじをなぞってみた。

ぞぞっ。


不思議だ。
なぞられているのは黒のはずなのに、自分もむず痒くなってくる。

今度はむき出しの背中。
肩甲骨から、脇腹へ向けて、人差し指と中指でレールを描くようになぞった

ぞぞぞぞっ。

何故だか、その反応を繰り返したくなった。
人差し指と中指と、薬指を舐めて、脊椎に沿って三本線を引いてみようと手を

「やめろ」

突然湧いた拒絶の言葉と平手は、頬を強かに打った。

「・・・身体を洗ってから、切ってやる」

黒は身体を起こすと、即座に視線の先のバスルームへ向かった。
頬を赤く染めたカーマインの視線は、黒の背中だった。

姿鏡に映る少女の微笑みを見たものは、誰もいなかった。
005854の続き2010/02/01(月) 00:00:02ID:0truVfQr
「切った後にした方が、合理的だと思うが」
バスルームからの呼び掛けに、黒は答えない。
「なぁ、返事くらいしたらどうだ」

返事はキッチンの調理音だけだった。
包丁と俎板のリズムが水の滴下音を切り分ける。
石鹸の匂いに、はぜた肉汁の匂いが忍びこむ。

「・・・朝っぱらから、その据えた体臭を嗅ぎながら切るのが合理的か?」

やっと返事が来た。

「先走りすぎだ。それに朝飯くらい食わせろ」

遅すぎる上に、声色には愛想も無い。
005954の続き2010/02/01(月) 00:03:44ID:0truVfQr
鏡に映る赤毛の女は、ドライヤーで無頓着に髪を乾かしていた。
ドライヤーを手にするたびに、カーマインは思う。

――――長い髪ほど不合理なものはない。

邪魔だし。
暑いし。
乾かすのに時間がかかるし。

ドライヤーのスイッチを入れてから切るまで、そう長くはない時間、
頭の中に沸いては消える不毛な感慨を、合理的思考で梳る。

髪が伸びる早さは、月に約1.2センチだという。
1日0.4ミリ、1年15センチ。
長い時間で長い髪。
長い髪。
女。
シンボル。
社会的意義。
相手に与える心象。
イメージ。
女のイメージ。
女のパターン。
妹。
恋人。
姉。
母。
不可解。
理解。
理解の手間。
手入れの手間。

メリット。
デメリット。

何故今まで切らなかったのか。

―――どうして髪を伸ばしているのか。

um r

いつも、その根元に辿り着く前に、乾き終わった。
今日も、その根元に辿り着く前に、乾き終わった。
006054の続き2010/02/01(月) 00:05:14ID:0truVfQr
鏡を離れる前に、じっと覗き込む。

―――そういえば、


アンバーは、もっと長かったな。


「おい!いつまで入ってる気だ!!」

―――気の早い奴。
毎度毎度、あれだけの量をすぐに食べつくす早さにも驚かされる。

「もう上がってる。すぐにいく」

ドライヤーと、櫛と、もはや解く必要のなくなった問いは、いつも通りに置かれていった。
0062名無しさん@ピンキー2010/02/01(月) 07:17:03ID:Ti2HgOx8
GJ! ドライな感じだけどこの二人も良いなぁ…
しかしハヴォたんの甘えに平手打ちで応える黒さんのドSっぷりにワロタw
0064名無しさん@ピンキー2010/02/02(火) 13:48:57ID:QyZNDKZ3
超GJ!!!
やはり黒ハヴォは良過ぎる(*´Д`*)
髪長ハヴォックたん拝みたい。
0067名無しさん@ピンキー2010/02/12(金) 23:35:06ID:/WjahUlU
期待age
0068名無しさん@ピンキー2010/02/12(金) 23:42:21ID:VXAmOrZ6
0069名無しさん@ピンキー2010/02/13(土) 04:29:48ID:oaJ+tpuq
黒銀書きたい&見たいけど外伝でそれ以上のことをやられたら…ゴクリ
0070名無しさん@ピンキー2010/02/13(土) 08:49:28ID:W4erJJJH
>>69
そうなんだよな‥でも外伝待ってたらしばらく書けないしな‥だからやっぱ今書くしかない!
0071名無しさん@ピンキー2010/02/15(月) 00:22:15ID:5Q55mv3e
>>69
外伝がそれ以上?
見せてくれないと何とも言えないな
いや、見せてください
0072名無しさん@ピンキー2010/02/16(火) 02:13:45ID:4QENcW1k
はっきりとそういう関係になってたならあの黒のやさぐれっぷりも分かるけど、
でもまあ多分、(少なくとも直接的には)そういう描写はないんだろうな〜と思ったり
エロ描いてくれなんて言わない、キスでもされたら十分燃料投下だけどねw
0073名無しさん@ピンキー2010/02/17(水) 23:54:34ID:1ZVz17H0
よく見たらアビゲイル結構エロい体してるじゃない(*´Д`)ハァハァ
アビゲイル×黒で拷問プレイはありですね(*゜Д ゚)ハァハァ
0075名無しさん@ピンキー2010/02/18(木) 00:18:11ID:eXQOavYD
>>72
これ(外伝)で正真正銘最後なら
そういう描写もアリかな、と思えてきた
0076名無しさん@ピンキー2010/02/19(金) 19:49:01ID:fI8MAQjk
作家さんは鋭意制作中age
0080名無しさん@ピンキー2010/02/19(金) 22:49:10ID:fI8MAQjk
>>79
職人もいろいろと忙しいさ

かくゆうオレも職人だが黒×銀、蘇×黒×銀、黒×アンバーの3つを途中で放置している‥
今からまた続き書いてみるお(^^)
0083名無しさん@ピンキー2010/02/20(土) 00:07:41ID:m9MPq4df
なんだよ黒アンの中途半端なやつ見返したら前戯に力いれすぎだろ俺ww

とゆうわけでもう少しかかるのであしからず。
乳首とフェラとアナル舐めにこだわってるんです(*´Д`)ハァハァ
008460の続き2010/02/20(土) 02:20:22ID:SWv4RjZ0

「本当なら、今の時間にはもう荷造りを終えているはずだった」
恨みごと混じりに、黒は散髪道具を片づけ始めた。
切り落とした髪はもちろん、カーマインに纏わせた散髪用のケープに
ハサミ、櫛、ドライヤーも袋にまとめると、更に段ボールに箱詰めた。
取出したマジックで『処分品』と書くと、アンバーに指示されていた業者に電話をかけた。

「今日、出る。片づけてくれ。指示役に一人残す」

徹底して物証を残さないための、アンバーの息がかった清掃・引越し業者だ。
組織専属で仕事をこなす業者だが、作業員が来てもいないのに部屋が片付いただの、物音なくビル十棟消えただの、
怪奇現象めいた噂からして、恐らくは契約者の能力を商売に転用した会社なのだろう。
アンバーが興した会社は他にも、病院から葬儀屋まで多岐にわたり、数十社を超える。
アンバー自身は『会社を興したい人に組織経由で人材と資金を提供しただけ』と言っていたが、
それでもその人材を選別し、適材適所を絵に描いたように実現できる慧眼は並大抵のものではない。

黒とカーマインは、アンバーが興した民間軍事会社の一つに明後日から務めることになる。
そして今日は、本当に久しぶりにアンバーに会える。
一分でも一秒でも早くアンバーに会いたい。
そのためにも、日頃から急な移動に対処できるよう片づける物を最小限にしているとはいえ、
黒はさっさとここを引き払う作業を終わらせたかったのだが、

「忙しくなるのに、なんで今日なんだ」
008560の続き2010/02/20(土) 02:21:25ID:SWv4RjZ0
庭先の椅子で、ぼけっと日向ぼっこをしているカーマインに声をかけた。

「・・・・・・・・・・・・」

返事がない。
黒の位置からは背中しか見えないから、寝ているのかもしれない。
最近は日差しも穏やかで温かい日が続くから、カーマインは庭先の椅子で眠りこけていることが多々あった。

・・・いや、おかしくないか、何か。
何かおかしい。
ずっと前に、確か、

「・・・なあ、なんで私は今日切ろうと思ったんだ?それも朝っぱらから」
はっきりとしたその言葉は、寝起きではありえなかった。
「知るか」
げんなりした顔つきで、黒はため息をついた。
返事をするならさっさとしろ。
任務が始まったその日以来、こいつには振り回されっぱなしだ。
だが、長らく続いたそんな面倒役も今日で終わる。
思い出しかけたことなどどうでも良くなった。
すぐに思い出せないのなら、どうせ大したことではなったのだろう。
「俺は用事があるから先に出るぞ」
必要な荷造りを手早く終わらせ、黒は振り返ることもなく出て行った。
008660の続き2010/02/20(土) 02:22:33ID:SWv4RjZ0
カーマインは独り庭から戻るとテレビをつけた。勿論、感慨のわかない番組を見るためではない。
セットしたままのビデオを再生した。
これまでの実戦過程を後で検討確認するために、ドールに撮らせたものだ。

『庭先で呑気に寝るな。いい的だ』
映ったのは、無愛想な女が無愛想な声で無愛想に話していたシーンだった。
『アンジュレーション。腹筋を鍛えるのに踊りは最適だ』
寝起き早々に踊らされる男の表情になどまるで無頓着な、赤いざんばら髪の女だった。

ああ、そうだ。
あの頃は、邪魔だと思ったそばから自分で乱暴に切っていたんだ。
『私の背後に立つな。特に刃物を持って立つな。殺すぞ』
『音や光を操るタイプは真っ先に始末しろ。効果範囲が恐ろしく広い場合が多いからな』
『物体操作能力は見た目に惑わされるな。初動が遅いし、本体が操作に気を取られて無防備になりがちだ。さっさと駆け寄って刺すのが』

いつの間にか、早送りボタンを押していた。

女は時が経つにつれて、表情が柔らかくなっていく。
男は時が経つにつれて、表情が険しくなっていく。

いつの間にか、再生ボタンを押していた。

『ああ。あるな。日本では『キツネの嫁入り』と言うらしい』
穏やかな、黒の声。
いつのどんな場面か思い出せなかった。
映っていた黒は背中姿だけだった。

けれど、わかるのはなぜだ。
008760の続き2010/02/20(土) 02:26:56ID:SWv4RjZ0
不意に、カーマインの頬に生温かい何かが触れた。

不思議に思って指先をそっと触れると、

―――頬が濡れている


「・・・?」

空を仰ぎ見るが、雲一つない。
何より、今自分がいるのは屋内だ。

「???」

『天気雨ね』
ブラウン管の奥から聞こえる琥珀色の鈴の音。

知っている。
知っているが。

ポツポツと

ポロポロと

止め処なく。

こんなにも。
こんなにもはげしくふるものだったか。

『あー・・・そうだ、思い出した。天気雨という現象だな』
琥珀色と黒色の中に馴染まない、臙脂色の声。

――どうしたんだアンバー、突然に。
――新しく興した会社に、来て貰いたいのよ、黒。

『他にも言い回しがあったような・・・ええと、・・・この国では、確か、・・・『悪魔の結婚』』

――うん、じゃあその日に迎えに来てね。
――ああ。必ず迎えに行く。

『じゃあね。また会いましょう』
琥珀色の鈴が、閉幕のベルを鳴らす。

シャッターを切るように、電気仕掛けの時間は終わった。
0088名無しさん@ピンキー2010/02/20(土) 02:32:46ID:SWv4RjZ0
以上でまた終わりです。
エロも何もなくてすみません。
南米時代というか、昔の黒は白とアンバーに関心がいっててカーマインの変化に無頓着、
一方でカーマインは思考が極限に合理化してるから自分の感情を処理も認識もできない、
・・・な感じを目指しました。
0091名無しさん@ピンキー2010/02/23(火) 03:15:08ID:g/trDBvT
あるとき、レプニーン少佐のもとに契約者を使ったエスピオナージュ(スパイ活動)の依頼があった。
いわく、とある女性科学者をハニートラップで捕らえ、某国へ亡命させてほしいとのこと。
途中での妨害に備えて契約者が必要というわけだ。

というわけでゴランさんが派遣された。どこかの腹ペコ契約者ほどではないとはいえ、彼もなかなかのハンサムさん。
作戦は成功するかに思われた。
が。



「ゴラン、あなた早いのね」

作戦は失敗した。
0096名無しさん@ピンキー2010/03/08(月) 22:16:20ID:u2sCJVhY
保守ばっかりじゃねぇかww
支援上げ
0097名無しさん@ピンキー2010/03/09(火) 09:42:36ID:9pY+fMR0
黒銀見たいが、本スレにあったアニメ誌の絵がおまえらいちゃいちゃだ状態で
まさに公式が病気w
0098名無しさん@ピンキー2010/03/09(火) 16:16:37ID:+7vMx5Om
今2期見終わったんだが…蘇芳可愛すぎるだろおおおおおおおおお
10話と12話がやばい
0099名無しさん@ピンキー2010/03/11(木) 01:34:11ID:uXQT/H1n
メディアの黒銀記事ワロタwww
記事はもちろん公式じゃないけどバカップルっぷりにw
0103名無しさん@ピンキー2010/03/12(金) 17:01:12ID:3AXZyYr8
消えてるから綺麗な方貼っておく。
ttp://brunhild.sakura.ne.jp/up2/updata/up40905.jpg.html
0105名無しさん@ピンキー2010/03/12(金) 20:40:25ID:CPPQD2PG
本編での服装をスルーしてまでズボンを脱がせノースリーブにし
GJすぎるだろ…
0109名無しさん@ピンキー2010/03/16(火) 23:59:49ID:6EmsG3Zp
まだ…まだあと3話ある…!
黒はそういえば銀に対しては
殴ったことも怒鳴ったこともキスをしたこともないんだよな
0110指令はいつも突然に1/42010/03/17(水) 13:34:20ID:7AGhPb2V
「ハ〜イ、どうも」
三号機関本部、オフィスのドアをノックもなく入ってきた女性に、一同の目が集まる。彼女の手には、書類が入っていると思わしき封筒があった。
「げっ」
主のいないらしいデスクの上で、ヒマワリの種を一心不乱にかじりついていた1匹の小さなげっ歯類の手から、食べかけの種がポロリと落ちる。
見つめていたモニタから視線を外すと、未咲は立ち上がり彼女に軽く会釈をした。
「マダム? ご無沙汰しています。 珍しいですね、あなたが此方にいらっしゃるなんて」
「よく来てくれた。 彼女を呼んだのは、私だ」
オフィスの奥から、低く落ち着いた男性の声色が聞こえる。
「小林課長が?」
「なんで、呼んだんだ」
未咲は視線の先を小林に変える。小動物は不貞腐れたような言い方をすると、器用に後ろ足であごの下をバリバリとかきむしった。
マダムは眉根を寄せると、声のする方に唇を突き出し、
「あら、ひどい言いようねリカルド」
「猫<マオ>だ、今じゃこっちの名前が気に入っているんだ」
尻尾をパタパタと振って見せる。
「まあ、どうでも良いけど・・・」
「ソコ、さらっと受け流すな!」
いちいち反応してくれるマオにマダムはいたずらっ子のような表情を浮かべた顔を近づける。
「じゃあ、どう言って欲しいのよ〜。 モモンガの外見で名前が猫だなんて、ユニークね。 とか?」
「・・・。 もうイイ」
これ以上はからかわれるだけと悟ったマオは胡坐をかいて座り込み、マダムは何事も無かったかのようにデスクチェアを引き出して腰をおろす。
恒例のじゃれあいが終わるのを見届けると、未咲は彼女に声をかける。
「それはそうと、今日はどのようなご用件で?」
すると、様子を伺っていた小林が間に割り込み、未咲に向き直った。
「私が手短に説明しよう」
その言葉が合図のように、あたりはしんと静まり返る。
「今、君にはイザナミ、イザナギの件以来偵察という任務を遂行してもらっている」
「はい・・・」
「しかしこの偵察という任務は非常に危険が伴うものでもある。 そこで・・・」
「君の生命の安全を確保するため、とある契約者と今後は行動を共にしてもらいたい」
突然の指令であったが、仕事である。と未咲はこの時内容について疑うことをしなかった。
「わかりました。 で、とある契約者とは?」
ひらひらと封筒を振る手が見える。
「それについては、私が説明するわね」
「小林課長から、私はあなたの身の安全のために最も適切な能力を持つ契約者の選定を任されたの」
「で、あなたの任務内容にも合致する能力を持つ契約者がこの人物」
マダムは椅子に座ったまま封筒から書類を取り出すと、ハイと未咲に手渡す。
「ありがとうございます、少し内容を確認させてください」
「性別は男性。・・・能力、テレポート・・・対価は・・・踊り? ダンスでもするのですか?」
ぶつぶつ呟きながら受け取った書類に軽く目を通し始めると、あまり具体的な表記ではない能力や対価の項目のあたりで読むのをやめた。
「まあ、そんなところなんだけど」
若干言葉を濁している様子のマダムを未咲は怪訝に思い、
「あの、むしろ出生地や家族構成とか・・・不要な情報が多くて、どのようなテレポートをするとか、重要な内容が単語でしか表記されていないのですが・・・?」
0111指令はいつも突然に2/42010/03/17(水) 13:35:29ID:7AGhPb2V
わざとマダムはあさっての方を向いて答える。
「実は、多少の問題があって・・・まあ、それは慣れてもらうしかないんだけど」
「慣れる? いったい何に慣れる必要が?」
「あのね、落ち着いて聞いてくれるかしら?」
「? はい」
「一度のテレポートで移動できるのは、本人を含め対象者”だけ”なの」
「それのどこが問題なのですか?」
「あっ、まさかっ!」
ここまで話すと、今まで退屈そうに寝ころんでいたマオがガバっと起き上がり、会話に乱入してきた。何か思い当たる節があるらしい。
「あら、わかるの?」
じゃあ、あなたが代わりに言ってくれる? とばかりのマダムに気がつかず、マオはそのまま自分の知っている知識を披露し始める。
「もしや、身につけているものを除いた本人と同行者ということじゃないだろうな? そういうのだったら、以前見たことがあるぞ!」
「どういうこと?」
何を言っているんだかよくわからない。 といった未咲の問いに、マオは得意満面だ。
「要するに、テレポート先では”真っ裸”ってことだ。」
「マオの言うとおりね」
あ〜あ、言っちゃった。とばかりに肩をすくめて見せるマダム。
「はぁぁっ!? 裸!! それは、ダメ! いえっ、大いにまずいです!」
「そもそも、同性ならともかく、異性ですよ? あぁぁっ、ありえません!!」
想定通りの拒否。 
あなたがあからさまに言うからいけない。 そんな視線をマオに向け、彼のせいにしながら未咲をなだめる。
「だから、慣れるしかないって。 大丈夫、訓練された契約者なんだから変な気は起こさないわよ」
「いくら訓練された契約者だからと言っても、やはり男性とは・・・」
顔どころか耳まで真っ赤にして拒否する未咲に、マダムの瞳がキラリと光った。
「あら、そんなこと言ってるけど」
「あなたの家に入り浸ってるそのマオの中身は、中年オヤジよ? 知らなかった?」
「!!!」
突然の矛先に、ぎくりと全身の毛を逆立てて静かにその場から離れようとしたその矢先、未咲の手がマオをガシっと掴む。
「・・マオ! それは本当か!!」
いつにもまして、目が吊り上っている。自分の目線の前まで手に掴んだマオを持ち上げるとグニグニと握りしめた。
「ぐぅおお、苦しい!!」
「そういえば、私がシャワーから出てくると脱衣所あたりでウロウロしていることがあったが、まさか!?」
「ぐわぁぁ、俺が見ていたのは上の方じゃない、足首だっ!! 」
「足首?」
「彼って重度の足首フェチなのよね〜」
一瞬マオを掴む手の力を抜くと、マオはチャンスとばかりにスルリと逃げ出し、滑空しながら小林のデスクの上に舞い降りた。
「まあ、確かにたまに上の方も見ることがあったかも知れんが・・・」
ここは安心とばかりにしゃあしゃあとうそぶく。
「やっぱり見てるじゃない!! どうして黙っていた!!」
「いや、聞かれなかったから、そこは合理的に判断して」
「こんな時ばかり都合良く、合理的なんて言葉を使うな!」
いつもの冷静な彼女の面影はなく、そこには普通の一人の女性がいるだけだった。

0112指令はいつも突然に3/42010/03/17(水) 13:36:09ID:7AGhPb2V
「とりあえず、所詮動物と思っていれば、裸を見られても平気だった。ってことじゃない? 未咲」
「なら、契約者だって同じよ。 所詮契約者と思って、堂々としてればいいのよ」
デスクチェアから立ち上がり、未咲の肩を軽くポンポンと叩くとマダムは無責任に言い放つ。
「マダム〜〜」
半分ベソをかいたような、困惑の色がその瞳にあった。
「ん、ごほん・・・」
半ば蚊帳の外になっていた小林の咳払いで、皆の意識が現実に引き戻される。
「はっ・・・あっ、も、申し訳ありません、取り乱してしまいました」
冷静さを取り戻してみると、一人で取り乱していたことがかえって恥ずかしいものに思えた。とにかく何か取り繕おうと、もっともらしい質問をしてみる。
「しかし課長、どうして女性にしてくださらなかったのですか?」
「残念ながら、三号機関に所属するテレポート能力保有者が少ないのだ、今現在女性の契約者もマダムに探してもらっている最中だ」
「彼はその間の代役に過ぎない。見つかり次第、当然変更する」
いつものように落ち着いた様子で、淡々とした返答が返ってくるだけだった。 流石の未咲もこの冷静ぶりに多少のいらつきを覚える。
「ということで、決まっちゃったことなんだから仕方ないわよ〜」
もう、諦めちゃいなさいな。 そのような意味を込め、マダムは未咲の肩に軽く手を置いた。
「決まっちゃったって、そんな・・・」
力なく肩を落とした背中からは哀愁が漂う。
「ご愁傷様だな」
同情をするかのようにマオはそう言ったが、実際にはからかい半分なのは見え見えだった。 そのおかげで未咲に睨まれ、あわてて小林の肩の上に逃げ込まねばならなくなった。
「どうして今まで教えて下さらなかったのですか? 事前に打診等があるべきです!」
今まで秘密裏にされていたことを恨むように、暗に見直しを要求してみせた。 しかし返ってきたのは彼女の期待に反するものだった。
「無用な混乱を避けるためだ。 それに君に予め打診したところで、何の意味もない。 この人事について変更はない」
小林は一呼吸つくと、この指令を下すに至るまでの経緯を説明することにしたようだった。
「一之瀬、いや霧原。 これは何も君の身の安全を確保するためだけの処置ではない。 万が一君が敵の手に落ちれば、君自身の意志に関係なく我々の持つ情報が敵に渡ることになるだろう」
「MEスクイーザーというものが存在している以上、我々は秘密を守るために死体ですら回収しなければならない」
未咲の瞳からは困惑の色は消え去り、事態をようやく呑み込めてきたおかげでいつもの冷静さをやっと取り戻した。
「平常時の彼の扱いに関しては君に一任する。 ただし、緊急時における彼の任務は”君の生死にかかわらず身柄を確保すること”だ」
「わかったな? 君がこの命令を拒否することは許されない。 これが”組織”というもののやり方だ」
”組織”と聞いてハッとし、諦めと決意を表情ににじませる。
「・・・わかりました。 ただし、彼に能力を使わせるつもりはありません」
能力さえ使わせなければ、なんてことはないはず。 未咲はそう自分に言い聞かせると、せめてもの抵抗を示す。
「それは君の行動の結果次第だな。 期待している」
本心からの言葉だろうか、小林の口元は薄く笑みを浮かべているかのようだった。

0113指令はいつも突然に4/42010/03/17(水) 13:37:25ID:7AGhPb2V
マダムは思った以上の混乱がなかった事を残念に思ったのか、からかうような口ぶりで小林に話しかける。
「あら彼女、思ってたより大人しく無茶振りを受け入れたわね。 私が来る必要ってなかったんじゃない?」
デスクに寄りかかりながら、未咲の耳元に囁くように告げる。
「本当は資料だけ送って小林課長に説明してもらうつもりだったんだけど、どうしてもって、彼がね」
「マダム?」
「だって、こんな人事を彼から話したらセクハラにしか思えないでしょ? ああ見えて、結構気にしてるみたいなのよ?」
マダムの流し眼の先にいた小林は、まがってもいないネクタイを慌てて直しながらそれ以上の言及を制止した。
「・・・マダムそれ以上は・・・」
「そういうことでしたか。 ただ、これはセクハラではなくても十分パワハラです」
どうりで珍しくマダムがここに立ち寄ったというわけか、と心の中でため息をつくが、それは口にせず小林を皮肉る。
「も〜、あなたってこういえば、ああ言うって感じね」
そう言って未咲にウィンクすると、書類の入っていた封筒をゴミ箱へ投げ捨てた。
「さて話もまとまったことだし、そろそろウワサの彼も呼んでみんなでランチに行かない?」
その言葉に一瞬顔の表情が固まり、
「来ているのですか? というか、今の話聞かれていた?」
未咲はひどい脱力感に襲われてしまった。
マオはようやく小林の肩から降りてきて、マダムを仰ぐように見上げ、
「周到な準備だな。 ところで小動物は入店できるんだろうな?」
「あら、ついてくるつもり? モモンガが入店許可されてる店なんてこの日本中にあるわけないじゃない」
「ちっ、俺は仲間外れか」
それを聞くと、すねて毛玉のように丸くなる。
「仕方ないわね、個室にしてもらうから隠れているなら来てもいいわよ」
「んじゃあ、遠慮なく」
マオは言い終わらないうちに、未咲のバッグのファスナーを器用に開けて中に滑り込んでしまった。それを見た未咲は慌てるが、当の本人は毎度のこととばかりに澄ましている。
「ちょっと、何で私のかばんの中に潜り込むのよ?」
「気にするな。 広々として、居心地がいいんだ」
いつの間にかドアの前に移動したマダムの手には、ノブが握られている。
「準備はいい? 呼ぶわね」
「さあ、入ってきて」
そして、ドアはゆっくりと開かれた。

その後、何度かテレポート事故を起こして騒動をかもすこともあるようだが、彼らは今でも精力的に活動をしている。       
 

<<終>>

0114名無しさん@ピンキー2010/03/17(水) 13:37:55ID:7AGhPb2V
長文、駄文、スレ汚し。
失礼いたしました。

スレの雰囲気違うような気もしていたのですが、
せっかく書いてみたんだし、と思い投稿させていただきました。
0116名無しさん@ピンキー2010/03/18(木) 00:12:29ID:3YvT/fXJ
ほのぼの新組織の日常〜未咲の貞操を守れ編〜
てかんじだな
0118名無しさん@ピンキー2010/03/18(木) 19:25:10ID:hrt+VPC4
おぉ久々の投下来てたのか!
>>114
乙です!
また何かできたらどんどん投下して下さい
0123名無しさん@ピンキー2010/03/28(日) 12:12:57ID:5WxT7n1W
同時に
3話予告の「束の間の安息」と赤ん坊=いい雰囲気になる
という連想しか浮かばない頭もなんとかしたもんだw
0124名無しさん@ピンキー2010/03/28(日) 13:14:15ID:1fGYph+2
今引っ越しで忙しいからもう少し待ってくれ(´д`)ハァハァ
0138名無しさん@ピンキー2010/04/10(土) 00:22:31ID:44hFAoMt
あの外伝のせいで最近、契約者になって対価でちん○が生えた耀子ちゃんが
葉月さんを犯しまくり、葉月さん喘ぎまくり、それを羨ましそうに覗く鎮目の妄想ばっかりしてる
0139名無しさん@ピンキー2010/04/10(土) 15:59:51ID:CjaS9uvD
葉月さんの真っ黒い髪とスーツに精液がかかるのはエロいと思う
0140名無しさん@ピンキー2010/04/12(月) 14:14:55ID:hrK3Jov+
114です

またしばらくしたら、投稿させてください。

内容は三号機関メンバー(マイナスゴルゴ小林)です。
宜しくお願いします〜

(エロはないからね(^^;)
0142真実は偽りに霞んで 1/52010/04/21(水) 15:04:52ID:hfJD1q1V

閉鎖された天文部国立天文台、かつてドールシステムのあった場所。
施設に明りの灯らない夜のこの場所は、周囲の喧騒から確実に隔離された場所だった。
ふらりとやってきて自分を驚かした鎮目を背後に、彼女は無言で車を駐車させているところに向かっていた。
問題なのは先ほど訪ねた天文台施設がかなり奥まった場所にあり、車で乗り付けた場所からだいぶ遠くまだ数分かかりそうな事くらいか。
「未咲ちゃ〜ん、ついでに俺も乗せてってくんねえかな?」
後ろから聞こえてくる間延びした声を無視したかったが、この男、無視していれば何を言い出すかわからない。
「一体どうやって、ここまで?」
「タクシー。 帰りは乗せてもらうつもりだったから、もう帰した」
正直嘘くさかった。が、もう会話が終わってしまった。 どこまで乗るつもりなのだろうか? あまり遠い所だと、面倒だ。 携帯を取り出して時刻の確認をすると、ちょうど20時を少し回ったところだった。
「それで、どこまで乗せていけばいいんだ?」
「駅まで」
「駅? JRと京王線が最寄りになるが・・・どちらに?」
「ああ、ならJR。 親切だねぇ、一応どっちの駅かは聞いてくれるんだ」
「適当な所で降ろすわけにもいかないだろう?」
急いでいた足を止め、立ち止まって振りかえる。
呆れてしまう。 そこまで嫌がらせをするつもりはない。 あとでネチネチ言われるのが関の山だ。 そう未咲は思った。
ただ、先ほどから気にかかることはある。
なぜ、この男はあのように言ったのだろうか? ”上の人間が考えていることを知りたい”と。
「鎮目、・・・なぜさっきあんなことを言った? なぜ知りたいと思う?」
「ん?」
「上の人間の考えてることを、何故お前が知る必要がある? 本心か? それとも別の意図が?」
しばしの沈黙。 それを破ったのは鎮目。
夜の闇のせいでよく見えないが、いつもの通りニヤついているようだった。
「知りたいものを知りたいと言って何が悪い? それとも、ナニ? 俺のこと、どっかのスパイだと思ってるワケ?」
思ってもみない反論が返ってきた。 そしてその声音は少し怒気を含んでいるかのようで、流石の未咲も困惑した。
「そんな、そういう意味では・・・。 あの、心証を害してしまったのなら、申し訳ない。 それは謝る・・・」

お? 想像以上に驚いてるし、慌てふためいているような・・・
危ない、危ない。 これだから勘の鋭いヤツは困る。 言い当てられる前にわざと言ってやってみたが、さてどうしたものか?
ああ、そうだ、これを逆手に取ってやろうか? 話の矛先を変えたいし・・・

鎮目は近くですまなそうに顔をうつむかせ、静かにたたずんでいる未咲に目をやると彼女に数歩近づき、口元を邪悪に吊り上げた。
「だいたい、スパイはあんたの方なんじゃないの? わかってるんだぜ・・・」
乱暴に彼女の肩をつかみ、低い声で耳元に囁いてやった。
弾かれるようにその手を振りはらい、すばやく後ろに未咲は退く。 その瞳はあまりの驚愕によって見開かれていた。
「なっ!? どういうことだ!」
ふふん、と鼻で笑いながら男は歩み寄ってきた。
「さっき言ったろ? 資料を漁りまくって、挙句の果てにはこんなところに。 明らかに誰かと会うつもりだった。 違うか?」
「ち、違う。 誤解だ!」
「本当に?」

0143真実は偽りに霞んで 2/52010/04/21(水) 15:07:56ID:hfJD1q1V

確かに、ここに来ればマダム・オレイユという女情報屋に会えるような気がしていた。 
結局、彼女がここに来ることはなかった。 結果的にはそれで良かったようだ。
もしここで彼女と接触している様子を鎮目に目撃されたとしたら、言い訳はできないだろう。
彼の言うスパイ疑惑は確定してしまい、私は裏切り者として消されてしまうに違いない。 
例えそれが鎮目の身勝手な誤解であったとしても。

冬の寒空の下、額ににじみ出てくる冷や汗に悪寒を感じながら、未咲は現状を打破する策はないものかと思案する。
気がつくと、肩にかけていたバッグに鎮目の手が伸びてきていた。
「その鞄の中身、改めさせてもらっていいかな?」
「・・・ああ、それは構わない。 ただ、この暗さだ。 何が入ってるのかさえ見えないんじゃないのか?」
ふとその手の動きが止まる。
「それもそうか・・・じゃあ、明るい所に出たら見せてもらうよ」
「わかった・・・」
再び沈黙が訪れる。 そこには歩きだした二人の靴音と、冷たい風の音だけが響き渡っていた。
「本当に他のヤツと通じてないのか?」
突然声がする。 まだ尋問は終わっていなかった。
「それは本当。 ただ、ここに来たかっただけで・・・」
「来たかっただけって、そんなの信じられるわけねーだろ! じゃあ、スパイじゃないって証拠はどこにあんの?」
この男、突拍子もないことを言う。 本当にそれ以上の理由などないというのに。
「証拠? もともとそんなもの・・・無いものを出せるわけがないだろ! 無茶苦茶だぞ!」
「じゃあ、どうやって身の潔白を証明すんの?」
「それは・・・」
どうすれば良いだろうか? 未咲は言いよどむ。 
相変わらず、鎮目は困惑している未咲の様子を見てニヤニヤとしている。

もちろんスクイーザーに掛ける。で良いんだけど・・・もう少したたみかけてみるか? おまえを俺の手駒にしてやるよ。 
何かあっても、全てこの女のせいにしてやれば良い。
「あんた、自分が何も教えてもらえない理由、わかる?」
立ち止まり、未咲は横に並んで歩いている鎮目を見た。
「理由?」
「そう。 あんた、何のためにウチに来たんだっけ?」
「BK201を、追うため」
「そうだったな。 そんなあんたにいきなり全ての情報を開示してみろ、即トンズラ決め込むかもしれないし、実はウチに来る前にヨソと通じていて、
こっちの情報をダダ漏れにされる・・・ってのも美味しくないよな」
あからさまに自分を疑い、信用をしていない言葉を連ねる鎮目を未咲は睨みつけるが、立場が違う以上
この男の合理的判断によって導き出された正論なのかもしれない。 そう思わざるを得なかった。
「課長はどうだか知らねーけど、葉月も耀子もあんたのことどれだけ信用してるんだか」
耀子と聞いて、未咲は思わずギクリとした。 先日の潜水艦内での会話が脳裏をよぎり、めまいを覚える。 
『私を味方と思わない方が良いと思います』彼女はあの時、微笑を浮かべて確かにそう言った。 
あれはこの鎮目の言葉通りの意味なのだろうか? この男の戯言と思っていたが、呼び起された記憶にショックを隠しきれない。 
傍で見ていても未咲がうろたえているのが簡単にわかる。
顔をうつむかせて完全に沈黙してしまった彼女を確認すると、鎮目は思った以上の効果があったと内心ほくそ笑む。
「ひょっとして、もう誰かに何か言われた?」
動揺し冷静な判断力を失いかけている彼女は、その問いに答えてしまう。 いつもなら決して口にはしないはずのことを。
「自分を味方と思うな、と・・・耀子が・・・」
「耀子が? 意外だな・・・」

0144真実は偽りに霞んで 3/52010/04/21(水) 15:10:25ID:hfJD1q1V

以外と言いながらも実際には、情報どうも。 と思っている。 あともう少しズタズタに切り裂いてやろう。 
そして、最後に甘い言葉を囁いてやろうか? そうすれば、この女は落ちる。
再びへらへらとした表情を作り、大胆にも肩に腕を回す。
「曲りなりにも非合法なコトする所に入って来ちゃってんだよ? 覚悟は出来てるんだろうね、未咲ちゃん?」
「覚悟?」
「ポッケに隠し持ってる拳銃は、お飾りじゃないよな? 自分の身を守るためだけでもない。 
ターゲットを殺すためにそのトリガー引けるかってこと」
「殺す・・・? 私が、人を、殺す?」
「そう。 あんたの意志で、その手でさ、確実に逝けるよう頭にタマぶち込んでやればいい。 
大丈夫だって、何も感じないさ。 あ〜でも、それは俺が契約者だからかな?」
突きつけられたのは非情な現実。 おもわず自分の両方の手の平をじっと見つめる未咲。ただ、それは闇夜の暗さでよく見えてはいない。
肩に回した腕越しに、未咲の体が小刻みに震えているのがわかる。 そして、更に追い詰める。
「それとも自分は高みの見物で、汚い仕事は契約者の俺たちにやらせるつもり? 
そうそう、もし俺たちに守ってもらおうって腹なら、裏方にいてもらいたいな。 
あんたが下手に動いてこっちの足手まといになるとしたら、相当メンドーだし」
鎮目は肩に回した腕をズルズルと降ろすと、彼女の腰を抱いて自分の体に引き寄せる。そして自分は半歩下がり、後ろから両腕で包み込むようにわざと優しく抱きしめた。 そして囁く。
「なあ、もう逃げられねぇんだよ。 運が良ければMEで記憶の消去と改竄・・・、悪けりゃ俺たちの誰かがあんたを消さなきゃならない。 頼むから俺にそんな悲しいこと、させないでくれる?」
二人はそのまま押し黙る。 ほんの数分間がもっと長い時のように流れていく。 
「私は・・・しない。 そんなこと、しないし・・・あなたたちにも、させない」
「はぁ?」
未咲が鎮目の腕をつかみ腰から引きはがそうとしてみると、簡単に逃れることができた。 そしてそのまま2、3歩進むと、改めて鎮目に向きなおる。 彼女は瞳に力を取り戻していた。
「ありがとう、あなたのおかげで目が覚めた。 決めた。 私はあなたたちを争いのための道具になんてしたくない。 誰かの命を奪うことだってさせたりはしない」
彼女の突然の宣言に、鎮目は度肝を抜く。 どうして、こういうことになるのか? まったく理解が追いつかない。
「ちょっ・・・おいおい待てよ、何を言ってる?」
「私は人間と契約者の共存を願っていた。 BK201も、あの時彼も同じ道を選んでくれたと思っていた。 
だから、それを確かめたくて三号機関に私はやってきた。 彼に少しでも近づけると思って・・・。 
なら、それを示さなければいけない。 
そのためには、あなたたち契約者を争いのための道具にはしない。 
いいえ、させない。 だから頼む、私を信じてほしい」
彼女はいつもより早口でまくしたてる。 この状況は想定外だった。 
どう行動すべきか? これについて合理的に判断するための材料が自分にはない。 
思考が停止し行動不能に陥る。出来たことと言えば思わずガシガシと頭を掻き乱す事だけだった。
「あ〜? え〜とナニ、共存?・・・結構スイーツなヤツだったんだな、お前・・・てか、もうおっせーよ。 
俺たちがロシアで何してきたと思ってんだ!」
「ロシア? 一体あそこで何が起こったんだ?」
あっという間に食いついてきた。 この復活の早さは一体何なのか? 超前向きな性格って事? 
鎮目は大きくため息をついた。
「はあああ、俺、この流れでどうしてそういう答えが出てくるのか、良くわかんないんだけど?」
要求した問いに対する答えはない。 そう判断すると、茫然と突っ立っている鎮目を置いて未咲は先に歩き出してしまう。
「行こう、ここにはもう用はない」
「そもそも未咲ちゃんでしょ? ここに来たの」
全く食えない女だ。 とは言え、話の矛先が変わったことは良しとするか、思惑から外れたのは残念だけど。 
そう心の中で呟いて、彼女のあとに続く。 
二人を乗せてポルシェ911は走り出し、街の喧騒の中へと戻って行った。

0145真実は偽りに霞んで 4/52010/04/21(水) 15:13:52ID:hfJD1q1V

時刻はちょうど正午を回った。
目の前のノートPCに向かって書類を作っている横から、またあの男が馴れ馴れしく呼びかけてくる。
「ねえねえ未咲ちゃん、昼メシ行こ」
「何だ? 今忙しい。 一人で勝手に行け」
「つれないなぁ。 それ、急ぎじゃないでしょ?」
作っていた書類は、先の重要物資輸送作戦時に鎮目が破壊したトラックの廃棄申請だった。 
未だに処理が進んでいなかったようで、つい先ほど先方から連絡があった。
「お前が破壊した輸送車の廃棄申請を、私が代わりに作ってるんだぞ? こんな書類くらい、何でさっさと自分でできないんだ?」
「だって、まどろっこしいのやりたくねーし。 いいじゃん、代わりにやってくれるんでしょ?」
そう言いながら、デスクチェアの背もたれを使って背筋を伸ばし、チェアをギシギシと軋ませて遊んでいる。
「どういう勤務姿勢だ、それは・・・まともな社会人の態度か?」
その様子を見ているだけで、腹が立ってくる。 もう関わりたくない。 とばかりにPCのモニターに目を向けた。
葉月はデスクで執務をしていた手を止め、いつもより会話の多い二人を怪訝な顔をしながら、そして静かに観察していた。 
二人が親しそうにしているのがどうも気に食わない。
「あんたたち、いつの間にそんな仲良くなった? そういえば、今朝は一緒に出勤して来てたっけ」
毎度遅刻ギリギリで出勤してくる目の前の男が、今日に限って”弥生と一緒”にオフィスに到着した。 どういう風の吹き回しかと訝っていたのだ。
「おおっ、聞いてくれる? 実はさぁこの前の夜、未咲ちゃんから熱烈に告白されちゃってねぇ」
チェアから立ち上がりデスクに寄りかかると、ニヤケ顔を葉月に向けて、親指の腹を自分のあごに当ててポーズをとってみる。
「!!!」
モニターに向けていた未咲の顔だけがグルっと鎮目に向く。 彼女の表情は固まっていた。
「告白・・・知らなかった。弥生の好みのタイプが、まさかこんな男だったなんて。 随分マニアックな趣味だな。 
では・・・あの時私の誘いを断ったのは、最初からこいつが気になっていたからか?」
ふーん。 それで、どこかで一夜を共に明かして仲良く出勤・・・か。 と、今度は硬直しているらしい未咲に視線を流す。
「えええ〜! お二人の仲がそんなに進展していただなんて、私、ちっとも気がつきませんでしたよ」
座っていたチェアをものすごい速さで回転させて、更に耀子まで会話に加わってきた。 瞳は興味で爛爛と輝いている。
「むふ〜。 いやぁもう、真面目な顔して『一緒に生きていきたい』なんて、突然だもん。 流石に驚いちまうって、ねぇ? 未咲ちゃん」
わざとらしく、未咲にウィンクを送ってくる。 
「ま、まて、何言ってる!? そんなつもりで言ったわけでは・・・」
一瞬で背筋に悪寒が走る、未咲は勢いよく立ちあがった。
「ちょっと、鎮目さん。 それって、もう告白じゃなくて・・・・」
プロポー・・・まで言いかけようとした耀子の言葉を遮るように、未咲が怒声を放つ。
「お前っ!! ちょっと、来い!!」
乱暴に鎮目の腕をつかみ取ると、無理やり引っ張って連れ出そうとする。
「あだだ、もう、乱暴だな〜」
それに抗うでもなく、彼はそのまま未咲に連れて行かれた。
「ふーん、弥生。 本気なんだ。 人は見かけによらないな。 BK201一筋だと思ってたけど」
ドタバタと退室して行く二人の背中を見つめていた葉月は、その様子を彼女が照れ隠しをしているのだろうと解釈した。
「本当ですね。 でも、お似合いだと思いますよ、あの二人」
「そうか?」 
あんな変態と弥生が? 釣り合わないだろ? と少し不満げに言葉を返す。
「取りあえず鎮目さん、喋らなければルックスは申し分ないと思いますし」
「・・・黙っていられればな」
ふうっとため息をついて、耀子の方をちらりと見る。
0146真実は偽りに霞んで 5/52010/04/21(水) 15:16:01ID:hfJD1q1V

「ところで葉月さん、私たちもランチしに行きません?」
「そうだな、行こうか」
すっと葉月が立ち上がると、耀子も立ち上がり葉月の指に自分の指をするりと絡ませる。
「どこ行きましょう?」
「耀子の行きたい所でいいよ」
耀子へニコリとほほ笑む。 葉月の温かい笑顔。 耀子は葉月のこんな表情がたまらなく好きだった。 自分だけが知っている、彼女の特別な顔。
「本当ですか? 嬉しいです!」
葉月にぴたりと寄りそう。 
そんな耀子を少し不思議そうに思いながら、葉月は彼女のその瞳を見つめた。
「なんだか、機嫌が良いな耀子。 何かあったのかい?」
「うふ、いいえ、別に」
一之瀬さん、絶対葉月さんは渡しませんよ。 代わりに、鎮目さんのこと宜しくお願いしますね。
部屋から慌ただしく出ていく二人を見つめながら、彼女は内心そう思っていた。
少なくとも、現段階で自分のライバルはもういない。 と思うとようやく安心が出来た。
にこやかに談笑しながら、こちらの二人組も昼下がりのオフィス街へ出かけて行った。

オフィスの入っているビルから出て、歓楽街に向かって未咲と鎮目は歩いている。 当然、未咲は先ほどのやり取りを怒っていた。
「お前っ、何だあれは? 何考えてる!?」
「いーだろ、どのみち俺たちは組んでるし。 裏でコソコソする手間が省けたってもんだ。 まあ、仲良くしようよ」
少し先を歩いていた鎮目は、頭の後ろで手を組んでチラリとだけ彼女を見た。
「そういうことか。 しかし、あれはやりすぎでは? とんでもない誤解が・・・」
ようやく冷静になる。 すると今度は恥ずかしさがこみ上げて、顔から火が出ているのでは? と思うほど頬が熱くなってきた。
これからどのように弁明すれば良いのかと、頭の中がぐるぐると空回りする。
「大丈夫だから、心配すんなって」
もうすぐ俺はあんたらの前からズラかる。 そうしたら、すぐにでも自然消滅するさ。 と心の中で呟く。
思いにふけって上の空の未咲にそう声をかけてみたが、どうも彼女の耳には入っていないようだった。
「ん? へへっ顔赤いぞ。 何だかんだ言ったって、嘘が本当になるって事もあるんじゃない? それと未咲ちゃん。 
共存なんて言うんだったら、当然あっちの方も宜しくな?」
ひょいとどこかを指さした。
本当になんて、なるわけがないだろ! 
と心の中で叫びながら彼女がその指の動きにつられてそちらを見てみると、電飾がきらびやかに施されたホテルの看板が目に入った。
すぐに目をそらし、見るんじゃなかった。 と激しく後悔する。 
思わず想像してしまい、体がゾクリと震える。 それを振り払うかのように頭をブンブンと振ってみた。
すると、不意に今朝喫茶店で飲食代を立て替えしてやったのを思い出す。 あの時この男がやって来て合流することがなければ、葉月にあんな誤解をされずに済んだはずだ。
「・・・おい、今朝立て替えてやったパフェ代、返せ。 あと、そういう冗談はやめろ。 洒落にならない」
話題を変えようと、苦し紛れに代金の請求をしてみた。
「あ、それ出世払いでって、まったく、無駄に生真面目なんだから・・・。 とりあえず、ここでラーメンでも食おうか?」
当然、金を返す気など鎮目にはない。 彼女を無視して勝手に店のドアを開け
「そうだ、俺、引っ張ってこられたせいで財布持って来てないからね」
それだけ言うと、さっさと店に入ってしまった。
「私にたかる気か? まったく・・・」
先が思いやられる。 そう思いながら、未咲も店に入って行った。 

彼らのささやかな日常、薄氷のように脆い絆。 
回りだした運命の歯車は、それらを塵のように吹き飛ばし、粉々に打ち砕く。 悲劇の瞬間が訪れるまで、あと数日。
いつの間にか、終局へのカウントダウンは始まっていた。

<<終>>


0147名無しさん@ピンキー2010/04/21(水) 15:16:44ID:hfJD1q1V
長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
それでは、失礼いたします。
0148名無しさん@ピンキー2010/04/21(水) 15:19:38ID:42e0xH9M
鎮目×未咲のカプ要素があるなら注意書きしてよ・・・・・・。
個人的にこの組み合わせマジで地雷で大嫌いなんだから
0150名無しさん@ピンキー2010/04/21(水) 20:25:44ID:Gc/is7Lv
BD5巻の未咲さんが・・・
裏はすごくいいが、表はなんか3号機関に入ったせいか病んで見える・・・。
0151名無しさん@ピンキー2010/04/22(木) 17:42:58ID:LfhdGnjh
未咲さんだああああー!(号泣
114さん、GJ! です。 

三号機関のメンバーも苦手意識はないし
鎮目はあの性癖だから、未咲に実害無いだろうし。
耀子のスタンスにはワロタけど。 とにかくGJ!
0154名無しさん@ピンキー2010/04/24(土) 12:23:21ID:rQYCCQK5
>>142
未咲が鎮目の手に落ちたらどうしようと思ったが
天然で無自覚に切り抜ける所ですごい安心した
面白かったGJ!
0155名無しさん@ピンキー2010/04/24(土) 12:48:52ID:x53ldCpF
前回の新組織、今回の三号機関の話も未咲からメアリー・スー臭がして素直に萌えられない
未咲持ち上げに使われたキャラのファンはたまったもんじゃないね
0159名無しさん@ピンキー2010/05/07(金) 01:39:32ID:IuV77i/B
遅くなりましたが、114さんGJです。それぞれのキャラがキャラらしくて面白かった!また期待してます
0160名無しさん@ピンキー2010/05/07(金) 19:41:55ID:FZDintlK
三号ならイベントの朗読劇が鎮目×葉月っぽくてよかった
また聞きたいので七巻の特典に入っていたらいいな
0163名無しさん@ピンキー2010/05/30(日) 14:30:06ID:b9MxaccC
黒さんと銀ちゃんのイチャイチャが見たいが
二人の関係がそれ以上のものすぎて安易にイチャイチャさせられねえ
0164名無しさん@ピンキー2010/05/30(日) 16:59:35ID:QtXjF6P6
外伝が凄く黒さんと銀ちゃんのイチャイチャストーリー過ぎる。
0167名無しさん@ピンキー2010/05/31(月) 16:04:55ID:7ua1wI58
二次創作的にかなり美味しかったのは確か
個人のサイトやブログに詳しい感想載ってます

外伝三話の黒は間違いなく溜まってますね
0171名無しさん@ピンキー2010/06/05(土) 19:04:08ID:ycuSMr6r
いきなり過ぎて
銀ちゃんの浮気調査とレバニラ餃子ちゅっちゅだけしかも断片的にしか覚えてないからまた聞きたい
0173名無しさん@ピンキー2010/06/13(日) 20:34:06ID:Kd/Hzt27
なんかもう普通に黒と銀って相思相愛なんじゃと思ってしまうんだが
フィルターかかってんのかな…
本スレでも言われてたがこれが普通のアニメならもうとっくに相思相愛認定されてるだろうけど
DTBだとどうしても「黒のそれは恋愛感情なのか?」って断定できないんだよなあ…
キャラの心情を極力言葉で表さない作品だから当然だけど
0175名無しさん@ピンキー2010/06/15(火) 19:18:13ID:F/00MUpe
DTBはその辺非常に難しいよな
人間模様を描く作品だから仕方ないけど
いちゃいちゃしてるからってまるでテンプレのように「あいつら相思相愛」と
イコールで繋げないんだよな…
0176名無しさん@ピンキー2010/06/15(火) 20:25:08ID:mxJaQWBN
2期始まる前は、黒と銀の関係は恋愛関係ってのは違う、イヤだ、って人が多かったような。
0177名無しさん@ピンキー2010/06/15(火) 20:33:07ID:JCYKwW/w
外伝で予想以上に互いに想いあってるのが分かったのと
二期の悲劇っぷりがなんかもう認めざるをえないというか…みたいな感じでは
ああ…そんなに深い仲だったんだ…みたいな
0183名無しさん@ピンキー2010/08/02(月) 09:49:32ID:9Qvz1YhR
書けるかどうかわからんが……

さっき観たDTB(流星)4話でヘイが蘇芳に課した数々の羞恥プレイに身悶えしているんだが、
これで二次創作ネタが書けた場合、このスレに投下していいのかどうか気になる 

因みに本番なし。
俺の常駐スレが「女の子が露出するスレ」というオリジナルシチュのスレなので、
ストリーキングとかの露出羞恥ネタで二次創作ssが書けたらいいなと思ってる
01861832010/08/03(火) 00:26:53ID:+ImByLGo
返信ありがとう、後押ししてもらったので少しずつ書いていく
但し、俺はDTBに関しては完全に俄で、設定や人間関係や蘇芳等キャラのしゃべり方を完全にトレースできる自信があまりない
ある程度できたら下書きを上げるので、その際はできればご助力いただきたい

ってか、蘇芳が私服なのにそのまま逆立ちトレーニングさせて、スカートはともかくお腹丸見えにさせたり、 
蘇芳が腹丸見えなのも気にすることができないくらい疲れはてて倒れているのに、腹を覗き込んだり、
腹筋を鍛えるためと往来で腰振りダンスさせたりと、 
ヘイの天然鬼畜ぶりに涙したよほんと
なんでこのネタの二次創作ないの?
0188名無しさん@ピンキー2010/08/03(火) 22:48:12ID:JkLfuqaN
ないのなら書くしかねえなホトトギス

で、何書けばいいの?
0190名無しさん@ピンキー2010/08/16(月) 06:19:35ID:pJtqkpvh
ほしゅ
0191名無しさん@ピンキー2010/09/11(土) 20:13:12ID:jX3C39Z+
あげ
0193名無しさん@ピンキー2010/10/07(木) 16:13:53ID:IFVRkoy3
age
0195名無しさん@ピンキー2010/10/18(月) 10:19:04ID:+ed4zDYv
こんなん見つけました

ttp://gelbooru.com/index.php?page=post&s=view&id=822118
0200名無しさん@ピンキー2010/11/06(土) 01:26:00ID:OssegKhN
息苦しさに瞼を開くと、目の前に獅子の鬣ような赤毛頭があった。

またか。

目を向けるまでもないが、この後の片付けを思えば確認しないわけにはいかない。
カーマインの頭を脇に置いてドアに視線をたどらせると、濡れた足跡が一本道を作っていた。
―――また、ろくに身体を拭かなかったな。
湯浴みしたままの身体で、こいつがベッドに潜り込むのはもう何度目だろう。
ふと、血の匂いに気付き、黒は視線をカーマインに戻す。

こいつが珍しく負傷を―――いや。

毛布をめくると、自分の下半身が真っ赤だった。
更にカーマインの腰元に目をやれば、毛布が赤く染まっている。
自分の身体が濡れているのは、やはり今回も汗だけのせいではないようだ。
ふぅ、と軽くため息をつくと、黒はベッドから起き上がった。

「こいつに寝込みを襲われるのは、何度目だろう」
0201名無しさん@ピンキー2010/11/06(土) 01:27:37ID:OssegKhN
虎が浴槽に飛び込んで水浴びした後は、きっとこんな感じなのだろう。
掃除の前にせめて身を清めようと、黒が浴室を開けた時の、率直な感想だった。

下着で排水溝を詰まらせ、湯浸しの床に浮かぶ赤毛の一筋。
返り血を洗った水飛沫が天井を舐め、血色の豹柄模様となったカーテン。
洗面器と石鹸を捜すと、台所で見つかった。要らなくなったら投げ出す癖はまだ直っていない。
流しに目をやると、自分の朝食用に作り置きした料理の皿が山と積まれている。

狩りから戻ると湯浴みして。
食って、盛って、眠る。
獣のような女だ。

否。

女のような、獣だ。

バスローブ一丁で浴室を片付け終わった黒の、素直な感想である。
次は、他の部屋中に脱ぎ散らかされたものを拾い集めなければ。

バスローブ。
バスタオル替わりにされた挙句床に放り出され、もはや濡れ雑巾同然である。
下着。
なぜ上と下を別の場所で脱いだのだろう。
上着。
よく見ると、アンバーと同じ服だ。
スキンスーツ。
そういえば、こいつのサイズはあいつと同じだった。
ナイフ。
しかも俺の。また勝手に持ち出したか。

どうにかして獣の暴れ散らかした跡を片付け終わったら、今度は清めた傍から身体を汚した獣本体である。
何時もの事ではあるが、こういう時いちいち目覚めなくて安心する。獅子も子供も寝ているに限る。
用意した蒸しタオルは不足することもなく、付着してからそう時間が経っていないおかげか、痕も残らず拭きとれた。

「よし」

新しいバスローブで獣の身体をくるむと、ベッドから安楽椅子に移す。
あとはベッドから汚れたシーツと毛布を剥がし、洗濯機に押し込むだけだった。
0202名無しさん@ピンキー2010/11/06(土) 01:41:47ID:OssegKhN
黒のカーマインの南米時代の話。この出だしで思いつくままに書いてみます。
いやホントは2期キャラの蘇芳とか紫苑とかで色々書きたいんですけど、どこまで内面を出して良いのか難しくて・・・。
葉月さんが家を追い出された経緯とかも想像し甲斐があるし。漆黒のベイリーやマクスレイ、パーセルでも南米の捏造話書きたい。
0204名無しさん@ピンキー2010/11/07(日) 08:00:21ID:7l1lly0L
葉月さんは実家の人間にきっといやらしいことをされてると思う
0206201の続き2010/11/09(火) 22:42:48ID:xkdxhHU+
昏々と。
滾々と。
撒いて集めて、また撒いて。
深く昏く淀んだ水底で、繰り返される記憶の噴水。
時間の逆巻く、夢の底。

「私が考えているのはね、能力発動中の契約者は、通常の物理法則を中和する、バリアーみたいなものを自身の周囲に発生させているのではないかということだ」
その奇妙な白髪の老人は、夢見る少年のような無邪気な口調で語り始めた。

上も、下も、横も、一面の白いタイル張り。
窓もなく扉もない、均質に無機質な壁。
配線もなく。
排気孔もなく。
蛍光灯や電球などの照明設備も一切見当たらない。
外から光が入るはずもなく。
内から光が生まれるはずもなく。
無明であるべき密閉空間が、白色光で満ちていた。

どこだろう。

一か所だけ、白で覆われていない壁。
投影装置も音響装置もないのに、白色の壁に映し出され流れ出る映像と音。
その映像の中に、奇妙な白髪の老人はいた。
0207201の続き2010/11/09(火) 22:44:48ID:xkdxhHU+
「例えば、加速能力者なんてのがいるけどね、あれ、物理的に考えてどれだけの負荷が身体にかかるか知ってるかい?」

知らない。

「たとえばマッハ3の速さで走る場合、空気との摩擦熱で体表面は500度にまで加熱されているはずなんだよ」

だが、心当たりはある。

「それに彼らは一瞬で加速する。加速時間を仮に0.1秒とするなら、ええと・・・脳にかかる圧迫は1.5トン!」

恐らくは、天国門を囲う外壁に設けられた研究施設のどこか。

「人体の許容Gとかいうレベルをとっくに超えてるよ。だが彼らは生きている。能力を使った瞬間、即死したりなんかしていない」

ここが完璧に密閉されているならば、かえって脱出し易い。

「尤も、それをバリアーと呼ぶにはあまりにも防御性がないけどね。能力発動中に外からの攻撃で殺されてるし」

こういうことがあるから、対価の支払い猶予が長いと助かる。

「いやしかし・・・ひょっとして、能力を発動中の契約者というのは、それ自体が、一種の、小さなゲートのような存在なのかな?」
0208201の続き2010/11/09(火) 22:46:24ID:xkdxhHU+
翡翠色の瞳に、紅い輝きが映えた。

瞬間、四方の壁面が均等な立方体に切り分けられ、無数のブロックとなって弾け飛んだ。
室外が真空と化し、密閉された空間は急膨張した大気に内側から破裂させられたのだ。
入口さえ無かった密室は、気体浸透性ブロックとファイバー埋設型光透過ブロックにまで分解され吹き散らされた。

逆巻く大気の奔流が大地を砕き、土砂と石礫に変えて天高く舞い上げる。
無数の重厚なコンクリート塊が、発泡スチロールと見紛う軽やかさで渦を巻き、空の穴に落ちてゆく。
周囲の質量という質量、体積という体積が、煽られ砕かれ、空色の空櫃に吸い上げられては消えていった。
だが、カーマインの髪は微風に吹かれるほども揺るがなかった。

現実を形作るモノ全てが崩壊する夢のような光景の中で、かすかな匂いが鼻孔をくすぐる。

黒。

黒の、背中。

夢から覚めると、安楽椅子の上だった。
カーマインの目の前には、背を向けて台所に立つ黒の姿があった。

そして、調理中の油炒めの匂い。

「・・・もう少し待て。二人分だと時間がかかる」
黒は、振り返りもせずにそう言った。
0209名無しさん@ピンキー2010/11/09(火) 22:50:43ID:xkdxhHU+
以上、第二話。あんま長くなくてすみません。
真空にしろ加速能力にしろ、能力を使ってる当事者がまず真っ先に死ぬだろGKえて・・・。
正面衝突のトラック吹き飛ばした舞の発火能力だって、輻射熱、光だけで大火傷するレベルのハズだし。
0210208の続き2010/11/14(日) 11:01:53ID:E5O785RT
料理を山と盛られた皿が食卓に並べられる。
ただし、黒が十皿に対し、カーマインは一皿。
「・・・食べられるか?」
問いかけた黒に、カーマインは、こくん、と小さく頷いた。

以前、黒はカーマインの携帯食がどんなものか齧ってみたことがあったが、どれも酷い味だった。
中でも酷いのが、栄養素を配合した、ゼラチンを思わせるチューブ式の固形水。

機械燃料のようだ、と思った。

時折忘れそうになるが、食事というのはただ栄養を補充する行為ではない。
休息行為でもあると、アンバーは言っていた。
食事は、他人の為ではなく、自分のためにする原初の行動なのだ、と。
『私が一番目を光らせてるのはね、部下が無理をして燃え尽きること。―――食事くらいは、ゆっくりしてね』
そう言う彼女自身が、この携帯食をよく口にして激務をこなしていたのが随分と皮肉で、少しおかしかった。
一口で水分と栄養を同時補給できる代物だが、暫くこれを食べ付けると、脳が欲していても消化器官が拒絶するらしい。
だから、服用後はまず病人食のような食事でなければならないのだが―――

ここ最近、カーマインは、黒の料理を勝手に口にしては、吐く。

任務から帰還するたびに、そんなことを何度も繰り返している。
不合理を厭うはずの契約者なのに。
吐瀉物を片付けた記憶がまだ鮮明に残っている黒としては、昨晩、血と体液の他に、胃液の匂いが混じって無かったのを感心したくらいである。
「毎度どういうつもりかは知らないが・・・無理と無茶はするな」
こくん、とカーマインは再び頷いた。
0211208の続き2010/11/14(日) 11:03:06ID:E5O785RT
黒の用意した病人食よりも薄めた粥を、カーマインは一滴ずつ口に運ぶ。
「新しい仕事が入った」
霞みを食うような無表情で、カーマインは唐突に告げた。
「なんだ」
無機質な黒の返事。
「物品引き渡しのための潜入。私は研修医、お前は患者に偽装して潜入しろとさ」
「・・・・・・潜入役、逆の間違いじゃないのか?」
不健康な色合いの肌に、焦点がどこだか知れない目。
しかも食ったそばから吐く。
どう考えても、病人に見えるのはこの女の方である。
「アンバーからの直接指示」
「わかった」


三日後。


非常灯の薄緑の灯りの下、闇から湧くように二つの影が現れた。

「「誰だお前」」
「「・・・お前か」」
「俺だ」「私だ」

赤毛のおさげ髪にメガネをかけた、病人じみた顔つきの白衣の女。
年齢にそぐわないフルベアードの黒髭に、松葉杖をつく男。
「「・・・似合わん」」
指定されたある病院の用具室で、黒とカーマインはお互いの正体を確認し終えた。

「二人とも、久しぶりね」
魔法で突然壁から現れたように、看護婦の姿をしたアンバーが二人の前にいた。
その背後に隠れるように、もう一人、フードで顔を隠した人物。
アンバーに促されて前に出てくると、その腕には、二つの大きな包みがあった。
「・・・すみません、この子たち、少しの間だけ預かって貰えませんか?」
哀願と安堵を混ぜ合わせたような、女の声だった。
0212208の続き2010/11/14(日) 11:09:59ID:E5O785RT
密林を先行する無人戦車が、金網を落とされたゼリーのように切り分けられた。

「なに・・・・がっ!」
最期の言葉は、喉を貫く白刃に塞がれた。
男の喉から、血肉の焦げる匂いと命とが堰を切ったように噴き出す。

予定通り、先行する兵器を破壊して前方に注意を引きつけ、隊の最後方から襲い始めた。

誰が人間で誰が契約者なのかはどうでもいい。
全員、殺すだけなのだから。
樹上に掛けたワイヤーの張力で一気に敵の頭上に躍り出る。

頬をかすめる不可視の槍。
脇をすり抜ける振動波。
契約者の、どれも人知を超えた力だ。
だが、反応も初動も、人並みで遅すぎる。
投擲した白刃が口の一つを貫く。
残るもう一つの口は、自分の口で塞いだ。
口付けた相手の腹に、白刃を突き立てながら。

ぱちぱちぱち。

壮年の軍人が、木陰から拍手をしながら現れた。
「ご苦労だったな、生田のお嬢さん」
「その呼び方は止めてくれ、マクスレイ将軍―――これで、私を雇う気になって頂けただろうか」
「ああ。面倒だが必要な通過儀礼だ。家という組織を抜けた無名の若者が、一から信用を得るためには」

(・・・裏切り者の始末が、か)
ありもしない心の奥底で、小さく呟いた。
0213208の続き2010/11/14(日) 11:13:33ID:E5O785RT
裏切りという行為は、内部だけで処理するには重すぎる。
場合によっては、かつての仲間殺しをさせなければならないからだ。
長期的には大なり小なり、部下の心理的動揺、部隊全体への影響は避けられない。
ならば『最初から裏切り者などいなかった』ことにするのが、一番合理的だ。
今ここで斬り殺されたのは『内通者』などではなく、『偵察任務の最中に不運にも命を落とした勇敢なる同志』であり、『今の南米ではありふれた事件の一つ』として処理される。
結果、部隊全体はなんの傷を負うこともなく、組織は支障なく運営される。

「物質表面の分子運動活性化―――単純だが売り込みやすい能力だ。その能力の見た目、特にSFオタクの研究局には話が通りやすい。お前のおかげで予算が増えた」
将軍の賛辞には黙礼で応えた。

だが私自身、単純に考えるなら、剣なんて時代遅れも甚だしい武器だと思う。
使い手に性能が大きく左右される武器なんて、合理的に考えるなら弱小の部類、もっと言えば粗悪品だ。

―――だが、そんな弱くていつでも処分できる粗悪品だから、私を雇う気になった。

それしかないだろう。
契約者嫌いで有名なこの男が、そうでもなければ、自分を雇う合理的な理由がない。
そして、そんな男にでも、自分を売り込まなければならない。
我を抑えなくなる利益と不利益のバランスを取り損ねた結果、自分はこんな所にいる。
恐らくは自分の前任者だった者たちの残骸に、ちらと目をやりながら、そう思った。

「で、次のターゲットは?」
「残念ながら、次の予定は一時見送りになった。やはり警戒されているようだ。対価を常に用意している」
―――発射キーが二つとも差し込まれた核ミサイルと同じだ、と溜息交じりで言った。

「あの天国門の外壁を輪切りにしたとかいう・・・」
「そう、ヤツだ。警護に駆り出されていた私の部隊も手酷くやられた。上の総合的な判断として、契約者のガキ一人を始末する対価に、都市一つ失うのは、割に合わん」
「・・・では、やはり私は」
「ただ、代わりにお前を鍛え上げることができる。第二の黒の死神、いやそれを超える可能性さえ、お前にはある」

――――それまでお前が生きているかどうかは、天のみぞ知る、だがな。

善悪もなく、奇跡も天罰も信じない契約者なのに。
何故だか、将軍の呟きが不吉に聞こえた。
0214208の続き2010/11/14(日) 11:14:52ID:E5O785RT
西日が降り注ぐ窓辺で、カーマインは二人の幼児をあやしていた。
子供たちが積み木遊びに飽きたら、今度は絵本を読み聞かせることにしたようだ。

無表情かつ抑揚のない声で。

傍目には、不吉で不気味だ。
黒は、まともな幼児なら泣き出すと思ったが、その幼児は怯えるそぶりさえ見せなかった。
まともでない子供―――アンバーが言うには、生まれついての契約者―――だからだろうか。
しかしもう片方は人間だとも聞いていた。そちらの方も怯えた様子はない。
『子供の扱いは慣れている』
『・・・・・・・・・・・そうだな。お前はそうだろうな』
ふと黒の脳裏をよぎる、何時かの何処かで交わした言葉と、血の匂い。
自分の目にどう映っているかはともかく、あんなあやし方でも子供には受けがいいのだろうか。

「しかしこの光景はまるで・・・」
言葉を探しあぐねている黒に、すかさず白が切り返した。
「親子みたい?」
「いや。・・・『悪魔』だ。タロットカードの」

黒の顔面に、カーマインの蹴脱いだスリッパが命中した。
それを見た双子の幼児のうち、男の子の方が口の端を微笑で歪めた。

「子供に似て可愛げのない親ね」
「逆だ。・・・似ていても可愛くないが、似ていなくても可愛げのないガキだ」
無表情で、揃って酷い暴言を吐く兄妹である。

「しかし白、お前までわざわざ子守のために回されたのか」
「・・・まぁ、上の意向でね。少しの間だけ。この子たち、名前はなんていうの?」
「さぁ?」
「知らない」

「おしえてあげる!」

もう片方の幼児が、元気いっぱいに声を上げた。
契約者の弟とは、どうやら気質が正反対のようだ。
「ええっと、ええと、ボクのなまえは―――――

(終)
0215名無しさん@ピンキー2010/11/14(日) 11:20:39ID:E5O785RT
爆破事件で命を落とす寸前、双子の護身のために転々としていたある時期・・・のつもり。
何で葉月さんが南米にいるのかは・・・まぁ日本の真裏に逃げたくなるほど祖父を嫌ってたということで。
0219名無しさん@ピンキー2010/12/20(月) 21:03:50ID:R+gBmFZR
ほしゅ
0220名無しさん@ピンキー2011/01/16(日) 00:46:14ID:CJuL+56J
0223名無しさん@ピンキー2011/02/14(月) 21:12:36ID:qcJ99iiu
チョコガイル
0224名無しさん@ピンキー2011/02/27(日) 01:35:06.59ID:YmEAehIg
あげ
0225名無しさん@ピンキー2011/03/30(水) 23:06:15.04ID:A1HciKsS
南米舞台の過去話を書こうとすると、アンバーをどう書けばいいのかで悩む。
漆黒4巻末の監督コメ読んだが、やはり監督ですらアンバーのキャラ付けには悩んでるんだなぁ。
ハヴォックとかは黒の鏡映しという形で想像しやすいんだが。あと問題は白のキャラ付けか。
南米での主要人物だというのにほとんど描写ないし。
0227名無しさん@ピンキー2011/06/01(水) 14:01:18.08ID:tZZgNbpc
TORANOANA-Webの同人検索で黒の契約者の本を探すと
男女カプ本なのに「女性向」って表示がついて本があるのはなんで?
シチュや絵柄が少女漫画や女向け性コミみたいだから
男にはおすすめできないって意味であえて(警告的な意味で)そう表示してあるの?
0243名無しさん@ピンキー2011/07/31(日) 21:55:23.31ID:mRAr2tDk
D(童)T(貞)B(ボーイ)
0246名無しさん@ピンキー2011/08/24(水) 23:12:24.55ID:9Skb6dya
>>242
D→童貞
T→たらし
B→バイオレンス
黒さんの3種の神器がそろったな
0248名無しさん@ピンキー2011/09/09(金) 12:26:11.60ID:pYwcJHjq
>>248
俺のアンバーがそんな淫らなマネするわけねぇだろwww
0251名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 00:09:08.34ID:PsnI1h3w
満天の星空の下、マイスナー効果を利用したフロート・ブーツで滑るように低空を飛ぶ。
加速しすぎると止めるときの負荷が辛い。
けれど、私は速い方が好きだ。
合理的じゃないけど。

フルフェイスヘルメットと一体化したHMDをレーダーモードから視界モードに切り替える。
見下ろせば木々が波となり、見上げれば星が線となった。

高速世界に入り込んだ高揚感を楽しもうとしたが、突如として肌に違和感を覚えた。
索敵レーダーの走査を、肌の触覚として感知したのだ。

――――捕捉された。

地平線の先に、パッ、パッと信号を思わせる点滅光。
思考や反射よりも先に、能力が反応した。
突如として降り注ぐ鋼と轟音の集中豪雨。
それは毎分三千発のペースで降り注ぐ徹甲弾。
MLRSから放たれた12のミサイルが産み落とした、約六千発の子爆弾。
だが仄青いランセルノプト放射光の輝きの内に、一滴も潜り込むことなく弾かれ飛散する。
電磁パルス防壁による絶対の防御。
感覚を電子世界と同調させた今の私には、速い物ほどよく見え、よく聞こえ、よく感じられる。
指向性電磁衝撃波で前方を薙ぎ払いながら、私は目標に向けて距離を詰めてゆく。
0252名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 00:10:14.36ID:PsnI1h3w
風より速く。
音さえも置き去りに。
影すら断ち切って。

加速。加速。加速。加速。

星の線が面となり、樹海は静まり返った湖面のようにフラットになっていく。

さらに、加速。

視界の上下で凹凸が溶け、白と黒の平板に姿を変える。
モノクロな色彩と、それを別つ一本の線の世界。
そんな速度域に感覚を絞ると、機銃弾とミサイルさえも止まって見える。
能力で自動に防御したさっきとは違って、今度はこちらから攻勢に出た。

翳した掌から放たれる、ダイナマイト数百本分を同時に爆発させたに匹敵する超高磁圧場。
腕を一振りするごとに、磁力の刃が次々と攻撃目標である自動砲台群の頭を切り飛ばした。

―――あと一つ。

自分目掛けて放たれた銃弾とミサイルの雨を磁場で絡め捕り、最後の砲台目掛けて打ち出した。
初速の、倍以上の速度で。
最後の砲台が爆炎を上げると、胸元で実験終了を告げるアラームが鳴った。
0253名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 00:12:39.55ID:PsnI1h3w
実験終了後、司令部テントに帰還した際の第一声。
「しかし不思議だねぇ」
白髪の老人は、首をかしげながらそう言った。
「・・・何か、実験に不首尾でもありましたか?」
「いや、君にも実験にも何の問題はないんだよ」

―――問題ないのに、中断とはね。

「?」
「ああ、言うのが遅れたが、この契約者用のパワードスーツ開発は、今回の実験を最後に凍結されるんだよ」
「えっ」
脱いだフルフェイスヘルメットが、手元から転げ落ちた。

パワードスーツ開発。
機械と契約者の能力を併用した攻撃力、機動力、索敵能力の向上。
それがこの実験のコンセプトだ。

機械の能力向上は留まるところを知らない。
センサーは音速の数十倍を超える世界を認識し、電子頭脳は一秒間に数千兆回もの計算をしてのける。
その高すぎる能力に人間がついていけなくなりつつあるのだ。
人間の体力や、反応速度、持久力を凌駕する機械たちに、追い付き、使いこなす。
その為の手段として、兵器の無人化や遠隔操作、人工知能や自動制御機構等の開発、―――そして、人体の能力を増強するパワードスーツの開発。
だが、パワードスーツを開発する初段階で、ある研究者が素朴な疑問を発した。

機械の高度化についていけなくなった脆弱な人間よりも、最初から高い能力を持つ契約者をより強化した方が合理的ではないのか?

その結果生みだされたのが、今、自分が脱いで抱えているパワードスーツだ。
通常のスキンスーツよりも厚手で、人工筋繊維とフロートユニットで構成されたそれは、電子操作系契約者専用の特別製。
強化された筋力や耐圧、耐寒、耐衝撃性といった性能もさることながら、それを制御する電子頭脳も従来のものとは比較にならない。
整備スタッフが回収に来ると、ディスクを抜き取って渡した。
ゲート由来の、情報技術の革新が生み出した、原子一個に一ビットの情報を記憶可能な、姿形は従来のものと変わらぬ新型ディスク。
だがその中身は、1ヨタ(一兆×一兆、10の24乗)ビットの情報を記憶が可能なのだ。
対象的に、人間の脳はおよそ2300万ビットの情報で構成されるゲノムから生まれる。
このほとんど理解しがたい処理速度と驚異的な記憶力をコンピュータが併せ持つようになれば、「いくつものことを並行処理する」という点で
保たれていた人間の脳の優位性さえぐらつきはじめる。
さらに、最近のAI研究プロジェクトの多くは、人間の脳を手本にしている。したがって、こうした並列性をプログラムに組み込んで、人間の優位をなくすことも可能だ。
将来的には千ドルのコンピュータが人間の脳に相当する計算をこなすようになり、そこから十年も経たぬうちに千人分の脳に相当する計算能力をもつようになるという。
これは、人間の知力の合計が、地球上のあらゆる機械的思考力の1パーセントに満たなくなることを意味する。
それでも、実際にどのようなソフト、プログラムを組むか?ハードの向上だけでフレーム問題が解決可能なのかという疑問点が残るらしいが―――。
0254名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 00:14:37.19ID:PsnI1h3w
「まぁ、それはMEがあるしねぇ」
自分の内面を見透かしたような発言に、無表情で驚いた。
・・・この老人、本当に人間だろうか?
そもそも自分のような幼い少女相手にして、少女のような扱いをまるでしない。
―――それでこそ、こちらにつけ込む隙があるというのに。
自分が幼い少女の年齢であり外見であり、それでいて中身が人間のそれとはかけ離れていることを、白は、BK201は自覚している。
そんな自分の意識を見透かしているからこそ、この男は自分を今回のような危険極まりない実験に駆り出しているのではないか?

「このスーツに使われた技術はバラして転用されるらしい。人工義肢とか、新型の電子頭脳、あと対憑依型、対精神作用型契約者用の電脳デコイとかさ」
「・・・はぁ。私は命令通りのことするだけで、よくわかりませんが」

差し出された老人の手にディスクを乗せると、白は一礼し、毛布を纏ってテントを後にした。

どこを目指すともなく、夜の森を歩いてゆく。
対価を払うまでは、もう少し時間がある。
そんな中途半端な時間には、ただベッドで対価の時が来るのを待つよりも、夜空の下で思考にふけるのが性に合っている。
とくに、息が白くなるような寒さの中に身を置いた方が、頭が冴える。

―――この実験はもっと上、組織の息がかかったものだ。
自分が参加する前から相当の時間と費用を費やしているらしく、しかも問題もないのに突然中止ということは――――。

不意に、理性の回路が切り替わる。
・・・けど、この仕事がなくなるなら、当分はゆっくり、お兄ちゃんと二人だけで、

「それは無理ね」
闇の中から呼ぶ声。
振り向くと、琥珀色の瞳と笑顔。アンバー。
「残念。新しい仕事。今度は子守よ」
0255名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 00:20:43.34ID:PsnI1h3w
以上。208の前日譚。
ストライクウイッチーズと戦闘妖精雪風と「ロボット兵士の戦争」(P.W.シンガー)を読み終わったらどうしてかこうなってた。
DTBの契約者やドールの自我や思考って神林長平作品が参考になる・・・かな?
相変わらずエロが無いのは勘弁してください。
0257名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 23:51:04.86ID:XyiNsEb0
突然だが、沖縄にはヤギ汁という料理があるらしいが、
それを食べると凄いことになるらしいwww
黒はズボンから難民キャンプを立てていたに違いないwww
そして、それをじーっと見る銀ちゃんwww
0258名無しさん@ピンキー2011/09/13(火) 01:19:40.94ID:cksmhwRO
ヤギは南米にも生息してるらしいから
既にアンバーが黒対象に実践済み料理だな
>>251
乙〜
最後いいね
0260名無しさん@ピンキー2011/09/13(火) 21:11:12.42ID:rTewFVns
アンバーたんのペロペロがいやらしく見えるだと…
何を言っているんだチミは
可愛くてけっこうじゃないか

まぁ、黒の肉棒をペロペロならアウトだけどwww
0263名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 18:48:38.82ID:mDDwdfnE
漆黒の花が終わってしまってもうDTB関連で楽しみにしてる物が
ここくらいしか無いのが辛い
0264名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 12:27:43.10ID:9Jt/M88A
>>263
岩原裕二さんの新連載に期待してください

今さらだけど、外伝の銀ちゃんって18歳なんだよね
なんか、やらしい体つきしてるよね
0265名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 20:42:42.50ID:jV4ABEQy
>>260
黒「俺の嫁をいやらしい目で見るな」
0269名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 22:34:06.39ID:O+y3qkAZ
>>268
メス豚キラー
だって黒が落とした女って皆ドMでしょ
0270名無しさん@ピンキー2011/09/16(金) 17:19:11.21ID:rt/lGhmD
銀ちゃんやスオウ、若返ったアンバー(もちろん、大人アンバーも好き)が好きな自分は、はたしてロリコンなんだろうか…
0272名無しさん@ピンキー2011/09/17(土) 11:04:52.38ID:Jgcp9WiM
>>270
生粋のロリコン野郎だね
この変体さん♪
0273名無しさん@ピンキー2011/09/17(土) 12:25:48.42ID:YVJ5zY6F
>>272
ラブリーちゃん、毛がボーボーに生えるまでは面倒見てあげるよ

こういうのが生粋の変態だ
0276名無しさん@ピンキー2011/09/19(月) 21:13:22.66ID:Ma5SAYbC
童貞 たらし ボーイ

童貞ってのは可愛い娘をたぶらかす奴にむかついている奴らの希望だよな
アンバーは黒とせく○すするルートを絶対に経験してる気がする
時間とめて、勝手にぺろぺろしちゃうところとか何かそうっぽい。

まあアンバーは俺の嫁だから、今俺の横で寝てるけどな
0279名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 00:54:09.97ID:ScrIoLcR
>>276
時間を止めてチューなんて可愛いもんじゃないか
あれが肉棒ペロペロだと思うと
ゴクリ
0280名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 12:23:35.61ID:cbR87qn0
スオウは後5年もすればスレンダーボデーの美少女になっていると思う
0281名無しさん@ピンキー2011/09/24(土) 01:32:11.09ID:etiIWuK+
>>280
美人にはなるだろうが、オパイには期待できんな
むしろ、それが良い奴いるんだろうが
0282名無しさん@ピンキー2011/09/24(土) 07:51:39.80ID:9GpQeo4k
何でもかんでも大きければいいってわけじゃねぇんだぜ?
0283名無しさん@ピンキー2011/09/25(日) 15:11:46.66ID:Nh+ws6xF
アンバーは消えちゃったけど黒に悪戯しすぎた対価なら仕方ないよね
0285名無しさん@ピンキー2011/10/04(火) 14:28:23.67ID:2dM5DPjz
>>
えっちぃイタズラか…
俺もアンバーにしてもらいたいわ
0286名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 04:28:49.50ID:7+Zskozi
何も知らない黒が気付かないうちにされちゃうから良いんじゃないか
0288名無しさん@ピンキー2011/10/29(土) 18:11:24.44ID:V8MYGfcj
オナニーマスター黒沢が黒に似すぎで困る
DTB 黒の変出者
0293名無しさん@ピンキー2011/11/02(水) 11:50:58.53ID:AnVole5N
ああ髪の毛だよな、いっつも仮面からはみだしてるもんな
お前らが何を考えたか俺は知らないけど
0294名無しさん@ピンキー2011/11/02(水) 11:54:52.82ID:S+bWe3U9
冷静になると、黒の仮面って変だよね
あれ、どうやってつけているの?
0295名無しさん@ピンキー2011/11/02(水) 11:58:13.72ID:S+bWe3U9
っていうか、
変出者じゃなくて変質者だよね
ジャスティス!
0298名無しさん@ピンキー2011/11/11(金) 22:22:11.52ID:NJUO53az
黒は最強の女たらし。奴が欲求不満なはずがない。
アンバーに銀に、蘇芳にハヴォックに、白……とあんなに可愛い女キャラを落としてるんだぞ。

今日はノーベンバー11だね
0300!に2011/11/12(土) 18:35:27.08ID:HfE8KFCO
>>299
日付
0304名無しさん@ピンキー2011/11/15(火) 14:41:57.63ID:dJqd8F38
黒の契約者のOP2で最初に出てくるあの青い車の名前わかる人いないですか?
今度、誕生日にあれと同じ車買ってもらおうと思ってるんです
0307名無しさん@ピンキー2011/12/09(金) 04:05:35.84ID:nlh2f+Ru
>>303
ちょうど生理が始まった年頃の娘さんなんて黒の大好物じゃないですか
0308名無しさん@ピンキー2011/12/18(日) 21:45:02.90ID:AR0Nc289
衝撃。閃光。爆発。落下。
私に回される任務はいつもこうだ。
搭乗しているステルス武装ヘリの胴体が、まるで魚のように頭から尾までさばかれた。
何をする任務なのか。どんな敵なのか。知る前から始まっている。
それを教えるはずの戦闘補佐官は初撃でヘリごと両断された。
大気の荒波が機体中に割り込み、多重装甲とFRP製の胴体が糸屑のように曲がる。
機体が樹海の水面に触れる瞬間、飛び降りた白は枝葉の波飛沫を掻き分け、熱帯雨林の底へと堕ちてゆく。
磁力場をクッションに着地。同時に非侵襲型BMI戦術電脳「MEMS」を起動。バイザーディスプレイ、オン。
ヘリ搭載の索敵用ドールポッドは無事だろうか。
搭載された銃火器やヘリ本体より、センサ装置類のほうが全体価格の六十%以上を占めるようになった今、
機体が四散するほどの衝撃でも耐えられる頑健な仕様になっているという。
少し遅れて数m前方、落下物。
ドールポッド・・・じゃない。ヘリのパイロット。呻き声。
近寄って確かめるまでもなく出血が酷いのを確認できる。戦力外。
他の搭乗者もいた気がするが、多分役には立たないだろう。思い出すだけ時間の無駄だ。
そう、無いよりは有った方がいいが、それでも今回は呑気にドールの報告を待っていられない。

速い。攻撃が早すぎる。どんな攻撃手段なのか。

逆探知の危険もあるがこちらから打って出る。
戦術電脳の予測に基づき探るべき範囲を割り出し、周辺状況及び敵勢力把握のため電視スキャン開始。

見つけた。
殺した。

落下音感知。数二十五。
電視用の大出力レーダー波で過熱された人型熱源がバイザーに表示される。
落下した熱源と合わせて総数八百九十四。
人型熱源の平均温度:百二十度。
不意に異臭を嗅ぎとる。すぐ近く。どこから。
あ、そういえば。
ヘリのパイロットが炭化していた。
0309名無しさん@ピンキー2011/12/18(日) 21:46:25.67ID:AR0Nc289
バイザーの表示を熱源画像から形状画像に変更。
電視スキャンデータから得られた形状画像解析開始。終了。
戦術電脳からの早期警戒警告色表示。
なお活動中の人型形状を約二千五百m前方に確認。
これだ。索敵と攻撃を同時に行える大出力レーダー波に、ただの人間が耐えられるはずがない。
戦術電脳との協議開始。終了。
対象が敵性契約者の可能性大と判定。

詳細情報入手のため第二次観測行動開始する。
電視により発見した約千m後方の無人装甲車両を無線起動。
車載のカメラボールを垂直に射出。上空五十八メートル到達と同時に撮像開始。

画像送信停止。
亀裂音。
爆散。
収録時間0.001秒。

以上の一連が車載光学装置からの送信画像で確認された。
解析可能な画像をフレーム単位で分析開始。終了。
現時点での取得済みデータを元に、戦術電脳との協議再開。
終了。
協議結果を行動に反映開始。

超高磁力場を足元に発生させ、白は垂直に跳躍した。
上空五十八mの高さで静止した瞬間。
戦術電脳の予想通り、敵性契約者からのレーザー攻撃。
跳躍開始時点で展開していた不可侵領域により防御、同時にレーザーを通じて敵性契約者との電気回路形成し、こちらから一気に過電流を流す。
相手の体液が沸騰し、内臓が爆ぜる最期の瞬間までもが緻密な電気信号の変化としてこちらにフィードバックされる。
殺した。今度は確実に。
着地と同時に、通信機能の回復したドールポッドより流星の報告。
白は安堵した。パイロット同様、どこかで知らないうちに焼いたものとばかり思っていたから。
これが無事なら、他の損耗を差し引いても総合でプラスの点数が稼げる。
ふっ、と肩から力が抜けた。
戦術電脳からの警戒表示は解除されていた。
もう必要ないだろう。
バイザーディスプレイの電源を落とした。
非侵襲型BMI戦術電脳、バイザーディスプレイと一体化したそれを、頭から―――正確には顔面から、白は引き剥がす。
手に取りそれをじっと見つめる。
白い面だった。
星明りを映し仄青い光沢を帯びている。
何時かの何処か。
カーニバルで見た死神の仮面にそっくりだった。
0310名無しさん@ピンキー2011/12/18(日) 21:48:36.57ID:AR0Nc289
以上208の後日譚。
白=BK201≒黒の死神=黒となる下地が過去にもともとあったんじゃまいかと妄想。
可愛いくて萌える白を書きたかったのに何故か出来上がったのはGORANの有様だよ!
0314名無しさん@ピンキー2012/01/18(水) 17:25:44.00ID:avegDymf
後日譚乙!

白は正直出番少なくて性格とか掴み辛いところがあるから若干書きにくいよね
でも漆黒の花で結構出てきてくれたおかげで妄想の幅が広がったわ
0319名無しさん@ピンキー2012/03/19(月) 19:12:21.29ID:togJuW6E
アンバー可愛い
0323名無しさん@ピンキー2012/04/05(木) 12:21:09.12ID:fwnvbkRx
あんばーかわいい
0324名無しさん@ピンキー2012/05/24(木) 20:56:02.59ID:Oi7CknZJ
銀ちゃんきゃわわ!
0326名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 23:41:13.10ID:pKVtJOQo
天国門を囲む重厚な隔離壁内の一画に設けられたいくつもの研究棟のうちの一つ。
その棟内で、外界から完全遮蔽された電磁暗室の中心に、さらに高度な対電磁シールドを施された金属製の棺が横たわっていた。
白は全感覚を研ぎ澄ませて中身を探ったが、何の手応えもなかった。
受動探査はおろか能動探査でも内部を把握できない。
唯一、外界との接点であるケーブルを通じて、棺に備え付けられた小さな覗き窓の電子錠を解除する電子音。

<<何が見えますか>>

入室する前に手渡された端末から流れ出る指示電声が催促する。
小窓の蓋をあけて、指示通りに覗き込む。
「・・・・・・鏡?」
見えたのは、質感のない自分の顔だった。
可視光域の波長がまるで検知できないその棺の奥に、見えるはずのない顔があった。
回答音声を記録した端末機からの電声。

<<以上で実験は終了です。速やかに退室してください>>
0327名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 23:42:38.26ID:pKVtJOQo
超広域索敵システムからの緊急警告。
飛来する多数の小型超高速熱源の接近を確認。
自然言語処理機能をオフ。
電語処理機能オン。
M.E.D.S.LINK OPEN.

SEARCH.
FIND.
ANALYSIS.
JUDGE.

010111110101101101011
010101110
01010
1111110101011111

10101
1010
11

110101011
010101111101
101...1

自然言語処理機能再起動。
高速演算処理用情報を高次戦術判断意識野に投影、確認。
戦術支援電脳の解析開始。
戦術兵器データベース検索開始。終了。
脅威判定システムの分析開始。終了。
迎撃ナンバリング開始。終了。

最終安全確認開始。終了。
出力開始。

RDY GUN.
......
......
......
......
KILLED.

Mission CMPL.
0328名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 23:44:42.67ID:pKVtJOQo
すべてが終わった後に残るのは、いつも青い空。

白は仮面を外した。
電視で得られる感覚域は通常視覚をはるかに上回るのに、仮面を外した時の解放感はいつも理屈に合わない心地よさだ。
息苦しさも視界の狭さもない超感覚域で、音速の十倍以上の速さで迫る飛翔体が静止した世界を覗き見た後でも、だ。
今回の敵とも、お互いの存在を肉眼で確認する前から戦闘は始まり、そして終わった。

敵が放つレールガンの超高速弾雨を、自分はレーザーで迎撃する。

言葉にすると呆気ないが、現実は言葉以上に呆気なかった。
白は汗ばんだ顔をリストバンドで拭うと、額の簡易BMIシールから、外した仮面の戦術支援電脳を低機能モードで再起動。
戦闘中の感覚録を可視光画像記録レイヤと同時間軸で再生する。
記録投影用擬似感覚域に再生される過去の青空。
そこから、遠雷を思わせる連続した破裂音だけが響いていた。
弾体が瞬時に気化し音速を超えて膨張した音だ。
極限まで指向性を上げた迎撃用自由電子レーザーは発射音も弾道もなく、着弾して初めてその存在を周囲に知らしめる。
弾一個分、車のバッテリーほどの体積に原子力発電所並みのエネルギーが殺到し、飛翔体の質量を瞬時に気化し爆散させたのだ。
レーザーの射手のもとには、かつては弾体だったものが冷え固まった金属粉末さえ降り注がない。
擬似感覚域に戦術支援電脳からの経過表示ウインドウが現れる。
フレーム単位を通常時間単位に補正してあるため表記は自然言語だ。
『肉眼の視界に収める前段階で全弾迎撃行動を実行中。全システム正常動作中。』
『同時に攻撃源の特定開始。』
『終了。』

そしてこの後、発見した攻撃元を叩くべくさらなる行動を――――
0329名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 23:45:54.21ID:pKVtJOQo
「おい」
シャッターを下ろしたように視界が暗転すると、眼前には碧玉の眼をした赤毛獅子の顔。
「カーマイン・・・・・・」
投影意識が断ち切られ、白の意識は戦場から高層マンションの一室に引き戻された。
また彼女が勝手にD.L.LINKを切ったようだ。
眼球がぴくぴくして焦点が定まりにくい。
覚醒しながら、無意識の底ではまだ夢でも見続けているのだろうか。

―――規定時間は疾うに過ぎている。感覚録の再生はこちらでもできるだろ。

耳の蝸牛もまだ眠りについているのだろうか、彼女の声がいつにもまして低く聞こえた。
「起こし方が乱暴・・・・・・意識サルベージに失敗すると本当に死ぬかもしれないのに」
「確実に門前払いを食らうから安心しろ。天国にしろ地獄にしろ、あの世は押し並べて人間用だ。私たちには現世しか居場所がない」
「悪魔の居場所が現世だけ、か。人間にとってこの世こそが地獄だね」
「神の居場所が現世だけなら、人間にとってこの世は生まれついての天国だな」
私の、BK201の異名にもなりつつある『黒の死神』という二つ名を揶揄して言っているのだ。
本来は兄につけられた異名だが、個人の判別をしようにも組織の実態が曖昧模糊であるから同一視されやすいのか。
尤も、戦闘時の自分の外観を思えば―――無理もない。
防御用不可侵領域を体表に展開した際の、輪郭すら滲んだ黒い霧のような身体と、骨のような白さの仮面は、傍目には神話の死神そのものだろう。

――――皮肉を言い合えるなら意識は正常だな。

そういって、カーマインはさらに言葉をつなぐ。
「その悪魔に居場所を提供しているのは人間だ。組織の上部構成員には人間しかいないのだろう。アンバーを除いて」
「アンバーだって、つい最近になって末席の一つを貰えただけだよ。だから忙しく飛び回っている。仕事の量も種類も前より圧倒的に増えたから。私たちに単独行動を任せざるをえないくらいに」

そのための『棺』であり『鏡』だった。

ドールを介した無線遠隔操作システム。
ME技術による人格のリアルタイム複写。
ドール化間際のモラトリアムで、変身能力をもつ個体。
この異形の三原色を組み合わせて生まれたのが、遠隔操作可能な、契約者を人格と能力ごと複写した人型兵器だった。

「『NPC』と略されているけど、正確な呼称は聞いたことがないよね。『Non Player Character』かな?」
「いやきっと「Nonmanned Printed Contractor」―――非人間型複写式契約者だろう。・・・機械仕掛けの棺と鏡をかついでのお仕事、か。まるで葬儀屋だな」

身を横たえていた筐体から白は身体を起こす。
立ち上がって振り向くと―――本当に棺にしか見えないよ、これ。
そう思った。
0330名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 23:49:44.23ID:pKVtJOQo
以上、南米時代のハヴォと白。
黒さんなしで話作ろうとしたら白視点で南米チームがどう見えていたかを書くしかないかな。
0331名無しさん@ピンキー2012/06/13(水) 23:59:41.73ID:ss1Hzpcg
お、新作が来てた乙!
やっぱ南米時代いいな〜ワクワクする
03353292012/08/19(日) 17:17:25.72ID:P3odOALD
皮膚操作で『鏡』の制御を行うスキンスーツをその場で脱ぎ捨て、白は浴室に向かった。
浴室のシャワーから吹き出した熱い湯で皮膚を洗うと、熱分解性の超分子操作端子が肌から溶けて抜け落ちる感触が伝わってくる。
尤も、これは端子をごまかすために体表に展開した偽物の肌―――極薄の不可侵領域から抜け落ちる感覚なのだが。

いつもこうしてしまうのだ。
生身の痛覚で感知できるはずもない細さの端子だとわかっているのに。

全身に針を打ち込まれるというイメージ自体に、私は嫌悪感を覚えているのか。
それでいて、確実に自分の本物の肌に超分子端子が打ち込まれていないことを確信するために、
偽の肌に操作端子が食い込んでいること、そしてそれの抜け落ちることの感覚を確認している。
ありもしない肌の、ありもしない痛みを感じることで、安堵している。

―――不合理だ。

シャワーを切って、顔を拭う。
何故とかどうしてとか、思う暇すらなく、年相応の子供のように、白はそのまま大きな浴槽に飛び込んだ。

髪を乾かし終えた後、白は下着姿でうろつき冷蔵庫の中を物色した。
飲料水のボトルを引っ張り出すと、コップにも注がず直に中身を口へと運ぶ。
そのままリビングに入ると、カーマインが連絡用の端末機を片手に何か話しているが目に入る。
「今日、お兄ちゃんは何時に来てくれるの?」
「予定が変わって今日ではなくなった。今あいつはギアナでフランスの3eREIと合同演習中」
「・・・・・・なんでそんなとこに」
「マクスレイ将軍の様子見だとか」
「・・・・・・・・・・・・・・」
眉を顰めているのを見られたくなくて、白は咥えたボトルを垂直に立てる。ちょうど飲み干した。
そのまま背を向けてゴミ箱に投げ込み、眉間の皺が元に戻ったのを確認してからカーマインに振り向く。
「・・・・・・今、誰と連絡を取っているの?お兄ちゃんなら代わって」
「この間の子守の依頼主。すぐそこまで来ているそうだ」
03363292012/08/19(日) 17:22:53.13ID:P3odOALD
「随分不機嫌そうな顔だな、黒。お前が気に入りそうな場所をせっかく選んでやったというのに」
「・・・・・・大きなお世話だ。ガキ扱いはやめてくれ」
廃墟と化したフランス領ギアナ宇宙センター。
まだ人が宇宙に夢見ていたころの、残骸が眠る場所。
瓦礫と成り果てた夢に、名前だけとはいえ今でも警備活動が続けられていた。
尤もその人員も極限まで減らされ、書類の裏付け程度の意義しかないものと誰もが承知ではあったが。
熱帯の植物は成長が早く、空を超え宇宙を飛ぶはずだった翼さえも、緑の海はその胎内に呑みこんでいた。
人が手を加えなくなったロケット発射台は墓標同然で、絡み付く蔦はいつの間にかその墓標を締め砕き、瓦礫に変えた。
そして積もった瓦礫の上にさらに生い茂り、巨大な緑の切り株のような外見になっていた。

かつて、宇宙を目指していた基地はもはや原型すら留めていない。

「今のご時世、どこも宇宙開発どころじゃない。将来性のないものに予算を費やしてるような余裕はないというわけだ」
「将軍、アンタも組織からそう判断されなければいいがな」
「組織から私にBK201の抹殺命令が下された覚えはない。ただ私は情報を求めているだけだ。
それにお前の妹については色々と組織内の事情が込み入ってる。
お前はただ情報を売ればいい。それともそんなに早く妹を殺してもらいたいか。なら別料金だ」

馬鹿馬鹿しい、と黒は一蹴した。

「こちらにとって価値の低い情報と交換に、あんたから強力な敵性契約者を始末する機会を買っているだけだ。
これはアンバーも承知済みの、情報戦活動の一環だ。利敵行為とは根本的に違う。」

―――何より、同類の契約者を始末する度に白は強くなっているのだからな。

「随分と口数が多いじゃないか。・・・・・・そう睨むな。今回は金と情報で払わせてもらう」
同タイミングで互いの記録媒体を投げ合い、交換する。
端末機のディスプレイに表示された中身を素早く確認すると、黒は乱暴に背嚢へ突っ込んだ。
「じゃあな」
場の雰囲気が言葉を生み出す前に、黒は背中を向けて立ち去ろうとする。
「ああ、それとこれはサービスだ」
「なんだ」
「お前の妹、今度は単独での作戦に動員されるそうだ」
03373292012/08/19(日) 17:26:38.52ID:P3odOALD
とりあえず出来上がった序章だけでも。
結構長くなるかも?
0342名無しさん@ピンキー2012/11/11(日) 22:07:03.42ID:HHtgh1o/
おい今日は11月11日
ノーベンバー11の日だぞ
0344名無しさん@ピンキー2013/01/10(木) 23:06:03.73ID:pFfxFYKE
0347名無しさん@ピンキー2013/03/24(日) 20:37:26.09ID:4x5Q7ibb
0348名無しさん@ピンキー2013/09/14(土) 01:13:05.71ID:xrKJ5Vm/
0353名無しさん@ピンキー2015/04/18(土) 14:29:24.49ID:oEUaLiUL
みさき「ヒロインはみなしんでゆく」
0355名無しさん@ピンキー2015/04/27(月) 15:57:24.35ID:OuIM17FP
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