【従者】 主従でエロ小説 第七章 【お嬢様】
0001名無しさん@ピンキー2010/01/11(月) 23:31:56ID:+W/hkdew
主従(女主)を扱うスレです。

生意気な女主人を陵辱する従者、
大人しい清楚なお嬢様に悪戯をする従者、
身分を隠しながらの和姦モノ…

お嬢様×使用人 姫×騎士 若奥様×執事など
女主従であればなんでも良し。

◇前スレ◇
【従者】 主従でエロ小説 第六章 【お嬢様】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222667087/

◇過去スレ◇
【従者】主従でエロ小説【お嬢様】
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【従者】主従でエロ小説【お嬢様】 第二章
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【従者】主従でエロ小説【お嬢様】 第三章
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【従者】主従でエロ小説【お嬢様】 第四章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174644437/
【従者】主従でエロ小説【お嬢様】 第五章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200307216/
0002名無しさん@ピンキー2010/01/11(月) 23:32:45ID:+W/hkdew
◇関連スレ◇
男主人・女従者の主従エロ小説 第三章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222710811/
【ご主人様】メイドさんでSS Part9【旦那様】
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お姫様でエロなスレ12
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男装少女萌え【10】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219568508/
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古代・中世ファンタジー・オリジナルエロパロスレ4
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◇保管庫◇
主従でエロ小説 のまとめ(初代スレがまとめてあります)
http://vs8.f-t-s.com/~pinkprincess/lady_servant/ 
主従エロ小説@BBSPINK まとめ(wiki。まとめ中)
http://wiki.livedoor.jp/slavematome/d/
0003名無しさん@ピンキー2010/01/12(火) 00:05:29ID:yjxonPpc
>>1
さすがはお嬢様。完璧なスレ立てですな。
お疲れ様でございました。
さて、お茶でも召し上がりますか?
シロルの特級葉がございます。
0004名無しさん@ピンキー2010/01/12(火) 01:14:30ID:OxzcaxQq
>>1
さすが、早いわね。
――あら、嫌ね。そういう意味ではなくてよ。
ふふ、何を考えているのかしらね。
――褒美が欲しい?
まあ、言うようになったこと。
いらっしゃい。私の前にひざまづいて、そう、顔を上げて……




「乙」
0006名無しさん@ピンキー2010/01/17(日) 21:50:37ID:2Qna97kM
お嬢様、お時間が迫っております。ともかく即死は回避いたしたく
お支度ください。
0008名無しさん@ピンキー2010/01/18(月) 04:40:20ID:KKfQvlVK
お嬢様、ここは私めが>>1乙致しますので、心ゆくまでお楽しみください。
0009名無しさん@ピンキー2010/01/19(火) 03:27:23ID:As3QEuyv
>>1
乙です!

さて、寝る前に執事×お嬢様でも投下します
フランス革命直後の亡命貴族のお話。時代考証とかは適当なんでスルーしてやってください
お嬢様が若干ビッチ(フランス貴族とかヤリまくりなイメージw)なんで処女崇拝者はご注意を

NG登録はタイトルの『ワインの口付け』でお願いします
0010ワインの口付け 12010/01/19(火) 03:28:50ID:As3QEuyv
「エティエンヌ、着替えを」
「畏まりました、お嬢様」

 腰を下ろしたベッドから立ち上がろうともせずに、フランシスカは右腕を伸ばし肩の高さに上げた。
 そんな物草極まりない挙措にさえ気品が漂っているのだから、育ちの違いというものは残酷なまでに決定的だとエティエンヌは思う。
 このトルコブルーのドレスの脱がせ方は――と記憶を辿り、直ぐに思い当たって、その長い指を動かした。飽く迄慎重に、繊細に、しかし迅速に。

「お嬢様、両腕を上げて下さいませ」

 無言で万歳の体勢を取るフランシスカに、純白の夜着を纏わせる。
 高級の絹が、負けず劣らずに極め細やかな令嬢の肌を滑ってゆく。

 薄い布地の上からカシミヤのカーディガンを羽織らせながら、フランシスカの端正な横顔にちらりと視線を遣り、エティエンヌは内心で溜め息を付いた。

 年代物の純金を熔かして流したような、僅かに白銀のくすみを帯びたブロンド。
 同じく白銀を含んだアイスブルーの瞳はぱっちりと大きく、理知的に輝いている。
 肌は新雪もかくやと思うほどに白く、しかし頬と唇は春を思わせる慎ましやかな桃色。

 一点の非の打ち所の無い美貌に浮かぶ表情は、しかし、誇り高いと言うよりは殆ど傲慢と呼んでよかった。
 その上、今日は一際機嫌の悪そうに眉をひそめているのに気が付いて、エティエンヌはさり気なさを装って自分の女主人へと言葉を掛けることにした。

「ダンゲルマイヤー伯の件は、残念でございましたね」

 フランシスカの形の良い鼻が鳴らされる。

「残念だなんて思っていないけれど。全く、私の誘いをふいにするなんて、あの軍人気取りの田舎貴族!」
「奥方のお身内に不幸があったと仰っていました」
「それにしたって! やっぱりドイツの田舎者は礼儀というものを知らないのね。――ふん、断られて却って良かったかも知れない」
0011ワインの口付け 22010/01/19(火) 03:29:29ID:As3QEuyv
 辛辣な言葉とは裏腹に、かの青年貴族に袖にされたことにフランシスカが相当なショックを受けているのは明白だった。
 背が高く、少々粗削りだが十分な美形で、無骨なようで頭の回転が速い――理想的なドイツ貴族である伯爵に、フランシスカはすっかり熱を上げているのだ。
 彫刻のような繊細な造形とエスプリ、それから寝所での技巧に重きを置くフランス貴族とは違った魅力に、物珍しさを感じているだけかも知れないが。

 しかしフランシスカの誘いは、伯爵家に仕える下男によって丁重に断られた。
 彼が口にした理由――奥様の伯母上が嫁ぎ先で急にお亡くなりになり――が、単なる体の良い言い訳に過ぎないことに、エティエンヌははっきり気付いている。

 無論、口には出さない。

「構いやしないわ。ねえエティエンヌ、確かフィリップもこちらに亡命していたわよね?」
「ええ、程近い場所に妹君の嫁ぎ先のお屋敷があるとかで」
「なら、近い内に訪問します。可愛い赤毛のフィリップ、すっかり私に夢中になっていたもの」
「畏まりました、直ぐに手配を済ませます」

 二十にも届かないくせに、一端の貴族女らしい好色を気取る女主人はなかなかに滑稽でもあった。
 恭しく頭を下げることで口の端が笑みの形に歪んでしまうのを隠す。
 四歳年上の亡命貴族のことを考えて、フランシスカの機嫌は少し戻ったようだった。

「頼んだわよ」
「お嬢様の仰せのままに。――それでは、今宵はもうお休みになられますか?」
「そうね……」

 視線を天井の方へ上げて、フランシスカはちょっと首を傾げる。そんな仕草は年相応にあどけない。
 次の瞬間に浮かべた悪戯っぽい笑顔も少女らしいと言えるものだったが、エティエンヌには幾分タチの悪いものに見えた。
 思わず、端正な眉を僅かにしかめる。

「――いいえ、エティエンヌ。今夜は私に付き合ってもらうわ。どうせもう、仕事なんて残っていないでしょう?」
「……えー。残念ながらお嬢様、夜のワインセラーのチェックがまだ――」
「うそつき」

 エティエンヌは完全にしかめ面になった。
 嘘を見破られたからではなく、全くの言いがかりだったからで、しかもフランシスカ自身にもその自覚があることが分かったからだ。

「嘘ではありません、お嬢様。執事は嘘をつきません」
「ふん。あらそう。なら早くチェックを済ませて、部屋に戻ってきなさい。あまりに待たせるようなら、先に寝てしまうわよ」

 寝てしまうのならばその方が助かるのだが、命令とあらば仕方がない。
 エティエンヌはせめてもの抵抗として、大げさに溜め息をついた。このくらいなら許されて然るべきだと思う。

「畏まりました。少々お待ち下さい、お嬢様」

 普段なら楽しみなワインセラーへ向かう足取りが重い。

 そんな風にあまりに憂鬱だったせいか、それとも古びたドアの軋む音にかき消されたせいか。

「…………ばか」

 部屋を出る際にフランシスカが口にした呟きは、エティエンヌに聞こえることはなかった。
0012名無しさん@ピンキー2010/01/19(火) 03:31:33ID:As3QEuyv

+ + +


「遅いわ」

 ワインのチェックをできる限り手早く終え早足で部屋へと戻ったエティエンヌを迎えたのは、形の良い眉を吊り上げたフランシスカの怒りの表情だった。
 尊大に足を組んでベッドに座り、三白眼に近い上目遣いで頭一つ分以上背の高い執事を睨みつけている。

「いつまで待たせるつもりなの、この間抜け」
「……誠に申し訳ありません、お嬢様」

 丁重に頭を垂れたつもりだったが、不覚にも、声に含まれた僅かな不満を隠し切れていなかったようだ。
 フランシスカは下りてきたエティエンヌの頭を力任せに平手で引っぱたいた。その弾みで、掛けていた丸眼鏡が軽い音を立てて絨毯に落ちる。
 それを拾おうともせず、エティエンヌが低頭の姿勢を保ったままでいると、不意にフランシスカは両腕を彼の頬へと伸ばし、その顔を少々強引に自分の方へ向かせた。

 東洋人との混血である執事は、どこか中性的な美貌の持ち主である。その黒い瞳は、フランシスカの氷の視線を受けても揺らぐことはない。
 彼女の淡紅色の唇が己の唇を塞いだときも、それは変わらなかった。眉ひとつ動かさずにそれを受け入れる。

 男の両頬を挟んでいた手が、耳へと滑り、首筋を擽って、そして首の後ろへ回される。
 低い位置に引き寄せられ、エティエンヌは片手をベッドシーツについた。
 もう片方の手はフランシスカの細い肩に添える。上質の生地越しに手の平に伝わる体温は高い。

 フランシスカの舌が、エティエンヌの唇を割って滑り込んできた。
 ねっとりと熱い舌を絡ませ合い、歯列をなぞり、唾液を交換する。粘着質な音が直接互いの頭蓋に響く。

 性急ではない。しかし酷く嫌らしい動きだ、とエティエンヌは冷静に思う。如何にすれば男の情欲を煽るかを知っている。
 ボタンの縫い方さえ知らない貴族令嬢が身に付けた、数少ない技術の内の一つがこれだ。
 しかし何を恥じることもあるまい。事実、フランシスカは誇らしげですらあるのだ。
 貴族の女とは結局のところ、こうして――

「……っ、ふ。何か、他のことを考えているでしょう」

 唾液の糸を引きながら唇を離したフランシスカが、生まれてこの方荒れたことなどないであろう指で口元を拭いながら、咎めるようにそう言った。

「――いいえ。お嬢様は貴族たるに相応しい美しい方だと、そう考えておりました」
「あら。今更じゃなくて?」

 エティエンヌの誤魔化しに、しかし彼女は満更でもない様子で微笑んで、軽い音を立て黄色い肌の執事の頬に口付けた。

「隣に来なさい、エティ」

 寝台に呼びつけるときに限り、フランシスカは彼女の執事を愛称で呼んだ。
 執事としてのエティエンヌと、愛人としてのエティを呼び分けているのかも知れない。
 何れにせよ、エティエンヌ自身の立場はそう変わらないのだった。高慢で美しい令嬢の享楽に奉仕する、哀れな奴隷であるという点で。

「エティ。今夜も私を夢中にさせてくれるのかしら」
「それが、お嬢様のお望みであれば」
「……もう、相変わらずお決まりの答えしかしないんだから。白髪の老執事でもあるまいし、大人しくってお堅いだけじゃつまらないわ」
「それでは、獣のように荒々しく振舞っても宜しいので?」

 それは単純に、彼女のいつもの我侭をはぐらかす言葉のつもりだった。
 執事の分際で主人を乱暴に犯すような真似が許されるはずもない。
 その言葉はすぐに否定されて、普段通りの丁寧で従順な手管を命じられるはずだと、エティエンヌは確信していた。
0013ワインの口付け 42010/01/19(火) 03:33:03ID:As3QEuyv
>>12 しまった、タイトル付けるの忘れてた…申し訳ありません。
続き。


 ――しかし、

「あら。それってとても面白そうだわ、エティ」
「……何ですって?」

 エティエンヌの片眉が跳ね上がった。

「他の貴族の愛人たちって、私に色んなことをしてくれるけれど、乱暴なことは絶対にしないんだもの」
「それは、喜ばしいことなのでは?」
「そりゃあ、お姫様みたいに扱われるのは好きよ。でも少し飽きちゃった」
「……」

 呆然として言葉を失うエティエンヌに、フランシスカの熱を持った身体がしなだれかかった。
 慎ましいながらも柔らかな胸の双丘が、エティエンヌの胸板との間に挟まれて形を変える。

「エティ、命令よ」
「……はい」
「私を乱暴に奪ってみなさい。嫌がってもやめなくていいわ」
「しかし、お嬢様……」
「口応えは無し。いいじゃない、ごっこ遊びのようなものよ。フィリップだって、お医者さんごっこが大好きなんだから」

 でもこっちの方が楽しそう、と笑うフランシスカの表情はとても淫靡だ。
 可憐な少女がはっきりと欲情し、強引に自分を犯せと言う――魅惑的に過ぎる状況に、エティエンヌの自制が振り切れそうになる。

 しかし。
 如何に彼女自身の命令であるとは言え、言われるがまま好き放題に扱ってしまえば、事が終わってからフランシスカが自分を糾弾する可能性は無きにしも非ずだ。
 元が我侭な少女のことである。自分が言いだしたことであるのも忘れて、後先考えず解雇を宣告しかねない。
 そうなれば――

 ――やはり、ここは何とか上手く誤魔化して、穏便に済ませよう。
 エティエンヌはそう決意し、

「それに、あの礼儀知らずのドイツ貴族の相手をする練習にもなるかもしれないわ。ねえ、せっかくだから貴方、あのジャガイモ臭いドイツ訛りで私を口説いてみてくれない?」
「…………」

 想像の斜め上を行く少女の言葉に全てが馬鹿らしくなって、決意をあっさりと翻し忠実に命令を実行することにした。
 ……最後の一つを除いて、ではあるが。
0014名無しさん@ピンキー2010/01/19(火) 03:35:08ID:As3QEuyv
とりあえず今日はここまで。

初投下なんで何か不備があったら指摘していただけると嬉しいです
スレ汚し失礼しましたー
0019名無しさん@ピンキー2010/01/23(土) 20:13:35ID:cuY17DlW
川島芳子の新資料発掘と聞いて、『男装の麗人(おそらく軍人)とその従者』なるシチュエーションを思いついた。

・・・さてはスレ違いか?
0022名無しさん@ピンキー2010/01/28(木) 05:50:47ID:bB43jaI5
初投下で分割投稿するやつは投げっぱなしが多いな
書ききって投稿の人のほうが、その後も続くかんじ
0023名無しさん@ピンキー2010/01/28(木) 05:57:33ID:bxQPqXi0
そうか
0032名無しさん@ピンキー2010/02/21(日) 21:21:45ID:fNsMIRYj
お嬢様万歳!!
0034名無しさん@ピンキー2010/02/23(火) 21:17:59ID:43Vonsf8
本当は病弱で繊細な優しい子なのに
家や国を守るため冷徹になってるお嬢様が良い。
車椅子とかいいね。
0037名無しさん@ピンキー2010/02/24(水) 04:45:05ID:BR0ZBfdx
あいつ、最後まで周り中から守られまくった甘ったれだったじゃん
虐殺者の汚名を甘んじて被ったはずだったのに、戦後、ちゃっかりその件は水に流して、平和の象徴みたいになってたし
0040名無しさん@ピンキー2010/02/26(金) 22:44:07ID:VlXSYmNk
まあ、客観的に見て、戦後の扱いがおかしかったのは事実だ。
0041名無しさん@ピンキー2010/02/27(土) 00:12:06ID:3DEEmfYp
ナナリーは繊細で優しいのはキャラ作りで本当は腹黒だよ。
だがそれがいい。
0042名無しさん@ピンキー2010/03/04(木) 23:01:06ID:+XUkPXZW
お嬢様の鞭で打って欲しい
0045432010/03/07(日) 18:10:20ID:ANtt5AVe
誤爆しました
すみません
0052お嬢さまそうではありません  1/52010/03/21(日) 00:47:25ID:ueTp5ugi
久しぶりに少し書かせてもらいます


「お嬢様そうではありません」

少年は首を横に振りそっと少女の手に自分の手を持っていく。
「う、五月蝿い! わかってオル!」
フリルの付いた薄桃色のかわいいエプロンを着た少女は、
頭の後ろに付いたポニーテールを激しく降り、少年の手を払いのけると、
コーヒーカップの中にスプーンを入れる。

「あっ! 駄目ですそれではお客様にお出しできません」
「なぜじゃ!? 之はかき混ぜる為の物であろう!」
少年は静かに首を振り、
「スプーンはコーヒーカップの手前に置くのです、そして取っ手は右側に来るように置いて下さい」
「うう〜」
新しいスプーンを置きなおすと、よたよたと危ない足取りで、お客の待つテーブルへと少女は進んでいく。

「お嬢様が急に『社会勉強をしてみたい!』と言われたから、知り合いの方にお願いしましたが……」
今にもこぼすか、こぼさぬかと言う絶妙な足取りで運ぶ姿に客の視線が集まる。
「はわわわぁ……あ、あう」

「おいおい大丈夫か?」「お嬢ちゃん、しっかり」
厨房からコーヒーを運ぶまで大仕事だ。

「ま、またせた、……あ、いや、お……、お待たせした!」
店中に間違いが伝わるくらい、ハッキリした声で挨拶するとカタンとコーヒーを置く。
『コーヒー一杯でドンだけ待たせるんだ』
男はそう言い掛け、持って来た少女の顔を見る。
其処には満面の笑みをたたえた愛らしい少女の顔があり、男は目線を反らすと、
「ハイ、ありがとう……」
一言ぽつりと言った。
ソレを聞いた少女はパッと顔をいっそう明るくし。
「うむ、大儀であった!」
大声で叫んだ。
それは、およそ店じゅうの人間が心の中で突っ込みを入れた瞬間であった。
0053お嬢さまそうではありません  2/52010/03/21(日) 00:49:02ID:ueTp5ugi
「はふ〜」
ピークを過ぎ、客が居なくなったのを見て少女はため息をつく。
「おつかれ……さまです」
その傍らで壁にもたれかかり肩で息をする少年が、小さく返事をした。
『少女が何かするたびに飛んで行ってはフォローをする』その繰り返しで疲労困憊していた。
「大丈夫? 澤木ちゃん」
店のマスターが心配そうに声をかけてくるが、
「はぃ……」
小さく返事をするのがやっとであった。
「ふむ、澤木は少し休んでおれ、後はやっておくゆえ」
小さい胸を誇らしげに反らし両手を腰に置く。
「紙ナプキンの‘ホジュう,も理解したのじゃ」
「‘ホジュう,って、……」

少年が絶望しかけた時、

ピンポン。
チャイムが鳴り。
「お、また誰かきたのぅ、行って来るのじゃ」
パタパタと少女がポニーテールを揺らし子犬のように走っていく。

「元気なお嬢さまですね」
「ええ、旦那様も、奥様も元気なお子様を欲しがられておられ、巴お嬢さまが元気に育ちいつも喜んでおられます」
まあそのぶん、一般常識が非常に残念な事になってしまったのだが……。
そう澤木が言いかけたとき、パタパタと巴が戻ってきた。
やがて、コーヒーをカップに入れると、そのまま客席へは向かわず、なぜか、更衣室へと入っていく。
そして数分後、何故か体育着に着替えた巴はそのままコーヒーを持って、客のところへと走って行く。
0054お嬢さまそうではありません  3/52010/03/21(日) 00:50:25ID:ueTp5ugi
その客は困惑気味に体操服姿の少女を見つめていた。
「何じゃ、お主が『見たい』といったから、着替えてきたのだぞ!」
「 いえ……ぼくは……『飲みたい』と……」
「なんと!? そ、そうか……うう、わかった! この巴、神城家の名に誓い、一度受けた事は必ず守るのじゃ!」

そう言うと、巴はモタモタとテーブルの上に上がる。
体操着姿の少女が突然目の前でテーブルに乗り始め、客は唖然としたまま口を開けている。
「貸すが良い」
そう言ってコーヒーを手に取った。
「まだ少し熱いのぅ……じゃがしかし、約定を違えるのは恥じゃ」
と、独り言を言いながら意を決したようにチョロチョロと自分の体操着にコーヒーをかけ始めた。
見るまに真っ白だった体操着は茶色く染まり、トロトロと下に零れ、股間の部分に集まってくる。
「ふぅ、ふわぁ! あ、あついぃ……! さ、さあ早く口を近づけて飲むが良い」
「えっ? え!?」
客が狼狽していると、 
「ちょっと待て! 貴様! お嬢さまに何をしてる!」
事態の異常さに澤木が走りより男の胸倉に掴みかかる。
「えっ!? わ、わたしは……」
「やめよ澤木!」
その時、巴の凛とした声が店に響いた。
「私がこの者の要求を受けると言ったのじゃ、おぬしは下がっておれ!」
両腕を後ろに付き二本の手で体を支えるようにしながらゆっくりと足を開く、
「さ、さあ、家の者が失礼をした、後でキツク叱るゆえ、ゆっくりと飲むが良い」
「巴お嬢さま……」
ユックリと手を離し、客に深く頭を下げると澤木は後ろに下がる。
「ほれ早くせよ、足りぬのであれば……」
再びチョロチョロと巴は今度は直接股間部分にコーヒーをかけ始めた。
「え、ええ、は、はい……」
男はゆっくりと股間部分に顔を近づけた。
コーヒーのにおいに混じり、少女の柔らかい太ももの匂いと、コーヒーが染込んだ体臭と混ざった体操着の匂いが鼻を打つ。。

「ひゃ、ひゃうぅん!」

唇が触れた瞬間に、巴は大きく仰け反り、男の顔を太ももで締め上げる。
0055お嬢さまそうではありません  4/52010/03/21(日) 00:52:08ID:ueTp5ugi
目の前の、冷たいコーヒーと、少女の程よく蒸らされた体操着の暖かな体温。
そして、両足の少しひんやりとした感触を味わいながら、男はズルズルと音を立てて、飲み干してゆく。
「お、おと! 音を立ててすすっては駄目なのじゃ!」
少女の過敏な部分に舌が這わせられ、なめられ、啜られるたびに、巴は体を仰け反らせ、
ぴくぴくと腰を浮かせる。
「あ、ああ! だめぇ! 駄目なのじゃ!」
大きな声を上げ、巴はポニーテールを激しく揺らす。
濡れた体操服が体にペッタリと張り付き、少女の小さな体の線をハッキリと浮き彫りにしていた。
小さな胸の形がツンと膨らむ。
苦しさのあまり、両手で客の頭を押さえつけ、ガクガクと体を動かす巴。
「えっ! ちょ、く、くるし……!」
男は太ももを抑え、一端頭を離そうとするが、その度に頭を動かすので逆に、
刺激を高める結果になる。
「ふ、ふわああぁ! お、おかしくなりそうじゃ! ふわあ!」
体操着とその下の下着越しに刺激を受けイヤイヤと巴は首を振る。
だがその、抵抗が逆に自分自身を追い詰めていく。

「あ、あああ! だ、だめじゃ! 駄目……! あ、あああぁああ!!」

ついにガクンと大きく身を震わせ巴はガクリと力尽きる。
その途端、今度は内側よりトロトロとした液体が濡れた体操服を、湿らしていく。
「あ、ああぁぁぁ……」
締め付けていた太ももや、押さえつけていた両手が離れ、ゆっくりと巴は崩れ落ちて行った。



「オイアンタ! どういうつもりだ!!」
澤木は怒りに身を震わせながら男を睨みつける。
「い、いや、私はただ……」
「落ち着け澤木、この者が『ブルマー姿が見たい』と申したので着替えたのだが……」
ハァ、とため息をつくと、
「まさか、‘見たい,ではなく、‘飲みたい,であったとは……」
少しうなだれる巴。
0056お嬢さまそうではありません  5/52010/03/21(日) 00:52:57ID:ueTp5ugi
今は着替え終わりまたもとの制服に戻っている。

二人に挟まれ、男はおどおどとした様子でチラリと澤木を見つめると、
「いや、私は『ブルーマウンテンが飲みたい』と言ったのですが……」
と、呟く。

その後、澤木は客に土下座をして謝り、コーヒー代630円彼持ちとなった。


「むう、今日は色々勉強になったのじゃ」
「はぁ」
帰りの車の中、誇らしげな顔で呟く巴、その横でうなだれる澤木。
「なるほど、客のゆう事を全て聞いていては駄目という事なのじゃな」
うんうんとうなづく少女を見て。

「お嬢さまそうではありません」

と、彼は心の中で呟いた。
0059名無しさん@ピンキー2010/03/21(日) 12:44:59ID:QJ/8wOAy

す・・・すばらしい
0066世界征服2010/04/09(金) 02:42:02ID:bt0MlHCn
また一つ書かせてもらいます。

「う〜……」
ココはとある廃ビルの中の一室、
部屋の真ん中に置かれた机の上で‘金色のツインテール,がもぞもぞと動き、
呻き声を上げている。
否、机に突っ伏している一人の少女の口から呻き声が上げる。
「また負けた〜」
ぼろぼろの机に突っ伏したまま、口をだらしなく開き、足を机の下でブラブラさせ、
両手をだらしなく机に投げ出している。
‘ペタンとした胸,に、‘つるっとした下半身,をピンク色の小さな布で覆い、手足には黒い皮のブーツと、手袋をはめている。
お尻から生えた魚を思わせる黒びかりした尻尾は足の動きに合わせてプラプラ揺れている。



彼女が病気で倒れた父親である『デビル元帥』よりこの世界の制圧を任され半年。
就任当初より負けに負けて、『全世界完全制圧』まで後一歩のところが、
今や日本の、一地方都市の、街外れにある、おんぼろビルの、狭い一室が唯一の領土となっていた。

「それもこれも皆あいつが悪いんだわ!!」
バン! と、勢い良く机を叩くと、少女は顔を上げる。

「アイツが私の邪魔をしなければこの世界はとっくに私の物に為ったのに!!!」
バシバシと机を叩くたびにギシギシと机が悲鳴を上げる。
「悔しい! 悔しい!! くやしーーーーーい!!!」

バギン!
ガタン!
ボゴ。
「イッターーーい!!」

少女の八つ当たりパンチに耐え切れなくなった机の脚がもげ、その拍子に思いっきり鼻をぶつけた。

「いたたた……、もう! ……アルスが戻ってきたら直すように言わなきゃだわ……」
アルスとは彼女のただ一人の部下であり、戦闘要員兼、パシリである怪人。
父の頃にはたくさんいた怪人も今や彼一人である。
今は駅前の新しく出来た店で『蜂蜜プリン』を買って来るという、『特命』を受けている。
0067世界征服2010/04/09(金) 02:42:44ID:bt0MlHCn
「遅いな、三分で戻って来いって命令したのに……」
少女はチラリと時計を見る。
そもそも、駅まで徒歩で30分以上かかる、だが、そんなことは全く気にしていない。
「プリンを食べたら、また世界征服の為に頑張らないとだわ」
よいしょ、よいしょと、机を持ち上げると足の下にそこらにあった物を挟み込む。
「プリンまだかなぁ〜、早く来ないと世界征服が進まないのよ〜」
ぐぅー。
世界征服を目論む悪の総帥の小さなお腹からSOSの悲鳴が上がった。

ガチャリ
やがて部屋の扉が開き、肩口のところで金色の髪をそろえた、少年が入ってくる。
「御待たせしましt――ぅわ!!」
「おそーいいい!!」
ぼご!‘特命,より戻った部下の顔に無慈悲なペン立ての一檄が飛ぶ。

「おそいおそいおそいおそいおそいおそいおそいおしおそいおしおいそいし!!!」
最早何を言っているのか解らないほどの『遅い』攻撃が『襲い』かかる。
ポカポカと両手で激しくアルスを叩く。
「お、落ち着いてくださいデビるんサマ、ほ、ほらプリンですよ」
強烈なポカポカ攻撃を避けながら袋より戦利品を取り出す。
ピタリ。戦利品を確認し終わると粛清は終焉を迎える。
「……まあ、処罰は食べ終わってからにだわ」
両手で箱を受け取ると、デビるんは、机に戻る。

「ふふふ、愚民共め、之を食べ終わった時にお前達の恐怖が始ま……あれ?」
箱を開けると目当てのプリンとは別にもう一つクッキーが入っていた。
「なにこれ?」
「ああ、それですか?」
床に散らばった鉛筆を拾いながらアルスは首を上げデビるんの手を見る。
「お店の女性店員がくれたんですよ」
再び床に目線を戻すと、
「『お兄さん素敵なのでおまけしますね』 だそうですよ、デビるんサマに征服されるとも知らず暢気な事ですね」
にやりと笑い、再び机に座るデビるんへ視線を戻した途端。
バシ!
アルスの顔にクッキーが飛んできた。
0068世界征服2010/04/09(金) 02:43:39ID:bt0MlHCn
「いらない!」
「如何されたんですか? デビるん様」
突然の豹変を不思議そうに見つめてくるアルスを見て、さらにデビるんの怒りがこみ上げる。
「アルス! こっちに来なさい!」
「はい」
突然怒鳴られて何が何だか解らないという顔のまま主人の下へとゆっくり進む。

「アルス、貴方の主人は誰?」 
「私の主人はデビるん様只お一人です」
アルスはそう言うとその足元にひざまずく。
「そう、じゃあ、忠誠の証を見せなさい」
デビるんは黒い皮のブーツを脱ぐとアルスの顔を踏みつける。
「はい」
少年は頷くとゆっくりと少女の足を取り、舌先を這わす。
「良いわよアルス」
指と指の間を、足の裏を、舌がゆっくりと這い回る。
ぴちゃ、ぴちゃ、くちゅ……っ、くちゅ。
「ん、んん、あ、、いい、ふゅ〜……」
顔を上に向け天井に向けた喉をゴロゴロと鳴らす。
アルスの柔らかな舌先がぺちょぺちょと小さな足の指を往復するのを受け徐々にデビるん
の顔が上気していく。
「ふひゅ〜ん、いいわょ……アルス」
「では、失礼して此方を」
グィ。
「……ふぇ? ……ひゃぁ!!」
アルスはデビるんの尻尾を掴むと、先をぺちゃぺちゃと音をたたて舐め始める。
「ふにゅ〜ううん! な、何してるのアレス! し、シッポ! シッポ、ペロペロしちゃ、ああ!」
パタパタと足をばたつかせるがしっかりとアレスに押さえつけられて、
ピクリともせずに良いように尻尾を舐められ続ける。
「しっぽ! しっぽダメなの! 舐めちゃ駄目!」
激しく抵抗するデビるん。 少女にとってシッポは性感帯の一部だ。
イヤイヤと首を振る主人を見てアルスは、シッポから口を離し、
「嫌なら之で止めますが如何しますか?」
意地悪な笑顔を浮かべプルプルと震えるデビるんを見つめる。
0069世界征服2010/04/09(金) 02:44:28ID:bt0MlHCn
「しっぽ、いや……、でも、やめちゃ……いや」
小さく呟くのを聞いてアルスはため息を吐くと、
「ならばご命令をデビるんさま」
じっと主人の瞳を見つめる。
「う、うう、アルス……、わ、私の尻尾を舐めなさい……」
「ハイ、よく言えました」
そう言うとヌラヌラとする尻尾全体を手でさすりながらもっとも敏感な‘付け根,
部分を。
ペロリ。 と、舐める、途端に。
ブルブルと先ほどよりも激しく体を震わせ机にしがみつく手に力を込める。
だがアルスの舌は執拗にデビるんのシッポを嘗め回す。
がくがくと体を震わせ、必死にアルスから逃れようとするがアルスの責めは止まない。
ピチピチと、陸に打ち上げられた魚のように跳ね回る尻尾を逃がさないようにアルスはシッカリと押さえつける。
「ひ、ひっぽ……なめちゃ……ひやぁ……」
だらしなく開いた口端からはみっとも無くよだれがたれ、両目の焦点も定まらなくなってきている。
「デビるん様、シッポを舐められたくらいでもう弱音を吐くんですか?」
先っぽを指でなぞりながら、付け根部分を優しく舐める。
最早完全にグロッキー状態に近づいている主人の尻尾は黒光りし、鱗を持った魚の様にヌラヌラと湿っている。
ピクピクと小刻みに震えながらフルフルと震える唇で少女は言葉をつむぐ。
「うう……、な、なにいってるの? こ、このぐらい、へ、へ、平気なんだから」
目に涙を浮かべながら、小刻みに震える少女の言葉に、
「そうですよね、流石はデビル元帥のご息女そうだと思っておりました」
嬉しそうに微笑むと、
「ですがもし奴らがお嬢さまの‘ココ,を責めて来たら如何しますか?」
そう言うと。
コリッ。
小さな二つの突起を優しくつまむ。
その途端。
「うにゃあぁああ!!」
デビるんの口から再び悲鳴が上がった。
0070世界征服2010/04/09(金) 02:45:36ID:bt0MlHCn
「おや? デビるん様はココが弱いんですか?」
コリコリと乳首を優しく摘み回し、チュパチュパと音を立てて、小さな二つの隆起の頂上
の征服に取り掛かる。
「や、やあ、おっぱいに意地悪しちゃヤダ! ダメー!! 」
「ダメじゃありません! 敵は情け容赦なくデビるん様の弱点を付いてくるんですよ」
じっと、涙で潤む主の瞳を見つめ、その間も休むことなく、胸を揉み付け、両方の乳首を弄ぶ。
「もし、デビるん様が日曜の朝8時に子供たちの見てる前で絶頂を迎えたら如何するんですか?」
「え……え、え……と、ん、んんうぅ……」
「子供たちの前で潮吹きなどしたらスポンサーが付かなくなりますよ?」
「ふえ……それは、こまる……」
「でしょ? だからこの攻撃にはシッカリと耐えてもらいます」
そう言うと、胸からスッと手を離す、厳しい責めから開放されてほっとしたのもつかの間、
股間にさっと手を伸ばすと、アルスの指はデビるんのコスチュームの間から秘裂へと、
クチュクチュと音を立てて滑り込んでくる。
「ひゃん! ゆ、ゆび! アルス、チョット待って!」
「駄目です! 敵は待ってくれませんよ、日曜朝八時の限られた時間の中で責めてくるんですから」
「そ、そんな、あ、ああ、やん、駄目、だめ」
クチュクチュと指を差し込みながら同時に小さなクリトリスをコリコリと刺激する。
トロトロと蜜を零しながら、それでも必死に堪えようと椅子の減りをシッカリと抱え込む。
すべすべとした太ももがきつく閉じられ、アルスの手を締め付ける。
「さてと、では最後の責めです」
そう言うとグッタリト力なく垂れ下がった尻尾をぎゅっと握り、
「イキマスよ」
と、言うが早いか、太ももをこじ開けて、
蜜でべちょべちょになった、少女のワレメにシッポを刺し入れた。
「あああ!! あ、アルス! こ、これはほんとにだめ!!」
じたばたと暴れるデビるんをしっかりと押さえつけぬちゃぬちゃとシッポを使い割れ目の中を攪拌する。
「あ、ああああ! ヒ、ひっぽ〜! ヒッポでグリグリしちゃ、ひゃめ〜!!」
ビチビチと暴れるシッポでグチュグチュと主人の小さな体の中を攪拌していく。
イヤイヤと首を激しく振りながらシッポを引き抜こうとするが、そもそも戦闘用に造られた怪人と、人間の小学生程度の力しか持たないデビるんでは勝負になら無い。
為す術もなく体の中を攪拌され続け、絶頂へと導かれていく。
0071世界征服2010/04/09(金) 02:46:13ID:bt0MlHCn
やがて、
「あ、ああ、ひっちゃう!! ひゃめ〜、ひっちゃうから〜!!」
ビクンとひときわ大きく体を仰け反らせて、デビるんは遂に絶頂を迎える。
その瞬間大きな音を立てて少女は股間より体液を派手に噴出させる。
「あ、ああ……」
力を失ったシッポはゆっくりと抜け落ち、椅子の上でデビるんはがクリと力尽きた。


「う、ううぅ……うん」
「気が付きましたか? デビるん様」
ベットの上で目覚めたデビるんに気が付き、アルスが近づいてくる。
「急に倒れられたので驚きましたけど、ご無事そうですね」
そう言ってにっこりと笑うアルスを見て、デビるんは先ほどの痴態を思い出し顔を真っ赤
に染め、プイッと横を向く。
「アア、机はちゃんと修理しておきましたよ、って如何されたんですか?」
「知らない! 馬鹿アルス!!」
布団を被りモゾモゾと潜り込んでゆくデビるん。
そんな様子を見て、布団の上からデビるんを撫でながら顔を近づけると、
「大丈夫ですよお嬢様、私はお嬢様だけの物、ほかの者に心奪われる事などありません」
と呟いたアルスの言葉に、モゾリと布団が動く。
「だから、他の、ましてや人間の娘などに嫉妬などしなくても良いのですよ」
「ホントに……」
布団の中からポツリと小さな声が聞こえてくる。
「勿論です、だから一緒におやつの続きをしましょう、プリン、食べてないでしょ?」
「……うん……きゃぁ!」
モソモソと布団から這い出してきたデビるんをお姫様抱っこすると、そのままアルスは机へとエスコートする。
デビるんは、アルスにしがみつくと、顔を胸の中にうずめる。
「さ、お嬢様おやつの続きをしましょうか、はい、あ〜ん」
椅子に座らせるとスプーンで口元までプリンを運び入れる。
「あ〜ん、うん、おいし〜い!」
顔中が口になるかのように大きく微笑むと、再び『あ〜ん』と、おねだりする。
「はい、おねだり上手なデビるんサマ」
プリンを食べさせながら、アルスは嬉しそうに呟く。
0072世界征服2010/04/09(金) 02:49:57ID:bt0MlHCn
「だって美味しいんだもん、苦労して手に入れた甲斐があったのよ〜」
全くアルスの言った言葉の意味をわからずに嬉しそうにプリンを頬張るデビるん。
そもそも買ってきたのもアルスだ。
「まあ、良いですけど、それと」
『ん?』という顔でぽかんと口を開けて待つデビるんの口の中に突然自分の指を差し込む、
「ほえ?」 何が起こったか分からないという顔をしながらもその指をチュパチュパ舐め始め、
アルスもまた、指でゆっくりと口の中を弄り始める。
「朝八時にあの様な‘責め,を正義の味方がして来るわけないので、これからは我慢しなくて良いですよ」
そう言いながらゆっくりと口の中を指で弄ぶ。
一瞬何を言われたか分からない顔をしたデビるんだったが、

「なっ!?」

一言そう言うと、

カプリ。

デビるんはアルスの指に噛み付き。
「馬鹿アルス! 死んじゃえ!」

と、どなった。
0075名無しさん@ピンキー2010/04/13(火) 03:29:37ID:zTX7HjZW
投下乙、今気付いたGJ
しっぽカワイイな! 作風好きだ
元気なお嬢様でよろしい
0078名無しさん@ピンキー2010/04/27(火) 21:18:43ID:+T5yvxxv
ギャル嬢様「じぃゃ、ゥチのケータイまた規制されたょ(ミャハ☆彡」
じいや「じいやとオソロに機種変しましょう」
0081名無しさん@ピンキー2010/05/20(木) 14:19:04ID:D+/blHTH
メイちゃんの執事
婿候補がわらわら出てきてからつまらなくなった
いつまで続けるのか
0082名無しさん@ピンキー2010/05/28(金) 21:12:16ID:G1dhmxMc
崩壊後の地球。荒れ果てた世界を唯一残された遺産(武装列車)で気ままに旅をするお嬢様
次の行き先は地獄か魔界か…
00851/72010/06/17(木) 22:48:24ID:9w/XhMaI
>>82さんのアイディアを少しお借りして……。



「珈琲を」
純白のドレスを着た少女が口を開く。
金色の髪が開け放たれた電車の窓からの風を受け、フワリと静かにたなびく。
「かしこまりました」
傍らに立つ青年が頷くと同時に、少女の手に湯気の立つカップが現れる。
それを当たり前のように口に運びながら、
少女は先ほどまでと同じように、窓の外を見た。

少女は思う。
世界が滅び、幾千の時が過ぎただろうか?
はたまた、それは数時間前の出来事であっただろうか?


何も、何も無い荒野を、蒸気機関車が大きな音を立て、
静かに走り続けている。

目的地へと、
当所も無い旅を続けている。


「停めて」
不意に純白の少女が口を開く。
不意で無かった時など無いのだが。

少女が口を開くのと、列車が止まるのはほぼ同時であった。

音も無く少女は立ち上がると、外へと繋がるドアへと立つ。
青年はドアの取っ手を掴み、蒸気機関車と、純白の少女と、そして、
荒れ果てた『現実』をつなげると、
彼女は、果たしてフワリと音も無く、荒野へと降り立った。

蒸気機関車の進路には一つのボロ布が落ちていた。

「退きなさい」
純白の少女が口を開く。
ボロ布は、ガサリと音を立てると、
伏せていた顔をゆっくりと上げた。

ボロ布とは、一人の女であった。
00862/72010/06/17(木) 22:52:28ID:9w/XhMaI
「お、お願いです! この列車は人の夢を叶えてくれると聞いてます」
女は少女のドレスを掴む。
一点の汚れも無い真っ白なドレスは、女の汚れた手をも白くするかのように、
一点の汚れも付かないままであった。
「お、お願いです、聞いてほしいことがあるのです!!」
よくある言葉を女は口にした。
「どうしても、どうしても叶えていただきたい事が……」
よくある話を女は口にした。

で、あるから、少女も。

「退きなさい」

再び、同じ言葉を口にした。

青年が彼女の執事を始めて、もう何十年になるであろう。
数年前に初めて少女に出会い、それ以来片時もそばを離れたことのない彼女の従者は、
彼女が同じ言葉を、三度発した事を聞いたことが無い。
三回目を耳にできる者等、どんな奇跡を束ねても居ないであろう。

古き時代 『ナザレの靴屋の息子』が偉大なる人に為った事よりも。

とある小さな国の、一人の王子が『偉大なる叡智』に目覚めた時よりも。

ずっと、ずっと、奇跡であると、青年は知っている。

だから、少女が、目の前の女に対して、

「乗りなさい」

と、言ったのを聞いた時は、
偉大なる奇跡よりも、はるかに価値のあるモノを目の当たりにし、
「どうぞお乗りください」
少女と共にその女も、自らの列車へとエスコートした。
00873/72010/06/17(木) 22:54:17ID:9w/XhMaI
「あ、ああ、ありがとうござ――」
「脱ぎなさい」
歓喜に震えた女が必死になり生命の一欠けらまでを凝縮させて礼の言葉を述べるのを、

少女はアッサリと中断させた。

一瞬、何を言われたか理解できずにいた女は、
だが、少女が二回目に口を開こうとするより前に、慌ててボロ布を脱ぎ捨てた。

「全部」

下着姿にになった女の方を見ようともせず、少女は呟くように命令する。
否、命令ではなく、普通に話す言葉も、
彼女以外のモノが聴けば命令となってしまうのであろう。

全てを脱ぎ捨てた女の肉体は、辺境の地で生きて来たに相応しく、程よく肉が付き、
手や足、そして腹などにはシッカリとした筋肉が付き、
肌は良く日に焼け、生命力に満ち溢れていた。

「動かないで」

すぅーっと、少女が静かに近づいてくる。
女の目を見ながらゆっくりと。
その吸い込まれそうなほど、美しい瞳を見つめ、女は少女に言われずとも、動けずにいた。

或いは、巨匠と呼ばれた芸術家の絵画を目の当たりにしたした時の心境か?
或いは、何十年に一度の、偉大なる自然現象を見たときの心境か?
或いは、神の奇跡を目の当たりにしたときの心境か?

或いは、死神の振り下ろす大鎌を見た病人の心境か?

何れにしろ、女は少女から目をそらすことができず、その場に立ち尽くしていたので、

「ん!? ん、ん……」
少女の柔らかな唇が、わが身に触れたと感じたと理解したのは、その後であった。
ましてや、少女も同じく、生まれたままの姿になり、肌を重ねあわせてる事など、
気づいている訳も無かった。
00884/72010/06/17(木) 22:57:15ID:9w/XhMaI
「ふふふ、貴方の気持ち、心が、私の中に流れ込んでくる」
少女は嬉しそうに呟く。

いや、言葉を発したのは、『女』の方であった。
『女の口』から『女の言葉』が発せられる。

だが、言葉の‘言霊,は自分の体に優しく唇を這わしている『少女』の‘ソレ,であった。
「わかる? 貴方の心、私の心、それが今一つになっているの」
そう言いながら、―― その言葉を聴きながら ―― 少女は、
ゆっくりと女の胸へと手を掛ける。 

生きてる事を感じさせない真っ白な手が、
良く日に焼け、生命力に満ち溢れた女の両の胸を、揉みあげていく。
「「あっ」アぅ!!」
両者の口から悲鳴が上がる。
真っ白な両の手が一瞬ピクリと振るえ、だが、また女の体をゆっくりと解きほぐし続ける。
少女の手が自分の甘美なところを責め挙げ、蹂躙していき、
徐々に高みへと、押し上げて行くのを、女は、
『両の手のひらの感触』 で感じていた。

(わ、訳がわからなくなりそう……っ!)
現在感じているのは、少女の感覚なのか? 自分の感覚なのか?
それすらも訳がわからなくなるほど、女の身体が疼き、火照る。
少女の白い肌もやはり、薄桃色に染まっていく。

「ではそろそろ宜しいでしょうか、お嬢様」

不意に声をかけられ、女が声の方を向くと執事の青年がゆっくり近づいてくる。
少女は虚ろな目をしながら、だが歓喜に満ちた瞳で、
「こちらに」
女を指差した。
「お喜びください、お嬢様は貴方の事を大層気に入られたご様子です」
優しげな声を耳にしながら女は青年を見つめる。
00895/72010/06/17(木) 22:58:27ID:9w/XhMaI
「「!?」!」
これから何をされるのかという驚きと、コレから来る歓喜に身を震わす
そして、女の‘女としてのセイイキ,の中に、青年の生命のあふれる‘モノ,が侵入してくる。

「「……ー!!」うああっ!!」

悲鳴が同時に上がる。

大きな悲鳴が一つだけ上がった。
今まで感じた事の無い大きな感覚に女は大きく体を揺する。
声になら無い声を上げて、少女が、女の肉体に自身の身体を擦り付けていく。

自身の身体を今まで味わった事もないような大きな生命力が満ち溢れ。
だがそれと同時に、自身の身体が、柔らかな肉体の中を押し広げ、蹂躙していくのを感じる。
オンナの『それ』と、オトコの『其れ』を、女は同時に感じていた。

後ろから、男にオンナを責められ。

後ろから女を攻める男の感触を味わう。

後ろも、前も、口も、両胸を、陰核を。

髪の毛一本にいたるまで、二人ががりで『征服され』
二人を『征服していく』感覚を味わう。

『い、イイっ! アア、だ、ダ、ダメ!!』
口から悲鳴が上がる。
「ア、アアア――!!」
ガクガクト激しく身体を震わせながら、快感の極みに達すると、そのまま力なく、
ガクリと崩れ落ちていった。
00906/72010/06/17(木) 23:00:35ID:9w/XhMaI

‘どう? 貴方は一つになるの,

何かの声がぼんやりとした頭に響く。

‘貴方の思いの全て、夢や希望や願望も,

それは自分の声か、はたまた、別の何かの声なのか?
まるで全身が何かに溶け、意識が暗いくらい夢の中のスープに溶けたように、
全く意識がなくなりかけた中、
だが一つハッキリとわかったことがあった。
その声が何を言っているのか殆ど聞き取る事はできなかったが、
一つだけしっかりと聞き取ることができた言葉があった。

「そして、貴方の欲望も」

その言葉を聴き、

女は口端をニヤリと歪め、

ゆっくりと、夢のスープに溶けていった。
00917/72010/06/17(木) 23:02:03ID:9w/XhMaI
* * *

「珈琲を」
純白のドレスを着た少女が口を開く。
金色の髪が開け放たれた電車の窓からの風を受け、フワリと静かにたなびく。



ある日、ある町で一人の男が死んだ。
部屋の二階で寝ている時に死んだ。
死んだところを見た訳でもなく、
死体があったわけでもない。

ベッドの上に、男の服が、
列車に轢かれて落ちていた。



「かしこまりました」
傍らに立つ青年が頷くと同時に、少女の手に湯気の立つカップが現れる。
それを口に運ぶと、少女は先ほどまでと同じように、列車の外の景色に視線を戻す。



だが、この町の、いや、この世界のニンゲン達には十分であった。

ある日、町から消えた女が列車に乗れたのだろうと、皆が話した。


女は乗れたのだ。

この世界を走る只一つの列車。

―― 欲望 ―― と言う名の列車に。






『欲望と言う名の列車』

――― 終 ―――
0094名無しさん@ピンキー2010/06/22(火) 10:21:46ID:c849qx6p
>>92
オレの妄想がSSになってるww
本当にありがとうございます。幻想的で不思議なエロスに敬服
0096名無しさん@ピンキー2010/07/19(月) 14:07:25ID:b1vpSfIb
       ____         / ̄ ̄ ̄\
       /___ \      /  ___ ヽ
    /  |´・ω・`|  \    /   |´・ω・`| \ じいや〜
   /     ̄ ̄ ̄   \  / _,    ̄⊂二二)
   |  i          ヽ、_ヽl |        |
  └二二⊃         l ∪  |          |
     |   ,、___,    ノ    |    ,、   |
     ヽ_二コ/   /     ヽ  / \  /
   _____/__/´     __ヽノ____`´
0098名無しさん@ピンキー2010/07/25(日) 21:04:44ID:+Ms1/QrE
前スレからの続きを投下します。
冷血家庭教師エドガーとお馬鹿なお嬢様アリス。ラブコメ風。
1レスごとのブツ切れ投下です。
NGは名前欄の「アリスのエステ紀行」でお願いします。

↓今までのあらすじ↓
休暇中に高級ホテルにやってきたエドガー。お目当てはメンズエステ。
今回は男装したアリスも一緒なのでした。
0099アリスのエステ紀行52010/07/25(日) 21:06:41ID:+Ms1/QrE
(うふふー、まさか先生がOKをくれるなんてね。言ってみて良かったぁ!)
アリスはころんとした小顔を綻ろばせた。
パパの目の届かない場所で二人してお泊りだなんて、とってもいかがわしい感じ。
これはやはり、あちらもキケンな恋の過ちを起こす気満々だとみて間違いない。
嗚呼、ついに先生もアリスのラブリーな肉体美に理性を保てなくなったのね。
普段から何かとパンツを見せたり胸を押し付けたりと、地道な色仕掛けを重ねた甲斐があった。
エドガーをアリスの虜にしてしまえば、屋敷内でアリスの自由を遮る人間はいない。お勉強もサボりほうだいだ。
わーい、しゃーわせー。
己の欲望のために大人の男をたぶらかすとは、なんという小悪魔か。いえ、これはもはや魔王、悪鬼の所業よ。
「いやーん、地獄に落ちちゃう」
「どうぞご勝手に」
エドガーの声に被って、チンとベルの鳴らしてエレベーターのドアが開く。
そこは最上階。二人が泊まるスイートルームはすぐそこだ。


「では、私はこれからマッサージの予約がありますので」
「へ?」
突き放すようなエドガーの言葉にアリスはしばし唖然とした。
部屋に着いた途端押し倒されるかもと身構えていたのに、酷い肩透かし。
エドガーはトランクの荷を手際よく解きながら衣類をクローゼットへと移している。
「マッサージって、つまり、先生はエステティシャンさんに肩や腰をモミモミされる――」
「はい」
「――で、モミモミされつつ、先生はアリスのお胸をモミモミするということなのかな、流れ的に」
ベストの下の乳房をたゆんたゆんと揺らして一生懸命アピールするが、黙殺された。揺らし損だ。
「よ、予約って何時から?」
必死で取り繕うアリスをエドガーは一顧だにしない。手を動かしたまま「四時です」と事務的に吐き捨てる。
えと、今は何時だ。
アリスは時刻を確認しようとキョロキョロ室内を見回したが、壁にもデスクにも時計が見当たらなかった。
ゲスト達が時間を忘れてくつろげるよう配慮してのことだろうけど、なんと不便な。
しょうがないので、作業中のエドガーの左腕にそーっと接近し、腕時計を覗かせてもらう。
「えと、今は三時半か……。で、四時から何十分くらい時間がかかるの?」
「予約しているのは二時間のコースです」
「ふぁーー!?にじかーん?」
絶句。
それにしても、
時計が無いだけでなく、部屋には物が少なかった。二人がいる居間からは寝室と浴室が見渡せたが、
白壁と無骨な梁が延々と広がるばかりで、家具は最低限の黒檀のテーブルや桐のチェストしか置かれていない。
過剰な装飾を削ぎ、空白を活かす和のインテリアはアリスにはなかなか理解しがたい。
こういう場所に一人で残されてもつまらんじゃないか。
「ねー、到着早々アリスをほったらかしにするの?」
ついつい口を尖らせる。
「元々私の個人的な旅行にアリス様がイレギュラーに同行したのです。アリス様の予定など存じ上げません」
「つまんないよー!何もすることないよー!」
「ならば、その辺りの路傍の草でも召し上がっていて下さい」
家畜か。
「ふぎーーーーっ!」
アリスは癇癪を起こしてその場でピョンピョコと飛び跳ねた。その怒声は正に小豚だ。


ツヅク
0101名無しさん@ピンキー2010/07/27(火) 20:25:23ID:KP2YY3BU
ずっと待ってたよー。
続き投下してくれて嬉しい!
文章が小気味良くて好きです。
0108名無しさん@ピンキー2010/08/16(月) 16:16:36ID:dGDEevwP
お嬢様に対する礼儀も、言葉遣いも、忠誠心も全くなっていない上、身の回りの世話も一切できない。が、愛情?だけはある
…という従者の話を考えたが、予想以上に難しい事が判明
0110名無しさん@ピンキー2010/08/16(月) 23:41:06ID:4Pcu49L+
狼男「なあ、お前の家は金持ちなんだろ。オレを室内犬として飼ってくれよ」
お嬢様「ぎゃー!妖怪さんですわ!」
狼男「怖くないぞ。犬と一緒だぞ。ほら、ペロペロしてあげるから、ペロペロ」
お嬢様「ひゃああああ食べられるあぁあぴぎゃーぷぎゃー!!」
0114名無しさん@ピンキー2010/09/01(水) 00:57:28ID:qDO3uPg3
『ワインの口付け』はどうなったんだろうか?
0118名無しさん@ピンキー2010/09/10(金) 13:43:57ID:qDrLeqxQ
じゃあ空気読まず投下していきますね

騎士×姫の純愛もの
6レス消費・エロは3レス目から いまいちエロくないです
0119騎士×姫 1/62010/09/10(金) 13:44:24ID:qDrLeqxQ
 透き通るような瞳を月光から隠すように、長い睫が伏せられた。
小柄なせいで、大抵の人間は彼女に俯かれてしまうと、
顔色をうかがい知ることすら不可能になってしまう。
だが、彼女に跪く男は例外だった。
ずっとずっと彼女と一緒に居続けたせいで、声色ひとつで些細な感情の起伏を読み取ってしまえる。
「アデレードさま」
 騎士は囁くように、主の名を呼んだ。
その声があんまりに優しい響きをしているので、アデレードは沈黙を貫こうとする。
ただ、すでに微かな嗚咽が洩れ出てしまっていた。
もうどこもかしこも弛みすぎて、この期に及んでアデレードが自分の騎士に泣きつかないのは、
もはや意地でしかなかい。
自分の目の前に跪いている少女の騎士は、たぶん、また困ったような顔をしているのだろう。
浅い呼吸。

「しっかりなさいませ、アデレードさま」
「……イーニアス」
 イーニアスは、重い鎧を身に着けたまま、アデレードを抱き寄せる。
まるで兄妹のような抱擁。
イーニアスは彼女の背中をなだめるように撫でた。
騎士の、主人を護る重い剣を取り扱うときには必須である厚い手袋に遮られ、体温は通じない。
だが、その奥の“自分のために”鍛えられた硬い指は、分かる。
 余計なことは何も言わず、ただ背中を撫で続けながら、
イーニアスは自分のマントを掴む白い指を見つけた。
マントの端を、ほんの少しだけ、でも強く握り締めるその様に、彼女の痛々しげな内情が窺い知れる。
少なくとも、イーニアスには分かった。
抱きしめてやる力を強めてやり、背中と頭とを優しく優しく撫で続ける。
「アデレードさまがそのような顔をなさっていては、私は近衛騎士を辞することができません」
「イーニアス…」
 嫁に行くことは、次女としてこの家に生まれたアデレードの定めだった。
 長女ではなく、長男でもなく、次女としてアデレードは生を受け、
少々口数の少ない子に育ったが、何の問題もなく十六の年まで成長してきた。
母親の美しい金髪を譲り受け、父親の透き通る碧眼をもらったアデレードは、
繊細な美しさと、触れるのを躊躇わせるような脆さをもってその人格を生成させてきたのだった。
高貴な家に生まれた美しい次女は家の中で立場をもてあまし気味で、
部屋の中に閉じこもりがち。
周りは名誉や金に目がくらんだ怖い大人たちばかりで、
その中で唯一少女が迷わず手を握ることができるのが、彼女の騎士だった。
0120騎士×姫 2/62010/09/10(金) 13:44:55ID:qDrLeqxQ
「わたし」
 アデレードが唇を震わせる。
「――イーニアスのおよめさんに、なりたかった…」

 それは、とうとう零してしまった本心だった。
アデレードに伝える意思があったかといえば、なかったとは言い切れない。
だがもしかしたら一生心の中に留めておくべきことだったかもわからない。
でも、勝手に唇を伝って落ちていった言葉は、二度となかったことにはできないのだ。
イーニアスは口を噤んだまま動かない。
「…ありがたき幸せでございます」
「……」
 あまりにたどたどしく、幼く、愛の言葉にもなりきらない。
だがそれがアデレードの身の丈にあった言葉なのだ。
言葉にできた喜びよりも、言葉にしてしまった後悔が勝り、
少女は深い色の瞳から大粒の涙を落とした。

 ――結婚、など。イーニアスは思う。
 こんな小柄な少女の薬指に、銀色の指輪がはまる日も、そう遠くない。
約束された期限まで刻一刻と近づいているのだ。
この家から彼女に付き従っていけるのは、ただ、食器と衣類と、二人のメイドだけ。
アデレードの婚約者は、彼女付きの騎士として、彼の同行を許さなかった。
あと二日の間に全てを切り捨て、少女はこの部屋を出る。
そうして見知らぬ男のもとへと嫁いでいく運命の途中に立っている。


 その隣に、自分は居ない。
「ならば、お命じください」
 思わず駆け出した声に、待ったをかける暇もなく。
イーニアスは、抱きしめていた腕を解いて、アデレードを自由にしてやる。
それから二歩離れ、自分の手を目いっぱい伸ばしてもアデレードに触れられぬ場所まで引いた。
精一杯の譲歩だ、これ以上は、譲れそうにない。

 イーニアスは微笑んだ。
「私に、あなたの声で。あなたの、心のままに」
 このまま離れてくれれば、イーニアスの心にも鍵を掛けることができる。
「なんでも叶えてごらんにいれます」
「イーニアスぅっ!」
 だが、それを裏切って、アデレードはイーニアスに飛びつくように縋りついた。
冷たいであろう鎧に涙で濡らした頬を擦りつけ、彼の背中に回した手は力強くマントを握る。
しゃくりあげながら、アデレードは自分の持っている全部と比べて、イーニアスを選んだのだった。
ずっと一緒に居てくれた、兄のような存在だからと自分を誤魔化し続けてきた大事な人。
何度も自分を庇って怪我をした人、自分が笑うと嬉しそうにしてくれる人。
 一番傍に、居て欲しい人。
0121騎士×姫 3/62010/09/10(金) 13:45:16ID:qDrLeqxQ
「アデレードさま…」
「おねがい。イーニアス、わたしを…」
 止める暇もなく、アデレードは自分のドレスのホックを躊躇いなく外した。
重量のあるそれは留まっていた部分がなくなればすぐに床に落ち、
中身は、滑らかな白い肢体。
痩せ気味の白い体は、くびれた腰を強調するようなコルセットひとつで護られていた。
そして、それすら、今目の前で紐を引かれる。
あっけなくごとりと音をたて、アデレードの裸体が月光に晒されてしまった。
あらわれた白い肌は、薄闇の中でぼんやりと、濡れた真珠のように光った。
「…おねがい」
「…。仰せのままに、アデレードさま…」
 跪く騎士の視線に合わせるよう、裸のアデレードが膝をつく。
男はその小さな顔に、恐る恐る指で触れる。
すべり、撫でて、親指で彼女の淡い唇を、なぞった。
その唇がゆっくりと、だけれど熱を持って自分の名を呼ぶものだから。
イーニアスは押し留めるべき情動に突き動かされ、自分の主の唇を奪った。
貞潔を重んじる騎士が主人に手を出すなど、許されないことだ。
ましてや、彼女には婚約者まで居るというのに。
いくつもいくつも、自分を抑えるために、悪いことばかりを考えようとする。

「…イーニアス、…うれしい…」
 だが、そう言って微笑むアデレードの頬がばら色に薄く染まるから。
それも結局、彼女に押し付けてしまっているだけなのだと気づいてはいた。
なのに、これ以上、何も考えることができない。
思考を放棄して、イーニアスは胸当ての止め具に手をかける。
肩当てを取るとマントも落ち、中に着ている質素な黒い服が現れた。
それもすぐに脱ぎ捨てられ、だが床に投げ捨てるのではなく
ふわりと、優しくアデレードにかぶせられる。
 一瞬不安そうに碧眼が揺らめいたが、
そっと横抱きをしてベッドまで連れて行くだけだと気づくと、
アデレードは嬉しそうに鼻先を胸板に押し付けた。
清潔なシーツに、薄い肢体が放り込まれる。
白いシーツに金の髪がばらまかれ、それを照らす月明かりがまた美しい。
少女のようなあどけなさを残したまま、きっと美しく成長するであろう主。
その若い華を散らすようなまねをするのだと思うと、イーニアスの鼓動が跳ねた。

「ん…ふ、う」
 鎖骨に噛み付く。
甘噛みだったが、アデレードにはびりびりと電流の走るような感覚がしていた。
薄く目を開いて、ちらりとイーニアスを盗み見る。
いま、自分の上に跨っている男は、ずっと自分が恋をしていた騎士だ。
いつだってアデレードの涙を拭ってくれた力強い手が、
常に着けられていた手袋すらないままに自分の体を滑っている。
まだ素手で手を握り合ったこともないのに。
そんなところにも彼と自分の差を感じてしまって、なんともいえない気持ちになる。
「ひあっ!」
「…アデレードさま、やはり」
「やめないでっ…」
 すぐさま引きとめ、アデレードは自ら慣れぬ口付けをした。
触れるだけの一度目、相手の唇を舐めた二度目。
三度目はとうとうイーニアスにヘゲモニーを取り返され、
アデレードは鼻から抜けるような吐息を漏らすことしかできなくなる。
自分の騎士は、こうも女を翻弄させられるキスができたのかと、新しいことを知った。
0122騎士×姫 4/62010/09/10(金) 13:45:40ID:qDrLeqxQ
「は…ぁ、ん…っ!」
 控えめな膨らみに手をかけられ、アデレードは横を向く。
枕とシーツにうずもれるようにして顔を隠したが、すぐにイーニアスはそれを掻き分け、
金糸を乱れさせながらこちらを見る彼女を逃がしてやらない。
どうしたのですか、と視線に問いを込めると、観念したように少女は呟いた。
「お、おおきくないから…」
「…。気にすることはありません、アデレードさまはアデレードさまです」
「ふ…あ、…イーニアスはっ、おっきいほうが、すき…?」
「さあ、私には…アデレードさまお一人ですから」
 ふにふにとイーニアスの掌の中で形を変えるそれは、
触れた瞬間から立ち上がった桃色の突起を揺らしながら少女の体を熱くさせる。
薄く色づいたそれに舌を這わせると、アデレードが甲高い声を上げた。
構うことなくイーニアスは舌先で乳首を転がして、
大きさだなんてつまらないことを気にさせないように思考を濁らせてやる。

「あ、あ、イーニアスっ、あぁ…ふ、う!」
「…アデレードさま、失礼…」
 つぷ。
元々薄い茂みをかいくぐり、既に濡れそぼったそこへと人差し指を侵入させた。
さすがに指一本でも狭く、先が思いやられる。
だが、もっと痛がるかと思っていたイーニアスの予想を覆し、
アデレードは微かに喘いだだけだった。
驚いてはいるらしいが、ちょうどよく愛撫が頭の回転を遅くさせているようだ。
人差し指を狭いナカへと押し進め、滲む愛液を潤滑油に、彼女を押し広げる作業を続ける。
焦り、指が二本に増え、水音が鈍くなった。
腕の中でアデレードの苦しげな喘ぎ。
「ふ、あ…っ! イーニアス、…イーニアスぅ…」
「ここに居ります、いつも、お傍に…」
 白く細い体躯が自分に絡みつき、
まだ発達途上の胸が自分に押し付けられていることを意識する。
柔らかなそれと、熱い鼓動と、自分の汗が交じり合い、アデレードを汚しているのだ。
ぎゅうと抱きついてくる彼女の体を同じように抱きしめ返してやり、
それから、さきほど探り当てた彼女の反応がいいところを指の腹で擦り上げた。
「ひっ!? ひあ、あああぁっ! はあ、あ……っ…」
「…きもちいい、ですか…アデレードさま」
「うん、…でも…っ」

「イーニアス、も、きもちよくなきゃ…やだぁ…!」
 ――どうして、こうも。
 弱いところを抉っているのはこちらなのに、
弱いところを知りきっているのかのように、
アデレードはイーニアスの一番よわいところを、容赦なく踏みしだいてしまう。
0123騎士×姫 5/62010/09/10(金) 13:46:02ID:qDrLeqxQ
「ひ、ぐうっ! あ、あああぁっ! いー、にあすぅ!」
「くっ…」
 突き立てた屹立は狭く熱いアデレードの中で激しくもがいた。
膣内はきゅうきゅうと初めて受け入れる男根を締め付け、逃すまいと、
息もつけぬままに進みも戻りもできない。
イーニアスは体を揺さぶりながら彼女を引き裂く。
痛みに胸を張り、白い喉を無防備にさらしながら、
つま先をぴんと伸ばしたまま、アデレードはイーニアスを受け入れようと必死に耐えた。
ぶつ、ぶつり。
先端が薄い何かを突き破り、
未だに終わらぬ侵攻は真っ白だったアデレードの肌を、薄い赤に染め上げていた。
「ふ、あ、あぁ…は、はいった? はいった…っ?」
「ええ、…よく耐えられました」
「イーニアス、の…あついぃ…」
 ベッドの上で男のものを飲み込み、
ようやく痛みのほかに自分の中の他人の体温を感じることができた。
だが、そんな安らぎも一瞬で、アデレードは目の前に星が散ったような錯覚をした。
「ひ、ああ、いた、痛いぃ! ん、ふっ、いーにあすぅ!」
「は、あっ…アデレードさま、お許し、ください…!」
 体全体を揺すぶられ、少女は双眸に涙を浮かべながら、自分の上にいる男を見た。
なんとも痛々しげなその顔に、体中の痛みよりも強く胸が張り裂けそうだった。
イーニアスの頭が少女の首元に埋められると、アデレードはためらいなくその頭を優しく包み込む。
イーニアスの声は、震えていた。
「どこにも、いかせたくない! …お慕いしております、アデレードさま…!」
「あっ、あっ! おっおねがい、イーニアス! 聞いてくれ、るっ?」
「なんなりと、…あなたのためなら…っ」
 二人とも絶頂が近いことに気づいていた。
先ほどよりも強く腰を打ちつけながら、イーニアスは情けない顔をして、
腕の中の少女のおねがいとやらを聞き届けようとする。
頭を抱えられている状態からアデレードを見ると、
至近距離で視線が絡まり、次の刹那には二人の唇は重なり合う。

 果てる直前、少女は囁くような声量で言ったが、男はしっかりと聞いていた。
聞いていたからこそ、最後の理性を根こそぎもっていかれてしまい、
彼女のなかへ熱い熱い白濁を吐き出してしまったのだった。
「わたしと――にげて」
0124騎士×姫 6/62010/09/10(金) 13:46:24ID:qDrLeqxQ
 寒々しく、粉雪の舞い散る、広場にて。
 小さな体がひとつ。雪避けのローブを目深に被っているが、
それからこぼれる金髪に雪が降りかかる。
それをそっと払いのけてやる、背の高い影。
アンバランスな二人は、見知らぬ街に入ったばかり。
見知らぬ土地の見知らぬ人たちとの、あたらしいであいの一歩前。
「…ねえ、聞いてもいい?」
「どうぞ」
「ほんとは、おっきいほうがすきなの?」
「………」
「冗談よ」
 相棒の無言の答えを嬉しそうに受け止め、小さな影が荷物を手に広場を滑り出ていく。
溜息をひとつ空中で濁らせ、それから大きなトランクを手に、もう一人もそれを追いかけた。
 広場に散らばる二つの足跡が、そっと朝日に溶けていく。

 了
0131名無しさん@ピンキー2010/10/05(火) 01:37:50ID:pPZw8Qkz
(⌒),,(⌒)
r ハ 从ノ
ルイ・д・リ エリカはメイドさんの
oミ ∞ ミo スカートの中に住んでいます
〜゙u…u"
0133名無しさん@ピンキー2010/10/14(木) 09:43:56ID:dlqdItFz
逆玉に乗りたい
0134名無しさん@ピンキー2010/10/16(土) 00:18:01ID:FFHoeII9
久しぶりに書かせてもらいます。
不死者のお嬢様と、人間のハンター、でもそんな描写は殆どなし。
3レスぐらい、Hな描写は無し。 
0135そして馬車は行く2010/10/16(土) 00:21:40ID:FFHoeII9
「ねむいのじゃ・・・」もう何度目の言葉であろうか、馬車の後ろでその‘少女,がつぶやいた。
「ならば少し眠られるとよいでしょうヘレナ・ガルディーニア・ミケーネ様、まだ先は長いです」
手綱を操りながら全身を黒に染めた男は言う
「・・・・この藁が服に入ってきてチクチクする、ここでは寝れないのじゃ」
『ヘレナ』 と呼ばれた少女は、馬車に敷き詰められたわら束を手で弄る。
豪華そうな衣服のあちらこちらには藁がくっついていた。
「なるほど、ではもう間も無く次の町に着きますそれまで辛抱ください」
「むぅ・・・さっきからそればかりじゃ、何時つくのじゃ」
「・・・100年とはかかりませんよ‘巫女殿,我々は貴方と違い悠久の時は生きられませんので」
手綱を握りながらイグニス家の家長 『バンパイア・ハンター』 アルディリア・イグニスは話しかける。
「・・・ずいぶん人を食った言葉じゃ」
生きた人間の色を思わせないほど白い色をした頬を大きく膨らませ、
ルビーよりも赤い瞳を、細く閉じる。
「私は人など食べませんよ‘巫女,ヘレナ・ガルディニーア・ミケーネあなたと同じでね」
くすくすと笑うとくるりと後ろを向く。
そこには膨れっ面をして恨めしそうに前の席の男を見る少女がいた。
「あまり詰まらんことを言ってばかりおると、力を貸さんぞ! イグニス家の坊やよ!」
「それは困ります、・・・では、急ぐとしますか!!」
ピシリ、馬に鞭を当てると、馬はスピードを上げた。
「っわわ、馬鹿者!!急にスピードを上げるものがおるか!!わわあ〜」ヘレナは叫ぶと馬車の縁にしがみ付いた。


「申し訳ないです、巫女殿こんな粗末な宿で」荷物を部屋に運び込みながらアルはヘレナに謝る。
「・・・この際じゃ贅沢は言わん、藁で寝るよりましじゃ」ベットを手でさすりながらヘレナはため息を突く。
「では、私は隣の部屋に行きますので何かあったらお申し付け下さい」
そう言うとアルは部屋を後にした。
「・・・・・」
その背中をヘレナは何も言わずに見送り。

その夜 。

アルは音も立てずに部屋に入ってきた侵入者の気配にきづくと、気づかぬ振りをしたまま布団をかぶった。
「気づいておろうイグニス家の坊や」
果たして其れはヘレナであった。
そのまま音もなくアルの眠るベットに近づく。
0136そして馬車は行く2010/10/16(土) 00:22:20ID:FFHoeII9
「明日の朝は早いです、早く寝ないと辛いですよ?」背を向けたままアルはヘレナに継げる。
「うるさい、子ども扱いする出ない!それよりも・・・」
ヘレナはそう言うとベットにするりと音も無く近づく。
「のう、イグニス家の坊や、、いや、アルよ、わらわはお主に力を貸すのじゃ、お主もわらわの力となっても罰は当たるまい?」
くるりとアルはヘレナに向き直る、ヘレナはすでに ‘闇明かり, だけをドレスとしていた。
闇明かりに照らされた肌は、昼間の太陽の光に照らされた時よりも美しく輝き、
ルビーのように赤かった瞳は、金色に光り輝いている。

「夜こそが真の世界、さあアルディリア・イグニスよ、その身を安らぎに満ちた夜の闇に溶け込ますがよい・・・」
詩を詠うような声でヘレナは囁く、まるでその言葉に惹かれるがごとくゆっくりとアルは自らの夜衣を脱ぎ
ヘレナにそっと抱きついた。
0137そして馬車は行く2010/10/16(土) 00:23:24ID:FFHoeII9




夜の闇が去り。

次の朝。
「・・・・・・・」
「なぜ浮かない顔をします? 巫女殿」
早朝、馬車の荷台に揺られながら口を尖らせたままのヘレナにアルは話しかける。
「……」
「快楽に満ちた夜の闇に溶け込めたではありませんか」
その言葉に、ヘレナは昨夜のことを思い出し、体の中心が一番下より。
『ギュッ!』と、強く持ち上がる錯覚にとらわれる。

「なっ……!? う、うるさい!! 無礼者!!」
ヘレナは東洋陶磁器のような真っ白な肌を、よく熟したりんごのように真っ赤に染め上げ。
ボフッ !
アルの頭に勢い良く藁束を投げつける。

それでも馬車は。

休むことなく進み。

この物語は。

静に終わる。
0140名無しさん@ピンキー2010/11/08(月) 15:05:49ID:4olD+ntg
物凄く気になってるがまだ読んでない。
その作者の本を読んだこと無いから、いきなり単行本を試すのはちょっと勇気がいるなw
0141名無しさん@ピンキー2010/11/09(火) 10:30:49ID:7i88OzH/
同じくものすごく気になってるが、執事とのラブっぽいなにかはある話なのかが
わからず手がだせない
0143名無しさん@ピンキー2010/11/14(日) 21:47:34ID:S+Xz3GmA
ラブっぽい空気は無い、しかし二人のやり取りが面白くてニラニラした。
キャラクターがすごく良い。自分的にはオススメだ。
>「謎解きはディナーの後で」
0145名無しさん@ピンキー2010/11/17(水) 07:17:28ID:1oLiDJay
ロリっ子お嬢様待ちほしゅ
0146名無しさん@ピンキー2010/11/23(火) 14:04:48ID:YX/UjvtE
>>139
恋愛系要素はない、コンビ系の話
でもやりとりが面白くてにらにらしながら読める。
妄想で補完できる人なら主従作品としておすすめ
あまり小説を読まない人でも楽しめると思うよ
0147名無しさん@ピンキー2010/11/25(木) 00:04:35ID:rgsAgQoL
このスレに書くのは初めてです。
よろしくお願いします。
アラビアンナイト風です。
0148似非千夜一夜2010/11/25(木) 00:05:22ID:lWFSOy8K
大臣アリ・ハサンは、数代続けてスラブからの女奴隷を解放して妻とした家系に生まれ、一族は金髪・碧眼が珍しくなかった。
大臣もまた、スラブ女を妻とし、生まれた一人娘は透けるほど薄い金髪とサファイアの如き碧い目をしていた。
彼女はファティマと名付けられた。
「あの、跳ね返り娘め!」
大臣は時折そうこぼしたが、その口調はどこか嬉しそうだった。
わがままいっぱいに育った姫には、いつも二歳年上の少年奴隷がついていた。
身分こそ奴隷であったが、父は大臣家で知恵袋として重宝がられた学識豊かな教養人であり、母は大臣の乳兄弟だった。
一家は衣食住全てにおいて最上のものを与えられ、その代わり、代々その知識に磨きをかけることが求められていた。
アーティフというその少年は、穏やかな気性を認められいつもファティマに仕えていた。
黒髪に縁取られた顔は綺麗に整っており、濃い睫毛に縁取られた黒曜石の瞳は彼がその血統にたがわず賢いことをしめしていた。
「ファティマ様。そのように日の当たる場所におられては、いつぞやのように夜、痛い痛いと泣くことになりますよ」
からかうようにアーティフが言う。
「アーティフ。私を『ファティマ様』と呼ぶのはよせといったはずだ。呼び捨てでよい」
「しかたないだろう。もう二人とも子どもではないのだから」
アーティフは端正な顔に困ったような微笑みを浮かべた。
午後の中庭で、ファティマは金髪を輝かせながらむきになって言った。
「ファティマと呼べ。でなければ部屋には戻らない」
「しかたないな……。ファティマ、来い。算術の講義をするから」
少女は嬉しそうに少年に走り寄った。
アーティフにとってこの金色の少女は幼い頃からの宝物だった。
たとえ結ばれることなどなくても、そばにいられるだけでよい、それ以上のことは決して望むまいと思うたび、心がちりちりと痛んだ。

その平安が破られたのは、カリフからファティマを息子の嫁にという話が持ちかけられたからだった。
最初、ファティマは躍り上がって喜んだ。
美丈夫と評判の高い長男の嫁として望まれたのだと思ったのだ。
来客の顔など見てはいけないという戒めもなんのその、ファティマは何度か家に来ていたカリフの長男をこっそり見そめていた。
そして、一目で夢中になった。
だから、実はファティマを望んでいるのは似ても似つかぬと評判の次男だと聞いたとき、あまりのことに打ちのめされ、部屋で泣くしかなかった。
あまりに気性の激しい彼女のかんしゃくをなだめられるのはアーティフしかいないというのは、屋敷の誰もが認めるところで、
彼は母に説き伏せられ、いやいやながらも彼女の部屋に向かった。
穏やかで優しい、そういつも誰からも言われた少年だったが、ファティマの部屋に行く顔つきは険しかった。
「ファティマ。入るよ」
少女は寝台につっぷして泣いていた。嗚咽のたびに豊かな金髪が揺れた。
少年がその背中をそっとなでる。
彼女は顔を上げた。碧い瞳は泣き濡れて腫れていた。
0149似非千夜一夜2010/11/25(木) 00:05:43ID:lWFSOy8K
「アーティフ。わ、私は……嫁ぐのならカシム様と決めていたのに……。あ、あのように醜い男のところに……」
確かにカリフの次男は美男とは言い難かったが、醜いというほどではなかった。
女にとって心に決めた男以外は皆醜く見えるのだろうかと思うと、少年は短刀で心臓をえぐられるようだった。
「おまえから父上に頼んでおくれ。この縁談はやめてくれと……。おまえの言うことなら、父上は聞いてくれる」
「ファティマ、それは無理だ。俺はただの奴隷なんだよ」
それを聞いて、ファティマはアーティフの胸に飛び込み、声を限りにして泣いた。
切れ切れに「カシム様」と愛しい人の名を呼びながら。
アーティフの、ファティマの背を撫でる手が次第に震えてくるのを、彼女は気がつかなかった。
いきなり、彼女は強く抱きすくめられた。
いつも誰よりも優しかったはずの少年の気配にただならぬものを感じて、彼女は身を捩ろうとしたが、思いの外少年の腕は力強く振りほどけない。
「ファティマ、ファティマ……!」
名を呼ばれ、いや、と叫ぼうとしたその刹那、彼女の唇は少年の唇でふさがれた。
滑らかな舌がすべりこんできた。
あまりのことに、彼女は動けなくなった。
「ファティマ。俺のファティマ」
熱にうなされたようにアーティフは呻き、細い肩を力の限り抱いた。
「俺のものだ。俺だけのファティマ……誰にも渡さない……!」
抱擁があまりにもきつく、彼女は気を失った。

気がつくと素裸だった。
彼女を抱きしめるアーティフも生まれたままの姿だった。
彼の唇はファティマの真っ白な項を行きつ戻りつしていた。
このような狼藉とはもっとも遠いところに少年はいたはずだった。
だからこそ、宦官でもないのに嫁入り前の娘の最も近いところに置かれていたのだ。
ファティマはその碧い目をいっぱいに見開いてアーティフを見た。
彼は泣いていた。黒い瞳からは際限なく涙がこぼれ出ていた。
「ファティマ。おまえは嫁ぐことで俺と別れるのは辛くないのか。
俺はおまえが結婚すると聞いて、気が狂いそうだった。だのに、おまえはカシム様のためにだけ泣くのか?
俺のためにこぼしてくれる涙はひとしずくもないのか?」
彼の唇は象牙よりも白い乳房へと移った。そしてその頂にある薔薇を摘んだ。
「い、いや……いや!」
「おまえが嫁いでこの家からいなくなったら、もう会えない。
そしておまえは他の男にこの肌を許す……そう考えただけで、俺は生きている心地がしなかった。」
細い両脚が広げられた。
アーティフの重みが体にかかると同時に、彼女の密やかな場所に破滅の痛みが襲いかかった。
しばらく体を蠢かしていたアーティフは、体を痙攣させると白い熱情をファティマの中に放った。
0150似非千夜一夜2010/11/25(木) 00:06:04ID:rgsAgQoL
花嫁となるために、彼女はさまざまなことを学ばなければならなかった。
その中には、女がどのようにして男から子種を授かるのかということも含まれていた。
 ──アーティフがしたことは、夫だけに許されるはずのことだったのだ──
ファティマは慄然とした。
妊娠はしていなかったのが僅かながらの救いだった。

カリフの次男アリは、先年迎えた第一夫人を狂ったように愛していた。
夫人が子をなさないことで、第二夫人を迎えろと周囲に言われても、かたくなに拒み続けていた。
婚礼の夜、青ざめて新床で夫を待つファティマに、アリは言った。
「別に固くならずともよい。私はおまえに何をするつもりもない」
そう言って、絞めたばかりの鳩を短剣で刺し、その血を敷布に散らすと部屋を出た。
あとでわかったことだが、その晩もアリは第一夫人と共に過ごしたのだった。
処女でないことをどのように言いつくろえばよいのかと怯えていたファティマはとりあえず安堵した。
しかし、この屋敷には自分の居場所がないことをも思い知った。

石女といわれていた第一夫人が妊娠したのはその直後だった。
屋敷で過ごすうち、ファティマは自分があんなに恋い焦がれたカシムにはなんの気持ちも持てないことに気がついた。
思うのは、いつも優しかったアーティフのことばかりだった。
最後に言葉を交わしたのはいつだっただろうと考え、それが彼が自分を穢した日だということに気づき、呆然とした。
あの日を境に彼は西方の語学を修めたいといって異教徒の家に足繁く通い、ほとんど屋敷にいなかったのである。
「……アーティフ……」
名を呼ぶと懐かしさで胸がいっぱいになり、涙がこぼれた。
 ──この涙は、おまえのために流している涙だよ──
ファティマは自分にとって一番大事な人が誰だったのか、ようやくわかった。

第一夫人が産んだ子は男だった。
最高の教養を我が子にと望んだアリは、大臣に若き学者であるアーティフを譲り受けたいと申し出た。
アーティフを手放したくはなかったが、まだ子をなさない娘の、婚家での立場を考えると大臣はそれを諾とするしかない。

「ファティマ様。ご無沙汰しておりました」
慇懃に膝をついてアーティフは挨拶をした。
「皆、下がれ。アーティフは私の幼なじみだ。つもる話がしたい」
そういってファティマは侍女たちを部屋から出した。
しばらくの沈黙ののち、アーティフは重い口を開いた。
「俺の顔など見たくなかっただろう……。俺は生きている資格のない人間だ。
自ら命を絶って永遠の地獄をさまようべきだったのに、どうしてもおまえの顔をもう一度だけ見たくて、生きながらえてきた」
そういって彼は大きく息をついた。
「もう何も思い残すことはない。おまえの手で殺してほしい」
「それがおまえの望みか」
「……ああ」
「では、そこに直れ」
彼は跪き、目を閉じた。
死を覚悟した彼に与えられたのは、抱擁と口づけだった。
ファティマは泣いていた。
「アーティフ、アーティフ、もうどこへも行くな。一生私のところにいろ」
「……許してくれるのか、ファティマ……。俺を……」
「いや、許さない。私を一人にしたおまえを一生許さない。罰だ、私のそばから離れてはいけない」
アーティフは金色の、彼の宝物を抱きしめた。
泣きながらもう一生手放さないと誓った。

アリがファティマとアーティフの仲を見て見ぬ振りをしたのは、やはりどこか良心が咎めていたからなのだろう。
ファティマは二人の娘を産み、彼女たちはそれぞれカリフの孫娘として良縁を得て嫁いでいった。

 ─ 了 ─
0154名無しさん@ピンキー2010/11/28(日) 10:34:44ID:sgWWkiXQ
山本周五郎の「菊千代抄」は、このテの小説の最高峰だと思う。
従者とお嬢様好きな人は読むべし。
0156名無しさん@ピンキー2010/11/28(日) 21:27:21ID:u1yzugoF
ちょうど千夜一夜物語調べてる所だった
ハールーン・アッラシードはでてこないの?w
0160名無しさん@ピンキー2010/12/11(土) 00:33:24ID:/+x/XkSJ
過去スレ読んでたらアリスとエドガーがツボだった
バ可愛いとはこのことか
0162名無しさん@ピンキー2010/12/30(木) 21:25:25ID:HP8hA4Hq
きちんとsageれてるからアリスじゃないよ
そこまで頭よくない
0163世界征服  1/62011/01/06(木) 13:42:27ID:Y1Nk0RnX
あけましてオメデトウございます。
少し書かせてもらいます。


サブタイトル 『パンツだから恥ずかしいもん』


僅かなる日の光さえ刺さぬ真なる深淵
絶望と虚無しか存在しないと語られるその世界
古の賢者達はその地を
‘魔界,と名づけた
その魔界より
人間界を手中に収めるべく遣って来た
そのモノは今。


「こらぁ! 待ちなさいってばぁ!」

近所の子供達と遊ぶのに夢中であった。

「じゃすてぃす・ぶれーど!」
ポカリ。
「うにゃぁ! ……このぉ! こっちだって負けないわよ!」
近くの子供達相手に
‘ジャスティス・ファイブ,ごっこに興じるデビるん。
無論、本気の‘ゴッコ遊び,であった。
「お嬢様もあんなに楽しそうにして」
ポカポカと子供達と夢中になってごっこ遊びをしている姿を従者であるアルスは、
楽しそうに眺めていた。




「えっ? 今なんと?」
アルスは掃除機を掛けながら首だけをデビるんの方を向けた。
人間界征服の居城たるこのおんぼろビルの一室を常に清潔に保つのが彼の日課である。
「公園よ! コ、ウ、エ、ン! 人間の子供達が集まるところよ」
人差し指をアルスにビシリと突きつけながらエッヘンと、デビるんは無い胸を反らす。
小脇に抱えた袋から食べかけのお菓子が
キレイにしたばかりの床を汚していくのがアルスの目に止まるが、
忠誠心溢れる彼は見て視ぬふりをする。
「私の偉大さを幼い内から教え込んで、将来私の為に尽くすようにするの!」
両手を腰に当ててさらに無い胸を反らす。
 
0164世界征服  2/62011/01/06(木) 13:43:14ID:Y1Nk0RnX
そんなに反らしても小さいことには変わりないのだが、主人の事を思い、アルスは黙ることにした。
「なるほど、では早速近くの公園に行き子供達に会いましょう」
掃除機を止め、割烹着を脱ぐとアルスは出かける準備を始める。
「ふふふ、少しづつ支配の領域を広げていってゆくゆくは……」
「あ、デビるん様、早く着替えちゃってください」
「そう、わかったわ、フフフ、見てなさい、私の偉大さを人間達に思い知らせてやるんだから」
そう言いながらモソモソとデビるんは着替えを始めた。

と、秘密基地で会話していたのが一時間前。

すっかり子供達とデビるんは打ち解けていた。

「お嬢様も遊び相手が出来てあんなに嬉しそうに」
アルスはしみじみと一人呟く。

「秘儀! スカート捲り!!」
バサリ。
「!? きゃあ!」
「うわぁ……デビるんおねえちゃん黒いのなんてはいてる」
「ああ、ほんだぁ、すっげー、おとなみてぇ」
「えエー黒いのは、エッチなヒトがはくんだよ」
「じゃあ、デビるんちゃんってエッチなんだ」

子供の一人に情け容赦なくスカートを捲くりあげられ、パンツが丸出しになったデビるん。
子供達の好奇の目はデビるんのパンツへと集まった。
「わ、私は大人だから黒いのを履いても良いの!!」
スカートを必死に押さえながらデビるんは顔を真っ赤にする。

「へー、デビるんおねえちゃんオトナなんだ〜」

「デビるん様ウソはいけません」
突然子供達の会話にアルスが混ざる。
つかつかと、デビるんに近づくと、
「ほら、こんな感じです」
ペロン。
ワンピーススカートを胸の所まで捲り上げた。
0165世界征服  3/62011/01/06(木) 13:44:21ID:Y1Nk0RnX
「なっ!? なにす――!! ふにゃ!」
コリ。
さらに胸に指先を這わすと突起を指で擦り挙げた。
「ほら、君達と、大きさは大差ないでしょ?」
コリコリとデビるんの『ポッチ』を皆に見せ付けるように指で弄びながら、
逃げられないようにデビるんを押さえつける。
「あ、ば、バカ!! 何してるのよ! この変態!!」
後ろから弄ばれながらじたばたとデビるんは暴れるが、責め手は休まるどころか、
なお、コリコリと責め続けてくる。
「バ、バカァ……ばかぁ」
声にも力がなくなってくる。
子供達に見つめられて恥ずかしさのあまりデビるんは顔を真っ赤にしてイヤイヤをするが、
アルスの指は主人であるデビるんを責めるのを止めない。
「お、おねがい……アルス……も、もうホントに……だめ」
ハァハァと、荒い息が零れ、
子供達はその様子を息を潜めてただジッと見つめ続ける。

「す、すごい、苦しそう」
「ねえ、ねえ、デビるんちゃん、今どんな感じなの?」
「君達、もし良かったらヤッテミルかい? デビるん様は大人だから平気ですよね?」
「なっ!?」

突然のアルスの申し出に、驚きでデビるんは大きく目をむく。
「ナ、なに言って――」
「デビるん様、こんな小さい児達に弄られて、‘ネ,を挙げないですよね?」
「えっ!?  あ、あ、あぅ……も、モチロンよ!!」
「ほら、じゃあ皆、デビるん様の体、好きにしていいよ」
「えっ!? ほんとにいいの?」
「じゃあオレやってみる!」
「えっ!? ちょっと待ちなさいアンタた――! くゆぅうぅう!!」

わらわらと寄って来た子供達の手はペタペタとデビるんの胸だけでなく、
脇の下、首筋、頬など様々な所に手が伸びてきた。
「や、やぁん! ダメ、ヤメテ! そんな所触っちゃ―― くぎゅうぅ!!」
誰かの手がデビるんの敏感な部分にクリーンヒットしたらしく、大きく背中を仰け反らせるデビるん。
0166世界征服  4/62011/01/06(木) 13:45:21ID:Y1Nk0RnX
「お、いいですね、今の所もっと責め立てて見たらどうですかね」
「ナ、何言ってるのよ! ソンナのダメ―――」
クニュクニュ。
「うにゅうう! や、やめて! そこはさわらないで」
イヤイヤと首を左右に振りながら抵抗するデビるん。
だが子供達の好奇心溢れる指先は情け容赦なくデビるんんを責め立て続けた。
「ら、らめなの! そこクニュクニュしちゃらめなの!!」
既にろれつが回らなくなってきている。
「ほらほら君達、悪の手先は完全にKO寸前だよ、さあ早く止めを刺すんだ!」
アルスはぐったりした主人を羽交い絞めにするとグイッと持ち上げる。

「ど、どうするの?」
少年達より疑問の声があがる。
更にアルスは小さい女の子をトイレに行かせるような格好をデビるんに取らせると。
「君達男の子が持ってるその剣でこの悪魔を突き刺すんだ」
そう言いながらデビるんの股をグイッと開いた。
トロトロとした蜜がとろりと零れる。

「ふ……ふにゃ?」
少年達に弄られて前後不覚になっているデビるんは、ぽにゃんとした顔で聞いていた。
「ど、どうする?」
「健太君、お前レッドだろ、どうにかしろよ」
「わ、わかったよ」

少年の一人が前に出てくるとゆっくりとズボンを脱ぎ、自分の物をデビるんのトロトロと濡れた、大事な弱点につきたてた。
「うわあ!」
「ふにゃ!? うにゅううう!!」
少年が突き入れるのと同時にアルスはゆっくりとデビるんの体を動かし始める。
「す、すげえ、デビるんお姉ちゃん、気持ちいい」
「あにゅうう! あ、あああ!」
貫かれているデビるんは大きな悲鳴を上げ、やがてはアルスとは違う自分自身の動きで動き始めた。
「いい! いい! だめえ! アルス!! も、もう漏れちゃうぅぅぅう!!」
「うっわああ! なんか来るなんかくるう!!」
少年もデビるんも最早限界であった。
二人の動きが俄然速さを増していく。
0167世界征服  5/62011/01/06(木) 13:46:06ID:Y1Nk0RnX
「くぎゅううう!! もうラメええ!! ラメになちゃうう!!」
「あああ!! なんかすごい! なんかすごくなるう!!」

ブシュウウウ!!

「アアアアあああァァァ!!!!!」」

ガクガクと二人は身を震わせながら同時に果てつくしていったのだった。





予断であるがコノ少年は後に汁男優として、様々な女優を相手にする事になるのはまた別の話。





「如何したんです、デビるん様? 浮かない顔をして」
アジトに戻ってきたデビるんはブンむくれたまま、ソファーの上でポテチをやけ食いしていた。
「ちゃんとデビるん様の事が子供達に伝わったじゃないですか?」
ボリボリと言う音が激しさを増す。
「僕が裏切ってヒーロー側に回ったからですか?」
ますます激しさを増すと、最早袋ごと食べるのではないか? と言うほどになる。

「胸ちっこいのなんてすぐに克服できますってば」
バチーン!

凄まじい音を立ててクッションがアルスの顔面に直撃した。
0168世界征服  6/62011/01/06(木) 13:47:03ID:Y1Nk0RnX
「死ねえええええ!! この変態! ド変態!! 超変態!!! MAX変態!!!!」
矢継ぎ早な怒声と共に全力攻撃のクッション攻撃がポカポカとアルスに襲いかかる。
猫の絵のかかれたクッションから羽毛が濛々と舞、
まさに部屋の中は彼女のいた魔界さながらの地獄絵図となってゆく。
やがて殴りつかれたデビるんが肩でハアハアと荒い息を吐き始めると。

「解りましたデビるん様……とり合えず凄く美味しいプリンが冷蔵庫に入ってます」
服の襟を正しながら、アルスが言う。
「……本当に……美味しいんでしょうねぇ?」
ジロリと上目遣いでアルスの顔を見つめるデビるん。
「無論です……ですが……」

そう言うとアルスはぐるりと部屋を見回し。
じっとデビるんの顔を見つめる。
「な、なによ…………!」
瞳と目が合い思わず頬を紅くするデビるん。

「まずはコノ部屋中を飛び回る鳥の群れをキレイにカタシますか」
そう言うとアルスは撫でるように主人の頭に停まった鳥の羽を、そっと、とりのぞいた。
0169名無しさん@ピンキー2011/01/06(木) 13:48:22ID:Y1Nk0RnX
以上です、有難うございました。
本年もよろしくお願いします。
0170名無しさん@ピンキー2011/01/06(木) 21:50:29ID:d6ndNTKG
主従というよりロリ物な気もするがGJ
お年賀おいしくいただきました
0172名無しさん@ピンキー2011/02/14(月) 23:49:52ID:E+PtwWhE
バレンタインに無理矢理投下。わがままなお子様姫様と騎士。
NGは名前欄の姫パンツでお願いします。
0173姫パンツ チョコ012011/02/14(月) 23:51:11ID:E+PtwWhE
「あ、あの、姫様」
呼ばれた姫様はクッキーをはぐはぐ咀嚼しながら「ふん」と鼻を鳴らした。返事のつもりらしい。
昼間からずっと騎士のベッドを占領して気ままに寝て食べて、怠惰な猫そのものだ。
対する騎士は、妙に緊張した面持ちでベッドの側で直立不動。せわしなく視線を泳がせている。
その緊張は、姫様がベビードールにカーディガンを羽織っただけの姿で悩ましく横たわっているから……
だけではないようだ。
「あ、あのですね、そろそろクッキーの味に飽きられた頃ではないでしょうか?」
と、よくわからない質問をよこしてくる。
何だコイツ…。姫様は唇についたクッキーのかけらをぺろりと舐め取り、慎重に答えを選んだ。
「別に……。ま、他の物を出されれば食べなくもないけ「そうですよねっ!!別なお菓子を用意しております!」
うわ、食いついた。
騎士はウキウキと壁際の戸棚に向かう。姫様もさすがに身を起こし、大きな背中を目で追った。
「ちょっと、なんかあんの?」
「いえ、その、お口汚しですが……」
「私の口を汚すような物を出すな。…………………で、何これ?」
ベッドに戻った騎士の手には、可愛らしいナプキンとリボンでラッピングされた小さな包みが。
リボンの蝶々結びが不格好な縦結びになっているあたり、不器用な男の手作り感丸出しである。
「受け取っていただけますか?」
「はにかむな。いいか、これは何だって聞いているんだ。貴様はただ主君の質問に偽りなく答えろ」
「し、失礼しました!これは、じ……自分が作ったトリュフです」
「…………………………………………………」
途端に白けた姫様はバフッとシーツに倒れこんだ。アイロンで巻いたミルクティー色の髪を指で弄び、
「少女か、お前は」
「騎士です!」
「うるさい」
0174姫パンツ チョコ022011/02/14(月) 23:59:22ID:E+PtwWhE
騎士の手から包みを奪い、代わりに食べかけのクッキーを押し付ける。
「食べていただけるんですね」
力余ってクッキーを握り潰している騎士を姫様が牽制する。
「最初に言っておくけど、こういう手作りの貢ぎ物で私が絆されると思ったら大間違いだ。見返りは期待するな」
「え!?」
何が「え!?」だ。多少は下心があったらしい騎士は目に見えて落胆したが、慌てて姿勢を正し、
「い、いえ!騎士の名に誓って、そのような打算はありません」
騎士道を重んじる武人が小娘宛にせこせことスイーツなど作るだろうか。
まあ、よかろう。それよりもトリュフの出来が気になる姫様は寝転がって包みを開いた。
ナプキンに包まれた小箱の中に茶色い塊が五つ並んでいる。
制作者の手の大きさに比例してトリュフの粒も微妙にでかいが、見た目はそこそこ。
一つ箱から摘んでみる。
「毒味した?」
「はい、ラッピングの前に。もう一度ここでいたしましょうか」
「ん」
騎士が身を屈めたので、その顔に向かって摘んだトリュフを突き付ける。
「いえ、姫様のお手から食べさせていただくわけには……」
「うるさい」
「ぶっ!!」
喋っている最中の無防備な口に素早くトリュフを突っ込んだ。――ら、
「ぎゃああああああああああぁあぁああああぁ!!!」
姫様の丸い目が一杯に開かれた。もちろん、騎士の目も。
姫様の小さな指は、驚いて口を閉じた騎士によってパックリ食べられた。
「――――いっやああぁあ!!!」
普段からは想像もできない敏捷な動きで姫様が指を引き抜く。
「わ、げ、あ、や、こっ、これは私のせいではありませんよっ!」
トリュフを頬張りながら騎士が顔面蒼白で弁明した。貴人の指を食った馬鹿従者として抹殺されるかもしれない。
「強く歯は立ててないですから大丈夫ですよ!姫様はこのくらいじゃ死なない!我慢!姫様は強いコ!」
もう見返り云々の話ではない。パニックだ。



つづく
0175名無しさん@ピンキー2011/02/15(火) 19:32:25ID:wVTU6aF4
いいよいいよーーー
キャラが面白い!
ワクテカして続き待ってます。
0176名無しさん@ピンキー2011/02/19(土) 11:51:31ID:Nle1DEBk
下克上age
0180名無しさん@ピンキー2011/03/25(金) 15:45:19.22ID:auJIwCUK
おませなお嬢様
0181名無しさん@ピンキー2011/03/25(金) 19:39:53.34ID:BhvVJSfg
「なにこの汚らしい子」
「あら、顔を拭いたら結構かわいい顔してるじゃない、来なさいよ家で飼ってあげるわ」

とかそんな感じから始まる高飛車お嬢様との恋愛……見たい……です
0182名無しさん@ピンキー2011/03/30(水) 02:21:12.57ID:Urok6SN/
マジで今は続きを書く気力がない……。

少しだけど地震の義援金に募金しました。被災地の方々の無事と健康を祈っております。
アリスも姫様もお小遣いを募金してJAPANを支援してます。
0183名無しさん@ピンキー2011/04/19(火) 22:55:01.18ID:HFO2LA6+
執事「ぼっきage!」
お嬢様「あら何かしら、セバスチャンのズボンが盛り上がっていますわ」
0187名無しさん@ピンキー2011/05/19(木) 14:30:01.53ID:yGWgPSks
謎解きはディナーの後で もこのスレかね
本編は恋愛色はサッパリないが
0188名無しさん@ピンキー2011/05/22(日) 12:04:33.16ID:Yp98GBHI
あれの広告見ると執事のセリフがゲデヒトニスの声で再生されるから困る
0190名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/22(水) 02:10:19.57ID:X86YAjMr
ホシュ
0191名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/25(土) 00:27:49.94ID:q1CVtr/u
監視役で従者として送り込まれたクールな美女か美少女が、本気で主が好きになって葛藤しながら、有能に役割を果たしていくってどうだろ?
0194名無しさん@ピンキー2011/07/09(土) 18:21:38.84ID:AdDGuasY
>>191
クール美女従者×お嬢様
自分はこんな感じ↑の百合かと思ってイイ!と思ったけどなんだ誤爆だったのか…
0195名無しさん@ピンキー2011/07/11(月) 20:42:27.41ID:+v0KWrBc
高貴な女性が実はマゾで従者とか部下に自分を凌辱させるみたいな展開興奮する
0197名無しさん@ピンキー2011/08/18(木) 03:35:36.15ID:xn+8ibjz
お嬢様から鞭で叩かれたい
0198名無しさん@ピンキー2011/08/30(火) 01:01:41.30ID:REYfNBqU
和風お嬢様くれ!!
0199名無しさん@ピンキー2011/09/07(水) 18:15:24.19ID:oPyMo/AA
「お嬢様…この卑しい私めをぶって下さいませえええええ!」
「…なんですの、この変態…」
変態従者と蔑むお嬢様が読みたい
0200名無しさん@ピンキー2011/09/10(土) 18:07:48.87ID:tZDRplLu
女尊男卑な学園で通っているのはすべてお嬢様で、
男子生徒はお嬢様の世話付きとして着かないといけない学園

という設定はよいのかな?
0202名無しさん@ピンキー2011/09/13(火) 10:03:49.00ID:WC7PYa7r
>>200
早くSSにして投下しなさいよぉ!
0203名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 20:42:57.02ID:iVo0mOMS
>200の学園設定

ごく少数の生徒しかいない女尊男卑の元お嬢様女子中学校で
山奥深くの全寮制で学年10人で全校生徒30人
元は山奥深くにある小さな学園で、都会の誘惑から隔離して、よい女子を輩出していた元女子校
だがあまりにも奥手に育ってしまい殿方を怖がってしまう弊害が出てきていたため
そこで男子をいれることになったが女子が恐れないように男子生徒にいくつか条件を出してきた
その中でもかわっているのが包茎で可愛い男子だった、一番女子に安全で主導権を握れると思ったのだろう
男子は容姿が女の子みたいな包茎男子しかいない。
これは包茎男子がおとなしく怖くないので男と触れる機会がなかった女子生徒に体験させるためである。
尚三年女子は一年男子がお世話をして
二年女子は二年男子が世話をし、一年女子は三年男子が世話をする。
この組み合わせは寮生でも同室になっている。
男子学生はピチピチの半ズボン着用となっている。
女子学生は昔ながらのロングスカート着用。

この設定で練ってみる。
0204名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 22:12:43.82ID:67PPEokq
奴隷と主人が好きです。
人間扱いしてないから奴隷の前で裸になっても平気だったりして。
でも実は反応してほしくてぐぎぎってなってたりして。

いざエロのときも、俺は奴隷だから奉仕しますよって言ってるのに
奴隷も気持ちよくないとやだーってがんばったり

それで見てくれは完璧な主従を演じているとさらに萌え。
0205名無しさん@ピンキー2011/09/20(火) 00:33:41.60ID:wY+yc47C
なんとなーく、2〜300年ぐらい前のヨーロッパっぽい設定の話です。

男爵家にその縁談が来たのは、クロディーヌが12になったばかりの春だった。
王家ともつきあいの深い侯爵家の、まだ若い当主ロベールは一目見てクロディーヌを気に入ったと見えて、「すぐにでも結婚したい」という申し込みをした。
男爵夫妻は思いがけない良縁に喜びながらも、年齢より幼く見える娘の早い結婚がやや気がかりだった。
侯爵は美しい顔に薄い笑みを浮かべて、男爵夫妻の不安を解消するような一つの提案をした。

結婚式が終わり、すっかり寝化粧を終えたクロディーヌは寝台の上で花婿を一人待っていた。
あまり話をしたことのない侯爵は、ほっそりとした体つきであまり男を感じさせず、クロディーヌはこれから起こる初夜に思いを馳せてもあまり現実味を感じられずにいた。
それにしても気がかりなのは、幼馴染みのオーギュストのことだ。
オーギュストは執事の息子で、彼女より3つ年上だった。
幼い頃から寄り添うようにいつも一緒だったが、近年執事見習いとしての教育を受けるのに忙しく、クロディーヌとあまり言葉を交わすことがない。
寂しい思いをしていたクロディーヌだが、オーギュストが近習としてクロディーヌと一緒に侯爵家に来ると知って嬉しかった。
あまり口を利いたことのない実の兄より、彼女にとってはオーギュストのほうが近しい存在だったのだ。
だが、結婚が近づくにつれ、オーギュストの顔つきは暗いものになっていった。
全てが華やかになる婚礼の準備の中で、彼の表情だけが沈んでいた。
そして、彼はとうとうクロディーヌに結婚の祝辞を私的には一言も口にしなかったのである。

オーギュストの莫迦──クロディーヌは心の中で呟いた。
私は、おまえにもっとも私の結婚を祝って欲しかったのに。
私たちはずっと仲良しで、お互いの幸せを喜ぶ仲ではなかったのか。
そんなことを考えながら、クロディーヌはうとうととしていた。
気がつくと誰かが夜具の中に潜り込もうとしている。
ロベールが来たのだろうとクロディーヌは思った。
彼女の細い身体を男の腕が抱き、喘ぎながら口づけを奪った。
クロディーヌはふと、ロベールはこんなに筋肉質の体つきだっただろうかと違和感を感じた。
それとも着やせをしていただけなのだろうか。
「クロディーヌ……」
その声を聞いて、彼女は耳を疑った。
身体を捩って自分の上に覆い被さっている男の顔を見ると、それはオーギュストだった。
0206名無しさん@ピンキー2011/09/20(火) 00:34:06.03ID:wY+yc47C
「い、いやあああああ〜〜〜〜!!」
クロディーヌは叫んだ。
「いくらでも叫んでいい、クロディーヌ。しかし、誰も来ない。
これは侯爵が許したことだ。
今夜、おまえの処女を俺が奪うことは、侯爵が決めたんだ」
そんな莫迦な、とクロディーヌは混乱した。
この結婚は侯爵が強く望んだのではなかったのか。
「侯爵は女が抱けない身体だ。俺とおまえのあいだに生まれた子を跡取りにしてくださるとも言っている」
「い、いや……!」
彼女は抵抗していたが、あっという間に夜着をはぎ取られ、全裸となった。
乳房は軽く膨らみ、乳首は色づき始めていたが、脚のあいだにはまだあるべき若草は生えていなかった。
「まだ、子どもだな……」
そう言うなり、オーギュストは乳房の尖りに舌を這わせた。
「俺が、女にしてやる」
男の指が、無毛の割れ目をさすりだした。
最初は泣きながら声を嗄らして助けを求めていたクロディーヌだが、次第にぐったりとしてすすり泣くだけになった。
「クロディーヌ、愛しているよ……。ずっと、小さい頃から好きだった。
身分違いなのはわかっている、だが、おまえのことだけを想っていたんだ」
実の兄以上にきょうだいのように思っていたオーギュストが、自分を女として見ていた?
信じられない。

オーギュストはクロディーヌの両脚を広げさせた。
小さな割れ目の花びらを指で広げると、「ああ」とため息をついてそこを舐め始めた。
「ひっ……いぃぃ……!」
「ずっとこうしたかったんだよ、クロディーヌ」
そうされているうちに、クロディーヌは腰が痺れて重くなり、何も考えられなくなった。
「おまえの結婚話が出たときには気が狂いそうだった。
だが、侯爵は、俺の気持ちに気づいていた。
だから、俺は……侯爵の話に乗ったんだ……」
彼が何を言っているのか、クロディーヌには理解できなかった。
クロディーヌが呆けたように身じろぎしなくなると、オーギュストは張り詰めた男根を、ぐいっと小さな裂け目に押し込んだ。
「い、いやあああ!」
突然クロディーヌは再び叫んだ。
しかし、オーギュストは一切その苦痛を斟酌しなかった。
幼い処女には大きく固すぎるものを無理矢理根元までねじ入れ、何度も腰を打ち付けた。
最初は痛みでもがいていたクロディーヌだが、次第にその抵抗は小さくなり、手足から力が抜けた。
それを良いことに、オーギュストは夜明けまでに何度もクロディーヌの中に精液を注ぎ込んだ。

気がつくと夜明けが近かった。
誰かの「さあもういいだろう。そろそろ私の相手を」という声が聞こえ、どうやらそれは侯爵のようだった。
オーギュストは無言で寝台から降り、服も身につけずに侯爵と一緒に部屋の外へと出て行った。
婚礼の翌日からの生活で、クロディーヌは、侯爵が望んだのは自分ではなくオーギュストなのだということを知った。
オーギュストを抱きたいのと跡継ぎを作るという二つの目的をいっぺんに果たすための結婚がこれだったのだ。
あの晩、オーギュストは侯爵に弄ばれてからクロディーヌのところに来たのだった。
そして、彼女を抱いてからまた、侯爵の爛れた欲望を身に受けたのであろう。
幼すぎるほどの花嫁は、いちどきにあまりにもさまざまなことが起きて世の中全てが翳んでいるように思えた。
そして、今晩もオーギュストはあの熱くて硬い肉の棒で私をかき混ぜてくれるかしらとぼんやり考えた。

おわり
0207名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 00:33:22.28ID:fFN/m917
>>205-206
アッー!
しかし従者がお嬢様に下剋上できる設定が無理なくできててくやしいww
一途で手段を選ばない従者と純朴なロリお嬢様の組み合わせは萌えた
GJ
0210名無しさん@ピンキー2011/10/12(水) 16:30:29.92ID:Z9g9nk6h
保守
0211名無しさん@ピンキー2011/11/06(日) 01:11:46.97ID:ddnvKRJu
ほす
0213名無しさん@ピンキー2011/11/11(金) 01:48:17.82ID:XxiFSAis
>>212
男装姫武将と年下小姓という電波を受信した
理由があって女の身を隠して戦に出るけど、本当は辛くて泣きそうなのを必死に堪えている
小姓は助けたくても力がなくて、でも守りたくて、とかそういうアレ
0214名無しさん@ピンキー2011/11/11(金) 08:51:30.08ID:THlx+Vbg
>>213
いいねいいね! 
姫は戦のことで頭がいっぱいで、小姓が自分を女として見ているのに気がつかない。
平気で着替えや湯浴みの世話をさせる。
でもあるとき小姓の気持ちを知って、しかももう助かる見込みはないと覚悟して小姓に身体を許す、
という妄想をした。
0215名無しさん@ピンキー2011/11/12(土) 18:28:43.58ID:Z0/k/ViQ
>>205-206
遅まきながらGJ
切ないオーギュスト視点も見てみたくなったが
アッーだからそれは無理かw
その後のクロディーヌがどうなるか気になる

>>213・214
いいなぁ。
しかもラスト今まで君主としての褒美だと投げ出すのか
このまま敵にとらわれるぐらいならお前に抱かれたいというのかでも
また違った雰囲気があるな
0216名無しさん@ピンキー2011/11/14(月) 01:13:00.44ID:ot2Saqns
>>213-214の設定でやってみました。

もはやこれまでかと親久は自室で深いため息をついた。
平安の時代より続く武田家も、信長の攻勢の前に居城陥落も時間の問題であった。
兄と父亡き後、鬼神のような采配で幾度となく戦場を切り抜け、勝頼を守り抜いた親久であるが、次の出陣が己の最期となるであろうことは覚悟せざるを得なかった。
「湯殿の用意ができてございます」
後ろから親久を小姓の三郎太が呼んだ。
三郎太の表情にも死期を悟るものがあった。
湯殿で三郎太に帯を解かせ、親久はすらりと美しい裸身を剥き出しにした。
それは若い女そのものであった。

秋山家を継いだ兄、昌詮は駿河侵攻で名を上げた俊傑であったが、蒲柳の質で若くして病死した。
跡を継いだのは、いつでも病弱な昌詮の代わりとなれるよう弟として育てられていた、実は女の親久である。
高い声も白い顔も細い腕も、兄昌詮もそうであったと特に怪しむものもいなかった。
そして、親久は刀槍の腕にかけてはどのような男にもひけを取らない。
あっぱれ兄をも凌ぐ戦上手よと言われ、戦場ではどのようなときでも真っ先に兵を率いていた。
二歳年下の三郎太は幼い頃から小姓として親久に仕えている。
親久が女であることを知る数少ない近習の一人として最も身近に置き、親久にとって自分の手足とも言うべき存在になっていた。
幼い頃から着替えや湯殿での世話をする際に付き添うのは三郎太ただ一人である。
柔らかで形の良い乳房が華奢な肩の下にあり、さらにその下には慎ましい和毛があった。
 ──美しくなられた─。
見惚れてため息をつきそうなのを押し殺し、三郎太は親久の背を流した。
湯が上気した肌を滑って玉となって散ってゆく。
しばらく湯船に浸かったあと、親久に湯帷子を着せ、身体を乾かした。
今まで幾度となく繰り返されてきたことだったが、三郎太の心はきりきりと痛んだ。
もしも自分が主を思う衷心ではなく女を求める気持ちで仕えていることが親久に知られたらどれだけ自分は軽蔑されることであろうか。
しかし、親久にこのまま慕情を告げることなく命の火が消えるのかと思うと、それもあまりにも辛いのだった。
0217名無しさん@ピンキー2011/11/14(月) 01:14:19.48ID:ot2Saqns
その夜の月はあまりにも冴え冴えと親久の屋敷を照らしていた。
 ──眠れぬ。
何度も親久は寝返りを打ち、滅びゆく武田一党のことだけを案じていた。
「三郎太。寝たか」
控えの間の三郎太を親久は呼んだ。
「お呼びでしょうか」
襖を隔てて三郎太が返事をする。
「目が冴えてしまった。久々におまえの笛が聞きたい」
「お望みとあれば」
三郎太は親久の枕元で静かに蘭陵王を奏じた。
美しすぎるかんばせを恐ろしげな面で隠して戦場を駆け巡る陵王は親久にこそ似つかわしいと常々思っていたのである。
三郎太の笛は城中で知らぬ者がないほどの上手であった。
しかし、槍働きのできない彼は、己のふがいなさにいつも歯がみする思いだった。
最も愛するものを力強く守ることもできぬ。
できることはただ心を込めて忠義を尽くすことと、笛の音で親久の乱れた心を鎮めるだけだ。
親久はしばらく目を閉じて横になったまま陵王の曲を聞いていたが、だしぬけに言った。
「三郎太。いままで苦労であった」
笛をやめよということかと思い、三郎太は吹くのをやめた。
「もう武田家は滅びる。私は武将として主家とさだめを共にするつもりだ。
しかし、おまえは身分も軽い。明日、ここから出て好きなように生きるが良い」
「今、なんとおっしゃいましたか」
三郎太の声は震えていた。
「今までよく働いてくれた。私の手回りの品で何か望むものがあればなんでも取らせる。
望みのものはあるか」
「私が今まで親久様に、何かものを呉れと頼んだことが一度でもありましたか!」
いつも穏やかな三郎太が怒気を発したことに親久は驚き、目を開けた。
それを合図とするかのように、三郎太がいきなり覆い被さってくる。
貪るように口を吸われ、男の手が乳房をまさぐった。
かろうじて唇を引き剥がし、親久は「放せ」と何度も命じたが、三郎太は親久を強く押さえ込んだままだった。
どれだけそうしていただろう、ようやく三郎太は身体を僅かに起こした。
「ご無礼を……つかまつりました……」
そう言って涙をこぼすと、それは親久の頬に落ちた。
月光が強く部屋の中に差し込み、三郎太の顔を照らしていた。
親久は三郎太の頬に手を延ばした。
幼い頃は丸々としていた顔が、今ではきりりと引き締まり、すがすがしい眉の下に切れ長の涼しい瞳があり、次々と涙が流れ出ていた。
「私が望みか」
「そのようなことではござりません……。
ただ、幼少のみぎりにお会いしたその時から、恐れながらお慕い申し上げておりました」
そういう三郎太の顔を、親久は初めて美しいと感じた。
人生の最後に、ひとたびだけでも女に還り、この男に抱かれたいと強く思った。
親久はまっ白な腕を三郎太の背に回して引き寄せた。
そして耳元でそっと「私を抱いてほしい」とささやいた。
0218名無しさん@ピンキー2011/11/14(月) 01:15:45.58ID:ot2Saqns
今まで数えきれぬほど、三郎太は親久の帯を解いてきた。
しかし、今日ほど手が震えたことはない。
決して触れてはならぬものとしてだけ存在してきた裸身が、彼の思うままにしてよいものとして差し出された。
どうしたら良いのか分からぬまま、彼は自分も夜着を脱ぎ、素裸になって親久と抱き合った。
親久の肌は白く、肌理が細かく滑らかだった。
形の良い乳房はほどよい弾力を持ちながらも三郎太の手の中で自在に形を変えた。
男を知らぬ親久は、三郎太の手がそこかしこに伸びるたびに小さく息を呑み、身体をぴくりとさせた。
そのさまがあまりにも愛しく、三郎太は乳房の尖りに舌を這わせ甘噛みしながら吸った。
とうとう親久の唇から「ああ」という声が漏れた。
それが歓びからくるものだと三郎太の本能は直感した。
指を叢に忍び入れようとすると、女の両脚は驚いて一度は閉じたが、易々と男の指の侵入を許した。
小さな唇がそこにはあった。
ぴったりと閉じていたそれは、優しくさすられているうちにいきなり開き、初めてのとろりとした蜜を流し始めた。
「親久様……」
三郎太がだしぬけに言った。
「私は女を知りませぬ故、これから先どのように致したらよいのかあまり詳しくありませぬ。
どうか、女の隠し所の景色を拝見つかまつりたく」
「あ……いや……」
親久は恥ずかしさで身を捩ったが、抵抗はしなかった。
三郎太は親久の両膝の下に手を差し入れてぐっと女の身体を折りたたんだ。
処女の部分がこれ以上ないというほど剥き出しになり、月の光が無遠慮にそれを照らした。
指で開くと花芽があった。
しばらく三郎太は女の仕組みをいろいろと探っていたが、ついにそこに口をつけた。
「あっ、それは……ひっ、ひぃぃっ!」
小さく親久は叫び、身体を揺すった。
しかし、それを押さえ込みながら三郎太はこころゆくまで処女の部分をしゃぶった。
舌が這い回る感触の淫らさに親久は混乱し、泣きじゃくりながら三郎太の愛撫を求めて恥ずかしい姿勢のままでいた。
ここまで確かめればもう迷うことはない。
三郎太は己の硬くなったものをあてがうと、無言で腰を落とした。
最初の一二回、上手く入らなかったが、すぐに進むべき道を見つけて腰を進めた。
男を知らぬ狭隘な道が開かれてゆく。
それは震えながらもうねり、締め付け、初めての男を歓びをもって迎えた。
最も奥まで入ると、しばらく三郎太はじっとしていた。
親久が痛みをこらえているであろうと思ったからである。
しかしそのうち箍がはじけとび、三郎太は腰を打ち付け、秘肉を肉棒でこねるようにかき混ぜた。
白液を注ぎ込むとき、まぶたの裏にいくつもの星が点滅し、意識は天上にまで登り詰めた。

天正十年三月。
武田勝頼は天目山の戦いで妻子と共に自害した。
勝頼を見捨てた家臣も多い中、秋山親久は最後まで勝頼を守り、殉じた。
その亡骸は三郎太によって塩山の禅寺に葬られたが、その後彼を見た者はいない。

おわり
0219名無しさん@ピンキー2011/11/14(月) 02:11:14.87ID:Z2sEk1Bj
なんという仕事の早さとクオリティの高さ……!

314ですがありがとう
切なエロいっていいね
0220名無しさん@ピンキー2011/11/15(火) 13:48:09.83ID:Cd2WmBpu
初々しいエロもまた良し。
GJとしかいえない自分の語彙の無さが恥ずかしいくらい、GJ!
0221名無しさん@ピンキー2011/11/15(火) 18:01:16.04ID:Zy6KniZp
すげえいい主従だった。
ああもうそれしかいえない!
感情描写が上手いな・・・。
gjj!!
0223名無しさん@ピンキー2011/11/24(木) 16:29:58.26ID:fOKZoZOd
秋山親久、実在の武将じゃん
0225名無しさん@ピンキー2011/11/24(木) 20:31:33.59ID:0Wd4hDRM
上杉謙信がエロゲのキャラになってる昨今に実在も非実在もなかろう

エロい/可愛い/切ない/萌える それが正義さ。
0226名無しさん@ピンキー2011/12/03(土) 11:51:25.64ID:EY76JJIi
TLだがケータイ漫画の広告バナーで表示される
「お嬢様SEXのお時間です」が決めゼリフの漫画が気になるw
夜伽執事とか設定だけで妄想をかきたてるなぁ
0227名無しさん@ピンキー2011/12/05(月) 22:38:45.36ID:mpoIuXWQ
一話つまんなかったからしばらく見てなかったなんだけど、
謎解きはディナーの後でが最近少し面白くて見てる。

4話に50年も連れ添ってるお嬢様と執事が出てくるんだけど、なんか二人の関係性がよかった。
行き遅れのお嬢様と執事ってその過程を考えると色々妄想が進んで萌える。


0229名無しさん@ピンキー2012/01/12(木) 15:10:50.78ID:Epzqm9XT
雑誌見てないコミックス派なんでいまどうなってるかしらないけど
リンドバーグの女王陛下と
女王陛下に親友殺され裏切った元臣下のオッサン
(名前忘れた)の過去の関係がいいなぁ
しかも女王陛下未練たらたらだし
愛人囲ってもオッサン気にしすぎてるし
0230名無しさん@ピンキー2012/02/12(日) 10:38:12.29ID:ERWzsIeq
保守あげ
0232名無しさん@ピンキー2012/02/18(土) 18:31:46.58ID:26o9t5nN
週間ゴラクだかで見た天然(?)な執事とお嬢様のやつが…

って思ったけどエロには到底つながりそうになかった
0233名無しさん@ピンキー2012/03/09(金) 18:10:10.04ID:Wm6D4Z8d
保守
女主人と執事の漫画なら、少女漫画だけど「マダムとミスター」が好きだったな
単純な主従でなくて関係が多少複雑なんだけど
0235名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 06:37:10.15ID:68yo5woE
マダミスの作者は絵に癖があるけど面白いよ

>>233
昔この板に専スレあったの知ってる?
0236名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 07:00:21.04ID:K3qK1Qzg
>>235
ありがとう、当時はいなかったが存在は知ってるよ。保管庫で読んで幸せになった。
あの作者のキャラクターはSNEG設定でも超然としてるから、エロになっててやたら感動したなぁ
0237名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 11:09:38.87ID:c+e0/IRw
マダミスはいいよね。
レディヴィク書いてた人もそういえば
マダミスみたいな読み切り書いていたなぁ・・・

結ばれなかったけどあんだろのアンナさんと庭師も大好きだ
馬車に乗るために庭師を平気で踏み台にしたりする程プライドの高いのに
結婚が決まったときに真っ先に抱いて!って行くアンナさんが・・・

最近いいなーって思ったのはぽよぽよ観察日記書いてる作者の
わたしのお嬢様っていう四コマのその中でも
数本の思い出回想しかないけど
屋敷を買ったらついてきた執事ジェイムスと
屋敷の元女主人の話が萌えたわぁぁぁ
0238名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 11:24:55.08ID:+67F0k0Z
好きな漫画だと和物だけど雨柳堂がいい
明治になった後くらいの不思議な話(つくもがみとか人外とか色々)なんだけど
華族のお嬢様が花魁になったりとか
お嬢様が使用人に恋をして引き離されて自殺したりとか
エロさはぜんぜんないけど絵と雰囲気がいい

同作者のうるわしの英国シリーズもよくて
庭師に恋をして駆け落ちするお嬢様とか出てくる
0239名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 15:17:57.79ID:c+e0/IRw
>>238の所為で読み直してしまったじゃないか!!w
>お嬢様が使用人に恋をして引き離されて自殺したりとか
もすごく良かったけど自分は男装姫と従者が一番萌えたなー
オチは可哀そうだったがw
雨柳堂は主従だけでなく萌える切ない恋話いっぱいでいいよね
0240名無しさん@ピンキー2012/03/10(土) 21:31:17.19ID:JxKg7U9y
漫画だと「うまんが」「ろまんが」が私のツボだった
基本はギャグ漫画で、下ネタ(エロではない)が多いけど、
コンチと菊花の主従関係が良い

菊花が2歳の頃から、訳有りの外国人(ハーフだけど)コンチは仕えてて、
親子みたいな兄妹みたいな関係で、でもやっぱり主従
コンチはストーカー化してるけど、菊花は怒りながらも結局は許してる
菊花の好きな人は別にいたけど、私はコンチ×菊花にずっと萌えてたから、
最後はちょっと感動した

難点は絶版で入手困難なこと…と書いて調べたら、
「うまんが」の方は文庫になってた
でも、「うまんが」では主人公は別だし、
主従ロマンスは「ろまんが」に変わってからが本番だしなぁ
0241名無しさん@ピンキー2012/03/27(火) 02:22:49.69ID:uoUThEw2
毒舌部下(従者)っていいな。
立場わきまえてんのかわきまえてないのかわからんあの立ち位置。
主人の方が可愛くイライラしてくれればいい
0242名無しさん@ピンキー2012/04/04(水) 06:27:47.67ID:aI7lJ9lu
0243名無しさん@ピンキー2012/04/05(木) 10:42:02.98ID:IYV2Qwvx
チャタレイ夫人の恋人はシチュエーションは良いのにエロ描写があけすけ過ぎるから惜しい
0244名無しさん@ピンキー2012/04/06(金) 17:36:53.90ID:+hwTvAvi
山本周五郎の「菊千代抄」が萌え。
他の山本作品との類型にはない話で、我が儘男装お姫様と、
ひたすら尽くす家臣という設定。
0246名無しさん@ピンキー2012/05/04(金) 00:00:30.93ID:ZS7EQucg
保守。
0247名無しさん@ピンキー2012/05/11(金) 06:55:19.22ID:4rrnkNIf
「日の名残り」のスティーヴンスみたいな理想的な執事が、生意気お嬢様とヤリまくってるSSが読みたいなぁ!!
0249名無しさん@ピンキー2012/05/13(日) 00:36:09.43ID:BLe5WdNN
少女漫画のてるてる×少年の主従関係が好き
主のキャラが素晴らしいね   
0250名無しさん@ピンキー2012/05/13(日) 16:48:36.75ID:Qjc5oIP5
ラストシーンがどうみても事後なんだよな、あれ >てるてる
0251名無しさん@ピンキー2012/05/13(日) 23:18:39.90ID:GtVTMD/v
新参者なんで聞きたい
保管庫にある「秘密」シリーズの過去編の続きって期待したらダメですか?
0254名無しさん@ピンキー2012/06/11(月) 01:58:56.78ID:oyzhHb8G
まだ〜?
0259名無しさん@ピンキー2012/07/07(土) 01:48:54.76ID:07KK38vc
保守ついでに妄想。

特殊な能力と性質を持つ一族の息子は
成人してからではないと村の外に出れないのだが好奇心で
その存在能力の高さから村を抜け出し
村の外で会った少女にその一族の性質から主従の契を結ぶ。
その主従の契とは「主と仰いだものを傷つけない、守る」という誓い。
その能力は王族やと国の重鎮の為に使われるもので
一族の性質から取り消しはできないし主が死ぬまでの一生の誓いである。
それを少女に誓ってしまった息子は
一族の皆の不服ながらも秘密裏にその少女のモノになる。
しかし幼いころはいいが、大人になると周りが懸念していたように
少女に恋をして苦しむようになってしまう。
(これが成人するまで村を出れない理由の一つで
 本当に主と仰ぐ人間をあらかじめ同性にコントロールするため)
少女を抱きたいという欲は
0261名無しさん@ピンキー2012/07/07(土) 13:06:00.86ID:07KK38vc
すまんコピペミスってたorz

少女を抱きたいという欲は心では抑えが利かなくなっていたが
処女喪失は「主」を傷つける行為であってできず。
もし少女が処女でなかったとしても「妊娠」する可能性がある性行はできない。
(妊娠、出産は命がけの行為となるため傷つけるに相当する)
少女は初め少年が好きだったけれど、再三の「主」信仰的な少年の言動に傷つき諦めてしまう。
(初めは少年も忠誠心からスルーだったが、少女に恋をしてからはあえてスルー)
そして他の男に恋をしたが、その男は少女を手に入れることは少年を手に入れることだと企んでいた。

以上、悶々とする従者が見たかったんで適当に考えてみた
少女が一途に少年を好きで、処女が抱けないならと自ら処女じゃなくなったり
他の男の子を身ごもって・・・とかも考えたけどw
0262名無しさん@ピンキー2012/07/07(土) 13:19:03.90ID:07KK38vc
あと少女の身分も一般の村娘(が実は最強の従者を手に入れた)でもいいし
お姫様はお姫様でも一番身分の低い側室の子供で少年が付いたことで
王家のバランスブレイクとかでも色々想像できるなーという妄想でしたw
0263名無しさん@ピンキー2012/07/08(日) 01:52:05.74ID:bRWl15p8
手が出せなくて悶々としてるのっていいね
しかしいざ書いてオチまでつけるとなると筆力要りそうな…
誰かたのむ
0265名無しさん@ピンキー2012/07/11(水) 21:04:28.02ID:F1BU2XfS
二次作品でそのスレがあるなら
そのスレがいいのかもしれないけど・・・どうなんだろうね?
でも雑談では商業作品の話もしてるし
このスレ長年居る人はどうだった?
0267名無しさん@ピンキー2012/07/13(金) 12:10:26.16ID:PBn22gas
主従に目覚めた。姫君と騎士とかもゆる。

216-218エロいのにうっかり泣きそうになったよ
切な萌えGJ
0270名無しさん@ピンキー2012/07/22(日) 03:19:32.15ID:Kv5Kzhsg
あんだろの話題が出てたのでつい
あれは姉妹スレになるのか。
……顛末が悲劇的なのも含めて実に良いな。
0271名無しさん@ピンキー2012/07/23(月) 01:28:59.35ID:Uq1ia6/1
アンナさんの話はいいんじゃないか?
あんだろはいいよあんだろは
結末は初めに書かれてて今は過去話から連載してるから
もう悲劇的だってわかってるけど女主人のアンナさん萌エス。
あのプライドの高さが可愛いんだよ!

でも家庭教師と二男とか旦那様と愛人とかは別スレだね…
0273名無しさん@ピンキー2012/07/25(水) 20:56:46.07ID:Y9xrQp1N
ヴィクトリアンな世界の陰鬱な雰囲気が好きだったらおすすめ
ハッピーエンド至上主義キャラが死ぬの嫌!だったらおすすめできないw
まぁいうほどエログロじゃないけど
確かWEB漫画だから最新号は試し読みできたはず・・・
0274名無しさん@ピンキー2012/08/10(金) 13:15:50.50ID:RXKY1k+h
保守
0277名無しさん@ピンキー2012/08/25(土) 10:48:44.97ID:W8mK5K4L
>>269
読んだがすげー面白かった
お嬢様は結婚せずに執事と駆け落ちして貰いたいもんだ
0278名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 08:52:42.27ID:ZiudyoVR
保守
0279名無しさん@ピンキー2012/09/15(土) 20:30:33.47ID:r1Ui57Te
ドSお嬢様が執事を精神的にも肉体的にも
虐待しまくる陰湿なエロ小説が読みたい
0280名無しさん@ピンキー2012/09/17(月) 13:34:56.84ID:MDNqxN3l
いや、逆に昼は忠実な家令、夜は鬼畜な淫獣という執事が
お嬢様を翻弄するのが読みたい。
0284名無しさん@ピンキー2012/11/04(日) 13:18:26.32ID:i/CORFbx
お嬢様「あ、いたいた執事。ちょっと私の事縛り上げていじめてくれないかしら」
0285名無しさん@ピンキー2012/11/07(水) 00:31:06.38ID:G6mkvoin
執事(あなたをキズものにするとこっちの首が飛ぶんですよお嬢様)


とか考えてて思い至ったが、逆に傷さえつかなければ
体に痕跡が残る行為以外のありとあらゆる淫行を尽くしても可、
ということか。
それもいいかもしれないな。
0286名無しさん@ピンキー2012/11/09(金) 14:06:27.12ID:V7ofCXKF
>>285
キズものにしちゃいかんので、挿入はなしでひたすら愛撫
お嬢様が懇願して挿入してもらう
お嬢様からの強制なのでお咎めナシ
0287名無しさん@ピンキー2012/11/11(日) 15:37:05.00ID:VKAfHL0e
ho
0288名無しさん@ピンキー2012/11/21(水) 23:29:42.97ID:l9g5KtoD
「ねえねえ、執事、最近ここ人がいないみたいよ?」
「人がいないのではなく少しお休みになられてるだけですよ、お嬢様」
「んん? と、いうことはすこしHな話題をすれば興奮して人が騒ぎ出すのね?」
「そうかも知れませんね、ですが今ここでそうやって御召物を脱がれても、あなたの裸ごときでは誰も喜びませんよ、お嬢様」
「な、なんですって! なんで喜ばないの! 失礼ね!」
「そんなオウトツの無いツルッぺったんなど見ても誰も喜ぶ方はいないというのです、お嬢様」
「何がツルッぺったんなのよ!」
「ここです」(コリ)
「フニャあ! ちょ、ちょっと何するの!?」
「どこかと聞かれたから頭のゆるいお嬢様でも解るようにしているのですが、何か?」
「う、ウニュウゥゥ……ちょっと、やめなさいよぉ……」
「ちなみに今、ぺったんの方を解らせてるわけですが、こっちが……」(クニュ)
「えっ!? フニャアア!」
「こっちが‘ツル,の方ですね、お分かりですか?」
「わ、わかった、わかったから! 触るの止めなさい!」
「はて? 何がわかったのです?」
「わかったって言ってるの!!」
「ですから何がわかったのです? お嬢様?」
「あ、あんたが、今触ってるのが……ふにゅうぅ」
「この触られてコリコリしてるのがなんですって? ピンピンに立たせている物が、何ですって?」
「あ、ああ、お、おっぱいが、ぺったんだって……」
「成程、ではこちらはどうです? お嬢様?」(クニゅクニゅ)
「あ、あああ! 」
「ほら、先程からはしたなくべちょべちょと汚してしまわれているココがなんですか?」
「あ、ああ……お、お願い執事! もうやめて! ほ、本当に……」
「はて? 何をどうやめれば良いのですか?」
「ふ、ふにゅうう! いま指を入れてるツルツルの〇んこ、もう我慢できなくなってるの!」
「成る程、ツルツルぺったん娘のお嬢様、畏まりましたではこのまま逝かせて差し上げます」
「ほ、ほえ? あ、ああ、あ!? あ、ああああ、だ、だめ! あ! だ、だ、あ、あああ!!!」
「……ほら、だから言ったのですよツルペタンが脱いだぐらいでは、皆さん集まらないって」


「なので、保守します……」
0289名無しさん@ピンキー2012/11/28(水) 22:20:59.99ID:p6Xf0kQU
ガチ過疎だな
0291名無しさん@ピンキー2012/12/11(火) 10:30:44.69ID:9GhXRYPY
くろ
0292名無しさん@ピンキー2012/12/11(火) 13:55:44.55ID:B5KENWc4
0294名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:38:22.03ID:Cr+7M/sz
「は?女?」
この家の一人娘、リズは思わず朝食を食べる手を止めた。
「そうだ。悪いんだがもう雇う執事がいないんだよ。ごめんな」
彼女の父親であるこの家の主は、申し訳無さそうに言った。

彼女の父親は一代で立派な会社を築き上げ、一気に巨万の富を得た。俗言う成金というやつだが、その環境が彼女の今の性格を形成したもっともな原因だと言えた。
父親に甘やかされ、年の離れた兄二人に甘やかされ、何不自由ない、それどころか贅沢な生活を生まれてこの方してきた。
つまりどうしようもなくわがまま放題な18歳のお嬢様だった。

そんな彼女は、この家に仕える執事を父親に頼みもう既に片手で数えられない人数をクビにさせていたのである。
小さなことでもミスをしたり、時には出来るはずのない無理難題を押し付けては「あなたってやっぱり駄目ね」といじめっ子のように楽しんで次から次へとクビにしていた。
この父親も娘に甘すぎるのが悪いのだが。
0295名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:38:53.10ID:Cr+7M/sz
「いやよ、変えてちょうだい」
「でももういないんだ。お願いだから我慢してくれ…代わりも当分いないんだ」
「なにそれ…なにそれ…」
彼女は絶句し、みるみる絶望に打ちひしがれた表情へと変わった。食欲が一気に失せ、食べかけていた朝食を残し自室へ戻ろうとしたところを父親に制されると、見慣れぬ執事服を纏った女性が表れた。
「今日から働かせて頂きます、執事のミレイと申します」
ミレイという新しい女執事は恭しくお辞儀をする。リズより5センチほどしか変わらない身長。格好は確かに執事そのものだが、今までに比べると華奢さが顕著に現れている。漆黒の髪を一つに束ね、縁無しの眼鏡越しには髪と同じく黒い瞳。
一瞬こちらを鋭い目つきで一瞥されると、その瞳に全てを見透かされそうで気がして悪寒がした。
0296名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:41:46.65ID:Cr+7M/sz
リズは言うまでもなくこの新しい執事が気にくわなかった。
まず、言ったことを全て完璧にこなしてしまう。言われずとも先を読み仕事をこなし、気はよく利く。この家のこともすぐ覚えていた。
言うまでもなく、今までの執事の中では一番の働きぶりだった。
だがしかし、愛想が皆無であった。その前に感情の起伏がほとんど感じられない。表情も常に無表情で、何を考えているのかわからなかった。
彼女がそれに腹を立て、「なんで笑わないのよ」とミレイの束ねた髪を引っ張っても、顔色一つ変えず、何も答えなかった。
彼女が嫌がらせをしたり、無理なことを言っても、全てのことを難なくこなし、それが何とも思っていないようなそぶりだった。
だがもう執事を変えることは出来ない。彼女は初めて今までに自分のしてきたことをこんな形でだが反省した。彼女はミレイに対する腹立たしさを着々と日々募らせていった。
0297名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:43:53.61ID:Cr+7M/sz
ミレイが来てから数ヶ月後。
夜、いつもなら眠りにつく少し前だった。ノックと共にドアが開く。ミレイが訪れたのである。
これは前もってリズがミレイに自室に来てくれと言っておいたのだ。もちろんただ単に頼み事があって呼んだわけではない。
「ちょっとこっちに来て」
大きい柔らかなベッドに腰掛けたリズがミレイをこちらへ呼び寄せる。
「どうされましたか、リズ様」
「あのね、実はね…」
リズは困っているかのように芝居を打つ。今のところうまく行っている。
「私をね、抱いてほしいの…」
これでどうだ。
リズはやれと言われればなんだってするミレイにそれは出来ないと言わせて一泡吹かせてやりたかった。ただそれだけだった。もちろん本人に本当にする意志はない。
ミレイも今回ばかりは口ごもる。リズは早くもやってやったという達成感で一杯だった。
「やってくれなきゃ、クビにしちゃおうかなあ…」
必殺の駄目押し。父親には悪いがこれはなんとかしてもらうしかないな、こんなことを考える程度にはリズの心には余裕があった。
それから数秒後、相変わらずの無表情だがようやくミレイは口を開いた。
「私にとってはクビ程度大したことではございませんが…」
そう言いミレイは白い手袋を外し、一気にリズとの間合いを詰める。やばい、とようやく身の危険を感じ始める。
「リズ様たってのお願いですから、やらないわけにはいけません」
ぼすん。
ベットに勢いよく押し付けられる。両手首を掴まれる。ミレイとはほぼゼロ距離だ。息がかかるくらい顔が近い。らんらんと輝く黒い瞳で痛いほどに見つめられ、その視線に射抜かれるような気がして何も出来なくなる。
0298名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:46:11.38ID:Cr+7M/sz
「な、なにするのよ…冗談に決まってるでしょ…女同士なのに気持ち悪くないの…」
リズは作り笑いを浮かべなんとか余裕があるように見せようとするが、それが出来るのは一瞬であることは言うまでもない。
「それもリズ様たってのご希望でしょう」
ミレイは平生と同じ様に静かに言うと、強く唇を合わせてきた。少し空いていた口から舌を這わせ、リズの口内を動き回る。嫌いで嫌いで仕方のない相手とするキスは、不快で不快で仕方なかった。
「んっ、んっ、だ、め」
断片的な言葉とも言えない言葉を発しながら、じたばたと抵抗するが上から押さえつけられる力が強く拘束を解くことは出来ない。
ようやく唇が離れたと思うと、今度は首すじに移動する。白いすべすべとした首すじを、ミレイは舐め、キスをし、痕が出来ない程度に吸い上げた。
「んっ…やめて…おかしくなる…」
いくら嫌悪感を示しているリズでもこれは感じざるをえなかった。品の無い声が口から漏れ出るのを必死で抑えようとする。
「主人が嫌だって…言ってるのよ…やめなさいよ…」
息も絶え絶えでリズが訴えるがミレイはそれに対しきっぱりと答える。
「貴女を主人などを思ったことは一度たりともございません」
0299名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:48:03.26ID:Cr+7M/sz
「…はあ!?」
あまりの素っ頓狂な回答に思わずリズは叫ぶ。
「あなたの主人は…私に決まっているわ」
使用人の身勝手過ぎる発言に思わず声に熱が入る。
この間にもミレイはリズの上半身のパジャマの下着ごと下からたくし上げ控えめなふくらみの胸を露わにし中心を外してやわやわと絶妙な加減で触っている。
「私の主人は生涯ただ一人でございます」
「なにそれっ…誰なのよ…ああっ」
急に乳首を摘ままれ強い刺激に思わずはしたない声を上げる。
ミレイはその問いには無視するともう片方の胸に吸い付いついてきた。乳首を舌で転がし、吸い付くとリズは快感を必死で堪えようとするくぐもった声が連続して発する。
「んっ、んっ、んっ、やめて、だめ」
「声、抑えなくてもよろしいのですよ」
「何言ってるの…あああっだめえ」
ミレイは強く乳首を吸い上げ、もう片方も少し強めにつまみ上げる。
「そういうお声をずっとお出しになっていれば可愛げがあるものなのですが」
「う、うるさいぃ…」
最早リズに抵抗する力など残ってはいなかった。
ミレイはリズのパジャマのズボンをキスをしながら脱がし、ショーツの中に手を入れる。
「あっ…そこはだめ」
「足閉じないで下さい」
強い刺激にとっさに足を閉じようとするがすかさずミレイの片足を入れられ閉じられなくなる。
とめどなく溢れる液をまぶすように敏感な場所をこねくり回す。
「あっあっあっだめそこは」
最早声を抑えることもせずはしたなく喘ぐ。次第に痙攣が始まり声も余裕が無くなってくる。
「あっあっあっあああもうだめええ」
足がぴんと張り、いままでよりもさらに液があふれ出る。
「イってしまわれたのですね…」
そう言うと中で指を進め出す。なんの問題もなくすんなりと人差し指が一本が入ってしまった。続けて中指も挿入し指をバラバラに、でも反応の良い場所を探り探り指を動かしていく。
0300名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 02:48:59.34ID:Cr+7M/sz
「いまそんなことしたらおかしくなる…ああん」
「ココがよろしいのですね」
指をじゅぷじゅぷといやらしい音をさせて出し入れさせながらピンポイントで突いていく。その度にリズは声を上げる。
「いやらしい…音…」
「ご自分が出している音ですよ」
「やめて…あああもう来るまた来るだめえええ」
中はひくひくと収縮をし始め、また痙攣を始めると何かが弾けたように液がまた止めどなく溢れ出した。

リズが達した後、改めてミレイの顔を覗く。
「ねえあなた、どうしてそんなに悲しげな顔をしているの」
ミレイの顔は、今にも泣きそうな悲しみを湛えた表情であったのだ。
ミレイはとっさにほんの少し驚いた顔をすると、またいつもの無表情に戻った。
血の通っていなさそうなミレイでもあのような顔をするのだと驚いた。
それから無言で後処理をし、部屋を出ようとしたミレイに声をかけた。
「あなた、どうしてこんなことをしたの」
ミレイは少し黙った後、小さな声で答えた。
「あなたがあまりにも気に障るからですよ」
静かにドアを閉め部屋から出ていった。

その夜は、ミレイの悲しげな顔がちらついてあまりよく眠ることが出来なかった。
0304名無しさん@ピンキー2012/12/21(金) 02:56:37.64ID:YPiZOB50
さっきのCr+7M/szです。ちょこっと続きです。

***

ミレイは自室へ戻り、なんとか着替えを済ませるとベッドへ倒れ込んだ。スプリングがきいていて体が弾む。何もない天井をぼうっと仰ぎ見る。
どうしてあんなことをしてしまったんだろう、という後悔の念で一杯だった。
「私は裏切ってしまったのか…」
小さな声で呟くと、それは決定的になってしまったような気がした。
もうとっくに終わった関係なのだから、今更関係は無い、もう何をしようが自由なのだと言い聞かせようとする。だがまだどこかでそれを認められない自分が強く拒む。
まさか、あのどうしようもないわがままお姫様があんなことまで言ってくるとは流石に思わなかった。
でも思惑は分かっていたし、ヤケになっていた所もあったのであえて乗ったのだが、今となってはやらなければよかったという気持ちしかない。
行為の最中は酷い虚しさが襲い、リズを『あの方』に思わず重ね合わせてしまって辛かったのだ。
0305名無しさん@ピンキー2012/12/21(金) 02:58:28.53ID:YPiZOB50
『ミレイ好きよ、大好き。愛してる』

目を細めて笑みを浮かべる『あの方』に愛おしくなって口付けをしたあの日のことが頭を過ぎり、胸が締め付けられるような感覚。高い声、紅潮した頬、荒い息、白い肌、いけないとはわかっていても、一度引き出された記憶は次々と『あの方』を思い起こさせる。

『ミレイ…私は貴女とこういう関係になれて幸せよ…』

優しい声が心の中で何度も響く。もう二度と聴くことはおそらく無い声。
ミレイは自身の下着が濡れていることにようやく気が付いた。心ここに非ずの状態で着替えていたので下着までは着替えていなかったのだ。
ショーツの中に手を入れると、そこはもう十分に潤っていた。

『ここをいじられるのが大好きなのよね、ミレイは』

一番敏感な部分を摘まむとびりびりと体じゅうに電流が走ったような気がした。声が脳内で自動再生されるように流れ、『あの方』にいじられているような感覚に陥る。

『私はミレイの弱いところ、どこでも知ってるのよ。ほら、どう?』

指を中に入れ、一番感じる部分を突く。声を抑えることが出来ない。限界までもう近い。
「あっあっあっあっ…ああああ」

『かわいいわ…愛してる』

そして限界は訪れる。
ひくひくと収縮する感覚の後、温かい液体が一気に放出され、太ももを濡らす。

『あの方』の幻影が消えると、後悔と虚しさに襲われる。悲しくて涙が出る。
「もう、貴女に会わす顔もありません…」
それ以前にもうどうやっても会えないのが現実なのだが。

ミレイは、これからのことなどこれっぽっちも考えてはいなかった。
過去に縋りながら涙を流すと、疲れてそのまま眠りについてしまった。
0310名無しさん@ピンキー2013/01/21(月) 03:42:10.41ID:dbCYFJ5H
沈夫人の料理人という漫画があってな
金持ちの奥方と天才料理人の主従関係料理モノなんだが

SM臭くてエロい
0312名無しさん@ピンキー2013/02/05(火) 20:39:39.78ID:1X8fRqwJ
韓流ドラマだけど「キング〜Two Hearts」に準主役で出てきた
奔放イマドキ高飛車王女様と石頭の王室近衛部隊中隊長がツボだった…。
途中から見たけど中隊長の石頭っぷりがこれがまたいいんだ。
高飛車王女様も途中で下半身不随になったりとか
どんな時でも冷静で我を失わない
(その冷静さを買われて敵からスカウトされた)中隊長が
最期死ぬかもしれない任務に赴くとき
思い余って初めてキスするところなんかこれぞ主従モノだと萌えてたな


ま、最後中隊長死んじゃったけどな(´д⊂)
0315名無しさん@ピンキー2013/02/18(月) 17:11:44.50ID:YxRVX0FI
>>313
なんでこんなとこにまでチョンとか韓流イラネとか君の信条を持ち込んで罵倒する?
自分はそのドラマ全然知らないが>>312はただ主従スレで主従の話してるだけだ。
ここは主従スレであって嫌韓スレじゃないぞ

「女王様」と「お姫様」って結構似たような立場なのに言葉のイメージが真逆じゃない?
自分はお姫様は守ってあげたくなるし、女王様には踏まれたくなる。
でもどっちも美味しい・・・不思議だ
0316名無しさん@ピンキー2013/02/18(月) 17:58:31.62ID:11/Gzg8b
女王様は傀儡がいい
気弱な女王様を支え自立させつつ操るのがいい
0317名無しさん@ピンキー2013/02/19(火) 19:31:09.36ID:rYtlFip4
>>315
女王様は「王(上に立つ者)」だけど
お姫様は「姫(守るべき者)」だからじゃないか?
・・・なんとなくだけど。

>>316
女王様が肉体を与える代わりに
有能な臣下が国を治めるのに力を貸してくれる
「昼は女王夜は娼婦」的なシチュを想像したw
0319名無しさん@ピンキー2013/02/22(金) 12:46:17.93ID:QAwSEnyP
まだ年若い王女を女王に仕立て上げ、自分は後ろで実権をを握りながら
夜は汚れを知らぬ女王をじっくり開発するエロ宰相とかいいな
女王と宰相が叔父姪の関係とかだとさらに萌える

実は女王の父である先王をこっそり謀殺したのも宰相だったりして
すべては愛する姪を女王にしてその女王を犯すという二重の禁断プレイのため
最初は優しく手ほどきしていた宰相が、女王に父王を殺したのが自分だとバレて
拒絶されはじめてヤンデレに堕ちる展開がいいな
0320名無しさん@ピンキー2013/02/22(金) 13:24:01.26ID:d0wEJcie
NTRになるけど
他人の傀儡になってる女王様を優しく優しく導いてあげて
欲なんかありませんみたいな聖者顔で一人前にして
傀儡にしてた相手も蹴落として脱傀儡
その後女王様が自分に惹かれて自ら手の中に堕ちてくるのを待つのも萌え
0321名無しさん@ピンキー2013/02/22(金) 13:41:48.56ID:QAwSEnyP
>>319
いいねぇ
NTRになるってことは、最初の傀儡主は当然女王様を食っちゃってるよね
導く方のエセ聖者は、自分からは決して手出しをしないんだけど
もう性の悦びを知ってる女王が、前の傀儡主から離れてから禁欲生活が続いてるところに
エセ聖者がさりげないボディタッチとか、気づかれないように罠を貼って
女王様が我慢できなくてお願いしに来るよう周到に仕掛けてるという話を
ねっとり描写で読みたいです

「我慢できないのですか?しょうのない方だ…」みたいなエロ中年どなたかプリーズ
0324名無しさん@ピンキー2013/03/01(金) 01:57:57.47ID:mBq5jfXh
宰相にしろエセ聖者にしろ、女王は歳の離れたおっさんに犯されるわけだ
なにそれ可哀想…だが超萌えるな!
お姫様は気弱で可憐で健気で、庇護欲そそるけど同時に嗜虐心煽る感じがいい
0326名無しさん@ピンキー2013/03/17(日) 20:00:15.69ID:NO15IBFV
エセ聖人がおっさんだったらNTRれる傀儡主はイケメンの方がメシウマな気がするw
0331名無しさん@ピンキー2013/05/27(月) 00:57:21.42ID:2iJizDaR
断裁分離のクライムエッジって結構萌える主従(権利者と代償)多いね
女王様な副会長とSに見えてドMな生徒会長もいいけど
今のところ一番萌えたのは盲目のピアニストと耳の聞こえない男かなー
主人公達は主従に見えないんで割愛するw
0332名無しさん@ピンキー2013/09/05(木) 12:37:45.51ID:GYHqpyjF
保守ついでに人外執事×人造お嬢様のお食事タイム小ネタ
簡単な状況説明
・お嬢様が狙われてるせいでお家壊滅
・逃避行中の戦闘後
・執事は人外パワーで敵を殲滅したけどおなかが空きました
・執事の好物はお嬢様の精気、そのため人間に化けてお家に潜り込んでました
以下本文

「お嬢様、こちらへ」
誘われ、怖じ気づく心を叱咤するため、深呼吸をひとつ。
家があったころと同じお仕着せの服。今は傷を縛るのにタイを使い、首もとが少し乱れている。
柔らかな麦わら色の髪。切れ長の鋭い目元。
片眼鏡で左の瞳は見えないけれど、覗く右目の柔らかさに背を押され、私は踏み出した。
おずおずと、執事の元に足を進める。差し出された手に手を預け、相対したまま立てられた膝に腰をかける。
小柄な私が膝にかけたところで、目線の高さは執事と同じ。彼の、きれいな黄色の瞳を間近に見ることになり、緊張がいや増す。
耐えられなくて顔を伏せる。額にこつん、と当たるもの。執事の額だ。お互いの胸元を覗くような体勢。
「お嬢様」
促され、ドレスの胸元に手をかけ、首に巻かれたリボンを解いた。
指が、肌がちりちりする。彼の視線の圧力を感じるようで、胸が、息が震える。
ひとつ、ボタンを外す。続いてもうひとつ。
三つ目を外すため、合わせに手を入れると軽く前が開く。思わず執事を上目で見遣ると。
彼の視線は胸元にあてられたままだった。前髪から覗く右目が、ほんの少し絞られる。
たったそれだけのことで、背筋にぞくりと震えがはしる。怯えを増した心に倣って、体がすくみ縮こまる。
動きの止まった指に、少し固い声で彼が促した。
「お嬢様」
思い切ってボタンを外し、そっとドレスの前をはだける。木陰の涼やかな風が合間から進入し、頼りない胸元をなでていく。
指先に、皮膚とは違う冷たい感触。目に映るのは胸に埋まる宝珠の硬質な蒼のいろと、皮膚にびっしりと走る魔法陣の刺青。
彼にとっての栄養であり、ご褒美であり、そして私が狙われ、……古き我が家の血統が、私一人を残し滅びた原因。
私はどうやら、尋常の生き物ではないらしい。

「いただきます」

暖かく湿った吐息が胸元を擽る。少しかさついた彼の唇が宝珠に触れ、そっと吸い上げる。
とたんに身体から抜かれる何か。全身を脱力感が覆い、血の巡りだけがはっきり感じられる。熱量と拍動が胸元に集まり、宝珠を介して彼に流れ込む。
それとともに駆け上がる快楽。尾てい骨のあたりからびりびりとしたものが腹を通り背をなぜて頭に溜まり、視界が霞む。
「ふっ……あ」
こらえようとした声は呆気なくこぼれ落ちた。恥ずかしい程欲に溺れたそれに、執事の帯びる気配が一段と熱をはらむ。
「全く、仕様のない方だ」
唇を宝珠から離さないままの小言。伝わる振動に、背を辿る指に、じりじりと体温があがっていく。
ふいに、腰に回されていた彼の腕に力がこもる。私は腰掛けている彼の堅い足にさらに押し付けられることになり、その結果。
「んっ……あ、あ、やぁっ」
幾重もの布越しに秘所へと与えられる感覚に、次々と喘ぐ声がこぼれてしまう。
「ああ、お嬢様。私なぞの膝でそんなに乱れるなど、ご両親が存命ならなんと言われることか。実に淫らで、お美しい」
吸い上げるのは止めないまま、押し付けた膝を緩く動かして。笑顔でそういってくるのを必死に睨みつければ、さらに腰を引き寄せられて。
「あっ…!」
「ああ、その表情は実に良いですね。教え込んだ甲斐があるというものです」
一際強く胸元を吸われ、膝に押し付けられ。全身を縛る痙攣とともに、私の視界は白い闇に染められる。
意識もその中に沈む瞬間。
「やはり貴女の魂は美味ですね。おかげで私は貴女から逃れられそうもない」
自嘲するような執事の声を聞いた気がした。
0334名無しさん@ピンキー2013/10/06(日) 09:46:45.52ID:M7gmZwgs
「お嬢様、保守のお時間でございます」
「えっ…、い、いや…保守は、保守は嫌!」
「何をおっしゃいます。このスレの保守はお嬢様の大切なお役目。
微力ながらこのわたくしめもお手伝いいたしますゆえ、ささ」
「いや…いやぁ…保守なんて恥ずかしいわ…ああっ」
「まだまだです。まだ保守には足りませんよ」
「やめて…ゆるして…あっ!あ…んっ!」
「興が乗ってきたようですね。ではこのあとはどなたかにお任せしましょう」
「いやっ…!…放置しないでぇ…っ!」
「放置ではございません、保守でございます。お次の方が現れるまで我慢なさいませ」
0337名無しさん@ピンキー2014/04/10(木) 21:39:59.65ID:tvSOSsB5
ジョヌシ
0338名無しさん@ピンキー2014/04/11(金) 21:28:04.31ID:RNfuaOPS
だれかいないの?
0339名無しさん@ピンキー2014/04/12(土) 05:37:12.30ID:MQwFEpsK
ここにおります、お嬢様
どうぞなんなりとお申し付けください
0341名無しさん@ピンキー2014/05/09(金) 17:22:59.61ID:a4scgJ1k
お嬢様「……やきゅう……みたい……」
執事「畏まりました」
お嬢様「……」


執事「お嬢様お連れしました」
お嬢様「 ……バッファ……ロー……?( 野獣か!? 使えないやつ)」
執事「野獣牛べえ様です。柳生新陰流の免許皆伝にしてサニー千葉様ともご縁があります」
お嬢様「…………(こいつ使える!)」
0344保守2014/05/25(日) 21:43:21.91ID:OMiYP7l/
「…おねがい…」

切なげにお嬢様が見上げてくる

「自分では、どうしようもないの…このままではおかしくなってしまうわ」

恐る恐る手を伸ばし、彼女に、触れる
撫でるように、その手を動かす

「うんっ…いや、お願い、もっと強く…」

言われるがまま、私は手に少しばかり力を込めてさする

「ああ、もどかしいわ」

お嬢様は胸元のボタンを外し、ブラウスをずらして肩をはだけさせた
身をくねらせるお嬢様の背中から手を差し込み、直に触れる


「あっ…そこ」
「ここでございますね」
「ええ…痒くてたまらないの。自分では届かないんですもの。
もう少し下よ…ああ…そこ。そこよ」

お嬢様は気持ちよさそうに溜息をつく
私は滑らかなお嬢様の背中に爪を立てぬよう、細心の注意を払ってそっと掻く

「孫の手を買っておきますので、次からはご自分でなさいませ」
「なぜ」
「私のような者がこのようにお嬢様のお肌に直に手を触れるなど、許されぬことです」



お嬢様は振り返り、艶然とした笑みを浮かべて言った

「おまえは私の気持ちを何もわかっていないのね」
0345名無しさん@ピンキー2014/05/30(金) 02:32:20.40ID:9vRZZQRf
>>344
小悪魔お嬢ごちでした!
執事の年齢はじいでも若いのでも色々妄想して楽しめますね
0347名無しさん@ピンキー2014/06/05(木) 05:27:15.43ID:42Xkn62Y
「お嬢様、支度はお済みですか」

声をかけて、半開きの扉から部屋へ入ると、下着姿のお嬢様が目に入った。

「まだそのような…
パーティのお客様がいらっしゃる前に身支度をなさいませ。
メイドはどうしたのです」

「下がらせたわ」

つっけんどんな声。
機嫌は最悪のようだ。これは手こずるぞ、と内心腹をくくる。

窓際の肘掛け椅子に腰掛けたお嬢様は、自分の身なりに一切頓着しないまま、
そのまま素足の膝を抱え込んだ。

「……お前は知ってるの?このパーティは私の結婚相手探しのためなのよ」

あられのない姿から目を逸らしながら答える。

「もちろん存じております。
良いお相手が見つかるよう、私も微力ながらお手伝いさせていただきます」
「私は嫌よ」

にべもなく言い捨てる。機嫌が悪い時のお嬢様はいつもこうだ。

「そのようなわがままをおっしゃってはいけません。
旦那様のお顔に泥を塗るようなことはしてはなりません。
当家の令嬢として恥じないよう、きちんとした振る舞いをなさらなければ」

お嬢様はふいと窓の方を向いて、聞き取れるか聞き取れないくらいの小声で微かに呟いた。

「……言われなくてもわかってる、そんなこと」


窓の外を睨みつけ、一つ息を吐くとお嬢様は意を決したように振り返った。

「じゃあお前が着せて頂戴」

「…かしこまりました」

私は床に投げ出されたワンピースを拾い上げる。
肩を出したワンピースのため、お嬢様は胸元はビスチェタイプの下着をつけており、下はショーツだけだ。
このようなはしたない格好でも、お嬢様はまったく意に介していない。
所詮私は異性ではなく、ただの使用人ということか。

背中のファスナーをいっぱいに広げ、ワンピースを床にまるく広げる。
お嬢様は渋々とその中に足を入れた。
ワンピースを持ち上げ、胸のところで体に合わせると、腰からファスナーを引き上げる。
体にぴったりとフィットしたデザインのため難しいが、なるべくお嬢様に直接触れぬよう、よく気をつけながら。
静かな部屋に、ジジジ…とファスナーの音だけがやけに大きく響く。
0348名無しさん@ピンキー2014/06/05(木) 05:28:17.01ID:42Xkn62Y
「これでようございますか」
「パニエを」
「はい」

椅子に放り出された白いパニエを取る。しかしこれはどうすればいいのかわからない。

「どうぞ」

お嬢様に手渡そうとすると、キッと睨まれた。

「私にさせるの?履かせて頂戴」

腰の部分を手に持って広げると、お嬢様が裸足の足をするりと伸ばし、軽やかにパニエの中に立つ。
私の目の前に、美しい脚をわざと見せつけているかのようだ。体の奥でじんわりと生まれる熱に気づかないふりをして、私はことさらに淡々と続ける。

「どうすればよろしいのでしょう」
「ホックがあるでしょう。それを留めるのよ」

といっても、ホックを留めるためにはパニエをウエストの位置まで持ち上げなければならない。

「失礼いたします」

そういってパニエを持ち上げる。服を着せるためだと頭ではわかっていても、お嬢様のスカートの中に手を入れていく様はなかなかに卑猥だ。
パニエを持つ手が、ときどきするりとお嬢様の脚に触れる。自分の手元を正視することができない。

「早くして」
「…お嬢様、申し訳ありませんが少々スカートを持ち上げていただけますか。ホックが留められません」

そう伝えると、お嬢様はスカートをたくしあげてウエストのあたりでまとめ持った。
美しい弧を描いたヒップラインが丸見えになる。
その上を通り過ぎ、ウエストまでパニエを持ち上げると、いくつかならんだホックを留めてゆく。
内心の動揺が指先に伝わり、小さなホックをうまく引っ掛けることができない。

「何してるのよ、遅いわね」
「…は、申しわ…け、ありません」

小さなホックと悪戦苦闘している私をちらりと見下ろすお嬢様の口元に、一瞬ふと笑みが浮かんだ。
…ように見えた。

「靴はどちらになさいますか」

やっとのことでホックを留め終わると、お嬢様に尋ねる。

「それよ。その紅い革の」

それは緋色のドレスに合わせて誂えられた美しい紅い靴だった。
つま先から踵へ美しい曲線を描いて持ち上がり、すらりと細いヒールが全体を締めている。

跪き、靴をやや持ち上げるように傾ける。お嬢様は私の肩に片手を置き、体を支えながらするりとつま先を靴の中に滑らせる。
私の肩に、お嬢様の重みがかかる。お嬢様は怒りにまかせてわざと力を込め、肩においた手をつねるように握り締めるが、さしたる痛みではない。
心地よい重み。心地よい痛みだ。

張り付いたような無表情のままお嬢様を見上げると、お嬢様は私が痛みを全く表情に出さないことが面白くないらしく、
眉尻を釣り上げて見下ろしている。私はその表情の美しさにうっとりと見入った。

ああ、この瞬間、いまこの瞬間で時を止めてしまえたら。
0349名無しさん@ピンキー2014/06/05(木) 05:32:51.16ID:42Xkn62Y
頭をひとつふり、叶わぬ妄想を追い払う。

「お支度はこれですべてお済みですか」
「アクセサリーがそこに」

大きな鏡の下のジュエリーボックスの手前に、イヤリングとネックレスが揃えてある。
ネックレスを手に取り、お嬢様の後ろに回る。

お嬢様は髪をまとめて前に垂らし、うなじを出して見せた。

ネックレスを持った左手を後ろからお嬢様の体に回し、片方の端を右手に持ち替える。
私の腕の中にすっぽりとお嬢様が収まってしまう。
こんなに近くにいて、腕をすぼめたら簡単に抱きしめてしまえる距離で、それでも私はお嬢様にできるだけ触れぬよう注意を払いながら、金属の留め具をつける。
留め具をつけて、ネックレスをそっと首に置いたとき、私の指先がわずかにお嬢様のうなじを掠めた。
お嬢様はぴくりと身じろぎし、ゆっくりと振り返る。

潤んだ瞳が、部屋のシャンデリアを映してキラキラと光りながら私を見上げる。睫毛が濡れているのが間近に見える。

「おまえは……これで、いいの」
「もちろんです」

嘘をつくのは慣れている。
本当の心を隠すのに慣れすぎて、もう自分の本当の望みなどどこにあるかわからなくなってしまった。
それでも。

こんな風にお嬢様に問われると、封印したはずの感情が胸の奥で疼き、鈍い痛みを伴って心臓を締め付ける。

「お嬢様の幸せこそ私の最上の喜びですから」

にっこりと笑いかけたはずが、お嬢様の瞳には、泣きそうに顔を歪めた自分が映っていた。
これ以上はここにはいられない。

「私には髪を結って差し上げることはできませんので、メイドを呼んでまいります」

そう言ってお嬢様から離れる。

お嬢様のなにか物言いたげな視線を背後に感じながら、ドアへ歩み寄り、


そして、閉めた。
03503492014/06/05(木) 06:34:07.93ID:5VH8v3p8
以上3レスです。
注意書きもしてなくてすみません。

1レスで終えるつもりだったのに膨らみました。
0351名無しさん@ピンキー2014/06/09(月) 13:36:24.21ID:8frGWcS9
(心も体も)少し触れたかと思うとまた離れて……を繰り返すところが何ともたまらん!
いい主従でした
GJ!
0352名無しさん@ピンキー2014/06/21(土) 19:18:52.91ID:vYw+zMgo
http://ja.wikipedia.org/wiki/小田切直年
>また北町奉行在任中、10歳の娘かよが19歳の奉公人喜八に姦通を強要し、
>喜八がついに折れて渋々承諾し、行為中に突如かよが意識を失い
>そのまま死亡するという事件

…ゴクリ
0354名無しさん@ピンキー2014/12/11(木) 03:58:03.25ID:OqqckgFZ
他ゲームをやっていて浮かんだ二次ネタですが
冒険者の少女が女神様に気に入られてその下僕の騎士を一人賜って
二人旅をしていくうちにお互い何となく惹かれ合うようになるとか
好意を隠さない主と手を出さないよう必死で耐える騎士の図とか
対等でいて欲しいのに主扱いのまま距離を置かれて凹む主とか
そんな電波を受信した
0355349つづき 1/22014/12/16(火) 21:34:17.19ID:Yr/cXPet
「…遅いわよ」

部屋に入るなり、ソファに身を沈めたお嬢様に睨みつけられる。

「申し訳ございません。ホールの方へ行っておりました」

華やかな宴の終わったあとの館は、残り香のような高揚感が漂い、
0時を過ぎても忙しく立ち働く召使いたちの軽いざわめきに包まれている。

「部屋着に着替えるから手伝って頂戴」

普段は常に誰か控えているお嬢様の部屋にも、今は部屋づきメイドの姿はない。
意に染まぬパーティに機嫌を損ねたお嬢様はことさらに我が儘になるので、
少し放っておいたほうがいいだろうというのがメイド達の間の暗黙の了解のようだ。

「それならメイドを呼んでまいりましょう」
「いますぐ着替えたいの。お前が手伝って」

服の着替えを手伝うのはメイドの仕事である。
女性であるお嬢様の着替えを手伝うなど、本来は男性執事の仕事ではない。
ただ、お嬢様が「私に」命じているのだということはわかっていた。
代わりの者を呼ぶなどと言えば、さらにお嬢様の機嫌を悪くするだけだろう。

息を一つ吐き、ゆっくりと歩み寄った。
私がそばに立っても、お嬢様は身じろぎもしない。

「お疲れのところ恐れ入りますが、お立ちいただけますか」

私の言葉に、お嬢様はけだるげに立ち上がり、私に背を向ける。
が、それ以上は何もせず、棒立ちのまま。すべて私にやれということか。
どうしたものかしばし思案していると、手をだしかねている私に、指示が下った。

「まずネックレスを外して」
「はい。失礼いたします」

お嬢様の長い髪は綺麗に結い上げられており、うなじから肩、そして鎖骨にかけての見事なデコルテがあらわになっている。
うなじにそっと手を伸ばし、繊細なネックレスを持ち上げる。留め金を外し、静かにテーブルに置く。

「それからドレスのファスナーを下ろすのよ」
「はい」

大胆に肩を出したドレスは、背中のカーブにぴったりとフィットしている。
そのカーブに沿ってファスナーをおろし、最後に上のホックを外すと、ドレスがするりと足元に落ちた。
0356349つづき 2/22014/12/16(火) 21:39:32.70ID:Yr/cXPet
「パニエも取って」
「かしこまりました」

これは付けるときに苦戦したものだが、
今度はドレスは脱いでしまっているので、しゃがんで並んだホックを外してゆくだけで良い。
すべて外し終えると、お嬢様は私に一切構うことなくパニエを下に落とした。
とたん、目の前に繊細なレースのショーツに包まれた、美しい丸みを描くお嬢様のヒップが現れる。
薄いストッキングに包まれて、わずかに光沢を放つ肌に触れてみたい衝動を抑えこむ。

「これでようございましたか」
「下着も取りたいわ。背中のホックを外して頂戴」

下着は、肩紐のないブラジャーとコルセットが一体になったようなもので、
これも背中のところに小さなホックが並んでいる。
さすがにこれを外すのは抵抗があるが、私が断ってもおそらくお嬢様は聞き入れないだろう。

「…失礼いたします」

再度断って、ホックを外す。ひとつひとつ外してゆくと、そのたびにわずかずつ下着がずれ、
最後の一つを外すと、弾力のある下着の素材は縮んで元の形に戻ろうとし、滑らかな背中が丸見えになった。

お嬢様は構わず私に背を向けたまま、下着を床に落としてドレッサーに向かって歩き出した。
結い上げられた長い髪を解きほぐしながら部屋の隅の椅子の背にかけたナイトガウンを手に取り、羽織る。
そして少しかがむと、ストッキングを脱ぎ去り、それも床に落としてしまう。
その一連の動作がまるで映画のように美しく完成されており、私は息をするのも忘れて見入っていた。

ガウンの腰紐を縛りながらこちらを振り返ったお嬢様は、木偶のようにつっ立っている私を見て、わずかに微笑んだ。

「どうしたの?ぼんやりとして。らしくないわね」

その言葉に我に返る。そう、私がここにいるのはお嬢様の着替えを手伝うためだ。
お嬢様がくつろいだ姿になった今はもう用はない。
お嬢様の脱ぎ捨てたものを手早く拾い集め、部屋を辞そうとドアへ向かう。

「御用はお済みでございますね。それでは今夜は失礼いたします。お休みなさいませ」
「…待ちなさい」

踵を返してドアノブに手をかけた私を、お嬢様が呼び止める。

「まだ何か?」

私はドアノブに手をかけた姿勢のまま、振り返りもせずに尋ねた。

お嬢様の気配がこちらへ近づいてくる。高級な絨毯に吸い込まれて足音こそしないものの、私のすぐ背後まできたようだ。

「…こちらを向いて」

お嬢様の声が、震えているようだ。怒っているのだろうか。
お嬢様の方へ向き直ると、お嬢様は頬を紅潮させ、唇をキュッと噛み締めて私を睨みつけている。
やはり相当怒っている。理由に心当たりはないが、私は平手打ちを覚悟して、歯を食いしばった。

お嬢様はしばらくじっと私を睨みつけていたが、
…やがて目を伏せ、小さな声で呟くように言った。



「………なんでわからないのよ、バカ」
0358名無しさん@ピンキー2015/03/28(土) 07:35:22.30ID:Z3JjLQ5E
鈍感執事の続報を待ちながらつつ

最近良く広告でみる「毒姫」に出てきた
裏切り者の家系の男と、盲目聾者の姫が萌えたわー
やっと手に入れたのに、手に入れたあとすぐに殺されてそうだけど…
0359名無しさん@ピンキー2015/03/29(日) 00:45:40.34ID:BQpPvNKh
毒姫、広告で気になってたけど主従あるんだ

ジャンボ宝くじの泰造×ジャンボ夫人が好きだわw
タイトルが夫人だけど結婚してるのかな?
お嬢様って呼ばれてるから未婚な感じがするんだけど
0360名無しさん@ピンキー2015/03/29(日) 12:39:21.76ID:tpe6LnAp
いや、すごいサブもサブでちょこっとな出番だけどそれが萌えるんだよー
直接的な絡みで言えば10頁もあるかないかぐらい?




(以下主従に特化したネタばれ)
簒奪した新国王の側についた裏切り者の祖父を持っていたせいで
前国王派からは虐げられていた男が、前国王の息子に忠誠を誓い側近として召し上げられるけど
その元王子がまた国を奪い返すために隣国の水路に毒を流し
それを新国王の所為にして隣国に倒してもらおうと計画するも
その計画は微妙に失敗し、元王子は殺される

それを見て「心の忠誠は別の所に…」と、やっぱり裏切り者の血を発揮し元王子に殉じず
心の忠誠を誓った元王子の妹(元王女)のもとへ
隣国が攻め入ってきてて、屋敷のみんな皆殺しされるなか、盲目聾者の元王女は分らずにのんきにしてる中
元王子が溺愛していたために、簡単に近づく事も出来なかった元王女に男はやっと近づけて
やっと自分だけの…的に悦に入ってるってところで終わり。

勿論、メインの毒姫の話も面白かったけど主従萌えとしてはこっちが気になってもっと見たかったw
毒姫に仕えるメイドと毒姫の関係もよかったなー
0361名無しさん@ピンキー2015/03/29(日) 12:44:00.79ID:tpe6LnAp
>隣国の水路に毒を流し
隣国の水路に毒が流れた事を利用して の間違いw
0362名無しさん@ピンキー2015/05/03(日) 09:58:01.51ID:1av9zd67
鈍感執事です。

いい名前をつけていただきありがとうございました。
少しですが続きです。

347-349
355-356

ときたので、今回は「鈍感執事3」とさせていただきました。
以下356の続きからです。
0363鈍感執事3 1/22015/05/03(日) 09:59:14.58ID:1av9zd67
ぶたれると思って硬直した私の頬に予期した衝撃はなく、

「私がこんなに……勇気振り絞ってるのに……!」

代わりに、私の胸にそっと額を押し当てる、お嬢様の重みを感じた。

「……お嬢様……?」

お嬢様の意図が読めない。
…いや、頭ではうすうす分かりかけている。ただそれを心が信じられないでいる。
自意識過剰からくる自分の愚かしい勘違いではないのか。
私の欲望が生み出した妄想なのではないだろうか。
しかしお嬢様は目の前にいる。手を伸ばせばすぐ届く距離に、潤んだ瞳が揺れながら私を映している。
否定と肯定が頭の中でせめぎ合う。

「お前は…私のことをなんとも思っていないの…?」

そういって、お嬢様は遠慮がちに私の上着の裾を握った。俯いた耳が赤く染まっている。
気位の高いお嬢様にとって、これが精一杯の意思表示なのだろう。
愛しくて、思わずかき抱いて唇を奪ってしまいたい衝動に駆られる。


落ち着け。感情に流されるな。

私はあくまでこの家の雇い人、召使いなのだ。主従の壁を越えるわけにはいかない。
お嬢様の肩に手を当て、自分の体からそっと離す。
動悸に声が震えそうになるのを抑え、必死に平静を装って言葉を搾り出す。

「もちろん、お嬢様は私の最も大切なお方です。誠心誠意お仕えいたしております」

あえて召使いであることを強調するように言葉を選ぶ。

「できるなら、これからもずっと…お嬢様がいずれ良い殿方を夫として迎えられても、
お側に仕えさせていただきたいと存じます」
0364鈍感執事3 2/22015/05/03(日) 10:01:35.67ID:1av9zd67
次の瞬間、弾かれたように顔を上げたお嬢様の瞳に、みるみるうちに涙が溢れた。
ズキリ、と胸が痛む。後悔の念がこみあげそうになる。

「…申し訳ございません」

何に対して謝っているのか、自分でもわからないまま謝罪の言葉が口をついた。

バシン!!

派手な音が部屋に響き渡る。
頬が熱く、少し遅れてジンジンと痛みがやってくる。
視線を戻すと、お嬢様は、大きな瞳にいっぱいの涙がこぼれ落ちそうになるのを必死に耐えていた。

「謝らないでよ…!意気地なし!」

身を翻し、部屋の反対側まで走っていってベッドに飛び込む。

「出てって!!」

その声は、部屋の広さ以上に、遠く感じられる。

「失礼いたしました。……お休みなさいませ」

なんとかそれだけ言って、逃げるように部屋をあとにする。
扉を閉める直前、お嬢様の押し殺した泣き声が耳に入ったが、そのまま後ろ手に扉を閉める。
動悸を抑えられない。ふうっとひとつ大きく息を吐くと、そのままドアにもたれかかった。
耳の奥で、海鳴りのように血液の流れる音を感じる。





目眩がする。
0365名無しさん@ピンキー2015/05/10(日) 14:56:35.63ID:ETr6witI
久しぶりに来たら素敵なシリーズ始まってたーー!
これからの展開に期待
0366名無しさん@ピンキー2015/07/13(月) 03:42:13.27ID:7zd16RrC
鈍感執事さんの続きはまだかな?全裸待機が気にならない時期になっちゃったよ
0372名無しさん@ピンキー2019/02/24(日) 10:49:37.17ID:dzJ0SNRz
昔よく読んでたスレのほとんどがなくなってて
残ってるのはここだけ
0373名無しさん@ピンキー2019/08/31(土) 22:34:48.77ID:lP6RZxLZ
お馬鹿なお嬢様と家庭教師のラブコメです。エロは少年漫画レベル。
NGはタイトルのアリスとエドガーでお願いします。
0374アリスとエドガー(1/6)2019/08/31(土) 22:36:43.96ID:lP6RZxLZ
なんでこんなに馬鹿なのか。

お嬢様のために作ったテストの解答用紙を前に、エドガーは眼鏡を白い手袋の指先で軽くおさえた。
目の回るような珍解答、バ解答の連続。
さらには考えることを放棄したのか、後半の解答欄にはすべて「エジプト」と記入してある。ちなみにテストの科目は理科だ。
もはやここまでくると、勉学の神に見放されているというか、憎まれていると言っていいレベルだ。
そして、その神罰の皺寄せを食らっているのが、足掛け10年住み込みで家庭教師をしているこのエドガー先生なのだった。
怒涛のエジプトを前に採点する気も起きず、とりあえず一筆、stupidと書き込んでエドガーもこのテストを放棄した。
お嬢様と家庭教師の関係も放棄したい、と切に願った。
この時は。

次の日、屋敷内の勉強部屋に向かうエドガーの足が不意に止まった。部屋からお嬢様の明るい笑い声が聞こえきたのだ。
エドガーは神経質そうな細い眉をひそめ、足を速めた。
勉強部屋にはコミック、雑誌、スマートフォン、ゲーム機の類の持ち込みは禁止してある。
教本や辞書以外何もない部屋で一人で笑っていたら、それはお馬鹿じゃなくて単にヤバイ人。
(大方、変なキノコでも食べたのだろう)
うんざりしながらドアのノブに手をかけ、「アリス様」とお嬢様の名を呼びながら開く。
そこで、エドガーの鉄面皮がさらに固まった。
部屋の中には、白い子猫がそのまま人間に化けたかのような幼顔の美少女がいた。
0375アリスとエドガー(2/6)2019/08/31(土) 22:38:17.55ID:lP6RZxLZ
窓から注ぐ午後の日差しを浴びてほわほわと輝く淡い金髪のショートボブ。愛らしい大きな目と、小さな鼻と口が絶妙のバランスで小さな顔におさまっている。
猫のようにしなやかで細っこい体はミニスカートのパフスリーブのワンピースに包まれているが、胸だけがポヨンと大きく、ワンピースの胸の部分のボタンは外れてしまっている。
エドガーの仕える大馬鹿お嬢様の、アリス様だ。
しかし、問題はそこじゃない。
アリスはエドガーの来訪にも気付かず、目の前の男に向かって鈴を転がすような笑い声を上げていた。
もう一人、この部屋には居るはずのない第三者がいる。この、アリスとエドガーだけのためにある勉強部屋に。
「なにそれぇー!面白い!」
アリスは教壇に手を乗せてピョンピョン無邪気に飛び跳ねた。豊かなお胸もポヨヨンと柔らかそうに弾んでいる。
目の前で揺れるたわわな胸に苦笑しながら、教壇に肘を付いている男は白い歯を見せてアリスにウインクした。
「歴史上の偉人ってのは変人も多いんですよ。だからこういうエピソードにはことかかない」
オマケとばかりにモーツァルトの性癖を暴露すると、それにまたアリスはキャーキャー笑う。

なんだ、これはーー。

エドガーがドアを半開にしたまま硬直していると、やっと男がエドガーに気付いた。
「ああ、エドガー先生でいらっしゃいますよね?失礼しました」
人好きのする笑顔で姿勢を正し、握手を求めて歩み寄ってきた。
身長は、エドガーとほぼ変わらない。つまりかなり長身だ。
しかし壮年で細身のエドガーとは違う。二十代半ばの男の肉体は逞しく、ついでに冷徹で常にスーツ姿のエドガーとは正反対で、フランクで温かそうな半袖ポロシャツ姿だった。
「旦那様からお聞きだと思いますが、体験ということで本日こちらにお邪魔しています。アンディです。よろしく」
0376アリスとエドガー(3/6)2019/08/31(土) 22:39:54.49ID:lP6RZxLZ
そこでエドガーは心底後悔した。そういえば昨夜、旦那様からアリスの教育について話があると聞かされていたのだ。
だがしかし例のエジプトエジプトエジプトのせいで聞く気になれず、話は後日にと断っていたのだ。
その話の中身が、目の前にいるこの爽やかな青年だったのか。
新しい家庭教師ーー。
若くて、初日で勉強嫌いのアリスと打ち解けられて、性格が良くて、そして、割りとハンサムなーー。
固まったまま動かないエドガーに困惑し、握手のために手を伸ばしたまま首を傾げるアンディ。てちちとアリスが駆け寄って、その二の腕をとって下げてやった。
「あのね、エドガー先生は潔癖症なの。だからいっつも手袋してるし他人に触りたがらないんだよ。アンディせんせぇは何も悪くないの。ごめんねー」
ピクッ。
エドガーの薄い皮膚のこめかみに血管が浮いた。
アリス様の手が、むき出しの男の腕に触れている。
そして、聞き逃してはならないが、エドガー「先生」と、アンディ「せんせぇ」と、微妙に発音が違う。
今すぐ世界の全てをアルコール消毒したいようなおぞましい不快感を全身にぶちまけられたエドガーは、どうしたかというと。
乱暴に部屋の戸を閉めると回れ右をし、ツカツカとその場を去った。
一般的には、逃げた、という。

「旦那様っ!」
珍しく切迫したエドガーの声を聞き、アリスのパパは驚いてタブレットから顔を上げた。
広間で寛いでいた大富豪パパに、長年1つ屋根の下で暮らしてきた家庭教師が詰め寄る。
エドガーの方がパパより5つほど年が上だから、こんな風に怒りの冷気を発されながら近づかれると、ぶっちゃけ怖い。
エドガーは旦那様のソファーの側に立ち止まると、一度ながーく深呼吸をした。
0377アリスとエドガー(4/6)2019/08/31(土) 22:41:05.76ID:lP6RZxLZ
そして、
「あれは、クビです」
突然の戦力外通告。
「………はぇ?」
困惑するパパにエドガーは畳み掛けた。
「いいですか、あれは、アンディは危険です。アリス様はとてつもなく危険な状況であると断言していい。もう今にもセックスをします。間違いない」
「セッ……?」
「そう、セックスです」
ナニを断言してんだ。旦那様は唖然とした。
「お言葉ですが、アリス様は前代未聞の大馬鹿です。なのに体ばかり恐ろしく淫らに成長なされて。
そこにあのような若く精力的な雄を近付ければどうなるか。馬鹿につけ込まれて数分後にはセックスですよ。そう、セックス」
セックスセックスセックス。怒涛のエジプトに負けず劣らずのセックス連呼である。パパと、そして運悪く広間にお茶を運んできたメイドは凍りついた。
「……いや、お、落ち着いて。あのね、その単語を覚えたての男の子じゃないんだからね、少し控えて……」
しどろもどろでなんとか宥めようとする旦那様を遮ってエドガーはなおも続ける。
「こんな話をしている間にももうアリス様は脱がされています。いや、もう全裸かもしれない。いや、脱ぐのももどかしくて半裸で事に及んでいるでしょう。
いいですか?若い男女が密室にいる、つまり間違いなくセックスをするということです。むしろ、もう現在進行形でセックスしている可能性が非常に高い」
もはや、自らが変なキノコを食べたヤバイ人になり下がったエドガーを止める人間は広間にいない。
(誰か助けて!!)
パパとメイドの無言の叫びを知ってか知らずか、てちち、と可愛らしい足音が近づいてきた。
そこでエドガーの体が跳ね、ようやく口が閉ざされた。
0378アリスとエドガー(5/6)2019/08/31(土) 22:42:13.50ID:lP6RZxLZ
「せんせー!エドガー先生ーどこー?」
アリス様がのこのこやってきたのだ。もちろん、エドガーの妄言のように脱いでなどいないし、性行為をした影も形も見られない。
広間にエドガーの後姿を認めると、「あー!」と嬉しそうな声を上げて駆け寄ってきた。
「先生っ!」と、後ろからハグ。
身長差があるから、柔らかな胸がぷゆんとエドガーの背中の少し低い位置に押し付けられ、甘いシャンプーの香りが立ち上ってきた。
「急にどっか行っちゃうからビックリしちゃったぁ。ね、アリスの今日のパンツまだ見てないでしょ?すっごく可愛いんだからね」
サイドが紐でぇ、フリルがフロントに三段についたエッチなパンツーなのー!なのー…
なのー……
ーー急速に頭が冷えていくエドガーを見上げながら、パパはコソッと呟いた。
「エドガー先生こそ、あの部屋でアリスとセッ……をしているのじゃないかね?」
「…………してません」
目をそらして答える家庭教師の姿に、旦那様もメイドも心の中で思った。いや、なんかやってんだろ、と。
「アンディくんは、クビじゃなくていいね」
「……はい」
旦那様の言葉に、頷かざるを得ないエドガーだった。

「だからぁ、アンディせんせぇは家庭教師って言っても護身術を教えてくれる先生なんだよぉ。こういう教育もレディには必要ってパパがさぁ」
「ああそうですか」
勉強部屋でいつものように二人きり。
エドガーはプイと横を向いたまま、まったく興味がありませんというように眼鏡を拭いている。
今日はアンディに勤め先のお屋敷を見てもらおうということで、アリスに連れられて色んな部屋を見て回っていたのだとか。
0379アリスとエドガー(6/6)2019/08/31(土) 22:43:25.40ID:lP6RZxLZ
そこで、この勉強部屋に入った時に、勉強嫌いだというアリスに対し、持ち前の優しさから社会や音楽のおもしろ小ネタを披露してくれたらしい。
住み込みのエドガーとは違い、彼は週に一度通ってくる家庭教師で、ジャンルも勉学とは無関係。
つまりアンディくんは、エドガーにとってはどーでもいいただの好青年だったのだ。アリスには他にもバレエや声楽などの家庭教師が通いでくる。それが一人増えただけだ。
「それでさ、先生はさっきなんで出てっちゃったの?」
「それでは理科のテストを返却します。0点。馬鹿。テスト用紙の無駄遣い。限りある資源をアリス様のような人間に消費されることに憤りすら覚えます。今すぐ消滅すればいいのに」
「えっちょっと!なんで話変えるの?なんで早口なの?もーテストはいいからさ、パンツゥ!アリスのキュートな紐パン見てよ!」
スカートをたくし上げ、やかましく下着を見せつけてくるアリス。
ここまではいつでもある日常の風景なのに、その日はエドガー自身でも理由は分からないが、思わずそこに手を伸ばしてしまった。
嫌悪と侮蔑の対象のはずのアリス様なのに。潔癖症だから小娘の下着なぞ手袋越しでも触れたくなんぞないはずなのに。
エドガーの手は、アリスのパンツのサイドの紐をピーっと引っ張ってしまったのだ。
下腹部を覆っていたパンツの、蝶々結びで結われていた紐はあっけなく解け、アリスの真っ白い太ももからするりと滑り落ちた。
一瞬の静寂。
エドガーは眼鏡を外していたのでそこにあるものを鮮明に視認できなかったが、柔らで甘そうなマシュマロのような膨らみから、下部に向かって少し割れ目のラインが見えた。
あと、毛は、生えてなかった。
「それではエジプトのテストを返却します」
プイッと目を逸らしたエドガーが告げた。
あまりの出来事に真っ赤になってただ口を開け閉めしているアリスは、お股をスースーさせながら思った。
(先生って、時々アリスよりお馬鹿になる……)


おしまい
0381名無しさん@ピンキー2019/09/03(火) 12:55:06.91ID:lnKo8V4k
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。主役カップルはプラトニック。まだエロなし。
NGは名前欄の「愛人くんと天使ちゃん」でお願いします。
0382愛人くんと天使ちゃん(1/6)2019/09/03(火) 12:56:25.59ID:lnKo8V4k
「愛人枠」というものが世の中にはある。
例えば、四六時中デスクで化粧直しをしているだけなのに、なぜか解雇されずに部署に居続ける綺麗めの女性社員とか。
全然いい成績を出してないくせにずっと一軍でベンチに座っている謎の野球選手とか。
そういう人たちに向けたお下劣かつ辛辣な揶揄の言葉だ。
それは、名のある資産家のもとに生まれ、良家の令嬢ばかりが集う女学園に通うアンジュお嬢様には、まったく縁のない穢れた言葉ーーーーかと思いきや。
お金持ちの世界と愛人とは、切っても切れないものなのだった。


「彼ね、柏木っていうの。今日から貴女付きの執事になるのよ」
アンティークの肘掛け椅子の上でそう微笑む母の傍で、ヘリウムガス並みに軽そうな男がアンジュに「よろしくねー」とヘラヘラ手を振っていた。
「……」
彼女、京極杏種ーー苗字はきょうごく・名はアンジューーは、童顔に無表情を貼り付けたまま、その男を冷たく観察した。
背は高く、すらりと伸びたその足は、小柄なアンジュなら屈めばたやすく股の間をくぐり抜けられそうなくらいに長い。
鼻筋が通ったシャープな顔立ちはそこらのイケメン俳優並み。年は二十代後半くらいか。
でも、なに?その顎髭。
しかも髪は使用人としては考えられないような長さだ。辛うじて色は黒だが、無造作風にワックスで毛先を遊ばせてるのが無性にムカつく。
母から買い与えられたと思しき黒く艶めくスーツもエロく…というか絶妙にだらしなく着こなし、しかも片手をポケットに突っ込んでいやがる。
どっからどう見ても執事ではない。ホスト崩れの遊び人だ。
学園から帰宅してすぐに母の書斎に呼び出されたと思ったら、こんなわけのわからん男を紹介されるなんてーー。アンジュの怒りメーターは見る間に上昇していった。
こっちは1日分の汗を吸った野暮ったいハイウエストの校章入りジャンパースカートを着たままだし、朝にロングヘアを縦ロールに巻いた時のハードスプレーも不快なベタつきと化している。
いつもなら帰宅後すぐに独りでシャワーを浴びて独りで快適なルームウェアに着替えて自室で独りでいるはずなのに。なのになのに。イライライラ。
「…要らない…。執事ならうちにはちゃんと居るもの…」
0383愛人くんと天使ちゃん(2/6)2019/09/03(火) 12:57:57.65ID:lnKo8V4k
アンジュは目の前の不快な光景から顔を背け、書斎の隅に控える真山に視線を投げた。
真山はロマンスグレーの似合う老紳士。この屋敷の抱える無数の使用人の頂点に立ち、長年京極家を支えている正当な執事なのだ。
バトラーが家に何人も居てたまるか。この柏木とかいういかがわしい者は、たとえ下男だとしてもこの屋敷には不必要なのだ。
しかし、真山は静かに苦笑し、首を横に振った。
「だからぁ、真山とは別の、アンジュちゃん専属の執事なのよ」
母が媚びるような声でアンジュを振り向かせる。
「彼はね、近頃忙しくてなかなか家に寄れなかったママが、お外で選びぬいた特別なお土産なの。アンジュちゃんへ、プ・レ・ゼ・ン・ト」
「ってことで、お嬢様ー、今日から俺のこといっぱい可愛がっちゃってねー」
40歳過ぎの実母からの精神的に痛いウインクと、185cm近いデカさのいやげもの押し付けのダブルパンチ。
いやげものからはおどけて投げキッスを飛ばされたので、トリプルパンチかも。
この波状攻撃にはさすがのアンジュの無表情も崩れた。左目の下の泣きぼくろのあたりが微かに痙攣する。
さらに、もうポケットに戻ている柏木やらのその腕だが、先程投げキッスでこちらに向けた時に煙草の匂いが微かに漂ってきた。こいつ、喫煙者か?
もはや何に対して怒りを覚えていいのか分からないほどの不快材料の目白押し。怒りメーターは危険水域に突入した。
ーーと、そこでアンジュは、決して気が付いてはいけないものに気が付いてしまった。
母の白いデコルテにある赤い跡。そして、まさかと思い視線を移せば、柏木の緩く閉めたネクタイのかかるエロくさい首筋にも、それは複数あった。
こういうことには疎いアンジュでも、これはクラスメイトから噂で聞いたことがある。
そう、これは、キスマーク。

メリッ!!!
0384愛人くんと天使ちゃん(3/6)2019/09/03(火) 12:58:50.87ID:lnKo8V4k
アンジュは、椅子とセットで設えられたマホガニーの机に拳を叩き込んだ。
粉砕された木片がパラパラと舞い散る中、硬直している柏木を殺意のこもった目で強く睨みつけ、書斎を後にする。
何が、プレゼントだ。何が、専属執事だ。最近の母がやけに優しくニコニコしている理由はこれだったのだ。
母親の愛人を好待遇で手元に置いておくためのバレバレの方便。
そして、「愛人枠」として自分付きの執事という不要な役職を作られた挙句、そのタバコ臭いチャラ男をそこにねじ込もうとしている事実。
(…ママは…、ママだけはそんなことしないって思ってたのに…)
アンジュの小さな胸の中で、鋭い嫌悪感が抜き身の刃と化してギラリと光った。


残された母親と真山は「あーあ、まーたやらかしたか」と慣れた様子でパックリ2つに割られた机を冷静に眺めていた。
が、この屋敷の新参者である柏木は笑顔を引きつらせて後退りしている。
「ちょ、え……?奥様、何すかこれ?俺のお嬢様になるってコ、ガチでやべーっていうか……」
ドン引きを隠せない柏木の言葉に、母親はウフッと笑った。
「あら言ってなかったかしら。あの子古武術やってて暴れると怖いのよ。いつもムッツリしてて静かに見えるけど、多感な時期だからすっごく血の気も多いし」
ーー狂犬じゃねーか。
柏木の心中の呟きは、今のアンジュの精神状態を的確に表していた。


翌朝、アンジュの寝起きは割と良かった。
6時の目覚まし時計の起動に合わせ、ぱちっと瞳を開ける。昨日テーブルを破砕して多少はすっきりできたためか、ちゃんと眠れた。
0385愛人くんと天使ちゃん(4/6)2019/09/03(火) 13:00:05.01ID:lnKo8V4k
(…あの顎髭は…多分、二度と私の前に現れない…)
寝起きの脳裏にまず浮かんだのは、あのエセ執事のことだった。テーブルを砕いてまで脅してやったのだ。あの軟派野郎には相当効いたはずだ。
ビビって母親の単なる愛人として屋敷外に引っ込むか、昨夜のうちに辞表を残してどこかへ逃げたか。
そんな予想を胸に、アンジュは天蓋付きの豪奢なベッドから滑り降りる。寝間着のベビードールを肩から脱ぎ落としつつ、部屋に備え付けのシャワールームの分厚いドアを開けた。
その途端、モワッとした湯気とザーッと小気味いい水音が部屋に漏れ出てきて、で、反射的にドアを閉めた。
(………………………………???)
あれ?なんで?
だってここはアンジュの部屋で、シャワールームはアンジュ専用で、そのアンジュはまだ入っていない。
なのに、なんですでにシャワーが流れている!?
グワッと勢いよく重いドアを開けて浴室内を確認すると、
「あ、おはよん。ごめーんシャワーお先でーす。つーか何そのパジャマ?下着っぽくね?いいねーソレ俺好みだわー」
全裸のクソチャラ柏木がシャワーを浴びつつ笑顔でお出迎え。
しかも、ベラベラ喋りつつも顎髭周りの無精髭を器用にカミソリで剃っていやがる。
「…なん」
なんでここに。そう問おうとしても、言葉が出ない。
初めて見る異性の裸体。その体の中央にぶら下がる男性器に不可抗力で視線がロックされてしまったからだ。
黒い茂みの下でお湯を滴らせてる、コレ。標準より大きいのか小さいのか、生まれて初めて見るものだから分からない。
でも、愛人業をやってるくらいだから、それなりにご立派ということかーーーーいや、そうじゃなくて。
「お前、死にたいのかっ!馬鹿!」
アンジュは我知らず大声を出していた。
自分自身が柏木を殺す人間のはずなのに、なんだか間抜けな台詞になってしまったが。
0386愛人くんと天使ちゃん(5/6)2019/09/03(火) 13:00:52.62ID:lnKo8V4k
お嬢様の睡眠中に無断で自室に上がり込んで勝手にシャワーを浴び、さらには全裸をお嬢様にお披露目しちゃうという、畳み掛けるような罪状のラッシュ。
殺されたいとしか思えない。アンジュを殺人犯にするつもりか。
柏木は顔下半分の泡をシャワーで流すと、濡れた前髪を気障にかき上げてハッと笑った。
「死にたくはないっすねー。でもまー命は張ってます。10分くらい前かなー、ここに来る前、一応遺書を真山サンに託しました」
遺書。アンジュが微かにのけぞる。
「俺ねぇ、昨日の机バキッ!からもう怖くて怖くって、夜になっても全っ然寝れなくてさー。一睡もしてないの。ほら見て、目ぇ充血してんじゃん?」
って体をこっちに乗り出して近づいて来るな。ご立派がブラブラ揺れてる、揺れてる。
「んでー、明け方までガチで悩みまくって、もうさー、なんかこう、逆に?裸一貫で腹割ってぶつかって行くしかねーなって、そういう結論に達したの。逆にね?」
何を逆にしたの?何を?
おそらく、殺されるか逃げるかの二者択一で瀬戸際まで追い込まれ、徹夜で異常回転でフル稼動した脳からアドレナリンが出まくって、こんな結論になっちゃったのだろう。
柏木はケラケラ笑った。
「だーってこれからさ、いつ殺されるかってビビって過ごすよりさ、早いとこ俺がこーいうキャラだって見てもらって、それでサクッと殺されるならそのほーがいーじゃんって」
ーー確かに、命張ってる。体も張ってる。
アンジュはこの軽薄極まりないチャラ男の中に、謎の漢気を感じて困惑した。チャラいのに漢って、矛盾があるけど。
当初の怒りもだいぶ削がれ、ついでに男性器にも見慣れてきて、アンジュはようやくクソ柏木の顔をまともに見上げて静かに問う。
「…そうまでして…私の執事…やりたいの?」
「やりたい」
目を見て即答され、思わずアンジュはベビードールの胸のあたりをキュッと握りしめた。
胸の内側から、キュッと締め付けられた気がしたからだ。
……こんな風に、はっきりと使用人から仕えたいと求められたことなんてない。
0387愛人くんと天使ちゃん2019/09/03(火) 13:01:37.75ID:lnKo8V4k
ほとんどの使用人はアンジュのことを怖がって近づいてこない。だって、アンジュは抜き身の刃だから。そんなの自分で自覚している。
柏木は、これからも母の愛人を別な形で続けていれば、それなりの金はもらえるだろうに、なんでわざわざアンジュの執事になんてなりたがる……?
柏木はフッと片頬で笑うと遠くを見つめ、穏やかに語り出した。
「俺さー、一人でも多くの奥様達、お嬢様達とヤリたいのよ。そのためにはいいとこの執事のポジションって不可欠なわけ。生まれてきたなら、ヤリたいことヤらないでどーすんのって」
それ、ヤリ違い。
執事をやりたいんじゃなく、高嶺の花々とヤリたい、と。
アンジュは無表情でドバムッとドアを叩き閉めた。
「えー?一緒に浴びようよー!ねーシャーワーアー!」
ドアの向こうからくぐもったバ柏木の呼び声がするが、もう知らない。死ね。死ね死ね死ね。
アンジュは急いでローブを羽織ると部屋から猛ダッシュで出て行った。


ーーアンジュの柏木に対する意識が「殺す」から「死ね」に変化したこの瞬間、柏木は無事生命の危機から脱し、
そしてアンジュの執事の地位を手にしてしまったのだが、当の2人はまだ気付いていなかった。


おしまい
0388名無しさん@ピンキー2019/09/06(金) 10:36:36.71ID:UjfK7b48
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。主役カップルはプラトニック。エロは12から。

NGは名前欄の「愛人くんと天使ちゃん」でお願いします。
0389愛人くんと天使ちゃん(1/18)2019/09/06(金) 10:37:39.98ID:UjfK7b48
アンジュは少し緊張しながら柔らかな絨毯の敷かれた教室へと入っていった。
歩くたびに、まだ慣れないふわふわしたウェーブが制服のボレロの上で揺れて、なんだか胸の中までふわふわしてしまう。
「…ご、ごきげんよう…」
俯きつつ、ちょっとぎこちない声で挨拶すると、すでに登校していたクラスメートから花のような歓声が上がった。
「まあ!ごきげんようアンジュちゃん。その髪型すごく似合っていてよ」
「驚いてしまいましたわ、とても可愛くなられて」
どうやらイメージチェンジは成功だったようで、アンジュはたちまち賞賛するお嬢様達に囲まれた。
(…えへへ)
褒められて、頬がちょっと桃色になる。
そこへ、後から教室に来た1人のお嬢様が驚いた声を上げた。
「ごきげんよ……ってアンジュ!?え!どうしたのその髪?いいじゃないいいじゃない!可愛いわっ」
華やかな顔立ちの美少女がはしゃいで両手を繋いできた。
ボレロの下の紺のジャンパースカートの胸部分をふっくらと押し上げる張りのいいバスト。弾むように明るい声と少し癖っ毛の長めのワンレングス。
アンジュの親友、エミナだ。
「…あの、急に変えたから、おかしいかなって…ちょっと、心配してて…」
照れるアンジュがもごもご言うと、「大丈夫、絶対いい!」と屈みこんで太鼓判を押してくれた。小柄なアンジュと身長差があるので、屈むとブルンと胸が揺れる。
するとなぜか、アンジュの周囲にいたお嬢様方が、エミナに対し「本当に良かったですわね」「エミナさんも肩の荷が降りたわね」と不思議な労りの言葉をかけていく。
エミナも「あー、本当安心……ホッとしたー……」と独り言を漏らしてしみじみと瞳を閉じた。
(……?)
よく分からないやりとりにキョトンとしているアンジュだが、クラスメート達から「いいのよ、アンジュちゃんは気にしないで」と自分の机へとエスコートされてしまった。
0390愛人くんと天使ちゃん(2/18)2019/09/06(金) 10:39:03.09ID:UjfK7b48
自らのお屋敷では抜き身の刀・狂犬であるアンジュだが、名家の子女の集うこの学園のクラス内では可愛いマスコットとして扱われている。
理由は、アンジュの小さなお子様体型と童顔。そしてある方面において「可愛いですわぁ」な存在だから、らしいのだが、アンジュにはその方面が何かすら聞かされていない。
まあ、アンジュだって学園では自然体で過ごせるから狂犬ではない。ーーここには、同じような境遇のお嬢様がたくさんいるのだ。
(…なんにせよ)
アンジュは変身した自分のロングヘアをそっと耳の横で押さえてみた。
ここも、毛先も、あのエロクズチャラ男が触れていた部分だけど。
でも、その男に少し感謝しなければいけないようだ。
バ柏木の長い指がそうしていたように、自らの小さく白い指を髪にやんわり絡めてみるーー


そう、それは、登校するずっと前。
ドレッサーの前に座ったアンジュが、いざヘアセットをとヘアアイロンを取り出した瞬間、チャラ執事がポケットに手を突っ込んだ姿勢で背後から鏡に映り込んで来やがったのだ。
驚いたアンジュがアイロンでぶっ叩こうとするより早く、薄い髭のある形の良い顎を頭の上にノシッと置かれる。
鏡の中に執事とお嬢様による間抜けなトーテムポールが発現した。
「…何…?」
不機嫌を絵に描いたようなむっつり顔で鏡の中の柏木に問えば、柏木は「んー」と思案するような声をあげて、しばし後、
「あのさー、縦ロール、やめない?」と。
アンジュは泣きぼくろのある左目をヒクリと細めた。縦ロールは、アンジュが少しでも憧れの人に近付きたいと毎朝頑張って作っているものなのだ。
たかが昨日今日知り合った母親の愛人野郎になんで口出しされなきゃならないのか。
しかし、それを言う柏木の眼差しが真面目で、いつものヘラヘラ笑いもなく鏡の中のアンジュをしっかり見ていたから、なんとなくキレられなかった。
0391愛人くんと天使ちゃん(3/18)2019/09/06(金) 10:40:15.69ID:UjfK7b48
「ぶっちゃけさー、昨日初めてお嬢様を見た時も思ってたんすよねー。あんっっま縦ロール似合ってないですよねーって」
ーーあ?
「ガッツリコテで巻いたのをスプレーでガッチガチに固めちゃってー。ホントこれ言っちゃうのごめんね?ごめんなんだけどー、マジでバリカタ?みたいなー」
ーーああん?
おい、バリカタって豚骨ラーメンか?あ?やっぱ殺すか?イライラメーター猛スピードで急上昇。
しかし、アンジュの脳天にグリグリスリスリと頬ずりならぬ顎ずりをしている命知らずは怯まない。
鏡の中の柏木の両腕がポケットから抜かれ、背後から抱きしめるようにアンジュの胸元に降りてきてギョッとして身を引いた。
しかし柏木はお嬢様の身体には決して触れず、そこに垂れた長い髪を優しく持ち上げて指先で擦った。「んー柔らかだわー」とか何とか言いながら。
いちいち脅かす男だなと思いつつ、心底ビビったアンジュは硬直していた。男性の腕にこんな風にまとわりつかれるのは人生初なのだ。本当に命知らずだ、コイツ。
頭の上から骨を通ってアンジュに直接柏木の声が響いた。
「髪巻くにしてもさー、俺ならもっと可愛くできマスから、これマジだから。だからさー、お試しでちょっとおにーさんに髪の毛いじらせてみ?」
「…は?」
そこで、やっと柏木はアンジュから頭を離し、肩を抱くようにして直に顔をつきつけてきた。
鼻先でヘラっと笑われる。
「つーかお嬢様ってマジかわいーっすわ!お目目くりくりでほっぺもホワホワだしー。だからもっと似合う髪型あるって、イメチェンしないともったいねーって!」
相手が大嫌いなクソ男だとしても、その言葉が薄っぺらーいチャラいお世辞だとは重々承知していても、男性からどストレートに可愛いとか顔を具体的に褒められるのも、人生で……。
いやいや、歯磨き後でシャワー浴びたての柏木からは煙草の匂いがまったくしないし、触られてもタバコの匂いがうつらないからしぶしぶOKを出してあげるんだ、そうなんだ。
という言い訳を自分にしつつ、アンジュは何となく目をそらしながら首を縦に振った。
0392愛人くんと天使ちゃん(4/18)2019/09/06(金) 10:41:21.70ID:UjfK7b48
柏木はアンジュの髪を手早くいくつかの束に分け、アイロンでそれをサクサク巻いていった。シャワー中に髭剃りしてる時にも思ったけど、基本的に器用で手捌きが良い奴だ。
そして私物であろうワックスを取り出すと、よく両手に絡めて温めて伸ばし、巻いた髪をその長い指でやわやわと解きつつワックスを薄く揉み込み、ごく自然なウェーブを作る。
いつも無理くり斜めにしている前髪も、「地毛茶だしぃーバングは厚めでも重く見えないからそのまま下ろしちゃってー」ということでそのままだ。
すると、どうでしょう。
縦ロールをギッチリ巻いていた時よりも相当巻きを緩めているため、ふんわりと肩まで包んだウェーブで全体的なシルエットは甘く柔らかく、
幼顔に似合う厚めの前髪とアンジュの小柄なスタイルと合わさって、まるでお人形のようではありませんか。
「ほーらきゃわわー!もっ、これガチじゃん!柏木ちゃんてば天才だわー」
と自画自賛するバ柏木に、確かにこれは「ガチだ…」と鏡を見ながらアンジュも呟いてしまっていた。


そんなこんなで、エセ執事プロデュースによってイメチェンしたきゃわわーアンジュは、ちょっと浮かれて着席していた。
そこに、「ごきげんよう」と絹のような柔らかな声がかけられる。見上げれば紗がかかって景色が淡く光った。
「ご、ごきげんよう。千鶴子さん……」
憧れの同級生の登場にアンジュの声は上擦る。
しっとりと自然に斜めに流れる前髪、品良く巻かれた艶々の縦ロール。それらに飾られるのは、クォーターの整った顔立ちと溢れるような慈愛の微笑み。
そう、実はアンジュは無謀にも、この千鶴子さんの縦ロールと斜め前髪を今まで頑張って真似ていたのだ。
マスコット系童顔アンジュと167センチでノーブルな顔立ちの千鶴子さんじゃ元が全然違うから、その真似っこには幸いというか残念というか、誰1人として気付いていなかったが。
「アンジュちゃん。髪型を変えたのね、とても似合っていてよ」
ふわりと首を傾げて微笑まれて、アンジュはろくに返事もできずにふわわと小さな唇を震わせた。天にも昇る心地である。
千鶴子さんはゆったり流れるような美しい所作でアンジュの後ろの席に着席する。その拍子に彼女の髪や制服からえもいわれぬ芳香が漂ってきた。
0393愛人くんと天使ちゃん(5/18)2019/09/06(金) 10:42:27.19ID:UjfK7b48
「ああん…千鶴子さん……今日も麗しいわ……」
他のクラスメートからもうっとりとした溜息が漏れる。優しくて美しい、我が校の聖女様。
(…髪型を真似するのはもう諦めたけど、この髪型を千鶴子さんが褒めてくれたから、もう…もう…!)
ありがとう、クソ野郎。


「皆様、そろそろ授業の準備をなさったほうがよろしくてよ」
最前列の席から学級委員の撫子さんが静かに告げると、みんな「はぁい」と返事をして慌てて着席。机に教本やノートを用意する。
撫子さんは別段命令口調じゃないのだけれど、ちょっと逆らえないような厳しさがどこかにある。
長い緑の黒髪を下の方でお団子にし、銀のフレームの眼鏡をかけた地味めの女の子。ニコニコ笑っている所を見たことがないし、、常に冷静でどこか冷たい印象があって、ちょっと怖い。
アンジュも授業の準備をした。ゴソゴソとスクールバッグを漁る。
基本的に忘れ物なんてしないアンジュだけれど、今日は何度も指差し点検したから必要なものは全部揃っているはずだ。
理由はもちろん、バ柏木。
学園について来ようとするあのエセ執事を止めるのは大変だった。屋敷の正当な執事、真・執事の真山になんとかあやつを押し付けて振り切ってきたが。
もしもアンジュが屋敷に忘れ物なんてしようものなら、鬼の首を取ったように「お嬢様、忘れ物をお届けに参りましたケケケケケ」と現れるに決まっている。それだけはさせない。
「一人でも多くのお嬢様達とヤりたい」とハッキリ宣言している危ない野郎を、乙女の園に近付けるわけにはいかないのだ。
ゴソゴソ。
あれ?
ゴソゴソゴソゴソ。
ない?
0394愛人くんと天使ちゃん(6/18)2019/09/06(金) 10:43:26.01ID:UjfK7b48
アンジュは焦ってスクールバッグをガバッと拡げて中を見た。
ペンケースがない?
指差し点検した時はあったのに!?あれ?なんで?
アンジュは、この「あれ?なんで?」の感覚に、今朝のシャワーの件を思い出してハッとした。こういう不可思議な事態を起こすのはあのクソ執事……。
(あいつ!ペンケース盗ったんだ…!!)
そうアンジュが気が付いたのと、教室の分厚い押し戸が開かれたのは同時だった。
クラス全員の視線がそこに集中する。
「お嬢様ぁー、って言ってもここにいらっしゃるのは全員お嬢様っすよねぇー」
身長184cm、艶めく黒いスーツをだらしなく着崩す均整のとれた体躯。顔はイケメン俳優並みのホスト風顎髭野郎の登場である。
「ごめんなさいねー突然。ウチのお嬢様が忘れ物しちゃってー」と、クラス全域に向けてヘラヘラと手を振る。
「ワタクシは京極家の新米執事の柏木と申します。どうぞ皆さんお見知り置きを」
そして、胸元から気障な仕草でカードを出して唇の下にそっと押し当てた。すごく、エロくさい。
あれは、生徒の家の使用人が学園に入るために必要な特殊なカードだ。もちろんアンジュは与えていない。持っているのは真山だけのはずーーーーこれも、盗ったんか。
クラスのあちこちから「きゃっ殿方!」とか「やぁん」とか「んまぁ…」とかいう様々な声が上がった。
絶望に白眼を剥きかけているアンジュを教室後方に見つけると、「あ!お嬢様ぁ」とニッと笑った。後ろの尻ポケットから、うさぎ型ペンケースをホイッと出してみせた。
「ほらーうさぎさん。もーお嬢様はうっかりさんでしょうがないなー」
ゴミクズ窃盗犯がその長い足でアンジュの席まで向かいかけた時、最前列の女生徒がスックと立った。
「お引き取りになって」
「撫子さん!」
アンジュも、他の多くのクラスメートもその名を叫んだ。
「玄関付近以外の校舎はすべて男子禁制ですの。すぐにお引き取りいただけるかしら?」
0395愛人くんと天使ちゃん(7/18)2019/09/06(金) 10:44:20.26ID:UjfK7b48
静かなのに毅然とした響き。両手を前で組み、クラスメート達を守るように背筋を伸ばし、一人、上背のある男の前に立ちはだかるその姿。
アンジュを含む大勢のクラスメートは胸を震わせた。
撫子さんは、名実共に学級委員だった。このクラスを監督し、風紀を守る柱。ただ冷たく怖いだけの女性じゃないのだ。
こちらに背を向けていて表情は見えないが、斜め後ろからわずかに見える面は凛として美しかった。
柏木は撫子さんにほんの一瞬目を細め、すぐに「そうでしたか、大変失礼致しました」と頭を下げた。
その時、アンジュの背後から絨毯の上で椅子を引く僅かな音が鳴った。
「お待ちになって」
その優しげな絹の声に、今度は「千鶴子さん!」と全員がクラス後方に顔をやった。
千鶴子さんは神々しいまでの麗しい立ち姿で、ペンケースを預かり振り向いた撫子さんと、手ぶらになってポケットに手を突っ込んでいるチャラ男に美しい視線を送る。
そして、首を傾げてふんわりと微笑んだ。
「そのお方、まだ新米なのでしょう?こちらの決まりごとをご存知ないのも仕方ありませんわ。お可哀想よ」
嗚呼。次にアンジュ達を震わせたのは、聖女様からの慈しみの言葉だった。
謎の乱入者にすら救いの手を差し出すその心。千鶴子さんはどこまでも優しい聖女だった。
クラスメイトが見守る中、凛とした撫子さんと優しい千鶴子さんはしばらく見つめあい、そして軽く頷きあった。どこかで落とし所を見つけるようだ。
撫子さんが銀縁眼鏡を光らせながら向き直り、「玄関近くに使用人のための部屋がありますの。そちらに行かれてはいかがかしら?」と妥協案を提案すると、
「あー、玄関の近くにあったあの部屋かー。いやー、混み混みでちょっと座る場所無かったです」と前髪を掻き上げる柏木。
「でしたら、校庭の噴水近くに東屋がありますわ。あそこならきっと空いていますもの。そちらでしばらくおやすみになるといいわ」
千鶴子さんがニッコリ微笑み、撫子さんも頷いた。一件落着。
柏木は二人に「ありがとうございました」と丁重に頭を下げ、意外と大人しく教室を後にした。
こうして、撫子さんと千鶴子さん。まったくタイプは違うが、美しい二人のお陰でものの数分で事態は解決した。
0396愛人くんと天使ちゃん(8/18)2019/09/06(金) 10:45:25.70ID:UjfK7b48
「お二人とも素敵……」そう呟く声がそこかしこであがり、アンジュもうんうんと頷いていた。


ゴミクズの尻の温もりの残るうさぎペンケースを撫子さんから受け取り、その後の授業を無事終えた後の短い休み時間。
アンジュの机はすぐさまお嬢様達から囲まれた。
「アンジュちゃん!わたくし今日は貴女に驚かされてばかりよ。すごい執事を雇ったものですわね」
「ねえ彼……柏木さん、だったかしら?まさかアンジュちゃんがご指名したの?」
「ちょっと!真山さんは?真山さんはどうしたの!?京極家の執事は真山さんでしょおぉぉ!!!」
怪しい執事に興味深々なお嬢様、アンジュの真意を探るお嬢様、最後の悲痛な叫びは枯れ専の(枯れ専という単語の意味はアンジュには不明なのだが)真山ファンのお嬢様だ。
でも、アンジュは、
「…ごめんなさい…」
いくら撫子さんと千鶴子さんが防いでくれたとはいえ、子羊の群れの中に飢えた狼を乱入させてしまった責任を感じ、小さな体をさらにちんまりさせて頭を下げた。
ちんまりしたままアンジュは、ペンケースの中に折りたたまれて入っていた京極印付きの正方形の付箋を取り出し、皆様に見えるように広げて机中央にツツツと押し出す。
そこにはペン習字のお手本のような書跡で、
『杏種様 本日は柏木くんにお使いを頼みました。私の独断で、まことに申し訳ございません。』
正真正銘、真山の筆跡だった。おそらく「わーこれはお嬢様の忘れ物だーどうしようー」とペンケースを手に棒読みで屋敷でニヤつく柏木に、カードと共にこの文を託したのだろう。
しかしまた、なんで……。真山の真意がまったく読めない。
「あらあら」と面白そうに身を乗り出してその文を興味深く眺めるお嬢様達。
しかし、「これ真山さんの字?真山さんよね?直筆よね?いただけるわよね?」と返事も待たずに枯れ専様がものすごいスピードで付箋をむしり取っていってしまった。
「愛だわ…」と、付箋をくんくんしながら幸せそうにバレエのステップで舞うその姿を、その場のお嬢様達は見守っていた。
0397愛人くんと天使ちゃん(9/18)2019/09/06(金) 10:46:24.52ID:UjfK7b48
「ンあぁーん加齢臭がするぅーふふふふぅ」って、いや、それ万年筆のインクの匂いだから。
(…ん?)
みんなの視線が机から外れたその時、アンジュはまだ付箋が机に張り付いているのに気がついていた。
アンジュも今の今まで知らなかったのだが、付箋は元々2枚重ねられていて、そのうち1枚目を彼女が剥がしていったらしい。
2枚目にも真山の文字は続いていた。
アンジュは机から剥がした文を眼前で読むなり無表情をわずかに崩し、困惑したように首をひねったり華奢な眉を上げ下げした。
予鈴が鳴りだしたので、2枚目の文の存在にも、それを読むアンジュも気が付かず、机を囲んでいたお嬢様達の輪は解けて消えた。


「ねえアンジュ、これ何使ってるの?手触りいいね」
「…ワックス…かな…商品名とか…分からないけど…」
放課後、エミナと並んで校庭の木陰のベンチに並んで座る。一緒に購買部で買った新味のピーチフロートはなかなか美味しい。
アンジュはか細いあんよをちまっと、エミナは健康的な長いおみ足を大胆に組んで、野暮ったい七分丈のジャンパースカートからそれぞれに覗かせている。
エミナの撫でるアンジュの天然の茶髪は、こうして外で光を浴びるとさらに色素を薄くする。ゆるいウェーブと似合っていた。
そして、手触りがいいとエミナが褒めてくれているように、バ柏木のワックスはベタつきもなく良い感じに馴染んでいる。あのクソと同じ物を使ってると思うと複雑な感情になるが。
エミナは不意に悪戯っぽく片目を閉じて覗き込んできた。
「その髪さ、あのホストみたいな執事さんがやってくれたんでしょ?ワックスも彼の。当たり?」
プピピッ
鋭く言い当てられ、アンジュはフロートを飲んでいたストローに息を噴射してしまった。
「…えっ…な、なんで…」
0398愛人くんと天使ちゃん(10/18)2019/09/06(金) 10:47:29.02ID:UjfK7b48
泡立ってしまったピーチフロートを両手に隣を見上げれば、少し寂しげな笑みがある。
「だってアンジュのとこって、身の回りのことやってくれるメイドさん……いないんでしょ?」
そう。普通のお嬢様なら、メイドやスタイリストに朝に髪をセットしてもらって登校してくる。しかし、アンジュの屋敷では抜き身の刀を怯えてメイドが近づかない。
だから、いつも独りで頑張って縦ロールを巻いていたのだ。
「あのホストさん、お調子者でズカズカ入ってくるタイプだし、アンジュにも物怖じしないじゃない。だからその髪も彼がやってくれたと思って」
はい、その通りです。
恥ずかしいので目線をそらし小さく頷くだけで、ストローをちうちうする。
さすがは親友。エミナはアンジュのことをよく分かっている。
アンジュとエミナは見た目も性格もまったくちがうし、なぜ仲良しなのか周囲から不思議がられることもあるが、理由は簡単、名前だ。
漢字で杏種と書いて読みは片仮名でアンジュ。そのまんま片仮名でエミナ。ちなみに双方、ハーフでもなんでもない。
さらにはアンジュはフランス語で天使の意味なので、ちょっとアレなものがある。
昨今のキラキラネームに比べたら何でもないような名前に思えるが、学園で薫子さん、撫子さん、千鶴子さん、櫻子さんらに囲まれている本人達はどうにも肩身がせまかった。
そんな2人は同じ辛さを背負う者同士、自然とくっついてしまったのだ。
「ホストさん、悪い人じゃないんでしょー?悪い人ならアンジュの古武術でもう殺されてると思うのよ」
「ん…あのね…それなんだけど…」
アンジュはスカートのポケットから例の2枚目の付箋を取り出してエミナに見せた。自分だけではちょっと理解しかねる内容だったので。
真山の字で、
「柏木くんは、お相手がそう望まぬ限り決して他人様には触れません。悪い人ではございませんので、ご安心くださいませ。 真山」
と。
エミナはお行儀悪くストローをカップから外してくわえつつ、ふーんと唸ってそれを読んだ。
「つまりぃ、アンジュは柏木くんに触られるのを望んでたのね」ニシシ
0399愛人くんと天使ちゃん(11/18)2019/09/06(金) 10:48:27.66ID:UjfK7b48
「っ…違う…」
それは勘違いだが、思わぬ墓穴を掘ってしまったようだ。なぜか顔が熱いので、急いで冷却しようとアンジュは急いでフロートを啜った。
「ぢゅ…」
吸ってる途中で思い出す。
「ねえ…エミナ、朝に…みんなからホッとしたでしょ、とか色々言われてた…。あれ何…?」
プーッ
エミナの口から吹き矢のようにストローが噴射された。
どうやらこちらも触れられたくない話題だったらしい。
「あ、あれね。アハハ」気まずそうに笑いながら芝生に突き刺さったストローを回収し、「もうイメチェンしたし、いいか」と腹を括って横に座り直すエミナ。
「あのね、実は私、クラスのみんなから頼まれてたのよ」
「……?何を…?」
「今までのアンジュの縦ロールってさ、ガチガチに固めてて、あの…一部でね、バリカタとか呼ばれてたのよ。陰口じゃなくてぇ、マスコットを可愛がる感じで呼ばれてたんだけどね」
バリカタ。
本日2回目のバリカタいただきました。
柏木の指摘の正しさをお嬢様達からも突きつけられ、アンジュはまたしても白眼になりかける。
「それでね、あまりに縦ロールのバリカタ具合がおかしいから、みんなが私にそれとなく、アンジュに縦ロールの巻きを直すように言えって」
アンジュちゃんと一番仲良しなのはエミナさんなんだから、バリカタが粉落としになる前に、エミナさんからアンジュちゃんにさりげなく言ってさしあげて?ーーだそうで。
どこまでも豚骨ラーメン。もう何も見たくない。聞きたくない。
「アンジュって結構傷つきやすいし、言いづらくて困ってたのよ。でも良かったじゃない!これからはずっと柏木くんに髪の毛やってもらえるし。ね、アンジュ!」
親友の向日葵のような笑みに、とりあえず死んだ目で頷いておいた。
0400愛人くんと天使ちゃん(12/18)2019/09/06(金) 10:49:37.53ID:UjfK7b48
ーーー東屋の裏手、目立たない箇所に死角のようにある薄暗い小部屋に、彼女達はやってきた。
「お待たせしてしまったかしら」
銀縁眼鏡を外しながら撫子様が言う。柏木はポケットに手を突っ込んだまま、寄りかかっていた壁から背を離し笑って首を振った。
「ちゃんとお昼ご飯は召し上がれて?」
そんな柏木のネクタイを慣れた手つきでほどきつつ、千鶴子様も気遣ってくれた。
「はい、使用人用のカフェでいただきました」
ジャケットを脱がされ、シャツ越しにもわかるたくましい胸板を晒しながら、柏木のその胸に暗く甘いものが広がる。
ーー朝、教室に踏み入ったあの時、皆に背を向けて立ちはだかった撫子様は、柏木だけに見えるようにチロリと赤い舌で自らの唇を小さく舐めた。
ーーそのすぐ後に立ち上がった千鶴子様は、クラスメイトの視線が自らに集まる前に柏木に向けて自らの乳首を制服の上からそっと撫でて見せた。
まさか、初日にいきなり2人も、お誘いのサインをいただけるとは。
他にも物欲しそうな顔をしていたお嬢様は何人もいた。彼女達の名前はまだ分からないが、時間の問題だ。彼女達も、すぐーー。
形のいい白い歯を並べた柏木の口がニイと笑った。
ひっつめの髪をほどいて黒髪を気だるくかきあげる撫子様に、ボレロを脱ぎながら千鶴子様が微笑む。
「まさか撫子さんも私と同じだとは知りませんでしたわ」
「私のほうは薄々気付いていてよ」
「まあ、さすがは委員長ね」
くすくすと花のような笑みが2人から零れる。あどけなくて愛らしい、底なし沼のようなガールズトーク。
教室での姿とは豹変した撫子様だが、その逆らえないような厳しさは変わらない。柏木の肩を静かに押すと、その長身を小屋の床に押し倒した。
0401愛人くんと天使ちゃん(13/18)2019/09/06(金) 10:50:36.45ID:UjfK7b48
千鶴子様が倒された体の上に乗り上げて脱がしてくれるから、柏木はされるがままになりながらも2人が制服を脱ぐのを手伝う。
「もう屋敷の使用人は食べ飽きてよ。新しいモノが欲しかったところなの」
「貴方は良さそう……楽しみ」
脱がせば脱がすほど、若い体から発される愛液の匂いが強くなる。
柏木が自らベルトを外そうとすると、千鶴子様の柔らかな手に止められた。
「貴方、プロなのでしょうけど、執事は新米なのでしょう?なら今日は私が攻めていいかしら?」
聖女のような微笑みの瞳の奥にドス黒いほどの欲がある。
「賛成よ。じゃあ最初は千鶴子さんにお譲りするわ。でも、ちゃんと一緒に愉しませていただけて?」
乱れた髪を妖艶に垂らし、撫子様が再び舌舐めずりをした。
「お望みのままに」
そう笑う柏木の喉を、首を、我先にと2つの可憐な唇が貪っていく。
すべて脱ぎ捨てた2人の肌は、薄暗い室内でもほの光るように白い。その艶やかさ、瑞々しさを競い合うかのように、柏木の逞しい体の上に2人の裸が絡みついてきた。
千鶴子様に暴かれた下半身にむしゃぶりつくように2人の舌が這う。甲乙が付けられぬほどに彼女達の口陰は上手い。
撫子様の赤く薄い舌に亀頭の先端をチロチロと弄られ、裏筋は千鶴子様のふっくらと肉厚な舌にふんだんに唾液を塗りつけられる。
かと思えばすぐさまカリの下の弱いところに音を立てて口付けられ、同時に陰毛近くからズルズルと舐め上げらる。
背筋から腰にかけて、もはや悪寒にも似たような深い快楽が這った。
(たまらねえな……)
柏木は喉を逸らして浅い息を繰り返した。自身を少女達に食まれる快感に笑みが止まらない。
こうも巧みな舌を同時に二箇所、あちこちから受ければ流石に屹立も早い。
2人掛かりで硬く育てた柏木のそれに満足し、千鶴子様は床に落ちている自らの制服から取り出したコンドームを、その口と手を使って素早く着けてくれた。
0402愛人くんと天使ちゃん(14/18)2019/09/06(金) 10:51:31.95ID:UjfK7b48
「あむっ……ちゅ、大きいのね」
「太い…美味しそう……」
濡れた吐息で笑い合うと、順番通りまずは千鶴子様が跨ってきた。
ふくよかな乳房と大きめのぷっくりとした淡い色の乳首。そして、なだらかな腰の線が美しい。
それでもまだ発展途上であろう裸体にこうして悠々と見下ろされると、ゾクリとする倒錯感が媚薬のように身を蝕む。
触れてもいないのにすでに溢れるほど濡れている千鶴子様が、有無を言わせずに柏木を飲み込んだ。
「…ッ!」
柏木の眉間に一瞬皺が刻まれ、腹筋が波打った。
ザラつく内側がまるで1つの生き物のように動いていた。
(すっげ……)
まるで男を堕とすためだけに存在する小さな地獄の穴のように、そこは蕩けるように柔軟に蠢く。無数の小さい何かが絡みつき、絞り上げているかのようだ。
「あっ…これ、いいっ…太いの好きっ……」
千鶴子様も自らを割り開く柏木の剛直を堪能し、笑った口から唾液を零した。
ゆるりと自ら腰を動かし出した千鶴子様を羨ましそうに眺めていた撫子様だが、柏木が腰を抱き寄せてきたので、切れ長な目を満足気に細めた。
「ちゃんと同時にできて?」
そんな挑発に、そろそろと指先だけで脇腹を優しく撫で上げることで応えてやる。薄い唇から鼻にかかった声が上がった。
たっぷりとボリュームのある千鶴子様の躰とは違い、撫子様は細く痩せている。乳房も、赤い乳首も小さめで、固い果実のような印象だ。
だが、触れれば弾むような柔らかな筋肉の感触があった。腰から下を千鶴子様の欲に嬲られながら、柏木は丁寧に撫子様の身をほぐした。
胸を、その先端を、腹を、太ももを大きな掌と長い指でじっくりと愛撫し、散々焦らしてから下腹部へと手を差し込む。
「んぅっ…いいわ…」
0403愛人くんと天使ちゃん(15/18)2019/09/06(金) 10:52:37.76ID:UjfK7b48
花弁を指の腹で優しく優しく撫でてやる。陰核も親指で可愛がるように触れつつ、十二分に濡れたそこにようやく長い指を押し入れた。
声にならない悦びの声が撫子様の喉を震わせる。
親指での刺激もそのままに、器用な指は花弁を割り開き、くすぐり、差し入れた指が撫子様の弱点をゆるゆると探す。
あるポイントで撫子様の体が引き攣る。柏木はそこをやわやわとリズムをずらしながら巧みに弄る。
「こちらが宜しいですか?」
荒い息の下から柏木が問えば、身を跳ねさせながら撫子様が嗤う。
「はっ…!あ!お上手なのね…。っ!んっ!」
快楽に上気する撫子様の菊門に、濡れた指が伸ばされた。
「ひっ…」
息を飲む音。淫乱なお嬢様でも、後ろの穴は未体験という場合は多い。撫子様もその1人のようだ。
さて今日は責めても良いものかと思案した柏木だが、千鶴子様の腰の動きが激しくなり思考が止まる。
ヌチュヌチュと激しい音を立てて柏木自身に絡みつく快楽の門。
見上げれば、縦ロールとたわわな胸を弾ませ、夢中で柏木の杭を体内に打ち込む聖女の姿がある。
視覚に焼きつくあまりに強烈なその光景に、柏木は千鶴子様の中に破裂したように射精した。
反射的に目元を手の甲で覆い、歯をくいしばる。体中のすべてを搾り取られるような、そんな錯覚をするほどの快楽だった。声が出なかったのが不思議なくらいに。
ほぼ同時に達した千鶴子様は、天に向かってほー……っと熱く細い息を吐いていた。反り返る喉にまで絡みつく唾液の線がいやらしい。
「……千鶴子様…お綺麗です」
その腰に手をあてがい、素直に賛美する柏木に、ふわりと顔を戻した千鶴子様が微笑んだ。
緩慢な動作で柏木を引き抜き、柏木の太ももに跨ると大量の白濁を受けたコンドームを楽し気に引き抜く。
「あっ…次私なのに…そんなにお出しになったら……」
0404愛人くんと天使ちゃん(16/18)2019/09/06(金) 10:53:31.51ID:UjfK7b48
蕾を柏木に弄られながらも、撫子様が残念そうな声をあげる。
「大丈夫ですから、撫子様もどうぞ」
肘を立て、わずかに身を起こした柏木が撫子様の股間から手を引き抜く。
その汚れた手の平を差し伸べれば、撫子様は挑戦的に笑ってその手を取り、赤い舌で自らの零した口周りの唾液を舐めとった。
あれだけたっぷりと射精をした後でも太く脈打っている柏木に「まあ…」と感嘆の声を上げ、千鶴子様が撫子様のために次のコンドームを着けてくれた。
撫子様は柏木の手を支えに跨ると、そこに花弁をあてがい、息を吐きながらゆっくりと腰を落とした。
相当使い込んでいるのか、細い体とは裏腹に柔らかくゆるゆるとした温かな内部が柏木の杭を包む。
と、唐突に撫子様のお尻の筋肉がキュウと凄まじく収縮し、中も思い切り締め上げられた。
「アッハ…!」
あまりの衝撃に笑ってしまう。手の甲で目元を隠し、柏木は快感に喉仏をひくつかせた。
「ぁっ…んっ……いかがかしら…っ?」
また内部をゆるゆると緩ませ、急に思い切り締め上げていたぶるように上下に揺すられる。今度は太腿と膝までがビクッと痙攣した。
(すっげ…これっ、変になるわ)
わざとだ。撫子様はこうしてギャップを与えて男で遊んでいる。いつも地味な眼鏡とひっつめ髪でいるのも、全部このためだろう。
「ふふ、柏木さんって感じちゃうと目を隠してしまうのね」
可愛らしいこと、と千鶴子様に意地悪くその手を引き剥がされた。
千鶴子様の手を取って甲にくちづけ、そして豊かな乳房に手を伸ばしふっくらした乳首を愛撫していると、また不意に緩急を付けて強く絞られる。
「っく」
目の前がチカチカする。
愛おしむようにやわやわとぬかるみに包まれ、急に乱暴なほどにキツく絞られしごきあげられ、背骨から尾骶骨までを甘い痛みを伴った快楽が走る。
0405愛人くんと天使ちゃん(17/18)2019/09/06(金) 10:54:28.57ID:UjfK7b48
「これっ、美味しっ……!はぁっ!んっ……いいっ!よくてよ…っ!」
目元を朱色に染めた撫子様が自らの快楽を求めてその緩急を早めた。
千鶴子様の蜜壺を指で丁寧に愛しながらも、こんな刺激じゃ次の射精も早いだろうと柏木は笑った。
赤い乳首を残像を残して揺らせながら、柏木の上で一心に腰を降る撫子様の姿を見上げれば、こちらのお嬢様の方の絶頂ももうじきのはずだったーーー


アンジュが自室のソファーで困っていると、ノックもせずにドアが開かれた。
「ただいまー!お嬢様!」
なぜか超ご機嫌のバ柏木。
ここはお前の部屋ではない。何がただいまだ。アンジュはむくれて無視してやった。
元気な柏木は「えー傷つくー」と胸に手をあてておどけて見せる。
「お嬢様の可愛い執事が帰ってきたんだよ?おかえりのキスとかは?」
あったらすごいわ。そんなもん。
フンッ。アンジュはソファーにうつ伏せに寝っ転がって、クソチャラの言動を完全無視する姿勢を取った。
柏木はソファー前のローテーブルに置かれたピーチフロートだったものに気付き、「んー?何これ?溶けてるけど飲みかけー?」と聞いてきた。
そうだ。アンジュは頑張ったけど飲み干せなくて、水滴で滑るピーチフロートを両手で持って、一人で屋敷に帰ってきたのだ。
一緒にいたエミナは「柏木くん迎えに来るんじゃない?彼に持たせれば?」と言ってくれた。
でも柏木と一緒に帰りたくなんてなかったし、それに案の定というか、エセ執事はどこで油を売っていたのか、アンジュの帰宅からかなり遅れてこうして帰ってきた。
溶けたフロートを帰ってからもちうちう吸っていたが、飲み飽きたしなかなか量が減らないしもう温くなってくるし。
そこにペンケース窃盗犯の馬鹿クズが帰ってくるしでアンジュはむくれているのだ。
0406愛人くんと天使ちゃん(18/18)2019/09/06(金) 10:55:12.01ID:UjfK7b48
「これ、もう飲まないっすか?」と柏木の声が背中に落ちてくる。
エセ執事でも片付けくらいはしてくれるらしい。無視を決め込んでいたアンジュだが「うん…」と小さく返事をした。
しかし、「じゃー俺飲んじゃうねー」
え?
ギョッとして体を起こし見上げると、柏木はアンジュがちうちうしていたそのストローに唇を重ね、ズズズズーッと景気良くそれを一息に飲み干した。
「へー割と上品な甘さっつーか、温いけどまー飲めなくはないっすねー」
と片手で空容器をプラプラ降る。
しばし固まっていたアンジュだが、やがて弾けるように立ち上がって柏木から容器をひったくった。
「え?だってお嬢様が飲まないって言うからさー」
そうじゃない。アンジュが口をつけていたストローに、柏木が口をつけたら、それって……!
「かっ…間接キス…した…っ!バカバカバカバ柏木っ!」
涙目で真っ赤になって、アンジュは部屋から猛ダッシュで逃走した。もう、信じられない。最低最悪。バ柏木!死ね死ね死ね!!


残された柏木は呆然と立っていたが、やがて、ぺちんと顔半分を手で押さえてソファーに尻餅をつくように腰掛けた。
「……マジきゃわわー……」
と、独り言を零して。


おしまい
0407名無しさん@ピンキー2019/09/09(月) 17:24:29.52ID:zMgljxEX
生意気なお子様姫と姫様命な騎士のラブコメです。
NGは名前欄の「姫パンツ」でお願いします。
0408姫パンツ(1/10)2019/09/09(月) 17:25:17.04ID:zMgljxEX
騎士は穏やかな速度で愛馬を進めていた。
なにせ、手綱を握る彼の体の前には、彼の大切な姫君がちょこんと横座りしているのだ。できるだけ振動を与えずに静かに走らせる。
日よけのベールを被った小さな姫様は、騎士の胸板にしどけなく寄りかかり、自らを囲むように手綱を握っているたくましい腕を見るともなく眺めている。
周囲には夏の太陽が降り注ぐ青い草原が広がるだけ。
騎士は姫様や他人が見ていないのをいいことに、普段は精悍な面を僅かにデレッと崩していた。
「暑いから湖に連れていけ。騎士の分際でなんで気が回らないの?」なんて不遜な命令を下され、こうしてお出かけしているのだが、これは姫様流のデートのお誘いに他ならない。
湖ということは、その白く細いおみ足をドレスから出して水に浸けたりとか、水遊びでびしょ濡れになったお姿を拝見できるとか。
もしかしたらもしかすると、水中エッチというウルトラご褒美をいただける可能性もわずかにある。
愛馬には悪いのだが、その鞍の上の股ぐらで、もう半分勃っちゃってる騎士である。
(すまん…、お前の主人はとても健康で健全な肉体の男なのだ)
許せ、愛馬よ。

「あんたが選んだにしちゃいい所ね」
姫様は騎士に馬の背から抱き下ろされなら、その場所に合格点を出した。
周囲を林に囲まれた静かな湖で、川から流れ込む清涼な水が涼しげにきらめいている。
胸中で幾度もガッツポーズをしながら、「ありがとうございます」と騎士は恭しく姫君を着地させた。
場所選びは考えに考え抜いたのだ。涼しく快適で、美しい風景で、他の人間の目から隠れていて(最重要ポイント)、という具合に。
姫様は、たくさんのフリルのついたサマードレスの裾を少したくし上げると、ヒールのある靴を無造作に脱ぎ捨てつつ湖に向かう。
作り物のように愛らしい真っ白な裸足の足。
一歩一歩、華奢なその足で草を踏みながら姫様は湖へと近付く。
0409姫パンツ(2/10)2019/09/09(月) 17:26:07.48ID:zMgljxEX
その細い足首やつるんとした踵を密かに眺めつつ、馬を近くの木に繋いだ騎士は姫の後に続いた。
本当に、デートだ……。
大の男が恥ずかしいとは思うのだが、それを改めて意識するだけで胸がキュッとした。
本来ならば決して許されることではない、姫君と家臣の密事。ドキドキするなと言う方が無理だ。
姫様が脱ぎ捨てた靴を丁重に揃えた騎士は、緊張を隠すために空咳をして主に声をかけた。
「あの…、お召し物をお預かり致しましょうか?」
「は?本当に馬鹿騎士ね。なんで私が脱ぐ事前提なのよ」
ド正論。
煩悩丸出しだった自らの発言に赤面する騎士をツンとねめつけ、姫様は長い巻き髪を後ろでまとめ上げた。
腕を装飾していたリボンでおざなりに括れば、幼いうなじに後れ毛がいくつも垂れて扇情的だ。
そして、何本ものリボンで縛られた薄い生地のドレスを解いてゆく。
家臣を叱責しても結局脱ぐ。流石はお姫様。
目の前で急に始まった高貴なお方によるストリップに慌てふためき、騎士はその場にガバッと跪いた。
何も見てません!という姿勢で首を垂れ、地面に青く茂る草をひたすら観察する。
もし本能のままそのお姿をガン見したら高確率で罵倒されるし、かといって目を逸らしていてもそっちもかなりの確率で罵倒される。
さっき怒られたばかりなので、ちょっと消極的な選択をしてしまった騎士なのだ。
シュルルとリボンを解く音と、衣擦れの音が聞こえてきた。
本当はその様子を拝見したい騎士は、じっとガマンの子と化した。
「何してんの…?何で脱ぐのを手伝わないのよ。騎士風情が」
そんな小悪魔なお言葉をいただいてガマンの子から一変、騎士はすぐさま起立して姫様に歩み寄った。その顔がやけに凛々しいのは、単に嬉しすぎて硬直しているからだ。
0410姫パンツ(3/10)2019/09/09(月) 17:26:54.18ID:zMgljxEX
半分脱げたドレスを華奢な身から垂らし、何本もの解けかけたリボンをその肌に緩く絡ませるそのお姿。
危うげで、切ないくらい背徳的で……。
「脱がせなさい」
姫様の命令のまま、騎士は緊張しつつ、その無骨な指でリボンを解いていった。

際どいほどにローライズの小さなパンツと薄いスリップ一枚となった姫様は、騎士の腕に横抱きにされながら湖にちゃぷんと入った。
波紋を広げる澄んだ水は冷たくない。適度に温く肌に心地よいほどだ。
騎士も制服とシャツは脱いでいて、下はズボンに裸足だけ。腰まで湖に浸かっているが、さて、帰りのズボンの着替えがないぞ。まあいい。そんなことよりもーー
半裸の騎士は気付いてしまったのだ。この小さな暴君、実は泳げないようだ。
一人では怖くて湖に入れない。だからこんな風に騎士に抱っこされてお水に浸かっているのだ。ムフフ。
それを隠して、
「もし湖の底の石で足を切ったりしたら危ないじゃない!私の身に何かあったらどうすんのよ!あんたが守るのが当然なんだから抱えて入りなさい!」
なんて命令しちゃう姫様がお子様で、可愛くて、思わずにやけてしまいそうになる。
「ん……いい気持ち」
お姫様抱っこの姿勢で太ももまで水に浸かり、姫君は膝下を軽くばたつかせ悪戯に水面を蹴ってみた。
愛らしいおみ足がキラキラと飛沫を上げて湖面に踊る。
「ハハハ、無邪気だなぁ」
心の中の感想が思いっきり口に出てしまって、騎士はスパァンと頬にビンタを食らった。
やはりお子様でも暴君は暴君。気を抜いてはいけない。
ヒリヒリ痛む頬に自戒を込め、騎士は慎重に姫君の身を水に浸す。
0411姫パンツ(4/10)2019/09/09(月) 17:27:58.21ID:zMgljxEX
なにせ、姫様の上半身は薄いスリップだけで、ただでさえその胸の先端の形が布地を押し上げてぽちっと出てしまっているのだ。
スリップがもしびしゃびしゃに水に濡れてしまったら、それはもう、その愛らしい桃色の乳首もプルプルの乳房の形も透け透けになってしまう。
騎士としては当初そういう状態を期待していたし、今だってそんな光景を心底拝みたいけれど、やはり、貴人の肌を日の下に晒すような真似はできない。
姫様を愛する男としての健全な性欲と、王族に仕える騎士としての忠節の板挟み。辛いところだ。

というわけで、姫様が楽しく水遊びできるように、かつ、あまり下着が濡れぬように気を付けて、自分の腕の中の小さな主を湖にチャプチャプ浸している騎士である。
姫様は湖の水を両手で掬って騎士の顔面にぶっかけたり、手で船を漕ぐように水面をかき混ぜながら騎士の腕に肘打ちをしたり、脈絡もなく騎士にビンタをしたりととても楽しそうだ。
こうしてはしゃいでいる姿は、いつもの小悪魔ではなく、無垢な小動物のように可愛らしい。
本当に自分と同じ人間なのかと疑わしいほどに、華奢で真っ白くて小さい、砂糖菓子のような姫様。
もう一度顔に水をぶちまけられながら、騎士は姫様への愛しさにうっとりと目を細めた。

「あっ、あっちに青い花が咲いてる」
姫様が騎士の裸の胸板をガンガン殴って少し離れた場所の水辺を指差した。早くあっちへ向かえというサインである。
「かしこまりました」
従順な騎士が青い花に向けてその裸足の足を踏み出し、湖の水底を踏んだその瞬間。

ーーズルッ

水底の藻に滑って、コケた。
「え?」
0412姫パンツ(5/10)2019/09/09(月) 17:28:38.40ID:zMgljxEX
急にグラついた騎士の体に驚いた姫様が声を上げるが、もう遅い。
バシャーン!!とド派手な音と水飛沫を立てて、騎士の立派な体躯は水中にひっくり返った。
騎士に抱かれている姫様ももちろん道連れ。
ブクブクブク……。
水中に落ちて1秒、真顔のまま騎士は思った。
ーーやらかした。
ーーまずい。
ーー終わった。
その1秒間にこの三語が怒涛のように脳内を何巡も何巡も駆け抜け、そして次の1秒で騎士はふんぬっと体制を立て直した。
水面からズボッと現れる。
ずぶ濡れで、もちろん腕には同じくずぶ濡れの姫様を抱えている。
水がピチャピチャと垂れる音以外、静かだった。
「申し訳ありません」
まずは、謝罪の言葉。
騎士はそれきり口を結び、真顔で例の青い花を見ている。
怖すぎて、下が、胸に抱えている姫様が見れない。
暴君のこれからの怒りの反応が恐ろし過ぎて、綺麗なお花の映像を見て逃避しているのだった。
うわー、お花に蝶々がとまったぞ。キレイだなー………。
「…………」
騎士の腕の中の姫君は、湖どころか辺りの林すら震わせるほどの怒声をあげるはずーー、と思いきや、いつまでたってもその大噴火は起きなかった。
0413姫パンツ(6/10)2019/09/09(月) 17:29:19.00ID:zMgljxEX
「………馬鹿騎士…っ」
小さくそう呟かれる。
驚いて見下ろすと、濡れた髪の毛がグチャグチャで、スリップも透け透けのずぶ濡れの姫様が、騎士の胸に顔を埋めるようにしていた。
胸板に震える姫様の髪が当たってくすぐったい。そう、姫様は震えている。
「……馬鹿っ…騎士っ……、…怖かっ…た……っ」
小さくしゃくりあげる、不規則な息づかい。
姫様は、泣いていた。
騎士の胸から喉までを切り裂くような痛みが走る。
「姫様!も、申し訳ありませんっ!!申し訳ありません…っ!!」
思い切り抱き締めて、すぐさま湖から上がった。
用意していた清潔な布でその身を包んで、まとめ髪もほどいてそれも包む。そして、布ごと姫様の小さな体を掻き抱いた。
「お怖かったですか……。自分の、自分のせいで、なんとお詫びしたらよいか……」
姫様は拳で騎士の胸板を何度も殴るが、泣き止んではくれなかった。
「…ひっ……ぅっ……騎士のっ分際でっ……わ、私っ、お…溺れるかと……思っ……!」
たかが2秒では溺れられません。でもそんな問題ではない。姫様にとってあの2秒は何分にも感じられるほど長く、恐怖だったのだ。
「わたっ…し、もうっ……湖っ…ヤダ」
「はいっ!もう湖はやめましょう!」
「ぅ、船っもっ……海も…っ、ひっく…ヤダッ…!」
「はいっ!もう船も乗るのやめましょう!自分が壊しておきます!海も、自分が討ち滅ぼしておきます!!」
自分が何を口走っているのか訳分からなっている騎士、母なる海に対しての謎の宣戦布告。
0414姫パンツ(7/10)2019/09/09(月) 17:30:03.57ID:zMgljxEX
とにかく、姫様を泣き止ませたいのだ。
まさか姫君がこんな風に泣いてしまうなんて思っていなくて、騎士には何をどうすれば善処となるのか分からなかった。
「そのっ……どうすれば泣き止んでいただけますか?自分に出来ることなら、いえ、出来ないことでも何でも致します…!」
凛々しい眉を下げ、困り果てて姫様に尋ねてしまう始末だ。
姫様はスンスンとグズっていたが、やがて目元を赤くした顔で少しだけ騎士の顔を見上げてきた。
不敬だとは重々承知だが、腕の中、瞳を濡らして上目遣いをしてくる可憐なその様子に腰がズンと疼いた。
姫様は唇を尖らせて、「……じゃあ、キスしなさい」と小声で言った。
キス。
一度だけ、騎士が寝たふりをしていた時に姫様から受けたことのある行為。
一介の騎士である自分が姫君の唇に口を付けるなど、当然やってはならぬことで、でも大好きなお方を泣き止ませたくて。
騎士はもう一度姫様を横抱きに抱え上げると、その花びらのような甘い唇に自らの唇を重ねた。
ちゅっと軽く吸うと、姫様の口が何かをねだるように開かれる。
騎士はそこへ誘われるまま舌を挿れた。ゼリーのように柔らかな姫様の舌と絡めあい、その愛らしい歯列を舐め、上顎を舌先でくすぐり、口内をむさぼるように愛した。
姫様の熱く湿った吐息がたまに唇の隙間から漏れる。それすらも吸い尽くしてしまうように深い深いキスをする。
やがて、姫様に頬をペチペチ叩かれて、口を離した。名残惜しそうに唾液の線が互いの口から微かに伸びる。
「ぷはっ……はぁ…陸地でも溺れされる気か」
顔を染め、そんな憎まれ口を叩く姫様の目は濡れていたが、もう泣いていなかった。
「申し訳ありません。姫様があまりに可愛らしくて…」
またもや心の感想がそのまま口から飛び出てしまったが、ビンタはなかった。
そのかわり騎士の首に姫様の腕が絡みつく。頭を抱き寄せられて、もう一度深くキスをしたーーー
0415姫パンツ(8/10)2019/09/09(月) 17:30:52.90ID:zMgljxEX
ーーー布を脱いだ姫様はまだ水を御身から滴らせたまま、少し離れた位置の木の幹に両手をついた。
そして、背後に立つ騎士に向け、そのプリンとしたお尻を突き出す格好になる。
超ローライズの小さなパンツは姫様の秘所を辛うじて覆うだけで、しかも布地がびしょ濡れだからその割れ目も丸見えだった。
騎士は茹だったように真っ赤にかりながら、そのハレンチ極まりない光景に視線を釘付けにしている。
姫様のこの姿勢は当然、誘っているのだ。
(ま、まさか、バックで…とは)
姫様を後ろから、なんて初体験。
でも、姫様がバックを選んだ理由は分かる。泣き止みはしたが、まだ目元も鼻の頭も赤いままだ。
気位の高いお姫様は、そんな顔を普段顎でこき使っている騎士に見られたくなくて、それで背後からを選択されたのだ。
騎士としては、やはり姫様と向き合って、愛らしいお顔やお胸をしっかりと拝見しながらいたしたいのだが、初バックという新たなる世界は魅力的だ。
「馬鹿騎士…早くしなさいよ」
絶対遵守の命をこんな風に下されれば、従う他はない。
騎士はズボンから既に硬く昂ぶっているものを抜き出すと、姫様の腰に体を寄せた。
濡れたスリップの貼り付いた背中から、胸までを両手で包むように優しく撫でて、抱き締める。
くすぐったがりの姫君は小さく悲鳴をあげるが、そのまま上半身をゆったりと撫で続けた。
姫様の身も、そのパンツもぬるい水で濡れている。
でも、水で濡れているだけではいけないのだ。
姫様自身から甘い蜜が溢れて、濡れて、びしょびしょになってくれなければ意味がない。これは、愛を交わす行為なのだから。
今すぐに姫様のパンツを破り捨てて己の昂りを突き立てたい、そう暴力的な本能が騎士の腹を炙る。しかし、本能よりもずっとずっと姫様が大切だった。
0416姫パンツ(9/10)2019/09/09(月) 17:31:39.08ID:zMgljxEX
痛みなど与えたくない。
もう二度と怖がらせたくない。
「ぁあっ…ンッ」
騎士の片手で乳首を摘まれて姫様が敏感に声を上げる。
もう片手は下部に降り、姫様の幼い割れ目を濡れたパンツ越しに上下に指で擦っている。
やがて、その割れ目はじわりと温かいぬかるみを自ら溢れさせた。
「やっ……ぁっ!う…ぅっ…あぁ!」
姫様から上がる可愛らしい声が大きくなる。
布越しの愛撫は少し焦ったくて、甘やかで、姫様の体の芯をじわじわと蕩かせてゆく。
水とは違うぬかるむ粘液を己の指にしっかりと感じ、騎士はようやく姫様のローライズのパンツを引き下ろした。
晒された割れ目は、桃色で淡い色のうぶ毛がわずかに見えるだけ。幾度もそこに騎士を受け入れたことがあるとは思えないほどに初々しい。
丁寧に花弁を割り開いて指を押し入れる。
中の感触もやはり初々しく、指を跳ね返すようなプリプリとした感触がある。それを指に楽しみながら、丹念にそこをほぐす。
そして、もう耐えることも限界だった騎士はそこへ自身を当て、腰をそこへと深く深く押し込んだ。
一際可憐な悲鳴が湖に響いた。
背を弓なりに反らせた姫様の、桜貝のような爪が木の幹に突き立てられる。
キツくて熱い、びしょびしょに濡れている姫様の秘所。
挿れる度、姫様への愛おしさが増すのは何故なのだろうと、熱に浮かれた頭で騎士はぼんやりと思った。
愛しい。愛しい。愛しい。
それだけを胸に繰り返しながら、騎士は姫様に己を打ち込み続けた。
「はぁっ…!んっ!や……っ!」
0417姫パンツ(10/10)2019/09/09(月) 17:32:40.80ID:zMgljxEX
いつもと違う角度で深く杭を差し込まれ、浅く抜かれ、また深く押し込まれ、姫様は泣いて木の幹に縋り付く。
壊されてしまうかと思うほどの甘い快楽の渦が、姫様を泣かせている。
快楽の涙。
その涙には、騎士に向けた愛おしさが含まれているだろうか。
そんな願いにも似た思いが、行為に没頭する騎士の頭をちらりと掠め、熱に溶けて消えた。

その後、騎士は濡れたズボンに制服、姫様は普通にドレスを纏って馬に再び乗ったのだが……。
「その、パンツ…乾きませんでしたね……」
「うるさいわね、こうしてれば乾くんじゃないの?」
馬の手綱に、何かの旗のようにパンツを結われてしまった。
ヒラヒラと風に揺れる小さなパンツ。確かにこれなら、城に帰る前には乾くだろう。
しかし、なんとお間抜けなーー
(許せ、愛馬よ)


おしまい
0418名無しさん@ピンキー2019/09/11(水) 11:57:27.70ID:O9oV6RsI
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。エロなし。
NGは名前欄の「愛人くんと天使ちゃん」でお願いします。
0419愛人くんと天使ちゃん(1/6)2019/09/11(水) 11:58:36.36ID:O9oV6RsI
アンジュお嬢様の通うこの女学園には、玄関付近に使用人のための施設がいくつもある。
ドリンクバー付きの広い待合室。軽食を提供するカフェ。さらにはコンビニ、ジム、トイレ、シャワー、仮眠室に牛丼屋。
なんでこれほどまでに充実しているかというと、理由はお嬢様達の我儘に他ならない。
「私ひと時も婆やと離れたくないの」
「メイドがいないなんて、食事の時は一体どうすればよろしいの?」
「SPが敷地内に居ないなんてありえなくてよ!」
そんな皆々様のご要望にお応えし、お嬢様達に仕える大勢の使用人を学園内に押し込むため、こんな状態になっているのである。
さらに、爺や婆や世代にはシルバーシートならぬシルバールームが特別に用意されており、そこでは旅館のような和室でマッサージを受けたりと優雅に過ごせるらしい。
もちろん、三十路にも満たない健康な執事はそんなサービスは受けられない。年若いボディーガードも然り。
そんなわけで、アンジュお嬢様付きの新米執事の柏木と、どこかのお嬢様付きの同年代のボディーガードは、待合室で仲良くお喋りをしていたのであった。


「あー…このマッサージチェアってー、効くんだけどちょっと小さいっすよねー」
「自分達が標準よりデカイから仕方ないですよ」
ンヴィィィィゥゥゥウン。
背が高い色男の柏木と、レスラー並みの体型のボディーガードは、待合室の隅にあるマッサージチェアで並んで揉み揉みされていた。
ちなみにこのボディーガードには彼とよく似た見た目の相方がいて、いつも二人一組でお嬢様の登下校をお守りしている。
今は相方がトイレタイムで居ないのだが、二人が並んだその姿は学園のお嬢様方から密かに「仁王像」と呼ばれていた。
と、入口の守衛によるチェックとカードキーによる二重のロックを通り、一人の女性が入室してきた。
その場にいた男性陣全員が(おー、いい女)と心中で呟くほどのカッコいいお姉さんだった。
0420愛人くんと天使ちゃん(2/6)2019/09/11(水) 11:59:26.36ID:O9oV6RsI
髪は飾り気のないショート。華美ではないが整った目鼻立ちの中、視線の鋭さと甘くないメイクがセクシーだ。
ヒールを含めれば180はありそうな長身を黒いパンツスーツでビシッと包んでいるが、女性的な見事な体の凹凸はしっかり出しているのもまた良い。
柏木は、奥様&お嬢様ら「高嶺の花」専門なので彼女は好みの範囲外だが、やはり美人は眼福である。
「あのお姉さんって、どこのお嬢様のお付きなんでしょーか?」
と新参者の柏木が小声で尋ねると、お隣も小声で答えてくれた。
「あーまだ新米なんでご存じない?彼女は京極様のご親友の、九条様付きのSPですよ」
京極は、柏木の仕えるお屋敷の名前。つまり、アンジュお嬢様のオトモダチの専属SPというわけか。
(へー女性SPねえ。んでんで、ご親友の九条様?どんなお嬢様なのかなー。ウチのお嬢様、俺にオトモダチ紹介してくれねーかな)
柏木はイケメン俳優並みの顔の下で、誰にもバレぬようスケベな妄想を始めてしまった。

その頃「ウチのお嬢様」であるアンジュは、誇らしさと情けなさを胸の内に半々に抱えていた。
ついでに、ボレロの制服の胸の上にも二つの荷物を押し抱えている。
銀縁眼鏡を知的に光らせた撫子さんから、「柏木さんにこちらを渡していただけるかしら」と封蝋のついた厚めの封筒を。
眩く微笑む千鶴子さんから、「柏木さんの忘れ物を届けてくださる?」とちょっと重めの小箱の入った紙袋をそれぞれ預かったのだ。
昨日、あのエロチャラ執事を撃退してくれた撫子さんは、おそらくバ柏木に対して注意書きみたいな物を封筒に入れて寄越してくれたのだろうと思う。
『一、男性は使用人スペース以外の校舎内に踏み入るべからず。
一、女生徒へみだりに近付く事は固く禁ずる。』みたいな感じの。
千鶴子さんは、一体どこで柏木の私物を発見したのか分からないが、小さめの上品な紙袋にわざわざ入れていただいて、その袋の口はきちんと中央を箔押しのシールで留めてある。
丁寧に箱に詰めて美しくラッピングまでして渡してくださるなんて、ありがたいやら申し訳ないやら。
そんな撫子さんの凛とした厳しさと、千鶴子さんの聖女の優しさはクラスメイトとして誇らしく、同時に、自分のエセ執事がお二人の手を煩わせてしまったことが情けない。
0421愛人くんと天使ちゃん(3/6)2019/09/11(水) 12:00:54.99ID:O9oV6RsI
(すごく、複雑…)
アンジュはふわふわした緩い巻き髪を肩に揺らしながら、普段は無表情の童顔を少し難しそうにしかめた。

とてちてとてちて。
アンジュが使用人の待合室まで荷物を運んで来たその時、アンジュのか細い両のあんよが、マッサージチェアからはみ出て伸びていた長い足に思いっきり引っかかった。
足を掛けてコケさせる、その典型のように。
「きゃっ!」
「げっ!」
アンジュと、長い足の持ち主のバ柏木から同時に声が上がった。双方上の空で考え事をしていたため、ぶつかるまで気が付かなかったのだ。
しかし、そこは京極の狂犬。古武術を嗜むアンジュは反射的に床に両手を付き、ズッコケる勢いをそのまま使って小柄な体を跳ね上げてダイナミックな前方転回を決めた。
ポーン、見事着地。
お嬢様が倒れかけた瞬間にあちこちから駆け寄ってきたボディーガードやSPの皆さんも「おおー」と拍手。
いい女のお姉さんSPもお隣さんのボディーガードもトイレから帰ってきたその相方さんも、みんな一緒にパチパチパチ。
「ごめっ、すんません!ごめんなさいお嬢様!」
クソ柏木は大慌てで、コカした地点からかなり遠くに着地したアンジュに駆け寄る。
アンジュはいきなり両肩をガシッと捕まれ、背後から柏木の広い胸に体を強く引き寄せられた。
「…っ!」
みんなの前で何さらす。足までかけてからに。
古武術をもひとつ披露して鳩尾を狙おうかと拳を握ったが、アンジュの後頭部にある柏木の胸部、逞しい胸板が早い心拍数でバクバクと脈打っていた。
スーツ越しにも、伝わるくらいに強く、早く。ーー柏木も相当肝が冷えたらしい。
0422愛人くんと天使ちゃん(4/6)2019/09/11(水) 12:01:56.43ID:O9oV6RsI
アンジュは小さな拳をそっとほどく。「…だらしなく足を投げ出すな…危ない…バ柏木…」と一応注意はして。
はい、と大人しく返事をするチャラ男と、心臓バクバクを頭の後ろに聞きながらムッツリ顔で頬を微かに染めるアンジュ。
そんな二人に、「京極様、お荷物が」と、どこかのお家のメイドさんが声を掛けてくれた。
見れば、着地地点からさらに前方の誰もいない空間に、大切なクラスメイトのお二人から預かったお荷物が無残に散らばっているではありませんか。
落下した際に打ち付けたか互いにぶつかったかしたらしく、どちらの封も取れており、封筒も紙袋もその中の小箱も中身を出して広がっている。

ぎゃーーーー!

アンジュは跳ね上がってバ柏木の顎に頭突きすると、猫のように俊敏にその現場に飛びついた。
(千鶴子さん、撫子さんのご厚意が!)
ぺたん座りをして荷物を掻き集めようとしたアンジュの手が、不意に止まった。
「うっわ…柏木さんすごいアッパー食らいましたね」
「ガーンッて入ったけど大丈夫ですか?」
「……………駄目っすね」
気遣う仁王像二名と、顎を抑えてヨロめきながら近付いてくる柏木。
メイド達は荷物を片付けるお嬢様を手伝って良いものか悩み、オロオロと遠巻きに見ているだけだ。
だって、お嬢様の荷物の中身がボーイズラブ漫画とか、女の子同士のラブレターだったら見ちゃマズイし。オロオロ。
「あーイッテェ……。あのっお嬢様、荷物もマジごめんなさい」
バ柏木が長い足を折り畳みうんこ座りをして、ぺたん座りのままのアンジュの近くに屈み込んだ。
なぜかさっきから手を止めているアンジュの代わりに荷物を片そうとそれを覗き、「ワァオ」と小声で一言。
0423愛人くんと天使ちゃん(5/6)2019/09/11(水) 12:02:36.14ID:O9oV6RsI
そう、荷物の中身は、正に「ワァオ」だった。
封筒からは相当な枚数のお札がザラララッと飛び出ている。全部、一万円札。
紙袋から飛び出て蓋の取れた小箱の中では、明らかに新品の保証書付き高級時計がビロードに嵌まって光っている。
(これは…一体…?)
思っていた中身と明らかに違う何かが出てきてしまい、アンジュは呆然と固まってしまったのだ。
札束にも、高級時計にも、それぞれ電話番号やアドレスの書かれた小さなカードが添えられている。
(これも…一体…?)
それを目にした仁王像らも「「へ?こちらは?」」と、異口同音に同時にアンジュに質問してきた。
固まっていたアンジュはようやく口元だけ硬直を解いて、「…これ…クラスメイトの二人から…柏木に届けてって…預かってて…」
メイド達の中の誰かが「貢物だわ」と思わず漏らし、周りからシッと口を塞がれた。
ーーえ?これは、柏木へのミツギモノ?
ちょっと処理が追いつかなかったアンジュだが、いくらこういうことに疎くても分かることはある。
じわじわとその意味が体の奥底から染み込んできた。
貢物。振り向かせたい相手に、繋ぎ止めたい相手に贈る物。
贈る相手は、好きなアイドルだったり、新興宗教の教祖様だったり、愛人だったり、愛人だったり愛人だったり。
「柏木」
ぐるりとアンジュの無表情が柏木に向けられた。静かな声。
だがしかし、この広い待合室全てを覆い尽くすほどの殺気。柏木含むその場の使用人全員は、背筋に氷柱を突き刺されたようになった。
お嬢様による執事の公開殺人ショーの始まりを誰もが覚悟した、その瞬間、
「あらあら、散らかっちゃったわねぇ。お片付けしましょうねえ」
0424愛人くんと天使ちゃん(6/6)2019/09/11(水) 12:03:27.88ID:O9oV6RsI
シルバールームから出てきた可愛らしい婆やさんが、のんびりと声をかけてきた。
老いた顔に柔らかな皺を刻んで笑み、アンジュの側に膝を着くと「あらあら、まあまあ」と丁寧にすべてをあるべき場所に詰め直し、封筒と紙袋という元の形へと戻してくれた。
その二つをうんこ座りのままの柏木へと差し出しながら、
「これ、きっと貴方へのプレゼントね。電話の番号まで添えてあって、モテるのねぇ」ウフフ。ーーさらに、
「お嬢様達だって若い女の子ですものねぇ。ちょっとくらい火遊びもするわよねぇ」ウフフ。
強い。婆やさん、強い。
さっきまでは殺人のリングと化していたこの部屋が、今ではタンポポが小さく揺れる田園風景のよう。婆やさんが殺気をへし折ったのだ。
アンジュも柏木も巻き込まれてしまったギャラリーも、亀の甲より年の劫のその実力を見せつけられ感服するより他にない。
柏木は貢物二つを受け取ると、凛々しい顔ですぐさま婆やさんに向き直り、渾身の土下座をかまして叫んだ。「ありがとうございましたぁあ!」
命の恩人である。どうやら真山に預けている遺書の出番は、無事お預けとなったようだ。
アンジュは、半ば呆けたようにその場に座り続けたまま、婆やさんの言葉を心の中で反芻していた。
お嬢様達だって、若い女の子、火遊び……。
そして、真山が書いた2枚目の付箋の意味をようやく理解した。
(つまり…あの学級委員で厳しい撫子さんと、我が校の麗しの聖女様の千鶴子さんが、自ら望んで柏木とヤったと……)
その、あまりの衝撃にアンジュはーーー
「きょ、京極様がっ!早く保健室保健室!」
「げえ!?これヤベーわ白眼剥いてるし!お嬢様しっかりしてくださいって!お嬢様ってばぁー!!」
ーーーぶっ倒れた。


おしまい
0425名無しさん@ピンキー2019/09/13(金) 09:45:07.17ID:1562WexD
お馬鹿なお嬢様とサドな家庭教師のラブコメです。エロはぬるい。
NGは名前欄の「アリスとエドガーとリボン」でお願いします。
0426アリスとエドガーとリボン(1/10)2019/09/13(金) 09:46:00.62ID:1562WexD
るんるん♪ふふふぅ〜ん♪

鼻歌まじりのアリスは姿見の前で、本日のお洋服のチェックをする。
覗く鏡の中では、どこか子猫を思わせるような幼顔の美少女がフリフリに着飾られていた。
今日のアリスお嬢様のコーディネートのコンセプトは、ド直球で『不思議の国のアリス』。
ふんわりしたパフスリーブの白いブラウスの上に、パニエで目一杯にミニスカートを膨らませた可愛いエプロンドレス。金髪のショートボブにはリボンの付いたカチューシャ。
これにボーダーのニーハイソックスと、エナメルの黒いストラップシューズを合われば、もう完璧かな?
「ん……でもこれだと胸元がちょびっと寂しいかもぉ」
胸をたゆんたゆんと揺すって鏡に色々ポーズを決め、アリスはうーんと考える。
豊かなお胸があるから傍目にはもう充分かと思うのだが、可愛い物大好きなアリスとしてはここにお花とかハートのブローチとかリボンとかを着けたくなってしまう。
ーーリボン。
ドレッサーの引き出しにしまってあるあのリボンのことをアリスは思い出した。
あれはバレンタインデーやアリスのお誕生日といった特別な日にしか着けない大切な物なのだけど。どうしよう。
「あ!そっか、今日を特別な日にすればいいんだ!」
ピコーンと閃いて引き出しを開ける。
皺がつかぬように巻いてある、赤い絹のリボン。
(先生、気付いてくれるかな…)
それを考えるとなんとなく緊張する。
今までこのリボンを着けて何度かエドガーの前に立ったのに、反応を示してくれた試しが一度もないのだ。
エドガーはいつもの冷たい鉄面皮のままで、お嬢様などまるで眼中にないような無神経さで……。
0427アリスとエドガーとリボン(2/10)2019/09/13(金) 09:47:01.21ID:1562WexD
(……いやいや!気が付かなくても仕方ないよねー。エドガー先生老眼だもん!)
と、住み込みの家庭教師を勝手に老眼扱いし、アリスは宝物のリボンをブラウスの襟の下を通し丁寧に蝶々結びにした。
うん、完璧!

「アリス様の脳はまるで水を強固に弾くスポンジですね。スカスカで穴だらけの上に何一つ吸収しない。一体素材は何なのでしょうか?可燃ゴミか不燃ゴミか判断致しかねます」
慇懃無礼にも程がある凄まじい罵倒の言葉がアリスコーデのアリスを襲う。
鬼教師のエドガーは眼鏡を冷たく光らせ、手にしたアリスのノートを手袋の甲でパンパン叩いた。
「ひどーい!アリス、スポンジじゃないっ!お台所の消耗品じゃないもん!!」
ムッキー!長机前の椅子に腰掛けているアリスはストラップシューズで地団駄を踏んだ。
確かに、昨日教わった数学の公式を綺麗さっぱり忘れてしまったアリスも相当お馬鹿さんなのだが、その口撃は酷すぎやしないだろうか。
リボンに気付いてくれるかなー、なんてのどかなことを考えていたのは今からたった10分前。
まさかというかやはりというか、いつもとまるで変わらぬやりとりが勉強部屋で繰り広げられていた。
「ああ、そうでしたね。お嬢様の脳に例えるのはスポンジに対して失礼でした。申し訳ありません」
と、スポンジサイドへの謝罪を受けつつ、ノートの背でスコーンと脳天をチョップされる。
最低。アリスはノートをカチューシャに受けたまま、思わず長机に突っ伏した。
今日を特別な日にしようと思ったのに、いつもよりさらに手酷くエドガーに苛められるという悪い意味で特別な日になってしまいそうだ。グスン。
(もうやだよぅ…。なんで先生ってこんな性格悪いの…?)
胸の赤いリボン、もう取っちゃおうかなぁ……。
そんな考えが浮かんできた。せっかくの宝物に嫌な思い出なんて付随させたくない。
アリスは緩慢な動作で頭を上げる。それまで頭に乗っていたノートがバサっと床に落ちて、思わず涙も一緒に落ちそうになった。
0428アリスとエドガーとリボン(3/10)2019/09/13(金) 09:48:27.06ID:1562WexD
アリスは涙を堪え、俯いて胸元のリボンを解こうと手を伸ばす。
リボンの垂れた両端の紐を引っ張れば、鏡の前で形を整えた綺麗なリボンの形がふわりと崩れかける……。
「ーー外すのですか?その、リボンを」
唐突にエドガーの声が落ちてきた。
驚いて顔を上げるアリスの目の前には、机を挟んで向かい合った椅子に座り、そっぽを向いているエドガーの姿がある。
リボン?
先生、今リボンって言った?
アリスが聞き直すより早く、エドガーは顔を背けたまま虚空に向かって言葉を続けた。
「ーーそちらは、本に掛けてあったリボンでしょうか?」
そう!
アリスは解けかけのリボンから手を離し、長机に手をついてピョンピョコ跳ねた。
「そうだよ!先生がクリスマスにプレゼントしてくれた本のリボンだよー!!」
ポップコーンみたいにポンポンッと嬉しさがアリスの全身から弾けて、その可愛い顔にとびきりの笑顔が浮かぶ。
(やっと気が付いてくれたんだ!やっぱり老眼だったんだ!オッサン!オッサン!先生オッサン!)
エドガーは横目でアリスがリボンを解くのを止めたことを確認すると、すぐまだそっぽに視線を戻す。
手袋の指先を無意味にトントンとかち合わせたり、時折目を伏せたり、空咳をしたりとなぜか落ち着きのない様子で、ようやく、
「あの本は……お読みになられましたか?」
なーんて事を聞いてきた。
読んでるに決まってるのに、何言ってるんでしょー?
「読んだよー!アリスはすぐ犯人わかっちゃったもん!」えっへん。
0429アリスとエドガーとリボン(4/10)2019/09/13(金) 09:49:12.60ID:1562WexD
本のジャンルはミステリーだった。
普段本なんて全然読まないお馬鹿なアリスにも読める軽めのタッチだったので、ちゃんと読破できたのだ。
「犯人が、すぐにですか?アリス様のことですから、どうせ本の前後を間違えて最後のページから読み始めたのでしょう?」
どんだけ馬鹿にしてるのか。
と、反論したいところだが、実際に大馬鹿なアリスさんは最初間違えて逆側から本を開いてしまっていたのだ。
しかしそこには奥付が印刷されていたのですぐに慌ててひっくり返し、ちゃんと頭から読み始めた。
これは、とても恥ずかしいので、ナイショにしとく。
「ち、違うもん!犯人が登場してきた時にね、なんか被害者の身内だし可哀想なキャラクターなんだけど、妙なニオイを発してたからアリスにはピーンときたの」
推理を楽しむはずのミステリーを第六感で解き明かし、しかもその勘で犯人を的中させてしまう。お馬鹿あるあるの一つである。
あの本は確かに読書初心者にお勧めの軽めの短編だが、トリック自体は凝っているし最後の大ドンデン返しが鮮やかなことで有名なのだ。
ラストに明らかにされる驚きの真犯人は多くの読者を唸らせ、ミステリーの部門で受賞もしている。
そんなことなぞ知らない迷探偵アリスは浮かれて本の内容をベラベラ喋った。
カーテンのとこの思わせぶりな描写は引っ掛けだよねー、やら、中盤の列車にヒントが隠されてたからぁやっぱりアイツが犯人って確信持ったのー、やら。
本を読んでいなければ話すことのできない内容を、ベラベラと。
「ふむ。ちゃんとお読みになったのですね……」
エドガーは独り言のように呟き、それきりだ。
えー?それだけ?
アリスは長机を避けて駆け寄り、椅子に座るエドガーに子猫のようにじゃれついた。
エドガーの膝の間に身を乗り上げて、スーツの広い胸にすりすりする。
「アリス、プレゼント嬉しかったよ。先生がリボンのこと気付いてくれたらちゃんとお礼しようと思ってたんだよー!ありがと、先生!」
0430アリスとエドガーとリボン(5/10)2019/09/13(金) 09:49:58.99ID:1562WexD
普段こういう風にくっつくと、顔面に掌底を食らわせたりドーンと椅子から突き飛ばしたりしてくるエドガー先生だが、今日はそうはしない。
アリスの全身を使った大胆なお礼の表現に顔を背けたまま「はい」と返事を返すだけだ。
ん?変だなーと思いつつ、アリスはエドガーにどうせ駄目元とおねだりをしてみた。
「ねえ、アリスにご褒美はー?」
「は?」
「アリスね、ちゃんとご本を読んだのってあれが初めてだよー。本をちゃんと読めたご褒美が欲しいよう」
さすがはアリスお嬢様。ご褒美を受けるに足る事柄のハードルの低いこと低いこと。
ここでようやくエドガーの掌底がーーと思ったが、それもなかった。
先生の様子が本格的におかしい事に気付いたアリスがムムムと首を傾げていると、思いがけない言葉が鉄面皮からかけられた。
「分かりました。どのようなご褒美をお望みでしょうか?」
んんっ!?
アリスは思わず耳を疑った。
自分でおねだりしておいてなんだけど、ぜっっっったいご褒美なんてくれないと思っていたから半ばジョークでの発言だったのだ。
さっきまで横を向いていたくせに、今、エドガーは真っ直ぐにアリスを見つめていた。
いつもと同じ鉄面皮なんだけど、眼鏡の奥の薄い色素の瞳が本気の色を帯びているようで、ドキンと胸が飛び上がる。
(ふ、ふわぁああっ。ご褒美の内容なんて考えてないよぅ!)
いや、冷静に考えれば「じゃあ当分課題を減らしてね〜♪」とかいくらでも出てくるのに、アリスの脳にはそれ系のご褒美がまるで浮かんでこない。
それどころか、あっち系というかエッチ系というか、ちょっとアヤシイ方面のご褒美がたくさん浮かんで来るのだ。
なにしろ、アリスお嬢様は幼い頃に一度、成長してからも何度もエドガーに「お口でご奉仕」をしちゃっているのだ。
なんでまた大富豪の家のお嬢様が雇われた家庭教師にそんな行為をなさっているのかというと、それは、厳しい家庭教師へのアリスの敵対心が発端だったり。
0431アリスとエドガーとリボン(6/10)2019/09/13(金) 09:51:14.84ID:1562WexD
はたまた、エドガー先生による、我儘なお嬢様への仕置きで半ば無理矢理だったり。とにかく、10年来の腐れ縁なので人に言えない色んなことが山ほどある二人なのだ。
それでも、エドガー側から何らかの「ご奉仕」をされたことは一度もない。
ちょっかいを出すのもエドガーを満足させるのも、いつだってアリス側だ。
でも、今日はチャンスだ。エドガー先生の様子がおかしいし、ご褒美をくれるってはっきり言ってるし。
(……恥ずかしいけど…言っちゃえ!)
アリスは赤くなりながら、エドガーのスーツの胸ポケットのあたりを指先でチョンチョンつついた。
やっぱり恥ずかしくて顔が見れない。
「あの…あのね」
もじもじ。俯いて、くるんとした愛らしい瞳をあっちこっちに彷徨わせて、
「その、いつもはアリスが先生に…その、してるから……ご褒美は、先生からアリスに…エッチなことをしてほしーな…なんて」
耳まで赤くなったアリスは、たまらずにエドガーの胸に顔を埋めてモゴモゴジタバタした。
(うああ恥ずかいよう!エッチしてって言っちゃった!言わなきゃ良かったぁあ〜〜!でも言っちゃったしエッチって言っちゃったし!)
モゴモゴしてる背中がエドガーの手袋の手で撫でられて、アリスはビクッと身体を跳ねさせた。
「……本当に、それでよろしいのですか?」
エドガーの声。ドキドキとアリスの心拍数は上がっていく。
「返事がありませんが肯定と受け取ります。よろしいですね」
普段と同じ冷たい声色なんですが。え?これは?ドキドキドキ。
「では、ご褒美をして差し上げます」
グイッと顎を持ちあげられ、強く視線を絡ませるエドガーから宣言される。
アリスの全身から湯気がぽわんと上がった。家庭教師による、お嬢様への性教育の開始である。
0432アリスとエドガーとリボン(7/10)2019/09/13(金) 09:51:57.59ID:1562WexD
エドガーは真っ赤になってあわあわしているアリスを自らに跨らせるようにした。椅子に腰掛けたエドガーの両足を跨ぎ、アリスが足を開いて膝立ちになる格好だ。
アリスを自らの両肩に掴まらせ、アリスのミニスカートのパニエに手を差し入れる。
何重ものふわふわのパニエを掻き分け、その奥に隠された、両側がレースで透けている白いパンツに向かってエドガーの長い指が伸びた。
いつもの手袋は外され机の上に置かれているーー
つまり、潔癖症の先生が素手でアリスに触れているということで、もうその事実だけでアリスは目の前がグルグルするような混乱状態になっている。
(うそ!うそうそうそ!先生の手、直にアリスのパンツに触っちゃってるよぉ!)
エドガーの片手の人差し指と中指はアリスのパンツをふっくらと押し上げるその割れ目へ、もう片手の中指はその上に位置するお尻の穴にそえられた。
うにゃー!っと思わず逃げたくなるが、肩に掴まっていないとグラグラするし逃げる先なんてない。
「ふにゃっ…!っ…いゃあんっ」
指がそこを上下に擦り出す。アリスはたまらずに勉強部屋の天井に向かって鳴き声をあげた。
だってそんな場所、お風呂以外では自分ですら触ったりなんてしない。
パンツの生地越しにお尻の穴が、割れ目の筋が、すりすりと擦られてアリスの下半身に痒いようなくすぐったいような、たまらない甘い波を送り出す。
(…やん!なんか…お尻っ変になるぅ…)
可愛い顔を赤らめ、目を潤ませて甘い吐息を漏らす。
初めて体に教わる快楽はすぐさま幼いアリスを夢中にさせた。
こんな風に軽く一定のリズムで擦り続けられているだけなのに、ヒクン、ヒクンとアリスの花弁は震え出す。
排泄欲にも似た恥ずかしい感覚がせり上がってきてアリスの頭がぼやんと蕩けてくる。滅茶苦茶に弄られるよりも、こうしてじわじわと蓄積される快感は深く、濃い。
「はぁ、はぁ…はぅ…んっ!あ、うにゃぁ…っ」
小さなお口から唾液が溢れそうな舌をテロンと覗かせ、息を荒くしたアリスはエドガーのスーツの肩にしがみついた。
(エッチって…気持ちいい…っ)
0433アリスとエドガーとリボン(8/10)2019/09/13(金) 09:52:59.08ID:1562WexD
黙ってアリスの秘所を愛撫していたエドガーが、ようやく口を開く。
「……胸を、はだけていただけますか?」
アリスは朦朧としながらも一生懸命コクコク頷く。
エドガーの両手は相変わらずアリスの敏感な所を擦っているので、アリスを脱がせられないのだ。
アリスはエドガーの肩に頭を乗せてバランスを取ると、覚束ない手付きでエプロンドレスの胸元のボタンと、その下のブラウスのボタンを外す。
そして、パンツとお揃いのレースのブラジャーを上にグイッとずりあげた。
真っ白でマシュマロのような大きな乳房がプユユンと弾んでブラジャーから零れ落ちる。その先端はピンクに色付くぷっくりした乳首。
(ど、どうしよう…こんな…ことまでやっちゃって…いいのかな…)
そうぼんやり思いつつも、体も顔も赤く染まって熱い吐息をあげ続けるアリスはエドガーの言いなりだ。
むき出しになったアリスの柔らかい胸にエドガーが顔を埋める。ビクンと背を反らし、アリスはエドガーの肩に必死で捕まった。
しばらく鼻筋でその豊かな胸の谷間の感触を味わっていたようだが、やがて少し顔を引いて、左の乳房の先端をゆっくりと口に含んだ。
「うゅっ…!」
アリスは息を飲む。
普段冷酷なエドガーからは想像も出来ないほど、その口内は熱い。
唇でゆったりと乳房を大きく食むようにされながら、熱い舌が乳首に絡み、そこも優しく優しく撫でられる。
「ふぁあっ…!にゃっ…あっ」
溶けちゃうのではと心配になるくらい熱くて、でもやっぱり気持ちいい。
たまに唇をすぼめてチュウと乳首を優しく吸い上げられれば、幸福すら感じるほどの甘い悦楽を覚えた。
もうアリスの花弁は蜜を溢れさせ、パンツは濡れてしまっている。そこも延々と責め続けられているのだ。
アリスは子猫のように体をしならせ、悲鳴に近い喘ぎ声をあげる。
0434アリスとエドガーとリボン(9/10)2019/09/13(金) 09:53:50.60ID:1562WexD
もうこのまま、体がとけておかしくなってしまうーーーーーーーと、思ったのだけど。

ガリッ

「っ!!!痛ぁい!!」
いきなり右胸の乳首を噛まれ、アリスは正真正銘本気の悲鳴をあげた。
思わずエドガーの肩を押して逃れようとするが、乳首に噛み付いたまま体を離してくれない。
ふわふわの快楽から一転、鋭い痛みに目を白黒させるアリスの下半身にもそれはやってきた。

ズブッ

指が、いきなり花弁の奥に突き立てられる。
「うゃあぁあっ!!痛いぃっ!痛いってばぁ!」
処女な上にそんな所に異物を入れたことのないアリスが涙目で抗議するが、エドガーはその指をさらにグリグリと奥に突き刺してくる。
パンツの生地ごと奥へと無遠慮に押し込まれる長い指。
(やだやだ痛いっ!うう……っ、ま、まさか…)
そう、そのまさか。いつもの鬼のエドガー先生が帰ってきたのだ。
「アリス様」
ようやく乳首から離れたエドガーの口から、冷たい声が今までの甘い空気を断ち切るように発される。
乳首をジンジンさせながら怯えたアリスが体を強張らせると、「ご褒美はもうお終いです。これからは、本のお礼をいただきますので」
0435アリスとエドガーとリボン(10/10)2019/09/13(金) 09:54:38.03ID:1562WexD
(いただきますので……って、いやいやいや!!)
さっきまで体熱を上げて可愛く喘いでいたアリスは急直下、今までとは違う種類の涙を浮かべてなんとかエドガーの上から逃げようとした。
でも、今まで散々擦られてピクピクしている下半身は力が入らない。さらに今は指を捻じ込まれていてとにかく痛いし、立とうとしても膝が細かく震えるだけだ。
エドガーは先程優しく唇で包んでくれた左胸の乳首に噛みつく。ーーガジッ。
「うみゃーっ!!」
そしてお尻の穴には思い切り親指を押し込む。ーーグリッ。
「ふみゃーっ!!」
痛い痛い痛い!この三点責めは相当痛い。
ミャウミャウ泣いてもがくアリスを無理矢理抱え込み、エドガーはたっぷりとお嬢様からお礼を受け取った。いや、無理矢理毟り取った。

ーー実は、エドガーはあの赤いリボンの事にはずっと前から気が付いていたのだ。
アリスがたまに着けていることも、それをエドガーに気が付いて欲しそうにしていることも。
でも、触れられなかった。もしもプレゼントの本など読んでいないと言われたらと思うと、なかなか切り出せなかった。
サディストは、自分自身が傷付くことなど真っ平御免なのだからーー

そして今日、やっと本が読まれたことを知ってちょっとハイになったエドガー先生は、わざわざ素手でアリスお嬢様を思う存分苛めているのだ。
「やっぱり先生なんて嫌いぃ!」と涙目で暴れるアリスには災難だが、何はともあれ、今日はやっぱりある意味特別な日になったのだった。


おしまい
0436名無しさん@ピンキー2019/09/15(日) 07:31:44.96ID:QZQ3GYL8
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。
主役カップルはプラトニック。エロ本番は8から。
NGは名前欄の「愛人くんと天使ちゃん」でお願いします。
0437愛人くんと天使ちゃん(1/11)2019/09/15(日) 07:32:37.46ID:QZQ3GYL8
セックスは単純に気持ちが良いし、楽しい。
だから好きだし、お相手の貴婦人が悦んで喘ぐ姿を見るのも良い。
たとえ着飾る服やメイクが流行りのブランドで似通っていたとしても、ベッドの上では千差万別となるご婦人方をそれぞれに満足させるのは、ゲームに似ていてやはり楽しいからだ。
当然、女性器に自らの陰茎をねじ込むこと、避妊具越しでも膣内で射精することは男の本能として代え難い快感がある。
奥様やお嬢様、彼女達一人一人の裸体や膣の具合の違いを楽しみ、それぞれの感度や好みの攻められ方を探って楽しむ。
とにかく、柏木にとってセックスはひたすら心地よく楽しいものだった。
男性向けの風俗と違い、女性向けは相当に数が少ない。なにせ、女性は達したふりが出来るけど男は出来ない。
その点、柏木は何度でもイける体質だし体力も人一倍ある。
おまけに顔の良し声良し、背の高さに均整のとれた逞しい体まで持ち合わせているため、裕福な女性達を顧客にできた。
だからおそらく自分は、女性向け風俗の少ないこの国で、多くの淑女達を満足させる「愛人」をやるために生まれてきたのだろうと柏木自身も常々思っている。
定期的な性病検査と体型維持さえ怠らなければ、ギリギリ、なんとか四十代前半までは続けていけるだろうとも思う。
どうせ太く短く生きるつもりだ。自分が愛人で食っていけなくなったり、ツケが回って体を壊したら、後はさっぱり死ぬだけだ。

(でも、なんだろーねー……)
眠るアンジュに大型リムジンの座席で膝枕をしてやりながら、柏木はぼんやりと思った。
(なんか、お嬢様見てると、あれだよねー…)
スゥスゥと小さな寝息を立てて、柏木の膝に頭を預けて横になるお人形のような女の子。
柏木が名ばかりの専属の執事として仕えている、たった一人のお嬢様。
今朝も柏木がセットした色素の薄いふわふわの長い巻き髪に包まれ眠るその姿は、名前の通り天使のようだ。
(なんか俺って、スゲー汚ねぇなって思うわ……)
0438愛人くんと天使ちゃん(2/11)2019/09/15(日) 07:33:21.70ID:QZQ3GYL8
アンジュには、汚れなどひとつもない。
ただ、大きくて古い傷が付いている。
ーー柏木にはそう見えた。

「もー本当に心配したのよ!アンジュちゃんに何かあったらママどうしたらいいの?もう、もーうっ!」
天蓋付きのベッドにひっついて、母親がまるで仔牛のようにモーモー騒いでいる。
母に心配をかけたことは事実なので、アンジュは「ごめんなさい…」と、布団を全身に被ったまま謝った。
学園でぶっ倒れたアンジュは、すぐさま運ばれた保健室で複数の医師により精密検査を受けたが「単なる脳貧血」と診断を受けた、らしい。
アンジュはここ二、三日で心理的な疲労が溜まっていたためか、気絶から睡眠へとそのまま移行してしまったのでその辺のことはまったく覚えてないのだ。
大事をとって屋敷から迎えのリムジンを出され早退し、スヤスヤ寝たまま運ばれて、今はこうして自室のベッドに横になっているのである。
ちなみに、布団を被って顔を隠しているのは、恥ずかしいから。
恥ずかしい理由は、倒れたからでも、撫子さんと千鶴子さんの別の顔を知ったからでもない。
というか、撫子さん千鶴子さんの愛人どーたらはあまりに衝撃が大き過ぎて、考えること自体を脳が拒否している。
なので今は、アンジュの胸の中の厳重な金庫の中に押し込んでロックしてチェーンでぐるぐる巻きにして忘れておく。まあ、後日、信頼できる人物に相談する。
「お嬢様ー、起きたんスか?大丈夫ですかー?」
部屋に踏み入る足音とバ柏木の声がして、アンジュは思わず布団を体に掻き合せ声の方向から全身を背けた。まるで、『く』の字のミノムシ。
アンジュを恥ずかしがらせている張本人が来てしまったのだ。
「ほらほらアンジュちゃん、柏木くんよ!」
いや、そんな嬉しそうに言われても。別にこんなエセチャラクソ執事なんて待っていない。むしろ、来て欲しくなかった。
アンジュは自分の顔がそう分かるほどに熱くなってくるのを感じていた。
0439愛人くんと天使ちゃん(3/11)2019/09/15(日) 07:34:13.03ID:QZQ3GYL8
だって、アンジュが目を覚ました時にベッドに付き添っていてくれた母から、柏木が車からベッドまでアンジュを運んでくれたのだと聞かされたのだ。
人間が、寝ている人間を運んだということは……
(私…バ柏木に…、お姫様抱っこ…されちゃったんだ……)
アンジュの幼い無表情がふわわと情けなく崩れ、どんどん桃色に染まる。
つい昨日、間接キスなんてことをされてしまったのに、その上今日はお姫様抱っこまでされてしまうなんて……一体どうすればいいのだろう。
(恥ずかしすぎる……!)
まともにあの顎髭野郎の顔なんて見れるわけない。あのヘラヘラ顔が胸の中に浮かんでくるだけで、もう堪らなく恥ずかしくて意味もなく叫びたくなる。
「ああん、柏木くんがアンジュちゃんを軽々と運ぶ姿すごく素敵だったわぁ。アンジュちゃんにも見せてあげたかったわよ」
「いえいえ、か弱い女の子一人運ぶなんて楽勝っつーか、お嬢様の執事として当たり前の事をしただけですので」
そんなアンジュの気持ちを知らない母親は柏木とその話題で盛り上がる。
(やめてやめて聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!)
ミノムシは羞恥に悶えた。
「アンジュちゃんを米俵を担ぐみたいに肩に乗せちゃって、柏木くんすっごく雄々しかったわぁ」
「だぁってーお屋敷着いたら駐車場に担架とかお医者さんとかいてビビっちゃって。あんまそういう騒ぎにしない方がいいと思って、咄嗟に?担ぐ?みたいな感じでー」
オホホホホ。ケラケラケラ。
アンジュは、突如布団を跳ね除け二人の前にニュッと顔を出した。
いきなり飛び出てきたアンジュにびっくりし、ベッドの前に膝を折った姿で目を丸めている母と、母に寄り添うように跪き眉を上げている柏木に、尋ねる。
「お、お姫様抱っこじゃ…ないの…?」
アンジュの言葉に、二人の顔がスローモーションのようにゆっくり変化していく。笑顔に。
アンジュは、ようやく自分が今発した言葉がド級の失言だったことに気付き、慌てて両手で口を塞ぐが一度出た言葉はもう戻らない。
0440愛人くんと天使ちゃん(4/11)2019/09/15(日) 07:35:01.61ID:QZQ3GYL8
布団を必死で被り直すも、羽毛布団では防ぎきれないお祭り騒ぎがアンジュにブスブスと突き刺さった。
「んっまー!可愛いっ!アンジュちゃんったらお姫様抱っこされたかったのね!お姫様願望?ヒロイン願望?もーもー!アンジュちゃん可愛いわっ!」
「っきゃわわぁー!!マジ!マジきゃわわ!いやもう、お嬢様の愛がワタクシめにここまで強く注がれているとは光栄でございますぅーダハハハハ!」
最っっっっっ悪。
先程より悪化した羞恥のミノムシは、真っ赤になった顔を守るように体を丸めて自らの殻に閉じこもった。
もう、団子虫。

夕方頃。この屋敷の正当な執事である老紳士の真山が、アンジュへの来客を知らせにやって来た。
アンジュはルームウェアのフードに付いたうさ耳をパタパタさせながら急いで広間へ降りる。嬉しいことに、クラスメイト三人がアンジュのお見舞いに来てくれたのだ。
広間でブレーキをかけたアンジュは、軽く頬を上気させながら制服姿の友人達にぺこりとお辞儀した。
「いらっしゃい…来てくれて、ありがとう…」
来賓用の広間でメイド達からお茶や菓子でもてなされているのは、
「えーアンジュ、走ったりして平気なの?なんか元気そうで安心したわ」
ーー癖っ毛ワンレングスと健康美溢れるナイスバディ、アンジュの親友のエミナ。
「アンジュちゃんが倒れたと聞いて、私とても心配しましたの」
ーー席が隣で仲良しさんの、見事に長いポニーテールがトレードマークの清楚な美人、薫子さん。
「皆様も心配していましたのよ。でも大勢で押しかけてもご迷惑ですし、私達が代表ということでお見舞いに参りましたの」
ーーセミロングを大きく内巻きにしてカチューシャを付けている可憐な少女は、お見舞いではなく100%真山目当てで来たのであろう枯れ専の百合子さん。
何にせよ、こうして来てくれて本当に嬉しい。
「心配かけてごめんね…。あのね…倒れたって言っても大したことなくてね…」
0441愛人くんと天使ちゃん(5/11)2019/09/15(日) 07:35:50.28ID:QZQ3GYL8
そうアンジュが説明をしながら席に着き、メイド達が退出すると、お嬢様四人のティーパーティーが始まった。

アンジュの家に来ることになったから由良さん帰しちゃったわ。そ、私のSP。それよりさ、ランチタイムに繭子さんちのメイドさんがサラダひっくり返して大変だったねー。
午後の体育の薙刀で「隠し子ってどういうことですの?死ね、死ね」って呟きながら本気で振り回してる方がいらして怖かったですわ……。
ねえ真山さんはどちらにいらっしゃるの?こちらには来ないの?あ、お夕食用のワインを選んでいるのかしら?執事ですものね真山さんはンぁあああん!

そんな、他愛ない心地良い会話。
アンジュが抜き身の刃ではなくなる、穏やかな時間。
そこに、長い足でズカズカと踏み込んでくるエセ執事が一人居た。
「お話中失礼致します。この度はうちのお嬢様がご心配をおかけしちゃいましてー」
黙れクズ。
アンジュは、アンジュの椅子の背もたれから身を乗り出すようにしてお嬢様方に挨拶するチャラ男を冷えた目でジロリと見た。
先程の一件は黒歴史として、近いうちにこの男と共に闇に葬るつもりだ。
バ柏木のだらしなく着崩したスーツや、緩くネクタイを締めた首筋から言いようのないエロさがムンムン出てる。本気で京極家の恥なので存在を消してやりたい。
「あ、柏木くんだー」エミナは華やかな笑顔で手を振る。柏木も嬉しそうにヘラヘラ手を振り返す。
薫子さんはエミナの様子に少し驚いたように口に手を当てた。
「まあ…。エミナさん、柏木さんとそんなに親しくされているの?」
「ううん、こないだの教室乱入が初対面でそれきりよ。単にアンジュの執事さんだからさー」
そうなの…、と薫子さんはちょっと困ったようにはにかんで俯いてしまう。
薫子さんは少し内気で恥ずかしがり屋さんだけど、この反応が普通だとアンジュは思う。得体の知れない遊び人に気安く声をかけられるエミナが変わってるのだ。
0442愛人くんと天使ちゃん(6/11)2019/09/15(日) 07:36:36.04ID:QZQ3GYL8
百合子さんはーーとアンジュが目をやれば、先程のアンジュと同じような冷たい目で柏木を見ていた。
いや、もはやその存在を完全に無いものとしし、柏木を透かして広間の奥の壁を見ていた。
このエセ執事が京極に新たに雇われたことで、愛しの真山さんとのエンカウント率が削られるのだから当然か。
こいつが本当に無に返ればいいのにね、と百合子さんと心の中で握手しつつ、アンジュは紅茶を口に運ぶ。
柏木は気障な仕草で前髪をかき上げると、軽く肩をすくめた。
「うちのお嬢様はうっかり屋さんで忘れ物もするし、とっても甘えん坊で困ってるんですよー。だから皆様にもご迷惑をおかけしていないか心配で」
忘れ物じゃなくてお前が盗んだんだろ。甘えたことなんか一度もないだろ。もうお前ダメだろ。
古武術で黙らそうと速やかに立ち上がったアンジュだが、柏木にその小さな肩を抱き寄せられてしまう。
「さっきも俺、お嬢様にお姫様抱っこしてってせがまれちゃってー困ってるんですよー」
おおおおおおおおおお前お姫様抱っこの話はやめろおおおおおおおおおお!!!
アンジュは真っ赤になって背の高い柏木の口を塞ごうと必死に手を伸ばす。
しかし、「ほーら、焦って口止めしようとするのが何よりの証拠でしょ?マジでせがまれてんスよー」とニヤリと笑われた。側から見たらそうとしか見えない。…やられた。
これにはさすがの百合子さんも驚いたようで、三人のお嬢様はキャー!と、興奮とも冷やかしともつかぬ可愛い声をあげる。
(…もうやだ…)
アンジュはフードを目深に被り、うさ耳団子虫になって床に転がるしかなかった。


「あの、おば様……本当によろしいんですの?」
「いいのよ。柏木くんは私だけのものじゃなくて、みんなの柏木くんなの。だって彼を学園に送ることを許可したのも私なのよ」
そう笑うこの屋敷の奥様に、薫子様は感心したようにはぁと息をついた。
0443愛人くんと天使ちゃん(7/11)2019/09/15(日) 07:37:20.03ID:QZQ3GYL8
ベッドに裸で寝転んでいる柏木は、ドアの向こうから聞こえる二人の話し声に苦笑する。カーテンの隙間からは夕焼けが見えた。
(お金持ちの女性は怖いよねー。愛人共有っつーか、なーんか人身売買みてーだわ)
エミナ様と百合子様はあれから小一時間楽しく過ごされ、それぞれ京極家の車でお家へと送られて行った。
そして、一人残ったのは薫子様。
アンジュお嬢様にはお客様は全員お帰りになったと告げてあるので、これは薫子様と奥様の秘密の会話だった。
薫子様が親しい友人のお見舞いのために屋敷へと来たのは、口実ではなく真実だ。
しかし、そこに居る柏木を求めて来たのもまた理由の一つだった。
柏木は仕事柄、女性に関しての記憶力はいい。以前一度教室に踏み入った時にその場の全員の顔を見渡した。薫子様はクラス後方、お嬢様の右隣の席に居たはずだ。
ポニーテールが目立っていたから覚えやすかった。大人しそうな顔を恥じらうように手で隠しながらも、柏木の肉体を食い入るように見つめていたこともしっかり覚えている。
「では、遠慮なく…。ありがとうございます」
「いいのよ、ゆっくり楽しんで頂戴。アンジュちゃんとこれからも仲良くしてね」
奥様の足音が遠のいてしばらくの後、部屋の戸が小さくノックされて開かれた。
柏木と同じくシャワーを浴びた薫子様は、バスローブを着たままベッドへと歩み寄る。ポニーテールはそのままだ。長い髪が乱れるのがお嫌なのだろう。
「あの……私あまり慣れていないので、お任せしてもよろしいかしら…?」
初々しくはにかみつつ、そんな小声で告げられるとそれだけでそそるものがある。
柏木は身を起こすと、当然と言うように微笑んで手を差し伸べる。薫子様の華奢な手が添えられ、怖々といういうようにベッドへと乗り上げてきた。
こういう初心なお嬢様も良いものだ。処女ではなくても、経験数はまだ片手で足りる程度ほどか。わずかな手の震えで彼女の緊張が伝わってくる。
「私その…まだ、性交が痛くて……」
可哀想に、ヘッタクソな素人男に当たったらしい。破瓜の痛みは仕方ないにしても、後の数回は完全に男側のテクニック不足だろう。使い慣れない膣の固さなぞ言い訳にならない。
プロなら、たとえ処女でもしっかりと満足させて差し上げられるのに。
0444愛人くんと天使ちゃん(8/11)2019/09/15(日) 07:38:02.23ID:QZQ3GYL8
「ご安心を。薫子様はどうぞお身体を楽になさってください」
低く囁いて手の甲に口付けると、柏木は薫子様の緊張をほどくように優しく抱き寄せた。バスローブを静かに脱がす。
艶やかな髪と同じく、しっとりとした美しい肌が露わになった。贅肉の少ない若い肢体、丸く形の良い胸。何より、体の中央を割ってうっすらと通る一本の筋肉の線が良い。
長く垂れるポニーテールの描く線と、体の線と。真っ直ぐに揃って立つ菖蒲の花を思わせる。
「お美しい」
柏木の素直な言葉に薫子様は清楚な面を染めて微笑み、そして、柏木の手に全てを委ねた。
ポニーテールが邪魔にならぬよう、頭を横向きにしてベッドに仰向けになる薫子様。
顔を背ける形にしているのは、おそらく男と目を合わせることへの恥じらいもあるのだろう。緊張に微かに強張る横顔が愛らしい。
柏木はマッサージをするように薫子様の肩から腰のラインをゆるりと撫でる。途中両胸を包むように掌が過ぎる時、心地良さそうな息が薫子様から微かにあがった。
指に吸い付くような肌の感触。今すぐ舐め回してみたくはなるが、それではこの内気な少女を怖がらせるだけなので自分に対してお預けをする。
薫子様のための、たっぷりとした長い前戯が始まった。
天井に吸い込まれる静かな呼吸。じわじわと上がる体温。四肢をゆるく絡め、肌を密着させてやんわりと擦り合わせる。
薫子様の肌はまるで乳液を含んだシルクのようで、柏木を大いに楽しませた。
両胸を脇から包むように手でそっと揉むと、やはりそうされるのが好きらしく甘い吐息を漏らす。丸い乳房は指に柔らかく、仰向けの姿勢で形を崩している。
そこに桃色の絵の具を落としたようにある両の乳首は、まだ固く尖っておらず、潰れた円錐のまま呼吸に合わせ上下している。それでいい。
まだまだ、性的な象徴には触れてはいけない。丹念に全身をほぐし心身を開かせてからでなければ、触れても単なる苦痛となるだけなのだから。
柏木は、肌を重ねただけですぐに見つけた薫子様の淡い性感帯をいくつか唇で撫でていった。
か細い首筋から涼しげに浮いた鎖骨にかけてのライン、そして二の腕の内側の柔らかい箇所、手の平の中央。
「はぁ…あ…」
唇がそこに優しく触れていくだけで、少しずつ声が上がってくる。薫子様が徐々に安心して声を出せているサインでもある。
0445愛人くんと天使ちゃん(9/11)2019/09/15(日) 07:38:43.01ID:QZQ3GYL8
さらに安心させるように手と手を結び、ようやく柏木は薫子様の肌に舌を這わせた。
「んっ…ぁう……は、ぁ…」
満足そうな声が薫子様から漏れた。
まずは右の乳房に付けた舌を、その登頂部に向けてそろそろと舐め上げる。
乳首を口に含み、柔らかに甘やかに唇で愛撫した。薫子様の反応を抱き締める全身で確かめながら、ゆるゆると舌を乳首に乗せる。
薫子様がくすぐったそうに小さく笑い、柏木の手をそっと握り返してくれた。それを合図に柏木は舌と唇での奉仕を深くしていった。
まだ男に触れられることに不慣れな可憐な胸を吸い、乳首を潰すように舌を押し当てその若さを味わう。
息を荒げた薫子様が、空いた手で自らの両胸を食む柏木の髪をそっと撫でる。愛しむように、急かすように。ーーもう、大丈夫だろう。
そう判断して舌をさらに下腹部へと向かわせると、やはり薫子様は足を開いてそれを助けてくれた。
繋いでいた手を離して細い腰をしっかりと掴む。体の中央に入った美しい線を舌先でなぞり、どんどんと下へと降りていく。
「っく……ぁ…っあっ!」
やがて薄い陰毛を通り、肉付きの薄い割れ目へと舌は辿り着いた。舌先の唾液をまぶす程度、撫でるくらいの弱さで花弁をそっと弄る。薫子様の息がどんどん熱を帯びていく。
まだ、くすぐったい程度の刺激でいい。陰核にも触れなくていい。そこを開発するのは、後日にご指名をいただいた時で、いい。柏木は密かに頬で笑った。
蜜壺の浅瀬にそっと舌を差し込むと、薫子様はひゅうぅと細く息を飲んだ。
その後、何分もかけてそこを舌で貪った。奥までぬめる舌を捻り入れ、執拗に舐め回す。薫子様の声が高く上がり、肌が汗ばみ、その足がシーツをあられもなく蹴って痙攣するまで。
「はっ…!あぁっ!…もぅ、ぁあんっ…!」
サラサラとした愛液が大量に漏れ出て、男のものを求めて蜜壺が大きくヒクつく。薫子様も目尻に快楽の涙を浮かべ、唾液を口の端に光らせ柏木を求めている。
柏木は汚れた口をそこから離すと、なるべく細い薬指を選び、花弁の奥へとゆっくりと挿れた。指先だけを軽く押し込むが、やすやすと蜜壺はそれを飲み込んだ。
第二関節まで入れたところで一度抜き、今度は人差し指と中指を二本射し込む。
薫子様はうっとりと腰をくねらせてそれを受け入れるが、まだだ。焦らすように指でじっくりと解きほぐす。
0446愛人くんと天使ちゃん(10/11)2019/09/15(日) 07:39:30.97ID:QZQ3GYL8
「痛くはございませんか?」
分かっているくせにわざと聞くのは、薫子様の声が聞きたいからだ。
「平気っ…です、からぁ!……ぁっ…ください…っ!」
そう健気に訴える可憐な姿にゾワリとした征服欲が背筋を覆う。もう楽しくて、たまらない。
身を起こし、自ら屹立させていたそれに避妊具を被せ、薫子様へとあてがう。そして静かに腰を奥へと進めた。
熱くてきつい果実の割れ目が柏木を飲み込んでゆく。ほぐれたそこは抵抗もなく、滑らかな内側の浅い襞が絡みついて雄を奥へ奥へといざなう。
「ひっ!…あっ、ぁ…あはぁっ!あはっ!」
指とは比較にならない圧迫感も微かな痛みも、今は全て快感としてその身に受け取っているのだろう。薫子様は、弓なりに体をしならせて笑っていた。
恥じらいの微笑みではない。あまりの快楽に顔が悦び崩れてしまっているのだ。
だらしなく開いた唇から垂れた唾液も、汗ばみ赤く染まった顔も、当初見たあの大人しい姿からは想像も出来ない。ポニーテールの毛束が猥雑に乱れシーツに広がる。
柏木はニイと笑って腰を揺らした。あくまで、快楽だけを与えるように。この少女を悦楽の奥底へ堕とすために。
「あひっ!…あっ…はぐっ…!これっ、…気持ちっ…いいっ!はひぃっ…!」
本能のままに声を上げ、足をはしたなくばたつかせて悶える薫子様。
やはりその秘所は柏木が痛みを覚えるほどに固かったが、食い千切られそうな若い蕾の味わいは貴重なものだ。
(あー…やっぱ最高だわ…)
幾度も幾度も突かれ、乱れて笑う薫子様を見下ろしながら、薫子様に己の精を吐き出す悦びに柏木も共に笑ったーーー


「ただいまー!お嬢様!」
今日もなぜか超ご機嫌なバ柏木がアンジュの部屋に入ってきた。当然ノックは無い。
0447愛人くんと天使ちゃん(11/11)2019/09/15(日) 07:40:12.37ID:QZQ3GYL8
だからただいまってなんなんだ。ーーいや、無視だ無視。アンジュはアンティークの勉強机に真剣な顔で向き直った。宿題中である。
お隣の席の誼みで、薫子さんがアンジュの分の宿題のプリントをお茶会の時に渡してくれたのだ。教科は、アンジュの大嫌いな数学。
文系のアンジュは数式を見ているだけで目が回るし、何桁もある数字やら意味のわからない記号で占められたプリントを見てちょっと吐き気をもよおしてしまってる。
でも、なんとかして七割程度は解答欄を埋めなければ、これを届けてくれた薫子さんに対して申し訳がない。
(うー……)
なんとかプリントの問題を解こうと頑張っている。頑張ってはいるのだけど、まず一問目のこの問題の、何が理解できないのかすら理解できない。
「んー?何やってるんです?宿題?」
ポケットに手を突っ込んで近付いてくるバ柏木。プリントを見ると「ふーん」と軽く笑われた。
「俺さー、最終学歴高卒だけど一応大学行ってたんスよ、中退だけど。英、数、理はかなりイケちゃうんだけどなー」
机に手をついて柏木がヘラヘラと顔を覗き込んできた。クッッッソむかつく。
「どーする?お嬢様、柏木ちゃん使っちゃう?」
「要らない…」
アンジュはうさぎさんの付いたシャーペンをぎゅっと握り直した。そして、頑張ってプリントを見つめる。頑張って見つめて……………解らない。
「はいはい。お嬢様の執事さんが優しーくヒントをあげるから、教科書出してくださいませ」
むっつりしたまま、結局アンジュはバ柏木の数学講座を受けることになった。
ノートや教本の上に、アンジュにも分かりやいように噛み砕いた表現で要点を書き込む柏木の字が達筆で、こいつが達筆という事実にすらなんとなくムカつく始末。
ノートに並ぶアンジュの丸い癖字の横に、バ柏木の達筆で『これ解けたらお姫様抱っこしてあげるね╰(*´︶`*)╯』と書かれ、アンジュは反射的にそのページを破り捨てた。


おしまい
0448名無しさん@ピンキー2019/09/17(火) 18:44:15.05ID:u9Kbjcoc
生意気なお子様姫様と騎士のラブコメです。
NGは名前欄の姫パンツでお願いします。
0449姫パンツ(1/10)2019/09/17(火) 18:45:31.60ID:u9Kbjcoc
「この度はよくぞ多くの民を守り、皆に騎士道を示してくれましたね」
お妃様の麗しい声が、御前に跪く一人の騎士へと贈られる。玉座の前の長い絨毯の上、騎士は誇らしさでその立派な体躯を満たしていた。
数日前、城下町は落雷に襲われかなりの騒ぎとなったのだ。
雷の落ちた街路樹が火元となり街の建物へ燃え移り、さらに降り注いできた雨と押し合うようにして火の手を広げた。
最小限で被害を食い止め、死者を一人も出さずに済んだのは、すぐさま城から派遣された騎士団の働きのためだ。
市民の避難、救出、燃える残骸を打ち壊しての消火。雷の中で斧や剣は振るえないので、壊すのは木製の槌やら蹴りやらで、これはなかなかに骨がおれた。
その中でもこの騎士は、今にも燃え崩れそうな家屋に残された親子を助けるために果敢に突入し、その命を救った。ーーいや、実際に親子をそこから救い出したのは同僚だ。
騎士が親子に駆け寄る途中で、落下してきた家の梁がズゴーンとそのでかい体に直撃してしまったのだ。
とにかく、そのまま梁を受け止めた騎士がど根性でつっかえ棒になっている間に親子の救出は無事済んだ。
そして「一番体を張っていたのは明らかにコイツ」ということで、こうして騎士団代表としてお妃様から直々にお褒めの言葉をいただいている次第なのだ。運がいいのか悪いのか。
未だに梁が直撃した後頭部と背中が滅茶苦茶痛い。両手にガッツリ火傷もした。よくもまあ生きて帰れたものだと自分自身で感心する。しかし、
(死んでたまるものか)
騎士は面を伏せたまま、玉座の横に立ち並ぶ姫君を思う。
清楚でお優しく、まるでガラス細工の一輪の花のように煌めくお美しい第一王女。
そして、我儘でお子様で暴君で生意気で姉君の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいほど口の悪い、騎士の恋人である第二王女の、可愛い姫様。
(姫様がおられる限り、自分は死んでも死なんぞ)
好きなんだもの。

騎士を連れた姫様は、ピンクを基調とした豪奢な私室に入るなりソファーにころりんと寝転んだ。
改まった場での立ちっぱなしに足が疲れたのか、ヒールのある靴を脱ぎつつポンポン蹴り飛ばす。
0450姫パンツ(2/10)2019/09/17(火) 18:46:21.88ID:u9Kbjcoc
そして、「……あんた、その怪我、痛いわけ?」
床に転がる姫様の靴をいそいそと拾って揃える騎士に向け、ポツリと一言。
「いえ、ご心配には及びません」
姫様が自分を心配してくれた事が嬉しくて、思わず騎士はやせ我慢をして見せた。
実のところ、体も手袋の中の包帯を巻かれた両の手も、拷問でも受けてるのかな?って程に痛い。
一応、両手には医師が火傷に効く痛み止めの軟膏を塗ってくれてはいたが、それでも痛みの強さで言えばここが一番酷い。少しでも触れれば肌を炙られるような痛みがある。
痛みを和らげる効果の副作用で手が動かし辛くなるとのことで、確かに姫様の靴を拾う際に指が少し強張った。
でもまあ、痛みも傷も手の不自由も、我慢すれば平気だ。こうして愛しの姫様のお側にいられれば。
姫様のこの幼げな愛らしいお顔を拝見できれば。
さらに、この小さなお胸を拝見できれば。
さらにさらに、ドレスの下のパンツとその中身を拝見できれば、っていうのはさすがに望みすぎだが。
でも、健康な男のさがとして、愛する女性との性的なあれやこれを心身の活力とするのは当たり前ではなかろうか。騎士は自分の出した結論に強く頷く。
姫様は長い巻き髪を指で弄びながら横目で騎士を見ていたが、生意気そうにフンと鼻を鳴らした。
「騎士風情が主君に嘘つくんじゃないわよ。あんた、痛いんでしょ?大怪我してるじゃないのよ。……それじゃ当分できないわね」
え?できないって、何を?
そう心の声が顔に出ていた騎士に向かって、姫様のトドメのお言葉。
「セックスよ」
すごい。こんな砂糖菓子みたいなかわゆい見た目なのに、そんな単語を口に出しちゃう姫様にクラクラする……ってクラクラしてる場合じゃない。
え?セックス、合体、まぐわい、性交、エッチが、できない?
「そっ、そそそそそそ、それはまことでございますか!?」
0451姫パンツ(3/10)2019/09/17(火) 18:47:04.86ID:u9Kbjcoc
「まことだ」
ズゴーンと特大の衝撃が再び騎士の頭上から落下した。
死に物狂いで愛しいお方のもとへと戻ってくれば、エッチは当分お預けという死にたくなるような鬼の仕打ち。
ーーー気が付けば、騎士は大きな体を崩れさせ、床に四つん這いになって伏せていた。
嗚呼。重い梁が落ちても支えられた自慢の体躯なのに。火の粉を被っても歯軋りして守り抜いた誇り高き騎士道なのに。
姫様のお言葉一つで、こうも容易く折れてしまうものなのか。後頭部と背中と両手の痛みが悲しみに比例して重くなる。
「ちょっと、やめなさいよ馬っ鹿騎士!犬じゃないんだから!」
姫様が騎士のあまりの惨めな姿に怒鳴ってくるが、犬呼ばわりは死体蹴りなのでやめて欲しい。泣きそうになる。
(いや、文句を言うならどうかエッチさせてください。お願いしますから)
そう騎士の喉元まで出かかったが、高貴なお方に言えるはずもない下品極まりない台詞だし、何か声を出すともはや嗚咽が漏れそうなのでグッと飲み込む。本当に情けない。
しばらくの静寂。
レースのカーテンの出窓の外で、小鳥がチュンチュンと鳴き、やがて羽ばたいて行った。
ああ、世界は平和だ。騎士が不幸のドン底でも……。あ、涙がやっぱり溢れてきた。鼻水も。
「…………あの、さ、馬鹿だけど、あんたってやっぱり、騎士よね…」
不意に、姫様が声をかけてきた。
ズビッと軽く鼻をすすって顔を上げれば、姫様はちょっと拗ねたように唇を尖らせている。この顔は、照れている時の表情だ。
姫様はソファーの生地の花の模様を白い指でなぞりながら、なおも続けた。
「騎士だから…その、市民を守るのは当たり前よ?そうよ!あんた騎士だもん、守って当然よ!………でも、その…傷を負ってまで頑張って………偉かったわね…」
ズビビビビッ。
タイミング悪く大音量で鼻をすすってしまった。
0452姫パンツ(4/10)2019/09/17(火) 18:47:48.96ID:u9Kbjcoc
正直、こんな風に姫様から騎士としての職務を褒めていただいたことは初めてなので、思考が追いつかない。
とりあえず、ものすごい、嬉しい。
嬉しいけれど、それだけで胸が一杯で、騎士の脳からは気の利いた返事の一つも出てこない。
先程お妃様から頂戴したお言葉も心の底から誇らしかったが、小さな暴君から零されたたどたどしいこの言葉は、騎士の胸を全て埋めて思考すら止めた。
やっぱり、自分はこの姫君を愛している。
ようやく動き出した頭でそう自覚する。涙も鼻水もどこかに引っ込んで今はカラッカラ。単純なものだ。
姫様は寝転んでいたソファーから細い体を起こし、裸足で床に立った。騎士にソファーを顎でしゃくってみせる。
「いつまで犬の真似してんの?とっととこっちに来なさい」
あ、まだ四つん這いだった。恥ずかしさに赤面し、命じられらるままにソファーに座る。
座った途端、姫様が騎士に向かい合う姿勢で前に立った。こうして見下ろされるのはなかなか新鮮だ。ドレス越しにも小さな乳房のふっくらとしたさまを目の前で拝めて、ちょっと幸せ。
「なにこの服……どういう造りになってんの?」
いきなり騎士の制服にむくれる姫様。騎士が何か返事をする前に、その節のない真っ白い手を制服の襟ぐりにかけられた。
「えっ?」
驚いた騎士が思わず首を後ろに引くと、姫様はちょっと力んだように頬をぷくっと膨らませ、襟ぐりを左右に割ろうとグイッと引っ張る。
その顔は、ちょっとだけハムスターみたいで可愛い。
いや、可愛いのはいいんのだが、もしかして、力ずくで制服を脱がそうとしているのではないだろうか?
フックやらボタンやらがあるから絶対無理だし、第一、か弱い姫様の力で引き裂けるようなやわな生地なら、騎士の制服どころかメイドの服にも採用されないだろう。
「ひ、姫様?ちょっとお待ちください」
「うぅう〜」ほっぺプクーで力む、引っ張る、ぎゅうううー。で、襟が伸びるだけ。
ムキになっている幼い挙動があまりに可愛くて、騎士はニヤけてしまいそうになる。
0453姫パンツ(5/10)2019/09/17(火) 18:48:53.99ID:u9Kbjcoc
負傷した騎士の手を気遣って、まさか姫様自らが相手の服を脱がせてくれようとなさるとは。
そのお気持ちは心からありがたいのだが、無理なものは無理。騎士は姫様の小さな手を火傷で痛む自身の手でそっと止めた。
「姫様のお手が傷ついてしまいます。自分で脱げますので」
布を掴んで赤くなってしまった姫様のやわい手のひらを、手袋の大きな手で包む。
その拍子に内側の皮膚が擦れ、火炙り拷問の痛み再来。顔が引きつったが騎士はなんとか耐えた。
姫様はむくれたまま、そんな騎士の顔を大きな瞳でじっと見る。そんな風に見つめられて騎士は少し照れた。
脱がせてくれようとしたということは、つまり、エッチをさせてくれるということで。姫様も騎士を求めてくれてるという事実は、ちょっとじゃなく、かなり幸せ。
姫様はほんのりと赤く色付く可愛い唇をへの字に曲げた。
「だから、騎士の分際で嘘をつくな。痛いくせに」
「ですが」
「黙れ!……この上着、どうやって脱がせたらいいか教えなさいよ」
お、お優しい…。感動しちゃう騎士なのだが、教えろと言われると困る。
この制服は着るのも脱ぐのも多少面倒な代物だ。いつもは習慣で手が勝手に動くから無意識でも着脱できるのだけど、その工程を人に口で説明するとなるとややこしい。
ええと、まず襟の下に隠れているフックを二つ外して、それから縦のボタンを一列外して内側のベルトを外してーーー。
「もういい、面倒くさい」
騎士が説明の手順を考えていた数秒で姫様は上着を脱がすことを放棄した。高貴なお方というのはこんなものだ。
「あんたは別に下だけ出してればいいんだもん。ベルト外せばいいわね」
(うおおおぁ!)
急に来た。姫様の小さなお手手が、下に、シモに来た。
姫君の手を男の股になんぞ触れさせてはならぬと騎士は慌てるが、脳の隅で「これは千載一遇のチャンス!」と叫ぶ声がする。
0454姫パンツ(6/10)2019/09/17(火) 18:49:44.23ID:u9Kbjcoc
一生涯していただける筈はないと思っていた、姫様が騎士の男性器をそのお手で大きくしてくださる絶好のチャンスなのだ。
あの、真っ白くて汚れのない姫様の可憐な手が、男の陰茎に触れてしまわれる。
そこを擦って、あのゼリーのような桃色の舌で舐めてしまわれる。
無論、王家の宝である姫君が一家臣にそんな事をしていいわけは微塵もない。騎士もそれは言語道断だと思う。
しかし性行為というものは、禁断と付けば付くほど燃えてしまうもので、姫様が己にそんなことをしてくれたらと思ったら、ああ、もう!
「……なんでもう勃ってんのよ。変態」
姫様の冷たい声で我に返った。
ベルトを外されただけでズボンが所謂「テントを張ってる」状態になっている。しかも、完全に隆起してる状態。
恥ずかしいより前に、健康過ぎる己が憎い。
何故もう数分でも耐えてくれなかったのだ。このムスコは。
「あんた、なんか期待してたんでしょ?」
ツンッとすました姫様の目と突き放すような声。
図星で身を固くする騎士と、元気一杯に立ち上がっている雄を容赦なく姫様がねめつける。
「騎士ごときがこの私に何かやってもらえるとでも思ってるの?あんたのモノなんかに私が触る?頭おかしいのよ!この変態!」
おっしゃる通りなので、この場はとりあえず土下座をした方がいいだろうか。そう真剣に思案する。
しかし、急に姫様が騎士に抱きついてきて何も考えられなくなった。
柔らかな胸でムニュッと顔面を覆われる。
「…この大馬鹿騎士、……どうやったら私が濡れて、その馬鹿なモノを挿れられるか…早く教えなさいよ」
声色からして、照れた顔を騎士に見られたくないからこんな事をしているらしい。シャンプーと石鹸の香りに包まれながら、騎士はのぼせた頭でそう思った。
そして姫様の言うことにゃ、これから姫君による自慰行為を騎士の眼前で披露してくれるらしいのだが、当然、これも禁断の世界であるーーー
0455姫パンツ(7/10)2019/09/17(火) 18:50:35.08ID:u9Kbjcoc
ーーー騎士はソファーに座ったまま、床に脱ぎ捨てたドレスを敷物がわりに全裸で喘ぐ姫様を見下ろしていた。
騎士の指示のままに、その手で自らの胸を揉み、乳首に触れ、体を撫で回して甘い吐息を漏らす姫様。
(し、死ななくて本当に良かった……!!)
そう思わずにはいられない。なんといやらしい光景なのだろう。切ないほどの背徳感に胸の奥底が軋む。
まだ幼さの残る肢体を男の前に晒し、まるで真珠のように艶やかな肌を上気させている。
そして、自らの稚拙な愛撫にじれったそうに切なげに眉を寄せるその表情がたまらない。
こんなもんを見せられたら、多分、視力が上がる。とりあえず騎士の下半身はドクドクと脈打って血の巡りは確実に良くなっている。
大興奮で打ち身の痛みも火傷の痛みも麻痺してしまった。麻痺なので治癒はしていないが、とかく効能があって禁断の世界様々だ。
「ぁっ…んっ…、つ、次は…?」
姫様は頬を赤らめながら騎士の言葉を待つ。騎士の指示通りにピンク色の可愛らしい乳首をキュッと潰し、甘い痛みに声を震わせながら。
「その…次は指で、下の割れ目を…開いてください」
騎士の言葉に従い足を軽く開いた姫様は、うぶ毛がわずかに生えるふっくらとしたそこを左手の人差し指と中指で開いて見せた。
割れ目の奥、蜜に濡れる桃色の花弁が無邪気に男の視線を待ち受ける。思わず騎士の喉仏がゴクッと上下した。
あの生意気な暴君が、自分の言いなりで痴態を晒している。
言いなりになって体を弄って息をはずませ、それを余す所なくソファーの特等席にいる騎士に見せてくださっているのだ。
この世に生を受けて良かったとか、こんないいことあったら明日あたり死ぬんじゃないか?とか、騎士の脳内で生死をかけた天秤がグラグラ揺れた。
グラついてるのは生死の天秤だけじゃない。
尊いお方にいやらしいことばかりさせている己を怒鳴りつけてやりたい自分がいるのに、結局その口から出るのは破廉恥な指示ばかり。
理性と本能の天秤もグラグラ。かなり危険なシーソーゲームだ。
辛うじて心身に染み付いている騎士道のおかげか、普段己が姫様を愛撫しているように、優しく御身をほぐして差し上げられるようにと丁寧に指示を出してはいる。
0456姫パンツ(8/10)2019/09/17(火) 18:51:22.77ID:u9Kbjcoc
ただ、出してはいるだけで、いやらしいことをさせている事実は何も変わらない。自分の中の理性を応援しながら騎士は次の指令を出した。
「指を…その中に入れてください。そこをほぐせばもう…挿れられますから」
「そんなのっ…自分で入れたことないわよ…。どうやって入れるのよ…」
そんな風に不安そうな顔で見上げられると、家臣にはあるまじき征服欲がむくむくと頭をもたげてくる。危険だ。頑張れ理性。
「濡れていますから、大丈夫です。人差し指の先端を…そこへ入れてください。ゆっくり…」
敬語で欲をくるんで、姫様の指をそこへと誘う。
姫様は恐る恐る騎士の言葉に従い、開いた割れ目の奥に右手のか細い指先をツプッと埋めた。
幾度も騎士を受け入れているその花弁は簡単にその小さな指先を飲み込んで、もっと欲しいとヒクヒク動く。
「もっと奥へ……大丈夫ですから…」
「あ…ぁんっ……ふ…」
操られるように指がさらに深く差し込まれ、蜜が溢れる。おそらく、心地よいのだろう。姫様の息が熱く早くなる。
「その…ですね、指を曲げて…探せば、気持ち良い箇所がありますから。そこを押してください」
快感に潤む姫様の瞳が騎士にすがるように向けられた。そんなのできない、そう言いたいのだろう。
「そっとで、大丈夫ですから…」
本当は自分の指をそこに入れて、存分に愛して差し上げたい。もどかしい。もう騎士の昂りは苦しいほど尖っていて、姫様を求めて早く早くと下肢を疼かせているのに。
姫様は拗ねたように騎士を上目遣いで睨むと、仕方なく秘所の奥を指でゆっくりとかき混ぜ出した。
鼻にかかる細い声。恐る恐るだが姫様の指が内側に触れる。
「…あっ!…あ…ンッ……ここっ…いつも、あんたが触ってる…とこ…」
そう。いつも騎士に触れられているから容易く分かってしまうその箇所を、指で押す。姫様の体がピクンッと細かく震える。
花びらのような唇も震えて、その端から唾液を零してしまいそうだ。下の花弁から漏れる蜜は、もう零れている。もう充分ほぐれたほろうし、もうお互いに限界だった。
0457姫パンツ(9/10)2019/09/17(火) 18:51:59.67ID:u9Kbjcoc
ソファーに座る騎士のズボンが情欲に急かされた姫君に乱暴に開かれ、下着をずり降ろされる。
「はァッ…これで、挿れればいいのね…」
汗ばんだことで、よりシャンプーの香りが強くなった可憐な裸体が騎士の上に跨る。
この小さな体を今すぐに抱き締めたいのに、騎士の両手の火傷が邪魔をする。騎士は我知らず歯軋りをした。
姫様は濡れそぼった花を騎士の杭の頂点に合わせようとするが、蜜が滑ってしまって上手くいかない。何回か試して、
「んぅっ…、ダメ…入れられない…馬鹿っ…馬鹿ぁっ…」
姫様の大きな瞳からポロリと涙が落ちた。自分の性の技巧の拙さへの悔し涙か、ずっと欲しい騎士のモノをお預けされている苦しさからくる涙か。
騎士はその落涙を見た瞬間、火傷も忘れて手袋のまま姫様のか細い腰を支え、自身の上にしっかりとその花弁を乗せた。
体重のまま、自然と姫様の体が落ちる。
「ひっ…ぁああぅ!あっ、ぁああンっ!」
ようやく位置の合わさった姫様の愛らしい蜜壺と騎士の猛々しい男性器は一息に繋がった。
姫様のきつくてプリプリと絡みつくそこに一気に己を咥え込まれ、騎士は深く息をつく。
今更両手が焼かれるように痛みだしたが、もうどうでもいい。
姫様の全てを奪いたい。もっと犯したい。共に快楽を貪りたい。
騎士として己を律している筈なのに、どうしてこんな獰猛な性欲が沸き起こるのか不思議なくらいに、姫様が欲しい。
姫様の涙は、抑制されていた騎士の欲望のタガを外してしまったのだ。
一気に貫かれた悦楽に半ば放心している姫様を、腰を使って下から揺する。姫様は唐突に起きた抽挿に覚醒し、体を跳ねさせて悲鳴をあげた。
「やんっ!アッ、…馬鹿っ…!やぁっ!」
そんな可憐な泣き声で罵倒されても、もはや、好きだと告げられているのと何も変わらない。
逃げられぬように腰を掴み、激しく下から突き上げる。幾度も幾度も。姫様が幼い子のようにいやいやと首を振って泣いても。
0458姫パンツ(10/10)2019/09/17(火) 18:52:52.59ID:u9Kbjcoc
グチュグチュと水音をあげて繋がる部分から、媚薬のような恐ろしいほどの快楽が騎士の全身に広がっていって頭が真っ白になる。
キツくて甘くて、刺激的で、蕩けそうで。姫様と、姫様の秘所は似ていた。
「もう嫌ぁっ!…ダメッ!…はぁっ、やっ!変に、なっちゃ…っ、やあぁっあっ!」
呂律が回らなくなってきた姫様がもう何回目かも分からない絶頂を迎えても、騎士は腰を止められなかった。


翌朝、騎士を見た同僚達は一様に驚いた顔をした。
「なっ!?お前、なんで怪我が増えてるんだよ?おかしいだろ!」
「顔は無事だった筈だよな?えぇ…なにそれ?青タン?」
それは、エッチが終わった後、復活した姫様に部屋の調度品の壺でブン殴られたからです。
(これは、か弱いご婦人に無理な性交を強いた罰だ。諸君らも肝に銘じておけ、騎士道を踏み外すとロクなことがないぞ)
もちろんそんな事は言えないので、騎士は問われるたびに「階段を踏み外して顔面からずっこけた」で通した。
騎士道と階段、踏み外しているのは間違いないので、まるきり嘘ではない。


おしまい
0459名無しさん@ピンキー2019/09/20(金) 07:39:47.92ID:pjd2+YXh
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様の学園ラブコメです。エロなし。
NGは名前欄の「愛人くんと天使ちゃん」でお願いします。
0460愛人くんと天使ちゃん(1/4)2019/09/20(金) 07:40:36.25ID:pjd2+YXh
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お「アンジュちゃんって、お家ではいつも柏木さんに甘えて彼のお膝の上に座ってらっしゃるんですって」
んなわけないでしょ。
「しかも、紅茶を飲むのも柏木さんからの口移しじゃなきゃ駄目なのよね?」
不衛生だし発想が気持ち悪すぎるでしょ。
「おトイレの個室に行くにも柏木さんにお姫様抱っこで運ばせているそうよ」
それもう介護でしょ。
「お風呂に入るのもお姫様抱っこで、さらに体まで洗わせているなんて大胆ですわ」
だからそれもう介護でしょ。
(…滅茶苦茶だ…)
アンジュは机の上に突っ伏して頭を抱えた。淡い色のゆるいカールの髪が机にふわっと広がる。その机の周りには、美しい声で囀り続けるお嬢様達の群れ。
昨日、エセ執事の柏木がお茶会でぶちかました法螺話が、次の日の二時限後の休み時間にはここまで曲解されてクラスメイト中に広がっているとは。
多分、最初はお姫様抱っこの話だけだったはずだ。エミナか百合子さんが話のネタとして、ごきげんようの挨拶の後にでもちょこっと出したのだろう。
しかしその話がお嬢様からお嬢様に伝わる間に、尾ひれはひれに背びれに角に、天空を羽ばたく翼まで付けられて、最早ファンタジー世界の召喚獣のような姿で教室中を飛び回っている。
さすがの狂犬もこれには手が付けられない。当初は一々訂正していたが、「まあ!照れてムキになってしまって可愛らしいですわぁ」とお嬢様達にハグされて終わりだった。
(顎髭野郎……恨むぞ…)
アンジュには、机に伏せた童顔をしかめ、胸に浮かぶバ柏木のヘラヘラ顔に怨念を飛ばすことしかできなかった。

三時限目、数学。
「京極さん、頑張りましたね」
0461愛人くんと天使ちゃん(2/4)2019/09/20(金) 07:41:27.12ID:pjd2+YXh
ガヴァネスを思わせる美人の数学教師が、全員から回収した宿題のプリントを一通り眺めるなりそう言った。
当然みんなの視線はクラス後方の京極さん、即ちアンジュに集まる。
感激するガヴァネス美人はなおも続けた。「こんなに頑張ってくれるなんて初めて。先生、嬉しいわ」
いや、いつだってアンジュは数学を頑張っているのだ。ただ、頑張ってもまるで理解できないから、いつもは答案用紙が白いというだけで。
クラスのあちこちから「宿題まで柏木さんに」「答えを耳元に甘く囁かれたのね」とひそめる気のない音量の声が上がり、学級委員の撫子さんが「お静かに」と静めてくれた。
(うう……やり方はバ柏木に教わったけど…全部自分で頑張って解いたのに…)
アンジュの数学の成績はクラスでワースト一位なので、疑われても仕方がないのだが……。
肩を落とすアンジュの小さな背を隣の席の薫子さんが撫でてくれて、ちょっと泣きそうになる。
後ろの席の千鶴子さんも小声で、「手伝ってもらったとしても気になさることないわ」と柔らかなフォロー。
ああ、この聖女の千鶴子さんが、そして撫子さんが、柏木とナニをしたとはやはり現実味がない。
「柏木さんって?」先生が首を傾げると、「京極さんちの新米執事さんでーす」とわざわざ挙手してエミナが明るく教えてあげた。やめろ。京極家の恥を教師陣にまで広めるのはやめてくれ。
「まあ、ではその執事さんが宿題を解いたということ…?これは京極さんの文字ですけど、答えを書き写したということなの?」
ああ先生、そんな悲しそうな顔をしないで。アンジュはいつもの無表情のままぷんぷんと顔を横に振って自身の無実をアピールする。
アンジュの気持ちが通じたのか、先生は小さく頷き、アールヌーヴォー風の堀細工に囲まれた黒板にカツカツとチョークの音を立てて計算問題を書いた。
「では、京極さん。こちらを解いてください。宿題とは違う問題ですが応用で解けますので」
これはいい。アンジュの潔白も示せるし、ちゃんと自立してる姿を見せつければ、みんなの怪しい妄想も少しは覚ますことができるかもしれない。
「あの…ノートを見ながら解いてもいいですか…?」と、アンジュが両手で学園指定の小花柄のノートを持ち上げて見せると、それにも先生は頷いた。
とてちてとてちて。
小柄なアンジュは絨毯の床を黒板まで小走りで進み、ノートを開いた。そこにあるクソ柏木直筆の『文系にも分かるやさしい数学講座』を参考に、黒板の数式と懸命に戦う。
途中ちょっとつまずいたりはしたが、なんとか解けた。
0462愛人くんと天使ちゃん(3/4)2019/09/20(金) 07:42:09.88ID:pjd2+YXh
「正解。やっぱり京極さんの努力だったのね」
そう喜ぶ美人先生と、多くのクラスメイトからの「がっかりですわぁ」の謎のブーイング。なんでやねん。一緒に喜んでくれ。
「柏木さんって優しい執事さんね。ノートに京極さんのためのレクチャーがいっぱい。それに全部の語尾にハートマーク。京極さん、これで数学も頑張れたのね」
悪意のないガヴァネスさんがアンジュのノートの中身を暴露し、教室は「んまぁー!」の合唱で大いに盛り上がった。
……なんでやねん……。

「黒瀬サンと黒田サンってー、お嬢様の宿題とかお手伝いすることってあります?」
学園内の使用人用待合室。長身を屈ませてドリンクバーから硬水炭酸をカップに注ぎつつ、柏木は双子のような二人の男にそう尋ねた。
クロセとクロダ。お嬢様達から通称、「仁王像」と呼ばれるレスラー体型のボディーガードの二人は名前も似ていた。
コーヒーマシンからエスプレッソを注ぎながら黒瀬さんが「いや、自分らは全然です」。カプチーノ片手の黒田さんも「お嬢様勉強できるし、使用人に頼らないんで」だそうで。
「あーいいッスね、知的なお嬢様って羨ましい」
柏木は当たり障りのない言葉で頷きながらソファーに腰掛け、長い足を組んで本題に踏み込むタイミングを見計らう。
仁王像さんとは仲良くさせてもらっているが、肝心の、このお二人の仕えるお嬢様を存じ上げない。
柏木は奥様&お嬢様ら高嶺の花がストライクゾーンだし、その花々専門の愛人が本業だ。だから是非知りたいし、お近付きになりたい。
そんな心の声を読んだのか、二人は囲うように柏木の両側にドスンと座り、険しい目で見つめてきた。
「「うちのお嬢様は、ダメですよ」」
ステレオで警告される。
あ、まだお嬢様三人しか食べてないのにバレましたか。隠す気はあまりなかったけれど。柏木は軽く肩をすくめた。
しかし、柏木の想像とはまったく違う警告が、両側から今度は囁かれる。
「「…危ないですから…」」
0463愛人くんと天使ちゃん(4/4)2019/09/20(金) 07:42:48.54ID:pjd2+YXh
危ない……?まさか、仁王像さんのとこのお嬢様も、アンジュ様と同じく狂犬なのか。
黒瀬さんが真剣な声で告げた。
「あのですね、柏木さんみたいなイケメン系なら範囲外かと思うんですけど、たまには趣向を変えてってことで矛先が向いたら危険なので…」
それってどういうお嬢様なの?むしろ矛先を向けてほしくなってしまう柏木である。
柏木はイケメンでチャラい。こういうタイプが嫌いなお嬢様もそりゃ多いだろう。でもそのお方が趣向を変えて味わってくださるなら、どうぞ召し上がれ、だ。
その時、黒田さんがシッと会話を遮った。遠くから、一人のお嬢様が待合室へ向かって歩いてくる。先程チャイムが鳴ったので今は休み時間のはずだ。
ボレロとハイウエストの七分丈ジャンパースカートという野暮ったい制服を着ていても、彼女はまるで着せ替え人形のように可憐だった。
華奢な肢体に小さな顔、サラサラストレートのロングヘア。まるで少女漫画の主人公のような癖のない美少女で、万人受けする可愛らしさがある。
そのお嬢様が待合室に踏み入るなり、仁王像は柏木の両側から瞬時に起立した。
「「お疲れ様です。美佳子様」」
「ごめんね、ちょっと遊びに来ちゃった。楽にしてていいから」
まるで声優のようなアニメ声で、美佳子様は自らの使用人二名に笑った。そして、真ん中に挟まれている柏木にもニコッとする。
「こんにちは、あなたが噂の柏木さんかな?アンジュちゃんの執事さんの」
「はい。うちのお嬢様がお世話になっております」
自らも立って頭を下げながら、ああこれは落とせないなと柏木は瞬時に悟った。美佳子様が柏木を見る表情も声の調子も、可愛い笑顔のままで何一つ揺らぎがないのだ。
笑顔なのだが、まるでコンビニで客が買う気もない商品の棚を見るともなしに見るかのように、ただ柏木を見ているだけ。
おそらくだが、美佳子様は、ドS。
両側に立つ巨体に漲る緊張がそれを裏付けている。この仁王像、調教済みと見た。
美佳子様は、その後しばらく使用人用のドリンクバーを眺めたりとのんびり過ごされ、帰り際に可愛く笑って「じゃあね、ポチ、ペス」と黒瀬さん、黒田さんに手を振った。
ーーー確かに、これは危険だった。


おしまい
0464名無しさん@ピンキー2019/09/23(月) 07:49:56.52ID:B1zZsgwo
お馬鹿なお嬢様とサドな家庭教師のラブコメです。
NGは名前欄の「アリスとエドガー」でお願いします。
0465アリスとエドガー(1/10)2019/09/23(月) 07:50:52.93ID:B1zZsgwo
「きゃあんっ!」
乱暴に胸元を鷲掴みにされプルルンとそこ胸が弾む。アリスお嬢様から可愛らしい悲鳴があがった。
逞しい男の腕に無理矢理その身体を引き寄せられ、胸板にきつく押し潰される。
何とか抵抗しようともがくのだが、体格差がありすぎて大型犬に遊ばれる子猫のようでまるで歯が立たない。
アリス様の幼顔には乱れた金髪のショートボブがかかり、頬は赤らんで小さな口からはとろけそうな熱い息が上がっていた。

住み込みの家庭教師のエドガーは、屋敷のトレーニングルームで行われているこの一連の「授業」を目の当たりにして鉄面皮を凍らせていた。
「ジュードーだよ、柔道。アリスの護身術にいいと思ってね」
エドガーの隣に立ってそう説明してくれるのは、屋敷の主の旦那様。
旦那様のご息女のために、新しい家庭教師として雇われた好青年のアンディくんは、柔道の先生らしい。
アリスとアンディは共に白い道着に身を包み、組んず解れつとルームに敷かれた畳の上で転げている。
「あはは、お嬢様は元気だけど隙が大きいなぁ」
白い歯を見せて笑うアンディは、アリスにかなり手加減をして寝技をかけた。それでも重い筋肉で四肢を絡め取られたアリスはキャーキャー騒いで暴れている。
その姿は誰がどう見ても、恋人がじゃれあっているようにしか見えなかった。
エドガーは頭の奥の鈍痛を抑えるように、眼鏡を手袋の指で軽く押さえた。
(ーー護身術の家庭教師だとは、確かに聞いていた)
古参のアリスの教育係として、旦那様から直々にアンディの雇用の相談を持ちかけられてはいたし、エドガーも後々それを承諾した。それはすべて事実だ。
ただし、その授業の中身が柔道で、これほどまでに激しいものだとはまったく聞かされていなかった。
いや、それ以前にこれは普通同性同士でやる競技であって、異性と組み合うものではないと思うのだが。
何よりも、授業の大半が寝技メインなのも絶対におかしいと思うのだが。
0466アリスとエドガー(2/10)2019/09/23(月) 07:51:45.34ID:B1zZsgwo
頭痛の次は胸が悪くなってくる。エドガーも年が年なので、こういう悪夢のような絵面を延々見せつけられるのは勘弁してほしい。
旦那様は、「アンディくんは、クビじゃなくていいと言ったよね?」とエドガーに深ーく釘を刺してきた。
「…………………はい」
仕方なく頷く。
何故今日、旦那様からジム設備一式を備えたトレーニングルームへと誘われたのか不思議だったが、理由はこれだったのか。
エドガーが後になってアンディの授業内容を知って激怒しないよう、旦那様が早めの処置を施したのだ。
(ああ……もう……)
旦那様に釘を刺されたあたりがひどく痛い。
とうとう胃痛まで始まってしまい、エドガーは神経質そうな細い眉をヒクヒクと震わせた。

「アリスね、今日受け身を習ったんだよー!だからもう先生にぶっ飛ばされても平気なんだもーんっ」
シャワーを浴び、セーラー襟のシャツとお揃いの紺色のミニスカートに着替えたアリスは元気いっぱいだった。
若いというのは恐ろしいもので、あれだけの鍛錬をした後なのに長机に両肘をついてニコニコとご機嫌で笑っている。
しかし、二人でいつもの勉強部屋へと戻っても、エドガーの不快感はまるで消えなかった。
黙って自らの椅子に腰掛けると、歴史の教本と資料を気だるく机に並べる。
「ね、アリス本当に受け身上手なんだよ!アンディせんせぇに褒められたもん。だからアリスのこといつもみたいに投げていいよー」
(そうですかお嬢様はマゾですか気色の悪いことですね)
普段ならそう罵詈雑言を飛ばすか、本気で巴投げでも食らわせてやるはずなのに、今のエドガーは全てが億劫だった。
アリスの口からアンディの名前が出る度に気力も体力も削られる。本気で、しんどい。
何も反応をくれないエドガーに拗ねたのか、アリスは唇を尖らせ、机に両手を伸ばしてグテーと伸びた。
0467アリスとエドガー(3/10)2019/09/23(月) 07:52:32.11ID:B1zZsgwo
「ぶー。つまんなーい…」
気に入らないことがあるといつだってこのお嬢様は授業を単体でボイコットする。しかし、本当に今日の授業をボイコットしたいのはエドガーの方だった。
何が「ぶー」だ。豚か?怒る気にすらならない。もういっそ今日は丸々休みにでもしてやろうかといつもの無表情のまま思う。
頭の中で、目の前にいるアリスのしなやかな体があの青年と絡んでいた映像がずっと繰り返されている。ある意味、スプラッタやグロデスクな画像以上におぞましかった。
「先生……」
机にペタンと頬をつけたまた、アリスが小さくエドガーを呼ぶ。
「先生……なんでお返事してくれないの?……アリスのこと、好きじゃない?」
寂しげな声だった。怯えた子猫が不安げに親猫を探すような、弱い声。
(好きなわけがないだろう)
いくら破格の年俸で住み込みの家庭教師を長年続けているとはいえ、お馬鹿でトラブルメーカーのこのお嬢様に、神経質で潔癖症の自分が好意を抱く謂れなど微塵もない。
……まあ、バレンタインにケーキを作って持ってきたり、エドガーからのプレゼントを喜んだりするアリス様は……嫌いではないかもしれないかもしれない……。
いやまあ、それは気のせいだろう。自分はアリス様を好きではない。それでいい。
普段なら、アリスを好きになれない幾億もの理由を言葉の暴力にしてこれでもかと叩きつけてやるのに、今はその気も起きないのだ。
(ああ、もう……自室で横になりたい……)
アリス様の言う通り、自分は本格的にオッサンになってしまったのだろうか。いや、年齢的にはとっくにオッサンなのは間違いないが……。
エドガーは重い溜息と共に目を閉じた。

グスッ。

ふと、静かな勉強部屋にその声は響いた。
0468アリスとエドガー(4/10)2019/09/23(月) 07:53:16.51ID:B1zZsgwo
「グスッ……うっ…ふぇっ…ふえぇんっ」
無視を続けられ、とうとうアリスはメソメソと泣き出してしまったのだ。
ーーー泣き声を聞いた瞬間、ゾクリとエドガーの下半身が疼いた。
アリスを見やれば、机から身を起こして華奢な両手で涙を一生懸命におさえていた。
ヒクッヒクッとひきつる細い肩や、指の隙間から見える可憐な泣き顔に、さらにエドガーの腰に濃い衝動が押し寄せる。
アリス様の泣き声。泣き顔。
大金持ちの家に生まれただけの馬鹿な小娘のそれがどうして、どうしてこれほどまでに甘美なのだ。
いや、特にアリスに問題があるのではない。
エドガーがアリスのその様子に反応を示してしまうのことが問題なのだ。
血が下半身に集まる。強い欲が己の身を突き上げる。
いけない、と心のどこかが警鐘を鳴らすのに、エドガーは自らの椅子を蹴り、気が付けばその長身を折り曲げてアリスの椅子の隣に跪いていた。
「アリス様」
アリスのちんまりした白い膝に手袋の手を置いて、その顔を覗き込む。
むきたまごのような頬から大粒の涙を零す、アリスの愛くるしい泣き顔が顔を覆う両手から見え隠れしていた。
欲望の手綱を引かなければいけない、分かっている。なのに、自分の瞳が欲にギラついているであろうことがエドガーにはよく分かった。止められない。
「アリス様、どうか泣かないでください。少し疲れていたので返答ができなかっただけです。申し訳ありません」
口が適当な嘘をベラベラ喋る。手はスーツの胸からハンカチーフを抜いてアリスへと差し出した。
アリスを泣き止ませたいのではない。その顔を覆う手が邪魔だから、一刻も早くそれを取り除きたいのだ。
「グスッ……ううんっ…ふえっえぇ……」
アリスはエドガーの思惑通り、顔から手を下ろしてハンカチーフを受け取った。エドガーはすかさずその両手を自らの手で掴んでアリスの膝に引き降ろす。
0469アリスとエドガー(5/10)2019/09/23(月) 07:53:57.33ID:B1zZsgwo
ようやくエドガーの前に晒されたアリスの顔。
小顔の中にバランスよく配置されている可憐なパーツ。その大きな瞳が涙にグシャグシャに濡れ、小さな鼻の頭を真っ赤にしているのがサドの琴線に触れる。
生唾を飲むのを寸前でこらえ、エドガーは捕らえたアリスの両手を慰めるようにさすってやる。あくまでも紳士のように。
アリスの顔をしっかりと見つめているのも、まるで反省をしているからだというように。
(か……)
エドガーは心の中で噛みしめる。
(かわいい……)
死んでも、アリスには言わない言葉だ。
さらに、死んでも、アリスお嬢様の泣き声と泣き顔が大好物だという自分の本性は知られたくない。
エドガーがサディストだということは周知の事実だが、ただ、自分がアリスお嬢様に反応していることを他者に知られるのはエドガーのプライドが許さない。
こんな大馬鹿なお嬢様に反応するなんて、道端で小銭を拾うくらい浅ましい行為だと思うエドガーなのだ。
「…グスッ……ふぅう……」
いくらか涙のひいてきたアリスが、スンスンと鼻を鳴らす。
「グスッ…ぅぐ…先生、…おちん…グスッ……ちん、……たっ…スンッ……てる…」
……え?
今、何と仰った?
先生、おちんちん、たってる?ーーそう仰った?
エドガーはまさかと内心鼻で笑った。自分はいい年のオッサンである。
そんな十代の小僧のように簡単に勃起などするはずがないと自らの股間を見下ろすとそこには本当におちんちんたってる。ーーーーええ?
流石のエドガーもこれには目をむいた。
0470アリスとエドガー(6/10)2019/09/23(月) 07:54:47.18ID:B1zZsgwo
「スンッ……なんで先生、…アリスをっ…無視してぇ…グスッ……おちん、ちん、…たたせてるのぉ?」
ーー答えられない。
「…うぅ…先生のっ…ばかぁ……グスッ……先生のいじわるぅっ……スンッ…」
ーー言い返せない。
「……グスッ……アリスのこともう無視しないって約束してくれたら…それで、なでなでしてくれたら…アリスが、おちんちん…お口でしてあげる…」
「承知しました金輪際アリス様を無視しないと約束しましょうここに誓います」
即座にアリスの柔らかな金髪を二往復だけ撫でてエドガーは棒読みで言った。
アリスはぐずる事も忘れ、あまりに事務的なエドガーの行為に唖然としている。
「はい、もう無視もしません。なでました。どうぞアリス様のお口でなさってください」
Sモードに戻ったエドガーは冷たくアリスに言い放った。
いい年こいた大人としてこれはどうかと自分でも分かっている。
分かってはいても、欲望の手綱を操るのは、いくつになっても難しいものなのだった。

エドガーの無視が止んで泣き止んだアリスは、まだ目元と鼻を赤くしたまま自らのシャツの中に腕を入れて何やらまさぐっている。
やがて、水玉模様のブラジャーが外されてシャツの下からするんと出された。
脱ぎたてでほやほやなので、エドガーの座る椅子の肘掛に置かれるとほのかにいい香りがした。
「ねー先生」
椅子の前にちょこんと立つアリス様に、甘えるようにそう呼ばれる。もちろん「はい」と返答だ。
「えへへぇ、呼んだだけだよー」
返事にすっかり機嫌を直したようで、アリスは小さな両の拳を顎に当ててウフンとしなをつくる。
こうして笑っている顔も少しだけかわいいかな、とエドガーは思った。
「もう無視しないって約束してくれたから、えと…ちょっと恥ずかしいけど、今日はアリスのお胸も使ってあげるね」
そう言うと、照れたように頬を染めてセーラー襟のシャツを下からたくし上げた。
0471アリスとエドガー(7/10)2019/09/23(月) 07:55:37.71ID:B1zZsgwo
大きくていかにも柔らかそうな裸の胸が姿を現わす。
真っ白いそれぞれの乳房に、ぷっくりとした乳首の桃色が映えて愛らしかった。
アリスはやはり胸を見せるのは恥ずかしいのか、たくし上げたシャツの裾で口元を隠してもじもじしている。
「どうぞ、してください」
エドガーは普段通りの鉄面皮で椅子に腰掛けて告げる。その股間はすでに立ち上がっているので声色に微かな焦れが滲んでいる。
「うんっ、するね」
やっぱりエドガーの声が聞けるだけで嬉しいアリスは、従順にエドガーの足の間へと膝をつき、椅子の座面に上半身を乗り出すようにした。
手を伸ばしてベルトを外し、ファスナーを下ろし、下着からエドガーを解放する。
「あっ…本当にもうおっきくなってる…」と呟くアリス。
いつもは萎えた状態からアリスがその手と口で硬く大きく育てるのに、下着をずらしただけで勢いよく飛び出てきた陰茎に少し驚いているようだ。
「んっ……」
手の支えがなくてもしっかりと屹立している雄の先端に、まずはチュッと軽く唇を当てる。
キスすらしていない二人なのに、互いの体への口付けは何度もしている事実が不思議だった。
アリスはドキドキしながら自分の裸の胸を両手で掴み、プルンと陰茎の前へとやる。
「ねぇ、先生」
「何でしょうか」
ちゃんと声を、返してくれる。アリスははにかむと自らの乳房でエドガーを両側からゆっくりと挟み込んだ。
温かく、もっちりとした柔らかな感触が陰茎の幹を包む。何よりアリスの胸の高鳴りが陰茎に響いてきて、エドガーはふうと息を吐いた。
アリスは胸の谷間から飛び出ているエドガーの先端に小さな舌を絡めつつ、両手で胸を揉みこみ、乳房で陰茎をマッサージするように擦る。
刺激の強さでいえば、胸で挟まれるよりも、手でしごかれたり舌を這わせるする方が強い。
0472アリスとエドガー(8/10)2019/09/23(月) 07:56:29.18ID:B1zZsgwo
それでも、視覚に与えられるいやらしさは格段にこちらが上だった。
幼い顔を染め、ちっちゃな舌と唇で鈴口を奉仕するアリス様。そして大きな胸で陰茎を包みさするその姿。
「んちゅっ……ふう、…れるっ…」
女は聴覚、男は視覚という言葉は真実だと体感しながら、エドガーの疼きがどんどん大きくなる。
アリスの小さな指が柔らかにめり込む乳房が、むにゅむにゅと自在に形を変えてエドガーの杭を愛撫する。
アリスの胸は柔らかで滑らかで、まるでプリンのようだ。違うのは、とても大きくて人肌の温もりがする点。
そして、エドガーの視線と挟んだ陰茎を意識してか、ピンク色の乳首がツンと立って可愛らしい。プリンよりもこちらの方が美味しそうだ。
アリスは口を亀頭から離し、舌を出してテロンとシロップをかけるように細く唾液を垂らしていく。
亀頭から漏れ出たサラサラとした先走りと混ざり、それは陰茎をつたってアリスの胸と椅子にまで落ちていった。
「はぁ……んるっ……ちうっ…」
再びお嬢様の口で雄の象徴へと奉仕が行われる。自らが描いた唾液の線を広げるように、懸命に小さな口を開き、膨れた先端を咥え込む。
熱い下が、唇が、必死でエドガーを高めていく。乳房は、太く脈打つ杭の幹を抱いて乳首を合わせるようにして擦り合わされる。
泣き顔には及ばないがひどく隠微な光景だ。エドガーの呼吸と上下する腹の動きが荒れてくる。
「せ…ひぇん…へ……」
口中を男でパンパンにしながら、苦しそうにアリスがまた甘えて呼びかける。そんなにも返事が欲しいのかと、蕩けるような征服感が陰茎を貫く。
「アリス様…」
エドガーは手袋の手で抑えた口からくぐもった声で名を呼んでやった。抑えなければ荒い息を部屋中に響かせてしまう。
アリスは満足そうに幸せそうに笑い、また深く深くエドガーを吸い込む。
小顔のアリスは頑張っても太い幹まではなかなか咥えられず、苦しげに涙を目尻に浮かべて眉根を寄せる。
0473アリスとエドガー(9/10)2019/09/23(月) 07:57:10.53ID:B1zZsgwo
(そんな顔をされたら、もうーーー)
堪えきれない。
アリスが自らの胸に顔を埋めるようにして、必死で喉奥まで猛った男を呑み込む。じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てて狭めた唇をゆっくりと今度は上へと引き上げていく。
強い刺激にエドガーは手袋を噛む。
ポロリと小さな涙がアリスから溢れた途端、再び甘美な衝撃に突き上げられ、たまらずにエドガーは白濁をアリスの喉に射出した。
「ぐっ……」
ギリッと手袋を噛みしめる。目の前が光って意識が飛ぶ。
「ケホッ!んっ…んぐっ!」
急に喉の奥に叩きつけられた熱い物にアリスは苦悶の表情を浮かべるが、なんとかそれを全部コクンと飲み干した。
「ぷはっ……はあ……は…」
湿った吐息をはきながらようやくアリスはエドガーを口から抜いた。それでもまだ乳房は陰茎をゆったりと包んでいるので、まだ温もりを感じられて心地よかった。
「ふう……いつもは苦いからちょっとヤだったけど、全部喉にきたから飲めちゃった」
アリスはチロッと舌を出して悪戯っぽく笑った。いつもは、苦しいからと喉の奥までご奉仕してくれないくせに。
エドガーはばつが悪そうにそっぽを向くと、アリスに一言。
「アリス様に、私からも約束していただきたいことがあります」
「ん?なぁに?」
「今後、私の前でアンディーー他の男の名前は出さないでください」
アリスはきょとんとして首を傾げた。自らの胸ごとエドガーの杭をぎゅっと抱きしめる。
「それって、パパの名前も言っちゃダメ?」
「いえ、旦那様は除外します。でも、それ以外の男の名前はやめてくださいますか」
0474アリスとエドガー(10/10)2019/09/23(月) 07:57:58.85ID:B1zZsgwo
ヤキモチ。
アリスとアンディに対して抱いた不快感の正式名称を、エドガーは知りたくないけど知っていた。
そんなことは全く分からぬお馬鹿なアリスはふーんと難しそうに首をひねるが、
「うんっ!約束ね!」
と、すぐにかわいい笑顔でエドガーを見上げた。


おしまい
0475名無しさん@ピンキー2019/09/24(火) 17:48:51.55ID:MPE1Tkfc
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。執事とよその奥様のエロ。
0476愛人くんと天使ちゃん(1/4)2019/09/24(火) 17:49:38.66ID:MPE1Tkfc
「んうぅ…あぁ…あっ!…うぅうん…」
もっちりと肉付きのいい内腿が柏木の腰に擦り付けられる。
菱山家の奥様は、そのまま柔らかなおみ足を自らを貫く男へと絡めていった。
幾度も達した足はガクガクと大げさなほどに震えているから力が入らない。それでも、体内で雄の精をしっかりと受けたいがための本能でそうしているのだ。
(こういうのっていいよねぇー。熟れてても可愛いねぇ)
奥様に覆い被さってその身を犯していた柏木は、そう頭の中で歌いながら整った顔に笑みを浮かべた。
柏木の下で喘ぐ奥様は、淑女の姿からかけ離れた痴態を晒している。
柏木の雇い主である京極の女主人から奥様を紹介された時は、女優のようなつばの広い帽子と濃いメイクの似合う勝気そうな美女だった。
今や、悦楽に霞むその目は虚ろで、いやらしい呻き声を口から吐き汗ばむ裸体をくねらせるばかり。
始めてすぐは「夫のモノよりずっといい」と柏木の若い身体を技巧を尽くして愛でてくれたのに、もはや肉欲に溶けた甘い泥濘みと化していた。
四十代にしては恐ろしく若い外見と美しい肌は、湯水のようにアンチエイジングに金をかけた賜物だろう。
それでも経産婦の証とばかりに腰周りにボリュームがあり、若々しい顔立ちとのアンバランスさが妙にそそる。
垂れてはいないがゆるりと上体から溢れ、柏木の腰の動きに合わせてプルプル揺れている蕩けそうな胸も、その先端の色褪せたように淡い大きな乳輪も淫靡でいい。
貪るような深いキスを幾度も交わしたため、口紅はよれて唇からはみ出し、その紅は柏木の形の良い口元や顎髭にまでなすりつけられていた。
舌でグイッと自らのその口を舐め、柏木は杭を深く深く打ち込み続ける。
この奥様は女性には珍しく、子宮近くまでを乱暴なほどに突かれるのがお好きなのだ。
ズボズボと遠慮なく突き刺せるのはありがたい。こちらの根元、淫毛までを温かなひだで包まれるのが快感だった。
(あー、すっげぇ気持ちいい…)
熟れた蜜壺はゆったりと柔らかく雄を呑み込む。そのざらつく内壁で陰茎をヌチュヌチュとさすりあげ、温かく包むように迎え入れる。
若いお嬢様では味わえない、跨る我が身ごと奈落に沈み込みそうな柔らかな肉の感触ーー。崩れ落ちそうに熟れたご婦人ならではの感触だ。
0477愛人くんと天使ちゃん(2/4)2019/09/24(火) 17:50:27.64ID:MPE1Tkfc
柏木が両手の指先で奥様のたっぷりとした臀部を側面から擽ぐると、ビクンと反応があって膣が締まった。
まだ少し緩いが、ほどよい具合だ。ラストスパートで腰を早めるには。
「お綺麗です、奥様…」
朦朧としながらも、柏木の言葉に奥様は嬉しそうに微笑んだ。激しく攻め立てられ呻き声も大きくなる。
「ぅうう…んんぁっ!…ぁあぁっ…ぁあっ!あぁっ!」
繋がった秘所から泡立った粘液が漏れ出て、プクッと場違いに可愛らしい音を立てて割れる。
蜜壺を掘り返すように早く強く陰茎を突き刺し、引き抜き、絶頂へと駆け上がる。
グチュ グチュ ヌチュ グチュッ
「あっ!ぁあぁ…ひ…っ!ぅうっ!」
絶え間なく、泥濘みを掘る淫猥な音と嬌声があがる。
下半身に血が集まり背筋を悪寒に似たものが這う。もう、もう、互いが達する。
男が女を食べているのか、女が男を食べているのか分からなくなるこの凶暴な一瞬が何よりも好きだ。
グボッと太い杭が子宮の入り口まで深く深く貫いた。
「ンっ!あぁああぁあンッ!!」
柏木の腰に絡みついた柔らかな両足がブルルッと強く震え、そして崩れ落ちた。堪えきれずに柏木も避妊具の中に大量の精を吐く。
ーーーああ、膣の中で射精をするこの一瞬が、やはり一番好きか。


「ただいまー!お嬢様!」
超ご機嫌のバ柏木が、またもやノック無しでアンジュの部屋にズカズカ入ってきた。
0478愛人くんと天使ちゃん(3/4)2019/09/24(火) 17:51:11.59ID:MPE1Tkfc
今の今までその行為をずっと無視していたアンジュだが、今日はたまらずにそのヘラヘラ顔を睨みつけてやった。
「…ただいま、じゃない。…ここはお前の家じゃない…私の部屋」
ルームウェアのうさ耳付きフードを目深に被り、その無表情の面に少し苛立ちを含ませて言う。
左目の泣きぼくろのためか、睨むと少しだけアンジュの童顔はコケティッシュになる。
柏木はまるで怯まず「だぁーって俺、お嬢様の執事ですしー。いーじゃんただいまでー」と、ソファーでくつろいでいたアンジュの隣にドッカと腰を下ろした。
いや、寄って来るなよ、私の部屋だって言ってんだからとっとと出てけよ。第一、執事ってそういう職務じゃないからな、お前の認識おかしいからな。
「お嬢様ってストレートにしててもきゃわわだよねー」
今日は土曜日で学園が休みのため、髪の毛はセットしておらずそのままだ。バ柏木はフードからはみ出ているその長い髪を撫でて遊ぶ。
この馬鹿には何を言っても無駄なのか。
やはり無視が一番と、アンジュはむっつりと手元のスマホに目を落とした。
視界の端に、スタイルの良い柏木の足がソファーから長くはみ出ている。自分のおちびな体型との対比を思ってちょっと悔しくなったが、無視無視。
「なんかーお嬢様の部屋が俺のおうちって感じなんですよー。帰ってくるとマジでホッとするって感じで」
なんか言ってるが無視無視。
「ここがおうちだからさー、だから俺ぇ、いつもお嬢様と一緒に寝てるし」
無視無……ん?
「お嬢様の寝顔見てると一日の疲れとか全部消えるんスよねー。洗い流されるっつーか。ほっぺツンツンするとお口からおつゆが溢れてかわゆいしー」
んん?
「そんでお嬢様のシャンプーのにおいに包まれて寝ると癒されるんスよ、すごく。抱き枕にするとフィット感いい、マジ相性いいって感じで。ホント浄化されます」
んんんん?
ポイッ。アンジュはスマホを放り投げた。
0479愛人くんと天使ちゃん(4/4)2019/09/24(火) 17:51:50.42ID:MPE1Tkfc
バ柏木のだらしなく緩めていたネクタイをガッシと掴み、そのイケメンヅラを自分の鼻先に引き寄せる。
「柏木…もしかして…私が寝てる間に、勝手に部屋に入って来て…勝手に添い寝してるの…?」
「あ、はい」
「…それで…勝手に私を抱いて寝て…私が起きる前に、出て行ってるの…?」
「あ、はい」
何故だろう。
何故、怒りがあまりに巨大過ぎると、人は虚脱してしまうのだろう。
デロンと虚脱したアンジュはソファーから軟体生物のように崩れ落ちた。スライムが階段を垂れて落ちるのに似ている。
崩れてもネクタイは手から離さなかったので、ゴミクズエロチャラ執事が「あいてててて!!」と悲鳴を上げてアンジュの横に顔面から落ちてきたが、もうどうでもよかった。
間接キスの次はお姫様抱っこ騒動を起こし、挙げ句の果てには実は毎晩アンジュを抱き枕にしていたというーーー
(死ねば、いいのに…)
アンジュはそう思ったきり、白眼をむいた。


おしまい
0480名無しさん@ピンキー2019/09/26(木) 07:20:20.81ID:quYeEj4E
プレイボーイなチャラ男執事と反抗期の暴力お嬢様のラブコメです。イチャイチャしてるだけ。
0481愛人くんと天使ちゃん(1/6)2019/09/26(木) 07:21:08.32ID:quYeEj4E
名家の子女の嗜みとして古武術を習っているせいだろうか、アンジュはとにかく寝つきがいい。
ベッドに潜ると3分後にはすぴーすぴーとかわいい寝息を立てる毎日だ。
そんなアンジュだが、今夜は暗い自室の中、布団の中でギンッとつぶらな目を開いてベッドの天蓋を見上げていた。
常時は22時就寝なのに今は22時半。いつもならとっくにいい夢見ながらすぴーすぴーしているはずの時間帯である。
アンジュは耳をすませた。広い屋敷の防犯のため、廊下の音はよく通る設計になっている。
やがて、微かな足音が一つ聞こえてくる。靴がたてるカツカツという音ではない。
足音はアンジュの部屋の前で止まると、静かにドアノブを回して押し開いた。
アンジュはすぐさま目を瞑り寝たふりをする。
誰が、何のために来たのかは分かっている。それを確認するために今までお目目ギンギンで起きていたのだ。
緊張で胸がドキドキ高鳴り、思わず寝間着のベビードールの裾を握る。
侵入者は、ふー、と長い息をつくと、なんの躊躇もせずに広い部屋を進み、アンジュの豪奢な天蓋付きベッドへと腰を下ろした。
スプリングが沈んで、そして相手から湿り気を帯びたボディーソープの香りが漂ってくる。アンジュは心臓の音はドキドキを通り越してバクバクいってる。
「ただいまぁーお嬢様。ねんねしてるね」
小さな囁き声が落ちてくる。なぜ赤ちゃん言葉なのだ、バ柏木。
そのまま柏木は滑るようにベッドに乗ってきた。パタパタと落ちる履物の音。足音が小さかったのは、湯上りでスリッパを履いていたかららしい。
まるで湯気の残りが感じられるような熱がほんのりとアンジュの頬を撫でていく。布団が一瞬捲られてひんやりとした空気を感じた。布団の中に、入って来やがったのだ。
敷布団をすべる柏木の手が起こす微かな音やスプリングの沈み方によって、こやつがアンジュの隣で片手をついて長身を横たえているのが分かる。
アンジュの寝顔を見下ろしているのだ。
意識すると顔から火が出そうになるが、アンジュは必死に寝たふりを続けた。
部屋は暗いとはいっても本当の暗闇ではない。部屋の隅の間接照明があるから、目が慣れれば人の顔貌もくっきりと分かるはずだ。それでも赤面まではさすがにバレないだろう。
0482愛人くんと天使ちゃん(2/6)2019/09/26(木) 07:21:52.47ID:quYeEj4E
柏木がふっと笑う声が聞こえた。
「かんわいー……寝顔マジで天使だな」
アンジュの顔から業火が噴出する。やめろ。なにが天使だマジでやめろ。
小声でくすくす笑いつつ、布団がずれて柏木の腕がアンジュへと伸びる気配がした。抱き寄せられる!と、思わずアンジュの全身がビクンッと跳ねてしまう。
「んんっ?」
柏木から驚きの声が上がる。しばしの沈黙。
柏木が囁く。
「……お嬢様…起きてます?」
バレた。
速攻バレた。
顔真っ赤で心臓バクバクのアンジュはそれでも狸寝入りを続けた。
アンジュはただ、このチャラ執事が毎夜密かに自分を抱き枕にしているという話が、法螺話なのかどうか確認したかっただけなのだ。
もし嘘だったならこれから毎晩安眠できるし、もしそれが真実だったらーーその場合のことは特に考えてなかった。頭が混乱している。
とにかく、自分が今すっごく馬鹿なことをやっているというのはさすがに理解できた。でも、寝たふりをする以外の選択肢が今のアンジュには思いつかない。
「ふーん」
バ柏木は楽しげにそう言うと、手を引っ込めてドサッとアンジュの顔のすぐ横に自らの顔を下ろした。
アンジュの耳に柏木の呼吸が間近に当たっているから、多分顔を横向きにしてアンジュを間近から観察しているのだろう。
「あー、やっぱ寝てんのかなー。うん、寝てんなぁこれは」
くっくっと喉の奥で笑われる。クッッッッソムカつく。起きてるの分かってるだろお前。
「寝てるならいつもみたいに抱っこしてもいいよねー…。お嬢様、寝てるから気が付かないですよねぇー…」
0483愛人くんと天使ちゃん(3/6)2019/09/26(木) 07:22:34.38ID:quYeEj4E
わざと耳元に熱く息を吹きかけつついやらしく囁かれる。
アンジュはシーツを握りしめ、必死にその場から逃げ出したい衝動と戦った。
バ柏木に弄ばれてる耳がどうにもくすぐったくて、体がヒクヒクとくねってしまいそうなのだ。アンジュはくすぐりに超絶弱い。
「それともエッチなことしちゃいます?柏木ちゃん、お嬢様の色んなとこいじっちゃいますー?」
クソエロ顎髭野郎はなおも挑発を続ける。混乱しながらもアンジュは焦った。
どう考えてみても、すぐに狸寝入りをやめて今すぐこいつをつまみ出した方がいい。
しかし、今更起きたらなぜ寝たふりをしていたのだとからかわれるのではないか?
そりゃもう「お嬢様ってガチで誘い受けっスねー」とかゲラゲラ笑われるのだ。そして確実に学園でまで吹聴される。それだけは避けたい。
(…どうしよう…)
いくら柏木がゴミクズでも愛人野郎でも、本当にエッチなことはしないと思う。こいつはエロいけどそういうキャラじゃない。
でも、耳に息を吹きかけられる刺激だけでアンジュはもう限界なのだ。耳ってこんなに敏感な部位なのだろうか。
「でもまー、本当に寝てるかわかんねーからな、ちょっと触ってみないとね。ちょっとね、確認しなきゃね」
(……!?ど、どこに触るの…?)
目をつぶっているからどこから触られるのか分からない。これはすごく怖い。
と、掛け布団をペイっと全て剥がされる。アンジュが思わず大声で叫ばなかったのは奇跡だ。それくらいビビった。
柏木が以前、下着のようだと言っていた寝間着を自分は着ている。ベビードールの裾からはパンツだって僅かに見えているはずだ。恥ずかしくて思わず内股になってしまう。
アンジュは頭のてっぺんからつま先までを緊張で硬直させた。
どこに?どこから?柏木は自分の体にどうやって触るのか。
ーーまさか胸はないよな、信じてるぞエセ執事。
ーーまさか股間とかもないよな、信じてるぞクソ執事。
0484愛人くんと天使ちゃん(4/6)2019/09/26(木) 07:23:28.45ID:quYeEj4E
ーーまさか触ると思わせての不意打ちでキスとかはないよな、信じてるぞゴミ執事。

こちょこちょっ
正解は「両方の脇の下を同時にこちょこちょ」だった。

「ーーーーーーーーーーっ!!」
あまりの衝撃に悲鳴すら出なかった。
着衣に覆われていない裸の脇の下を直に指で擽られたアンジュは、文字通り海老反りになってベッドの上でバインッと飛び跳ねる。
反射的に両脇を手でガードしてベッドの上を転がり回り勢い余って床に落ちる。ベッドの天蓋をも巻き込んで落ちたのでビリッとどこかが破損する音がした。
もはや狸寝入りどころの騒ぎじゃない。アンジュは今、完全にリアクション芸人と化していた。
とんでもない醜態を晒しているのだが、くすぐったさの前にはどうしようもない。脇から電力を流されたくらいのショックだった。
本当にくすぐりだけはダメなのだ。脇の下とか脇腹あたりは正にデンジャラスゾーン。そこをいきなりこちょこちょとか、殺す気か。
「はぁ…はあっ…」
軽く脇をいじられただけなのに、アンジュには息を整える時間が必要だった。
顔も赤いが、さっきまでの羞恥での赤面ではない。本当に体が熱くなってしまってどうしようもない。
(くすぐりは…絶対にいけない…この世から無くしてしまわなければ………。あれ…、柏木どうした…?)
ようやく落ち着いたアンジュは気が付いた。バ柏木の反応が何もない。
からかう笑い声も、ベッドから転げ落ちたアンジュに呆れる声も、心配する声すらない。
お前がくすぐったんだからせめて心配くらいはしろよ、とアンジュが身を起こしてベッドの上を見ると、そこにはパジャマ姿の柏木が正座をして両手で目から下を覆っていた。
「…何やってんの」
0485愛人くんと天使ちゃん(5/6)2019/09/26(木) 07:24:24.33ID:quYeEj4E
怒るのも忘れて呆れて尋ねる。
「……お嬢様、あのね……俺ね、脇の下をちょっとこちょこちょしようと思っただけだったんですよ……」
うん、それは分かる。
「そしたら、お嬢様の反応がデカすぎてね……体跳ねた時にね、俺の顔面に……お嬢様の頭突きがガチで入ったの……」
あ、そう。それは天罰じゃないかな。
「そんで、鼻骨折れたんじゃねーか?ってくらい痛くて……鼻血、出ちゃった……」
「は?」
アンジュは驚いて枕元のライトを付けた。見れば、シーツの上に点々と赤い血が落ちている。二人はしばらく仲良くその血痕を眺めていた。
「…柏木」
「はい…」
「…ざまあみろ」
「ひどくね…?」
「…ざまあみろ」
とりあえず柏木を部屋から追い返し、アンジュはその後ベッドの上ですぴーすぴーとねんねした。
これでやつも懲りただろうから、これからの安眠も間違いなし。災い転じて福となす。アンジュは幸せな気持ちで眠りこけた。

翌日の日曜日正午、昼食のために食堂へと訪れたアンジュを待っていたのは、「祝」の字のついた鯛の塩釜焼きと、てんこ盛りの赤飯だった。
「………」
アンジュはいつもの無表情のままそれを見つめる。驚いてはいる。ただ顔に出ていないだけで。
いつも、日曜日の昼はアンジュの好きな焼きたてスコーンと紅茶、あとは軽めの卵料理と野菜が定番なのに、何だこれ。
0486愛人くんと天使ちゃん(6/6)2019/09/26(木) 07:25:10.43ID:quYeEj4E
絶句するアンジュに、横から母親がぎゅーと抱きついてきた。
「アンジュちゃんっ!おめでとう!これでアンジュちゃんも大人の女性の仲間入りねっ、ママ嬉しいっ!!感動よぉ!!」
いや、初潮ならとっくに迎えてますけど。何のことだ。
「アンジュちゃん痛くなかった?あ、でも柏木くんプロだから大丈夫かしら。うふっ、こらからは母娘で一緒に楽しめるわね!柏木くんと三人でしましょ!」
何?何何?何の話?
「…まって、ママ何のこと…?私、別になんにもないけど…」
アンジュが困惑して興奮する母の腕を振りほどこうとすると、「恥ずかしがらなくていいのよぉ」と笑う母が指をパチンッ!と鳴らした。
それを合図に、メイド達が何かの幕のように白い大きな布を食堂に運んでくる。それは血痕の残る例のシーツだった。
アンジュが部屋から抜けた後に清掃に入ったメイドが発見し、母に報告したのだろうか。
でも、いや、別にバ柏木の鼻血の付いたシーツをこんな風に広げられましても。
「はいっ、この赤い血っ!処女膜喪失の証っ!そして昨夜アンジュちゃんのお部屋に柏木くんが出入りしたという事実!バージン卒業おめでとうアンジュちゃんっ!!」
アンジュは、母親に抱き締められていなければその場にひっくり返っていただろう。
シーツを持つメイド達も皆頭を下げて「お嬢様、おめでとうございます」と祝福してくれる。
ワアァッと背後から溢れる歓声と拍手に振り向けば、食堂の外の廊下に、執事の真山が、運転手がコックが庭師が、使用人達が温かな面持ちで拍手を贈っていた。
「あの抜き身の刃のお嬢様が…ようやく……」
感極まって震える声が使用人の群から聞こえてきた。
我が家ながら、京極家ってかなりヤバイ屋敷だな、とアンジュはその時やっと思い知った。

ちなみにその頃、鼻骨とイケメンヅラが無事だったクソ柏木は、千鶴子様にご指名を受け楽しく愛人業に励んでいた。


おしまい
0487名無しさん@ピンキー2019/09/27(金) 09:35:15.74ID:k4j2fvqN
お馬鹿なお嬢様とサドな家庭教師のラブコメです。
NGは名前欄の「アリスとエドガー」でお願いします。
0488アリスとエドガー12019/09/27(金) 09:36:07.96ID:k4j2fvqN
(エッチなことはしているけど、キスはしたことないし、する予定もないよね…。
セ…セックス……も、する予定はなんてないよね)

アリスは、左隣でグランドピアノを連弾するエドガーの長い指を眺めてそう思った。
潔癖症だから常に白い手袋をしているエドガーだが、ピアノの演奏時にはさすがに外す。指が滑るのだ。
住み込みの家庭教師エドガー先生は、ピアノもバイオリンもセミプロ級なので、音楽の授業と一括りにされてそれらの稽古も受け持っている。
今はその音楽の授業、ピアノのお稽古中だった。
いつもの勉強部屋ではなく、屋敷の角、庭園に面したガラス張りの開放感のある部屋。
ガラス越しの木漏れ日がエドガーの深いブラウンのスリーピーススーツと、アリスのワンピースに穏やかに注がれる。
アイボリーのワンピースの襟元と袖口には同じく深いブラウン色のラインとボタンが付いていて、エドガーと並ぶとちょっとだけペアルックの気分になった。
例によって大きなお胸部分のボタンのみ外れてしまっているアリスは、ペアルックだと意識した途端、何となく考えてしまったのだ。
先生とのキスとか、セックスとかを。
(……先生って、私とキスとか…セックス……とか、したくないのかな……?)
考え事をしていてもアリスの指は譜面に合わせて動くのだが、やはりわずかにリズムと抑揚がズレてしまい、神経質なエドガーがピタリと演奏を止めた。
慌てたアリスが手を止めエドガーを見上げると、案の定、鉄面皮の冷たい瞳がアリスを射抜く。
「アリス様は元々が下手くそでいらっしゃるのですから、演奏中はせめて気を散らさないように」
ムーッ!
アリスはころんとした可愛い小顔の片頬をプクッと膨らませた。頬にかかる金髪のショートボブがつられてサラリと揺れる。
なぜこの先生はいつも意地悪な物言いしかできないのか。本当に性格が悪い。
「この曲をアリス様が演奏すること自体か作曲家への冒涜なのですから、まずは作者に謝罪し、譜面に謝罪し、ピアノに謝罪し、そして私に謝罪してから弾き直してください」
0489アリスとエドガー22019/09/27(金) 09:37:10.22ID:k4j2fvqN
「私、最後の先生への謝罪は要らないと思う!」
「仰っている意味が分かりかねます。早く謝罪を」
アリスは頭をガシッと掴まれ、力ずくでピアノの鍵盤に鼻先がつくほど頭を下げさせられた。
ひ、ひどい……。
インテリ眼鏡でオールバックで常時スーツで無神経無表情で長身のこのオッサン。
足掛け10年このオッサンと同じ屋敷で暮らしているアリスだが、「アリスに対しての酷い折檻」の記録が毎日のように更新されている気がする。
アリスが小さい頃は、鼻を摘まれたり頬を両側から引っ張られるレベルの折檻だったのに、とうとう昨日はエドガーから投げっぱなしジャーマンを喰らって見事記録更新となった。
なぜお嬢様にプロレス技をかけるのか。なぜプロレス技をかけられるほどバカなことをお嬢様がしてしまうのか。
それはお馬鹿なアリスと鬼のエドガーだから仕方がない。
ーーふと、頭を下げさせられているアリスの視界の端で、エドガーのもう片方の手がピアノの鍵盤の蓋にかかっているのが見えた。
生命の危機を感じたアリスはフギャー!と悲鳴を上げて椅子から転げて逃げた。
頭をピアノの蓋でガーンってサンドするってか。そんな記録はさすがのアリスも御免被る。
「急にどうされましたか?醜い奇声を上げて奇行に走られて。普段通りと言えば普段通りですが、落ち着きのない」
「え?」
床に転がったアリスが椅子の上のエドガーを見上げると、アリスが逃げた理由が本気で分からないというようにこちらを見下ろしている。
ピアノの蓋にかけられた手は、その箇所を少し撫でて離れた。
2.0のアリスの視力で注視すれば、そこにはわずかに擦り傷があった。神経質だからこれが気になっただけか。
「な、なーんだぁ…。えへへ、アリスはてっきり先生がピアノの蓋でアリスの頭をガシーンッ!って挟むかと…」
「ああ、なるほど、その手がありましたか」
採用するんかい。
「しかし、アリス様の頭部に衝撃は与えたくありませんね。これ以上アリス様の乏しい脳細胞が死滅すれば手に負えませんし、旦那様に申し訳がありませんから」
0490アリスとエドガー32019/09/27(金) 09:38:10.52ID:k4j2fvqN
プイッとそっぽを向いてそう言うエドガー。
アリスはちょっとずつだけど最近分かってきた。
こういう風にあらぬ方向を向いて話している時は、エドガーが照れている時なのだ。
翻訳すると、「アリス様を苛めていても本当に危ないことは絶対しません」と。
なんだかんだいっても、結局先生は自分を大事にしてくれてるんだなー、とアリスは思った。
「床に這いつくばったままニヤつくのは即刻やめていただけますか。私の目には妖怪の類にしか見えません」
エドガーのその声で、自分が笑顔になっていたことをアリスは知った。
いつも冷たいエドガーだから、たまーに愛情らしきものを感じると嬉しくなっちゃうのに。まったく。
アリスは立ち上がってペアルック風ワンピをぱんぱん叩くと、エドガーの隣に小さなお尻を乗せて座った。
あ、そういえば今二人で座るこの椅子は、エドガーとアリスが連弾をするために特注で作られた長めの椅子。二人のためだけの椅子ーーー
(ああ、ダメダメ…そういうの思ったらまた意識しちゃうよう…)
また考えてしまう。キス。セックス。先生とするかしないか。
「ーー先程から何か上の空ですね。この曲は飽きましたか?」
「えっ!?うっ、あのっ、そうじゃないんだけど、ちょっと考え事を……」
「何を考えていましたか?今から三秒以内にお答えください。無回答のままカウントがゼロになった瞬間お望み通り頭を蓋で挟んで差し上げます」
いや、望んでない。
厳しく問い詰められ、アリスは困って上目遣いにエドガーの鉄面皮を見上げた。上目遣いをすると、幼い顔がますます頼りなげに見えて愛らしい。
「わかったもん…言うよ。……あのね、アリスね、ちょこっと考えてたの。先生とこれから先…キスとか……もっとエッチなことをするのかなって…」
ごにょごにょ。
こんな事を言っているのが恥ずかしい。
0491アリスとエドガー42019/09/27(金) 09:39:06.45ID:k4j2fvqN
でも、キスもセックスも一人じゃできないことなので、肝心のお相手にこうして相談しないことには何も始まらないのかも。
まあ、そのお相手から脅迫を受けて無理に喋らされているのですが。
「キスーーですか」
エドガーは事務的にその単語を復唱した。
「セックスーーですか」
ちょっと待て。その単語はアリスは口に出していないのになんで勝手に言う。アリスはポンッと湯気を出して赤面する。
「セックス。私とアリス様が、セックス。セックスをするのですか。セックスを」
セックスの駄目押し。
真っ赤になったアリスはいたたまれなくて身を縮めた。
「その、ですね」
エドガーは眼鏡を中指で押し上げて、またアリスから顔を反らしてあらぬ方向を向く。先生、そちらは天井の隅ですが何か見えますか?
「その……アリス様は、私とのセックスをお望みなのでしょうか?」
「っ!?えええええええ〜!?」
これには思わずアリスからブーイングがあがる。
「それ、女の子に言わすのー!?先生ずるいよ!!」
「ずるい?私は旦那様にお嬢様の家庭教師として雇われている身に過ぎません。旦那様のご息女の意思を確認するのは当然のことです」
うわー、早口で上手いことまくし立てやがった。そのご息女に投げっぱなしジャーマンしたくせによく言うわ。
ぷりぷりと怒るアリスはさらに噛み付いた。
「ずるいもん!先生は責任逃れをしようとしてる!アリスが子どもの頃にアリスの顔におちんちんから白いのいっぱいかけたくせにー!!」
「あれはアリス様が勝手になさった事です。その結果がそうなったというだけでこちらに非などありません。悪意に満ちた記憶の改竄は大変不愉快だ。訂正なさい」
0492アリスとエドガー52019/09/27(金) 09:39:48.17ID:k4j2fvqN
「ブー!アリスの記憶が正しいですぅー!アリスはあの時まだ小さい子どもだったんだよ?当時すでに成人してた先生サイドに完全に非があるもん!」
「私は被害者です。訴えますよ」
「ぬぁあにをぉー!!っもう!先生なんてだぁいっ嫌いっ!!先生となんて絶対絶対キスもセックスもしないもんっ!!」
さっきまで悶々と考えていたのが馬鹿らしい。こんな嫌味なオッサンとそんな行為をしてなんの意味があるのだ。
そもそも、そういうことは恋人同士でやるものだ。そう、好きな相手と。嫌いあってる家庭教師とお嬢様でやろうというのが間違いだった。
憤慨したアリスはピアノに背を向けてドアへと歩き出す。
気分的にはのっしのっしと足を踏み鳴らしているのだが、悲しいかな、バレエとストレッチでしなやかに育ったアリスのか細い体からはそんな雄々しい足音は出てこない。
テクテク、テクテク。
極めて平和な音を立てて部屋を去ろうとするアリスの体が、急に背後から抱き締められた。
「ーー言い忘れました」
抱き締めるエドガーがそう囁く。
「もし、アリス様が他の男とキスやセックスをなさるくらいならば、私がいくらでも性教育の授業をして差し上げます。私ではーーお嫌ですか?」
ーーーやっぱり、ずるい。
そう思いつつ、アリスは真っ赤に染まりエドガーの腕の中にふにゃんと脱力してしまった。


「アリス様は、キスのご経験は?」
カーテンを閉めきると、部屋は薄暗く甘やかな密室へと姿を変えた。
アリスは二人のための椅子の上で、エドガーと身を寄せ合う。
腕に捕らえられたままだから、アリスの胸の弾けそうな鼓動がエドガーに丸聞こえだと思うと無性に恥ずかしかった。
0493名無しさん@ピンキー2019/09/29(日) 06:20:36.16ID:I4bQCrqu
なろうに移ります
かつての住人さん、もしまたいましたらそちらでお会いしましょう
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